2018年9月30日 20:00|ウーマンエキサイト

自分磨きするほど夫の心が冷めていく…「やりすぎ美魔女」度チェック【リアル・モンスターワイフ、再び 第32回】



■「本当に美魔女になりたいの?」暴走に気づかせてくれたのは…

自分磨きするほど夫の心が冷めていく…「やりすぎ美魔女」度チェック【リアル・モンスターワイフ、再び 第32回】

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若さとオンナを取り戻したくて必死の妻。妻の変貌ぶりを理解できず、恐怖すら覚える夫。そんな状況に陥ってしまった翔子さんと正人さんを救ったのは、結婚して他県に住んでいた長男、雄太さんでした。

妻が友だちと週末旅行に出かけた雄太さんが久しぶりに実家に帰ると、両親は未曾有の冷戦真っ只中。驚いた雄太さんは、両親それぞれに話を聞きます。

父、正人さんの言い分はこうでした。

「お母さんが突然、年甲斐もなくおかしな格好をし始めた。派手で若作りの化粧や髪型は、正直気持ちが悪い
ダイエットにもやたら必死になっているし、もういい年なのに今さらなにがしたいのか、全く理解できず困っている

これを聞いた雄太さんは、こう言って父親を諭したといいます。

「父さん、それはひどいよ。父さんは『突然』って言うけど、母さんはこれまで、おしゃれしたくてもそんな時間なかったじゃないか。和明が家を出て、ようやく時間もできて、お金の心配もいらなくなったからじゃないの。確かに派手な服や髪型ではあるけど、母さんの気持ちもちょっとは考えてあげなよ」

そして「きれいになろうと頑張っているのに、お父さんはほめてくれるどころかけなすだけ。もう離婚したい」と言う母の翔子さんには、こう声をかけたそうです。

「確かに父さんは女心が分かるタイプじゃないから、母さんもつらいだろうけどさ。でも、父さんを振り向かせたいなら、頑張る方向が違うんじゃないの? だって父さんは『吉永小百合さんは永遠の美少女だなー』とか言ってるタイプだよ。
奥ゆかしい清楚系っていうの? そういうのが好きなんじゃない? 少なくとも『とにかく若くて細い、今風の子がいい!』っていうタイプじゃないよ、父さんは」

目からウロコ状態の翔子さんに、雄太さんはさらに言いました。

「母さんがピンクのスカートや花柄のワンピースが好きで、そういうのを着るのが楽しいって言うなら、それが父さんの趣味じゃなくても、俺はいいと思う。母さん、俺と和明を追っかけ回すのに忙しくて、動きやすい格好ばっかりだったでしょ。やっと時間もお金もできたんだから、母さんが本当に好きなことをやればいいんじゃない」

息子にそう言われて、翔子さんはハッとしました。

私はピンクやらサテンやらミニワンピやらシースルーのスリップやら…そういうものが、本当に好きなのかしら? いや、違う。気づいたらすっかり年をとっていたことがショックで、とにかく若返りたいと思ったばっかりに、分かりやすい「美魔女」のイメージにすっかり執着して、分かりやすい「今風の若い女の子」のイメージを追いかけていただけだ。

ネットや雑誌が発信するイメージ通りの「若くてきれいでセクシー」な女性になれば、夫も自分に振り向いてくれるはずだと思い込んで、ことが期待通りに進まないと夫を責めて…。

「私は夫の好みどころか、自分が本当はどうしたいのかすら、ちっとも見えていなかったんです」と翔子さん。
そして、ネットや雑誌に踊らされていたのはファッションに関してだけでなく、セックスについても同じだったようです。

「20年間スキンシップらしいスキンシップもない状態だったのに、突然スケスケの下着でセックスを求められたら、そりゃあ夫だって困りますよね。冷静になった今なら、それくらい分かるんです。でも当時は、ネットで『してる女性は若々しい!』『女性としてのツヤや潤いを保つには、セックスが不可欠!』というような記事ばかり読んでいて。

本当にお恥ずかしい話なんですけど、『私の身体の中にペニスでしか押せないスイッチのようなものがあって、セックスでこのスイッチが押されれば、女性ホルモンが活性化して若返る』みたいなイメージで、頭がいっぱいだったんですよ。だからなにがなんでも、とにかくセックスにこぎつけなきゃ、って思いつめていて…」

夫に怖がられて当然でしたよね、と苦笑する翔子さん。

息子さんのおかげで目が覚めた翔子さんと、妻の女心を理解しようと努めるようになった正人さん。以前よりも会話が増えて、2人で過ごすこれからの人生について、楽しく前向きに考えることができるようになったそうです。


翔子さんのケースを踏まえて、私から読者の皆さんにお伝えしたいこと。それは、徹底した自己犠牲に基づく良妻賢母的生活は、妻たちの心の中に「やりすぎ美魔女」の卵となる「やり残した感」を蓄積していく可能性がある、ということです。

もちろん、良妻賢母を目指すのは素晴らしい。けれど、自分の好きなこと・やりたいことにひたすら目をつむって家族のために頑張って、20年後に「これまでずっと努力と忍耐ばかりだった! 私の人生を返して!」ではいけません。

それに、いくらやるべきことを完璧にこなしてくれても、頑張り通しでいつもクタクタ・ぼろぼろ・イライラ感満点の妻・母では、夫も子どもも幸せではないのです。

20代から40代の、家庭でも仕事でも忙しい時期であっても、自分の希望も忘れないようにすることが大切です。夫にかわいくお願いして、子どもにやさしく協力を仰いで、できる範囲内で好きなことをする。息を抜く。
風を通す。わがままの一つも言う。

「あなた、節約もっと頑張るから、このコート、買ってもいいかな?

「ママ、来週は隣町の美容院に行ってみたいから、パパとお留守番しててくれる?」

そして、笑顔のあなたの「ありがとう!」が聞ければ、家族みんながハッピー。妻が「やりすぎ美魔女」の卵を抱え込むこともないのです。

「私は50代で、『やり残した感』のかたまりなんですけど…」という方もいるでしょう。これまで妻業・母業のみに専念していて、「自分の好きなこと・やりたいことなんて考えたこともなかった」という人は、自分が本当に好きなテイストや、自分に合ったスタイルが確立されていません。

そんな状態で「さあ、今から時間とお金をどう使おう?」という女性にとって、現代社会はとても危険で落とし穴がいっぱい。スマホひとつあれば、ありとあらゆる情報が流入してくるのです。


一度ネットの世界に繋がってしまえば、メディアが発信するメッセージや、「世間一般」の声をシャットアウトするのはもはや不可能。加えて怒涛の広告攻撃。

「自分のスタイル」がない女性は、目を奪われたキャッチーなものにあっという間に夢中になり、執着してしまう恐れがあります。自分は本当にそれが好きなのか、それは自分に似合うのか、夫はどう思うかな? などと考える暇もなく。

また、自分が本当に好きなものは見つけることができた。でも、それが夫の好みとは異なる…という人もいるでしょう。

例えば、自分はセクシー系に挑戦してみたいけれど、夫は清楚系が大好き。あるいは、自分はシンプルでナチュラルなスタイルこそ大人のおしゃれだと思うけれど、夫は女性には華やかな色っぽさを求めている。


いくら仲良し夫婦になるためとはいえ、夫の好みに合わせて自分の好みをねじ曲げたり、自分の好きなものをあきらめてばかりいるのは健全ではありません。

では、どうするか?

あなたが「夫を喜ばせてあげようかな」と思うなら、エンターテイナーになったつもりで、夫の喜びそうなスタイルを実現してあげればいいでしょう。サービス精神旺盛な器の大きい妻は、愛され妻になれます。夫と出かける時には夫の好きなスタイル、自分ひとりの時には自分の好きなテイストを満喫、というように自分の趣味も上手に楽しめば、不満をためこむことも避けられます。

いやいや、私はどうしても自分の好みを優先したい。夫が眉をひそめるようなものであっても、わが道を行きたい、という場合。そんな時には、「私の趣味を認めてくれてありがとう」という気持ちを持つことです。自分の好きなことを好きなようにやっていて、「夫がほめてくれない」などと不機嫌になるのは、お門違いというもの。わが道を突き進むのなら、この点を忘れないようにしてください。

夫の目から見たら「なんじゃこりゃ」と思うような格好をしていても、心底それを気に入って妻がイキイキと楽しみ、「これいいでしょ? ほめてよ!」などと夫に強要さえしなければ、「そんなに好きならまあ、いいか」と大目に見てくれるものです。

妻になっても、母になっても。役割が増えても、あなたの人生はあなたのものです。果たすべき役割が変わったり減った時に、「やり残した感」にさいなまれて自分を見失わないように、「役割」が許す範囲で自分の人生を楽しんでください。

そんな生き方が、「やりすぎ暴走モンスター」からあなたの身を守ってくれます。


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