鏡リュウジ×寺山マル×田波有希~タロット×漫画『サングリアル』座談会vol.5
そこがすごく好きなんです。
鏡:どなたの「タロットストーリー」を読まれたんですか?
田波:私が読んだのは東条真人さんの『タロット大事典』です。あと、子どもの頃に読んだ弦エニシさんの『タロットスター』が、最初のタロットの記憶として残っています。
鏡:タロットの入門書や教本って、その人独自の世界観の表れですよね。言ってみれば、それぞれがその人の「タロットストーリー」。
田波:『タロット大事典』はすごくイマジネーションが膨らむ本だなと思いました。井上敦子さんの『タロット象徴事典』も面白かったですね。
もちろん鏡先生の本も拝読しています。
タロットじゃないけど『アニマの香り』なんか大好きです。
鏡:ありがとうございます。マニアックですね。
田波:本の虫というかオタクなので。
鏡:田波さんが経営する本屋さんに置かれている本も、占い関係のものがメインなんですか?
田波:いえ、どちらかというとトンデモ本が多いですね。
鏡:トンデモ本?どんなのを扱っているんですか?
田波:そうですね。例えば、戦後の安い紙でできている、恋を叶えるおまじないの本だとか、不思議な絵が描かれた奇門遁甲(※4)