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阿佐ヶ谷スパイダースの新作公演、長塚圭史作・演出による『桜姫〜燃焦旋律隊殺於焼跡(もえてこがれてばんどごろし)〜』が9月10日、東京・吉祥寺シアターにて開幕する。四代目鶴屋南北が手がけた歌舞伎の人気演目『桜姫東文章』を原作とした長塚作品と聞いて、十年前、2009年に上演された、故・中村勘三郎、大竹しのぶ、白井晃らが出演した舞台『桜姫〜清玄阿闍梨改始於南米版(せいげんあじゃりあらためはじめなんべいばん)〜』を思い出した人もいるだろう。本作は、その十年前の公演の際に長塚が書き上げていて、上演されなかったもうひとつの『桜姫』である。長塚に話を訊いた。「書き上げたといっても、推敲する前の段階でしたけど。それがさまざまな理由で採用されず、南米版を新たに書くことになった。それ以降、こっちの『桜姫』についてはすっかり忘れていたんです。だってこれに執着していたら次の作品が書けないから、切り替えていかないとね。僕は、過去のことを忘れる能力に長けているので(笑)」埋没していた未発表作品を掘り起こしたのは、当時、推敲前の戯曲を読んでいた劇団員で演出助手の山田美紀だ。今、形にするに至った経緯には、一昨年に阿佐ヶ谷スパイダースが“劇団”として再始動したことも関わりがあるようだ。「このような過去のプロデュース公演などで、自分の中で心残りのあるものにもう一度、スポットを当ててみる。そうした試みを劇団でやってみたらいいなと思っていたんですよね。以前の僕には、次から次へと新作を書き飛ばす……といった時代があった。それらをもう一回見直して、きちんと作品化する。その時も作ってはいたけれど、書きあがったらすぐに短期間で立ち上げる……といったことをしていたわけだから。もうちょっと冷静になって作り上げたい、ずっとそう考えていたんですね」奇しくも今回、2006年に長塚が書き下ろした戯曲『アジアの女』の再演が重なっている。「自分がかつて書いたものを眺める機会が続きました。恥ずかしさもあるけど、やっぱりその時の思考、エネルギーは面白いし、どちらも僕にとっては転機となった作品。考えてみたら、原作モノを扱って書いたのは『桜姫』が初めての経験でしたね」十年前の自作を改訂していく作業は「自分を疑うというより、信用してみる」感覚だったという。「原作の『桜姫東文章』自体が荒唐無稽で、これを現代劇にするにはどういうやり方がいいんだろう?と自分なりに考えた痕跡があって、それを見つめるのが面白いですね。当時は、演出は串田(和美)さんがやるんだから演出家が勝手になんとかやればいいと、僕も乱暴に書いていて(笑)。とんでもなく荒唐無稽なことを書いているから大変なんですけど、なんだかあの時の串田さん、勘三郎さんと対話しているような気もして、面白いんです」稚児白菊との心中に失敗して生き残った高僧清玄は、後に出会った高貴な生まれの桜姫を白菊の生まれ変わりと信じて執着する。桜姫は、かつて自分を凌辱した盗賊・権助に焦がれ、再会して夫婦になるも女郎として売られることに……。この奇天烈な原作を、長塚は戦後占領下の東京を舞台とした物語に移し替え、大胆に改稿。不思議な楽隊に導かれるようにして嬉々と堕ちてゆく美しき桜姫、彼女を追いかける聖人・清玄、運命に巻き込まれていく極悪人・権助ほか、生への執念をたぎらせた人々が痛快に絡み合うドラマとして再生した。その展開の鮮やかな飛躍に、長塚圭史の真髄が覗く。「今、立ち稽古をやっていて、荒唐無稽でムチャクチャだし、ほとんど血まみれだったりするんだけど、そんなに違和感がないんですよね(笑)。鶴屋南北が書いたこの突拍子もない世界と、相性がいいのかもしれない。歌舞伎についてアドバイスをいただいた国文学の先生によると、いわゆるその時代の世相をアレンジして歌舞伎は作られていると。それはどうしたって現代劇には通用しないから、だったらもう思い切って変えてしまう。カブいていいわけですからね。意外と違和感なく、工作を作るように人物の関係性をつなげて、立ち上げていっていますね。その中で、僕が戦後という時代にしたかった思いは何なのかが、段々と明確になって来ています。清玄は、白菊とともに死ねずに生き残った生命力、そして後に殺されても幽霊になってまで桜姫に纏い付く生命力がある。桜姫は、私の人生はこれじゃない、もっとスリリングに、ドラマチックに生きたいと願う、その熱量はつまり生きることへの渇望です。獣みたいな権助は、戦争でおそらく人を殺して来ている。彼はもう理屈じゃなく、人を殺してでも生きていくしかない。そんな彼らの思いは、戦後の、本当だと思っていたことが全部嘘になってしまったあの時代、ひっくり返ってしまった世の中を、どうにか生き抜こうとするエネルギーに繋がっていくんじゃないかと思うわけです。やっぱり人を殺してでも僕らは生きたい、そういう理不尽な生き物なんだと。そのことに僕らは向き合って生きていくしかない、今、そんなことを思いながら稽古をしています」物語の鍵を握る“楽隊”、その音楽を、数々の長塚作品を支えてきた強力な助っ人、荻野清子が手がけている点にも注目だ。「荻野さん、最高ですよ。楽器は、ウクレレとクラリネットと段ボールの太鼓とピアニカ。そんな編成で本当に楽隊になるのかな、どうなることやら……と最初は思ったんだけど、やっぱり楽譜が良ければなるんですね(笑)。素敵な曲を作ってくれて、ある種の見世物小屋みたいな光景が楽隊に重なる……そんなイメージの広がりを見せています」桜姫を演じる藤間爽子をはじめとする若手の面々に、中村まこと、村岡希美などの巧者が混ざって、14名の劇団員キャストで放つ新作舞台。熟考して積み上げた芝居、全員の生きるエネルギーの結実を、ぜひ見届けたい。主要スタッフも劇団員である。どうやら阿佐ヶ谷スパイダースの“劇団員”は今後も増え続けていくらしい。「今も増えていて、幽霊みたいに(笑)精神だけは共にしている、って人もいる。僕が認識できるのは100人程度だと思うので、100人くらいの集団で、公演によって伸び縮みしながらやっていけたらと思っていますね。ただ、劇団って閉じていく傾向があるので、閉じないように、でもいたずらに肥大しないで……と、試行錯誤してやっていくしかない。今回みたいな荒唐無稽な作品に劇団の皆が頭を使って、必死になって考えている光景はいいな〜と思って(笑)。これからも、劇団でしかできない公演をやっていくつもりです」取材・文:上野紀子
2019年09月04日エミリー・ブラントが恋愛映画に主演することになった。タイトルは『Wild Mountain Thyme』で、お相手役は『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のジェイミー・ドーナン。ドーナンの父役をクリストファー・ウォーケン、ブラントの父役をジョン・ハムが演じる。原作は、ジョン・パトリック・シャンリーが書いた舞台劇。映画版でも、シャンリーは脚色と監督を務める。撮影は今月末、アイルランドでスタートの予定だ。ブラントの次回作は、来年公開予定のディズニーの超大作『ジャングル・クルーズ』。文=猿渡由紀
2019年09月04日スペインのピアニストといえば、かつて一斉を風靡した美しき名手アリシア・デ・ラローチャ(1923-2009)の名前を思い出す。彼女亡き後のスペインピアニズムは一体どうなってしまったのだろう。などと思っていた矢先に現れたのがホアキン・アチュカロだ。と言いつつ1932年生まれのアチュカロとラローチャとの年齢差はわずか9歳。見方を変えれば、これまでラローチャの影に隠れていた大器にようやく光が当てられたとも言えそうだ。今回の公演では、モーツァルト、ベートーヴェン&ショパンの名曲のほか、得意とするスペインのグラナドス&アルベニスなどの作品が披露される。まさにスペインピアニズムの継承者を堪能するにふさわしいラインナップだ。老いてなお色気を感じさせるスペイン人特有のダンディズムも合わせて堪能したい。◆公演概要9月9日(月)日経ホール「ホアキン・アチュカロピアノ・リサイタル/第488回日経ミューズサロン」●ホアキン・アチュカロ(ピアノ)Joaquin Achúcarro:1932年スペイン・ビルバオ生まれ。59年リヴァプール国際コンクール優勝。以来、世界中の著名ホールでベルリン・フィル他と共演。C.アバド、R.シャイー、C.デイヴィス、Z.メータ、小澤征爾、S.ラトルら指揮者が信頼を寄せる世界最高の巨匠のひとり。2014/15シーズンは北米、南米、ヨーロッパ、アジアなど12か国で演奏、ヴェルビエ音楽祭へ参加、リスボンでは4つの協奏曲を10日間で演奏し大成功を収める。CDはホアキン・ロドリーゴ唯一のピアノ協奏曲ほか多数、DVD「アチュカロ・プレイズ・ブラームス」(C.デイヴィス指揮ロンドン響)や「ファリャ&フレンズ」(S.ラトル指揮ベルリン・フィル)でも見事な音楽性を披露。2000年《平和のためのユネスコ・アーティスト》に選出。2003年スペイン国王より国家功労十字勲章を授与。イタリア・シエナのキジアーナ音楽院名誉教授、同院国際サマーコースの専任講師。1989年より南メソジスト大学(アメリカ・ダラス)の名誉教授。www.achucarro.com
2019年09月04日本日よりMovieNEXで発売が開始される、『アベンジャーズ/エンドゲーム』。この度、MovieNEXに収録されるボーナスコンテンツの中から、あのシリアスな本編からは想像できない、爆笑必至の貴重なふたつのNGシーン集が公開された。前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の興行収入をわずか10日間で抜くという、驚異のスピードで日本中を席巻。この記録破りの大ヒットで映画界の歴史を塗り替えた超大作が、本作『アベンジャーズ/エンドゲーム』だ。本作では、最凶の敵サノスを倒すために再び集結したアベンジャーズが、それぞれの葛藤と戦い、大きな犠牲を払いながら、最後にして最大の逆襲を成し遂げるストーリー展開で、世界中の人々を感動と興奮の渦に巻き込んだ。公開となった映像では、ワンダ・マキシモフ役のエリザベス・オルセンが転んでしまう様子や、ソーの母親を演じたレネ・ルッソやアイアンマン役のロバート・ダウニー・Jr.が奇声を発するという、本編では決して見ることができないキャストたちの意外な一面を見ることができる。宙づりで飛行シーンを撮影するキャプテン・マーベル役のブリー・ラーソンは「クールに見える?それなら我慢する」とジョークを飛ばす。本編ではサノスの艦隊を貫く大活躍を見せるのだが、とてもそんなスーパーパワーがあるとは思えない姿に、思わず笑ってしまうこと間違いなしだ。ダウニー・Jr.は、車のトランクからキャプテン・アメリカの盾を取り出すシーンで大苦戦。さらにガモーラ役のゾーイ・サルダナをはじめ、キャプテン・アメリカ役のクリス・エヴァンス、ブラック・ウィドウ役のスカーレット・ヨハンソン、そしてエンシェント・ワン役のティルダ・スウィントンまで、豪華キャスト陣がノリノリでダンスする様子も収められている。撮影現場の雰囲気の良さはもちろん、キャスト同士の強い信頼関係があるからこそ、複雑なアクションシーンやシリアスな演技を可能とし、全世界歴代興収ランキング1位という偉業を成し遂げることができたのだ。この度発売されるMovieNEXは、Tシャツ、ピンバッジ、ポスター、手ぬぐいなど、貴重なアイテムが目白押しの限定グッズとセットになったものも発売される。また、同日発売の『MCU ART COLLECTION』にも、Amazon限定でオリジナルマグネットとのセット商品や、本日から予約受付を開始する、シリーズ20作とオリジナル収納ケースなどをセットにした“ユーキャン『マーベル・スタジオ・ブルーレイ・コレクション』”なども登場。限定アイテムと一緒に、『アベンジャーズ/エンドゲーム』MovieNEXやMCU作品を楽しむことができる。本作の初回限定のボーナスディスクには、今回公開された映像の他にも、『スタン・リーの功績』をはじめ、製作の舞台裏や未公開シーン、ファン必見の貴重映像が多数収録(デジタル配信(購入)にも一部収録)されている。『アベンジャーズ/エンドゲーム』本日より発売『アベンジャーズ/エンドゲームMovieNEX』/4,200円+税『アベンジャーズ/エンドゲーム 4K UHD MovieNEX』/8,000円+税『アベンジャーズ/エンドゲーム 4K UHD MovieNEXプレミアムBOX(数量限定)』/10,000円+税先行デジタル配信中
2019年09月04日10月18日(金)より日米同時公開となる、『マレフィセント』の待望の続編『マレフィセント2』。この度、出演者のひとりであるエル・ファニングのコメントが公開された。ディズニー・クラッシック・アニメーションの金字塔として、半世紀以上も世界中で愛され続けている『眠れる森の美女』に隠されていた“禁断の呪い”が生んだ究極の愛の物語を描き、全世界で空前の大ヒットを記録した『マレフィセント』。前作に続きオーロラ姫を演じるのは、日本でもキュートなルックスで人気を誇る女優のファニングだ。ファニングは、マレフィセントを演じるアンジェリーナ・ジョリーをまるで本当の“母”のように慕っており、憧れの存在だそう。ファニングは「アンジェリーナみたいな人になりたいって思うわ。彼女は監督もするし、『マレフィセント』シリーズの製作総指揮も務めている。彼女の近くで学ばせてもらって、私もいつか映画監督をやってみたいと思うようになったの」と、ジョリーから影響を受けたことと大きな野望を明かした。ファニングは2歳の時に映画『I am Sam アイ・アム・サム』で女優デビューして以来、ハリウッドの第一線で女優として活躍。これまでキアヌ・リーヴスやニコール・キッドマンなど数々のハリウッドスターたちと共演してきたが、本作で2度目の共演となるジョリーには特に強い憧れを抱いているという。前作で撮影した時にエルはまだ14歳だったが、ジョリーの役と向き合う姿に衝撃を受けたそうで、「彼女はマレフィセント役を体に染み込ませるために、リハーサルの時から大きな杖を持っていたの。カメラが回っていない所でもキャラクターになりきっていたわ。衣装もキャラクターにぴったりのものを選んだり、メイクを決めることにもたくさんの時間をかけたり、細部にまでこだわっていた。役に全力を注ぐ彼女の姿勢を覚えておかないとって思ったし、私もアンジェリーナみたいになりたいと強く思ったの」と振り返る。そして21歳になった現在、ジョリーと再共演を果たした彼女は、女優としてのジョリーだけでなく、“女性”としての生き方に憧れるようになったそうだ。「アンジェリーナは女優として素晴らしいだけでなく、世の中の人のために色んなことをしているでしょ。そういう人に私もなりたい。彼女にしかできない方法で、世界中の人のためになることをしていて、私は彼女のそんな素晴らしいところに憧れているの。それに女優だけでなく、映画も撮っていて本当に凄いわ。自分でプロジェクトを動かしたいし、映画監督もやってみたい。まだまだ達成していない“夢”がたくさんあるのよ」と語る。本作の撮影中のオフショットをインスタグラムにアップするほど仲良しのふたりだが、ファニングはジョリーから生き方も学んだようで、本作での再共演も楽しみが膨らむばかりだ。さらにファニングは、ジョリーが自分の意志をはっきりと発言する姿を撮影現場で見て、彼女も本作ではオーロラ姫役について色んな意見を言うことができるようになったそう。「撮影現場でのアンジェリーナの様子は凄く勉強になるから、ずっと観察してお手本にさせてもらっているの。何事においても自分の意志を持っていて、はっきりとした意見を貫く。そんな姿を見て、私もオーロラ姫が本作ではどんな風に大人の女性に成長して、どんな気持ちなのか、衣装などについても意見を言えるようになったのよ」と明かしている。そんなファニング演じるオーロラ姫とマレフィセントは真実の愛を見つけたはずだったが、本作では“めでたし、めでたし”では終わらない『眠れる森の美女』の新たな伝説が描かれる。オーロラ姫は前作で結ばれたフィリップ王子とめでたく結婚することに。しかしその婚礼には、真実の愛によって母と娘のように結ばれたマレフィセントとオーロラ姫の絆を引き裂き、妖精界を滅ぼそうとするイングリス王妃による恐るべき罠が隠されて いた……。結婚式の日、迫り来る危機から愛するオーロラ姫を救うため、マレフィセントの“究極の愛”が試される。『マレフィセント2』10月18日(金)より全国公開
2019年09月04日《麗子像》などで知られる岸田劉生の没後90年を記念した大回顧展『岸田劉生展』が開幕。10月20日(日)まで東京ステーションギャラリーで開催された後、山口県立美術館(11月2日〜12月22日)、名古屋市美術館(2020年1月8日〜3月1日)に巡回する。日本の近代美術を代表する画家、岸田劉生(1891〜1929)。没後90年を迎えて開催される同展では、初期から最晩年までの厳選された名品が一堂に会する。監修の山田諭氏(京都市美術館学芸員)によると、「日本の近代美術が常にフランスの近代美術を後追いしていた時代に、劉生はただひとり、自己の価値判断によって、自己の歩む道を選択し、自己の絵画を展開していった」と言う。劉生のほとんどの作品は、画面に残されたサインや日記から制作年月日が明らかになっており、同展ではほぼ制作年代順に作品を展示。そうすることで、劉生がどの時期に、どのような刺激を受けて、自身の画風を意識的に変転していったのか、その歩みを理解できるようになっている。第1章では、独学で水彩画を制作していた劉生が、黒田清輝が主催する研究所で本格的に油彩を学び、雑誌『白樺』からゴッホやゴーギャン、マチスら後期印象派の画家たちから衝撃を受けた時代の作品を紹介する。東京ステーションギャラリー()
2019年09月04日現在放送中のドラマ『あなたの番です -反撃編-』で田中圭が演じる、手塚翔太による主題歌『会いたいよ』が本日9月4日に発売となる。『あなたの番です』は日本テレビで25年ぶりとなる、2クール連続ドラマとして4月からスタート。原田知世と田中圭が演じる、年の差新婚夫婦が交換殺人ゲームに巻き込まれていくミステリー作品だ。企画・原案は秋元康が務めている。展開と謎解き要素の奥深さで人気を集め、第一章最終回の放送時にはTwitterで「#あなたの番です」が世界トレンドランキング第1位を獲得。放送中の第二章『反撃編』の初回放送は、放送開始から前章からの最高視聴率を記録した。田中が演じる主人公の手塚翔太は妻の菜奈を殺され、犯人を突き止めるため立ち上がるスポーツジムのトレーナー。彼が歌う『会いたいよ』は7月の配信スタートから、1時間足らずでiTunes総合ランキング1位を獲得した。楽曲はもう会えない恋人を想う、切ないバラードとなっている。■リリース情報手塚翔太『会いたいよ』9月4日発売●初回限定盤CD01.会いたいよ02.Bookmark03.川沿いの道04.会いたいよ(Instrumental)05.Bookmark(Instrumental)06.川沿いの道(Instrumental)DVD01.「会いたいよ」Music Video02.Making of「会いたいよ」●通常盤CD01.会いたいよ02.Bookmark03.川沿いの道04.会いたいよ -Piano Only Ver.-
2019年09月04日19世紀にドイツの修道院で発見された、13世紀初期に南ドイツで書き写されたものとされる詩歌集、『カルミナ・ブラーナ』。ミュンヘンの出身の作曲家、カール・オルフ(1895~1982)がこれに基づいて書き上げた同名のカンタータはあまりにも有名で、映画作品などでも頻繁に使用されている。このカンタータに魅了されたのが、今や世界的スターダンサーであるだけでなく、演出家としても高い評価を得る熊川哲也。「全曲を聞き終わった瞬間に、バレエ作品として構築するためのアイデアが溢れ、たった1時間で全曲の構想をまとめてしまった」という彼が構成・演出・振付を手がける『カルミナ・ブラーナ』が、本日9月4日から2日間にわたって東京・オーチャードホールで上演される。中世ラテン語とドイツ語の詩や風刺作品などで構成された、遍歴の神学生が書いたとされる詩歌集の内容は、開放的に自然を謳歌した彼らの思想が反映されたもの。だが熊川がオルフの音楽から受けたイメージは、「女神フォルトゥーナの子は、悪魔であった」という発想から始まる型破りなものだった。母である女神フォルトゥーナ(中村祥子)を失脚させて人間界に紛れ込み、世界を操って悪を蔓延させる悪魔アドルフ(関野海斗)と、運命に立ち向かう人間たち。熊川が大曲に授ける、新たな物語の結末とは……。Bunkamuraの開業30周年を記念した公演とあって、熊川とタッグを組むのも話題の面々ばかり。衣裳・美術デザインを手がけるのは、ダンサーからデザイナーに転身し、マクヴィカー演出のオペラ『アイーダ』やウィールドン振付のバレエ『DGV』などで頭角を現してきたジャン=マルク・ピュイッソン。指揮はイタリアの新星アンドレア・バッティストーニが務め、Bunkamura開業以来のフランチャイズカンパニーである東京フィルハーモニー交響楽団が、昨年新たにフランチャイズカンパニーとなったK-BALLET COMPANYと初の本格共演を果たす。ダンサー、歌手、合唱、オーケストラの合計人数は250名を超えるとのことで、記念イヤーに相応しい、大規模で贅沢な公演になりそうだ。文:町田麻子
2019年09月04日ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演した同名ハリウッド映画を原案にした感動のヒューマンドラマ『最高の人生の見つけ方』のジャパンプレミアが9月3日、東京・六本木ヒルズアリーナで行われ、共演する吉永小百合と天海祐希が出席した。主婦として人生のほとんどを家庭のために捧げてきた幸枝(吉永)と、仕事だけに駆け抜けたセレブ社長・マ子(天海)。余命宣告を受けたふたりが、同じ病院で出会った少女の「死ぬまでにやりたいことリスト」を代理で実行しようと珍道中を繰り広げ、“生きる喜び”に目覚めていく。レッドカーペット上でファンと交流した吉永は「宝塚のスターになった気分」と満面の笑み。天海も「幸せな気持ちにさせていただいた」とファンの熱気に感謝を示した。ふたりの共演は『千年の恋・ひかる源氏物語』以来18年ぶり。「ずっと“兄貴”についていった。かっこいい方。前回はあまり共演シーンがありませんでしたが、今回は毎日一緒で」(吉永)、「現場にいたら、吉永さんがいるんですよ。夢のような毎日でした」(天海)と撮影の日々を振り返っていた。ジャパンプレミアには共演するムロツヨシ、ももいろクローバーZ、 前川清、犬童一心監督(『引っ越し大名!』)が出席。劇中には吉永と天海、ムロがももいろクローバーZのステージに登場するシーンがあり、吉永は「わたしもモノノフ(ファンの通称)ですから。1万2000人のお客様の前で、踊ってしまって(笑)。一生に一度のこと」。撮影は極秘だったが、ファンから情報が洩れることはなく、ムロは「このSNSの時代に……。本当にありがとうございます」とモノノフたちに感謝していた。吉永の推薦で、夫婦役が実現した前川は「ずいぶん迷惑をかけました。実際、最初は自信がなくてお断りしたんです」と回想。それでも「吉永さんからいただいたお手紙、今も大切にしています」とにっこり。犬童監督は「まさか自分の人生で、吉永さんの映画を撮れるなんて、ふと我に返ると想定してなかった。でも、すばらしい映画が出来上がりました。映画を撮り始めた17歳の頃の自分に教えてあげたい気持ち」と瞳を輝かせていた。取材・文・写真:内田 涼『最高の人生の見つけ方』10月11日(金)より全国公開
2019年09月03日アーロン・ソーキン監督による『The Trial of the Chicago 7』のキャストが固まってきた。現在までに決まっているのは、エディ・レッドメイン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、サシャ・バロン・コーエン、マーク・ライランス、フランク・ランジェラら。ほかにマイケル・キートンの名も囁かれている。映画は1969年の反戦活動家たちに対する裁判を描くものだ。ソーキンが書いた脚本には何人かの名監督が興味を示しており、一時はスティーヴン・スピルバーグが監督する予定だったが、最終的にソーキンが監督も兼任することになった。撮影開始は来月からで、来年秋の大統領選を狙って公開されるのではと見られている。文=猿渡由紀
2019年09月03日稲垣吾郎主演舞台『君の輝く夜に ~FREE TIME,SHOW TIME~』が8月30日に東京・日本青年館ホールで開幕した。今作は2012年、2014年、2016年と上演された稲垣主演の舞台『恋と音楽』シリーズのクリエイター陣が再びタッグを組んだもの。作・演出に鈴木聡、音楽は鬼才のジャズピアニスト・作曲家の佐山雅弘が担当。2018年夏に京都で上演されて好評を博した作品が、さらにパワーアップを遂げていよいよ東京にお目見えとなった。昨年と同じく、主演の稲垣吾郎を、共演の安寿ミラ、北村岳子、中島亜梨沙という3人の実力派女優が囲む布陣。2部構成の音楽劇の合間にショウタイムが入り、音楽は舞台上での生演奏。ショウアップされたエンタテインメント作品となっている。初演から1年近く時間が空いての再演となったが、初日公演前の囲み取材では「去年京都で1カ月公演をしているので、スタート地点が違う。より良い、さらに磨きのかかったものになっていると思います」と稲垣。安寿も「1年経って寝かせたというか、熟成した4人のチームワークはバッチリなので、いい初日を迎えられると信じております」とコメント。中島も「京都の時よりもさらに人の関係がパワーアップしているので、楽しみにしてください」と語れば、「練りこんで寝かせて、良いものをお見せできるように頑張りたいと思います」と北村も自信を覗かせる。また、新しい地図のふたり、香取慎吾と草なぎ剛も観にくるのかと問われ、「多分……そうですね、もちろん来てくれると思います」と稲垣が一瞬照れる様子も。昨年の京都公演にはふたりが訪れていたらしいが、どうやらふたりに今作を観られるのは緊張するようで、「歌とか踊りって、ずっとグループでやってきたものだから。お芝居は昔からひとりでやらせてもらってきたけど、歌と踊りをふたりに見られるのはなんとも言えない小っ恥ずかしさがあり。でもピリッと引き締まります。恥のないようにやりたいと思いますし、逆に頑張れるかなと」と、長く活動を共にしてきたメンバーならではの思いを語った。音楽劇の舞台は、国道沿いにある海の見えるダイナー兼ホテル。稲垣演じる男性客が店を訪れ、店の女主人や逗留客の若い美女、ふらりと店を訪れた謎の女社長らと、夏の終りのひとときを過ごすこととなる。男性客・ジョージにはこの店を訪れた理由があり、それは「10年前に別れた恋人とここで再会の約束をしている」というもの。また、女性たちもそれぞれ過去や事情を抱え、ジョージは再会の時を待ち焦がれながら、彼女らと会話を交わしていく……という物語だ。少しチャラいけれどもナイーブさを抱えたジョージには、まさに稲垣のキャラクターがぴったり。また、コメディエンヌぶりをいかんなく発揮している北村、凛とした佇まいで“大人の女性”の存在感を見せつける安寿、弾けるような天真爛漫さが魅力の中島と、女性陣のキャラクターがまさに三者三様。ジョージが抱えた“大人の恋”の顛末を、歌い踊りながら彩っていく。1幕と2幕の間に入るショウタイムも、見どころがたっぷりだ。全員がデザイン違いの白い燕尾服に身を包み、『ニューヨークニューヨーク』や『マック・ザ・ナイフ』など誰もが知るスタンダード・ナンバーを歌い踊っていく。ときに芝居仕立てでコミカルに、ときにしっとりと繰り広げるナンバーはなんとノンストップで14曲!今回のショウタイムは京都公演から時間が10分拡大されたとのことで、よりパワーアップした構成に。それぞれ活動してきたフィールドは少しずつ違うものの、“歌とダンス”という共通の分野で活躍を続けてきた4人だけに、そのクオリティは折り紙付き。特に稲垣と北村のタップダンスや、『イパネマの娘』や『スマイル』などをソロで歌い上げるなど、稲垣ファンにはたまらないシーンが満載だ。実は今作の音楽監督である佐山が昨年11月に64歳の若さで逝去。今回の公演は彼への追悼の意が込められているが、会見で稲垣が「暗い雰囲気は佐山さん自身が好きではないと思う。今日の初日、本番も一番の特等席で観劇して欲しい」と語ったように、出演者全員の想いが伝わってくるようなパワフルな舞台となっている。夏の終わりにぴったりの贅沢なエンタテインメント作品、ぜひたっぷりと楽しもう。同会場にて9月23日(月)まで上演される。取材・文:川口有紀
2019年09月03日文学座が上演する『スリーウインターズ』は、クロアチア・ザグレブ出身の女性作家、テーナ・シュティヴィチッチが描く、ある家族の4世代にわたる物語。第二次世界大戦直後から、グローバリズムの波に飲み込まれてゆく現代まで、クロアチアの3つの時代を背景に、生き方を模索する女性たちの姿が綴られる。上演会場は、約70年にわたって数々の意欲的な舞台を生み出してきた文学座アトリエ。本日9月3日、ベテランから若手までそろう座組みによって、いよいよ初日の幕を開ける。第二次世界大戦後の1945年、ザグレブ。ローズは、かつてナチスの協力者だったブルジョワジーの家を手に入れる。この家は、ローズの母親がメイドとして働き、ある事情から追い出された家でもあった。時は移り、ユーゴスラビア分断が決定した1990年、さらにクロアチアがEUに加盟をした2011年と、ローズを取り巻く状況は大きく変化してゆく。人々は、そして女たちは、この3つの冬をどう受け止め、生きたのか。2014年にロンドン・ナショナルシアターで初演、2016年にはクロアチア国立劇場でも上演された本作。日本初演となる今回の演出を手がけるのは、文学座の演出家・松本祐子だ。文学座アトリエの会では、『ペンテコスト』『ホームバディ/カブール』など異文化間の対立を描いた問題作を発表してきた松本。外部公演でも、新たな視点による『ピーターパン』の演出で、第47回毎日芸術賞千田是也賞を受賞するなど、戯曲の魅力を引き出す手腕に定評がある。アトリエ公演という密な空間で、どんな物語を紡ぎだしてくれるのか期待はふくらむ。そしてこのたび、シュティヴィチッチの来日が急きょ決定。9月4日13:30の回の終演後に、シュティヴィチッチと松本のアフタートークが開催される(別日のチケットでも参加可能)。女性にとっての“自分らしさ”や幸せのありようが大きく変化するなか、著作が10カ国語で翻訳され、ますます注目が高まるシュティヴィチッチの戯曲。日本の観客にとっても、多くの示唆を与えられる舞台となるに違いない。文:佐藤さくら
2019年09月03日南北戦争時代の米マサチューセッツを舞台に、牧師として従軍中の父を待つマーチ家の四姉妹が、家族や周りの人々に支えられながらそれぞれに成長する姿を描く『若草物語』と『続・若草物語』。ルイーザ・メイ・オルコットによるこの世界的名作小説を原作に、2005年にブロードウェイで初演されたミュージカルの日本語版『Little Women ~若草物語~』が、本日9月3日東京・にシアタークリエで開幕する。日本オリジナルミュージカル『生きる』でその才能を見せつけた作曲家、ジェイソン・ハウランドの代表作としても知られる作品だ。女性が職業を持つことがまだ稀だった時代に、小説家という夢を抱いて突き進む情熱の主人公、次女のジョーを演じるのは朝夏まなと。優しくおしとやかな長女メグには彩乃かなみ、病弱だが芯の強い三女ベスには乃木坂46の井上小百合、おしゃまで生意気な末っ子エイミーにはフェアリーズの下村実生と、イメージ通りのキャストが揃った。姉妹の“5人目のきょうだい”となる少年ローリーにジャニーズJr.の林翔太、メグと恋に落ちるジョンに川久保拓司、そしてジョーが下宿先のニューヨークで出会うベア教授にはLE VELVETSの宮原浩暢と、男性陣も適材適所。ここに姉妹の母役の香寿たつき、おば役の久野綾希子、ローリーの祖父役の村井國夫を加えた10人が、時には別の役にも扮しながら物語を紡ぐ。演出を務めるのは、多くのコンサートやショーを手がける一方、近年では『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』などの大作ミュージカルの日本語版でも手腕を発揮している小林香。心温まる少人数ミュージカルに、丁寧で細やかな演出が光る彼女とはやはり適役で、良質な日本版の誕生に期待が高まる。文:町田麻子
2019年09月03日w-inds.が、本日9月3日に神奈川県民ホールにて、「w-inds. LIVE TOUR 2019 “Future/Past”」を行う。w-inds.は、橘慶太、千葉涼平、緒方龍一からなる3人組ダンスボーカルユニット。2001年3月14日にシングル『Forever Memories』でデビュー。同年リリースした1stアルバム『w-inds.〜1st message〜』はオリコンチャート1位を記録。その功績が認められ第43回日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。これまでに日本レコード大賞の金賞を7回、最優秀作品賞を1回受賞、NHK紅白歌合戦には6回の出場を果たしている。その活躍は国内に留まらず、中国や台湾・香港などの東南アジア全域に拡がり、これまでに台湾で7公演、上海で2公演、香港で10公演の海外単独公演を実施。台湾ではアルバム4作連続総合チャート1位を記録し、日本人として初の快挙を達成。香港でもIFPI香港トップセールス・ミュージックアワードにてベストセールス・リリース日韓部門でアルバム12作連続受賞という史上初の快挙を成し遂げ続けている。今回は7月31日に発売された41枚目となるシングル『Get Down』を引っさげた、全国11カ所を巡るツアー。『Get Down』は、橘慶太が作詞・作曲した楽曲の中でも最も激しいダンスナンバーとなっており、ライブでの披露も見逃せない。w-inds.の破竹のような勢いを体感できるライブになりそうだ。■公演日時「w-inds. LIVE TOUR 2019 “Future/Past”」9月3日(火)会場:17:30/開演:18:30場所:神奈川県民ホール
2019年09月03日つねにその表現を更新しながら、彼らにしかできない演劇で現在を照射する劇団・快快(ファイファイ)が新作『ルイ・ルイ』を9月8日からKAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて上演する。快快の主宰であり脚本を担当する北川陽子に話を聞いた。約2年半ぶりの公演となる今作には、異例な要素がたくさんある。まずキャストにぬいぐるみがいること。「キャストがなかなか決まらないなかで、いちばん最初に決まったのが片岡メリヤスさんのぬいぐるみ。とにかく舞台上に“いろんな存在”を出したいと思っていたときにInstagramで見かけて、快快のみんなに提案したら“いいね!”ってなりました」ぬいぐるみの声を演じるのは、御年83歳のラジオスター・毒蝮三太夫。起用の理由は「シンパシー」だという。「この公演が決まるずっと前、快快メンバー全員で毒蝮さんのラジオ公開生中継を観に行きました。たしか銭湯に来ていたときだったかな。そこで毒蝮さんにめちゃめちゃシンパシーを感じたんです。まず、おじいちゃんおばあちゃんを集めてしゃべって、その人たちに元気を与えているところ。中継が終わってから直接お話ししたんですけど、急に“俺は毒蝮三太夫を演じているんだ”っておっしゃったんですよ」取材時点の脚本を見せてもらったものの、読んだだけではいったいどんな劇空間が広がるのか、全容がつかめない。そのことを伝えると「私も」と笑う北川。いまはキャスト・スタッフ全員で話し合いながら、シーンをつくっている最中だという。「脚本のときから、みんなでとにかくしゃべる。キャスト個人個人の近況はもちろん、最近だったら香港のデモのこととか、みんなが気になっていることも。それを反映させて脚本をつくるし、演出も全員でアイデアを出しあってやります。客演の方たちも、すごく積極的に参加してくれます。最後の調整は私がやるけど、ほんとにみんなでつくるんですよ」つねに「いま、ここ」を観客に強く意識させる作品をつくってきた快快。「本当はもっとお客さんに参加してもらいたい気持ちはある。でも急に参加させられるのって嫌じゃないですか。私も観客だったら嫌だし(笑)。だからいい塩梅を探りつつ、現在性を感じてもらえるようにとは考えています」。音楽や映像も含め、新しさ、若さを爆発させてきた劇団だが、北川は「渋さに憧れている」と言う。「今回もほんとは渋くしたかったんだけど、そうはならなかった」。けれど今作のタイトル『ルイ・ルイ』は1965年にアメリカで発表された楽曲からとられているし、毒蝮三太夫という存在もある。これらのもつ空気が快快と混じり合ったときに生まれるものは、渋いかどうかはわからないが、きっといままで観たことのない面白さをもっているだろう。「この作品は観たあとに“あー、すっきりした~!”って思ってもらえるものになると思います」と北川。もやもやすることの多い今、必要とされているものが9月のKAATに立ち現れる。取材・文:釣木文恵
2019年09月02日「ぴあ」調査による2019年8月30日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、暁なつめのライトノベルを原作にした人気TVアニメシリーズの劇場版『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』(略称“このすば”)が第1位になった。出口調査では原作やアニメ版のファンから「最高!」「何回笑ったか覚えてない」など熱い声が多くあがった。本作は、不慮の事故で命を落とし、ひょんなことからRPGのような異世界へ転生した主人公カズマが、仲間の少女3人と「生まれ変わったらファンタジー世界で勇者のように大活躍する」という理想とはかけはなれた冒険者生活を営む様子を描くファンタジーコメディ。原作はシリーズ累計発行部数650万部を突破する人気作で、アニメ版は2016年に第1期、2017年に第2期が放送された。上映後のアンケートでは、10代から50代までの男性から特に好評で「ところどころに仕込んでくるギャグが最高!」「何回笑ったか覚えてないぐらい笑った」「ギャグのクオリティがTVシリーズと変わらない」「劇場内で笑いが起こるくらい笑えた!」と話す人も。そのほか「キャラクターが好きというよりは作品が好き。とても楽しかった」「いつもどおりの『このすば』で、いつもどおりのおもしろさ!」「テンポよく話が進んでいくのと、声優同士の絡み合いもあってこの作品らしい」「画が崩れることもなく、長編という尺の利点を活かした内容になっていた」「異世界ものってわりと多くあるけれど、一番ギャグ寄りで笑える」などの感想もあった。(本ランキングは、8/30(金)に公開された新作映画9本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2019年09月02日もしかして今、日本でいちばんお殿様が似合う俳優は、この人じゃないだろうか。8月30日(金)より公開の映画『引っ越し大名!』の及川光博を観て、そう思った。及川が演じるのは、生涯に7回もの国替えをさせられた“引っ越し大名”こと松平直矩。原作・脚本の土橋章宏が「直矩の気品、色っぽさは及川さんしかいない!と最初から思って書いていました」と熱弁するのも頷ける麗しきお殿様姿を銀幕で披露している。「お殿様になった自分を見て、嫌いじゃないなと思いました(笑)。他の出演者のみなさまより衣装も派手でゴージャス。正直、とてもいい気分で撮影に参加しました(笑)」しかもこの直矩という男、ただ幕府に翻弄される可哀相なお殿様、というわけではない。夜は家臣の美少年と何やら妖しい雰囲気になったり、ひとクセもふたクセもあるキャラクターなのだ。そんなところも実に及川らしい。「撮影中、直矩の喘ぎ声を録ってもらったんですよ。それも男らしい「あん」とかちょっと女の子っぽい感じの「あん?」とかいろんなバリエーションを録ったんですけど、完成版を観たらどこにも喘ぎ声が使われていなかったんです!演技がトゥーマッチだったのかな……とひとり反省しています(笑)」そんなセクシーな喘ぎ声はあえなく幻となったが、他にも及川演じる直矩の見せ場は盛りだくさん。終盤に訪れる浜辺のアクションシーンでは、見事な殺陣を披露する他の出演者とは対照的に、駕籠(かご)の中でひとりアタフタするコミカルな演技で観客を和ませてくれる。「あの場面は監督がどの台詞のあとにどのカットを入れたいのか、撮影に入る前からきっちりイメージをされていらっしゃったんですね。なので、僕は監督の指示に従いながら、驚いたり怯えたりひっくり返ったりしていました。ただ、駕籠の中だけに大きな動きはできなくて、顔だけで表現するのはなかなか大変でした」予算のない中、移動距離600kmという大がかりな国替えを成功させようと、主人公の片桐春之介(星野源)ら藩士は奮闘する。次々と襲いかかるピンチをどう春之介が切り抜けるかが大きな見どころだが、及川自身は日々発生する予測不能なピンチを、どのように対処しているのだろうか。「僕はピンチなことが起きると燃えちゃうタイプなんですよ。この間も、今からライブが始まるぞというときに、奥歯につめていたセラミックがとれちゃって。このままステージに出たら、最前列の子に見えちゃうかもしれないぞ、と。で、どうやって乗り越えたと思います?堂々とMCでセラミックがとれた話をしました(笑)」こんな鮮やかな機転こそが、及川光博が20年以上にわたって多くの人に愛され続けている理由のひとつだろう。取材中も、少しでも相手を楽しませようと端々にジョークを盛り込むところに、エンターテイナーシップが感じられた。「こんな軽いピンチもあれば、時には簡単に笑い話にできないような重いピンチに見舞われることもある。そんなとき、僕の対処法はとにかく全力を尽くすこと。そして、あとは諦める。全力を尽くしたら、あとはなるようにしかならないと思うタイプなんですね。あのときああしていればよかったって、たらればを言いはじめるときって、きっと全力を尽くせなかったときだと思うんです。だから、僕はやれることを全部やったら、あとは流れに身を任せるようにしています」そうやって涼やかに微笑む横顔が、気品あふれる松平直矩と重なった。映画『引っ越し大名!』は8月30日(金)より全国公開される。撮影/高橋那月、取材・文/横川良明
2019年09月02日8月31日、9月1日の全国映画動員ランキングは、公開7週目の『天気の子』(全国362館)が先週に続いてトップを飾った。今週は1位から4位まで変動がなく、公開4週目の『ライオン・キング』(全国374館)、公開2週目の『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』(全国314館)、公開4週目の『劇場版 ONE PIECE STAMPEDE』(全国352館)という並び。新作では、星野源主演、犬童一心が監督を務めた時代劇『引っ越し大名!』(全国325館)が初登場5位。レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが主演を務めたクエンティン・タランティーノ監督の新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(全国285館)が初登場6位。暁なつめのライトノベルが原作の人気TVアニメシリーズの劇場版『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』(全国100館)が初登場8位に入った。次週は『アス』『いなくなれ、群青』『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』『SHADOW/影武者』『台風家族』『タロウのバカ』『フリーソロ』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『天気の子』2位『ライオン・キング』3位『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』4位『劇場版 ONE PIECE STAMPEDE』5位『引っ越し大名!』6位『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』7位『トイ・ストーリー4』8位『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』9位『ロケットマン』10位『二ノ国』
2019年09月02日10月4日(金)より日米同日公開となる『ジョーカー』。孤独だが心優しかった男が“悪のカリスマ”に変貌していく衝撃のドラマを、アカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストで描くサスペンスエンタテインメントだ。本作の公開に先駆け、第76回ヴェネチア映画祭コンペティション部門へ正式出品。現地時間8月31日(日本時間9月1日)に世界で初お披露目され、レッドカーペットセレモニーには、主演のホアキン・フェニックス、ザジー・ビーツ、監督と脚本を務めたトッド・フィリップスが参加し華々しく執り行われ、同日開催となった記者会見にも登壇した。本映画祭だけでなく、第44回トロント映画祭のガラ・プレミア部門にも選出されており、「今年もっとも驚くべき映画。アカデミー賞は確実だ」(ヴェネチア映画祭:アルバート・バルベーラ)、「ホアキン・フェニックスによるキャリア史上最高の演技。世界の映画賞が注目している」(トロント映画祭:キャメロン・ベイリー)ら映画祭ディレクターをはじめ、世界の映画関係者が「本年度アカデミー賞最有力」と絶賛と注目を浴びせている。そんな注目の本作のレッドカーペットセレモニーとあって、会場は炎天下にも関わらず世界中から集まった大勢のマスコミと早朝から陣取ったジョーカーのコスプレをしたファンや、フェニックスの写真や似顔絵を手にしたファンで溢れかえった。本作のスタッフ・キャストに先行して、カトリーヌ・ドヌーヴ、ケイト・ブランシェット、ニコラス・ホルト、フェニックスの婚約者ルーニー・マーラーなど大物俳優たちがこぞって祝福に駆け付けた。熱気に包まれた会場にビーツ、フィリップス監督、フェニックスが登場すると会場のファンからは歓声が起こり、カメラのフラッシュが一斉に焚かれた。3名がファンへのサインや撮影に応じると、中には感極まって泣き出すファンの姿も。そして、プレミア上映の時間が迫り、フェニックスが会場への移動を促されるも、押し切ってファンの元へ戻る一幕もあった。その後、座席数1032席を誇るSala Grandeで世界初お披露目となる上映が行われ、終映時には「ブラボー!」の声と今年の上映一番の拍手喝采が起き、スタンディングオベーションは8分間も鳴りやまなかった。その圧倒的な完成度とジョーカー誕生の衝撃の物語を目撃した評論家からは、「ホアキン・フェニックスにはアカデミー賞の価値がある」(Total Film)、「ホアキン・フェニックスに心奪われる」(Time Out)、「決して見逃してはならない作品」(Hollywood Reporte)、「大胆かつ衝撃的で、この上なく美しい」(Empire)など、早くも絶賛の声が集まっている。高評価を受けた本作の監督と脚本を務め、過去には『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』でゴールデングローブ賞作品賞を受賞した経験を誇るフィリップス監督は「本作で最初からはっきりしていたのは、これまで描かれてきたジョーカーとは異なるアプローチをすること。ジョーカーの過去は原作でも詳しく描かれていないから、自由に創造できるスペースがあったんだ。だから、ジョーカーの完璧な狂気にたどりつくまで、ホアキンと毎日話し合って、撮影中ですら脚本を書き替えていったんだ」とジョーカーという人物を追及した過程を振り返る。そして、ジョーカーを演じたアカデミー賞・3度のノミネート経験を持ち、本作での受賞に注目が集まっているフェニックスは「アーサーの明るい部分に興味を持ち、深く探ってみたいと思った。彼には、苦悩もありますが、喜びもあり、幸せを感じ、人との繋がりや、温かさ、愛を求めている人物」と、“悪のカリスマ”ジョーカーのイメージとはかけ離れたアーサーの人物像に興味を抱いたと明かす。スタンディングオベーションの大きさや、各国ジャーナリストからの絶賛の声の高さから、本映画祭“金獅子賞”受賞、及びアカデミー賞受賞への期待が高まっている本作。「どんな時も笑顔で」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。ドン底から抜け出そうとした彼はなぜ“悪のカリスマ”・ジョーカーに変貌したのか?あわせて、フェニックス、フィリップス監督のコメントも公開された。■ホアキン・フェニックスまずは、アーサーの明るい部分に興味を持ち、深く探ってみたいと思った。彼には、苦悩もありますが、喜びもあり、幸せを感じ、人との繋がりや、温かさ、愛を求めている人物。彼が、単に苦痛を抱えたキャラクターだとは思っていませんし、私は演じる上でキャラクターをそういう風に決めつけることは、絶対にしない。8カ月かけて探求したこのアーサーという人物を一言で語るのは難しいが、オファーを受けてからの数週間で感じた彼と撮影を終えるころに感じた彼とでは完全に異なっていた。常に変化していて、役者人生で初めての経験だ。“ジョーカーの笑い方のオーディションをして欲しい”とトッドに依頼したんだ。彼は“(役に決まっているんだから)お願いだからやめて!”って気まずそうにしていたけどね(笑)。■トッド・フィリップス監督もともとはカオスをもたらすのが彼の目的だったわけじゃない。彼のゴールはあくまで「人々を笑わせたい」「世界に喜びをもたらしたい」ということだったんだ。でもそれがさまざまな出来事が重なって、まったく異なる結末になってしまうんだ。『ジョーカー』10月4日(金)より日米同日公開
2019年09月02日カーラ・ボノフの来日公演が本日9月2日にビルボードライブ東京にて行われる。カーラ・ボノフは、10代で活動をスタートさせ、ジャクソン・ブラウンやジェームス・テイラーも出入りしていたLAのライヴ・ハウス「トルバトール」への出演をきっかけに、その後のキャリアを築いた、ウェストコーストサウンドを代表するシンガーソングライター。この度、今年2月にリリースされた新作『CARRY ME HOME』を携えて来日公演を行う。16曲入りの本作は、2007年に発売された『KARLA BONOFF LIVE』以来、12年ぶりの作品で、セルフカバーやジャクソン・ブラウンの名曲のカバーを含んだ内容となっている。時を経ても色あせない心地の良い旋律と、美しいナチュラル・ボイスに酔いしれるステージは、初秋にぴったりで贅沢な時間になりそうだ。■公演情報日時:9月2日(月)/ 9月3日(火)場所;ビルボードライブ東京1st Stage 開場:17:30/開始:18:302nd Stage 開場;20:30/開始:21:30
2019年09月02日おとな向け映画ガイド今週のオススメは、この3作品。「ぴあフィルムフェスティバル」へもぜひ。ぴあ編集部 坂口英明19/9/2(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開の作品は22本。とても多い週です。全国200スクリーン規模で拡大上映される『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』と、ミニシアターや一部シネコンなどで上映される21本です。その中から、おとなの映画ファンにオススメしたい作品をご紹介します。『ラスト・ムービースター』かつてクリント・イーストウッドと人気を二分したアクションスター、バート・レイノルズを覚えていますか? 1978年から82年にかけて、マネーメイキング・スターのトップでした。昨年8月にこの世を去ったレイノルズが、2017年、生涯最後に出演した作品。これがなんとも素敵な、泣かせる映画です。主人公は、いまや忘れられた、伝説のスター。孤独な老人です。その彼に「国際ナッシュビル映画祭」という地方映画祭から、特別功労賞を贈りたいという招待状が届きます。つい誘いにのって、ナッシュビルまででかけます。ところが、この映画祭、映画オタクのマニアたちが企画した超マイナーな手作り催事で……。自虐ネタとしか思えないストーリー。よくこういう役を頼み、そして受けたなと、製作者にもレイノルズにも驚嘆します。劇中、『トランザム7000』や『脱出』の映像も引用されますし、雑誌『コスモポリタン』で発表されて話題になった男性ヌードも使われます。役名こそ、ヴィック・エドワーズですが、レイノルズそのものです。しみじみとした映画、素晴らしいオマージュ。こんな遺作は初めて観ました。『SHADOW/影武者』マット・デイモンが万里の長城で、CGで作られた無数の怪物と戦う、『グレートウォール』を観たときは、ああ、チャン・イーモウは終わったな、と正直思いました。が、この作品はどうでしょう。見事な復活、といっていいと思います。数あるフィルモグラフィーのなかでは、『HERO』『LOVERS』の系譜。戦国時代を舞台にした武侠アクションです。時は『三国志』の頃。ある小国の都督(軍司令官)とその影武者による、隣国に奪われた領地の奪還作戦がテーマ。病に伏した都督が、影武者を使って国政を操り、隣国との開戦に挑みます。都督と影武者はダン・チャオの一人二役です。ずっと降り続く雨。頻出する陰と陽のシンボル、白と黒の太極図。カラーなのですが、色味を極力おさえた水墨画の世界は、ちょっとやりすぎなくらいで、これこそチャン・イーモウです。つまりはそれらが、テーマである影武者の暗喩。影武者を描くために用意した見事な舞台装置です。戦いは刀と弓矢が中心ですが、やはり「けれん」が売りの監督、雨傘のような新兵器を登場させます。生地の部分が刃という雨傘を持った部隊が、くるくる回して、敵の剣をかわしながら倒していきます。極力VFXを避け、セットやアクション、衣装などほとんどが手作りで製作されたといいます。『帰れない二人』チャン・イーモウが旧世代の代表とすれば、現代の中国の巨匠はジャ・ジャンクー。国内で商業的に大成功しているわけではありませんが、世界の映画祭では常に注目の的です。ジャ・ジャンクーの映画のヒロインはいつも、チャオ・タオが演じています。もちろんこの作品も彼女が主演。役名もチャオです。そのチャオとやくざ者の恋人ビンの、17年におよぶ愛の物語と、21世紀の中国を重ね合わせたジャ・ジャンクーらしい叙事詩のような映画です。チャオ・タオはインタビューで「人生で初めて銃を撃ちました。銃の音が鳴り響くのを聞きながら、チャオの青春は終わったのだと自分に言い聞かせていました」。このシーン、とても印象に残ります。特集上映、映画祭では。「第41回ぴあフィルムフェスティバル」国立映画アーカイブ(9/7〜21)「第41回ぴあフィルムフェスティバル」国立映画アーカイブ(9/7〜21)今年のPFFはもりだくさんです。その中から「招待作品部門」をご紹介しましょう。上映作品は長短編をあわせて40本。7つのプログラムに分かれています。いずれも凝った内容なのでご期待ください。まず、特別先行上映されるのは、劇場版『ガンダム GのレコンギスタⅠ』。あの富野由悠季総監督がトークゲストです。「凄すぎる人たち」というプログラムの「カッコいい女編」では、在宅医療の終末治療に取り組むチームを描いた『おみおくり〜Sending Off〜』、ベイルートが舞台の映画をテーマにした『昔々ベイルートで』、マフィアを撮り続ける女性写真家を追う『シューティング・マフィア』など、凄い女性たちの映画を上映。「諦めない男編」では、フリードキンの『恐怖の報酬』、不条理な恐怖を描く『変態村』、小林正樹の『東京裁判』、セルジオ・コルブッチの『殺しが静かにやって来る』など、異色作ばかりです。デビュー作を集めた「巨匠たちのファーストステップPart4」というプログラムでは、ヤン・イクチュン『息もできない』、ジャ・ジャンクー『一瞬の夢』、ヴィスコンティ『郵便配達は二度ベルを鳴らす』、ルイ・マル『死刑台のエレベーター」、バリー・ジェンキンス『メランコリーの妙薬』、ジャック・ドゥミ『ローラ』、ライアン・クーグラー『フルートベール駅で』、レオス・カラックス『ボーイ・ミーツ・ガール』。巨匠のデビュー作、新旧様々なかなかのチョイスです。ブラック映画とブラック音楽にこだわった「ブラック&ブラック」というプログラムもあります。『私はあなたのニグロではない』や、ピーター・バラカンさんがトークゲストの『真夏の夜のジャズ』、DJ YANATAKEのトークがつく『DOPE/ドープ!!』を上映。他に。PFFスペシャル講座では、今年も原恵一監督、橋口亮輔監督の対談「天才・木下惠介は知っている」と『日本の悲劇』の上映。「カンヌ映画祭批評家週間って何?」では、批評家週間出品の『典座』と短編コンペ作品を上映。フランス在住のプロデューサーで、6月に急逝した吉武美知子さんの追悼企画もあり、黒沢清監督が登壇し『ダゲレオタイプの女』を、諏訪敦彦監督と『ライオンは今夜死ぬ』、堀越謙三プロデューサーと『TOKYO!』といったゆかりの作品を上映し、ゆかりの人が故人を偲びます。
2019年09月02日8月4日からWOWOWプライムにて毎週日曜よる10時に放送されている、有村架純、坂口健太郎主演『連続ドラマW そして、生きる』。その全6話を凝縮し、未公開シーンを盛り込んで再編集した『劇場版 そして、生きる』が、9月27日(金)から全国で公開されることが決定した。あわせて、劇中の映像が散りばめられた予告編も公開された。『連続ドラマW そして、生きる』は、岡田惠和が紡いだオリジナルストーリーを、『君の膵臓をたべたい』の月川翔監督が映像化したヒューマンラブストーリー作品。東日本大震災にみまわれた東北、そして東京、フィリピンを舞台に、登場人物たちが様々な逆境に左右されながらも力強く生きていく姿を描く。運命的な出会いを果たすふたりの主人公、瞳子と清隆を演じるのは、有村と坂口。さらに、瞳子の友人の韓国人ハン・ユリ役に女性アイドルグループKARAの元メンバー知英、瞳子に想いを寄せる高校の後輩、久保真二役に岡山天音、被災地・気仙沼で理髪店を営む坂本役に萩原聖人、瞳子の育ての父親・和孝役に光石研、清隆の母親・美恵子役に南果歩と、実力派俳優陣が集結している。公開された予告編では、有村と坂口をはじめ、主要キャストの印象的なシーンが複数切り取られた。【スタッフ・キャストのコメント】■ 脚本:岡田惠和●劇場版として上映されることについて劇場版がつくられると聞いて、とても光栄なことだと感激しております。ドラマとして放送される以外にも、素敵な発表の場が出来て、心から嬉しいです。『そして、生きる』はなんて幸せな作品なのでしょう。一人でも多くの方の心に届けたい、自信を持って世に送り出した作品です。スクリーンに映る瞳子や清隆に会えるのが楽しみです。●劇場版になるにあたっての期待や、劇場版ならではの見どころすべてが美しい作品だと思います。人も町も。映像もお芝居も。美しいです。映っているすべてのものを楽しんでいただけると思います。俳優たちの指の先まで気持ちのこもった全身のお芝居を、スクリーンで細部まで味わっていただけるはず。そして映像だけでなく、大きな音で聞く村松氏の音楽も、見どころの一つであると思います。素敵な映像体験になるはずだと自信を持っております。■ 月川翔監督●劇場版として上映されることについて撮影している最中から「すごいものが撮れてるんじゃないか」という手応えがありました。俳優たちの僅かな表情の変化や呼吸の一つ一つ。そんな繊細な表現の数々を劇場空間で感じ取っていただきたいという思いが募り、「映画館で上映したい」という野望が芽生えていきました。公開規模は大きくありませんが、多くの方々に届くことを願っています。●劇場版になるに当たっての期待や、劇場版ならではの見どころは本作はテレビドラマ版の単なるダイジェストではなく、濃縮された1本の新作という感覚があります。ここから何も足さず何も引きたくない、と思えるところまで研ぎすませた形です。登場人物たちの人生が濃縮された1本の新作映画としてお楽しみください。■ 有村架純●劇場版として上映されることについてこの素晴らしいチームだからこそ完成した作品が、また奇跡を生んでくれた、という気持ちです。撮影中は、劇場版として改めて作っていただけるとは思いませんでしたが、キャストスタッフ一同、野望を抱いておりました。ですので、こんなに早くこのような形でより沢山の方々にご覧になって頂ける機会を設けて頂いた今、とてもとても幸せですし、劇場版を作ることは簡単なことではないので、本当に関係者の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。●劇場版になるに当たっての期待や、劇場版ならではの見どころドラマから映画に形を変えても、映像美、息遣いや温度、匂いや音は鮮度を保ったままですので、皆様には是非大きなスクリーンでご覧になって頂きたいです。一度ご覧になって下さった方も、二度楽しんでいただけるのかな、と思っております。私自身もとても楽しみです。■ 坂口健太郎コメントこの作品がドラマを超え、映画として沢山の方々に観てもらえること、とても嬉しく思います。生きていくことの喜び、悲しみ、そして痛みを、清隆という人物を通して演じさせていただきました。美しい映像と力強く生きている登場人物の今を見ていただき、そして全6話あるドラマも是非ご覧下さい。『劇場版 そして、生きる』9月27日(金)全国公開
2019年09月01日アーサー・コナン・ドイルが生み出した、世界一有名な名探偵シャーロック・ホームズとその助手ワトソン。この名コンビが出会ってから最初の事件に遭遇するまでの数カ月の物語を、『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』と題し、シャーロキアンを公言する三谷幸喜が描く。主演は、三谷をして「僕のホームズがここにいると思いました」と言わしめた、ストレートプレイ初主演の柿澤勇人。ワトソンには佐藤二朗が扮するほか、事件の依頼人であるミステリアスな令嬢を広瀬アリスが演じる。物語については、「人間としても探偵としても未完成のシャーロックが直面する、人生最初で最大の試練」としか明かされていないが、三谷とこのメンバーならば、面白いことはほぼ間違いないだろう。加えて、映像を含む多くの三谷作品で音楽を手がけ、オリジナルミュージカル『日本の歴史』でタッグを組んだことも記憶に新しい、荻野清子が音楽と演奏を務めるのも気になるところ。シャーロキアンでも原作に触れたことがなくても必見と言える舞台は、本日9月1日に世田谷パブリックシアターにて開幕する。文:町田麻子
2019年09月01日ぴあ(アプリ)で「クラシックソムリエ検定Web版」の実施が決定。ぴあ(アプリ)でぴあニスト登録している方は、誰でも無料で検定に参加できます!さらに、検定のお申込みをすると、「日本クラシックソムリエ協会」よりクラシックソムリエ検定(エントリークラス)出題対象の基本の作曲家36名の基礎知識と、クラシックが楽しくなる情報満載のメールマガジンを週1~2回お届けします!この機会にクラシックの勉強を始めよう!検定受検申し込みはこちら()クラシックソムリエ検定とは?クラシック音楽の魅力を存分に味わい、自ら音楽を選び、素晴らしさを誰かと分かち合うことのできる知識を身につける。そのステップアップの為の指針となるのが、クラシックソムリエ検定です。受検内容「日本クラシックソムリエ協会」ホームページ掲載の年表に記載した、基本の作曲家36名や作品にまつわる基礎知識から、約8割を出題出題形式四者択一受検資格ぴあ(アプリ)で「ぴあニスト」登録されている方※「クラシックソムリエWeb検定通信」メルマガ登録必須となります。申込み期間2019年9月1日(日)~2020年1月31日(金)試験日2020年2月21日(金)~2月24日(月)結果発表日2020年3月2日(月)検定受検申し込みはこちら() 検定についてのお問い合わせp.pia_support@pia.co.jp(mail:p.pia_support@pia.co.jp)
2019年09月01日THE NOVEMBERSとDATSによるライブイベント「首 vol. 14」が本日9月1日に代官山UNITにて開催される。THE NOVEMBERSは2005年結成のオルタナティブロックバンド。2007年にUK PROJECTより1st EP『THE NOVEMBERS』でデビュー後、様々な国内フェスティバルに出演。今回で14回目となる「首」は、THE NOVEMBERSのキュレーションによる自主企画公演。これまでBoris、Klan Aileen、MONO、ROTH BART BARON、ART-SCHOOL、polly、Burgh、acid android、石野卓球、The Birthday等錚々たるアーティストを迎えてきた。「首 vol. 14」のゲストとなるDATSは、トラックメイクを手がけるMONJOE(Vo./Syn.)を中心に2013年結成されたロックバンド。2015年には「SUMMER SONIC」に出演を果たし、デビューEP『DIVE』をリリース。その後は「FUJI ROCK FESTIVAL」をはじめ、次々と国内の大型フェスに出演し、その圧倒的なパフォーマンスが各方面より高く評価される。パフォーマンスに定評のあるふたつのバンドが繰り広げるライブ対決を観れるのはこのイベントだけとなる。ロック好きには見逃せない内容になることは必至なので、是非とも目撃していただきたい。■公演情報「首 vol. 14」日時:9月1日(日)開場:17:00 開演:18:00場所:代官山UNIT
2019年09月01日千葉市に大相撲がやってくる!本場所さながらの熱い取り組みのほかにも、力士が相撲の禁じ手をコミカルに演じる「初切(しょっきり)」や「相撲甚句(すもうじんぐ)」などバラエティーに富んだ演目が組まれており、本場所とは違った大相撲の魅力が満載です。迫力ある力士の闘いぶりを間近で体験、そして体感してください!今回『令和元年 秋巡業大相撲 千葉場所』へ【よくばり❣ぴあニスト】限定で3組6名様をご招待します!応募はぴあ(アプリ)にて9月30日(月)まで受付中。皆様、奮ってご応募下さい!『令和元年 秋巡業大相撲 千葉場所』日付:10月10日(木)時間:8:00 開場/15:00 打ち出し(終了)場所:千葉ポートアリーナ( 千葉県千葉市中央区問屋町1-20() )招待人数:3組6名様応募資格:「よくばり❣ぴあニスト」の方ぴあ(アプリ)を思う存分楽しめるプレミアムな「よくばり❣ぴあニスト」の詳細は コチラ(dpia-app://billingIntro)応募期間:9月30日(月) 23:59まで当選発表:賞品の発送をもって代えさせていただきます。お申込みはこちら(dpia-app://marupi?isLocked=1&marupiId=a8d827df-db23-40a7-a9d9-2fb4006586a2)『令和元年 秋巡業大相撲 千葉場所』 公式サイト()
2019年09月01日8月30日公開の映画『引っ越し大名!』は、土橋章宏の歴史小説『引っ越し大名三千里』を原作にもつ時代劇。星野源演じる姫路藩の書庫にひきこもりっきりの侍・片桐春之介が、なりゆきから姫路から大分・日田への国替え(藩の引っ越し)の責任者に任命されたことから始まるコメディだ。その星野の脇を固めるのは高橋一生、高畑充希、濱田岳ら人気俳優陣。中でも高畑は春之介を陰に日向にサポートする引っ越しのエキスパートにして、また春之介の憧れの君でもあるヒロイン・於蘭を好演している。「台本を読ませていただいて於蘭さんのことをすごく好きだなと思ったんですよね。いろんな要素が入り交じっているかもしれないけど、根本的にすごく強くて優しい人という印象を受けたので、あまり考えずに感じるままに演じるようにしました」彼女が於蘭という人物を「感じるままに演じる」ことができたのには、監督・犬童一心とのリレーションがあったようだ。「犬童さんは私がミュージカル『ピーターパン』を演っていた10代の頃からのお知り合いで。ずいぶん前からお互いに『いつかお仕事ができたら』と言っていたんです。私自身、そんなにテンションの高い人間でもないので(笑)、どこか落ち着いている於蘭さんには共感する部分が多くて。私と於蘭さんの共通点を見つけてくれたのは犬童さんならではなんだろうな、と思っています」ただし、高畑が慢心することはない。公開を直前に控えた今も自らの演技にソワソワするという。「映画にせよドラマにせよ、出来上がりがよくて、観てくださった方が喜んでくれているのがわかってようやく気持ちがゼロになれるというか。試写のときに自分の出演作を観て『あー、面白かった』って純粋にスカっとはなれないんです。だから初号試写は特に苦手です(笑)。でも一緒に試写を観た周りのスタッフさんが『楽しめた』と言ってくれているのでホッとしましたし、嬉しかったです」そんな信頼の置けるスタッフ陣から高い評価を得た『引っ越し大名!』という映画を自身はどう観ているのだろう?「時代劇なんだけどとてもポップで、どの世代も楽しめる作品になったなと思っています。リストラなど扱っているテーマはすごく現代的なので(星野)源さんや(高橋)一生さんのファンの方はもちろん、お仕事をなさっているおじさま方にも刺さる作品になんじゃないかな、と思っています」『引っ越し大名!』8月30日公開撮影/高橋那月、取材・文/成松哲
2019年08月31日山種美術館では広尾開館10周年記念特別展『大観・春草・玉堂・龍子 ―日本画のパイオニア―』が、8月31日(土)から10月27日(日)まで開催。新たな日本画の創造を目指した画家たちの多彩な表現を見ることができる。横山大観(よこやまたいかん・1868〜1958)、菱田春草(ひしだしゅんそう・1874〜1911)、川合玉堂(かわいぎょくどう・1873〜1957)、川端龍子(かわばたりゅうし・1885〜1966)。彼らは活動の場を異にしながらも、伝統をふまえながら新しい時代に即した絵画を模索し、日本画の発展を導いたパイオニアたちだ。日本美術院の創設に参加した大観と春草は、さまざまな技法や表現を試みて革新的な日本画を生み出し、官展を中心に活躍した玉堂は、日本画における風景表現に新境地を拓いた。また龍子は、再興日本美術院を脱退して自ら主宰する青龍社を創立し、大画面の迫力ある作品を発表して画壇にインパクトを与えた。同展では、そんな4人の画業をたどりながら、近代日本画の歩みを振り返っていく。さらに、山種美術館の創立者である山﨑種二の希望により企画され、晩年の大観・玉堂・龍子の3人が出品した『松竹梅展』(1955〜1957年)にも焦点を当て、山種美術館が所蔵する『松竹梅展』の作品が全点展示される。また、南画とやまと絵を融合させた大観の《作右衛門の家》、光や空気の描出に挑んだ「朦朧体(もうろうたい)」の代表作である春草の《釣帰(ちょうき)》、田園の情景を生き生きと表した玉堂の《早乙女》、第1回青龍展に出品された記念碑的な龍子の《鳴門》など、山種コレクションから各画家の珠玉の作品が紹介される。近代日本画のパイオニアとして画壇を牽引した大観・春草・玉堂・龍子の競演を、この機会に堪能したい。【関連リンク】 山種美術館()
2019年08月31日浅草の夏を締めくくる「浅草サンバカーニバル」は、昭和56年の開始以年々発展を続け、近年は海外からの観光客を含め50万人の来場者を集める「北半球最大のサンバカーニバル」。参加チームはチームごとにテーマを決め、テーマに合わせた衣装や山車のデザイン、ダンスの内容を競いあうコンテスト方式がとられており、約20団体、5000人の参加者の繰り広げるパフォーマンスは、本場リオのカーニバルに負けないほどの迫力。下町浅草がラテンの色に染まる一日にあなたも参加してみては?■イベント情報「第38回浅草サンバカーニバル」開催日:8/31(土)※小雨決行時間:13:00〜18:00「パレードコンテスト」は13:30分〜場所: 馬道通り〜雷門通り
2019年08月31日