『占いはなぜ当たるのですか』占星術研究家・鏡リュウジが難問に挑む
『占いはなぜ当たるのですか』の序章でも鏡さんはこのように語っています。しかし、新装版のあとがきにはこんな記述も。
「理屈で考えれば占いなど当たるはずがありません。しかし、現実には僕自身、占いは有効であるとどこかで感じていますし、この社会の中で占いは少なからぬプレゼンスを示しています」
少年時代に占いに魅せられ、長年、占いと向き合ってきた一方で、占いという言葉に抵抗を持ち、その本質を探ろうとしてきた鏡さん。第一人者でありながら、誰よりも客観的であろうとしているからこそ、「占いはなぜ当たるのですか」という難問に、正面から取り組むことができたのかもしれません。
■「占いはなぜ当たるのですか」の答えは?
あまり占星術のことを知らない読者にとっても楽しい読み物であり、若かりし頃の鏡リュウジさんの素顔を覗き見ることができる一冊でもある本書は、占いとの付き合い方を考えさせる大切な場とも言えます。
「占いはなぜ当たるのですか」という問いへの鏡さんなりの回答には「そうきたか」と口もとがほころんでしまう人も多いはず。一読した方なら「なるほど」ではなく「そうきたか」と感じる理由、きっとわかっていただけることでしょう。