蓋が閉まらない棺、人件費の追加請求…“格安葬儀”の落とし穴
「みなさんのなかには、『葬儀社には、ぼったくられる』とか『お葬式は最低でも数百万円かかる』と思っている方も多いかもしれません。90年代のバブル期は特に、一般的なお葬式の費用が数百万円で、見積もりもアバウトということもありました。そんな業界の悪いイメージが消えないのでしょう」
こう話すのは、『日本一笑顔になれるお葬式 ~大切な人が亡くなる前に知っておきたい葬儀の本当のハナシ~』(扶桑社)の著者で、葬儀社「小金井祭典」社長の是枝嗣人さん。
特に意識して事前に準備をしている人を除けば、身内を見送るお葬式を出すことは「突然手配しなければならないこと」という印象を持つ人がほとんどではないだろうか。
「葬儀社に言われたとおり、あるいは、ご遺族の方もよくわからないまま『ご近所の〇〇さんのときと同じくらいのお葬式にしてください』というと、葬儀社によっては金額がどんどん加算されてしまうことでしょう」(是枝さん・以下同)
だが、バブル崩壊やリーマンショックなどで長引く不況により、親の供養に多額の費用をかけた団塊世代が、自分たちが見送られるときは「子どもたちに迷惑かけたくない」と、身内だけの「家族葬」