結婚式だけで300万円!「結婚はコスパ悪い」にどう反論する?
■相手に幸せを与えられるどうか
結婚式ひとつとっても300万円かかると嘆き、「コスパが悪いから、結婚はしたくない」と主張するサトルに、ソクラテスさんは淡々と、そしてはっきりといいます。
「自分のことを、結婚から利益を受け取る受益者のように考えるのは間違いだ。人はむしろ、結婚を通じて、相手に幸せを与えられる人間にならなきゃいけない。
だから考えるべき問題は、自分は結婚を通じて相手を幸せにできるのかということであって、結婚が自分になにをもたらすかということではないんだ。
結婚で幸せになりたければ、まずはキミ自身が相手のことを幸せにできる人間になるしかないんだよ」
異質なものの価値を共通のものさしで量ろうと「貨幣」が発明されたのも、古代ギリシア時代のこと。貨幣の登場以来、人は「お金」と「幸せ」のバランスを取ることの難しさの中で生きてきました。
お金という明確なものさしで幸せを量ろうとすることは、とてもわかりやすいもの。結婚をコスト・パフォーマンスで考えようとするサトルの考え方も、ある種自然な発想です。
対してソクラテスさんの考え方の根本にあるのは、いつもたったひとつの問い。
「“善く生きる”とはどういうことか」