男が運転するもの、という価値観を押し付けるな!「ドライブデート」【カレー沢薫 アクマの辞典】
漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!
■第58回アクマの辞典ダ行
【ド】
➤「ドライブデート」(どらいぶでーと)
今回のテーマは「ドライブデート」である。
都会は交通が発達しているので、車好き以外そんなに車を所有していないと思うが、私の住んでいる村では、車がないのはIQが低いジョブズレベルのヤバさなのだ。
もはや一家に一台どころか、大人一人あたり一台がデフォルトなので、男だろうが女だろうが車を所有しており、大正や明治生まれでなければ免許も大体持っている。
よって「女子だけでランチしよーよ! 」とガーリーなことを言っても「全員車で現地集合」という走り屋の集会スタイルになるのだが、田舎ではこれが普通だ。
したがって、車を持っていることに全く特別感がなく、むしろ持ってないほうが「こいつどうやって生きてるんだ? 」と一目置かれてしまう。
それゆえ「車はステータス」と言われてもピンと来ないのだが、ひと昔前には、車は男のステータスで、所有はもちろん、何に乗っているかで男の価値が決まり、そして良い車の助手席に乗せてもらうのが女のステータス、という価値観があったらしい。