有名人やお金持ちが払う「慰謝料」が高い…これってホントなの?
婚姻関係の破綻については原告自身の問題点もあるにせよ、被告は、ひとたびは原告の紹介で民事保全事件、訴訟事件を受任するなどしており、その信頼を裏切る行為といわざるを得ない。」
などと考慮されています(東京地判平成19年2月27日)。これは、不倫(不貞)によって、原告の信頼を害する程度が、弁護士という職業であるがゆえに大きいということなのでしょう。
このケース以外には、精神科医とその患者との不倫(不貞)のケース(東京地判平成13年8月30日)、弁護士とその元依頼者との不倫(不貞)のケース(東京地判平成19年2月27日)、プロ騎手・タレントのケース(東京地判平成21年10月21日)などがありますが、いずれにしても、不貞行為を行った側の職業や社会的地位が慰謝料算定の基礎とされることは極めて希であるといえます。
以上、いくつかのケースを交えてご紹介しましたが、当事者の社会的地位・収入・職業は一部の特殊なケースを除き、基本的には慰謝料の算定・考慮事情にはなりません。この点は、よく誤解されている方がいるので注意が必要です。
他にも慰謝料の算定の基礎とすべき項目が多々ありますので、気になることがございましたら、専門の弁護士に相談されることをおすすめ致します。