ぴあがお届けする新着記事一覧 (860/896)
今秋池袋に誕生した、東京建物ブリリアホールのこけら落としシリーズに、ダンスカンパニー・コンドルズが登場。そこで新作『Bridges to Babylon』について、主宰で構成・映像・振付・出演を兼ねる近藤良平に話を聞いた。未来への架け橋になるような作品にと、ザ・ローリング・ストーンズのアルバム名をそのままタイトルにした本作。だがその本題の前には、“コンドルズ×豊島区民”の文字が。そう、本作は公募による出演者がステージを彩る、参加型舞台なのだ。「コンドルズは毎年夏に『にゅ~盆踊り』というイベントをやっているので、ワークショップを開いて市民と一緒に踊る、という点では同じなんですよね。だから参加型にすること自体は可能だと思っていて。ただ最終的に200人近い応募があったので、さてどうしようかと。まぁこの企画自体コンドルズ的ですし、テーマが“祝祭”でもあるので、落とす理由があまりにもない。いろんな人に“ダンスをやろう!”って門を広げちゃったのは僕たち自身でもありますし(笑)。だから全員、結局180人くらいかな。それを90人ずつに分けて出てもらうことにしたんです」公募による出演者は、小学生から70代までの男女と非常に幅広い。「みんなやる気ありますよ。だから当初はオープニングアクトのみの参加予定だったんですけど、どうせだからと本編にも出てもらう作戦を立てていて。要はコンドルズのメンバーと一緒に本編でも踊ってもらう。これはコンドルズ史上初めての試みだと思いますね。内容としてはいわゆる群舞です。それはやっぱりダンスのいいところですし、せっかく会場も大きいですから。こけら落としシリーズということで、劇場を知って欲しいという意味合いもあって。まぁ90人も、しかも初めて踊るような人もいるので、全員がそろうわけはない。ただ僕のダンスはそろっているから云々というものでもないですからね。気持ちさえそろっていればいいので。きっと群舞ならではのマンパワー、みたいなものを感じてもらえると思いますよ」豊島区長の働きかけもあり、今池袋は“演劇の街”という色合いを強めてきている。そんな中で近藤は、どんなことを期待しているのだろうか。「豊島区の高野区長は、ずっと“豊島区を文化都市にする”と言い続けてきた人で、文化でまちづくりをすることに対してものすごく愛がある人なんですよね。だから劇場までの足にもなるIKEBUS(イケバス)っていう周回バスを走らせていたり、このブリリアホールの前の歩道は広くしてあって、大道芸とかも出来るようなスペースが取られていたり。つまり考え方がすごく広いんですよね。それをさらに広げていけるかっていうのは、僕らつくり手側次第で。ここ池袋でどんなことを仕かけていけるのか。いろいろ考えられるのは面白いですよね」コンドルズは結成からすでに23年。十分ベテランの域に達しつつも、常に新たなチャレンジを重ね、新メンバーの加入などを経ながら、コンドルズらしさを失わない発展を遂げてきた。「やっぱり長くやっていると年齢層が上がってきますから。そこは若い人を入れないと回っていかないところもあって。かといってイケメンを入れる気はないんですけど(笑)。ただ長いメンバーはメンバーで、続けてきたっていう意地、プライドがある。この間地方の公演で小学生と踊る機会があったんですけど、その子供たちがすごく頑張っていたんですよ。そうしたらうちの最年長の山本光二郎も超頑張っちゃって、本番びっくりするほど動いていて(笑)。なんかそういう意味では違う領域に入ってきた感じもありますし、やっぱり続けていると面白いことがあるなって思いますね」コンドルズ×豊島区民『Bridges to Babylon-ブリッジズ・トゥ・バビロン-』は、11月20日(水)から23日(土)まで東京建物ブリリアホールにて上演。取材・文:野上瑠美子
2019年11月15日1977年に『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が全米で公開されてから42年。永きに渡り紡がれてきた伝説と呼べる映画の完結編である『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が、12月20日(金)に日米同時公開される。この度、この究極のフィナーレを飾るに相応しい来日キャンペーンが決定し、レイ役のデイジー・リドリー、フィン役のジョン・ボイエガのコメント動画が公開された。来日するのは、監督のJ.J.エイブラムスを筆頭に、リドリー、ボイエガ、ポー・ダメロン役のオスカー・アイザック、そして『スター・ウォーズ』シリーズ全作品に登場するレジェンド的存在C-3PO役のアンソニー・ダニエルズ、プロデューサーで ルーカスフィルム社長のキャスリーン・ケネディの豪華一行。『フォースの覚醒』のプロモーション以来、約4年ぶりの来日となるリドリーは、「日本のみなさん、こんにちは。日本に行くのが待ちきれないわ!」と日本のファンにメッセージを寄せ、来日をとても楽しみにしている様子だ。さらに約1年半ぶりに来日するボイエガは「12月に日本の皆さんに会えるのを楽しみにしているよ!」と大興奮のコメント。そしてシリーズ全作品に出演している唯一のキャストとなるC-3POを演じるダニエルズは、『スター・ウォーズ』のプロモーションだけでも数えきれない程の回数で来日を果たしており、完結を迎える本作で来日できることについても、「僕は日本の『スター・ウォーズ』ファンととてもたくさん楽しい時間を過ごしてきた。日本へ行くのはいつも嬉しいよ。日本で感じる興奮は、僕を気持ちよくしてくれるんだ。以前、ジョン・ウィリアムズの『スター・ウォーズ・イン・コンサート』や『スター・ツアーズ』のオープニングのために日本へ行った。僕は本作でも日本に行くことができてとても嬉しいよ。(日本語で)“フォースとともに、あらんことを”」と喜びを語り、ファンにメッセージを送った。公開されたリドリーとボイエガのコメント動画からも、彼らのその口調、表情から、今回の来日を非常に楽しみにしていることが伝わってくる。来日メンバーは、12月11日(水)に行われるスペシャル・ファンイベントへの登壇など、直接日本のファンと交流する機会を予定している。最後の『スター・ウォーズ』での豪華キャスト陣の来日に、日本中のファンが歓喜と熱狂の渦に包まれることは間違いないだろう。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』12月20日(金)より全国公開
2019年11月15日毎年、多くの人で盛り上がるユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の恒例イベント「ユニバーサル・クリスタル・クリスマス」がスタートした。今年は内容が一新され、期間限定企画も次々に登場。年末年始を通じて楽しめる内容になっている。USJはパーク全体で季節イベントを楽しむことができる場所として人気を集めているが、クリスマスもこれまで以上に充実した内容が揃った。高さ30メートルの「ユニバーサル・クリスタル・ツリー」や、内容を一新したライブ・ショー「クリスタルの約束」が登場。またエントランス近くの大通りでは音楽に合わせて360度“無限の輝き”に包まれる「クリスタル・シャイニング・イルミネーション」を楽しむことができる。その他、クリスマス衣装のミニオンたちと一緒に楽しめるイベントや期間限定のフード、コースメニューも。同時期には「ウインター・イン・ザ・ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッターTM」も開催されており、1日ではすべてを楽しみきれないほどの内容になっている。「ユニバーサル・クリスタル・クリスマス」2020年1月13日(月)まで開催中ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
2019年11月15日名古屋の中心市街地で「栄ミナミ・大須ウインターイルミネーション」が開催される。昨年も好評を博した催しで名古屋の市街地が幻想的なイルミネーションで彩られる。今年の開催エリアは、大津通の栄交差点から上前津交差点と伊勢町通の街路樹など。スマートフォンのGPS機能を利用したスタンプラリーも行われ、各エリアをまわりながらサンタクロースのトナカイのスタンプを探して集めると、プレゼント企画に応募することができる。「栄ミナミ・大須ウインターイルミネーション」11月15日(金)から2020年2月23日(日)まで点灯時間17時から24時まで※スタンプラリーの応募は12月25日(水)まで名古屋市 大津通(栄交差点~上前津交差点)、伊勢町通主催:南大津通活性化協議会
2019年11月15日毎年この時期になると都内各地でイルミネーションを楽しめるイベントが開催されるが、その中でも最大規模かつ多くの人々から支持を集めている恒例のイベント「MIDTOWN CHRISTMAS」が今年も東京ミッドタウンで開催されている。ショッピングだけでなく、芝生広場や庭園でゆっくりと時間を過ごしたり、レストランやイベント、ライブ、アート鑑賞も楽しむことができる東京ミッドタウンは様々なイベントが行われているが、冬を彩る恒例のイベントが「MIDTOWN CHRISTMAS」だ。約2000平方メートルの広大な芝生広場には、毎年人気のイルミネーション「スターライトガーデン2019」(11月26日から)が登場。12月18日(水)までの期間限定で、2種類のしゃぼん玉が上空を舞う特別演出が行われる。なお、今年のテーマは“宇宙現象”で、約19万個のLEDと約100個の光るバルーン、高さ8メートルの“Space Tower”が設置され、期間限定のしゃぼん玉は1日約45万個。都内最大級のイルミネーションが楽しめる。また、約1800体ものサンタクロースが飾られた“サンタツリー”や、様々なグッズが集まった“クリスマスマーケット”も登場。各エリアでクリスマス装飾が行われ、カップルや家族連れだけでなく、施設内のオフィスで働いている人やホテルに宿泊にきた観光客など様々な人たちが同じ場所に集い、それぞれの楽しみ方を見つけられるのが特色。広い敷地をゆっくりと歩くだけでホリデーシーズンの気分を満喫できるイベントになっている。MIDTOWN CHRISTMAS 201912月25日(水)まで東京ミッドタウン各所で開催中
2019年11月15日マーティン・スコセッシ監督の最新作『アイリッシュマン』がいよいよ27日(水)からNetflixで独占配信される。本作はスコセッシ監督が朋友ともいうべき俳優たちーーロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシらを迎えて完成させた209分の超大作で、本日15日からは一部の劇場でも公開される。本作の舞台は第2次世界大戦後のアメリカ。主人公のフランク・“アイリッシュマン”・シーランは実在のヒットマンで、伝説的な裏社会のボスに仕えて暗躍してきた。彼は全米トラック運転組合のリーダー失踪事件の容疑がかけられるが、その真相は?戦後の混乱期に暴力でのしあがり、壮絶な場面をくぐり抜けてきた男たちの生き様が描かれる。スコセッシ監督は長いキャリアを誇る巨匠監督で、これまでにもさまざまな名作を発表してきたが、キャリアを通じて同じモチーフや主題を繰り返し角度を変えて描いてきた。自身のホームタウンでもある大都市ニューヨークの暴力と孤独に満ちた生活、幼少期から学んできた神学にまつわる問題、そして敬愛するクラシック映画へのオマージュ……どの作品も重厚で衝撃的。中には評価が分かれる作品もあるが、映画ファンなら絶対に押さえておきたい作品が並ぶ。監督は長年に渡って遠藤周作の小説『沈黙』を映画化することを模索し続けてきたが、2016年に『沈黙 -サイレンス-』がついに完成。生涯をかけて追ってきた神学や信仰の問題を最大規模で描き切ったスコセッシが、自身のキャリアのもうひとつの主題“社会と暴力”を最大規模で描くべく、こちらも長年に渡って追い続けてきた企画が『アイリッシュマン』だ。そこで本作には『レイジング・ブル』『グッドフェローズ』など多数の作品でタッグを組んできたデ・ニーロ、ペシ、『ミーン・ストリート』『タクシードライバー』など初期作から出演しているハーヴェイ・カイテル、そして『ゴッドファーザー』ではデ・ニーロと“父子”を演じ、共演も多い名優パチーノら豪華キャストが集結。撮影監督のロドリゴ・プリエトをはじめ、編集のセルマ・スクーンメイカー、プロダクション・デザイナーのボブ・ショウ、キャスティング・ディレクターのエレン・ルイスら“スコセッシ組”も勢揃いし、撮影は35ミリフィルム、VFXはILMが担当。スコセッシ・シンジケートが総力戦で挑む作品になった。本作はすでに世界各国の映画祭で高評価を集めており、本年度の映画賞レースでもタイトルが挙がることになりそうだ。Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』11月27日(水)独占配信開始本日からアップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほかにて劇場公開
2019年11月15日麻見和史の人気小説を映像化したクライムサスペンスシリーズ『殺人分析班』の第3弾『連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班』の完成披露試写会が11月14日、都内で行われ、シリーズ第1弾『石の繭』、第2弾『水晶の鼓動』に続いて主演を務める女優の木村文乃、共演する青木崇高と内片輝監督が舞台挨拶に立った。遺体の首に青い花が活けられる連続猟奇殺人事件が発生。警視庁捜査一課十一係・殺人分析班の如月塔子(木村)は、頼れる相棒の先輩刑事・鷹野(青木)の異動が数日後に迫る中、難解な事件の捜査に行き詰まる。約3年ぶりのシリーズ新章に、木村は「まさか帰ってこられるとは。このワクワクがご覧になる皆さんにも伝わればいいなと思う。待っていてくださったファンの皆さんのおかげで、ここに立つことができました」と感謝の意。シリーズを重ねる中で、演じる塔子がエース的な存在に成長しており「変わらない塔子と、少しシャンとしている塔子のメリハリを大切にした」と役作りを語り、「まるで実家に帰ってきたような感覚。共演する皆さんや監督とも、空気というかアイコンタクトでお芝居を作っていけるチーム感がある」。それだけに、クランクアップした心境を「ロスでした」と明かした。一方、青木は「エースの座を奪われた(笑)」と塔子の成長に目を細め、「俺だって、(十一係を)離れなくない」と本音も。役柄については「こんなカッコいい役、やったことない。男としてもほれぼれします。犯罪を許せないという、事件解決に向けた執念とプライドがカッコいいんです」と魅力を熱弁した。また、ドラマWならではの「グロテスクさも魅力」だといい、「現実にはあってはいけないことですが、目を背けたくなるほど、スタッフさんが緻密に作ってくださった」と話していた。スピンオフを合わせると、『殺人分析班』を4作手がける内片監督は「『水晶の鼓動』からは3年が経っていますから、僕らもファンの皆さんも、今まで通りでは納得しないという気持ちだったと思う」と語り、「もっと面白いものにしようという現場の気持ちを、キャストの頑張りがパワーアップしてくれた」と木村と青木に感謝を示した。取材・文・写真:内田 涼『連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班』11月17日(日)よりスタート(全6話/第1話無料放送)毎週日曜夜10時よりWOWOWプライムにて放送
2019年11月14日ジェイソン・ステイサムとガイ・リッチーが、2000年の『スナッチ』以来初めてコンビを組むことになった。仮タイトルは『Cash Truck』。現金の輸送を請け負う会社で働いているミステリアスな男を主人公にしたアクションスリラーだそうだ。ほかに、スコット・イーストウッド、ジョシュ・ハートネットらが出演する。アスリートを経てモデルの仕事をしていたステイサムは、リッチーの長編映画デビュー作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』で演技に初挑戦。この映画を見たブラッド・ピットがアプローチし、『スナッチ』にはピットも出演することになった。以後、ステイサムは現代を代表するアクションスターに成長。リッチーも主にアクションで知られてきたが、今年は『アラジン』を全世界で10億ドル越えの大ヒットに導いている。文=猿渡由紀
2019年11月14日2004年にドラマ『WATER BOYS2』でデビュー、当時の最年少レッドとして『魔法戦隊マジレンジャー』(2005年)の主演に大抜擢され、その後も朝ドラをはじめ多数の作品に出演する橋本淳さん。主戦場である舞台では、宮田慶子、宮本亜門、白井晃、永井愛、ケラリーノ・サンドロヴィッチなど錚々たる演出家のもとでステージに立ってきました。2019年11月9日には栗山民也演出の舞台『カリギュラ』が開幕、さらにオールメール&全編関西弁の演出が注目を集める舞台『泣くロミオと怒るジュリエット』の上演を2020年2月に控えています。そんな、演劇界で引っ張りだこの橋本さんに、テイストの異なる両作品に対する思いや見どころを語っていただきました。——まずは『カリギュラ』のお話から。演じる役どころについて教えてください。橋本淳(以下、橋本)僕が演じるケレアは、冷静かつ聡明な人物です。菅田将暉くん演じるカリギュラと対峙する役どころで、クーデターの首謀者となります。最初はケレアという人物がどういう考え方を持っているのか、分からない部分もありました。でも、台本の中に「私はただの市民なので」というセリフがあったり、彼自身、たしかにそこまで特出した才能があったりするわけでもないので、とても人間っぽい人だなと思いました。それに、考えすぎてしまうところは、ちょっと自分と近いかもしれないです。思いついたらすぐ行動するというよりは、思い悩むことの方が多いので。作品の中でも、カリギュラが逃亡したときに、周りにいるほとんどの人達が深く考えていない中、ケレアだけは何か腑に落ちないなとずっと考えている。そういう部分は僕と似ているかもしれません。——まもなく本格的に稽古も始まると伺いました。橋本そうなんです。先日、本読みをしたのですが、そこで皆さんの声を聞けたのはとても大きかったですね。この感覚を持ち帰って、それぞれが稽古までにどう作りあげてくるのか、楽しみでもあり、怖くもあります。実は7月ぐらいから台本はいただいていたんですよ。そこから準備をしてきたので、ようやく、という感じもしますね。——本読みのときには他のキャストさんたちと、どのようなやりとりをされたんですか?橋本菅田くんやエリコンを演じる谷田歩さんと、休憩時間に「どうします?」「ここ難しいですね」というような話をしましたね。やっぱりみんな同じように苦戦している印象でした。登場人物はみんな、どこか掴みどころのない役なので。でもそこは全員で協力しながら答えを見つけていきたいと思っています。僕らなりの座組の答えがきっとあるはずなので。——菅田さんとは、本作が初共演となりますね。橋本そうなんです。でも、お互いが出演している舞台を観たこともありましたし、共通の友人もいるので初めて会ったような感じがしなかったんですよね。だから初対面のときに、「会ったことないよね?」と、確かめてしまいました(笑)。——橋本さんから見た菅田さんはどんな方ですか?橋本どんな役も憑依しているように見えるので、感覚でやっているように見られがちだけど、実は理論派なのかなって。頭の回転が早い人なんだろうというのは、ずっと思っていたんですけど、実際に会ってみてもその印象は変わらなかったですね。きっといろいろ深く見ている人なんだろうなと思いました。本読みのときも、スイッチが入ってからの爆発力がすごかったんですよ。本当に素晴らしかった。このあとの稽古期間で、それが何段階も上がっていくと思うので、僕も負けないようにうまく絡んでいきたいと思っています。——公式サイトの掲載コメントには、『カリギュラ』の原作を初めて読んだときと最近で捉え方が異なっていたとありました。橋本20代前半の頃に、蜷川幸雄さんが演出をされた『カリギュラ』を観ました。その後に原作も買って読んでいたのですが、とにかくよく分からなくて(笑)。でも今回、この作品に出演すると決まったときに、もう一度、腰を据えて読んでみたいと思ったんです。そして作品を理解するには、作者であるアルベール・カミュ自身のことも勉強しないといけないなって。だから、哲学の成り立ちや、アリストテレス、ニーチェという哲学を紡いできた人たちのこと、そしてその中で、カミュがどの哲学に重きを置いて生きてきたのか、というところから追っていきました。——原点から追っていくことで、作品への理解を深めていったんですね。橋本一見、とても難しそうな作品に感じますが、大枠としては昔から人間が抱えていることがテーマになっているんですよ。「人はなぜ生を受けて、生きて、死ぬのか」という。哲学とか、不条理とかという難しい言葉で形容するとつかめない感じがしますけど、例え話をしながら紐解いてあげれば、きっと若い人たちでもしっかりと理解できる内容なんだと思います。——では、改めて『カリギュラ』を読んでみて、感じたことはなんですか?橋本僕も毎日生きていますけど、必死には生きていないなと思ってしまったんですよね。例えばですが、もし今、余命宣告を受けたら、きっともっと必死になるよなって。黒澤明監督の映画『生きる』みたいだなと思ったんです。その作品は、主人公が胃癌を宣告されてから、初めて生きた心地がしたというようなストーリーなのですが。本作でも、きっとカリギュラが、漠然と生きている貴族たちに、自分が暴君になることによって「生きるとはなんなのか」というのを無理やり考えさせているのだなと、そう感じました。——本作を経ることで、橋本さん自身が成長、変化するような期待はありますか?橋本やっぱりこの仕事は、人とどう関わっていくかが重要になると思います。たぶん稽古中は、毎日変わってくると思うんですよ。僕や相手の気持ちがちょっと変わるだけで、作品全体にも影響してくると思いますし。そういう相手の機微に、毎日どれだけ気づけるのかっていうのを大事にしていきたいです。感度高くアンテナを張って、人の心の揺れ動きを敏感に感じとっていきたいと思っています。——そして来年2月に開幕する『泣くロミオと怒るジュリエット』では、桐山照史さん演じるロミオの親友・ベンヴォーリオを演じますね。橋本『カリギュラ』同様、ベンヴォーリオも冷静な性格の役ですね。元木聖也さん演じるマキューシオは鉄砲玉みたいな人なのですが、それを抑えるような、長男みたいなポジションです。こちらも台本の初稿をすでにいただいているのですが、『ロミオとジュリエット』という有名な作品をベースに、作・演出の鄭義信さんがちょっとスパイスを加えていて、ベンヴォーリオは少しミステリアスでクセのある役どころになっているなという印象を受けました。12月から稽古が始まりますが、きっと鄭さんも早く稽古をしたいんじゃないかな(笑)。稽古期間が1か月くらいあって、時間をかけてきっちりやれそうなので楽しみです。——ロミオとジュリエットを演じる桐山さんと柄本時生さんとは初共演ですか?橋本そうなります。桐山さんとは少し接点があるので稽古で会うのが楽しみですし、時生くんとは、お互いの舞台を観て、楽屋で挨拶を交わした程度で。でも、仲良くなれるんじゃないかなと思っています。——全編関西弁ということについては、いかがですか?橋本ドラマでは方言を話す役を演じたことがあるのですが、舞台では初めてなんです。だから『カリギュラ』の公演中に、菅田くんに習いたいなって(笑)。でも、話を聞くかぎりでは、現代の関西弁ともまた違うみたいで。もうちょっと濃いというか昔っぽい感じらしいんですよ。だから不安しかないですね(笑)。——桐山さん、八嶋智人さんなど、関西出身のキャストの方も多いですね。橋本僕、関西の方のノリが好きなんですよ。たくさん話してくれる人の方がもともと好きなので。だからすぐ仲良くなれそうだし、稽古が楽しみです。——改めて、本作はどんな作品になりそうですか?橋本桐山さん、時生くんの2人でロミオとジュリエットをやるっていうのが、まずすごくキャッチーですよね。また、他のシェイクスピア作品のセリフが小ネタで出てくるので、『ロミジュリ』以外の作品が好きな人も楽しめると思います。『ロミオとジュリエット』って、大体の人は話の筋が分かるじゃないですか。その中に鄭さんならではのメッセージ性が入ってくるので、笑いあり、涙もありの人情劇になるんじゃないかなって思います。もしかしたら、前情報なしで『ロミオとジュリエット』だと思って観に来たほうが、より面白く感じるかもしれないです。関西弁ということで、漫才っぽいくだりもありますし。そういう表現が本当に鄭さんは素晴らしいので、この作品に出られることは光栄ですし幸せです。稽古も必死に頑張るので、ぜひ期待して劇場に来ていただけたらうれしいです。撮影:八木英里奈、取材・文:榎本麻紀恵<公演情報>『カリギュラ』作:アルベール・カミュ翻訳:岩切正一郎演出:栗山民也出演者:菅田将暉 高杉真宙 谷田 歩 橋本 淳 秋山菜津子原 康義 石田圭祐 世古陽丸 櫻井章喜 俵 和也 野坂 弘 坂川慶成石井 淳 石井英明 稲葉俊一 川澄透子 小谷真一 小比類巻諒介 西原やすあき 高草量平 原 一登 平野 亙 峰崎亮介 吉澤恒多【東京公演】 2019年11月9日(土)〜11月24日(日)新国立劇場 中劇場【福岡公演】 2019年11月29日(金)〜12月1日(日)久留米シティプラザ ザ・グランドホール【兵庫公演】 2019年12月5日(木)〜12月8日(日)神戸国際会館こくさいホール【宮城公演】 2019年12月13日(金)〜12月15日(日)仙台銀行ホールイズミティ21 大ホール『泣くロミオと怒るジュリエット』作・演出:鄭 義信出演者:桐山照史、柄本時生、橋本 淳、元木聖也、高橋 努、岡田義徳、朴 勝哲、みのすけ、福田転球、八嶋智人、段田安則岩男海史白石惇也鈴木幸二砂原一輝西村 聡平岡 亮ふじおあつや水谷 悟宗綱 弟ワタナベケイスケ【東京公演】2020年2月8日(土)〜3月4日(水)会場:Bunkamuraシアターコクーン【大阪公演】2020年3月8日(日)〜15日(日)会場:森ノ宮ピロティホール
2019年11月14日1947年の創立以来、70年以上に渡ってヨーロッパの主要放送交響楽団の1つとして素晴らしい演奏活動を行ってきたケルン放送交響楽団が、ワルシャワ生まれの名匠マレク・ヤノフスキに率いられて来日する。両者の共演は1983年にまで遡り、2018年2月にはヒンデミット作品集を録音をするなど、関係性は抜群。2018年9月からは待望のベートーヴェン・チクルスを開始し、同時にレコーディングも進めているというのだから楽しみだ。今回はドイツ本国で行われたベートーヴェン・チクルスの勢いをそのまま持ち込むかのような日本公演が期待できる。ソリストには、2015年のショパン国際ピアノ・コンクールの覇者チョ・ソンジンを迎え、ベートーヴェンの偉大さを知る上で、欠かすことのできない「交響曲」と「協奏曲」の代表曲を披露する。いよいよ間近に迫った2020年の“ベートーヴェン生誕250年”を、より身近に感じさせるステージがこれだ!●公演概要・11月21日(木)東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル・11月25日(月)東京文化会館 大ホール・11月26日(火)サントリーホール 大ホール●マレク・ヤノフスキ (指揮)ワルシャワ生まれ。現代におけるドイツ伝統音楽の巨匠の一人。1939年ワルシャワ生まれ。ドイツで教育を受け、フライブルグ、ドルトムントの歌劇場で音楽総監督を務めた。ドルトムント在任中、その芸術性が高く評価され、ヨーロッパの主要な歌劇場に招かれるようになる。1970年代後半以降、世界の主要な歌劇場のうちヤノフスキが定期的に客演しない歌劇場は一つもないほどになり、その活躍の場はニューヨークのメトロポリタン歌劇場からミュンヘンのバイエルン国立歌劇場へ、シカゴやサンフランシスコからハンブルクへ、ウィーンやベルリンからパリへと広がった。これまでにフランス国立放送フィル音楽監督、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団首席指揮者、ベルリン・ドイツ響第1客演指揮者、モンテカルロ・フィル音楽監督、ドレスデン・フィル首席指揮者、ベルリン放送響芸術監督を務める。ワーグナー、リヒャルト・シュトラウス、ブルックナー、ブラームス、ヒンデミット、および新ウィーン楽派の解釈では世界的に定評があり、この幅広いレパートリーを網羅する多数の優れた録音を残している。2018/2019シーズンには、ドレスデン・フィル、ベルリン・フィル、ケルン放送響、フランクフルト放送響、NDRエルプフィル、ライプツィヒMDR、スイス・ロマンド管、オスロ・フィル、N響、サンフランシスコ響などを指揮予定。現在ヨーロッパと北アメリカの主要なオーケストラで特に高い評価を得ており、楽団を世界的な一流オーケストラへと育て上げる手腕を持つ指揮者としても知られている。●チョ・ソンジン(ピアノ)(C)Harald Hoffmann DG圧倒的な才能と生来の音楽性で、急速に世界的な活躍を繰り広げているチョ・ソンジンは、同世代の中で最も際立つアーティストの一人と認められている。2015年ショパン国際ピアノコンクールで念願の優勝を果たし、国際的な脚光を浴びる。ドイツ・グラモフォンと専属契約を結び、2016年にリリースされた最初のCDには、ノセダ指揮ロンドン響との共演による、ショパンのピアノ協奏曲第1番と4つのバラードが収録されている。2017年にはドビュッシーのソロ・アルバム、続く2018年には、ネゼ=セガン指揮ヨーロッパ室内管との「モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、ソナタ第3番、第12番」のアルバムがリリースされた。これらのアルバムは、いずれも世界中の批評家たちから非常に高く評価されている。●ケルン放送交響楽団(C)Marek Janowski1947年創立。以来70年以上に渡り、ヨーロッパの主要な放送管弦楽団のひとつとして地位を確立。広大なレパートリー、芸術的完成度をトレードマークとする。大都市ケルンの主要なコンサート・ホールや音楽祭と数多く提携し、海外ツアー、数々のCDのリリースなど、その活動はドイツのオーケストラ界を代表する存在として国際的に重要視されている。1964年より、C.F.ドホナーニ、G.ベルティーニ、S.ビシュコフを、2010/2011シーズンよりユッカ=ペッカ=サラステを首席指揮者に迎える。その指導の下、特にマーラー、ショスタコーヴィチ、R.シュトラウス、ラフマニノフ、ヴェルディ、ワーグナー作品で頭角を現し、世界各国で頻繁にツアーを行うようになった。また多数の現代作品の世界初演を行うことで音楽史に貢献。これまでにストラヴィンスキー、ベリオ、ヘンツェ、シュトックハウゼン、カーゲル、リーム、ヴィトマン、ペンデレツキといった偉大な作曲家が自作を指揮している。さらに、テレビ・ラジオ放送、デジタルメディア、教育プログラムを通してクラシック音楽の普及に邁進している。1983年、指揮者マレク・ヤノフスキと初共演。2018年2月には、ヤノフスキと同団による、ヒンデミット作品を収録したCDがペンタトーンからリリースされた。また2018年9月よりベートーヴェン・チクルスを開始。初めてとなるベートーヴェン作品のレコーディングを進めている。2019年2月ヤノフスキ80歳の誕生日には、ソリストにチョ・ソンジンを迎え、ベルリン・フィルハーモニーでのコンサートを含むドイツ全国のツアーを敢行した。※関連公演・11月21日(木)東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル・11月25日(月)東京文化会館 大ホール・11月26日(火)サントリーホール 大ホール
2019年11月14日恒例の特集「ポーランド映画祭」が今年も開催されている。8回目を迎える本年度は、映画作家のイエジ―・スコリモフスキが監修を担当。ポーランドの最新作から歴史に残る名作、レア作まで幅広い作品が揃う。映画ファンにとってポーランドは、アンジェイ・ワイダやクシシュトフ・キェシロフスキを輩出したなじみの深い国で、近年も『イーダ』や『COLD WAR あの歌、2つの心』など良質な作品が多く製作されている。2019年はポーランドと日本の国交樹立100周年、ポーランド民主化30周年にあたるアニバーサリー・イヤー。これまで以上に充実した作品群が映画祭に集まった。巨匠アンジェイ・ワイダの特集では名作『灰とダイヤモンド』、『死の教室』、そして彼が創設した映画学校の生徒による短編作品を上映。2017年に翻訳が出版され話題を呼んだボレスワフ・プルスの小説を映画化した1968年製作の『人形』、ワイダがドストエフスキーの『白痴』を原作に坂東玉三郎を主演に迎えて描く『ナスターシャ』、ロマン・ポランスキー監督がポーランド時代に手がけた短編集など、映画ファン垂涎のプログラムが並ぶ。さらに最新のポーランドも数多く紹介され、本映画祭でジャパンプレミアを迎える。飛行機に乗り合わせた様々な人々の姿を描いた『パニック・アタック』をはじめ、映画祭の監修者スコリモフスキが俳優として出演する『ユリウシュ』、知られざる史実に迫るドキュメンタリー『パラグアイへのパスポートポーランド外交における秘話』などが続々と上映される。会期中には上映だけでなく監督によるトークや、ゲストを招いた上映後解説も予定されており、長年に渡って映画ファンを魅了し続けてきたポーランド映画をさらに深く、多角的に楽しめる内容になっている。ポーランド映画祭201911月23日(土)まで東京都写真美術館ホールで開催中
2019年11月14日近年少しずつ意欲作が増えてきてはいるものの、海外産の作品に比べると成功例はまだまだ少ない日本オリジナル・ミュージカル。その理由のひとつとして挙げられるのが、クリエイションにかけられる時間・手間暇・予算の圧倒的少なさだ。そんな現状に一石を投じるプロジェクトであるミュージカル『(愛おしき)ボクの時代』が、明日11月15日(金)に東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERにて「1stプレビュー公演」の幕を開ける。特筆すべきは、2期に分けたプレビューを行い、ブラッシュアップ期間を設けた後に本公演の幕を開けることと、その本公演を含めた全体をトライアウト公演と位置づけ、将来的にさらに大きな劇場での上演を目指している点。また、創作プロセスとしてはそのようなブロードウェイ式のやり方を踏襲する一方で、内容としては「日本人特有の身体感覚・言語を素直に使って表現する」ことを標榜している点にも期待が持てる。脚本・演出の西川大貴、音楽の桑原あいとも、ミュージカル作家としては未知数。だが、だからこそ、プロジェクトにスーパーバイジング・ディレクターとして参加している演出家ダレン・ヤップ(『ミス・サイゴン』『ゴースト』)や、今回のトライアウト公演の観客からの感想に素直に耳を傾けることができるのは確かだろう。“観に行く”というよりも、クリエイションに“参加する”、未来の大作を“育てる”ような気持ちで劇場に足を運びたい。ミュージカル『(愛おしき)ボクの時代』は、11月15日から18日(月)まで1st プレビュー公演、11月23日(土)から26日(火)まで2nd プレビュー公演、11月30日(土)から12月15日(日)まで本公演を行う。文:町田麻子
2019年11月14日UNISON SQUARE GARDENが11月14日、埼玉・大宮ソニックシティで全国ツアー「UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2019『Bee side Sea side ~B-side Collection Album~』」をスタートさせる。今年、結成15周年を迎えたUNISON SQUARE GARDEN。それにともなう記念ライブ『プログラム15th』を大阪・舞洲スポーツアイランドで開催や、自身のトリビュートアルバム『Thank you, ROCK BANDS! ~UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Album~』にSKY-HI、東京スカパラダイスオーケストラ、9mm Parabellum Bulletらが参加したことも話題になった。本日からスタートするのは、15周年記念カップリングベストアルバム『Bee side Sea side ~B-side Collection Album~』のリリースに際して行われるホールツアー。全国15会場17公演に渡り熱いパフォーマンスを繰り広げる。先だって行われたファンクラブ限定ツアーでは、アルバムに収録されたレア曲が今のアレンジで披露されており、本日からのステージにも期待したい。■公演情報「UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2019『Bee side Sea side ~B side Collection Album~』」11月14日(木)、15日(金)埼玉・大宮ソニックシティ開場17:45/開演18:30(両日ともに)11月20日(水)北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)11月22日(金)宮城・仙台サンプラザホール11月24日(日)群馬・高崎芸術劇場11月28日(木)兵庫・神戸国際会館こくさいホール11月29日(金)愛媛・松山市総合コミュニティセンター12月1日(日)岡山・岡山市民会館12月3日(火)東京・府中の森芸術劇場12月6日(金)愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール12月8日(日)長野・ホクト文化ホール12月10日(火)神奈川・横須賀芸術劇場12月12日(木)新潟・新潟県民会館12月17日(火)千葉・市川市文化会館12月20日(金)大阪・オリックス劇場12月21日(土)大阪・大阪オリックス劇場12月23日(月)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
2019年11月14日世代を超え、世界中で社会現象を巻き起こす”奇跡“を成し遂げたディズニーの大ヒット映画『アナと雪の女王』の続編であり、先日、エルサを務めるイディナ・メンゼルが歌う、英語版のメイン楽曲『イントゥ・ジ・アンノウン』が発表され話題を呼んだ最新作『アナと雪の女王2』が、11月22日(金)に全国公開される。この度、松たか子が歌う日本語版楽曲『イントゥ・ジ・アンノウン〜心のままに』の映像と音声が公開された。前作で、雪と氷に覆われたアレンデール王国に暖かな陽光を取り戻し、深い絆で結ばれた姉のエルサと妹のアナ。“ありのままの自分”を受け入れたエルサと、明るいキャラクターが持ち前のアナは、王国の仲間たちと幸せに暮らしていた。だが、エルサだけが聞こえる“不思議な歌声”によって、姉妹は未知なる世界へ導かれる。公開された楽曲は、前作よりもさらに壮大なメロディと、エルサが抱く、 まだ見ぬ未知の世界への不安と期待を表現した、松ののびやかな歌声が印象的。そして映像は、不安を感じながらも、自分の力を駆使して前へと進もうとする、エルサの決意を示す場面が映し出されている。「なぜ自分だけ特別な力を持っているのか」、「なぜ自分だけ周りと違うのか」という疑問を抱き、幸せな日々を送りながらも、この“力”のせいで、どこかで“このままではいられない”と感じ、謎を解き明かすために新たな世界へ進むことを選択するエルサ。大事なエルサとの幸せな生活を壊したくないと願い、彼女のことを守るためエルサとともに旅に出ることを決意したアナ。ふたりの新たな選択によって、どんな冒険が繰り広げられるのだろうか。『アナと雪の女王2』11月22日(金)全国公開
2019年11月13日デイミアン・チャゼルの次回作に、ブラッド・ピットとエマ・ストーンが出演を検討しているようだ。タイトルは、『Babylon』。1920年代のハリウッドを舞台にした話で、ピットはサイレント映画からトーキーへの移行に苦しむ架空のスター、ストーンは実在の女優クララ・ボウを演じる予定。製作、配給はパラマウント。北米公開予定は2021年の年末。早くもオスカー候補入りを狙っているようだ。チャゼルは『ラ・ラ・ランド』で、史上最年少でオスカー監督賞を受賞した。ストーンも同作品で主演女優賞を受賞している。その次の『ファースト・マン』も、批評家の評価は高かったものの、興行成績はふるわなかった。今作で挽回となるかが注目される。文=猿渡由紀
2019年11月13日ウィーン・フィルとベルリン・フィルというオーケストラの世界における東西の横綱が来日公演を行った直後にやってくるのがロイヤル・コンセルトヘボウだなんて、この秋は財布の紐をいくら締めても締めきれないどころか、緩みっぱなしのクラシックファン続出ではないだろうか。まさにこの3つのオーケストラを称して「世界3大オーケストラ」というのがクラシック界の常套句。日本に居ながらにして世界の最高峰を体験できることは本当に凄いことだ。中でも「ビロードのよう」な弦楽器と、「黄金」のような金管楽器に、「際立った個性」を持つ木管楽器と優れた打楽器群の組み合わせは、ロイヤル・コンセルトヘボウの真骨頂。まさに、彼らが本拠地としているオランダはアムステルダムの名ホール「コンセルトヘボウ」の素晴らしい響きの中で育まれた絶品の音色と言えそうだ。過去にはマーラーやR.シュトラウスといった作曲家たちをも魅了した伝統の響きがいよいよ日本に上陸する。しかもこの素晴らしいオーケストラを指揮するのが、飛ぶ鳥を落とす勢いのマエストロ、パーヴォ・ヤルヴィなのだから楽しみだ。ソリストにはこれまた世界で最も多忙なピアニストの1人ラン・ランが随行(プログラムBに出演)し、ドイツ音楽の真髄が披露される。●公演概要・11月18日(月)、19日(火)サントリーホール 大ホール・11月20日(水)愛知県芸術劇場コンサートホール・11月22日(金)ミューザ川崎シンフォニーホール・11月23日(土)堺市民芸術文化ホール(フェニーチェ堺) 大ホール●パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)1962年エストニア生まれ。渡米してカーティス音楽院で学び、バーンスタインにも師事した。北欧の楽団やシンシナティ響、hr響、パリ管の音楽監督や首席指揮者を歴任し、現在はドイツ・カンマーフィルの芸術監督とN響の首席指揮者を務めている。2019/20年シーズンからはチューリヒ・トーンハレ管の首席指揮者に就任する。ベルリン・フィルやコンセルトヘボウ管、ドレスデン・シュターツカペレ、シカゴ響などに定期的に客演し、ソニーをはじめとするレーベルから注目の録音も多い。2010年には故国エストニアのペルヌで音楽祭を創設した。シャープで新鮮な指揮によりレパートリーも古典から現代音楽に及び、世界でも最も活躍している指揮者の一人である。●ラン・ラン(ピアノ)1982年、中国・瀋陽生まれ。ノーベル賞コンサート(07年)、オバマ大統領ノーベル平和賞受賞コンサート(09年)、北京五輪開会式(08年)などで演奏するほか、10年には上海万博公式国際親善大使を務め、同年世界経済フォーラムから“若手グローバルリーダー250人”に選出される。07年グラミー最優秀クラシック器楽部門賞に中国人初ノミネート、全米レコード芸術科学アカデミー会長功労賞も受賞している。音楽教育にも熱心で、08年グラミーとUNICEFの援助の下ニューヨークにラン・ラン国際音楽財団を設立。また、ベルリン・フィルのレジデント・ピアニストに最年少で選ばれた。10年ソニー・ミュージックエンタテインメントと専属契約を結び、『ライヴ・イン・ウィーン』を発売。最近では、映画「のだめカンタービレ最終楽章前・後編」のサウンドトラックの参加が大きな話題を集めた。最新盤はラトル指揮ベルリン・フィルとの共演による「プロコフィエフ3&バルトーク2」(2013年11月)。●ロイヤル・コンセルトヘボウロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)は、世界屈指のオーケストラである。その類い稀な響きを、批評家たちは昔から褒めたたえてきた。RCOの弦楽器セクションは「ビロードのよう」、金管楽器セクションは「黄金の響き」、木管楽器の音質は「際だって個性的」と賞され、打楽器セクションには国際的な定評がある。この名声には本拠地コンセルトヘボウの類例のない音響も大いに寄与するところだが、そのメインホールでRCOのように響くオーケストラは、他にはない。1888年以来、オーケストラに多大な影響を与えてきた6人の首席指揮者の存在もまた欠くことができない。マリス・ヤンソンスは、2004年9月に6代目首席指揮者として迎えられた。歴代の首席指揮者は、ウィレム・ケス(1888年~1895年)、ウィレム・メンゲルベルク(1895年~1945年)、エドゥアルト・ファン・ベイヌム(1945年~1959年)、ベルナルト・ハイティンク(1963年~1988年)、リッカルド・シャイー(1988年~2004年)である。2016年秋からダニエレ・ガッティが首席指揮者を務めている。
2019年11月13日南果歩と小久保寿人が出演し、ミナモザの瀬戸山美咲が演出を手がける『あの出来事』が本日11月13日に東京・新国立劇場で開幕する。今作は、新国立劇場の演劇芸術監督である小川絵梨子が立ち上げたシリーズ「ことぜん」の第2弾。シリーズを通じて、「個と全」つまり個人と全体の関係性を描くプロジェクトで、10月にはゴーリキー作『どん底』が上演され、12月には『タージマハルの衛兵』の上演が控える。スコットランドのデイヴィッド・グレッグが書いた『あの出来事』は、2013年にエジンバラ演劇祭で初演、これが日本初演、初翻訳となる。新国立劇場初登場の瀬戸山に話を訊いた。「今回のお話をいただいたときは、まだ戯曲が決まっていない状況。いくつか候補を検討していたなかで、翻訳の谷岡健彦さんがふと、エジンバラ演劇祭で『あの出来事』をご覧になった話をしてくれたんです。戯曲を取り寄せて読んでみたら面白くて」映画『ウトヤ島、7月22日』の題材ともなった、2011年にノルウェーで起きた極右青年による銃乱射事件を題材にした物語。「英語は得意ではないんですけど、この作品は、初めて英語で読みきった戯曲でした。わからない単語をどんどん飛ばしながら読んだにもかかわらず、読み終えたら泣いてしまった。すぐ担当の方に電話して“ほかの候補作を一旦置いておいて、この戯曲にしたいので読んでいただけませんか”と伝えました」瀬戸山自身も、自らが戯曲を書く作品で現実の事件を扱うことがある。『あの出来事』を読んで、自分の追うテーマとの共通点を感じたという。「デイヴィッド・グレッグの興味のあるところが自分と近いな、とまず思いました。大きな出来事があって共同体がどう変化し、その中で個人がどうなるのか。その、再生の一歩を踏み出すまでのささやかだけど大きな戦いがこの作品には描かれている。あと、デイヴィッドとは物事が起きたときにすぐ反応するところが似ていると思います。2011年に起きた事件を2013年の時点で戯曲化している。批判もあると思いますが、やらなくてはという衝動と、それをきちんとフィクションの中に落とし込んでいるところがいい、私もこんなふうにできたらと思います」役者はたったふたり。生き残った合唱団の女性指導者・クレアと、犯人である少年。他にもさまざまな役柄が登場するが、そのすべてを少年役が演じることとなる。「日々発見のある戯曲です。とくに少年の演じる複数の役は外側から作ってみたり、内面を掘り下げてみたり……。なぜさまざまな役をひとりで演じるのかについてはいろんな解釈があります。ひとりの人間にいろいろな面があるともとれるし、クレアから見るとすべての人が少年に見えるともとれる。そういう存在を生身の人間が演じるってとても難しくて、ぎりぎりまで試行錯誤をしています」ある出来事に直面する女性・クレアを演じるのは南果歩。「事件前のクレアのオープンな感じが、果歩さんのポジティブさと重なる。クレアは大きい出来事によって傷を負い、そこから心の旅をしていくことになります。色んな経験を経て怒りや悲しみ、憎しみをくぐり抜けるという姿を、果歩さんは実感をもってやってくださる。こんなにぴったりのキャスティングはないと思います」少年役は、さいたまネクスト・シアター出身で蜷川幸雄のもと多数の作品に出演している小久保寿人。「正直言って、小久保さんは今、悩んでいます(笑)。でも悩まなくてはできない役だと思います。いろんな人物をただ声色や雰囲気で演じ分けるのではなく、ひとりひとりの背景をどこまで想像できるかの勝負だなと思って、稽古場でひとつひとつの役について全員で考えています。その分プレッシャーも大きくなると思いますが、まっすぐな方なので、とにかく一生懸命考えて毎日新しいものを持ってきてくれるんです」役者はふたりだが、この作品でもっとも特徴的なのは合唱団が登場すること。「上演地の合唱団が出ること」が上演の決まりとしてあるのだ。今回は既存の合唱団に依頼するのではなく、オーディションを行って今作のための合唱団を結成した。「条件は“楽譜が読めること”だけ。200人も応募してくださって、面白い方がたくさんいたので30人を選ぶのはたいへんでした。結果、プロの方もカルチャーセンターで合唱をしている方も、20代から70代までが集まりました」合唱団は歌詞を通じてふたりのキャストに訴えかけるなど、歌担当だけではない存在感を見せる。「彼らが舞台上にいることの持つパワーがとても大きいですね。合唱団が入ることで見え方がまったく変わったり、シーンの意味がわかったりもするんです」関わる全員で物語に対峙しながら、少しずつこの作品を形づくっている瀬戸山。「なぜこの事件が起きたのか、この事件に遭遇したときにどうあるべきか……。答えのない問題を、観ている間観客の方も考えることになると思います。分かり合えない人とも一緒に生きていくということについて考えつつ、前向きな気持ちで観終えられる作品にできたらと思っています」新国立劇場 小劇場にて11月26日(火)まで上演。取材・文:釣木文恵
2019年11月13日小沢健二が本日11月13日、ニューアルバム『So kakkoii 宇宙』をリリースする。90年代の『今夜はブギー・バック』や『カローラIIにのって』をはじめとした名曲を世に送り出した小沢健二。2010年代になってもマイペースながら、クリエイティブな活動を続けている。発売される『So kakkoii 宇宙』は、小沢にとって2006年発売のインスト作『毎日の環境学』から13年ぶり、歌唱作としては2002年の『Eclectic』以来17年ぶりのアルバム。今年の4月にYouTubeに意味深な予告動画を配信したこともニュースになった。アルバム収録曲『彗星』の2種類のミュージックビデオも公開中。1本は小松真弓監督によるフルサイズの映像で、小沢と息子の“りーりー”が出演し、さまざまな視点がめまぐるしく入れ替わる意欲作だ。もう1本はハロウィーン直前に奥山由之監督のTwitterのみでサプライズ公開され、すでに200万再生を記録しているショートサイズのビデオ。こちらでは多数の仮装キャラクターとともにユーモラスなダンスを踊る小沢の姿を見ることができる。そのほか、アルバムには既発のシングル曲に『いちごが染まる』『高い塔』『失敗がいっぱい』『薫る(労働と学業)』といった新曲4曲を加えた全10曲が収録される。アルバムのアートワークは小沢自身がAdobe Illustratorを駆使して制作しており、歌詞をすべて銀箔で型押しした独自仕様のジャケットと歌詞カードは過去に例のないユニークかつ大胆なデザイン。その仕上がりはぜひ店頭で現物を手にして確かめてもらいたい。■発売情報小沢健二『So kakkoii 宇宙』11月13日リリース<収録曲>01. 彗星02. 流動体について03. フクロウの声が聞こえる(魔法的オリジナル)04. 失敗がいっぱい05. いちごが染まる06. アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)07. 神秘的08. 高い塔09. シナモン(都市と家庭)10. 薫る(労働と学業)
2019年11月13日大森靖子が13日、新木場Studio Coastで「超歌手大森靖子2019 47都道府県TOUR“ハンドメイドシンガイア”」を開催する。独特な歌詞世界と感情を爆発させるパフォーマンスで個性を放つ大森靖子。現在もメジャーデビュー5周年を記念して「超歌手5周年ハンドメイドミラクル5!」と題した5つの大きな企画を行うなど、充実した活動を続けている。その彼女が今年の6月にスタートさせた自身最大規模の全国ツアーが「超歌手大森靖子2019 47都道府県TOUR“ハンドメイドシンガイア”」。2パターンのバンドが準備されるなど、ユニークな演出で各地を盛り上げてきた。今夜は5カ月に渡ったツアーの振替公演を除いた千秋楽。本日のバンドメンバーはギター・畠山健嗣、あーちゃん、キーボード・sugarbeans、Hyper・サクライケンタ、ベース・えらめぐみ、ドラムス・ピエール中野となっている。なおゲストとして峯田和伸(銀杏BOYZ) とrikoの参加も発表されている。どんなステージが展開されるのか、期待が高まるばかりだ。■公演情報「超歌手大森靖子2019 47都道府県TOUR"ハンドメイドシンガイア"」日時:11月13日(水)開場18:00/開演19:00場所:新木場STUDIO COAST
2019年11月13日11月16日(土)よりスタートするWOWOW『連続ドラマW 引き抜き屋 ~ヘッドハンターの流儀~』に、乃木坂46の新キャプテン秋元真夏がレギュラー出演する。このドラマは松下奈緒を主演に迎え、『犯人に告ぐ』『検察側の罪人』などの小説で知られる雫井脩介によるヘッドハンティング業界を描いた注目作を、『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の西浦正記監督の手により新たに映像化したもの。内田有紀、小手伸也、渡部篤郎など個性派俳優たちによる駆け引きが見どころの、痛快なビジネスエンタテインメント作品に仕上がっている。このドラマで秋元は、松下演じる新米ヘッドハンター鹿子小穂が務めるヘッドハンティング会社・フォルテフロースの秘書・所美南(ところ・みなみ)役に挑戦。場の空気を良い意味で和らげてくれるムードメーカー的役割を見事に果たしている。「美南ちゃんは仕事をテキパキやるんですけど、終わらせてからはプライベートな時間を大事にするタイプ。だけど、服装もあんまり秘書っぽくなくて、会社のデスクにも小顔ローラーとか仕事に全然関係ないものをたくさん置いているんです。切り替えがはっきりしている子なのかなと思っていて、ここは入っていくべきじゃないなってときはあえて口を出さず、スッとお茶を出したりとかできる気遣いの子かなと解釈しています。ビジュアル的にはメガネをかけているんですが、実はデスクに8個ぐらい入っていて、その中から付けたいときは付けて、付けたくないときは付けない。別に視力が悪いわけではなくて、気分で秘書スイッチを入れるために付けたりするのかな」そう自分の役柄を解釈する秋元は、『引き抜き屋 ~ヘッドハンターの流儀~』の台本を最初に読んだとき、新鮮な気持ちで物語と接したという。「まったく関わってこなかった世界ですので、ヘッドハンティング業界自体のことも分からない。そもそも18歳のときに乃木坂46に入ったので、アルバイト経験もなく、会社がどういうものかもよく知らないので、最初はこの状況がちょっと想像しにくかったんです。でも、他のドラマや映画では会社や企業のお話を目にしたことがあったので、そういうものを参考にしながら読み進めていったら、すごく面白いストーリーだなと感じました」もちろん秘書という職業と接するのも、これが初めての経験。実は乃木坂46での現在の立ち位置と近いものがあるのでは?と、彼女は言う。「秘書には憧れがあったので、ここで経験できてうれしいです。もともと人の世話をするのが好きですし、グループの中でもそういう立ち回りを自らすることが多いので、合っているのかな?でも、やりすぎたらやりすぎたでメンバーが鬱陶しいと思うかもしれないので(笑)、そこはほどほどに、過保護にならないようにしなくちゃいけないなと思っています」撮影現場では自身が最年少だったとのことで、共演者やスタッフから気遣ってもらうことも多かった。「内田有紀さんに話しかけていただいたりしました。皆さん本当に優しくて、撮影の合間にちょっとお話をしたり、お弁当を一緒に食べたりしました。演技に関しては、特に監督さんがいろいろ教えてくださって。そもそも演技経験が少なかったので、最初は現場に入ると常に緊張していました」バラエティ番組ではグループを離れてひとりで活躍する機会が多い秋元だが、今回のように演技の仕事で外の現場に挑むのは初めての経験。改めて、バラエティとの向き合い方と何が違ったのか尋ねてみると。「バラエティでは“よし、今日も爪痕を残さなきゃ!”って意気込んで行くことが多くて。急に話を振られるとアドリブで返さなくちゃいけないことがほとんどなんですけど、ドラマの場合はそういう瞬発力とは違って、現場に行くまでに準備を終えておく必要があるんです。そういう本番までの過程が全然違うなと思いました。なので、今までの経験をそのまま活かせるかというとそうでもなくて。逆に活かせることがあるとしたら、人間関係の築き方とか現場での人との接し方ぐらいかなと」「撮影では、会社での美南ちゃんの存在の仕方が最初は難しくて。デスクに向かってパソコンで作業しているときだけでなく、それ以外のときって何をしているんだろう?とか、基本的なことが分からなくて困りました。すると、監督さんが“美南ちゃんは自分の作業が終わったら好きなことをしていていいから”とアドバイスをくれて。そこからはデスクにある小顔ローラーを勝手に使ったり肩を叩いたり、ちっちゃい黒板に文字を書いて“タピオカを買いに行ってきます”って書いたりと(笑)、すごくやりやすくなって助かりました」このドラマの撮影後、彼女は舞台『サザエさん』(9〜10月、東京&福岡で上演)に出演。初めて演技の仕事が相次いだが、映像と舞台の大きな違いも認識したという。「ドラマだと画面で伝わるようにお芝居をしようと思ってたのですが、その感覚で舞台の現場に行ったら、稽古初日からめちゃめちゃ怒られました(苦笑)。それはすごく真っ当なことを言われたわけであって、何も知らなかった、できていなかった自分の責任。しかも怒られ慣れていなかったのもあったし、そういうすべてが悔しくて、あとで泣いてしまったんです(苦笑)。でも、藤原紀香さんや高橋恵子さんたちにいろいろ教わったことで、また成長できたのかなと思います。ドラマや舞台を経験して改めて感じたのは、やったことがなかったから食わず嫌いみたいなところがあったのかなって。自分では“ダメ、できない!”と思い込んでいたけど……できているかどうかは分からないですけど、違う人になれること自体はすごく楽しい経験でした。もし今後、また演技を経験できるなら、今度はアイドルの自分を強めたようなぶりっ子で、女の子に嫌われそうな女の子をやりたいです。私、アイドルが大好きなせいもあってか、もっと極端な役をやってみたいんです!(笑)」では、今回の登場人物の中でなら、どの役を演じてみたいか?と聞いてみた。「(内田有紀演じる)渡会花緒里(わたらい・かおり)さんですね。できる女性、キャリアウーマンって感じで、しかも色気もあるし、本当にカッコいいんですよ!私とは対極にいる気がするので、そういう女性に憧れますね。実際の内田有紀さんも素敵な方で、撮影のセッティングをしているときにみんなに話を振ったり、ちょっとふざけてみたり、スタッフさんをちょっといじってみたりと、現場におけるムードメーカーみたいな方で。そういうところが好かれる理由なんだろうなと実感しました」改めて、前キャプテン桜井玲香の卒業を受けて乃木坂46の2代目キャプテンとなった今、こういったソロの現場での仕事との向き合い方に変化はあるのかについても質問した。「今まではいちメンバーとして、個人として良く見られたい、思われたいという気持ちが強かったし、それがグループの印象にもつながると思っていたんですが、最近はそういう思いがより強くなっている気がします。例えば、外の現場に行ったら真っ先に挨拶をしますし、そういう当たり前のことの積み重ねがグループのイメージにつながっていくのかなと思うんです。なので、お仕事に対する責任感や向き合う姿勢はよりシビアになったんじゃないかな。最近は1期生の卒業が続いていますし、そうしたときに抜けたメンバーが増えても困らないグループを作りたいと思っていて。私だけじゃなくて、後輩たちにもその自覚を持ってもらえたらうれしいなと思いますし、自分たちが背負っていくんだと意識してもらいたいなと。今までは先輩がいたから、先輩が引っ張っていくのが当たり前だし、逆に先輩より前に立つのが失礼だと後輩は思ってくれていたんじゃないかな。でも、これからは(山下)美月や与田(祐希)ちゃんや(大園)桃子といった子たちが前に並んだときに“私たちが乃木坂46です!”とはっきり言えるぐらい、先輩を気にせずに伸び伸びとやってほしいです」そんな彼女の後継者となるような“ポスト秋元真夏”的メンバーは誰か?と投げかけてみると、3期生の山下美月の名前が挙がった。「根性があるし、真剣にやるところは真剣に、ふざけるところはふざけてとオンオフの切り替えがしっかりできる。しかも、ファンの人のツボも分かっているので、アイドルとして素晴らしいと思うんです。そういうところが私は大好きなので、ぜひともその個性を伸ばしてもらいたいなと思っています(笑)」取材・文:西廣智一撮影:源賀津己ヘアメイク:小坂知未スタイリスト:鬼束香奈子衣装協力:Lara Flamingo(03-3372-8194)、Bridget Birkin(03-3874-6320)WOWOW『連続ドラマW 引き抜き屋 ~ヘッドハンターの流儀~』11月16日(土)より毎週土曜日夜10時放送(全5話)
2019年11月12日『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でオスカーを受賞した特殊メイクアップアーティスト、辻一弘氏が、再びアワードシーズンで大健闘しそうだ。この12月に北米公開となる『Bombshell』で、彼はメイクアップアーティスト&ヘアスタイリスト組合賞(MUAHS)にノミネートされたのである。彼が担当したのは、シャーリーズ・セロンを有名なキャスター、メーガン・ケリーに変身させる特殊メイク。今回のクレジットはKazu Hiroになっている。この部門のほかの候補は、『ロケットマン』『キャプテン・マーベル』『アイリッシュマン』『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり』。MUAHS授賞式は来年1月11日。文=猿渡由紀
2019年11月12日11月9日、10日の全国映画動員ランキングは、アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトンが再集結した『ターミネーター:ニュー・フェイト』(全国378館)が初登場で首位を飾った。先週トップの『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(全国352館)は公開2週目は2位に。人気キャラクター“すみっコぐらし”初の劇場版アニメ『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』(全国114館)は初登場3位に入った。公開6週目の『ジョーカー』(全国329館)は先週2位から4位に。公開2週目の『マチネの終わりに』(全国324館)は先週3位から5位になった。そのほか新作では、長月達平の人気ライトノベルをテレビアニメ化した第1期の前日談を描く『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』(全国79館)が初登場6位に。佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、田中裕子らが出演する『ひとよ』(全国268館)は初登場7位になった。次週は『i-新聞記者ドキュメント-』『アイリッシュマン』『エンド・オブ・ステイツ』『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』『影踏み』『殺さない彼と死なない彼女』『地獄少女』『ブライトバーン/恐怖の拡散者』『ベル・カント とらわれのアリア』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『ターミネーター:ニュー・フェイト』2位『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』3位『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』4位『ジョーカー』5位『マチネの終わりに』6位『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』7位『ひとよ』8位『世界から希望が消えたなら。』9位『マレフィセント2』10位『冴えない彼女の育てかた Fine』
2019年11月12日“超実写版”『ライオン・キング』が、早くも12月4日(水)にMovieNEX(4,200円+税)と4K UHD MovieNEX(6,000円+税)で発売開始。この度、MovieNEXに収録されるボーナス・コンテンツの中から、あの名セリフであり名曲である『ハクナ・マタタ』のメイキング映像が公開された。ディズニー・アニメーション史上No.1の全世界観客動員数を記録し、世代を超えて世界中の人々に親しまれてきた不朽の名作『ライオン・キング』。今回の“超実写版”は、実写もアニメーションも超えた唯一無二のエンタテインメントとして、25年の年月を経てスクリーンに新たに登場し、圧倒的映像美と心に響く名曲の数々が、世界中を大きな感動で包んだ。『ライオン・キング』と言えば“ハクナ・マタタ”と思い浮かぶくらい名セリフとなっているこの言葉は、スワヒリ語で“問題ない”、“心配いらない”といった意味を持ち、ミーアキャットのティモンとイボイノシシのプンバァが歌う歌の曲のタイトルとしても有名だ。公開となった映像では、ティモンのボイスキャストを務めたコメディアンのビリー・アイクナーが、アニメーション版からお馴染みの有名な合言葉のイメージを変えたくないと思いつつも、「僕たちの色を出したい気持ちもあった」と、本作に臨む気持ちを明かしている。そして、その気持ちを汲んだジョン・ファヴロー監督は、「少し歌詞を変えてみようか」とアドバイスし、“超実写版”となった本作ならではのアレンジを加えながら作り上げていく様子が収められている。さらにプンバァのボイスキャストを務めた俳優兼コメディアンのセス・ローゲンは、アイクナーとの掛け合いを楽しみながら身振り手振りで役になりきっており、ふたりのアフレコ姿をみていると、本編で見られる息の合った2匹の映像が自然と思い浮かぶはずだ。また、日本語吹替版を担当したのは、お笑い芸人ミキの亜生と、司会やタレント、俳優などマルチに活躍する佐藤二朗。あわせて到着した本編クリップ映像でも、日本語で話すティモンとプンバァのコミカルな掛け合いと、歌手顔負けの歌声を聞くことができるので、こちらも要チェックだ。『ライオン・キング』『ライオン・キング MovieNEX』4,200円+税『ライオン・キング 4K UHD MovieNEX』6,000円+税『ライオン・キング MovieNEXコレクション(期間限定)』8,000円+税12月4日(水)より発売11月20日(水)より先行デジタル配信開始
2019年11月12日映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』に登場し、重大な役割を果たした、スカーレット・ヨハンソン演じる人気キャラクター、“ブラック・ウィドウ”。その単独映画となる『ブラック・ウィドウ』が、2020年5月1日(金)に、日米同時公開されることが決定した。描かれるのは、万能な戦闘スキルとタフな精神を身につけた、世界最高のエージェントにして超一流の暗殺者ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフの謎に包まれた過去と秘密。強さと美しさを兼ね備えた彼女に秘められた謎……。そして『アベンジャーズ/エンドゲーム』の選択の裏に隠された背景が、ついに明かされることになるという。まだ本作についての情報は、多く出されているわけではないが、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギらによると、『シビル・ウォー/キャブテン・アメリカ』の直後の時代を背景に、ナターシャの因縁の地であるブタベストが舞台のひとつとなること、また、新キャラクターでありナターシャの妹分とされているエレーナの登場などが明かされている。さらに、2019年8月にアメリカ・ロサンゼルスで開催されたディズニー・ファンの祭典D23で配布された、本作の限定ポスターが、11月22日(金)〜11月24日(日)に開催される、“東京コミックコンベンション 2019”のマーベルブースにて、限定6,000枚の日本初配布が決定された。限定ポスター (c)2019 MARVEL赤を基調としたビジュアルの中央にたたずむのは、新たなグレーのコスチュームに身を包んだブラック・ウィドウ。両手には棒状の武器を携え、赤いリッブと正面を見据えた視線が印象的だ。さらに、今作のメインの敵となると言われる謎のヴィラン、タスクマスターの姿も、背後に不気味に登場している。タスクマスターは原作コミックで、見たもの全てを瞬時にコビーできるという能力を持ったキャラクター。ブラック・ウィドウのおそろしい脅威になりそうだ。また、ボスター左右にはさらなる新キャラクターたちの横顔が。右側に描かれる、マスクをかぶったキャラクターは、『ストレンジャー・シングス』のデヴィッド・ハーバーが演じるレッド・ガーディアンだ。そしてさらに、アカデミー賞女優レイチェル・ワイズも顔を並べている。彼女は以前、本作出演に関して、自身の役柄を「ブラック・ウィドウである」と語っており、その発言の真意は、いまだ謎に包まれている。『ブラック・ウィドウ』2020年5月1日(金)日米同時公開
2019年11月12日イギリスの演出家、ジョン・バートンと翻訳家のケネス・カヴァンダーが10本のギリシャ悲劇をひとつの長大な物語に再構成した『グリークス』。三部構成、上演時間は約10時間にも及ぶ演劇史屈指の大作に、杉原邦生率いるKUNIOが挑む。「大学生の時にNHKの放送で、2000年に蜷川幸雄さんが演出した『グリークス』を観たんです。それが本当に衝撃的だったんですね、“こんな長くて面白い演劇があるんだ!”と。その時からいつかやろう、と思ってました。ただ今回、“やるんだ”という話をしたら、周りからは最初“バカじゃないの?”と言われましたけど(笑)」これまでKUNIOでは『エンジェルス・イン・アメリカ』の連続上演、木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談―通し上演―』『三人吉三』など長時間に及ぶ作品を数多く手がけてきた。「長尺物ではベテランの粋ですね」と杉原も笑うが、そういう大作をあえて手がけるのは“長時間の作品でしか描けないもの”があるから。本人の言葉を借りれば、「大きな演劇」……つまり「時間や空間、物量など物理的な〈大きさ〉の上に、物語としての〈大きさ〉をあわせ持った演劇」。「この作品で、10時間かけて描かれていることは“神”だと思うんです。“神”って、もともと人間が作り出したものなんですよね。でも、願い事があれば神様に祈って、不幸なことがあると神様のせいにする。その存在に対して人間はときに怖がり、ときに寄り添う……そういう態度の変化によって、神という存在が人間にとってどういうものであるか見えてくる。それにはやはり、10時間かけないとダメなんです」日本に生きる私たちにとって、ギリシャ神話やギリシャ悲劇というものは少しピンときづらいかもしれない。しかし杉原は「逆に、日本人の方がすんなり受け入れられるんじゃないかと思うんですよ。“八百万の神々”という概念に似ている気もするし、いい意味で“いい加減”(笑)なところが日本人に合う気がする。共感できる部分が多いんじゃないかな」と語る。また、今作の上演はすべて新たな訳で行われるという点にも注目したい。翻訳を担当した小澤英実と、一言一句に至るまで言葉のニュアンスを精査していったという。かといって、いかにも現代風にくだけた、わかりやすい言葉になっているというわけではない。「間口を広げるとか、分かりやすくすることって、すべてを現代の僕たちの日常的感覚に下ろしてくるということではないと思うんです。だから、今回の作品も“古典”でありたいんです。入り口でいかに物語世界に入りやすくするか、そこは僕が演出でやりますから。あくまでもギリシャ悲劇である、という前提は崩したくないんですよ」現在、新橋演舞場では市川猿之助と共に演出を担当したスーパー歌舞伎II『新版 オグリ』も上演中。歌舞伎という他ジャンルの創作現場での経験も、おそらくこの作品には濃密にフィードバックされることだろう。ちなみに取材当日は、東京でのプレビュー公演を終えたあと。「まだまだブラッシュアップしていきたいです」と言いつつも、手応えはしっかりと感じているようだ。「これだけの時間、劇場にいるということがひとつの“体験”。だからお客さんにはぜひ通しで観てもらいたいと思ってます。ただ、そのためにはお客さんに飽きさせないために、演出的な“波”を何層も作らないといけない。そこは本番までにまだまだ調整していきます」杉原いわく、ギリシャ悲劇は“一大エンタテインメント”。「テレビも映画も何もない時代に、みんなで集まって演劇を観たわけです。だから娯楽として最高のものすべて詰まっている。そのことを感じてもらいたい。あと、これは僕の持論なんですけど、例えば災害とか起きても今は科学や情報が解決しくれますよね。でも昔はすべてが謎で、そのために“神”という存在を人間が作り出した。その存在を確固たるものにするために物語が必要で、神話が生まれて、演劇が生まれた。だから僕たちが生きて行く上では、ドラマが、物語が必要なんだと。そういうことをこの作品から感じて帰ってもらえたら」それはイコール、私たちには「演劇」が必要だということでもあり。遥か紀元前の物語から、今も変わらぬそのことを実感してみようではないか。11月10日の京都芸術劇場 春秋座での公演に続き、11月21日(木)から30日(土)までKAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオで上演される。取材・文:川口有紀
2019年11月12日日本に古来より伝わる神話を題材に、観客の想像力を大いに刺激する劇団カムカムミニキーナの最新作『両面睨み節~相四つで水入り』 が11月14日(木)に東京・座・高円寺1で開幕する。松村武率いる同劇団の舞台は油断ならない。ただ席に座ってぼんやりと眺めるだけでは、その醍醐味のすべてを味わったとは言い難い。近年の松村作品で、主に題材となるのは日本の神話と歴史。長い時間かけて語り継がれた、つまり時間に裏打ちされた物語と、今現在を生きる私たちとを結ぶ線を、松村はくっきりと舞台上に描いてみせる。今回描かれるのは、日本書紀に少しだけ出てくる怪物「両面宿儺(りょうめんすくな)」。岐阜県の飛騨地方に伝わる伝説で、公演のチラシによれば「頭一つに顔二つ、四本腕に刀を掲げ、足に膝裏、踵なし」なのだとか。右から左から、前から後ろから、がっぷり4つで取っ組み合ってきた人間たちの歴史が、現在の両国国技館とまっすぐに結ばれる。物語の起点は、ある日の国技館だ。心臓発作で倒れた行司を救護するため、土俵に上がった女性医師に世間の目は殺到。医師はそのとき、タイムトンネルとなっていた土俵の底で、自らが2000年以上前、飛騨の湖に巣食っていた龍女であったことを悟る……。客演に迎えるは、ラサール石井。軽妙な喜劇を知り尽くした彼が、神話的世界でどんな存在感を見せるか注目だ。また、八嶋智人や藤田記子ら、凄腕劇団員勢もその腕力を発揮する。遠い昔、人々がのたうち回ってきた歴史が、今を生きる私たち自身に重なって響く演劇体験をぜひ。11月24日まで座・高円寺1、11月30日(土)から12月1日(日)まで大阪・近鉄アート館で上演。文:小川志津子
2019年11月12日FANTASTICS from EXILE TRIBEが11月12日、オリンパスホール八王子で「FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE」を行う。今年に入ってからシングル『Flying Fish』『Dear Destiny』とテンポよくリリースし、12月には最新作『Time Camera』もスタンバイしているFANTASTICS。その彼らが10月から11月にかけて行っている、12都市17公演の全国ツアーが「FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE」だ。タイトルの通り、通常のライブとは違う、音楽と演劇による新たなエンタテインメント公演。さまざまな仕掛けが施されているライブということもあり、終演後の「ネタバレ厳禁」がここまで徹底されているが、はっきりと言えるのは、メンバーと観客が一体となることができる公演ということ。全国ホールツアーも本日を含めて残り3会場。本ツアーを通してさらなる成長を遂げているFANTASTICSに今後も要注目だ。■公演情報「FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE」日時:11月12日開場17:00/開演18:00場所:東京 オリンパスホール八王子11月14日(木)新潟 新潟県民会館11月20日(水)神奈川 パシフィコ横浜 国立大ホール11月21日(木)神奈川 パシフィコ横浜 国立大ホール
2019年11月12日2009年に処女作『If There Is I Haven’t Found It Yet』でジョージ・ディヴァイン賞を受賞し、その後『Constellations』がウエストエンドやブロードウェイで高い評価を得たほか、日本でも『星ノ数ホド』の邦題で上演された劇作家ニック・ペイン。今夏には最新作『A Life』がジェイク・ギレンホール主演によりブロードウェイで上演された、このイギリスの若手注目株が2014年に発表した『インコグニート』が、本日11月12日より劇団俳優座によって日本初演される。3つの異なる時空を目まぐるしく行き来しながら展開される、“脳と記憶とアイデンティティにまつわる物語”だ。1955年のアメリカで、アインシュタインを検死解剖し、その脳を持ち出した病理学者トーマス・ハーヴェイ。1953年のイギリスで、脳手術を受けて記憶障害を起こし、神経科学の歴史を永遠に変えることになった脳疾患者ヘンリー・メゾン。そして現在のイギリスで、離婚を機にまったく違う人生を選択しようとしている、臨床神経心理学者のマーサ。人間を人間たらしめているものは何なのか、記憶が人格を形成しているならば、記憶を喪失しアイデンティティが崩壊したとき我々は何者になるのか……それぞれの世界で悩み苦しむ彼らの姿を通し、根源的な問いを投げかける。21人の登場人物を、たった4人の俳優(安藤みどり、志村史人、保亜美、野々山貴之)が演じ分ける趣向にも注目だ。東京・六本木の俳優座5F稽古場にて11月24日(日)まで上演。文:町田麻子
2019年11月12日