ぴあがお届けする新着記事一覧 (870/897)
CBSがミニシリーズとして製作放映する『A Higher Loyalty』で、ブレンダン・グリーソンがドナルド・トランプを演じることになった。原作は前FBI長官ジェームズ・コミーが昨年出版したメモワール。2017年、トランプによって解雇されたコミーがその内情を書いたこの本は、発売最初の週に60万部を売り上げる大ベストセラーとなった。コミー役にはジェフ・ダニエルズが決まっている。監督、脚色は『ニュースの天才』のビリー・レイ。CBSは、プレミアムケーブルチャンネルのショータイム、ストリーミングのCBSオール・アクセスも傘下に持つが、このドラマをどこで放映するのかは、まだ決めていないとのことだ。文=猿渡由紀
2019年10月08日チェンバロ奏者、指揮者、音楽学者、教育者として名高い古楽界の巨匠ウィリアム・クリスティが、自ら創設したフランス最高の古楽団体「レザール・フロリサン」を率いて来日公演を行う。この団体名は、シャルパンティエ作曲の音楽劇『レザール・フロリサン(花避ける芸術)』からとられたもので、なんと今年創立40周年を迎える名門中の名門だ。そのレパートリーは、フランス音楽に留まらず、モンテヴェルディ、スカルラッティ、パーセル、バッハ、ヘンデルから、ハイドン、モーツァルトにまで及ぶ幅広さで、世界中のファンを魅了している。その彼らの今年のプログラムはヘンデルの大作オラトリオ『メサイア』だ。共演するソリストも、クリスティが2002年設立したアカデミー「声の庭」の出身者を多数揃えるなど、巨匠の理想を実現するための陣容で固めた来日公演となりそうだ。クリスティ自身1944年生まれということは、御年75歳。まさに油の乗り切ったこの時期のクリスティを体験できること、しかもプログラムが『メサイア』であることを心から喜びたい。●公演概要10月12日(土)いずみホール10月13日(日)愛知県芸術劇場 コンサートホール10月14日(月、祝)東京オペラシティ コンサートホール●ウィリアム・クリスティ (レザール・フロリサン音楽監督、創設者)William Christie (musical director, founder of Les Arts Florissants)(www.arts-florissants.com)
2019年10月08日ロビン・フッド伝説を現代の作品へと生まれ変わらせる『フッド:ザ・ビギニング』が、10月18日(金)に公開される。この度、中世が舞台の物語でありながら、現代的でスタイリッシュな衣装を身にまとったキャスト陣をとらえた場面写真が公開された。これまでケヴィン・コスナーやラッセル・クロウなど、錚々たるハリウッド俳優が主演し実写映画化されてきたロビン・フッド。“特別な作品”を製作することを最も大切にしているというレオナルド・ディカプリオを製作に迎え、『キングスマン』シリーズや『ロケットマン』などで人気を集めるタロン・エジャトンが主演に抜擢され話題となった本作。疑うことを知らない特権階級の若者がヒーローとして成長していくまでを描き、スピード感満載のシューティング・アクションが繰り広げられる中で、その世界観を表現した衣装の数々も注目ポイントのひとつとなっている。本作のような時代ものでは、衣装デザインが制限されてしまうことが多い。しかし、衣装を担当したジュリアン・デイ(『ボヘミアン・ラプソディ』で英国アカデミー賞にノミネート)は、そんな常識を覆し、規則破りのノッティンガム・ファッションを作り上げた。“モダン・メディーヴァル(現代的中世)”と名付けられたそのスタイルは、近未来的なエッジが効いているものの、しっかりと現実に根差した衣装だ。劇中で最も重要となるロビンの衣装と“頭巾(フード)”について、デイは「何百種類もの頭巾を見てみたけど、心からワクワクするようなものは見つけられなかった。次に、バイカー用のレザージャケットについてリサーチをし始めて、マーロン・ブランドが着ていたようなバイクジャケットと、侍が戦のときに着る装束とを合わせたようなものを作ったんだ」と制作秘話を明かしている。その他にも、英国空軍1945年モデルの飛行服を参考に作られたノッティンガムの炭鉱夫たちの作業服や、ベルベットやメタリックな素材を多用したノッティンガムの上流層の服装など、様々な時代・デザインからのインスパイアを受けて本作の衣装をデザインしていったという。とくにレジスタンス的な一着となったのは、民衆から税金を搾り取る冷酷無比な州長官を演じるベン・メンデルソーンが着ている長い革のコートだ。「身のこなしが見事なベンには、厳格さや簡素さを感じさせるニュートラルなグレイを着せた。その上に彼のあの大きな個性が加わっているんだ。」 と、デイは振り返っている。ロビンの師匠役・ジョンを演じたジェイミー・フォックスも、「監督のオットー・バサーストとプロデューサーのレオナルド・ディカプリオが抱いていたビジョンは、ロビン・フッドの物語を新鮮な形で解釈したものだった。アクションや登場人物、そして衣装にも素晴らしい捻りが加えられているんだ」と、デイが手掛けた衣装が、この新たな伝説誕生のため重要な役割を果たしたことを語っている。本作のアクションはもちろん、世界観を華やかに彩る斬新な衣装の数々にも注目してほしい。『フッド:ザ・ビギニング』10月18日(金)公開
2019年10月08日主演最新作『マレフィセント2』をひっさげ、米女優のアンジェリーナ・ジョリーが9度目の公式来日を果たし、取材に応じた。前作で自らの“真実の愛”でオーロラ姫の呪いを解いた、美しき妖精のマレフィセント。本作では自らのルーツを掘り下げ、オーロラ姫に注ぐ“究極の愛”が試されることに。最も強く訴えたいメッセージは、ズバリ「家族は血のつながりばかりではない」だとジョリーは断言する。「この世界には、お互いを見つけ出し、家族を作るケースも多々あるわ。わたしの家族がその代表例よね」。今月上旬に都内で開催されたジャパンプレミアには、韓国留学中の長男マドックス、長女ザハラを連れて、レッドカーペットに登場。固い絆で結ばれた家族像が、改めてファンの心に刻まれた。「ひとつになったとき、強くなれてこそ家族なの。その強さは多様性を受け入れ、認め合うことで生まれる。現代はとかく分断の時代だと言われているから」と家族の形を問いかける本作への思いを語る。オーロラ姫を演じるエル・ファニングをはじめ、おなじみのキャストが再集結しており「わたしたちって、クレイジーな家族よね。前作でまだ子供だったエルは、女優として成長した。マレフィセントがそうであるように、わたしも彼女のことを心から愛しているわ」と目を細める。本作ではオーロラ姫の婚姻も重要なテーマで「語るべきストーリーがあれば…、そうね。例えば、オーロラが母親になったとすれば、第3作を作る可能性は大いにある」とさらなる世界観の広がりを示唆した。インタビューには“クレイジーな家族”の一員で、今回が初来日となったサム・ライリーが同席。マレフィセントに仕えるカラスのディアヴァル役を前作から続投し「これまで、劇中で命を落としてしまう役柄が多かったから(笑)、同じ役を演じ、キャラクターをより深める作業はとても楽しかった」と振り返る。前作からの関係性も強まり、マレフィセントとディアヴァルのやりとりは、さながら夫婦漫才のようだ。「あはは、それは同感。けんかしながら長年連れ添う夫婦みたいだよね。2人のシーンは、コミカルな要素を盛り込める点も大きな魅力。今回は僕が彼女(ジョリー)に、晩餐会に向けて、笑い方を教えるシーンがあるんだ。とっても笑えるよ!」。この発言に、ジョリーも「互いをよく知り、理解しあっている。2人は完ぺきなコンビなの」と大きくうなずいていた。「マレフィセントとは一体誰なのか、どこから来たのかが明らかになるの」とインタビューを締めくくったジョリー。取材終了後、「墨絵師御歌頭(オカズ)」氏が映画をイメージし描き上げた巨大水墨画をバックに、フォトコールが行われ、ジョリー本人がマレフィセントの唇に赤い色を付け加えていた。取材・文・写真:内田 涼『マレフィセント2』10月18日(金)より全国公開
2019年10月08日細野晴臣のデビュー50周年を記念した『細野観光1969-2019展』が、六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー・スカイギャラリーにて開催されている。エイプリル・フール、はっぴいえんど、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)など、さまざまなバンドやソロ活動で音楽家として活躍してきた細野晴臣。同展は、「細野晴臣デビュー50周年記念企画<細野さんに会いに行く>プロジェクト」の一環として、細野氏のロック・テクノ・ワールドミュージックなど多岐にわたる音楽家としての一面だけでなく、映画やアート・落語・漫画など多様な関心事を貴重な展示品とともに紹介するもの。展示は時代ごとに区切られた5つのセクションで構成されており、各時代で起きた現象や歴史、そして文化などに細野氏がどのように直面し、どのような音楽や世界観を描いてきたのかを垣間見ることができる。細野晴臣デビュー50周年記念展「細野観光1969-2019」展( )展覧会入り口は、1976年に発表したアルバム『泰安洋行』をモチーフとした顔ハメ看板や提灯などが飾られて観光地らしい雰囲気に細野氏使用のギター8本を積み上げた全長約6メートルにもなる大迫力の「ギタータワー」数々の名曲を生み出したスタジオを再現「細野文庫」と題して、美術書、写真集、漫画、古典名著、旅行書など、細野氏の関心の拡がりや変遷を辿るブックコレクションを展示
2019年10月08日「ぴあ」調査による2019年10月4日、5日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、人気シリーズ最新作『HiGH&LOW THE WORST』が第1位になった。劇場には「前売り券を買って公開を待ちわびていた」と話す作品ファンが集結し、「やっぱりこれがHiGH&LOWだよね!っていう要素がつまっていて大満足!」と熱い声があがった。本作は、高橋ヒロシの伝説的な不良コミックス『クローズ』と『WORST』とのクロスオーバー作品で、映画化にあたり高橋ヒロシが脚本を手がけ、HiGH&LOWシリーズの“鬼邪高校”と、『クローズ』『WORST』シリーズの“鳳仙学園”の頂上決戦の行方が描かれる。観客からは「コラボすると聞いて正直、どうなのかな?って思ったけど、やっぱりこれがHiGH&LOWだよね!っていう要素がつまっていて大満足!」「男の熱い友情を感じた!」「両校のぶつかり合いがいい。アクションシーンに迫力と派手さがあってとても満足」「セットがすごい! 絶望団地のおどろおどろしい雰囲気とか、鳳仙学園、鈴蘭高校の再現度が高い」など熱いコメントが続出。中には「映画の見どころは、カメラワークと音の使い方。カメラワークはどこから撮ってるんだというくらいすごい。音は主に登場曲がすごくて、キャラが登場するときや喧嘩が始まるときにイメージの曲が流れて非常に盛り上がるので、注目ポイント!」と話す人もいた。また、「今までのHiGH&LOWとは違って、新しい時代の幕開けのように感じた。これからがもっと楽しみになった」と次回作を熱望する声もあった。【ぴあ映画初日満足度ランキング】1位『HiGH&LOW THE WORST』93.4点2位『牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-』92.8点3位『ジョーカー』90.7点4位『毒戦 BELIEVER』88.5点5位『ジョン・ウィック:パラベラム』88.2点6位『蜜蜂と遠雷』86.8点7位『“樹木希林”を生きる』86.3点7位『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』86.3点9位『BLACKFOX』84.9点10位『典座 -TENZO-』82.3点(本ランキングは、10/4(金)、5(土)に公開された新作映画12本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)※高橋ヒロシの「高」は、はしごだかが正式表記
2019年10月07日好評公開中の『HiGH&LOW THE WORST』は累計観客動員450万人・興行収入65億円を突破し、さまざまなメディア展開をみせる『HiGH&LOW』シリーズと、7500万部を突破した不良漫画の金字塔・高橋ヒロシ『クローズ』『WORST』の奇跡のクロスオーバーとして注目を集めている。『HiGH&LOW』からは、札付きの不良が集う“漆黒の凶悪高校”「鬼邪高校」、『クローズ』『WORST』からは、絶対的な統率力を持つ“殺し屋軍団”「鳳仙学園」が登場。ふたつの不良高校が激突するバトルシーンのアクションはファンならずとも必見だ。川村壱馬(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)が演じるのは、鬼邪高校の転校生・花岡楓士雄。ケンカは強いが、ちょっとヌケたところもある、仲間を大切にする熱い男だ。かつてとある事情で鬼邪高校を後にしたが、再び“テッペン”争いに身を投じていく。彼を中心にして、この物語は進んでいく。川村は、所属するLDHの手掛ける『HiGH&LOW』シリーズはもちろんのこと、『クローズ』『WORST』の世界にもずっと憧れを持っていたと語る。「もちろん、『クローズ』『WORST』は全巻家にあります!僕が楓士雄を演じる際にイメージしていたのは、『クローズ』の主人公・坊屋春道と『WORST』の主人公・月島花なんですよ。自分の中では、『HiGH&LOW』の新キャラでありながら、高橋ヒロシ先生の漫画の登場人物ということを意識していました」『クローズ』『WORST』の生みの親である、高橋ヒロシ氏は脚本にも参加。楓士雄を演じる際にも、アドバイスをもらったという。それは“カッコ悪いのに、カッコいい”ということ。「高橋ヒロシ先生からも、“ダサい部分もかっこ悪い部分も出していけば、カッコよくなる”という言葉をいただいたので、それだけは守っていました。高橋先生の言葉のおかげで、役作りの取り組み方がすごく変わりました」そして『クローズ』といえば、07年に公開され大ヒットした、映画『クローズZERO』の存在も忘れてはいけない。当時小学生だった川村は、リアルタイムで映画に衝撃を受け、ある“夢”を持つようになったのだ。「地元の友だちとかにも「自分、将来絶対『クローズ』に出るから!」と豪語して(笑)。それが、クロスオーバー作品という形で叶っちゃった。それは本当に嬉しいことですよね」しかし、その分重圧もあったという。特に『HiGH&LOW』シリーズの中でも、山田裕貴演じる、鬼邪高校の番長・村山良樹の存在には、大きなプレッシャーを感じていたそうだ。「この作品は『クローズ』『WORST』とのクロスオーバー作品。このタイミングで鬼邪高校にスポットがあたることになりました。『HiGH&LOW』シリーズのファンの方々からは、“どうして村山が主人公じゃないの?”というご意見も出てきていたことは知っていました。だからというわけではありませんが、僕も村山良樹はレジェンドだと感じていますし、村山を演じる裕貴さんに対しても、生半可な気持ちでは演じられないと思っていました。でも、正直プレッシャーよりは「絶対やってやる!」という気持ちの方が大きかったです。『HiGH&LOW』に出ることも夢でしたし、『クローズ』『WORST』の世界の登場人物になることも夢でした。こんなに嬉しいことはないです」『HiGH&LOW』シリーズ、『クローズ』、『WORST』、双方のファンを納得させるであろう、川村演じる花岡楓士雄の魅力を是非劇場で体感してほしい。『HiGH&LOW THE WORST』、今後の展望も語ってくれた。「まだ出てきていない、『クローズ』『WORST』世界の学校もあるじゃないですか。もしかしたら、ここから世界が広がっていくかもしれないし、色々なことが実現したらいいなと思っています。そして、楓士雄としては、いつか村山と決着をつけたいですね(笑)」※高橋ヒロシの「高」は「はしごだか」が正式表記『HiGH&LOW THE WORST』全国公開中撮影/奥田耕平、取材・文/藤谷千明
2019年10月07日10月5日、6日の全国映画動員ランキングは、名優ホアキン・フェニックスが誰もが知る人気キャラクターの“誕生のドラマ”に挑んだ衝撃作『ジョーカー』(全国324館)が初登場で首位を飾った。3週連続トップだった『記憶にございません!』(全国352館)は、公開4週目は2位になった。3位から5位には新作が並んだ。人気シリーズ『HiGH&LOW』と人気漫画『クローズ』『WORST』がクロスオーバーしたアクション映画『HiGH&LOW THE WORST』(全国322館)が初登場3位に。恩田陸の同名小説を松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士らで映画化した音楽ドラマ『蜜蜂と遠雷』(全国324館)は初登場4位。キアヌ・リーヴスが最強の殺し屋を演じる人気シリーズ第3弾『ジョン・ウィック:パラベラム』(全国201館)は初登場5位になった。そのほか、公開12週目の『天気の子』(全国367館)は7位につけている。次週は『アップグレード』『イエスタデイ』『クロール ―凶暴領域―』『最高の人生の見つけ方』『真実』『空の青さを知る人よ』『ブルーアワーにぶっ飛ばす』『ボーダー 二つの世界』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『ジョーカー』2位『記憶にございません!』3位『HiGH&LOW THE WORST』4位『蜜蜂と遠雷』5位『ジョン・ウィック:パラベラム』6位『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』7位『天気の子』8位『人間失格 太宰治と3人の女たち』9位『HELLO WORLD』10位『アナベル 死霊博物館』
2019年10月07日トッド・フィリップス監督、ホアキン・フェニックス主演の『ジョーカー』が、北米で予想を上回る大ヒットデビューを果たした。公開初週末の成績は約9,400万ドルで、10月公開作品としては『ヴェノム』を抜いて史上最高記録。R指定のため、17歳以下の観客は全体の8%にとどまっている。観客評価はBプラスだった。北米外でも大好調で、全世界興収はすでに2億3,400万ドルに達している。海外での成績トップは、韓国、イギリス、メキシコの順。北米2位はアニメ映画『Adominable』、3位は『Downton Abbey』、4位は『Hustlers』、5位は『IT/イット THE END “それ“が見えたら、終わり。』だった。文=猿渡由紀『ジョーカー』全国公開中
2019年10月07日野田秀樹の最新作、NODA・MAP第23回公演『Q:A Night At The Kabuki』の初日を控え、10月6日にゲネプロが行われ、報道陣に公開された。映画『ボヘミアン・ラプソディ』のヒットによるリバイバルが記憶に新しい英国のロックバンドQUEENのアルバム『オペラ座の夜(A Night At The Opera)』を舞台化できないか? というオファーを受け、約2年前に始動したという本作。以前から野田が構想していた『ロミオとジュリエット』の“その後”の物語を組み合わせ、ワークショップを重ねて完成した。12世紀の日本の源平合戦に設定を置き換え、広瀬すず演じる「源の愁里愛(じゅりえ)」と志尊淳による「平の瑯壬生(ろうみお)」に加えて、松たか子&上川隆也による“それからの”愁里愛と瑯壬生という、現在と未来の2組のロミジュリが登場。未来を生きる2人は、自分たちの身に降りかかった悲劇的な運命の先回りをし、なんとか食い止めようとするのだが……。やはり注目は、朝ドラ『なつぞら』を終え、本作で舞台初出演を果たす広瀬。初日を前に「足を引っ張らないように努力します!」というコメントを寄せたが、色とりどりの着物から、死装束ともウェディングドレスともとれる純白のドレスまで、様々な衣裳に身を包み、縦横無尽に舞台を駆け回り、足を引っ張るどころか、強烈な輝きを放ち、物語をグイグイと引っ張っていく。志尊演じる瑯壬生とのラブシーンを含め、時に可憐に、時に力強く、恋する乙女の顔を見せたかと思えば、松や野田(源の乳母役)といった百戦錬磨の先輩俳優陣を相手にも全く臆することなくコミカルな掛け合いを披露するなど、堂々たる演技を見せている。広瀬と志尊のロミジュリが、若さと勢いゆえの盲目の恋の“輝ける日々”とその悲劇の結末を軽やかに刹那的に表現する一方で、松と上川による「それからの」ロミジュリは、その背中に長く、重くのしかかる過酷な運命を見事なまでの存在感、圧倒的な演技力で重厚に表現している。さらに、20年ぶりのNODA・MAP出演となる羽野晶紀、NODA・MAP初出演の竹中直人をはじめ、個性あふれる濃すぎる面々がガッチリと脇を固め、源氏と平家の両陣で演技合戦を繰り広げる。そしてやはり、本作のもうひとつの主役と言えるのがQUEENの音楽。『ボヘミアン・ラプソディ』、『Love Of My Life』など、アルバム『オペラ座の夜』に収められている全12曲が原盤で惜しみなく使用されているが、「ここで『Love Of My Life』?」「このシーンにあえてこの曲を?」という驚きも感じさせつつ、フレディ・マーキュリー(とブライアン・メイ&ロジャー・テイラー)の歌声と野田の多彩な演出、瑯壬生と愁里愛の運命の“掛け算”が観る者に高揚と快感をもたらしてくれる。特に、秘密の婚礼を挙げた瑯壬生と愁里愛が愛をかわすシーンの美しさは圧巻!「この世から戦(いくさ)が消える日に」再び結ばれることを約束したはずの2人の運命はなぜ引き裂かれたのか……?NODA・MAP第23回公演『Q:A Night At The Kabuki』は10月8日から15日まで東京芸術劇場 プレイハウス、10月19日から27日まで大阪・新歌舞伎座、10月31日から11月4日まで北九州芸術劇場 大ホールで上演され、11月9日から12月11日までふたたび東京芸術劇場 プレイハウスにて上演される。取材・文:黒豆直樹
2019年10月07日米NBCで2018年秋に放送をスタートし、視聴率No.1を獲得(米ニールセン調べ)し、シーズン2の製作も決定しているミステリー&ヒューマンドラマ、『MANIFEST/マニフェスト』が、海外ドラマ専門チャンネル“スーパー!ドラマTV”にて、10月15日(火)22:00より独占日本初放送されることが分かった。この度、本ドラマはタイムカプセル郵便を運営している日本郵趣協会とのタイアップが決定、切手の博物館・展覧会・イベント会場等に配布されるコラボチラシが公開された。本ドラマの製作総指揮を務めるのは、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズや『フォレスト・ガンプ/一期一会』をはじめとする数々の大ヒット作を手がけた監督、ロバート・ゼメキス。本作の物語は、2013年4月7日、家族たちとジャマイカで休暇を過ごした帰りの空港から始まる。ニューヨーク市警察に勤務するミカエラは、ニューヨークを発つ直前にプロポーズされた、恋人で同僚のジャレッドへの返事に迷っていた。そのとき、ミカエラたちが乗る予定だった飛行機が定員超過になっているため、次の便まで待つ乗客に400ドルの航空券引換券を提供するという案内が入る。ジャレッドへの返事を数時間でも延ばしたいミカエラは次の便を待つことにしたが、搭乗したモンテゴ航空828便は途中で凄まじい乱気流に見舞われる。乗客たちが墜落を覚悟したそのとき、乱気流は突然消え失せ、828便は無事空港に着陸する。ところが、空港には国家安全保障局と地元警察が待ち構えており、乗客たちは現在の日付が自分たちがジャマイカを発った日から5年半以上も経た2018年11月4日だということを知らされる。この度、『MANIFEST/マニフェスト』がコラボしたのは、自分が書いた手紙が指定した未来の日付に届くというサービス、“タイムカプセル郵便”だ。未来の自分や大切な人に宛てて、10年後まで手紙を送ることができる。コラボレーションチラシにも「消息を絶った旅客機がたどり着いた先は5年後の未来―。」と記載されているように、本作では、828便の飛行機に搭乗した主人公・ミカエラたちが着陸すると、5年の歳月が経過している。そのことによって壊れてしまった家族や恋人・友人などそれぞれ大切な人との関係を修復しようと奮闘する本作のストーリーにちなんだものだ。このチラシは、明日10月8日(火)より、切手の博物館や展覧会、イベント会場等で順次配布予定。『MANIFEST/マニフェスト』海外ドラマ専門チャンネル“スーパー!ドラマTV”にて、10月15日(火)22:00より独占日本初放送
2019年10月07日おなじみの仲間たちの新たな旅立ちと冒険を描く、ディズニー/ピクサー長編アニメーション『トイ・ストーリー4』が、10月23日(水)より先行デジタル配信開始、11月2日(土)にMovieNEX(4,000円+税)と4K UHD MovieNEX(5,800円+税)が発売される。この度、MovieNEX発売を記念して、『トイ・ストーリー4』の特別デザインが施されたオリジナルラッピングカーが、日本各地を走行していることが分かった。オリジナルラッピングカーには、ウッディやバズなど、お馴染みの仲間たちが乗車していて、『トイ・ストーリー』ファンのために、日本各地の施設やイベントに参加中だ。9月27日に東京都内の幼稚園を出発したラッピングカーは、28日にアスナル金山(愛知)へ到着。翌日29日にはイオンモール各務原(岐阜)を訪れ、オリジナル布缶バッジのワークショップが実施された。その後は、岐阜県内の岐阜城やレトロミュージアム、1時間に1本しか走らない長良川鉄道、郡上八幡城を訪れ、福井県では現存する最古の城である丸岡城、石川県では金沢城、兼六園、山代温泉などの観光地を巡り、本記事が公開された現在、京都から岡山に向けて移動中だ。偶然出会ったらラッキーなラッピングカー。狙ってウッディやバズに出会いたいファンのために、走行ルートの一部が公開されている。●9月28日(土)⇒〔名古屋〕 アスナル金山終了。●9月29日(日)⇒〔岐阜〕 HMVイオンモール各務原終了。●10月5日(土)⇒〔岡山〕 HMVイオンモール岡山●10月7日(月)⇒〔大阪〕 ららぽーとEXPOCITY●10月14日(月)⇒〔福岡〕 HMVイオンモール直方●10月20日(日)⇒〔広島〕 フタバ図書TERAイオンモール広島府中●10月22日(火)⇒〔福岡〕 フタバ図書TERAイオンモール福岡■1週目 東京 ⇒ 愛知 ⇒ 岐阜 ⇒ 石川 ⇒ 福井 ⇒ 京都 ⇒ 岡山■2週目 岡山 ⇒ 兵庫 ⇒ 大阪 ⇒ 和歌山 ⇒ 奈良 ⇒ 三重 ⇒ 滋賀 ⇒ 京都 ⇒ 鳥取■3週目 鳥取 ⇒ 広島 ⇒ 山口 ⇒ 福岡 ⇒ 佐賀 ⇒ 長崎 ⇒ 熊本 ⇒ 宮崎■4週目 宮崎 ⇒ 大分 ⇒ 広島 ⇒ 福岡 ⇒ 鹿児島・・・大阪・・・東京(11月2日(土)まで)ラッピングカーが訪れる先の一部では、『トイ・ストーリー4』のオリジナル布缶バッジ作りを体験できる特別なワークショップが開催。全10種類(数量限定)のデザインの中から好きなものをひとつ選び、プレス機を使用して簡単に作ることができる。オリジナル布缶バッジまた、いましか見られないオリジナルラッピングカーの写真を撮影し、ハッシュタグ“ #トイ4のラッピングカーがやってきた ”を付けてツイッターに投稿する、SNSキャンペーンが公式サイトで開催されている。MovieNEXには、ウッディとボーが本編とは違う結末を迎える、未公開シーン「もうひとつのエンディング」や、新キャラクターの製作秘話など、劇場公開時には見られなかった貴重なボーナス・コンテンツが多数収録される(デジタル配信購入版にも一部収録)。『トイ・ストーリー4』10月23日(水)より先行デジタル配信開始11月2日(土)MovieNEX(4,000 円+税)4K UHD MovieNEX(5,800円+税)発売
2019年10月07日2003年にスタートしたクラシック音楽の祭典「NHK音楽祭」。17回目を迎える今年のテーマは「伝統と革新」。このテーマのもと、歴史と伝統を誇る3つのオーケストラがNHKホールで熱演を披露する。その3つとは、トン・コープマン指揮NHK交響楽団(10月10日公演)、セミョーン・ビシュコフ指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(10月25日公演)、ヤニック・ネゼ・セガン指揮フィラデルフィア管弦楽団(11月7日公演)なのだから素晴らしい。先陣を切るのは、オランダ生まれのオルガニスト&チェンバロ奏者にして名指揮者のほまれ高いトン・コープマン率いるNHK交響楽団だ。しかもプログラムはモーツァルトの「交響曲40番」&「レクイエム」なのだから、これはコープマンファンならずとも聴き逃がせない。まさに天才モーツァルトの最高傑作2曲を一晩で楽しむチャンス到来だ。ピリオド演奏の権威でもあるコープマンと現代オーケストラの最高峰をゆくNHK交響楽団とのコラヴォレーションやいかに。素敵な化学変化に期待したい。
2019年10月07日おとな向け映画ガイドオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/10/07(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開の作品は19本。全国100スクリーン以上で拡大上映されるのは『最高の人生の見つけ方』『空の青さを知る人よ』『真実』『クロールー凶暴領域ー』の4本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が15本です。今週は粒ぞろいです。この中から厳選して、おとなの映画ファンにオススメしたい4作をご紹介します。『真実』なにしろ、カトリーヌ・ドヌーヴが主演、その娘夫婦役にジュリエット・ビノシュとイーサン・ホーク。で、監督は是枝裕和。すごいことであります。ドヌーヴ演じるファビエンヌは、フランスの国民的大女優。『真実』というタイトルの自伝を書き終えたところ。ちょうどその本が刷り上がり、出版を祝うため、アメリカから、疎遠だった娘一家がやってきます。新作の映画も撮影中です。大女優ですから、もうすべてわたしがルールブック、言いたい放題、やりたい放題ですが、にくめない存在。役者としてはさすが、の演技をみせます。まさにドヌーヴそのものといえます。娘は、家族のことがどう書かれているか心配です。事前に原稿を読ませてもらう約束をしたのに、母は「あら、送ったわよ。いきちがいね」ととぼける。印刷部数をきくと「10万部」。でも実は5万部。できたばかりの本を一晩かかって娘がチェックをしてみると、ふせんが付く付く、ともかく嘘ばかり。「このどこに真実が?」と母をなじると「事実なんて退屈だわ」と一蹴される。長年にわたって尽くしてくれた秘書について1行も書かれていない。彼女の人生に重要な役割を果たした親友のサラについても。そんなことが、波紋をよんで…。家族のこと、親しいひとたち、女優であることも、実は、書かれなかったことの中に「真実」が隠れているのです。是枝監督作品でおなじみの樹木希林さんが演じても、すてきな映画になったと思います。希林さんに似合いそうなセリフもあります。けれど、ドヌーヴが演じるからこそ、こんなにノーブルで華やぐ作品になったのでしょう。女優を描いた映画ですが、テーマは家族について。「是枝映画」、です。『ボーダー 二つの世界』注意深く紹介をします。その結末にきっと、驚かれると思いますが、そこにふれないように。ひとことでいうと、いままで観たことのない映画です。ショッカーでもホラーでもありません。どちらかというとファンタジーです。主人公はスウェーデンで税関の仕事をしているティーナ。正直、かなり醜悪な顔をしています。違法なものだけでなく、何かを隠しているという罪悪感まで匂いで嗅ぎ取れる、という能力を持っています。税関を通るとき、彼女が怪しいと判断した旅行客はたいていアウトです。ところがある日、彼女以上に醜悪で、怪しげな男が入国してきます。別室に連れていき、仔細に調べるのですが、証拠がでません。彼に、なぜか、どこか惹かれる彼女。後日再会したふたりは…。永遠に歳をとらないバンパイアの少女を主人公にした『ぼくのエリ 200歳の少女』の原作者、ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストが原作と脚本を担当しています。異世界的という着想はこの映画も同じです。タイトルはそれを暗示しています。いったい彼女は何者か、なぜそういう顔をしているのか、なぜ超能力をもっているのか、そしてあのシーンとか、あれとか、あー、これ以上はとても言えない。『イエスタデイ』これはアイデアの勝利です。とても面白かったので、感想を何人にも吹聴したのですが、10人中ふたりくらいは、そんなのありえないといいます。12秒間だけ世界規模で謎の大停電がおき、そこから何かが狂う。例えば、ビートルズという存在が世界から消えてしまう。それがなぜか主人公の記憶だけに残っている、というお話です。パラレルワールドものといっていいでしょう。世の中の誰もがビートルズを知らない。自分が持っていたレコードコレクションも消えてしまった。売れないシンガーソングライターのジャックが、彼らの曲を思い出しながら、ためしに歌ってみると、もちろん誰も知らない。そして、聴いた人はみんな、なんていい曲なんだと感動してくれる。それはそうだ、ビートルズなんだから。記憶を掘り起こし、次々とレノン&マッカートニーの曲を発表するジャックはまたたく間に大スターになっていくのです。見方を変えますと、この映画、ビートルズが今デビューしたら、という仮説への答えなのかもしれません。SNS時代、音楽はレコードやCDが全盛ではありません。ジャックはビートルズが考え出したアイデアをそのままやろうとするのですが、うまくはまらないものもあります。そのあたり、逆にビートルズ好きにはたまりません。ホワイト・アルバム?、サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド?、バック・イン・ザ・U.S.S.R.? なるほどと思います。ジャック役のヒメーシュ・パテルが歌う楽曲は30曲近く。観終わって一週間は曲が頭に残ります。ビートルズは偉大だ、と痛感します。『天才たちの頭の中~世界を面白くする107のヒント~』こちらもワン・コンセプトの映画です。現代を代表するクリエイターなどに「Why are you creative?あなたはなぜクリエイティブなのか」を訊いたドキュメンタリー。デヴィッド・ボウイ、タランティーノ、ヘルツォーク、ジャームッシュ、ビョーク……。日本人では、北野武、オノ・ヨーコ、山本耀司、荒木経惟。ともかく、著名人なら遠慮会釈なくマイクとカメラを突きつける。これを30年にわたって続けてきたドイツ人ハーマン・ヴァスケ監督の映像記録です。これまでにアタックした人の数は1000人以上。うち107人がこの映画に登場します。アーティストだけでなく、ホーキング博士や法王ダライ・ラマ14世、ネルソン・マンデラ元大統領などのVIP、スイスのダボス会議に現れ、経済人や政治家にも同じ質問をあびせます。突然の問いかけに、とまどいながらも、自分の発想の原点や、発想の仕方などをていねいに話してくれる人が多数。とんちんかんな返答をする政治家もいます。中国の現代美術の巨人、アイ・ウェイウェイの受け答えなんて、さすが、と思いました。アラーキーのインタビューをとるために、カラオケで朝5時まで飲み「あんなに深酒をしたこととはない」とぼやく、ヴァスケ監督の突撃ぶりもユーモラスです。アサヒビールの金のオブジェを作ったデザイナー、フィリップ・スタルクとか、デヴィッド・リンチ、ペドロ・アルモドバル、デヴィッド・ホクニー…、へーっ、こういう風に話す人なんだ、という驚きの連続でもあります。東京は10/12から新宿武蔵野館ほか、名古屋は10/19から名演小劇場、大阪は11/1からシネ・リーブル梅田ほかで上映。
2019年10月07日初演から今年で30年目を迎える朗読劇『ラヴ・レターズ』。数多の俳優が演じ、多くの観客を感動させてきたこの作品に、新たな1ページが加わることとなる。「黒柳徹子スペシャル」。そのサブタイトルの通り、黒柳徹子がこの作品に挑むシリーズが本日10月7日より、東京・EX THEATER ROPPONGIで開幕する。『ラヴ・レターズ』というのは、ある意味“特殊”な朗読劇だ。舞台の上にはテーブルと2脚の椅子、そして男女の俳優が1組。彼らが演じるのは幼馴染のアンディーとメリッサだ。自由奔放で感覚人間のメリッサと、真面目でいつも何かを書いているアンディー。幼少期からやがて思春期を迎え、大人になり……という長きにわたる期間の2人を、彼らの書いた「ラヴレター」を通して語ってゆく、というもの。アンディーとメリッサの人生は、けして順風満帆ではない。しかし多くの人が人生において何らかの壁にぶつかるように、経験を重ねれば重ねるほど、この戯曲に描かれた彼らの関係性、そして2人の“愛”が染みわたってくる。こう聞くとオーソドックスな朗読劇のようだが、作者A.R.ガーニーの指定により、稽古が許されるのは1回のみ。どんな俳優であってもそれは守らねばならず、時として舞台上には俳優自身が戯曲に感じたヴィヴィッドな感情がむき出しになる。それがまた結果的に観客の心を揺さぶり、このシリーズの魅力のひとつなのだ。もともと黒柳は、PARCO劇場で長らく『ラヴ・レターズ』を手がけてきた演出家の故・青井陽治から何度も出演を誘われてきたものの、スケジュールが合わず叶うことはなかったという。1989年より「海外コメディ・シリーズ」として30年間で32作品を上演、舞台女優としてのキャリアも輝かしい彼女が、満を持しての“初挑戦”。少女から壮年期までを彼女がどのように演じるのか、期待せずにはいられない。しかも相手役のアンディーには、高橋克典、筒井道隆、吉川晃司というタイプの違う3人の俳優が顔を揃えた。俳優の組み合わせによりテイストが化学反応のように変わる戯曲だけに、観比べてみるのもまた面白いはずだ。EX THEATER ROPPONGIで10月16日まで上演の後、18日から20日まで大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。文:川口有紀
2019年10月07日ヤバイTシャツ屋さんが本日10月7日から2日間、Zepp Tokyoで「ヤバイTシャツ屋さん“スペインのひみつ” ONE-MAN TOUR 2019」の初日公演を行う。今年の夏もさまざまなフェスへの出演やCMタイアップなど、ひっぱりだこのヤバイTシャツ屋さん。確かな音楽性だけでなく、サンリオピューロランドで公演を行うなど、ユニークな活動で各方面から注目を集めている。いよいよ始まる「ヤバイTシャツ屋さん "スペインのひみつ" ONE-MAN TOUR 2019」は、彼らが7月に発売した8枚目のシングルの発売を記念したツアー。本日のZepp Tokyoを起点に12月の沖縄・桜坂セントラルの公演まで、全14公演を行う予定だ。バンドにとっては1年ぶりの全国ツアーとなり、気力も高まっていることだろう。2019年の総括となる日程の初日に足を運んではいかがだろうか。■公演情報「ヤバイTシャツ屋さん“スペインのひみつ” ONE-MAN TOUR 2019」日時:10月7日(月)、8日(火)開場18:00/開演19:00場所:東京都 Zepp Tokyo
2019年10月07日毎日放送(MBS)主催の音楽イベント「MBS音祭2019」が本日、10月6日に大阪城ホールで開催される。「MBS音祭」は毎日放送が、2014年から開催している音楽イベント。9回目となる今年はEXILE SHOKICHI、ゴールデンボンバー、Da-iCE、日向坂46、ベリーグッドマン、オープニングアクトで大阪☆春夏秋冬の出演が予定されている。公式サイトにはEXILE SHOKICHIが「ソロとして大阪でイベントに出演させて頂くのは久しぶりで個人的にも大阪が大好きなので、とても楽しみにしています!」、日向坂46・齊藤京子が「MBSラジオのレギュラー番組に出演させていただいているご縁もあり、このような素敵なイベントに呼んでいただき、とても光栄です」など、出演者のコメントが寄せられている。今年も多彩なパフォーマンスによって、大阪城ホールが熱く盛り上がることだろう。■公演情報「MBS音祭2019」日時:10月6日(日)開場15時/開演16時(予定)会場:大阪城ホール出演:EXILE SHOKICHI、ゴールデンボンバー、Da-iCE、日向坂46、ベリーグッドマン(五十音順)オープニングアクト:大阪☆春夏秋冬※大阪☆春夏秋冬の出番は15時30分を予定。MC:大吉洋平(MBSアナウンサー)、三戸なつめ
2019年10月06日井上ひさしの没後10年を記念した「井上ひさしメモリアル10」シリーズの掉尾を飾る『組曲虐殺』が、本日10月6日に東京・天王洲 銀河劇場で開幕する。亡くなる前年の2009年に初演された、“井上ひさし最後の戯曲”。数々の演劇賞に輝いた初演と再演(2012年)に続き、井上芳雄が「演じることに使命を感じる」と語る小林多喜二役に7年ぶりに挑む。貧しい人々が苦しむ姿を見て育ち、言葉の力で社会を変えようと発起、プロレタリア文学の旗手となった小林多喜二。特高警察に目をつけられた彼は、言論統制の激化に伴い次第に追い詰められていくが、その信念は決して揺るがない。潜伏先を変えながら執筆を続ける多喜二と、彼を心配しながらも明るく力強く生きる姉のチマ(高畑淳子)、恋人の瀧子(上白石萌音)、同志のふじ子(神野三鈴)。多喜二の人柄に共感しながらも、職務を全うしようと手を尽くす刑事の古橋(山本龍二)と山本(土屋佑壱)。そしてついに、その日は訪れる……。一人の内気な青年が、なぜ29歳4か月で死に至らなければならなかったのか。栗山民也演出のもと、実力派のキャスト陣と小曽根真の音楽が、重いテーマを明るく描き出す。もしかしたら初演や再演時以上にこの作品が求められているのかもしれない2019年、小林多喜二と井上ひさしの言葉と思いは、きっと観客の胸に深く響くことだろう。文:町田麻子
2019年10月06日TVアニメ『キャロル&チューズデイ』のライブイベント「『キャロル&チューズデイ』2nd LIVE ~Army Of Two~」が本日10月6日、東京・品川ステラボールで開催される。『キャロル&チューズデイ』は『カウボーイビバップ』(1998年)などの制作で知られる、渡辺信一郎監督とアニメスタジオのボンズ、音楽レーベルのフライングドッグが再び手を組んで制作されたアニメ作品。物語は人類が火星に移住し、AIが音楽を提供するようになった時代を舞台に、ミュージシャンを志す2人の少女を中心に展開する。ストーリーや映像だけでなく、こだわりぬかれた音楽にも注目度が高い。作中で歌われる全編英語の楽曲を歌うシンガーは、声優とは別に全世界オーディションから選ばれたという。本日の公演は劇中に登場するキャロル&チューズデイのキャロル役・Nai Br.XX(ナイ・ブリックス)とチューズデイ役・Celeina Ann(セレイナ・アン)、アンジェラ役・Alisa(アリサ)のパフォーマンスとなる。8月に行われた前回も好評だっただけに、今回のステージにも期待したい。■公演情報「『キャロル&チューズデイ』2nd LIVE ~Army Of Two~」日時:10月6日(日)開場17:00/開演18:00会場:東京都 品川ステラボール出演:キャロル&チューズデイ(Vo. Nai Br.XX & Celeina Ann)、アンジェラ(Vo. Alisa)
2019年10月06日梅原猛と市川猿翁が平成3年(1991年)につくり上げ、演劇界に新風を巻き起こした伝説のスーパー歌舞伎『オグリ』。令和元年の今年、スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)『新版 オグリ』として装いも新たに上演される。注目は、市川猿之助・中村隼人の二役交互出演だ。芸の引き出しが豊富な猿之助が、猿翁の築いた『オグリ』の世界観を熟知した上で自らの構想をどのように展開するのか、その猿之助により主演に指名された若手・隼人が、旬の勢いでどこまで猿之助に肉薄できるのか?競演によってそれぞれの魅力が浮き彫りになるだろう。前作のスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』は動員40万人を超える大ヒットとなった。今回も各ジャンルから精鋭のクリエイティブスタッフが集結している。脚本は『八犬伝』や『カグヤー新竹取物語ー』などのスーパー歌舞伎を手がけた横内謙介、演出は「木ノ下歌舞伎」で多くの古典歌舞伎を新解釈で換骨奪胎させている杉原邦生。客席左右同時の両宙乗りのスペクタルな演出も楽しみの一つだ。キャストも歌舞伎俳優以外から多数起用。『ワンピース』で活躍した浅野和之や下村青のほか、蜷川演劇でおなじみの高橋洋やベテラン俳優・石橋正次の初参加も注目を集めている。物語は、武芸学問に通じた美貌の若者・藤原正清(後に小栗判官=オグリ、市川猿之助・中村隼人のWキャスト)が、「なんでも手に入る」勘違いから地獄に落とされ、逆に「持たざる者」として現世に送り返され生き直すという構成。輿入れ行列から奪取した照手姫(坂東新悟)と強く惹かれ合い夫婦となることを誓ったものの、姫の父に拒否されてオグリは殺されてしまうのだった。顔も手足も重い病に侵された姿で生き返ったオグリは、遊行上人(市川猿之助・中村隼人のWキャスト)の導きで善意の人が曳く土車に乗り、熊野を目指す。道中偶然にも照手姫と再会するが、姫はオグリに気づかない……。一見奇想天外なオグリと姫の人生に、恵まれ過ぎる現代の若者たちの、本当の自由や幸せを探し続ける満たされない思いを重ねていくという。衣裳などにもストリートファッションを取り入れるとか。江戸時代の庶民なら誰もが知っていたという説経節「小栗判官ストーリー」が、現代の若者の物語としてどのように展開していくのか楽しみだ。公演は10月6日から11月25日まで東京・新橋演舞場、来年2月に福岡・博多座、3月に京都・南座で上演される。文:仲野マリ
2019年10月06日1848年、イギリスの画学生を中心に生まれた「ラファエル前派」を紹介する展覧会『ラファエル前派の軌跡ターナー、ラスキンからロセッティ、バーン=ジョーンズ、モリスまで』展が、10月5日(土)~12月15日(日)、あべのハルカス美術館にて開催される。イタリア・ルネサンスの巨匠ラファエルに倣う、という当時の学校方針に不満を持っていた学生7人が、旧来のアカデミズムとは外れて、ラファエロより前の時代の表現を目指そうと組んだのが「ラファエル前派同盟」だ。彼らの活動を後押ししたのは、美術評論家で今年生誕200周年を迎えるジョン・ラスキン。同展では、ラファエル前派同盟とラスキン、その周縁の画家、さらに同時代で影響関係にあったアーツ&クラフツ運動のモリスによる作品まで一望できる。会場は5つの章に分かれている。第1章では、ラスキンの素描と、彼が影響を受けたターナーの作品が並ぶ。第2章では、ラファエル前派同盟第一世代の作家たちの作品を紹介。第3章では周縁の作家を、第4章ではラファエル前派第二世代のバーン=ジョーンズを、第5章ではモリスに焦点を当て、ラファエル前派とのつながりやドラマティックな人間模様を知ることができる。絵画のみならず、書籍、家具、ステンドグラス、タピストリーなどが並ぶぜいたくな展覧会といえよう。また、会期中は、「英国・紅茶講座」や「X’masカードwith モリス」といった、イギリスゆかりのワークショップも開催。優雅に芸術の秋を楽しむことができる展覧会だ。【関連リンク】ラファエル前派の軌跡ターナー、ラスキンからロセッティ、バーン=ジョーンズ、モリスまで()ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ《シビュラ・パルミフェラ》1865-70年頃ジョゼフ・マラード・ウィリアム・ターナー《カレの砂浜―引き潮時の餌採り》1830年ジョン・エヴァレット・ミレイ《滝》1853年エドワード・バーン=ジョーンズ《慈悲深き騎士》1863年
2019年10月05日aikoが本日10月5日、Zepp Tokyoで「aiko Live Tour『Love Like Rock vol.9』」の初日公演を行う。「Love Like Rock」は、aikoが活動初期から開催しているライブハウスをまわるツアー。近い距離でライブを楽しめることでファンの間でも人気が高い。前回は2017年に開催され、このときの模様は今年3月にリリースされたライブBlu-ray&DVD『My 2 Decades』に収録された。本日からの公演は全国8会場32公演が予定しており、Zepp Tokyoを起点に来年のZepp Tokyoまで続く予定だ。すでにaiko自身のSNSで日程前半のソールドアウトが発表されているが、ぜひ現場で彼女の歌声を間近に感じてほしい。■公演情報「aiko Live Tour『Love Like Rock vol.9』」10月5日(土)、6日(日)開場17:00/開演18:00 (両日)場所:Zepp Tokyo
2019年10月05日BiSHが本日5日、埼玉・サンシティ越谷で全国ツアー「NEW HATEFUL KiND TOUR」の初日を迎える。先日、大阪城ホールでのワンマンライブ「And yet BiSH moves.」を即日完売で成功させ、首都圏以外でのホール公演を成し遂げたBiSH。11月にはメジャー6作目『KiND PEOPLE / リズム』をリリースと秋以降も興味深い活動が目白押しだ。「NEW HATEFUL KiND TOUR」はグループにとって史上最長の全国20カ所24公演。本日の埼玉公演から、来年1月末のNHKホール2デイズまで熱いパフォーマンスが繰り広げられる。さらに2年9カ月ぶりの全公演バンド編成となり、特別なステージになることは間違いない。躍進を続けるBiSHの新たな挑戦をお見逃しなく。■公演情報BiSH「NEW HATEFUL KiND TOUR」日時:10月5日開場16:00/開演17:00場所:サンシティ越谷市民ホール
2019年10月05日11月1日(金)から11月5日(火)の期間にて開催される、日本最大規模の子供国際映画祭、“27th キネコ国際映画祭”の上映イベントに、本映画祭のジェネラル・ディレクターである戸田恵子、プログラミング・ディレクターの中山秀征、スペシャルゲストのTARAKOが参加することが決定した。27th キネコ国際映画祭は、109シネマズ二子玉川と iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズを中心とした会場で開催される。戸田、中山が参加するのは、11月4日(月・祝)15:10 から上映される「DBS(Director’s Best Selection)プログラム」の『ゴンサロ』、『アー・ユー・バレーボール?』の「ライブ・シネマ(生吹き替え)」。「DBS プログラム」はキネコのディレクター陣が推薦する、「生死」「親子」「友情」「信頼」などをテーマにした、家族や友人と見てもらいたい世界の選りすぐりの4作品を上映する。また、同日上映の「Kプログラム」では、『『ちびまる子ちゃん』「まる子、さぬきに行く」の巻』と、昨年度のキネコ・グランプリ受賞作品の『真っ赤なリンゴ』が特別上映され、ちびまる子ちゃんが舞台挨拶に登場するほか、声優のTARAKOさんがスペシャルゲストとして登壇し、『真っ赤なリンゴ』の「ライブ・シネマ」を行う。本年度の上映チケットの前売り券は、10月5日(土)よりチケットぴあにて販売される。■「27th キネコ国際映画祭」開催概要開催期間:11月1日(金)〜11月5日(火)公式ホームページ: 会場:109 シネマズ二子玉川、iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ、二子玉川公園、二子玉川ライズ ガレリア・二子玉川ライズ 中央広場上映チケット:iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ 全席自由席 109 シネマズ二子玉川 (シアター9/シアター7) 全席指定席【前売券】10月5日(土)より、チケットぴあにて販売大人(18歳以上)1,000 円、子供(3歳〜17歳)500円PC・スマホから: お電話から:0570-02-9999iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ:550-404109 シネマズ二子玉川:550-405【当日券】二子玉川ライズ 中央広場 チケットカウンターで午前 9 時より販売大人(18歳以上)1,200円、子供(3歳〜17歳)700円
2019年10月04日クラシックの盛んなイギリスに於いて、“現在最もエキサイティングな指揮者”と讃えられるロビン・ティチアーティが来日公演を行う。2014年に、31歳の若さでイギリス伝統の音楽祭「グラインドボーン音楽祭」の監督に就任するなど、躍動感溢れる指揮ぶりと聴衆を魅了する音楽性によって、その評価はうなぎのぼりだ。今回は、2017年に音楽監督に就任したドイツの名門、「ベルリン・ドイツ放送交響楽団」を率いての来日公演となるのだから楽しみだ。しかも同公演に随行するソリストの顔ぶれがものすごい。三浦文彰(ヴァイオリン)、辻井伸行(ピアノ)、服部百音(ヴァイオリン)、森麻季(ソプラノ)、反田恭平(ピアノ)、高木綾子(フルート)、吉野直子(ハープ)と、日本のトップ奏者を散りばめた陣容は豪華絢爛。どれも聴き逃がせない公演のオンパレードだ。中でも注目は、10月9日に東京オペラシティコンサートホールで開催される森麻季との共演。リヒャルト・シュトラウスの『ドン・ファン』&『4つの最後の歌』とマーラーの交響曲第1番「巨人」を重ねたプログラムは、若きマエストロ、ティチアーティの実力を確認するのにうってつけ。ドイツの名門オーケストラが自国の作曲家の作品にかける思いにも興味津々だ。
2019年10月04日世代を超えて愛され続ける名作を、ディズニーが実写映画化した『アラジン』が、10月9日(水)にMovieNEXと4K UHD MovieNEXで発売される(先行デジタル配信中)。この度、ジャファー役の日本版ボイスキャストを務めた俳優・北村一輝のインタビュー映像が公開された。公開されたインタビュー映像では、洋画の吹替え初挑戦となった北村が、収録の裏話や本作の新たなジャファー像について語っている。ジャファーは、手下であるオウムのイアーゴとともに常日頃から悪知恵を働かせ、ランプを手に入れるためならどんな手を使うことも厭わない邪悪な大臣。ディズニーの悪役として高い人気を集めるキャラクターだが、北村自身もジャファーに魅了されるファンのひとりだという。実際に演じた感想を聞くと、「ジャファー役の俳優さんが想像していたよりも若くて、声も高く、怒ったり叫んだり、感情をストレートに出していて、アニメーション版のジャファーとはまた少し違うんです」と明かす。そして、「(ジャファーが)魅力的に見えるように自分も加勢出来ればと、少しアニメーション版の“いやらしさ”みたいなところも入れたいな、と思いながら演じました」と、アニメーション版にも寄り添いつつ、新たなジャファー像を模索しながら演じたことを振り返る。また、「ジャスミンのような正義感があって凛とした女性は?」という質問には、「好きに決まっているじゃないですか(笑)」と即答。続けて、「男性、女性に限らず、ちゃんと自分の意見のある人には惹かれますよね」と持論を展開した。MovieNEXには、撮影の舞台裏や未公開シーン、NGシーン集に加えて、「スピーチレス~心の声」などのミュージック・クリップや未公開曲「デザート・ムーン」などの貴重なボーナス・コンテンツも多数収録(デジタル配信(購入)にも一部収録)。『アラジン』10月9日(水)にMovieNEX(4,200円+税)と4K UHD MovieNEX(6,000円+税)が発売。先行デジタル配信中。実写版とアニメーション版の両方を豪華デジパック仕様に収めたセット商品『アラジン MovieNEXコレクション(期間限定)』(8,000円+税)、アニメーション版をより高画質・高音質で楽しめる『アラジン 4K UHD』(5,800円+税)が同時発売。
2019年10月04日藤原竜也と鈴木亮平が、ガチの小学生役。それも、骨太な人間ドラマを描くことに定評のある劇作家・演出家の蓬莱竜太による書き下ろし、つまり2人への“あて書き”となれば、興味を抱かずにはいられない。本作『渦が森団地の眠れない子たち』は、団地が舞台。「子どもの視点で描くと、団地の世界は、戦争、恋愛、ファンタジー、ホラー、恐怖の大人たちというようなエンタテイメントに溢れていて、それを盛り込んだ群像劇、人間ドラマを描きたいという意欲です」と語る蓬莱は、自ら演出も担当。その舞台が、10月4日に開幕した東京・新国立劇場 中劇場での公演を皮切りに、佐賀・鳥栖市民文化会館 大ホール、大阪・森ノ宮ピロティホール、愛知・御園座、広島JMSアステールプラザ 大ホール、宮城・多賀城市民会館 大ホールにて上演されている。物語は、小学生の佐山鉄志(藤原)と田口圭一郎(鈴木)が住む団地で展開する。頭の回転が早く、周囲を掌握するカリスマ性に長けている鉄志と、一見おとなしいが、地頭の良さで鉄志たちを客観的に見ている圭一郎。対象的だが親友だったはずのふたりは、ある事件をきっかけに団地の王座を賭けて争うようになり……。多くの舞台に出演してきた藤原だが、蓬莱の演出を受けるのは今回が初めて。2人は普段も飲みに行く仲だそうで、そうした中で着想を得たであろう“あて書き”が、どう表現されているのか見ものだ。一方の鈴木も、蓬莱とは初タッグ。異色作となる今回、鈴木のパブリックイメージと思われる「誠実さ」や「知的さ」が作家の眼にどう映り、役へとつながったのか期待が高まる。また鉄志と圭一郎という緊張感のある関係性は、藤原と鈴木という大看板同士、かつ同学年だからこそ、いっそう楽しめること必至。鉄志たちの行動は時折短絡的で、そこはやはり“子供”なのだが、その大元にある動機は大人と同じ。いわく、見栄や保身、虚勢、欲望、そして駆け引きだ。藤原と鈴木が、それらのリアルをどう見せてくれるのか。蓬莱の自在な筆致にも注目したい。文:佐藤さくら
2019年10月04日さまざまメディアミックス展開によってその世界を広げる『HiGH&LOW』と、大人気漫画『クローズ』『WORST』がクロスオーバーしたアクション『HiGH&LOW THE WORST』が本日より公開。『HiGH&LOW』シリーズの久保茂昭が監督を務め、川村壱馬、志尊淳、山田裕貴といった、方々から注目を集める若手俳優が一堂に会した作品だ。累計7500万部を突破する『クローズ』『WORST』は、高橋ヒロシによる不良漫画の金字塔。本作では、『HiGH&LOW』の世界に登場する通称“漆黒の凶悪高校”である鬼邪高校と、『クローズ』『WORST』でお馴染みの、幹部以外が全員スキンヘッドの最強軍団・鳳仙学園が衝突し、彼らが激しくぶつかり合う様が描かれる。『HiGH&LOW』シリーズお馴染みの鬼邪高校定時制の番長・村山役に山田、鳳仙学園のトップ・上田佐智雄役に志尊、そして鬼邪高校全日制の覇権を狙う転入生・花岡楓士雄役には、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカルの川村が大抜擢されている。その他、鬼邪高校定時制組には一ノ瀬ワタル、鈴木貴之、清原翔、全日制に前田公輝ら馴染みのメンツが出演。さらに吉野北人、佐藤流司、神尾楓珠らが新たな全日制の生徒役として登場する。そして、最強軍団・鳳仙学園には、塩野瑛久、葵揚、小柳心、荒井敦史といった期待の俳優陣が登場し、学園トップを演じる志尊の脇を固める。さらには、白洲迅、富田望生、矢野聖人、箭内夢菜らも登場。彼らが本作のキーとも言える、重要な役どころを担っているのだ。企画プロデュースを『HiGH&LOW』シリーズのEXILE HIROが、監督&アクション監督も同シリーズの久保&大内貴仁のタッグが務め、最上級のアクション映像がお目見えとなる。脚本は高橋と『HiGH&LOW』の脚本チームとが共同で作成し、『クローズ』『WORST』の戸亜留市と、『HiGH&LOW』のSWORD地区という、両シリーズの主な舞台となった街が交差した世界を構築。ド派手なアクション、仲間同士の熱い友情、そして何より若い俳優たちから繰り出される圧倒的な熱量は、ぜひとも大きなスクリーンで体感して欲しい。『HiGH&LOW THE WORST』本日より公開※原作者の高橋ヒロシの高は、正式にははしごだか。
2019年10月04日一番憎むべき狂気とは、あるがままの人生にただ折り合いをつけてしまって、あるべき姿のために戦わないことだ……。そんなメッセージがずっしりと胸に響く骨太のミュージカル、『ラ・マンチャの男』。スペインの国民的小説『ドン・キホーテ』を原作に、1965年にブロードウェイでミュージカル化され、翌年のトニー賞に輝いた。日本では1969年より、松本白鸚の主演により断続的に上演され続け、今年でなんと50周年。1970年にはブロードウェイの舞台にも立った経験を持つ白鸚が、喜寿にして4年ぶりのドン・キホーテ役に挑む。舞台は16世紀末のスペイン。セビリアの牢獄では、セルバンテスが従僕ともども投獄されようとしている。セルバンテスが申し開きのために思い立ったのは、囚人全員を配役した即興劇。その主役である、本の読み過ぎでとんでもない計画を思いついた田舎の老人アロンソ・キハーナが扮する男こそ、遍歴の騎士ドン・キホーテだ。悪を滅ぼさんがため、従僕のサンチョを連れて旅に出たキホーテの求める夢とは、そして真実とは……。現実世界と劇中劇の世界が交錯する重厚な物語が、ドラマティックな音楽とともに繰り広げられていく。松本白鸚の圧巻の熱演が見逃せないのはもちろんのこと、今回は宝塚歌劇団を2009年に退団以降、女優としての力量と存在感を増し続けている瀬奈じゅんが、ヒロインにあたるアルドンザ役に初めて挑むことも話題。注目の公演は、本日10月4日に東京・帝国劇場にて開幕する。文:町田麻子
2019年10月04日