『プロゴルファー織部金次郎』&「海援隊50周年コンサート」をBS松竹東急にて6月に放送!武田鉄矢が語る作品のみどころや制作秘話
そういう負け方を、ゴルフという自分とは全く違うフィールドで表現したかったんです。当時、国鉄のCMソングとして、「思えば遠くへ来たもんだ」を作りましたが、谷村新司の「いい日旅立ち」に完敗して、彼の曲は今も新幹線で流れている。こうして、昭和歌謡の天才たちに蹴っ飛ばされていった経験も、この作品の根底にはあります。そして、私はこのシリーズの2作目で初めて監督をやったわけですが、この経験がとてもキツかった分、このあとに出演させていただいた作品では、監督さんに優しくなりましたね(笑)。
『海援隊』の底流には昭和歌謡が流れている
「海援隊」のメンバーは三人しかおりませんが、そのうち二人が外科手術を経験し、高齢者の仲間入りをしました。これだけ一緒に活動してきて、だんだんと楽しくなってきました。当時を思い返せば、まわりにはチューリップや井上陽水、甲斐バンドがいて、団塊の世代で押し合いへし合いをしながら、よく生きてこれたなあ…と感慨深い気持ちです。これは、千葉(和臣)から言われたのですが、「我々の歌には『芝居』があった」と。
それは、我々が戦後の昭和歌謡から相当影響を受けているからだと思います。男女両方を歌で演じ分けた美空ひばりさん、ご自身は船酔いするのに漁師の歌ばかり歌う北島三郎さん(笑)