もしも夫が不倫相手に多額のプレゼントを…「慰謝料」が増えるのはどんな時?
しかし、損害に直接繋がるものではないにしても、こうした事実(不倫相手が経済的利益を得ていたこと)は、原告の精神的苦痛を増大させるものであるとして、慰謝料の増額要素となると考えられております。
■実際にはどのような判例があるのか
裁判所もそのような事実がある場合には、慰謝料の増額要素として考慮しているようです(東京地判平成21年6月10日「本件では、Aが、被告との交際中に総額1,000万円程度の支出をしていることが認められるが、仮にこれが夫婦財産を減少させる行為であり、原告の財産分与額に影響を与えることがあるとしても、その経済的不利益自体が、ただちに本件不貞行為に基づく損害といえるものではない。
ただし、被告は、Aが自己と交際する中で多額の金員を支出していることを十分認識しながら交際を続けており、そのことにより、原告がさらなる精神的苦痛を被ったことも否定し得ない。その意味においては、上記事情についても、原告の慰謝料額を算定する際の一事情として考慮されるべきである。」)。
結論としては、不倫をしている夫が不倫相手に対して多額のプレゼントをしたり、多額の食事をおごったりしていた場合、妻からの請求できる慰謝料の金額は、基本的に上がると考えて良いでしょう。