連載記事:実録・ポジティブな離婚

【実録・ポジティブな離婚 】 庭付き一戸建てはラプンツェルの塔・Rさんの孤独

実録・ポジティブな離婚

実録・ポジティブな離婚

「恋人・夫婦仲相談所」の所長として、さまざまな角度から夫婦仲改善のためのアドバイスをする三松さんによるシリーズ。離婚を選択したほうが幸せになれた、つまり『ポジティブな離婚』を選択した方の実例を紹介。

今回は前回ご紹介したA子さんとSさんのケースとは異なり、結婚前から二人の間に問題があることが認識されており、それを克服するために努力したものの、力尽きてしまった女性のケースをご紹介します。

【ポジティブな離婚 】 庭付き一戸建てはラプンツェルの塔・実録Rさんの孤独

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Rさん:結婚したら忍耐がつく!と思うなかれ。我慢できないものは我慢できない

Rさんの場合は、結婚前から自分の結婚生活のネックになるであろう要因を認識していました。二人の生活スタイルが真逆なのです。

Rさんは仕事でもプライベートでも世界中を飛び回る生活。対する夫は郊外のマイホームで、妻と二人の子供と落ち着いた幸せな家庭を築くことが長年の夢。

「家のことは僕がするよ」は本当か

自分は彼の夢を一緒に叶えていける妻になれるだろうか…Rさんは不安に思っていました。それでも熱烈な恋愛の末に「家のこと、子供のことは、僕ができるだけ頑張るよ」という彼の言葉に背中を押され、ついに結婚に踏み切ります。
この駆け引きは、一般的に女性ほとんどが陥るプロポーズです。

庭付き一戸建ては、閉じ込められたラプンツェルの塔そのもの

結婚後すぐに、二人は一軒家を購入。「僕の夢だから」と新居にかかる費用は夫のほうが多く負担してくれました。

Rさんも以前のように気ままに旅行三昧というわけにはいきません。また都市中心部のコンパクトなマンションでの生活に慣れ切っていたRさんにとって、郊外の庭付き2階建ての維持は、夫がかなり頑張ってくれたとはいえ、想像以上に時間もエネルギーも奪われる作業でした。

そして、夫の最大の夢である子供の問題。なかなか子宝に恵まれないRさんは、不妊治療を始めます。

それまで以上に時間とエネルギーを奪われる毎日。
そこに夫の期待に応えたいというプレッシャー、さらには孫を心待ちにしている夫の両親からのプレッシャーまで加わることに。

夫と義父母からのダブルプレッシャーは妻を4倍疲弊させるものです。Rさんには次第に夫の夢のお城が、自分を閉じ込める牢獄のように思えてきます。

家や庭の手入れに追われる。孫の誕生を待つ夫の両親に作り笑いを浮かべる。Rさんは独りぼっちになったような気がしていました。

相手を好きだという気持ちだけでやっていけると思っていた結婚生活。フタを開けてみれば思ったよりもずっと大変で我慢の連続。


子供に恵まれず、そのせいで夫の両親のみならず、夫までもが自分を急き立てる敵のように見えることになるとは。

アクティブな国際派のRさんと、穏やかで幸せな家庭を何よりも望む旦那さんとの結婚は、うまくいくのだろうかと仲間内でも心配されていました。

このまま結婚生活が破綻したら「ほら、やっぱりね!」「だから言ったのに…」と、みんなに愛想を尽かされてしまうのではないか。Rさんはどんどん自分を追い詰めてしまい、うつ状態に陥って専門家のカウンセリングを受けるようになります。

このままでは自分が自分でなくなってしまう…Rさんはついに離婚を選択。


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