「結婚=幸せという幻想を捨てられません」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。
長年の“婚活疲れ”状態で、転職も繰り返しており、「ワークライフバランスのどちらもダメダメ」だというアラフォーのトピ主さん。
「結婚さえ出来れば、仕事が少しうまくいかなくても、家庭がうまくいっていれば問題ないと思う」と持論を展開し、「結婚すれば幸せになれるんだ、というのは幻想でしょうか?」と問いかけています。
結婚は、人生の不調を治せる“万能薬”ではないから
投稿を読んでまず気になったのは、「仕事がうまくいかない→だから結婚したい」「人並みでありたい→だから結婚したい」など、結婚が人生の不調を治す“万能薬”のように語られている点です。とにかく結婚をしさえすれば、今のモヤモヤが解消する……と感じているようですね。
確かに、結婚すればしばらくは、そうした気持ちを味わえるかもしれません。しかし、人間はとにかく「刺激に慣れる」生き物。美輪明宏さんも
「(結婚したら)毎日がディズニーランドみたいに楽しいと思っていたら大間違い」などとよく仰っていますが、結婚をスペシャルなものだと考えすぎると、結婚しても結局、「こんなはずじゃなかった」の連続となってしまう可能性も。
数年も経てば、今度は「どうしてうちは人並みの世帯年収がないのか」「人並みに子どもが欲しい」「仕事をしていないと肩身が狭い」等々、また新たなネガティブのタネを見つけて、モヤモヤと悩んでしまうかもしれません。
逆に、結婚をあまり神格化せず、
「結婚は今の自分の生活の延長線上にあるもの」として身の丈で捉えられている人や、色々な経験をして身の丈で捉えられるようになった人のほうが、落ち着いた結婚の決断をしている例が多いように感じます。
では今のトピ主さんに合う相手とは、一体どんな人でしょうか? もし今出会えている男性たちで満足できていないならば、「自分自身」のほうを変えてみるのも一案です。
たとえば、今よりも「周りの人に好かれる人間になる」「元気に毎日を暮らせるようになる」というだけでも、大きな成長です。不機嫌な人も増えている時代に「機嫌よく生きている」「他人をおおらかに受け止められる」といった長所を持っているだけでも、かなりの魅力になることでしょう。
「それでも、私は素晴らしい」を口癖にしよう
また投稿には、「(結婚も仕事も)どちらもダメだから、ものすごく劣等感を感じる」という一文も。トピ主さんの本質的な悩みは、実は「結婚や仕事そのもの」ではなく、「劣等感にがんじがらめになり、苦しめられていること」なのではないか……とも感じました。
もし、そうした劣等感からの解放を目指すのであれば、方法は2つ。
「劣等感をバネにして人一倍頑張る」か、「人と比べるのを徹底的に止める」か、どちらかです。
「なにくそ」というパワーに変えられない劣等感ならば、百害あって一利なし。婚活でも仕事でも、とにかく今までになくがむしゃらに頑張ってみるか、さもなくば、心の訓練をして劣等感の“昇華”を目指してみるのもひとつです。
もし後者を目指すのであれば、劣等感を感じそうな場所はできるだけ避ける。それでも人と比べる気持ちが湧いてきたときには、
「それでも、私は素晴らしい。」と、心の中で何度も呟いてみるのもおすすめです。知人友人が持っているものを持っていないからと言って、トピ主さんが素晴らしくない、ということにはなりません。言葉が心に与える影響は結構侮れないので、ぜひ試してみてくだいね。
「理想の結婚」を望むなら、ひとりで生きる可能性も心得ておこう
「“結婚という行為”を本気でしたい」と思っている人は、ある程度の婚活期間で相手を見つけているケースが多いものですが、「自分の希望に沿う結婚がしたい」という思いが強い人は、なかなか最終結論を出せない傾向があるのは確かだと思います。
トピ主さんも、もしかしたら後者なのかもしれませんね。
無論、それもひとつの生き方ですし、理想を望むことは誰に批判されるべきものでもなく、個人の自由です。ただ
「自分の希望や理想を叶える結婚がしたい」と思っているならば、「理想のものに巡り合わずに終わる可能性もある」という点は心得ておく必要があるでしょう。
「希望に合わない相手と結婚するくらいなら、ひとりでいい」という覚悟があるかどうか……ということですね。ひとりで生きる可能性を受け入れられないならば、今よりももっと必死になり、「何が何でも結婚!」という決死の覚悟で婚活に臨んだほうが、結果に繋がりやすいかもしれません。
まずは「劣等感」や「ひとりでいる覚悟」について、自分のスタンスを決めるところから始めてみてはいかがでしょうか。応援しています。
(外山ゆひら)