寄せられる数々のお悩みから、女性側にドス黒い闇の共通点があると感じる「恋人・夫婦仲相談所」所長・三松真由美さん。彼女たちに共通する闇とは? 全ての既婚女性に送る、女性がうちに秘めるモンスターの実態を解明します。
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「モンスターワイフ」という本を書いた理由
夫婦仲相談所に寄せられるお悩み相談を読んだり、対面相談に来られるかたの様子を見つめていると「わかる、あなたの気持ちは痛いほど伝わります…」とうなづいて共感する反面、心の闇の奥底にひとつ、漆黒でカチコチに固い玉のようなイメージの「怖さ」を感じ取ることがありました。
夫と平和に暮らしたいのに、新婚の頃の仲良い二人に戻りたいのに、どんどん夫と遠ざかるジレンマ。鬼気迫る様子…。私の目の前で、きれいな奥さんが子供のように声をあげて泣いている。
でも、旦那さんは、この苛立ちが、少し怖くなっているのではないだろうか。だから、距離を置こうとする。
会話がなくなる。表面的な気遣いしかしなくなる。この「怖さ」に自分で気づいてもらうには? とずっと考えていました。
そして、言葉は強くなりますが、夫とうまくいかない妻の心のなかには小さなモンスターが生まれ始めていると表現しました。それが拙書『モンスターワイフ ― 幸せなふりはもうしない』(講談社)を書いた理由です。
わかりやすく伝えないと、悩める妻の方々は「すべてを夫のせい」にしてしまうのです。「私も悪いところがあるんですけど」という枕詞に「ほんとにそう思ってる?」と問い返したくなるほど「夫だけが悪い」の迫り方。
そこに気づいてもらいたくて、モンスターというとんがった表現にしました。
だれでも「モンスターワイフ」に変身してしまう危険性
『モンスターワイフ ― 幸せなふりはもうしない』を出版し、10年経った今でも「ものすごい衝撃を受けました」、「人生が変わりました」という読者の皆さんからの声が寄せられています。
「モンスター」だなんて、ひどい言われよう…と思われるかもしれません。しかしどんな妻も、「モンスターワイフ」に変身してしまう危険性を孕んでいます。
もちろん私自身もモンスターワイフでしたと、著書の前書きで猛省を伝えました。そう、どんな女性でも多かれ少なかれ潜む「イヤな女」の部分。
これが暴走を始めた時、妻はモンスターワイフに変身し始めるのです。
モンスターを退治して封じ込めよ
不幸な結婚生活を送っていると思っている妻たちは、「かわいそうな私」像に気を取られ、「被害者」たる自分の短所は棚に上げてしまいます。そして夫ばかりを責め立てます。
けれども問題をすべて相手の責任にして、相手を責めてばかりいては、状況は悪化する一方。問題を解決するためには、自分が変わるべき…というのは自己啓発書でよく目にする表現ですね。
しかし、これは軟弱な表現です。私的表現は「モンスターを退治して封じ込めよ」です。自分のうちに秘めたモンスターは何か?と目を向けるほうがわかりやすいです。
自分の中にいるモンスターは何だ!を知り尽くす。
自分のどこを変えるべきか、そこをしっかりと具体的に認識しないまま、ただ漠然と「変わらなきゃ」と思っても、夫婦仲改善に向けての成果が上がるはずがありません。
そしてモンスターがいなくなり、エンジェルが飛び始めれば夫婦関係も幸せなものへと戻ってゆきます。
自分の中の「モンスター」を発見することが、夫婦仲改善の最初の一歩
夫婦仲がうまくいかず、改善のための努力を続けている妻はたくさんいます。
そして残念ながらその多くが「一生懸命頑張っているのに、何の変化もみられない」と感じ、そうした妻たちの苦悩が、私が運営する夫婦仲相談所に続々届いています。あきらめる直前で夫婦仲相談所を見つけてくださるので、内容はかなりヘビーなものばかりです。
たしかに悩める妻たちは、努力を重ねているのです。女性誌を参考に「キレイな奥さん」を目指したり、夫の心を惹きつけるセクシーさを身につけようとしてみたり、家事を完璧にがんばったり。
けれども夫の愛を遠ざける「モンスターワイフ」と化してしまった妻の「努力」は、夫の目にはモンスターの悪あがきにしか映りません。
だから当然、夫婦仲は改善されない。
すると妻たちは「私はこんなに頑張っているのに!」と苛立ち、さらにモンスター度を増していくという悪循環。だからこそ、自分の中のモンスターの卵を発見し、退治することが第一なのです。
なぜそう言い切ることができるのか?
現在、再婚してラブラブの生活を楽しんでいる私ですが、最初の結婚では大失敗を経験しました。当時の自分を振り返ってみて思うのです。あの頃の私は人間らしい優しい気持ちはありませんでした。
自分のことや相手の状況を客観的に分析できる冷静さを失ったモンスターだったのだと。いま思えば、ひどい言葉を吐き散らし、怒り、不満げな顔を見せつけ、愚痴を言い、つねに不機嫌な妻でした。
自分自身の苦い経験を踏まえ、長年にわたり多くの妻たちの相談にのる中で私が生み出した概念、モンスターワイフ。
嫉妬心、猜疑心、依存心、エゴイズム、怠惰、無責任、無知、未熟さ、粘着質、見栄…こういったものが、モンスターワイフの卵です。
こうした卵から生まれる典型的なモンスターワイフの具体例を、以降ご紹介していきます。
あなたはモンスターワイフになっていませんか? あるいは、モンスターワイフの卵を抱え込んでいませんか?
「私は大丈夫?」と、ぜひ自分で自分をチェックしながら読んでみてください。
三松さんの著書『モンスターワイフ ― 幸せなふりはもうしない』(講談社)は、ウーマンエキサイトページのプロフィールから。