―あのコの恋愛事情― 二人が終わる時に始まる恋がある 編
「ずっとここで彼を待つ!」と言って離れなかった、彼と暮らしたアパートを引越すと言い始めた。
日本全国の復縁神社を巡っている間に気が付いたらしい。復縁を願っている人が日本中にこれだけいるってことを。復縁を願う絵馬や祈願の数を見るにつけ、いつの間にか「この人たちも自分も、彼と縁があるなら一度離れてもまた巡り合うんじゃなかろうか。」と思い始めたそうなのだった。
彼を愛していることには変わりがない。彼がいいことには変わりがない。こんなに愛せる人はもういないと思えるからこそ、だったら願わなくても縁はあるはず!と二人の縁を信じてみる気持ちになったのだそうだ。
■おわりに
サキはその後引っ越しをしたのだけれど「縁を信じよう」と少し気持ちに余裕ができたことで、友人達と食事に行くような時間も持つようになった。
今までは「彼が来るかもしれないから」と家を離れなかったのだけれど。そんな中、会食の席で未来の夫と出会う。その日の出会いが今を作っている。
1つの恋が終わったからこそ、自分の中に余裕が生まれる。恋は「余裕の産物」とはよく言ったもので、必死こいて一点しか見えていない場合だと恋は生まれたりしないのだ。
ちなみに、復縁祈願のおかげもあってか、浮気したバンドマンの彼はサキの元に戻ってきた。