「強がるばかりで…」中学生になった思春期の子ども。どのように向き合えば?
性ホルモンは脳にも大きく影響し、脳全体を成熟させるとともに自我意識を高め、比較的従順な子どもの脳から自身の自立と独立性を重んじる大人の脳へと変化させていきます。つまり、思春期の心身の変動は心理学的なイベントであると同時に、それ以上に脳自体の「大人化」という現象と理解できます。
通常、人間関係は心理学的なやりとりをベースに変化していきますが、思春期においては脳自体という心の大元が変化しますので、親から見るとこどもの急激な変化についていけず、困惑することになります。親からすれば「いままでとなんだか違う、可愛くあどけなかったあの子はどこにいってしまったの?」という気持ちになります。
この出来事は親にとっては、大きな喪失感になるとともに、変化しつつある新たな人格を持った我が子と再度人間関係を結び直していくという、親自身の発達課題を突きつけられるということでもあります。
一方で、記事のようにまだ幼い妹や弟がいる場合、接し方の切り替えを頻繁に求められることになり、混乱に拍車がかかります。思春期のこどもはまだ成長過程であるため、親に反発する一方、甘えたいという気持ちも残っており、弟や妹に親がいままで通り愛護的に接しているのをみて、嫉妬をしてしまうこともあるでしょう。