「彼氏と別れ友達にも疲れた」と題する投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。1か月交際した彼氏に別れを告げられたばかりだというトピ主さん。別れる際、社会人サークル仲間も巻き込んでしまい、そのことについて苦言も呈されてしまったそうです。
「彼氏も友達も失った気分でいっぱい」「暫くは誰とも連絡もとりたくない」と心境をつづり、「このまま(人間関係を)フェードアウトしてもいいのでしょうか?」と問いかけています。
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人間関係をフェードアウトしたくなる理由と、その対策
トピ主さんは彼と別れるにあたり、周囲に相談に乗ってもらったり、荷物の受け渡しに立ち会ってもらったりした。そのことで周りも“疲弊した感じ”になり、先輩からは苦言を呈され、友達に謝罪しても、うっとうしがられてしまった……とのこと。失恋の上に、そうした状況が重なれば、さぞかし辛かっただろうと思います。
今回はまず、「人間関係をフェードアウトしたくなる」理由について考えてみましょう。
個々の性格にもよりますが、以下の理由が多く見受けられます。
(1)「嫌われた」「恥ずかしい」「気まずい」等、自意識(公的自己意識)が強くネガティブに働くとき
(2)楽しさや意義など、その関係を続ける“メリット”が感じられないとき
(3)「価値観が合わない」「面倒が多い」「お金がかかる」など、関係維持に何らかの“負担”を感じるとき
投稿から察するに、今回は1の理由が大きいようですね。ですが、トピ主さんは本当に“嫌われた”のでしょうか。今回の件に関わった先輩は、「(またサークルに)いつでもおいで」と言ってくれたとか。つまり、トピ主さんがした“行動”には苦言を呈したものの、“トピ主さん自体”を拒んだわけではなく、今も仲間の一員だと思っている。その点に気づいてみると、状況の感じ方も少し和らいでくるかと思います。
「また自分がうっとうしいことを言いそうな気がして(参加は)無理そう」とのことですが、無理せずしばらく休んで、元気な自分になってから復帰しても遅くはないと思いますよ。
連絡をフェードアウトするかどうかは、トピ主さん次第。
「もうこのコミュニティは失ってもいいや」「関わるのが辛い」と思うならば、誰の許可も要りません。ただ、コミュニティにまだ未練がある、あるいはその先輩に感謝や有難みを感じているならば、「また元気になったら参加させてください。色々本当にありがとうございます」などと、ひと言返事をしてから距離を置くといいと思います。
その上で、トピ主さんが今すべきことは、
自分が心地よくいられる場所でエネルギーをチャージして、気分を切り替えること。家族や昔の同級生と過ごすのもいいですし、旅先の人や動物と触れ合ったり、全く新しい別のコミュニティに参加してみたりもいいでしょう。幅広く世の中を見て、気持ちがホッとするような時間や場所を探していきましょう。
“恋愛がらみの失敗”は、多くの人が経験すること
恋愛感情は人の理性やモラル意識を奪いやすく、その分、身勝手さや甘え、依存心等が表に出てしまうことも少なくありません。そのために人は恥ずかしい・気まずい思いをしたり、時には取り返しのつかないトラブルを起こしてしまったりもします。
でも、そうした“恋愛がらみの失敗”は、程度に差はあれ、人生の中で多くの人が経験することなので、あまり悲観しなくても大丈夫。時が解決してくれます。
ただし、「どう思われても仕方ない、自分がしたことだ」と責任を持って受け止められるかどうかは重要です。心のどこかに相手や周りのせいにする気持ちがあると、またいずれ同じような“恋愛感情の暴走”を引き起こし、もっと多くのものを失ってしまう……なんてことも。
起こしてしまったことを受け止め、素直に悲しみ、それからそんな自分も失敗も許して、次回への教訓にする。それができれば、たとえ今回人間関係を失ったとしても、次回はうまく対応できるでしょう。
メッセージツールで人間関係を壊さないコツ
LINEでも「友達や先輩にうっとうしいことを送って」しまっていた、というトピ主さん。メッセージツールの恐ろしいところは、ボタンひとつで、いくらでも“一方的に”自分の気持ちを垂れ流せてしまう点。
相手の顔色が見えない分、プラスαの配慮をしていないと、人間関係に亀裂を走らせてしまうことも少なくありません。
送信前には必ず一呼吸置いて見直したり、「電話してまで伝えたい内容だろうか?」と一考したりする習慣を。メッセージツールは約束事の連絡にとどめ、誤解を生じやすい気持ちの話や謝罪などは会ったときに言う……などとルールを決めて使うのもおすすめです。
人間関係には誰でも多かれ少なかれ、疲れるものです。それでも、
関わることでしか得られない喜びや楽しさ、意義や面白さがあるから、人は関わりを求める――。トピ主さんもきっと、サークルでそんな気持ちを感じられた時期があったはず。まずは元気を取り戻して、また人と関わる楽しさが蘇ってくるといいですね。応援しています。
(外山ゆひら)