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不倫はいわゆる不貞行為であり、モラルを欠いた行動とされています。しかし、実際に経験している人も多いようで、なかには「略奪婚」をする男女もいるようです。有責配偶者は「意地でも分かれて不倫相手と結婚したい」と思うようで、あの手この手で離婚を迫ることもあると聞きます。しかし配偶者にしてみれば、「ふざけるな」と言いたくなってしまいます。有責配偶者が離婚を強硬に望み、相手が拒否した場合、離婚することはできないのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に見解をお伺いしました。 ■有責配偶者からの離婚は認められる?齋藤弁護士:「有責配偶者からの離婚請求は、実は絶対に認められないものでもありえません。旧判例は、確かに有責配偶者からの離婚請求の局面では、離婚できない時代がありました(最高裁昭27・2・19判決 民集6-2-110が有名でしょう)。しかし、時代が変わり、最高裁は、ある一定の条件のもとにおいては、離婚請求を認められるように判例変更したのです。実は、例外的に有責配偶者からの離婚請求が認められるためには、以下の三つの条件を満たす必要があります。①夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間と比較して、かなり長期間に及んでいること。②当事者の間に未成熟の子供が存在しないこと。③相手方配偶者が離婚により精神的、社会的、経済的に非常に苛酷な状況におかれることになるなど、離婚請求を認めることによって相手方が大きなダメージを受けるような事情がないこと。この3つの基準は、おもに3つ目が肝になるでしょう。というのは、精神的、社会的、経済的に過酷な状況、とはひとりひとりの状況に応じて当然異なるからなのです。もちろん、①の別居期間が長期に及んでいるか否かの判断も1件1件異なるでしょう。しかし、これらは期間の問題ですから、客観的に確定することができますね」 ■実際の判例も齋藤弁護士:「ある有名な裁判例をご紹介いたします。調停後約13年経過した事案です。18歳と16歳の2人の未成熟の子がいましたが、慰謝料150万円と二男の大学進学費用150万円を支払う旨の訴訟上の和解が成立し、原判決を取り消し請求を認容する判断が示されています(大阪高等裁判所平成19年5月15日判決)。ご紹介した判決は、調停も不成立、第1審裁判所の判断も棄却、第2審裁判所の判断で初めて離婚が認められたものです。離婚する手立てとしては、さきにご紹介した3つの条件がない、とのことを証明する証拠を揃えることが肝要です」不倫による離婚が望ましいものではないことは明白ですが、離婚請求を認めることによって相手方が大きなダメージを受けるような事情がない場合は、有責配偶者から離婚を迫ることもできるのですね。相手としては、「不倫相手と結婚したい」というような人間とは離婚したほうが良いでしょう。経済力や子どもの養育など「そうもいかない」のも事実。その場合は、やはり弁護士の力を借りるのが、解決の早道かもしれません。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)不倫相手と結婚したいけど配偶者が離婚拒否!なんとかならないの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。不倫相手と結婚したいけど配偶者が離婚拒否!なんとかならないの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月13日『泥沼離婚』という言葉を聞いたら、どんな離婚をイメージしますか? 不倫の末、不倫相手の女に子供ができ夫は離婚を決意、それを知った妻が激怒、両親や周囲を巻き込んだ修羅場になり、最後は…。 なんて、映画のような泥沼離婚もあり得るかもしれません。このような場合、当事者や周囲の心情は別として、あくまで法的に考えると、離婚時に問題になるのは大きく分けて『有責配偶者からの離婚請求(※)』『慰謝料請求』『財産分与』『親権』『面会交流』の5つになるかと思います。 これらの問題は、『離婚裁判』という1つの裁判によって問題を解決できるので、当事者やその周囲の人たちの感情(慰謝料ははらわないと主張、離婚を拒否など)によって問題がこじれない限り、裁判も泥沼のような複雑さにはならないでしょう。しかし、今回は弁護士も嫌になるような泥沼離婚。『【実録】そんな男はやめておけ! 結婚を後悔したくなる男トップ3』で紹介した、婚姻届と同時に離婚届を書かせた男とその元妻の、果てしない裁判での争いについて法律的な観点を交えて話そうと思います。※有責配偶者からの離婚請求有責配偶者とは、不法行為(不倫、DVなど)等によって夫婦関係を破綻させる原因をつくった配偶者を指します。原則として、有責配偶者からの離婚の請求は、裁判では認められていません。 ①すべての始まりことの始まりは去年の1月。普段仕事で忙しい夫のよし夫(仮名)はある日、連休を取り「3日間実家に帰るね」と妻のまゆこ(仮名)に言い残し、子供を連れて実家に帰りました。 キャリアウーマンのまゆこは、子供がいない寂しさを感じつつも、家事をしなくていい解放感に浸りながら、3日間を気ままに過ごしていました。しかし、よし夫と子供は3日を過ぎても一向に帰ってきません。電話をかけても、連絡がつかない! 普段ならあり得ないことに慌てふためくまゆこでしたが、一週間後さらに驚くことが起こりました。なんと、よし夫が「離婚したから」と連絡をしてきたのです。要するに、よし夫が勝手に離婚届を提出してしまったのです。 離婚届は一方が勝手に記入し、提出すると『有印私文書偽造罪』などの罪に問われる可能性があります。しかし、この離婚届は、よし夫と結婚する際に口車に乗せられ、まゆこ自身が記入したものでした。(親権などの詳細は、勝手に変更されていました) 後々判明したようですが、よし夫は前妻と離婚したときも、離婚届を勝手に提出して離婚したそう… さらによし夫は、家を出ていった際に、まゆことの共同預貯金をすべて持ち出していたのです。しかし、そんな夫でもまだ愛情が残っていたので、帰ってくるよう必死に懇願したまゆこですが、よし夫の頑なな拒絶や子供に会わせてもらえない現状に、夫婦関係の修復を諦め、自分の主張を通した離婚できるよう、本格的に行動することを決意しました。 よし夫が家を出て1年…。まゆことよし夫による壮絶な争いの火蓋が切って落とされました。 ②よし夫とまゆこの離婚騒動における問題点離婚の話を一切されずに家を出ていかれたため、精神的にも経済的にも大きな損害を受けたまゆこの希望は以下のとおりです。親権を取り戻し、子供の籍を自分の戸籍に入れたいこの日々の精神的苦痛に対する慰謝料を請求したい財産分与で自分の財産を取り戻したい離婚時に一般女性が望むことと大差ありません。しかし、既に離婚届が提出されていることが離婚問題を複雑にしているのです。 ③離婚後に親権は変更できる?親権の変更はまゆこの悲願ともいえるでしょう。離婚後に裁判所をとおして親権を変更する手続きを取ることもできますが、容易ではありません。裁判所は、現状の監護状況や生活環境が子供の発育に問題ないのであれば、無理に変更を加えるのをよしとしません。これは、安定している現状を崩すことが、子供の精神的な負担や人格形成に悪影響をおよぼす可能性を懸念しているからです。 変更が認められる状況の具体例として、親権者が死亡したり、親権者の監護が不十分で子供への悪影響が懸念されたりする場合が挙げられます。よし夫は実家に帰ったため、自身で監護できない場合でも祖父母を頼ることにより十分に監護できている状態で、子供との関係も安定しています。また、経済的にもよし夫の方が安定しています(財産をすべて持って行ったため)ので、変更が難しい状況と言わざるを得ません。 しかし、まゆこの場合、離婚届を書き換えられた上に勝手に出されたという経緯がありますので、親権を変更するのではなく『家庭裁判を通し離婚を白紙に戻し、再度親権を決め直して離婚届を提出する』という方法もあります(実際、まゆこはこの方法でよし夫に挑みました)。 まとめ離婚の事実を一度白紙へと戻す調停に挑むまゆこ(と弁護士)の前に立ちはだかる、頭脳明晰なよし夫(実際に有名大学を出ているらしい…)。まゆこは、離婚を白紙に戻せるのでしょうか? …次回につづく。【次の話を読む】→ 私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記② *監修弁護士:理崎智英弁護士(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある。)私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記①はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記①はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月12日一般的な会社ではタイムカードが置かれ、打刻することで勤務時間を管理します。しかし、派遣や出向、そして飲食店などの店舗などでは、手書きのタイムカードや勤怠表で管理する会社も少なくないようです。このような会社では、往々にして「残業時間はかかないように」と指示され、「なかったこと」にするよう強要されることもあると聞きます。当然法律違反ですから、未払い残業代を請求したいところ。一体どのようにして「サービス残業」を立証すれば良いのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に見解をお伺いしました。 Q.タイムカードが手書きで、残業代を書かないよう要求されている。未払い残業代を請求したいのだが、どうすればいい? A.まずは証拠を集めましょう齋藤弁護士:「タイムカードそれ自体が手書きであることは、いまでもよくあることです。ですから、それ自体が問題だというのではなく、「残業代を書かないように」というのは、実際に生じている残業代を支払い請求させない根拠を与えてしまうものです。そのため、自衛手段をとる必要がありますし、また、これら行為を使用者側が強要することは、できません。ちなみに、残業代とは、実労働時間から所定篭城時間を除外したもので、実労働時間がどのようなものかが重要になるのです。あきらめてはいけません。また、使用者であれば、これで残業代を面だつすることにはなりません。労働時間管理ソフトを用いる、入退館記録をとりよせる、電子メールを手がかりにする、給与明細と比較する、パソコンへのログイン時間とログアウト時間を精査する、メールやラインなどの送信時間を精査する、そもそものシフト表を確認する、日報週報をかくくせをつける、日記をつける、お店ならそもそもの営業時間を確認する、手段はまだあります」残業代を請求する場合は可能な限りの証拠を集め、訴訟の準備をするところから始めてみましょう。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)タイムカードが手書きで残業時間を書くなと指示された!どうやって請求すればいい?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。タイムカードが手書きで残業時間を書くなと指示された!どうやって請求すればいい?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月11日1芸能人の不倫報道連日報道される芸能人の不倫報道と謝罪会見。その結果、引退や長期活動自粛という措置が取られるケースもあります。もしわが社で同じことが起こったら・・・会社はどのような対処をすべきでしょうか。 2ダブル不倫で直ちに解雇ができるわけではない社内恋愛にしても、ダブル不倫にしても、業務上の問題ではなく、あくまで私生活上の問題です。会社の就業規則等のルールは、会社で業務をおこなううえでの規律であり、私生活上のあらゆる行為まで規律するものではありません。したがって、ダブル不倫が発覚したからといって直ちに解雇が認められるわけではないのです。もっとも私生活上の問題でも、それにより会社の信用が損われたり、会社の秩序に悪影響を与えた場合は、懲戒処分を検討することは可能です。例えば鉄道会社の運転手が休日に痴漢をしたり、運送業のドライバーが休日に飲酒運転で事故を起こしたりした場合などは、私生活での出来事だからといって懲戒処分を免れるというわけにはいかないでしょう。ダブル不倫の場合も、例えば、不倫をされた配偶者が会社に怒鳴り込んできたため、会社はその対応に追われ、本来業務が滞るなど会社の業務運営に支障が生じたのであれば、支障が生じたことについて懲戒処分を検討することは可能といえます(ただし懲戒解雇は処分として厳しいので避けるべきです)。 3もしも配偶者が職場に怒鳴り込んできたら上司(既婚男性)と部下(既婚女性)のダブル不倫がばれてしまい、部下(女)の夫が会社に乗り込んできました。「上司を出せ!」、「社長を出せ!」、「どうしてくれるんだ!」、「誠意を見せろ!」、「慰謝料を払え!」などと興奮状態でまくしたて、業務どころではなくなってしまいました。会社はどう対応すべきでしょうか。私生活上の問題であるダブル不倫について、会社は積極的に介入すべき場面ではありません。ただそうはいっても、社内の従業員同士の問題であり、現に怒鳴り込んで社内が騒然としている状況の解消を図る必要があります。私生活の問題だから会社は関係ないといって相手にしないよりも、一応話は聞いて、「最終的には当事者で解決する問題ではあるが、会社も協力できることがあればできる範囲で協力しますよ」というスタンスで対応するのがよいでしょう。慰謝料を払え、誠意を見せろと言われても、会社が直ちに責任を負うわけではありませんので、勢いに押されて会社の責任を認めるような言動はせず、まずは状況の確認につとめましょう。 4セクハラ事案との見極め次のようなケースについては注意が必要です。過去の恋愛関係や不倫関係が解消されたにもかかわらず、当事者の一方が関係の再開を迫ったり、付きまとい行為をするなどしている場合には、私生活の問題ではなく、セクハラの問題です。このような場合、会社が当事者の一方から相談を受けていたにも関わらず、会社が適切な対応をしなかった場合には、会社の安全配慮義務違反が問われる可能性があります。交際関係があった当事者同士で、その後、交際関係が解消されたにもかかわらず、当事者の一方が、「突然別れる理由が解らない」、「明確な説明がない」などとして、当該部署に頻繁にやってきて話しかけたり、近くに居座ったり、自宅を直接訪ねて大声を挙げるなどの付きまとい行為をした事案(名古屋高裁平成28年7月20日判決)において、裁判所は、会社には自ら雇用する労働者に対する雇用契約上の安全配慮義務を負担しているとして、就業環境が害されることのないよう、労働者からの相談に応じたり、雇用管理上必要な措置を講ずる事業主としての措置義務があるとして、会社がセクハラ行為の申し出に対して、真摯に向き合わず、何らの事実確認も行わず、予防措置等を講じなかったことについて安全配慮義務違反があったと認定しました。 このように過去に交際の事実があったとしても、セクハラ問題に発展する可能性があるため、会社は、当事者から相談があったときは、事実関係をきちんと確認し、そのうえで、当事者間で解決すべき私生活上の交際の問題なのか、セクハラの問題であるのかをきちんと見極め、適切に対応することが求められます。職場内でのダブル不倫解雇できるの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。職場内でのダブル不倫解雇できるの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月11日「働き方改革」が叫ばれる昨今、残業についての考え方も変わってきているようです。大手企業などでは残業をする際、上司や関連部署に申請を出さねばいけない会社も増えていると聞きます。しかし、会社で残業ができなくなっただけで、仕事量が減ったわけではありません。進捗の遅れに焦る上司などから、「時間がないなら残業すればいい」、「残業でも足りなかったら家でやればいい」、など強要はされていないが、強く勧められる、促されるなどすることがあるようです。このような言動・行動はパワハラのように思えます。実際のところどうなのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士にお聞きしました。 Q.上司から残業を促される…これはパワハラ? A.パワハラに該当する可能性があります齋藤弁護士:「パワハラとは、どのような行為がパワハラに該当します、という形で明確に記載されていません。一応の定義としては、同一職場内において労働するものに対して、職務上の地位や人間関係など、職場内での優位性を背景にして、業務の適正の範囲を逸脱した上で、精神的・身体的苦痛を与える行為であると指摘することができます。職場での地位や優位性というのは、立場によって異なるものですが、確実にこれを利用した上での行為であれば、パワハラに該当しえます。もちろん、職場はさまざまですから、どのような業種・業態によるかによります。ご指摘の質問では、残業の強要です。残業とは、実は法内残業と法外残業が存在しています。法外残業・休日労働、深夜労働であれば、割増率を確認したうえで、通常の賃金より多くの賃金請求が可能です。そのような手当てのようなものがつく行為であることにはかわりませんから、これを強要する行為はパワハラに該当してしまう可能性が極めて高いと指摘できます。なお、労働基準法施行規則25条の2第1項の規定には、業種によって商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業などと細かに分類が定められていますから、これを参考にしながら、各種業態の特殊性に応じて、判断されます」上司から残業を促される、自宅での作業を強要されるなどしている場合は、残業代を請求できる可能性があります。諦めず、証拠を集めるようにしましょう。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)会社が家での残業を促してくる…これってパワハラ?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。会社が家での残業を促してくる…これってパワハラ?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月11日結婚したい気持ちが強く、相手の欠点に気づいていても「結婚すれば変わるだろ…」と見て見ぬふりをしていませんか?欠点のない人はいませんが、周囲から「結婚するのはやめとけ!」と言われてしまう男性はいます。例えば、こんなケースが考えられます。 ・普段は優しく穏やかな人だけど、怒ると手が出る=DVにつながる可能性が高いそもそもDVは有形力の行使にあたり暴行罪が成立しますし、傷害罪が成立し得る行為です。これは家族だからといって許されるものではありません。 ・明るくて社交的な人だけど、頻繁に女性と2人きりでご飯に行ったり、連絡を取り合ったりしている=不倫につながる可能性がある不貞行為は離婚原因になります。その場合、慰謝料をめぐる問題が発生しやすいですし、子供がいれば成長への悪影響なども視野に入れていかないといけません。一度不貞をする人は、何度もすると指摘もできますね。 せっかく結婚しても、つらい思いばかりして、離婚を考えるようになるのであれば、結婚する意味がないのではないでしょうか。今回は、実際に「結婚をしてもいいかも…」という友人の発言に対し筆者が、「そんな男はやめとけ!」と言ってしまった(思った)男性トップ3と、もし結婚した場合どのようなことが懸念されるのか、トラブルが現実に起きたら法的に対処できるのか、などについてご紹介します。相手との結婚を考えるときの参考にしてください。 そんな男はやめとけ その①|お金の使い方に問題がある男お金に関するルーズさは、結婚したからといって簡単に変わるとは限りません。収入に見合わず高級志向だったり、ギャンブルがやめられなかったりする人が、結婚後もズルズルと使い込んでしまい…という可能性も否定はできないのです。そのような人と、万が一離婚に至った場合、財産分与の問題や、別居をすれば生活費の問題など、法律的な問題が山積みとなって降ってくるかもしれません。また、高額なお金を平気で彼女に借りる男も「やめとけ」と言われる対象になるのは間違いありません。筆者の友人の彼氏は、まさに、このタイプ。 2、3歳年下の彼女から、何万円ものお金を借りても平然としており、最終的に合計60万円ほど借金をした上、音信不通になってしまい自然消滅したようです。もちろん、お金は返ってきませんでした。この場合、裁判所を通して貸したお金を回収する方法もありますが、その際は貸したことを証明する証拠が必要です。お金を貸すたびに、念書などを作成する女の子はかなりの少数派でしょう。 もし、そのような人と結婚したとしても家計は圧迫され、働いても生活は苦しいまま。離婚を決意し、今までの苦労分の慰謝料を請求しようとしても、程度によっては認められない可能性が高いでしょう。そもそも、お金がない相手に慰謝料を請求しても低額でまとまる可能性が高く、最悪の場合、裁判にかかるお金で費用倒れするかもしれません。 興ざめになってしまうかもしれませんが、お金のやり取りをする場合には、万が一に備えて契約書を作成しておくことが、後々のトラブル予防策になります。あるいは、例えば誓約書にする、また、双方の利益になる婚前契約をする、という形にすれば、もう少し前向きかもしれませんね。 そんな男はやめとけ その②|前妻との間に問題を抱えている男自分の年齢が上がるにつれ、相手候補の年齢も高くなるのは当然です。その中に、バツイチ男性がいたっておかしくありません。もちろん、バツイチ男性が悪いわけではありません。しかし、その男性がどんなによい人でも、前妻との間に問題を抱えているのであれば「そんな男はやめとけ」と言わざるを得ないかもしれません。 離婚には、慰謝料・養育費・親権・財産分与など、さまざまな問題がつきまといます。特に養育費など子供に関する問題は、その子が経済的に独立するまで、父親として責任を負うことになります。現在の家計も満足に収入がないのに、前妻の子に養育費を払っていたり、あるいは減額したりしないことが、トラブルの種になりやすいのです。逆に、男性が支払うべき金銭を前妻に支払っていないため、裁判所から強制執行され差し押さえられた、という話も聞いたことがあります…。 バツイチ男性と結婚するのであれば、前妻との離婚時にどういった約束をしたのか、金銭的なトラブルが残っていないかなどについて、事前に確認しておきましょう。なお、金銭面については養育費だけではなく、慰謝料も分割払いにしていないかどうか、絶対に確認してください。慰謝料の分割払いは、長期になることも多くあり得ますので、今後の家計を設計する上で死活問題になり得ます。 そんな男はやめとけ その③|婚姻届と同時に離婚届を書かせる男筆者が聞いた話の中で最も強く「そんな男はやめとけ!」と言ったのは、婚姻届と同時に離婚届を書かせたバツイチ男です。書かせたといっても強要ではなく「離婚届を書いておけば、離婚したくないと思える」などと上手に言いくるめたようです。そして、その数年後、突然子供を連れて家を出ていき、離婚届を勝手に提出されたそうです。 離婚届は、一方が勝手に記入し、相手の印を押して提出した場合、『有印私文書偽造罪』などの罪に問われる可能性があります。また、裁判を行うことによって離婚の取り消しを求めることもできます。しかし、今回のケースは女性側が自分で離婚届を書いたので、勝手に作成したとは言い難く、判断が難しい状況です。詳しくは、次回お話しますが、なんとその男性は前妻と離婚したときも、離婚届を勝手に提出して離婚したそう…。 何を言われても、婚姻届と同時に離婚届を書かせる男との結婚は、今一度考え直した方がよいかもしれません。毎日を離婚の恐怖と闘いながら過ごすのは不健全ですし、別居をした場合でも、婚姻費用という生活費だけで生きていくのは、実際にはかなり厳しいのが現実です。 焦っての結婚は後悔に直結する年齢も年齢で結婚を焦っている人や、もう後がないと思っている人もいるかと思います。しかし、焦って妥協して結婚してしまうと、後悔に直結するでしょう。結婚を後悔しないためにも「そんな男はやめとけ!」という声にも耳を傾けることをおすすめします。また、結婚する場合でも最低限の離婚のルールをあらかじめ知っておくと、今後の婚姻生活の助けになるのではないでしょうか。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)【実録】そんな男はやめておけ! 結婚を後悔したくなる男トップ3はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【実録】そんな男はやめておけ! 結婚を後悔したくなる男トップ3はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月04日近ごろ、マンション・アパートの管理をめぐるトラブルが増加しています。特に、もともとマンション・アパートが多い上に、次々と新たなタワーマンションが建てられ、さらに進学や就職などによる人の入れ替わりが多い東京近郊や地方都市の郊外などでトラブルが起こりやすくなっています。20階建て以上のマンションを指す『超高層マンション』に限っていえば、2018年以降に完成予定の超高層マンションは全国で10.9万戸(内訳:首都圏8万戸、近畿圏1.4万戸、その他1.5万戸)。前回調査比で1.6万戸増とのことです。建設ラッシュに伴い、管理トラブルのさらなる増加が懸念されます。(参考:不動産研究所)マンション・アパートをめぐる紛争は、弁護士業務としては他の不動産を巡る紛争と分別せずに取り扱われることが多いものです。しかし、実際はマンション管理組合内部の統制の問題や、マンション・アパートを建て替える際の諸問題など特殊性・専門性の高い分野であるため、専門知識と豊富な経験を必要とします。そのため本来は分けて取り扱われるべきでしょう。 当事務所では、マンション・アパートをめぐる法的紛争を他の不動産分野と明確に区分しています。また、マンション・アパート管理会社、マンション管理組合、区分所有者いずれの立場からのご相談・ご依頼も受け付けております。ここでは、マンション管理をめぐるトラブルや法律問題について、お客様からよく寄せられる疑問・お悩みをQ&Aで解説していきます。 Q1.マンション管理をめぐる問題はどの法律を調べたらいい? マンション管理で困った場合、どの法律を調べればいいのでしょうか?『マンション』とつく法律はたくさんあるし、他の法律も絡んでくるようなのでどの法律にあたったらいいのかよく分かりません。 Aまずは『建物の区分所有等に関する法律(通称:区分所有法)』です。通常、1つの建物はそのすべてを1人で所有するものですが、マンションの場合は、1つの建物を区分して各部分を別の者が所有する(区分所有)という特殊な所有関係になります。そこで、そのように特殊な所有関係の調整、区分所有者同士の調整、区分所有者と外部の者との調整等を図るために制定されたのが区分所有法です。マンションの法律関係において最も基本的な法律ですので、まずは区分所有法を確認しましょう。もっとも、区分所有法はマンションの法律関係すべてを網羅しているわけではなく、他の法律も関連してきます。 まず、マンション購入の場面では私法の大原則である民法の売買の規定や『宅地建物取引業法』などを確認すべきです。次に、マンションの1室を賃貸する場合には民法の賃貸借の規定や『借地借家法』が中心になります。マンションの建て替えの場面では、『マンションの建て替えの円滑化等に関する法律(通称:マンション建て替え法)』によることになり、マンションが災害などで全壊した場合の再建の場面では『被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法』によることになります。また、2000年以前のマンション管理は、本来区分所有者の構成するマンション管理組合により行われるのですが、一般のマンション所有者は管理のノウハウもなく、それほど関心もないため、多くのマンションは十分な管理下にあるとはいえませんでした。また、マンション管理には、・区分所有者・賃借人・マンション管理組合・マンション管理会社・マンション管理士・管理業務主任者などこのようにさまざまな人物が登場するものの、その役回りや責任の範囲が不明確という問題点もありました。そこで、これらの点を規定すべく、2000年に『マンションの管理の適正化の推進に関する法律(通称:マンション管理適正化法)』が制定されたのです。 この他にも、マンションの建物自体の安全性の問題は『建築基準法』、マンション建設時の立地の問題は『都市計画法』、新築マンションの品質や瑕疵(かし)の問題は『住宅の品質確保の促進等に関する法律』、マンション購入契約の解除の場面では『消費者契約法』など、挙げればどんどん出てきます。さらに、マンションには通常、管理規約があり、区分所有法の規定をそのマンションに適合する形に修正していますし、マンション管理組合とマンション管理会社の間では管理委託契約が交わされており、それぞれの権利義務は同契約により規定されています。 このように、マンション管理について規定する(直接規定していなくても必要となる)法律は相当数あるので、残念ながらこれを調べれば大丈夫とはいきません。上記の分類にしたがい、必要となる法律を正しく選び取ることが重要です。また、当然ながら正しく選んだ法律の規定を正しく理解することも重要です(建築基準法などはごちゃごちゃした条文が多く、正しく読むだけで相当大変なのです)。もしすでに何らかのトラブルに直面しているような場合は、当事務所をはじめ知識のある弁護士への相談を検討してみてください。 Q2.マンション管理規約の見直しをすることはできる?マンションの管理規約は誰がどうやって定めるものなのでしょうか?・管理規約でペットを飼うことを禁止したい・管理規約で外国人の居住者のみ管理費を増額したい・管理規約で現在マンションに居住していない区分所有者のみの管理費を増額したいこれらは実現可能でしょうか。 A2.回答マンションの管理規約は、マンション管理組合を構成する区分所有者が集まる『集会(総会)』において、管理規約設定の特別決議(区分所有者と議決権総数のそれぞれの4分の3以上の賛成が必要)を経て定められます。通常の決議よりも重い特別決議によらなければならないのは、管理規約は区分所有者を縛るルールであり重大な問題だからです。管理規約については、国土交通省のマンション標準管理規約があり、基本的には各マンションはこれを参考にして管理規約を定めています。標準管理規約の定めはおおむね公平性・合理性のある内容となっているため、マンション管理規約を設定する必要がある場合にはまずはこれをベースにしたものを作成するとよいでしょう。●管理規約でペットを飼うことを禁止したい管理規約でペットを飼うことを禁止することは、上記の特別決議を経れば可能です。その際、現在ペットを飼っている区分所有者の同意・了承はいらないとされています(裁判例があります)。 ●管理規約で外国人の居住者のみ管理費を増額したい管理規約ではマンションの管理・使用や区分所有者相互間の調整などさまざまなことを定めることができますが、何でも自由に定められるわけではありません。公序良俗に反するような定めは無効になります。日本国籍の有無だけで管理費に差を設けるのは、合理的理由がなく公平性を欠くものなので公序良俗に反し無効となるとされています。 ●管理規約で現在マンションに居住していない区分所有者のみの管理費を増額したい合理的な理由がある場合には管理費に差を設けることは許されています。現にマンションに居住していない区分所有者の管理費を増額することは、その者が管理組合の運営のために必要な業務を行っていないなどの事情がある場合には有効と考えられています。 Q3.漏水した配水管の修理費は誰に請求すればいい?私はマンションの一室を所有していますが、部屋の床下排水管に経年劣化による亀裂が入ってしまい、それが原因で下の階の部屋に漏水が生じてしまいました。そのため、やむなくこの床下排水管を修理しました。この場合、私は修理費を請求することはできますか?裁判で修理費を請求する場合、誰を被告として訴えればいいのでしょうか? A3.回答マンションには専有部分と共用部分があります。専有部分とは、マンションの一室を所有する区分所有者が専有している部分であり、自分だけで自由に使える反面、その管理もご自身の責任で行わなければなりません。これに対し、共用部分とは、マンションの各部屋の所有者が皆で一緒に負担している部分のことです。玄関、屋上やエレベーターホールなどは共用部分の典型例です。共用部分の管理は、マンションの区分所有者全員で構成する団体であるマンション管理組合の責任で行います。したがって、修理費を他者に請求するには、床下排水管が専有部分でなく共用部分にあたらなければなりません。専有部分にあたれば、自分の責任で修理してくださいね、ということになってしまいます。床下排水管がどちらにあたるかについては過去に裁判で争われたことがあります。裁判例では、天井、床、壁は(躯体部分を除き)専有部分であるとするマンションの管理規約を用いながら、床下排水管は床ではなく『床下』にあるものであり、下の階の天井でもなく天井の上にあるものであるため、専有部分にはあたらない=共有部分である(マンションには専有部分と共用部分しかないため、専有部分でない=共用部分となります)と判断しました。したがって、修理代を請求することができます。では、裁判で請求する場合、誰を被告とするのでしょうか? マンション管理には多くの登場人物が出てくるので迷ってしまいますよね。上記のとおり、共用部分の管理については管理組合が責任を負っているので、今回ご質問いただいたような事例では、管理組合が被告になります。上記の裁判例でも管理組合が被告となっています。本事例における管理組合が法人格を有する管理組合法人の場合はもちろん、法人格がない管理組合の場合でも、理事長という代表者がいるので民事訴訟法の規定により管理組合自身が被告となりえます。 理事長は管理組合の代表ではあるものの、理事長自身が被告になるわけではありません(※規約による修正があり訴訟担当となる場合は別)。理事会も、管理組合の中の1つの機関にすぎないので被告にはなりません。マンション管理会社は、管理組合との契約上修繕責任を負う場合がありますが、原則として本事例の質問者さんのような一区分所有者に対してではなく、管理組合に対して契約責任を負っているので、本事例では被告とはなりません。下の階の区分所有者や、その者から部屋を借りている賃借人は、彼らが床下排水管の亀裂の原因を作ったという場合を除き原則として責任を負わないため、被告とはなりません。以上のとおり、本事例では管理組合が被告となりますが、あくまで本事例での話です。ケースにより、または請求内容により誰が被告になるかは変わってきます。マンション紛争の事例では、請求の相手方の選定を誤るケースが多く見受けられますので、くれぐれもこの回答だけを鵜呑みにせず、紛争が起こった場合には当事務所をはじめとする専門家にご相談ください。 Q4.管理組合の理事って報酬もらえないの?住んでいるマンション管理組合の理事を務めています。理事の仕事が忙しく休日を返上して仕事をしている状況です。現在は無償で理事の仕事をしているのですが、報酬をもらうことはできないのでしょうか? A4.回答多くのマンションにおいて、理事は無償で務めていると思われますが、規約で定めれば報酬を設定することはできます。標準管理規約にもその旨が定められています。もっとも、理事に報酬を支払うのはマンションの各組合員です(管理費の一部を充てる方法、別途役員報酬用の費用を徴収する方法があります)。高額な報酬を希望すれば当然不満が出て規約で定めることはできないでしょう。また、報酬に見合った仕事をきちんとしているのかどうかを後から総会等でチェックされることもあります。理事の業務について報酬をもらう場合は、特に理事会の内容や総会の招集手続き、帳簿の管理など、正確に記録しておき、いつでも組合員に説明できる状態にしておく必要があります。 無償で理事の業務をさせられるのが不公平だというのであれば、報酬を設定する方法以外にも、理事を持ちまわり制にするという方法もあるでしょう。そして、組合員自身が居住しておらず理事を務めることができない(居住していなければ実質的に業務を行うことができない)者がいる場合には、非居住組合員のみ管理費を増額するという方法で対応することもできます。管理組合において十分に話し合いを行い、どのような方法によるのが最も不公平感がでないかをよく詰めることが重要でしょう。 Q5.理事長のワンマンぶりが目にあまる!解任できる?マンション管理組合の理事長が、組合員の意見も聞かずに独断で、マンション管理会社を従来の会社から別の会社に変更してしまいました。噂によれば、理事長は新しいマンション管理会社から、管理会社を変更した見返りに金銭をもらっているとのことです。このようなことをする理事長を解任できないでしょうか? A5.回答区分所有法によれば、集会の決議によって理事長を解任できます。規約により変更されていなければ、過半数の多数決で可決し解任可能です。ただし、やっかいなことに、解任を決議するための集会の招集権は、区分所有法では理事長にあるとされています。これでは、理事長が集会を招集しないことが考えられますね。そこで、区分所有法では、理事長が集会を開かない場合には区分所有者の5分の1以上で、議決権の5分の1以上の賛成があれば集会の招集が請求できるとされています。理事長が集会を招集しない場合はこの方法を選びましょう。では、集会を招集したものの、過半数の賛成が得られず解任決議が否決されてしまった場合にはどうすればよいでしょうか? 区分所有法では、理事長に不正行為などで職務を行うに適していない事情があるときは各区分所有者が解任を裁判所に請求することができると規定されています。そこで、このケースのように、理事長が新しいマンション管理会社から金銭を受け取っているのであれば、不正な行為があるとして、裁判所に解任を請求することになるでしょう。実際に裁判所への解任請求まで行うケースは少ないのが実情ですが、理事長のワンマンぶりや不正を許さないためには、このような制度があることを知っておくことは重要でしょう。 Q6.モンスター住民への対応に困っています…問題のあるマンション住人を次の集会で注意することに決めたのですが、その住人は次の集会に弁護士を同席させ、言い分を主張したいと言ってきました。次回の集会にその弁護士が出席するのを阻止することはできますか? A6.回答区分所有法には集会への出席者・同伴者の制限に関する規定がないので、原則として弁護士の出席は阻止できません。マンション管理規約で、例えば『組合員の代理人・補助者として集会に出席できるのは当マンションの組合員に限る』などと規定しておけば、本ケースの弁護士の出席を制限することができます。 ちなみに、会社の株主総会においては、株主の代理人を他の株主に限定するという定めを定款に置くことは株主の権利を不当に制限するものとして問題があると議論されています。しかし、マンション管理組合の集会においては、株主総会の場合よりも緩く考えられており、代理人を組合員に限るとする規約の定めは問題なく有効と考えられているのです。このような規約の定めを設けておらず、弁護士の出席を阻止できない場合はどうしたらよいのでしょうか。 このケースでは、そのマンション住人の問題行動が集会の争点になることが明らか。管理組合側も事前に弁護士やマンション管理士、マンション管理会社の管理業務主任者や宅建主任者に相談し、主張を予想しておき、反論を用意しておきましょう。事前にしっかりと準備をしておき、集会当日の主導権を相手方に渡さないことが重要です。 Q7.滞納されている管理費を取り立てるには?管理費を滞納している区分所有者がいて困っています。管理組合はその人からどのようにして滞納管理費を取り立てることができますか? A7.回答民事訴訟を起こす、ということももちろん考えられるのですが、訴訟は時間も労力も、場合によっては費用もかかるので、最後の手段と考えた方がよいでしょう。まずは、管理組合から滞納区分所有者に対し、『内容証明郵便』を利用して支払請求をするのが一般的です。滞納金額や支払期限を明示し、支払わなければ訴訟を起こす準備があるなどと記載し、「管理組合は断固として滞納金を回収するつもりですよ」という強い意思をアピールします。弁護士に依頼して弁護士名で書面を送付すれば、より強調できるでしょう。 次に、内容証明郵便を送っても支払われない場合は、裁判所を通すことになります。その最も簡易的な方法として『支払督促』を申し立てることが考えられます。支払督促とは、裁判と異なり、実体審理(当事者双方が言い分を述べ、どちらの主張が正しいかを裁判所が判断する)をすることなく、申し立てた者の請求につき、相手方に督促書面を出すという手続きです。この督促督促を見た相手が、2週間以内に異議を申し出ない場合には、その支払督促は、通常の裁判で勝訴したのと同一の効力を持ちます。支払督促は、実体審理がないという点で、裁判所を利用する最も簡便な制度といえます。もっとも、支払督促は、2週間以内に相手から異議を出されると通常の民事訴訟に移行することとなっています。そうすると、異議が出されるのが目に見えているような相手の場合(すでに支払ったと主張しているような場合)、訴訟への移行はほぼ間違いなく、通常の民事訴訟を起こしたのと同じことになってしまい、時間・労力・コストがかかってしまいます。 そこで、次なる手段として考えられるのは『少額訴訟』です。少額訴訟は、金額が60万円以下の請求につき、原則として1回だけ実体審理を行い(通常の民事訴訟だと、実体審理の期日は何度も開かれ、難解な訴訟だと10回を超える)、その後すぐに判決が出るという制度です。実体審理を行う訴訟であるにもかかわらず、原則として1回で終了するため、簡便な手続きです。ただし、少額訴訟は60万円を超える請求は取り扱うことができません。また、相手側が少額訴訟の手続きではなく通常の訴訟に移行させたいと裁判で述べた場合には、通常の訴訟に移行します。そうなると、もう最後の手段である通常の民事訴訟を行うほかないでしょう。 Q8.民事訴訟以外の取立て手段は?前回のQの続きで、民事訴訟を起こす以外に管理費滞納者から管理費等を取り立てるための実効的な手段はありませんか? A8.回答まず、先取特権の実行という方法が考えられます。区分所有法7条1項では、『区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。』と定められています。先取特権とは、債務者の財産について競合する他の債権者に先立って自分の債権の弁済を受けることができる権利です。この権利を行使すれば、管理費を滞納している者の区分所有権や建物に備え付けた動産を競売に出し、競売された代金から優先的に弁済を受けることができます。 他にも、区分所有権等の競売という制度があります。区分所有法59条1項では、『第57条第1項に規定する場合において、第6条第1項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。』と定められています。この方法によっても、管理費滞納者の区分所有権を競売することができます。では、滞納管理者の区分所有権を競売する場合、先取特権の実行(A)と区分所有権等の競売(B)、どちらの方法がよいのでしょうか。 Bの方法は、『他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるとき』という条件を設定していますが、この『他の方法』には、区分所有法7条1項の先取特権の実行の方法も含まれています(法務省立法担当者解説)。ということは、Aの方法が使える場合にはBの方法は原則として使えないということですね。Aの方法を使えない場合でも、Bの方法は『共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるとき』という高いハードルを越えなければ、用いることができません。AとBの制度は、他にも競売手続きを続けても請求債権について弁済を受けられる見込みがなさそうな事案において競売手続きが裁判所により取り消されてしまう制度(無剰余取消制度)の適用の有無においても差があります(Aの場合は適用されますが、Bの場合適用がないとされています)。 この2つの制度については、制度自体の理解はもちろん、どのような場合に用いることができるか判断するのが難しい(特に区分所有権等の競売(B))ので、実際にこれらの手段をお考えのマンション管理組合の方は、一度専門家にご相談してみることをおすすめします。増加するマンション管理を取り巻く法的トラブル|弁護士のサポートで早期解決を実現はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。増加するマンション管理を取り巻く法的トラブル|弁護士のサポートで早期解決を実現はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月29日大口病院の看護師が複数人の患者に消毒液などを点滴し死亡させていた事件は、世の中に衝撃を与えました。真偽は明らかになっていませんが、50人が被害を受けたという情報もあり、事件の異常性が浮き彫りになっています。このようなケースは極稀で、ほとんどの看護師は日々患者さんを献身的にサポートしていることと思います。しかし、なかには「ちょっとおかしいな」「大丈夫かな?」と感じてしまうこともあるでしょう。そのような場合、患者はどのような対応を取れば良いのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士にお聞きしました。■債務不履行責任を追及できる余地がある齋藤弁護士:「法律上、診療契約は、準委任契約とされます。準委任契約では、委任契約の規律が適用されますので、病院側には善管注意義務といって、高度の注意義務が発生しています。これらの債務不履行責任を追及する余地があるでしょう。また、別途看護師などの現場担当者がことさらに、暴力などの行為に及んだ場合には、不法行為責任の追及や、使用者責任も検討に入ります。上記以外にも約款などに根拠があれば別の請求ができましょう」 ■「根拠」を説明することが要求される齋藤弁護士:「証拠としても、「おかしい」と感じた根拠、「おかしい」その理由を証明できることが要求されてきます。たとえば車載のドライブレコーダーなどと同じように、担当者がどんな行為をして、「おかしい」結果になってしまっているのか。証拠が大切です。日々の観察日記などでも証拠にはなりえるので、根気強く、証拠をあつめていくのが先決です」 ■慎重な行動を「おかしい」と感じただけで看護師を訴えることはできません。証拠を集め、主張が本当に訴訟に踏み切るだけの根拠があるかどうかを慎重に検討する必要があります。看護師さんたちは激務のなか一生懸命頑張っています。「おかしい」と思ったとしても、直ぐに主張せず、証拠を集め、しっかりと行動を検証するようにしてください。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)世間に衝撃を与えた大口病院事件…看護師が「おかしいと感じた場合」どうすべき?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。世間に衝撃を与えた大口病院事件…看護師が「おかしいと感じた場合」どうすべき?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月22日連日報道される「パワハラ」レスリングの監督による選手への言動や、大学のチアリーディング部の監督による選手への言動が、「パワハラ問題」として報じられています。報道されている内容が真実であるとすれば、もちろん良くないことだろう、ということはわかります。しかし、皆さんの中にも疑問を感じられた方もいるのではないでしょうか。「これってパワハラなの?」パワハラの定義とはパワハラとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性(上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間などの様々な優位性を背景に行われるものも含まれる)を背景に、業務の適正な範囲(個人の受け取り方によっては、業務上必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合でも、これらが業務上の適正な範囲で行われている場合には、パワハラには当たらない。)を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう、されています。例えば、上司が部下に対して、「バカ」、「あほ」、「死ね」、「小学生以下か」、「給料泥棒」、「お荷物」、「目ざわり」、「いてもいなくても同じ」、「いつ辞めてもらったってかまわない」などの人格否定をする発言がパワハラに該当するのはイメージがわきやすいですね。では、監督・コーチと選手との間ではどうでしょうか。同じ職場で働いているわけでもないし、労働契約もないし、従業員でもないし、それでもパワハラに該当するのでしょうか?パワハラの定義は、もはや意味がないそもそもパワハラの定義に該当するか否かを考えてもあまり意味がありません。パワハラに該当しないからといって責任を免れることできるわけではないからです。やってはいけないことをやってしまえば当然、責任を取らなければならないのです。内容によっては、刑事上の暴行、傷害、名誉棄損等に該当し得ますし、民事上も不法行為の損害賠償の対象になるでしょう。もはや、「パワハラ」という言葉自体にあまり意味がないのです。パワハラという言葉は、今や、社会的に、職場環境的に、法的に、許されない行為という意味で広く用いられるようになったということです。政府が公表、パワハラ報告書なお、パワハラについては、働き方改革実行計画において、「職場のパワーハラスメント防止を強化するため、政府は労使関係者を交えた場で対策の検討を行う」ことが示されました。このようにパワハラ防止は、働き方改革においても重要な課題として位置づけられ、それを踏まえて平成30年3月30日、「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」報告書が公表されました。職場における、どのような言動やどのような要素がある場合に職場のパワハラに該当するのかについて、具体例も記載されています。ぜひ、一度、ご覧になってみてください。 執筆/杜若経営法律事務所 岸田鑑彦(【使用者側専門40年の圧倒的な実績】【市ヶ谷駅徒歩3分】【弁護士9名在籍】【総合力とチームワーク】杜若経営法律事務所は使用者側労働問題の解決に圧倒的な自信がございます。)監督やコーチから、選手に対する言動はパワハラなの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。監督やコーチから、選手に対する言動はパワハラなの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月21日レジャー施設などでは顧客に対し回数券を販売し、0円で入館させるケースがあります。通常毎回入場券を買うよりも得となっており、「10枚綴りで5000円」などという料金設定が一般的のようです。■回数券にはリスクもそんな回数券には、一定のリスクがあります。施設の運営が倒産などで立ち行かなくなってしまった場合、当然ながら回数券は単なる紙切れ。購入費用はすべて無駄になってしまいます。通常施設が返金に応じるものですが、なかにはそのような対応を一切行わず逃げるような経営者もいるようです。このような場合、どのように対応すればいいのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に見解をお伺いしました。 ■施設が倒産したらどうすればいい?齋藤弁護士:「じつは倒産には、いくつかの種類があるのです。たとえば、破産。これですと、破産手続開始決定後は、配当という手続に至るまで、返金などの可能性はほとんどありません。ただ、財団債権といって、簡単に言うと、店舗全体の利益になるような権利であれば、例外はあります。ご指摘の事情ですと、回数券を有している利益は、当該店舗に対する債権者としての地位を有しています。債権者としての地位とは、施設を利用することができ、かつ、回数券という形で複数回これを利用できる利益を享受することができるものです。これらが財団債権や、優先的破産債権といって、保護が手厚いものかというと、実はそうではありません。この場合には、場合によっては泣き寝入りになってしまうことはありえます。しかし、これが破産ではなくて、民事再生や会社更生、私的整理、などであれば別です。まずは倒産した店舗に掲示されている案内をしっかり読んでみる。その上で、記載されている意味がわからなければ、申立人代理人弁護士の記載されている事務所に問い合わせてみる、などの方法はあり得ます」「倒産」が伝えられた施設が「破産」なのか、民事再生なのか。まずはそれを確認することから始めてみると良いかもしれませんね。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)回数券を買った施設が倒産し返金に応じない!どうすればいいの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。回数券を買った施設が倒産し返金に応じない!どうすればいいの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月20日会社員の場合、休みの日でも携帯に電話が掛かってくることがあります。このようなことを見越して法人契約した「会社用携帯電話」を支給されているという人も多いことでしょう。業務に使うのなら、料金を自分で支払う個人用携帯は使いたくないものですが、中小企業などでは個人の携帯に連絡し、場合によっては客先に電話するよう促されることもあると聞きます。このような場合、当然電話代を会社に請求したいもの。しかし、なかには支払いを拒否するケースもあるようです。個人携帯を業務でも使っている場合、会社に電話代を請求することはできないのでしょうか?ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士にお伺いしました。Q.個人携帯で業務電話…料金を会社に請求することはできる? A.業務用途であることが明確であれば可能です森川弁護士:「論理的には請求可能ですよ。ただ、立証が困難ではあると思います。まず、業務内容の電話を使用したということ、そしてその通話時間、その場合の電話料金。これが明確にすることができれば、料金の請求は可能になると思われます。現実的に見ると、『業務用に使った』ということが立証できるか否かがポイントとなると思われます」「業務に使った」ということが明確になっている場合は、料金請求が可能になるようです。立証はなかなか難しいものと思われますが、現在携帯電話については各キャリアが通話明細を発行しています。個人携帯を業務でも使用し、料金を自腹で支払っているという場合は、通話履歴を参考にしながら「業務用途」であることを明確にしたうえで、会社に相談してみてはいかがでしょうか。 ※au通話明細サービス・通話明細分計サービス※docomo料金明細サービス※softbank請求書・通話明細発行*取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)個人携帯を業務用途で使用しているのに電話代は自腹!料金を会社に請求できないの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。個人携帯を業務用途で使用しているのに電話代は自腹!料金を会社に請求できないの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月19日いわゆる「ブラックな仕事」の代表格に、「ツアーコンダクター(旅行会社添乗員)」があります。ツアー旅行に同行し、長時間顧客対応に迫られたうえ、自宅ではなくホテルで一日を終える。いわば一日丸々仕事と言っても良いのですが、残業代がでないことが多く、かなり報酬が安いと聞きます。さらにタイムカードも存在しないため、勤務時間が把握しにくく、場合によっては会社にうやむやされてしまうのだとか。このような場合、会社に未払い残業代を請求することはできないのでしょうか?エジソン法律事務所の大達一賢弁護士に解説していただきました。 ■残業代は請求できる?大達弁護士:「ツアーコンダクターに限らず、どんな仕事であっても、労働基準法上、原則として1日で8時間、1週間で40時間を超えて労働した場合には、原則として残業代を請求することが出来ます(32条1項、同2項、37条)。しかし、ツアーコンダクターなど、事業所外での業務が大半を占める職種においては、いつ、どこで、何時間仕事をしたのかを算定するのが困難であるとして、残業代が支払われないことがあります。すなわち、ツアーコンダクターの仕事が、労働基準法38条の2第1項の「事業場外で業務に従事した場合で、労働時間を算定し難いとき」にあたるとされ、1日の労働時間が8時間であるとみなされてしまい、たとえ何時間働いたとしても残業はなかったことにされてしまうのですこのような場合、会社に対し、残業代を請求することは出来ないのでしょうか。この点について、最高裁は、旅行添乗員の残業代請求に関する事件について、①旅行の日程等はあらかじめ具体的に決められており、業務自体もマニュアルに従ったものを会社から命じられている以上、添乗員には裁量がほとんど認められていない点、②添乗員は何か問題が生じた際には携帯電話等で常時会社に連絡が可能であった上、会社は日報等によって添乗員の勤務の状況が把握可能であった点をあげ、「業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等、本件会社と添乗員との間の業務に関する指示及び報告の方法、内容やその実施の態様、状況等」を考慮し、結論として労働基準法38条の2第1項の「労働時間を算定し難いとき」に当たるとはいえないと判断しました(最高裁平成26年1月24日判決)。つまり、最高裁は、①当該ツアーコンダクターの業務に裁量が認められるかどうか、②会社が業務状況を把握することができたかどうか、という点を考慮して、労働時間の算定はが困難とは言えないものと判断したものと考えられます。これを踏まえると、一般的なツアーコンダクターの仕事の場合も、①あらかじめ定められた日程での業務であり、②携帯電話等による状況把握も、現在においてはより簡便になっているといえるため、ツアーコンダクターの業務は労働基準法38条の2第1項に当たるとまでは言いにくく、結果として残業代請求は認められる可能性は高まるものと考えます。もっとも、①ツアーコンダクターの裁量が大きく、自ら現地において行程等を決めることができ、あるいは②携帯電話や日報等による業務状況の把握が困難な場所(電波が通じない場所など)における業務である場合には、「労働時間を算定し難いとき」に該当するとして、労働基準法38条の2第1項にあたり、残業代の請求が難しくなる可能性があります」ツアーコンダクターの仕事はかなり特殊で、「残業代が出る・出ない」はケースバイケースであるようです。残業代を請求したい場合は、弁護士の力を借りることをお勧めします。 *執筆・法律監修: 大達 一賢(エジソン法律事務所。第一東京弁護士会所属。「強い、やさしさ。」、「守る≒攻める」、「戦略&リーガル」の3つの思いを胸に、依頼者のために全力を尽くします)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)ブラック仕事の代表格「ツアーコンダクター」未払い残業代を請求することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。ブラック仕事の代表格「ツアーコンダクター」未払い残業代を請求することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月18日真実に反した、労働者の主張昨今、残業代請求やパワハラ等の労働問題で、労働基準監督署に駆け込む新入社員を含む若手社員が急増したように思います。使用者側に非があるケースであれば良いのですが、真実に反した相談内容なのではないかと疑問に思わざるを得ない事例もよく見られます。今回は、社内で不正を働いた社員を懲戒解雇懲戒解雇をされた社員が、『不正を働いた覚えなどない。証拠もない。にもかかわらず不当に解雇された』として労働基準監督署に駆け込む会社側の落ち度(長時間労働やパワハラ等)により精神疾患を発症したとして労災認定を受けるさらに、会社に対し、多額の慰謝料や未払給与等の請求という事例について触れたいと思います。 近年ハードルが低くなった、労働問題の弁護士介入ひと昔前まで、使用者と労働者との紛争に弁護士が介入してくることが現在ほど多くありませんでした。社員に不正がある場合に限らず、能力不足等の事情により解雇をした場合においても弁護士が介入して裁判所で争われるといった事態を心配することはあまりなかったのでしょう。しかし、貸金業者の相次ぐ倒産により、いわゆる過払いバブル時代にこれをよりどころとしていた弁護士の業績が悪化し、残業代請求や不当解雇による損害賠償請求という労使問題に弁護士が積極的に介入するようになってきたことも要因の1つであることは否めません。弁護士によっては、法律相談料や最初にいただく着手金はいずれも無料とし、実際に会社から支払を受けることができた場合にその一部を報酬としていただくというような価格設定をしているところもあり、弁護士に相談しようという心理的ハードルがかなり下がっている実情もあろうかと思います。 不正をした社員を懲戒処分にした結果、会社が慰謝料を請求される恐れがある弁護士介入により労働審判や裁判に持ち込まれるケースでは、会社が行った解雇処分が有効と判断されるケースは極めて稀です。解雇、特に懲戒解雇処分に関して、法的には非常に厳しい要件が課されています。解雇処分よりも軽い戒告・減給・停職等の懲戒処分を段階的に踏んで指導の機会を経てもなお改善されない、かつそれが一目で分かる証拠を残しておかないと、懲戒解雇処分は無効とされてしまうケースがほとんどというのが実情。能力不足を理由に懲戒解雇をすることを裁判所が有効と認められることは、まずほとんどありません。 横領や詐欺、背任等の会社に直接損害を与えるような不正事例を行なった社員に対しては懲戒解雇も有効と認められることが多くあります。しかしそれには、「不正の事実」を証拠で証明することが必要です。証拠の確保ができないまま不当解雇をしてしまえば、証拠も十分でないのに見込みだけで安易に下した不当解雇と判断せざるを得なくなり、被害を受けたはずの会社が不正を働いた従業員に対して、多額の慰謝料や未払給与等を支払うこととなるケースが増加してきているのです。使用者からすると常軌を逸した事態です。しかし、このような事態が増えてきているのが現実です。それでは、不正などを働いた社員を懲戒としたい場合、会社としては、どのようなことに気をつけて懲戒解雇処分を下せば良いのでしょうか。 【社員の不正事実の調査方法】(およそ事実調査一般に共通します)下記は不正事実の発生から懲戒解雇処分に至るスキームと段階ごとの留意点です。概略についてのみ記しますが、参照ください。1.調査体制と調査方針・スケジュールの確立2.客観証拠の収集【どのような証拠が必要か?】請求書、注文書、納品書、契約書、見積書、稟議書、決算書、出金伝票、帳簿類、メール、その他連絡文書等金銭の流れが分かる預金通帳等リベートを取得したことが分かる証拠あるいはリベートの費消先の分かる証拠が必要。※会社の損害の穴埋め等、会社に還流している部分は横領や不法行為とはならない可能性あり。3.自宅待機命令のタイミング【調査期間中の自宅待機命令】原則として賃金支払い義務あり就労させないことにつき、不正行為の再発、証拠隠滅のおそれなどの緊急かつ合理的な理由が存する場合には支払い義務を免れる(日通名古屋製鉄作業株式会社事件名古屋地判平3・7・22)4.当事者及び関係者からの一斉同時聴取【事情聴取の手法】事実調査に熟練した弁護士に依頼、それができない場合には2名で聴取騙されない、性悪説に立つ。全く信じていないという演技も必要。なるべく録音する客観証拠をぶつけるタイミングは工夫が必要。手の内を見せない。自白の獲得は、極めて重要人は、利益誘導でしか自白をしない信頼関係の「舞台」を設定する工夫は重要聴取者、情報集約者、処分者等の役割分担の工夫も一案客観証拠の収集を視野に入れながら聴取する弁護士の同席を認める必要はない聴取内容は、なるべく一問一答式で、実際の話し言葉を忠実に再現した書面を作成の上、署名・押印を求める。本人が頑なに拒否する部分は、そのまま盛り込んであげることで、書面の信用性が高まる。録音していない場合には、自筆の書面も提出させる否認している場合にも、後で新たな弁解を出させないために、あるいは、主張の矛盾を浮き彫りにするために、その証拠化は重要5.事実認定と処分方針の確定6.弁明手続の実施処分の見込とその理由となる事実を本人に説明の上、十分に弁解を聞いた上で最終処分を下すべき。これを怠ると、処分が無効となる可能性がある。7.懲戒解雇解雇後の本人の調査協力は得られないので(逃げた者勝ちになる可能性が高い)、その前段階、社員の身分を有する間の早い段階での調査と証拠の確保が決定的に重要。任意の証拠提出依頼を繰り返し、ありとあらゆる証拠を早期に確保すべきである。調査協力及び拒否に関する規程類の整備も考慮に値する。【モデル就業規則】第○条従業員の調査協力義務1.会社は、コンプライアンス違反の疑いを察知したときは、当該事実の有無、その内容等について必要な調査を行う。2.従業員は、前項に基づき会社が必要性を認めて適宜の方法により実施する調査に協力する義務を負い、正当な理由なく調査への協力を拒んではならない。3.会社は、第1項に基づく調査に際し、必要に応じ、従業員に対し、自宅待機を命じることができる。8.刑事告訴、民事訴訟等の手続選択告訴して刑事手続を先行させられると楽。捜索は、刑事事件でしかできないし、100万円を超える場合には、弁償しないと実刑になる可能性が高く、否認せずに認めて、必死に弁済しようとする動機が一気に高まる。刑事記録の入手が可能になるし、警察・検察と弁護士が連携して、強制執行に必要な情報の入手も可能となる。告訴先は、所轄の刑事二課か、検察庁の特別刑事部。民事裁判官は、刑事手続以外での証拠収集の限界や、横領や背任等の経済事犯犯の認定方法を必ずしも正確に理解しているとは限らない。さいごに〜リスクを軽減するために〜前項で述べたような事実調査を実施し、不正等の事実を証明できる証拠をきちんと確保した上で懲戒処分を下したとしても、必ず有効になるという保証はありません。その処分の有効無効は裁判官の判断に委ねられているためです。つまり、使用者は常に抱えるリスクについて考えなければなりません。手を尽くしても払拭し切れないリスクに対しては保険が有効であり、唯一のリスク軽減の手段といえます。「保険でカバーできる部分は大胆かつ実務的に。保険でカバーできない部分は法的にプロテクトしつつ慎重に。」これがリスク管理の基本的な考え方であり、私たちが使用者にアドバイスする上でも常に心がけていることです。最後に、近時急増する労使問題で使用者側が裁判所で敗訴するリスク等に備える各種保険が売り出されていますので、その一部を紹介いたします。 ~雇用慣行賠償責任保険(EPLI)の活用の検討~ ・不当解雇を含む無効な懲戒処分、セクハラ・パワハラ、名誉毀損等での損害賠償金(不当解雇による未払給与含む)及び弁護士費用を含む裁判費用をカバー・東京海上日動火災保険、あいおいニッセイ同和損保、AIG損害保険会社、チューリッヒ保険会社等で商品化している 執筆/シティ総合法律事務所(「弁護士」というと、敷居が高く、話しにくいと思われるかもしれませんが、我々自身、そういう弁護士は苦手で、親身に温かく皆様のお悩みをお聞きする温かい法律事務所であると自負しておりますので、どうぞご安心して、何でもお気軽にご相談ください。)社員の不正等に絡む労使問題の裁判所の実情と対応のコツはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。社員の不正等に絡む労使問題の裁判所の実情と対応のコツはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月17日新入社員のMさんは、研修期間を終え現在先輩に同行し営業職を勉強中。日々自動車で得意先を回っていますが、あることに疑問を感じているそう。それは、営業車にGPSが取り付けられ、居場所をつねに確認されていること。先輩によると、得意先周辺以外の場所に車を止めていると、あとで「何をしていたのか?」と聞かれることもあるのだといいます。Mさんはこのことについて「人権侵害ではないのか」と憤りを感じています。法的に問題はないのでしょうか?Q.会社が営業車にGPSを取り付け位置を管理…違法性はない? A.営業車の会社所有で、位置情報の管理が業務時間内のみなら問題はありません一口に営業車と言っても様々な態様があると思いますが、営業車が会社所有である場合は、問題はないものと思われます。そして、位置情報の管理についてですが、業務時間内のみであること、そして、その位置情報の用途や管理の目的が、個人のプライバシーを侵害するような態様でない場合は、違法性はなく、人権侵害にはなりえません。営業車の主な目的は当然ながら客先を回ること。仕事もせず娯楽施設に行くなどしている場合は、当然会社の所有物を不正利用しているということになります。そのような営業車の不正利用を防ぎたいという目的でGPSを導入し、位置情報を管理するのは、会社としては正当な行為。しかし管理される側としては、不快感や違和感を持ってしまうのも致し方のないことです。会社によっては社員に無断でGPSを搭載することもあるようですが、不愉快に感じる社員がいることも事実。事前に用途、目的などを説明し、理解してもらったうえで搭載・管理するのがベストではないでしょうか。 *取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています*監修:センチュリー法律事務所 小林 洋介弁護士(一つ一つのご相談には個性があり、解決策もさまざまです。それぞれのご相談の事情や時代の変化に応じて、既存の解決策にとらわれず、新しい解決策を常に模索し、提案し続けていきたいと考えております。)会社が営業車にGPSを取り付け位置を管理…人権侵害じゃないの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。会社が営業車にGPSを取り付け位置を管理…人権侵害じゃないの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月15日昼食を取ったあとは、人間誰しも眠くなるもの。暇な職場では、ウトウトとしている社員を見かけることもあります。なかには、ずっと寝ている社員もいたり…。経営者としては、寝ている時間については、給与を支払いたくないと思うのは当然のこと。「ノーワーク・ノーペイ」で、居眠りをした時間分給与を減らすことはできないのでしょうか?Q.睡眠を繰り返す社員に寝ている時間分減給したい…それは可能? A.場合によっては可能です居眠りしている時間が極めて長く、それを繰り返すなどして業務に支障を与えるような場合には、「ノーワーク・ノーペイの原則」が適用され、欠勤控除を検討する余地はあると思われます。ただし、欠勤控除の計算方法は、あらかじめ就業規則等に規定しておく必要がありまし、居眠りしていた時間をきちんと証明できる資料を作成しておくことが不可欠です。 次に、欠勤控除とは別に、懲戒処分を検討することができるかどうかですが、就業規則等に、懲戒事由として「居眠りをした場合」という規定がなくても、「従業員として適正を欠く行為に及んだ場合」などの一般条項に該当するとして処分することはありえます。ただし、懲戒処分の前提として、処分以前に何度か注意を行い、本人の弁明を聞くという適正な手続を経ることが不可欠です。また、居眠りは過失行為ですから、戒告等の軽い処分にせざるを得ないでしょう。そうでなければ、懲戒権の濫用と言われかねません。そのほか、人事考課のシステムがあれば、勤務中の居眠りはその人の評価を下げる理由になり得ます。その場合、賞与の額の決定、さらには昇進・昇級にあたり本人に不利益に作用することになるでしょう。なお、「居眠り」を好んでする社員はいないはずで、長時間労働や職場環境の問題がある、本人に何らかの精神的・身体的疾患が生じているなど、何らかのサインである可能性があります。使用者側もその背景を把握する努力をすべきで、これを怠ると、職場の安全配慮義務違反その他の不当労働行為を指摘されることになりかねません。ただ注意するだけではなく、折を見て本人や周囲からよく事情を聞くなどの対応が必要だと思います。*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*監修:生田康介(笠原総合法律事務所『Warm Heart, Cool Head』をモットーにお客様の正当な利益を実現するよう努力いたします。)社員が居眠りを繰り返す!時間分減給することは可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。社員が居眠りを繰り返す!時間分減給することは可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月14日昨今「職場いじめ」が問題になっています。「いい大人が何をしているんだ」と思ってしまいますが、幼稚な思考を持つ人間が存在しています。また、「辞めさせる」ためにわざといじめてくるケースもあるようです。学生のいじめも問題ですが、大人のそれも厄介。仮に自分がそのような状況に陥ってしまった場合、どのように対処するべきなのでしょうか?法律事務所あすかの冨本和男弁護士に、今回の処分について見解をお伺いしました。Q.職場いじめを受けた場合、どのように対処すればいい? A.上司や弁護士、都道府県の労働局に相談しましょう冨本弁護士:「まず、職場で受けたいじめの内容(加害者の具体的な言動)について、時系列に沿って整理し、可能であれば録音したり、証言者を得たりして証拠を確保します。その上で上司に相談して解決されそうであれば上司に相談してみましょう。また、ある程度大きな会社でそうした相談の担当部署があるようであれば、そちらに相談してみてもいいでしょう。会社内で頼れる人・部署がないような場合、弁護士や都道府県の労働局に相談することも考えられます。企業が従業員から職場でのいじめの相談を受けた場合、いじめを受けた従業員からよく話を聞くのは当然ですが、いじめを行った者や周辺の者にも事情を確認する等の調査を行って、いじめが事実であると判断するのであれば、いじめを行った者にいじめを受けた従業員への謝罪を促したり、いじめの内容がひどくいじめを行った者に反省の色も認められないようであれば相応の処分を行うことも検討した方が良いでしょう。また、調査の結果いじめが事実であるとの判断に至らない場合でも、いじめを受けたと主張する従業員に対し、どういった調査を行って、どういう理由でいじめの事実を認めなかったかについて可能な範囲で説明を行うことも考えられます」職場でいじめ被害を受けた場合、1人の力では如何ともし難いものがあります。証拠を確保したうえで、上司や部署、そして弁護士や都道府県の労働局に相談しましょう。 *取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています) 身近に潜む「職場いじめ被害」のリスク被害を受けた場合の対処法を弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。身近に潜む「職場いじめ被害」のリスク被害を受けた場合の対処法を弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月13日昨今、弁護士による犯罪が多発しています。記憶に新しいところでは、札幌市内のタクシーに乗っていた30代の弁護士が運転手に怒り、何度もイスを蹴るなどして暴れた事件があります。また、クライアントから預かった依頼金を着服し、飲食代や趣味へと流用した事件も発生。いずれもありえない出来事で、信頼を失うことになりました。このような状況のなか、弁護士は今後どうあるべきなのでしょうか?ともえ法律事務所の寺林智栄弁護士にお聞きしました。■弁護士はどうあるべきか?寺林弁護士:「一昔前までは、弁護士は、「違法な行為」とは縁のない存在であったと、一般の人からは思われていたかもしれません。しかし、昨今、弁護士が犯罪やその他法的な問題を起こすケースが報道されるようになってきました。例えば、依頼者から預かっている金銭を多額に横領したというケース。第三者に対して暴行をふるったというケース。盗撮をしたり、児童買春をしたりしたというケース。種々様々なものがあります。以上のようなケースは、単に、弁護士の数が増えて、種々様々な人が弁護士という資格を得るようになったからという単純な理由で生じているものではないと、個人的には考えています。ただ、従前の弁護士業界に比べて競争が激化していることは、大きな要因ではないかと思います。例えば、横領のケースでは、事務所の経営難が1つの理由になっているものと思われます。第三者に対する暴行や、盗撮、児童買春などは、ストレスが最も大きな理由でしょう」 ■弁護士も悩みを抱えることがある寺林弁護士:「事務所の収益を上げるためには、不本意な事件を受任しなければならないこともありますし、これまでであればだれも受けなかったであろう事件を受けて依頼者や相手方にひどく翻弄されることも少なくありません。そういう事件が多くなってくると、どうしても気持ちのやり場がなくなってきたりするものです。同業者の友人は、友人であるとともに、収益という点ではライバル関係に立つものですから、相談したり愚痴をこぼしたりするにも限界があります。そうやって、悩みを抱え込んだ結果、暴行や盗撮、児童買春などに走る結果になった人も少なくないのではないかと思います。このような厳しい業界の中で、弁護士はどうあるべきかを考えるのは、非常に難しいことです」 ■地道な努力をするしかない寺林弁護士:「ひとりひとりができることは、非常に地味で地道な努力しかないでしょう。まずは、一件でも多くの事件を受任できるよう常にアンテナを張り巡らせておくこと、次の紹介につながるように1つ1つの事件を丁寧にこなすこと、これが基本になると思います。また、業界全体としては、弁護士が参入できる領域を拡大していくことが必要ではないかと思います。最近では、高齢化社会に伴い、後見や信託、福祉の分野に弁護士が参入できうる領域を拡大してきましたが、それだけでは頭打ちになってしまうことでしょう。弁護士の不祥事を減らしていくためにも、業界全体として「稼げる領域」というものを開拓していくことが、必要なのではないかと考えています」弁護士といえども人間。「儲からない」「仕事がうまくいかない」などの壁に当たれば、心のバランスを崩してしまい、場合によって犯罪者となってしまうようです。競争が激しくなったといわれる業界ですが、弁護士を必要としている人が減っているわけではありません。弁護士の力を借りたい人と、仕事が欲しい人。その両者が迅速かつ適正にマッチングするようなシステムが求められているのかもしれません。 *取材協力弁護士:寺林智栄(ともえ法律事務所。離婚・男女トラブル、労働トラブル、交通事故、借金問題、遺産相続、詐欺被害、消費者被害、刑事事件などを扱う)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)増加傾向にある弁護士の犯罪世間の目が厳しくなるなかでどうあるべきなのか?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。増加傾向にある弁護士の犯罪世間の目が厳しくなるなかでどうあるべきなのか?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月12日昨今、IT社長の年収がなにかと話題になっています。芸能人女性との交際が話題になった社長は、年収がじつに35億円(推定)あるのだそう。一代でそこまで稼ぐようになった彼に、芸能人は惚れるのでしょう。この他にも大手自動車企業のCEOが約10億(推定)の報酬を得るなど、社長業はやはり儲かる様子。しかし下で働く社員からしてみれば、「俺達は額に汗して頑張っているのにそんなにもらってるの?」と思うかもしれません。とくに経営が苦しく、給料も上がらない会社に勤務している場合、「社長の給料を引き下げろ」と迫りたくなります。社員から社長の給料に異議を唱え、下げるよう迫れないのでしょうか?星野・長塚・木川法律事務所の木川雅博弁護士に見解を伺いました。Q社長の給料が高すぎる社員から下げるよう迫れないの? A社員(従業員)は社長の給料を下げられません。木川弁護士:「社長を含む会社役員の給料(役員報酬)は社員(従業員)が決めるのではなく、会社の持ち主である株主(株式会社の場合。以下、株式会社を念頭に置いて解説します)が決定します。実際問題としても、社長(役員)の給料が下がったらその分従業員の給料が上がるという関係にはないでしょう。会社の業績が悪化しているのに社長の報酬が高すぎると感じるときは、会社の持ち主である株主が文句を言うことになります。数は少ないですが、株主総会において役員報酬減額の提案がなされた例も存在します。ただ、減額すべきと考える理由が当該役員の経営判断ミスによる業績悪化ということであれば報酬減額よりも当該役員の解任を求めたほうがより直截的ですので、株主提案の数としても報酬減額よりも解任提案のほうが多いですね。なお、従業員が株主であれば、理論的には従業員も社長の給料減額や社長の解任(解職)を求めることができます。しかし、従業員が株主提案権を行使できるほどの株を持っていることはあまりなく、また、従業員の持っている株は議決権制限株式であることも多いので、従業員が社長の解任(解職)を求めることはほぼできないと言っていいでしょう(会社法303条、339条1項等)」株式会社の場合、株主から減額や解任提案をされなければならず、残念ながら社員から社長に「減額」を迫ることはできないようです。実際のところかなり難しいとは思いますが、社長の経営方針や報酬に不満がある場合は、役員や株主に働きかけてみるのも、一つの手段かもしれません。 *取材協力弁護士:木川雅博 (星野・長塚・木川法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野・長塚・木川法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています) 社長の給料が高すぎる!社員から減額を迫ることはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。社長の給料が高すぎる!社員から減額を迫ることはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月11日現代のデスクワークでは、基本的に着席しパソコンに向かっている状態であることを求められます。頻繁に離席していれば、上司など管理者から「何をしているんだ」と咎められてしまうことでしょう。社員としてはずっと座っていると肩凝りもひどくなるうえ、能率が下がることもあり、リフレッシュのため離席をしたいところ。しかし、会社によっては、「離席はけしからん」とばかりに、回数を制限することもあるようです。当然ながら、腹痛など体調が悪い場合、頻繁にトイレに行かなければならないこともあります。離席を制限されては、痛みを我慢しなければならなくなってしまいます。このような離席回数の制限は違法ではないでしょうか?法律事務所あすかの冨本和男弁護士に、今回の処分について見解をお伺いしました。Q.会社が離席回数を制限してくる…これは違法ではありませんか? A.常識の範囲内での制限であれば違法とまで言えません冨本弁護士:「従業員の職務怠慢を防止するために「1時間に1回数分程度」といった制限であれば違法とまで言えないと考えます。会社には、従業員の仕事のやり方について指揮する権限があり、従業員には勤務時間中仕事に専念する義務があります。したがって、会社としては、勤務時間中の従業員の離席について一定の制限をすることも可能です。しかし、常識的に従業員の生命・身体・精神等に支障が生じかねないような制限まで許されるわけではありません。トイレのために「1時間に1回数分程度」離席することは認められてしかるべきです。また、離席回数・時間の制限に違反した場合の懲戒処分についても、離席の理由・程度・処分の理由・内容によっては懲戒権の濫用と考えます」実際働く人間としては少々納得がいかないような気もしますが、過度な制限ではなく、1時間に1回数分程度で体調不良時などは除外というようなものなら、違法とならない可能性が高いようです。離席回数の多い社員に悩んでいるという場合は、常識の範囲内で回数制限を導入するのも、良いかもしれません。もちろん、社員の理解が必要になると思われるのですが…。 *取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています) 会社が離席の回数を制限…社員の自由を奪う悪しきルールでは?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。会社が離席の回数を制限…社員の自由を奪う悪しきルールでは?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月10日6月に発生した大阪北部地震や7月の西日本豪雨は、人々の生活に重大な影響を与えました。住居の倒壊や土砂災害などで、命を落とした人々も存在しています。そのような場合家族としては「そっとしておいてほしい」と思うものですが、メディアは大々的に被害者の実名を報道し、全国へと発信。視聴者からは「ほっといてやれ」「なぜ実名を流すんだ」と批判されている状況です。メディアは「報道の自由」を主張しているようですが、個人のプライバシーを侵害しているようにも思えます。法的に見て、問題ないのでしょうか?パロス法律事務所の櫻町直樹弁護士に見解をお伺いしました。■非常に難しい問題櫻町弁護士:「地震や津波、豪雨などの災害でお亡くなりになった方のご遺族、あるいは、行方が分からず安否不明とされた方のご家族の中には、自分の家族が死者・行方不明者として報道されることを望まない方もいらっしゃると思います。ただ、そうした「公表を望まない遺族・家族」が、死者・行方不明者の氏名等を報道した報道機関に対して損害賠償請求をした場合に、これが認められるかどうかはなかなか難しい問題です。こうした損害賠償請求が認められるためには、第三者の行為(この場合は「報道」)によって、「権利あるいは法律上保護される利益」(民法709条)が侵害された、といえなければなりません。そこで、「自分の家族が死者・行方不明者として報道されたこと」についてどのような権利あるいは利益が侵害されたかについて考えてみると、「プライバシー」や「静穏に故人を悼む利益」、「敬愛追慕の情」などがあげられるでしょう。しかし、「プライバシー」として保護されるためには、一般に、公表される事柄がア私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのあることがらであることイ一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立つた場合公開を欲しないであろうと認められることがらであること、換言すれば一般人の感覚を基準として公開されることによつて心理的な負担、不安を覚えるであろうと認められることがらであることウ一般の人々に未だ知られていないことがらであることという要件を満たす必要があるとされています(東京地方裁判所昭和39年9月28日判決・判タ 165号184頁)。「自分の家族が災害で亡くなった、行方不明になったこと」が報道された場合、上記のうちアとウについては満たすといえると思いますが、イについては、(当該家族がどう思ったか、感じたかではなく)一般人の感受性・感覚に照らしてみた場合に「公開を欲しない」あるいは「心理的な負担、不安」を覚えるということが言えるか、判断が分かれ得るように思われます」 ■損害賠償責任が生じないこともあるさらに、プライバシーにあたる場合であっても、それを公表されない法的利益よりも、公表する理由が優越するときには、公表は違法ではなく、プライバシー侵害による損害賠償責任は生じません。この点について、例えば東京高裁平成17年5月18日判決・判時1907号50頁は、「プライバシー権の侵害については、その事実を公表されない法的利益とこれを公表する理由とを比較衡量し、前者が後者に優越する場合に不法行為が成立するものである」と述べています。災害における死者・行方不明者の氏名等を報道する理由について考えてみた場合、消防等による捜索・救助体制の検討のために必要な情報である、あるいは、親族や知人友人などの「安否を確認したい」という要望に資するものである、といったことが考えられ、そうすると、公表されない利益よりも公表する理由が優越するという見方もできるでしょう(もっとも、前者については、報道機関による公表までは必要なく、関係機関のみで共有を図ればよいのではないか、という議論もあると思います)。また、「静穏に故人を悼む利益」や「敬愛追慕の情」については、死者あるいは行方不明者の名誉等を損なうような特段の事情がない限りは、その侵害が認められる可能性は低いとい思われます。例えば、大阪地方裁判所平成元年12月27日判決・判時1341号53頁は、遺族の「敬愛追慕の情」が侵害されたことを認めましたが、この事案では、エイズで死亡した患者の「肖像写真等を入手するため」に、写真週刊誌のカメラマンが「来訪の目的、身分等を秘して・・・虚偽の申出をし、・・・関係者以外の立入りが認められていなかった右教会の二階に無断で上がり込み、原告らが右のとおり亡春子を静かにしのんでいる最中にフラッシュを使用して祭壇に飾られてあった同女の遺影を盗み撮りし、そのまま戸外に逃走し、そのような経緯で撮影された写真とともに、患者の経歴等を「エイズ死『神戸の女性』の足どり」との見出しで写真週刊誌に掲載したという事実を認定した上で、「本件報道は、亡春子の名誉を著しく毀損し、かつ生存者の場合であればプライバシーの権利の侵害となるべき亡春子の私生活上他人に知られたくないきわめて重大な事実ないしそれらしく受け取られる事柄を暴露したものであるが、このような報道により亡春子の両親である原告らは、亡春子に対する敬愛追慕の情を著しく侵害されたものと認められる。」としたものです。 ■自治体の発表について櫻町弁護士:「報道機関が災害での死者・行方不明者の氏名等の情報を報道する前提として、そうした情報をどう入手するのかという点を考えてみると、被災者数が少なく、報道機関が自らの取材活動においてそうした情報を入手できる場合は別として、大規模災害においては通常、自治体からの発表によることが多いでしょう。この場合、報道機関による報道の是非とは別に、「自治体が死者・行方不明者の氏名を発表することの是非」という論点もでてきます。実際、先般の西日本豪雨の際には、自治体によって公表するかどうかの判断が分かれていたようです。「死者・不明者実名公表、3県で差情報、共有か保護か」()毎日新聞平成30年7月12日「11日に一転して不明者の氏名を公表した岡山県は、当初は市町村から寄せられた情報を基に基本的には人数や性別を公表し、氏名に関しては市町村の判断に委ねていた。このため、自治体で対応にばらつきがあり、非公表としたケースが目立ったものの、新見市のように「早期発見につながる」として氏名を公表する市や町もあった。」自治体がこうした情報を発表する場合の根拠ですが、例えば東京都の場合は、「東京都個人情報の保護に関する条例」において以下のような規定があり、多くの自治体では同種の条例を制定していると思われますので、「個人の生命、身体又は財産の安全を守るため、緊急かつやむを得ないと認められるとき。」が発表の根拠になるでしょう。第10条実施機関は、保有個人情報を取り扱う事務の目的を超えた保有個人情報の当該実施機関内における利用(以下「目的外利用」という。)をしてはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。一本人の同意があるとき。二法令等に定めがあるとき。三出版、報道等により公にされているとき。四個人の生命、身体又は財産の安全を守るため、緊急かつやむを得ないと認められるとき。なお、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」では、以下のような規定があります。2項4号の「本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとき」あるいは「保有個人情報を提供することについて特別の理由のあるとき」が根拠として考えられるでしょう。第8条行政機関の長は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。2前項の規定にかかわらず、行政機関の長は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供することができる。ただし、保有個人情報を利用目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供することによって、本人又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。一本人の同意があるとき、又は本人に提供するとき。二行政機関が法令の定める所掌事務の遂行に必要な限度で保有個人情報を内部で利用する場合であって、当該保有個人情報を利用することについて相当な理由のあるとき。三他の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人に保有個人情報を提供する場合において、保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当な理由のあるとき。四前三号に掲げる場合のほか、専ら統計の作成又は学術研究の目的のために保有個人情報を提供するとき、本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとき、その他保有個人情報を提供することについて特別の理由のあるとき。ちなみに、国が策定する「防災基本計画」(平成29年4月)()においては、「市町村は、人的被害の状況(行方不明者の数を含む。)、建築物の被害、火災、津波、土砂災害の発生状況等の情報を収集するとともに、被害規模に関する概括的情報を含め、把握できた範囲から直ちに都道府県へ報告するものとする。通信の途絶等により都道府県に報告できない場合は、直接国〔消防庁〕へ報告するものとする。特に、行方不明者の数については、捜索・救助体制の検討等に必要な情報であるため、市町村は、住民登録の有無にかかわらず、当該市町村の区域(海上を含む。)内で行方不明となった者について、都道府県警察等関係機関の協力に基づき、正確な情報の収集に努めるものとする。」、「都道府県は、市町村等から情報を収集するとともに、自らも必要な被害規模に関する概括的な情報を把握し、特に、市町村が報告を行うことができなくなったときは、被災地への職員派遣、ヘリコプター等の機材や各種通信手段の効果的活用等により、あらゆる手段を尽くして積極的に情報収集を行い、これらの情報を国〔消防庁〕に報告するものとする。また、必要に応じ、関係省庁及び関係地方公共団体に連絡するものとする。都道府県警察は、被害に関する情報を把握し、当該情報を国〔警察庁〕に連絡するものとする。」とされ、「人的被害の数(死者・行方不明者数をいう。)については、都道府県が一元的に集約、調整を行うものとする。その際、都道府県は、関係機関が把握している人的被害の数について積極的に収集し、一方、関係機関は都道府県に連絡するものとする。当該情報が得られた際は、都道府県は、関係機関との連携のもと、整理・突合・精査を行い、直ちに消防庁へ報告するものとする。また、都道府県は、人的被害の数について広報を行う際には、市町村等と密接に連携しながら適切に行うものとする。」とされています」この件についてはかなり難しい問題である様子。しかし、視聴者から災害時毎日のように悲惨な光景をテレビに映し出し、亡くなられた方の名前を報じられることは「気分が良くない」との声が上がっていることも事実。報道のあり方について、考え直す時期が来ているのかもしれません。 *取材協力弁護士:櫻町直樹(パロス法律事務所。弁護士として仕事をしていく上でのモットーとしているのは、英国の経済学者アルフレッド・マーシャルが語った、「冷静な思考力(頭脳)を持ち、しかし温かい心を兼ね備えて(cool heads but warm hearts)」です。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)西日本豪雨や大阪地震で批判を浴びた被災者の実名報道違法ではないのか弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。西日本豪雨や大阪地震で批判を浴びた被災者の実名報道違法ではないのか弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月09日平日忙しく働いている会社員の場合、病院に行くこともままならないことがあります。歯の痛みなど、我慢が効かない場合は、休暇を取り通院するしかありません。しかし、なかには休暇を取りたくない場合や、忙しさで休めないこともあります。会社の近くに良い病院があるのなら、就業時間中に行きたいと思うことでしょう。会社によっては通院を認めるところもあるようですが、「就業時間中は仕事以外ダメ」とする企業もあるようです。社員としては体調不良などの場合には認めてもらいたいところですが…。就業時間中の通院拒否は法的に認められているのか。法律事務所あすかの冨本和男弁護士に見解をお伺いしました。Q.就業時間中の通院を会社が認めてくれない。これは法的に許される?A.ケースバイケースですが、緊急を要する場合は違法になることもあります。冨本弁護士:「例えば、就業時間中突然の腹痛のため病院に行きたいという場合、緊急でやむを得ないことですし、会社の方にも従業員の生命・健康に配慮する義務がありますので、就業時間中であることのみを理由に許可しないことは問題があると考えます。これに対し、就業時間中病院に行く必要性が乏しく緊急性の認められない場合、例えば従業員が平日病院に行くために有休を利用したくないだけの場合、従業員は就業時間中会社の仕事に専念する義務がありますし、会社には就業時間中従業員の仕事を指揮する権限がありますので、許可しなくても合法ではと考えます」急な腹痛など緊急性を要する場合は通院を認める必要がありますが、「有休を利用すれば済む」ようなケースでは、会社が許可しないことも違法とはならないようです。サラリーマンとしては少々厳しいような気もします。「許可しないことも合法」であることを理解したうえで、上司や管理者に相談してみるのが得策かもしれません。 *取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)就業時間中、病院に行きたいのに会社が許可しないこれって合法?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。就業時間中、病院に行きたいのに会社が許可しないこれって合法?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月08日先日、将棋棋士の先崎学九段が「うつ病九段」という書籍を出版したことが話題になりました。将棋棋士だけではなく、作家や映画監修なども活躍する先崎九段が忙しさのなかから心のバランスを崩し、うつ病に至るまでの過程が赤裸々に語られているようです。「天才棋士」と呼ばれ、解説会などでも気さくな振る舞いを見せていた同九段がうつ病になっていたことは、大きな衝撃を与えました。■一般社会でもうつ病になることがある一般社会でも、忙しさやパワハラなどによって心のバランスを崩してしまうことがあります。いわゆるブラック職場になると、ありえないほど多い残業や上司による暴言などで、うつ病になる人が続出することもあるようです。通常そのような場合休職扱いとして回復を待つものと思われますが、ブラック企業になると、うつ病で働けなくなった社員に対し、悪びれもせず退職を迫ることがあると聞きます。酷い労働環境で働くことを強いておきながら、精神の病気を患ったら社員を切り捨てる。これは違法ではないのでしょうか?法律事務所あすかの冨本和男弁護士に見解をお伺いしました。 ■解雇された場合違法ではないのか?冨本弁護士:「ケースバイケースだと考えます。精神病の発症の原因が会社の仕事にあるのであれば、業務上の疾病ですから、そもそも、療養のための休業期間とその後の30日間は解雇できません(労働基準法19条)。従業員が安心して療養できるようにするためです。精神病の発症の原因がそれ以外の場合、就業規則の解雇事由として「精神の障害により業務の遂行ができないとき」といった事由が定められているのであれば、解雇の余地があります。ただしそれでも客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合の解雇は、権利を濫用したものとして無効となります(労働契約法16条)。精神の病を発症したとしても、精神の障害が軽度であるとか、休職によって回復の見込みがあるような場合、いきなりの解雇は無効となる可能性があります」ケースによって、「解雇できる・できない」が変わってくる様子。仮に自分がこのような目に遭ってしまった場合は、覆す事ができる可能性もありますので、泣き寝入りせず一度弁護士に相談することお勧めします。 *取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)ブラック職場でうつ病になったら会社が解雇通告…無効とすることはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。ブラック職場でうつ病になったら会社が解雇通告…無効とすることはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月07日離婚の原因には様々なものがありますが、「ドロドロ」になりやすいのが不貞です。配偶者を裏切り第三者に心を奪われているわけですから、感情的になるのは当然でしょう。当然そのような場合は不貞を働いたほうに慰謝料を請求することになりますが、その「相場」についてはケース・バイ・ケースであるため、わかりにくいという声があります。そこでシェアしたくなる法律相談所編集部ではいくつかのモデルケースを設定。離婚問題に詳しい虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に実際に慰謝料はどのくらいになるかお聞きしました。■ケース1①結婚歴15年・夫婦仲の不和はない・不倫暦3年・夫の不倫が原因で離婚に至った場合齋藤弁護士:「まず、夫に対しても、不貞相手に対しても、同一の責任追及が可能です。その根拠は、共同不法行為(民法719条)です。不倫相手と夫の双方の行為によって、配偶者の貞操権を侵害した形になるので、慰謝料の請求は双方に可能です。本件では、婚姻歴が15年と比較的長期であること、不倫歴も婚姻歴の5分の1と、長期にわたる関係にあることからすると、不貞行為を原因として離婚に至った、因果関係があると説明しやすいでしょう。この場合、300万円に、費用の1割が認容される可能性があるでしょう。もっとも、離婚に至った以上、財産分与などの請求も可能ですから、慰謝料金額として330万円ということになるか、その費目はさらに検討の余地がありましょう。有利にできるよう、解決策をさぐることになりましょう」 ■ケース2②結婚歴3年・妊娠中・妊娠中セックスレス・それ以外夫婦の不和はない・不倫歴1年・離婚するつもりはないが、不倫相手に慰謝料を請求したい齋藤弁護士:「①とは異なり、婚姻期間が短いことは気になります。また、離婚に至っていない身分関係をみると、①の半額度が上限になってしまう可能性がありましょう。もっとも、婚姻期間の3分の1もの期間、継続的に不貞行為があるのですから、諦める必要はありません」 ■ケース3③別居期間3年・夫婦不和はあったものの、子供をふくめた家族みんなではうまく行っていた・夫が不倫相手と結婚したいから離婚したいといっている。齋藤弁護士:「これも局面が異なりますね。お子さんに与えた悪影響はもとより、夫婦関係がうまくいっていた状態です。そうであれば、慰謝料請求に対する反論(専門的には抗弁)である、夫婦関係はもとよりうまくいっていなかったのだから、慰謝料は減額すべきであるとの主張が認容されにくいことは間違いありません。少し難しい言葉ですが、これは夫婦関係破綻の抗弁と位置付けられます。離婚していることからすると、やはり純粋な慰謝料としては330万円前後の可能性がありますが、このケースでも財産分与と合わせて問題となりますので、より有利になるように工夫すべきです。なお、親権の帰属によっては、養育費の問題も生じてくるでしょう」 慰謝料の金額はケース・バイ・ケースで変わるものですが、算定基準のようなものは存在します。離婚問題を取り扱ったことのある弁護士はその辺りを全て把握していますので、離婚と慰謝料の取り立てを考えている人は、まず弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)不貞行為の慰謝料はいくら?モデルケースに弁護士が回答はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。不貞行為の慰謝料はいくら?モデルケースに弁護士が回答はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月04日一度は愛を誓った者同士が激しく争う離婚裁判。調停でも決着せず、判断を司法に委ねるわけですから、かなり壮絶な闘いになることもあるようです。様々な離婚裁判を経験してきた虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に、「壮絶だと感じた離婚裁判」について聞いてみました。Divorce proceedingsQ.壮絶だと感じた離婚裁判は? A.法律論だけでは説明しきれない調停・審判・裁判齋藤弁護士:「婚姻期間は10年、お子さんは1人。妻側の不貞が発覚。妻側は荷物をゴミ袋に入れられて、家を追い出された。単なる不貞ではありません。そのお子さんは、妻側の不貞相手のお子さんを、旦那の真の実子として届出をしてしまっていたケース。慰謝料だけでは問題の本質がつかめない、親権、養育費、実子、藁の上からの養子、不法行為、財産分与、婚姻費用分担請求・・・法律的な問題は山積み。でも、本質をつかむには、法律論だけでは説明しきれない調停・審判・裁判でした」離婚裁判は法律論だけでは問題が解決しないことも多く、弁護士は柔軟な対応が求められるようです。その経験を積んでいる弁護士は、悩みを抱える人にとって頼りになる存在ということになります。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)揉めることも多い離婚裁判…弁護士が見た「最も壮絶な裁判」とは?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。揉めることも多い離婚裁判…弁護士が見た「最も壮絶な裁判」とは?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月02日ネットユーザーのほぼすべてが利用していると言っても過言ではないほど広く普及したSNS。TwitterやFacebook、Instagramなどを日常的に利用している人は多いのではないでしょうか。そんなSNSではさまざまなトラブルを起こります。昨今多いのが、会社の機密情報を書き込んでしまうケース。ホテルの従業員が芸能人の利用を投稿し大問題になるなど、著しくモラルを欠いた事案も発生しています。仮に自分の部下や同僚が会社の機密情報を書き込んでいることが判明した場合、懲戒解雇などの処分を行うことはできるのでしょうか?センチュリー法律事務所の小林洋介弁護士にお伺いしました Q.会社の機密情報を書き込んでいることが判明した場合、処分することはできる?A.程度によっては処分できます多くの会社で就業規則に従業員が守るべき義務として、秘密保持義務が規定されています。インターネット上で会社の機密情報を書き込むことは、これに違反するため、、就業規則に則って懲戒処分できるものと思われます。処分の内容ですが、これは『程度』によります。一般的には機密情報の書き込みで会社に損害を与えた場合はけん責、出勤停止、減給などの処分が相等であると思われますが、営業停止や著しいイメージ低下など壊滅的ダメージとなった場合は解雇もやむを得ないということになります。SNSの問題は新しい分野だけに精通者が少なく、処分がどこまで法的に妥当なのかわからないもの。トラブルが発生する前に弁護士に相談してみるのも、いいかもしれません。 *取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*監修:センチュリー法律事務所 小林 洋介弁護士(一つ一つのご相談には個性があり、解決策もさまざまです。それぞれのご相談の事情や時代の変化に応じて、既存の解決策にとらわれず、新しい解決策を常に模索し、提案し続けていきたいと考えております。) 社員がSNS機密情報を書き込んでいる…処分することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。社員がSNS機密情報を書き込んでいる…処分することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年07月26日6月18日朝に発生した大阪地震では、電車がストップし多くの帰宅難民を出しました。これは甚大な被害を出した東日本大震災でも同様で、鉄道会社が『運行取りやめ』を宣言したことで交通網が麻痺し混乱を招いています。安全に乗客を輸送することが難しくなるため、運転を取りやめているものと思われますが、『可能な限り動かすべきではないか』という声も上がっている状況です。『災害時、運転を取りやめてしまう』ことに違法性はないのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士にお聞きしました。 Q.災害時、鉄道会社が運行を取りやめ大混乱…この対応に問題はない? A.問題はありません齋藤弁護士:「運行者側の判断により、役務提供契約の履行に関しては打ち切ることは適法となりえます。仮に、定期乗車券などを保持していたとしても、同様でしょう。」納得がいかない気持ちも理解できますが、鉄道会社が『安全に輸送することができない』と判断した場合、運行を打ち切ることは法的に問題がないようです。大都市圏になると自宅から電車で1時間以上かけて通勤する人も大勢おり、当然電車が止まってしまうと帰宅難民となってしまいます。『災害が起きた場合どうするか』をあらかじめ決めておいたほうがよいかもしれませんね。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*画像はイメージです(pixta)「電車が動かないなんて!」大地震発生時運行を取りをやめる鉄道会社は違法じゃないの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。「電車が動かないなんて!」大地震発生時運行を取りをやめる鉄道会社は違法じゃないの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年07月20日新幹線やJRの特急列車などに設けられているグリーン車。通常普通席よりも快適性が高められており、富裕層などが追加料金を支払い乗車しています。そんなグリーン車ですが、人身事故や災害などの影響で運転見合わせとなったときは、鉄道会社側から振替輸送を促される、終着駅より手前で運行を打ち切るなどして、降りるよう頼まれるのが一般的です。いくら『ご理解ご協力』と言われても、高いお金を支払ってグリーン車に乗っているにもかかわらず目的地まで行くことができずに降ろされるのは、納得がいかないでしょう。当然、料金の返金を求めたいところ。そのようなことは可能なのか、虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士にお聞きしました。 Q.グリーン車に乗っていたら人身事故で乗り換えを命じられた。料金の返金を迫ることはできる? A.差額の返還請求は可能です齋藤弁護士:「グリーン車から人身事故などによる乗り換えが発生した場合、当然に差額の返還請求は可能です。指定席車両の冷暖房が故障した場合でさえ、全額払い戻しになります。」諦めてしまう人も多いようですが、差額の返還請求は可能とのこと。そのような場面に遭遇した場合は、自分の権利を主張しましょう。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*画像はイメージです(pixta)グリーン車に乗っていたら人身事故で乗り換えを要求された!返金要求は当然可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。グリーン車に乗っていたら人身事故で乗り換えを要求された!返金要求は当然可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年07月19日電車には人身事故や施設トラブルがつきもので、運転見合わせとなることもしばしば。地震や台風など自然災害の場合は、必然的に運行できない時間が長くなってしまいます。このようなことが深夜に発生した場合、自宅に帰ることができず途方に暮れてしまうことでしょう。利用者としては運賃の払い戻しや宿泊費、タクシー料金の請求などを行いたいところ。しかし実際問題鉄道会社がそのようなことに応じた事例はないようです。返金や請求を行うことはできないのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士にお聞きしました。 Q.災害や人身事故などで電車が長時間不通となった場合、料金の払い戻しや宿泊費の請求はできる? A.基本的には難しい齋藤弁護士:「法律的には、労務提供契約に対する、付随義務の問題と整理できます。乗車する際のカスタマーである移動者は、労務として、目的地まで運行してもらうことを契約内容としています。そうすると、不可抗力による移動目的が達成できない場合には、有価証券である乗車券を払い戻す対応は取られます。しかしながら、大阪地震や東日本大震災は、双方に帰責性ない理由により、生じているものです。あくまでも、提供者側が支配している性質のものにより、いわば帰責性がある状態で起きた事故ではありません。そうすると、宿泊費用などの負担を法的に要求することは困難であると言わざるを得ません。なお、本来のダイヤに比較して、2時間以上遅延すると特別急行料金に関しては全額払い戻し、車両故障などの理由により、途中で運転打ち切りにいたった場合には全額払い戻されることにはなります。」払い戻しになるケースもありますが、基本的には難しいとのこと。大規模な運転見合わせの場合は、気長に待つしかない、ということのようですね。*取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*画像はイメージです(pixta) 災害や人身事故で電車が長時間ストップ…運賃の払いもどしを要求できる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。災害や人身事故で電車が長時間ストップ…運賃の払いもどしを要求できる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年07月18日離婚歴のある子持ち独身男性との結婚は、独身女性にとっては勇気のいるものではないでしょうか?養育費に関するトラブルはもちろん、妻と別れたといっても我が子ですから、定期的に会いたいと思うのが親。そのあたりの取り決めや、新しい妻との面会を拒否するなど、揉めることも予想されます。独身女性が『子持ち男性』との結婚するうえで、気をつけなければならないポイントや起こりうるトラブルなどはどのようなものがあるのでしょうか?離婚問題に詳しい虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士にお聞きしました。 ■独身子持ち男性と結婚する上で気をつけたいポイントは?齋藤弁護士:「重婚罪(刑法184条)にも代表されるように、お子さんもちの男性側に離婚が適法に成立しているかの確認は不可欠でしょう。戸籍実務上あまり想定はされないものですが、民法上も、732条において重ねて婚姻をすることができないと規定し、744条も、婚姻取消し原因として扱います。ただし、これらはあまり現実的ではありませんね。現実的なところでは、たとえば親権は前妻側であっても、養育費の請求を受けている可能性が高いので、今後結婚し、財布がひとつになる場合には、その分の負担を覚悟しなければなりません。また、男性側には、子どもに会う権利、面会交流権があります。それから、相続に関してもトラブルになりがちです。腹違いのお子さんが出生した場合、一応、前妻との子どもとは、兄弟になるわけです。実は、平成25年12月に民法が改正され、嫡出子(婚姻関係のある2人の間に生まれた子ども)ではない子どもの相続分も、他の子どもと同一になりました。旦那さんが死亡した場合などに、相続分をめぐって前妻との子どもと遺産分割で紛争になるケースはあとを絶ちません。いろいろ指摘してきましたが、お子さんがいる男性と婚姻する場合には、トラブルになることが多いでしょう。トラブルを防止するには、あらかじめ、養育費はいくら支払っていて、死亡の際にはどう財産を処理するのか、遺言を視野に入れるべきでしょう。」独身子持ち男性との結婚についてはトラブルのリスクが付つきまとう可能性が高いでしょう。愛があれば大丈夫、と思っていてもいざトラブルに直面した時、辛い思いをするかもしれません。養育費の金額や相続の問題など、今後の計画などを、しっかりと話し合い、事前に取り決めをしておくことが重要になるようです。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*画像はイメージです(pixta)独身子持ち男性との結婚…トラブル避けるために気をつけたいポイントは?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。独身子持ち男性との結婚…トラブル避けるために気をつけたいポイントは?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年07月17日セクハラやパワハラは社会問題となっていますが、減少していかないのが現状。その原因の一つに、立場を利用したものが多く、なかなか表に出てこないということがあります。それは女性管理職者も例外ではありません。セクハラについては男性が行うイメージがありますが、「女性から男性へ」もあるようです。企業として管理職者による立場を利用したパワハラ・セクハラをなくすためにはどのような策を講じるべきなのか。また、女性管理職者の場合、特別な措置をとるべきなのか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に解説していただきました。 ■企業の対策は?齋藤弁護士「管理職は、その立場上、部下を指揮監督する立場にあります。これは、女性だから、男性だから、に限ることでは有りません。逆に言うと、女性が男性を、女性が女性を指揮命令しなければなりません。女性特有の問題で実際に相談を受けることがあるのは、企業側が、何か特別な策を講じなければならないかなどですが、たとえば労働基準法では、生理休暇を定めるなど、女性特有の問題に対応しています。実際にこれを行使すると、その際の賃金はどうなるのかが問題となりえます。実は、賃金請求権を行使するには会社との合意が必要となります。もっとも、管理職ですと、生理休暇を主張しにくい環境が有ると相談を受けます。実際に指揮監督権を行使するとなると、女性が少ない部署に管理職を配置することの難しさに直面することがあります。この場合には、メンターなど相談者を設置してもらったり、経営者サイドに女性をおいて、女性側の意見を積極的に採用する制度を設けたり、組織的にセクハラ問題には取り組んでもらっています」 「女性管理職者だから」と言ってセクハラやパワハラについての考え方が変わるということはありませんが、管理職者に男性が多いという現状は間違いないようで、主張が通りにくくなるケースはあるようです。企業としては女性管理職者が性差特有の悩みに直面しないよう、ケアしていく必要がありますね。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)減ることのないセクハラやパワハラ…女性管理職者がいる企業が気をつけるべきことは?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。減ることのないセクハラやパワハラ…女性管理職者がいる企業が気をつけるべきことは?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年07月17日