石油王だって、デートで「割り勘」してもいい…【カレー沢薫 アクマの辞典 第40回】
こういうタイプにおごられると逆に厄介なことになるかもしれない。
一方で、長く真剣につきあいたいからこそ、最初からおごらないことで「対等な関係」であると表明している、という説もある。
それは良いのだが「わかりづれえ…」という欠点がある。なかなかそこまで読み取ってくれる女はいないだろう。
また、おごらないことで反応を確認し、その女の“人となり”を見ている、という者もいる。
それも、最初から「試し」をいれてくれる男はどうなんだ、という気がする。
そこで「合格」したとしても、今後あらゆる面で「試される」ことは容易に想像がつくからだ。
そして、おごられた場合も、ただ単におごってくれたのか、自分に気があるのか、もしくはヤりたいのか、などの可能性を考えないといけない。
このように、おごられようがおごられまいが、モヤモヤしようと思えばいくらでもできる。
つまり、これは「落ちている一円玉」なのだ。
落ちている一円玉を拾うと、一円以上のエネルギーを使うから損、というように、おごる、おごられないでモヤること自体、たとえおごられていたとしても赤字なのではないだろうか。
どんな高い飯でも最終的にウンコになる。