と言ったのだ。
友人も我々も路傍の石のごとくその存在を無視したが、彼らが店を出た後、全員で「何あれ…き・も・ち・わ・る・い!」と地団駄を踏んだ。
「たまたまおかしい人だっただけでしょ」と思う方もいるかもしれない。でも女性の皆さんだったら飲み屋でこれに近い絡み方をされたこと、かなり多いのではないだろうか。
みんな最初はごく普通の男性たちだが、酩酊してくるとなぜか近くの席の女性グループが「無料のホステス」に見えるらしい。だけど堂々とナンパする勇気はないし魅力的な会話を仕掛けることもできない。だからひたすら眺めまわしたり、こちらの会話やルックスに対してエアリプを送ってくる。
酒の勢いで隣席の客と仲良くしたいという気持ち自体は悪くはない。
でもそれならまず「人間対人間」としてコミュニケーションすればいい。礼儀正しく自己紹介をしてから仲良くなりたい旨を伝えろ。そしたらこちらも礼儀正しく断れる。「女にはこれでも許される」という気持ちがうっすらあるから、そこはかとなく無礼な態度でいられるのではないか。
話がそれたような気がするけど、多分普段の彼らは「自分はまっとうで女性には優しい」と思っているだろう。