きかんしゃトーマスの主役は実は◯◯の予定だった! 72年の歴史を深掘り! 【昔の子ども、今の子ども。】


きかんしゃトーマスの主役は実は◯◯の予定だった! 72年の歴史を深掘り! 【昔の子ども、今の子ども。】

イギリスを走るトーマスの機関車。西岡「日本もそうですが、イギリスでも子供たちは本当にトーマスがいると思っているので、実機を改造したトーマスが入ってきたときの歓声はすごいですよ」



■ジオラマからCGへの変換

2009年、従来のジオラマからCGアニメに変換され、ナレーションは森本レオさんからジョン・カビラさんへ。今でも毎年、20~26本程度の新作を制作しているそうです。

西岡「CGへの変換はコスト面など…時代ですね。ジオラマで撮るとセットも大掛かりだし、人もたくさん必要。やっぱり歴史を知っている人からは“あの味がいいんだ”と反対意見もあったけど、子どもたちは違和感なく受け入れてくれました。

実写からCGになって表現力は格段に上がり、ジャンプや激しいアクションが増えている。全体的にきめ細やかで綺麗ですしね、実写だと限界がありますから」

久岡「スピード感や機関車の大きさは、CGのほうが伝わっていると思います。
カメラワークとして入れなかった場所も映像化できるし、また人間の表情も表現できるようになりました」

西岡「ただCGになっても、友情やチームワークがテーマであるので変わっていないし、それはずっと受け継がれているもの。勧善懲悪を打ち出すのではなく日常の姿を描いているところも、原作から全然変わっていないですね」

久岡「うん、作品として一本貫いているところがあるからね。これからも時代の流れで変わっていく部分もあるかもしれないけど、根底にあるオードリー牧師の精神は変わらないでほしいですね」

■イギリスでのトーマス

過去に何度もトーマス誕生の地・イギリスを訪れているというお二人。イギリスにおいて、トーマスはどのような存在なのでしょうか?

西岡「オードリーさんが小さな頃に育った家は、重要文化財に近い位置付けで保存されていて、トーマスの絵とオードリーさんが住んでいた期間が記されたプレートが壁にはめ込まれています。彼が最後に牧師をやっていた教会にはトーマスのステンドグラスがあって、文化的なものとして大事にされているんですよ」

久岡「今でいうところの聖地巡礼もできそうな感じ(笑)」

西岡「本当に(笑)。イギリスでは歴史も日本より長いので、マーケットとしては大きいです。人口は日本の半分だけど市場は同じくらいあるので、一人あたりのマーケットに対する貢献度は2倍くらいあるのかな」

久岡「イギリス人は鉄道発祥の国というプライドもありますしね。でも幼児期は乗り物…とくに機関車や鉄道は、世界共通でみんな好きですよね」

きかんしゃトーマスの主役は実は◯◯の予定だった! 72年の歴史を深掘り! 【昔の子ども、今の子ども。】

ソドー島の位置を示す古い資料には “イングランド”と“マン島”が明記されている。

久岡「今は“イングランド”“マン島”の表記は入れないようにしています。それで地図には『ソドー島は架空の島です』と必ず注意書きを入れていますね(笑)」


■日本でのトーマス

日本では、1990年にフジテレビ「ひらけ!ポンキッキ」内のコーナーとして初めて「きかんしゃトーマス」が放送されました。今でもNHK教育テレビジョン(Eテレ)で、毎週放送されています。

西岡「ここ3、4年で、女の子のトーマスファンが増えてきました。テレビで放送されているというのもあるけど、静岡県で本物の蒸気機関車を改造したきかんしゃトーマス号が走っていたり、ミュージカルだったりとライブで楽しむ機会が増えたので、男女の隔てがなくなってきた気がします。

日本でも、トーマスを子どもの頃に観ていたお母さん達が自分の子どもにトーマスを観せるという年代になってきたし、日本の市場規模は間違いなく世界で5本の指に入ります。だからこそ、日本からの要望もある程度は受け入れてもらえるっていうのはありますね。

僕らが権利を預かってから“日本の機関車が欲しい、欲しい”と言い続けてやっと通ったのがヒロ(2010年公開の映画『きかんしゃトーマス 伝説の英雄(ルビ:ヒロ)』で初登場)なんです。
D51の人気もあって、反響はすごかったですね」

久岡「新橋駅にある機関車を観て、子どもが“ヒロ、ヒロ!”って言っているもんね(笑)。作品の中でも、一番印象的なのはやっぱり『きかんしゃトーマス 伝説の英雄(ヒロ)』ですね」

西岡「僕も同じです。CGになって映画もたくさんの人に観てもらえたし、ヒロの玩具もすごく売れた。劇中にも、日本っぽい木の橋を渡るところがあるんですよね」

久岡「そうそう、渡月橋みたいな」

西岡「ヒロは陰の立て役者で、あまりワガママな感じがしない。そんなところも“日本人”がうまく表現されていると思います」

きかんしゃトーマスの主役は実は◯◯の予定だった! 72年の歴史を深掘り! 【昔の子ども、今の子ども。】

久岡「オードリーはソドー島の地形や大きさを自分で考え、路線図を引き、どこでどのような産業が発達しているというところまで設定していた。隣のマン島は、実際に鉄道文化の保存の島になっているので、そこがモデルだったという説もあります」



■歴史的背景とトーマス

ヒロがD51をイメージしているように、キャラクターはすべてが世界の機関車やディーゼル機関車をモデルにしています。そのチョイスも、時代にそって変化を遂げてきました。

久岡「アレンジはしているけれど、基本的にすべて存在する列車。
初期の頃は彼の好きなイギリスの蒸気機関車ばかりだったけど、だんだんグローバルに展開していくようになって、外国のキャラクターが増えました。

あとは蒸気機関車の仲間として、エミリーという女の子が出るようになったのも時代の流れ。以前は女の子は客車や問題のあるディーゼルだったりして、メインのキャラクターにはいませんでした」
ストラウドという、コッツウォルズ地方に小さな町の高台にあるロッドバラ協会で、オードリーさんが最後に暮らし、最後に牧師をしていた場所。ちなみに この地にオードリー一家が移り住んだのは1966年。ステンドグラスは オードリーさんが亡くなってから完成したそうです

ストラウドという、コッツウォルズ地方に小さな町の高台にあるロッドバラ協会で、オードリーさんが最後に暮らし、最後に牧師をしていた場所。ちなみに この地にオードリー一家が移り住んだのは1966年。ステンドグラスは オードリーさんが亡くなってから完成したそうです




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