日本初!住宅メーカーの省エネ性能を客観的に表示するウェブサイトがオープン
一般社団法人パッシブハウス・ジャパンがプロデュースした建物の一次消費エネルギーを計算するソフト「建もの燃費ナビ」を使用して、日本で初めて住宅メーカーの省エネ性能を定量的に燃費で比較できる
「建もの省エネ×健康マップ」がウェブサイト上にオープンしました。
リリース情報は以下の通り。
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日本では初めて住宅を建てようと思ったとき、大多数の人はインターネットで住宅メーカーのホームページを見る、そして住宅展示場に行くという行動からスタートすると言われています。しかし住宅メーカーの家は非常に高いということが判明すると、地元の工務店や建売に変更していく方も多いようです。それでも最後まで住宅メーカーで検討していくと、複数のメーカーの性能比較が必要不可欠となります。中でも耐震性能と省エネ、断熱性能に関しては各社「我社が一番優れている」といったパンフレットや営業トークが目につき、聞けば聞くほど、どこの会社が高性能なのかが、購入者側からは分からなくなってくるというのが現実です。この現状を自動車業界に置き換えてみると、リッター何キロかわからない状態でカタログと営業トークで低燃費かどうかを購入者が判断することと同じ。結果として購入者は本当に欲しい低燃費の車を買うことができず、低燃費な車を開発する必要性は薄れ、それでも真に低燃費の製品を提供するメーカーは他社製品との大きな価格差に悩まされ、日本社会の省エネ化は思うように進まない、という事態に陥りかねません。
車の10倍以上の価格の住宅購入の際に、購入者のための公平な燃費表示が存在しないという事は大きな問題です。
一方、まだ余り知られていない事実ですが、家の断熱性能と健康には深いかかわりがあり、しかるべき断熱性能の暖かい家に住むことで住まい手が健康になるという研究結果が出ています。室内の温度むらの少ない暖かい家に住むことで、一人年間約1万円の医療費の削減につながるという研究結果もあります(国の保険負担率で割り戻すとおよそ4兆円の国家予算に相当)。しかしこれには住宅の高断熱化(すなわち省エネ化)による燃料費の削減分は含まれていないため、実質的な節約金額はこれを大きく上回ります。ここでいう暖かい家と健康の相関性は、現在の住宅メーカーの標準レベルである「次世代省エネ基準」程度ではまだまだ小さく、それを更に上回る「トップランナー基準」レベルを超えた断熱性能の家で顕著になります(ちなみにEUの省エネ義務基準は日本のトップランナー基準すら大幅に上回ります)。今現在、人口1億2000万人のうち、約1億人は冬の間暖かい生活ができていないと言われるほど、日本人は世界的に見ても珍しいほど寒さを我慢して暮らしている国民であり、その犠牲の上に現在の家庭のエネルギー消費量の統計があることを忘れてはなりません。
3.11後、自然エネルギーへのシフトが叫ばれるようになりましたが、基本はなんといってもこれまでのエネルギーの浪費を止めること、すなわち省エネです。しかも本当に必要なのはこれまでのような「我慢の省エネ」ではなく、断熱やパッシブデザインといった「建物の躯体強化」による「健康になれる省エネ」なのです。
今回の「建もの省エネx健康マップ」のように省エネ性能や建物内の温熱性能が一目瞭然となれば、購入者側から住宅メーカーに対して、「金額が高くても省エネ性能が高い住宅を選びたい」「同じ省エネ効果ならば太陽光発電よりも断熱強化を選びたい」という意思表示がなされる土壌ができます。パッシブハウス・ジャパンは業界関係者、そして住宅購入を予定される一人でも多くの方にこの省エネx健康マップを見ていただきたいと考えております。
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