石油王だって、デートで「割り勘」してもいい…【カレー沢薫 アクマの辞典 第40回】
議題に挙がるのは大体「デートでのおごる、おごらない」だ。
勢力は主に「デートでおごらない男ってなんなの?」派と「おごられて当然と思ってる女どうなん?」派に分かれる。ちなみに私は「部屋で一人で食うペペロソチーノ最高原理主義過激派」だ。
だいぶ薄れてきたものの、未だにデートは「男がおごるもの」という風潮がある。
だからこそ、おごられなかった女が「初デートなのにおごってくれなかった、ないわ」などと言う「開戦の詔」をツイッターに書き込み、議会が開廷されてしまうのだ。
おごる、おごらないの話だけなら、「男だからといっておごらなければいけないということはない」というのが、ジェンダーフリー社会には相応しいのだろうが、そこに「恋愛」が絡むとそう簡単ではなくなる。
単に、おごった、おごらなかっただけではなく、その「真意」を考えてしまうのだ。
おごらなかった場合「お前に投資するつもりはない」つまり、つきあいたいとか、ヤリたいと思っているわけではない、と捉えることができる、つまり「脈なし」である。
しかし、恋愛対象の女にしかおごらない、ということは「おごることに性的な見返りを求めている」ということでもある。