連載記事:リアル・モンスターワイフ、再び
他人の幸せアピールにイライラ…SNSに踊らされる“幸せなふり”度チェック【リアル・モンスターワイフ、再び 第40回】
過去、「女性の幸せ」が「リッチな結婚相手をつかまえて、優雅な専業主婦生活を満喫」だったとしたら、現代版のそれは、「仕事も家庭も両立。自己実現にも手を抜かず、充実した毎日を満喫」といったところでしょうか。
ⓒmilatas-stock.adobe.com
前回登場した笑美さんのように、結婚しても働き続ける女性は増え続け、仕事で昇進、起業する方も増えてきました。「キャリアを築かなくちゃ生き残れない」「社会的承認されたい」とする風潮も出てきたように思います。
以前にも触れましたが、現代社会はさまざまなことを
「あきらめなくていい社会」であると同時に「あきらめさせてくれない社会」。
バリっと動いて、仕事と家庭を両立。そのうえ余裕もあって、上質なものに囲まれる暮らしを送り、さらに自分を高めて一目置かれる意識高い系妻になりたい。妻、ママ、仕事人としての麗しいハーモニー…。
そんなこと、本当にできますか?
どれだけ時代が変わり、便利な社会になっても、私たちに与えられた体は1つ。そして1日は24時間。思いつくすべてのことを実現しようなどと考え出したら、エネルギーも時間も足りなくなって当然なのです。
ところが「幸せ」演出できるツールがあるがゆえに、つい頑張ってしまう。
ネットそのものが悪いわけでは決してありません。上手に使えば、とても有益なサービスです。けれどもSNSは、女性の大敵でありモンスターワイフの卵でもある
「虚栄心」「嫉妬心」「比較魂」を刺激してやみません。
投稿する写真、ちょっと盛っちゃおう。
これは誰にでもある盛り心。うわ、ママ友のAさんのインスタのお部屋の写真、ものすごくきれい! え? 整理収納アドバイザーに合格? Aさんだってフルタイムで働いてて、子どももいるのに。よーし、私だって負けてられない! Aさんにできたなら、私にだってできるはずだわ…。
ネット上の幸せ画像は「ステキな私の輝く一場面」のみを披露する公式の場なので要注意。資格取得で忙しすぎて、家事や育児がおろそかになり、夫婦ケンカが増えた、セックスレスになった…などという
舞台裏が暴露されることは非常に少ないからです。
「あの人にできるなら、私も頑張ればできるかしら」
そうして勝手に自分の足りなさを悔しく思ったり、不必要な課題を自己に押し付けたりします。「アレもコレもやらなきゃ」と、いつもソワソワ。職場でも家庭でもグッタリ。
忙しく頑張っているはずなのに、いつも何かが足りない気がして、
欠乏感や飢餓感はいつまでも癒えることがない…。
常に何かに追い立てられているかのように落ち着きがなく、必死の形相の妻と一緒にいては、夫や子どもの心も休まるはずがありません。
そんな妻が外面だけは異様に良く、対外的な
「幸せな私」演出に異常な執念を燃やしている…これでは夫の心は離れていきます。
向上心旺盛で、努力家だと自分で思っている場合、夫もそう見てくれているかどうか立ち止まらなければなりません。「向上心」がいつしか「強迫観念」にすり替わっていることも…。早速確認してみましょう。
■「キラキラ系モンスター 新型幸せなふり」度チェック
ここでは、あなたの「キラキラ系モンスター 新型幸せなふり」度をチェックしてみましょう。以下の質問で、〇はいくつありますか?
1. 家庭と仕事を両立できてこそ一人前だと思う。
2. 自分や自分の生活について、足りないところ、改善の余地がある点ばかりに目がいき、いつも焦っている。
3. 根性論が嫌いではない。
4. 「常に上を目指しててポジティブね」と言われる。
5. スケジュール管理表は埋めてしまいたいタイプだ。
6. 「やるべきこと」「やりたいこと」をリストアップして、つぶしていくことで達成感を得る。
7. 休息日には「ためになること」をしていないと不安で、「のんびり過ごす」ことに罪悪感を抱いてしまう。
8. 「忙しそうね」と言われるとうれしくなる。
9. ステキと感じる対象が目に入るとスマホですぐ撮ってしまう。
10.身近な人に「結婚・出産後も社会で活躍を」と期待されている気がする。