チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (7/342)
神戸・六甲山で現代アート作品が楽しめる芸術祭『六甲ミーツ・アート芸術散歩2023 beyond』が8月26日(土)に開幕、公募と招待のアーティスト計50組による絵画や彫刻など幅広いジャンルの作品が、六甲山上の9会場で展開されている。『六甲ミーツ・アート芸術散歩2023 beyond 鑑賞パスポート引換券』 チケット情報14回目の開催となる今年は、初めて『表現の向こう側(にあるもの)Beyond Representation』というテーマが設定され、各作品とその先にあるものを感じて欲しいというメッセージが込められている。今年はROKKO森の音ミュージアムが同芸術祭の拠点となり、ミュージアム内のSIKIガーデンを拡張した野外アート作品展示ゾーンが新設、一部作品は会期終了後も展示される。また新しく「トレイルエリア」を設定、六甲山の豊かな自然の中で山歩きと作品鑑賞が同時に楽しめる。このエリアの注目作品は、中﨑透の「Sunny Day Light/ハルとテル」。戦前から残る古い山荘を舞台に、実際の恋の物語をインスタレーションとして展開しロマンティックな追体感型作品として話題になっている。公募大賞グランプリに選ばれたのは、兵庫県立六甲山ビジターセンター(記念碑台)に展示されている五月女かおるの「食事の風景」。ワイヤーだけで織り込まれた牛5頭の食事風景を表現。一見微笑ましい風景だが、食用牛として人間に食べられてしまうことや食べる人間との関係性を鑑賞者に想像させ感慨深い。また、同作品は兵庫県神戸県民センター長賞も受賞し、異例のW受賞となった。森の音ミュージアムの湖面に設置されたドーム型の作品、コニシユウゴ(たま製作所)の「Moon Plants」は、外壁が特別に配合した樹脂でできており、夜になると月のように柔らかな光を放つ。内部には睡蓮が入った水槽などがあり、全体を通し植物の循環を表現。公募大賞で準グランプリを受賞した。ほかにも各会場では、インパクトのある作品が六甲山の自然と調和しながら展示されており、天候や時季によりまた違った感覚を楽しめそう。9会場をゆっくり周遊・鑑賞するなら、数回に分けて気軽に訪れよう。また9月23日(土・祝)からは、土日祝限定で「ひかりの森~夜の芸術散歩~」がROKKO森の音ミュージアム、六甲高山植物園で開催され、幻想的な六甲山上の夜も楽しめる。同芸術祭は11月23日(木・祝)まで。周遊には、会期中に有料会場全てに入れるお得な「鑑賞パスポート」の購入がおすすめ。チケットぴあで好評発売中。取材・文・撮影/滝野利喜雄
2023年08月31日世界の名作ミステリーを舞台化してきたプロジェクト「ノサカラボ」が、8月・9月に東京、福岡、大阪にて神津恭介シリーズ『呪縛の家』を上演する。原作は高木彬光の推理小説で、明智小五郎、金田一耕助と並ぶ「日本三大名探偵」の1人と言われる「神津恭介」が、難事件を解決する本格ミステリーだ。開幕を翌日に控えた8月25日(金)、主演の神津恭介を務めるジャニーズJr.の林一敬、濱田龍臣、内海光司、片岡鶴太郎、演出家の野坂実が舞台への意気込みを語った。林は「約一か月間みんなでつくり上げてきた舞台を、やっとお客様にお見せできることが楽しみ」と喜びを語る。名探偵・神津恭介は“天才かつ美青年”という完璧なキャラクター。林自身が役に似ているかという質問に、林が「はい」と即答すると、濱田から「全然逆だって言ってなかった?!」とすかさずツッコミが入る。名探偵の助手・松下研三を演じる濱田は、「今までたくさんの事件を解決してきた2人ならではの掛け合いや信頼が描かれている。頭脳明晰な神津と、そんなに明晰じゃない松下というコンビだからこそできる表現をしたい」と話す。内海は「(林と濱田が)稽古終わりもお互いに演技の提案をして盛り上がってるよね。それを鶴太郎さんがずっとニコニコして見守ってる」と、若手が積極的に意見を出し合える「優しい現場」の空気感を伝えた。「大伯父と三人の又従妹が奇怪な死を遂げる予感がする」という旧友の卜部鴻一(手島麗央・ジャニーズJr.)からの依頼を受け、松下研三(濱田)は奥武蔵野の八坂村を訪れる。そこでは新興宗教「紅霊教」の教祖である卜部舜斎(片岡)が三人の孫娘と暮らしていた。卜部家の主治医である菊川隆三郎(内海光司)など、卜部家に関わる人々も巻き込んで、呪われた一族に次々と悲劇が襲いかかる。連続殺人事件の真相を、神津恭介(林)は解き明かすことができるのか――。取材後の舞台稽古では、神津と松下が犯人について考察するシーンや、殺人トリックのイリュージョンなどを披露。ミステリー作品らしく、あっと驚くような仕掛けがあり、一瞬たりとも舞台から目を離すことができない。東京公演は8月26日(土)~9月3日(日)、サンシャイン劇場。福岡公演は9月16日(土)~17日(日)、キャナルシティ劇場。大阪公演は9月21日(木)~24日(日)、サンケイホールブリーゼ。取材・文:北島あや
2023年08月31日テキサス州オースティンで行われている音楽を中心としたフェスティバル・SXSW(south by southwest)をモデルに大阪ならではのアイデアを盛り込みながら、毎年秋に大阪ミナミエリア一帯にて開催してきたショーケース・ライヴ・フェスティバル 『FM802 MINAMI WHEEL』。『Eggs presents FM802 MINAMI WHEEL 2023 25th ANNIVERSARY』 チケット情報今年も、10月7日(土)・8日(日)、9日(月・祝)の3日間にわたり、ミナミエリア一帯のライブハウス20会場以上に400組以上のアーティストが集結して開催される。先日発表した第一弾アーティストに続き、第二弾出演アーティスト234組と日割りを一挙発表!BIG STEP大階段ステージで行われる、MINAMI WHEELのフリーイベント『LIVE FLASH!』に出演するアーティスト募集は、8月31日(木)締め切り!今年で25回目の開催となる『MINAMI WHEEL』。ミナミの街全体が一大MUSIC PARKと化します!まだ見ぬアーティストとの新しい出会い、大好きなアーティストのライブをハシゴして回る楽しみ、他にも色々とパワーアップ!今年のミナホは一味違います。お楽しみに!チケットは、9月4日(月)23:59までオフィシャル二次抽選先行を受付中。
2023年08月30日公演ごとに実力派役者陣をそろえ、演出家・大河内直子が名戯曲の魅力を掘り起こすユニットunrato。10作目となる今回は、チェーホフの『三人姉妹』がいよいよ登場。長女のオーリガ役は、劇団四季を退団後も的確な演技力で活躍する保坂知寿、次女のマーシャ役は、元宝塚歌劇団トップスターで誠実な芝居と豊かな歌唱力に定評のある霧矢大夢。そして三女イリーナには、所属する文学座のほか外部公演や映像作品にも進出中の平体まひろが扮する。3人に意気込みを聞いた。「このおふたりと共演と聞いて、まず安心感がありました」と話すのは保坂だ。「何度も共演している霧矢さんは、考えていることが似ていて何でも話せる人。まひろちゃん(平体)とは初めてですが、ストレートプレイの環境に身を置く人なだけに、私にはない感覚を持っているのではと思って楽しみなんですよ」と微笑む。霧矢は「私はまひろちゃんとも共演経験があって、おふたりとも頼もしい方だと知っているので、やっぱり安心感が(笑)。私の演じるマーシャは夫に不満があってトゲトゲしい人なのですが、そうでない部分をどう埋めていくかがチェーホフ戯曲を演じる際の“戦い”。なので、おふたりと戦いに挑めるのが心強いです」と語る。2人の期待の言葉に、「尊敬するおふたりに付いていこうと必死です」と興奮気味の平体。それでも本作の魅力を聞かれると、考えながら「余白がたっぷりあるところでしょうか」と口にした。「登場人物が好き勝手にしゃべって、たまに会話が成り立ってないようにも見えますが、それって私たちの日常でもよくあること。そういうグチャグチャした部分をいかようにも作れるのが、演じる側の面白さかなと思います」と話した。「チェーホフって、若い頃と今とでは観ていても感じ方が違うんですよね。色々な受け取り方ができるから、多くの国で上演され続けているのかなって」と言う保坂。続けて霧矢も「世界中の人たちが同じように閉塞感を感じている今、それでも人間ってたくましいよ、しぶといんだよということを教えてくれる作品。セリフがないところの芝居も大切に演じたいですね」と語った。本作は、劇団四季が創立50周年の2003年にオープンした自由劇場で上演。「(劇団四季の)創設者の浅利(慶太)さんは、チェーホフを上演するためにこの劇場を作ったんですって」と保坂が明かすと、「すごい巡り合わせ!」と驚く霧矢と平体。客席数約500の親密な空間で繰り広げられる『三人姉妹』。その本番が、今から楽しみだ。公演は9月23日(土・祝)~9月30日(土)まで。取材・文:藤野さくら
2023年08月30日木ノ下歌舞伎による『勧進帳』が2023年9月1日から東京芸術劇場シアターイーストにて開幕する。2010年初演、16年に再創作され、フランス・パリ公演でも好評を博した本作。義経一行の関所越えを描いた忠義の物語を大胆に再構築し、既成概念を打ち破った快作がいよいよ東京で初上演される。「僕としては一生かけて、ずっとやり続けていきたい作品。このメンバーで命尽きるまで、このキノカブ版『勧進帳』が古典になるまでやり続けたい」と出演する坂口涼太郎は熱い思いを話す。2016年のまつもと大歌舞伎で上演したときからすでに「これはずっと残っていく作品になると感じました。絶対ここだけで終われないし、終わらせてはダメだと思ったんです」と坂口は手応えを感じていたというが、「(前回の)2018年から5年が経って、みんなちょっとずつ変化していると思うんです。そのときベストだと思っていたことがベストでなくなっているかもしれない。大幅に何かを変えるわけではないと思いますが、新鮮な気持ちでまた作品と向き合いたいです」。古典を現代の視点でリフレーミングする木ノ下歌舞伎。16年に再創作した際は、歌舞伎の『勧進帳』を“完コピ”する稽古から始まったそうで、「2週間ぐらいかけてすべてをコピーして、発表して。(演出の杉原)邦生さんの現代語訳台本を読みながら、みんなで意見を出し合って作って、トライアンドエラーを重ねてつくっていきました」(坂口)。今回も“完コピ”稽古が予定されているようだが、「歌舞伎の『勧進帳』は長年研ぎ澄まされて残された、ベストのもの。あの間合いや台詞回し、動きに一度立ち返らないと、目指すものが分からなくなる。完成されている古典の『勧進帳』を体に思い出させてこそ、現代版の僕たちの『勧進帳』が仕上がっていく」と坂口は言う。タイトルなどから「難しい」と感じる観客もいるかもしれないが、坂口は「安心してください。マジで娯楽の作品ですから」と話す。「古典の『勧進帳』を知らなくても全然大丈夫です。もちろんご存知の方はフィードバックしてから観に来てくださってもいいのですが、そういう“頑張り”がストレスと思う方は全然しなくて大丈夫。桟敷席でお煎餅を食べながら観るぐらいの気持ちで(笑)、楽しんで」。東京公演は9月24日まで。そのほか沖縄、上田、岡山、山口、水戸、京都公演が予定されている。取材・文・撮影:五月女菜穂スタイリスト :東 正晃
2023年08月30日「お囃子」というと、お祭りで聞こえてくる軽快な鉦や太鼓の音を想像してしまうもの。ところが“あの音”はもちろん、もっと洗練された形で演奏を行い、歌舞伎などの舞台を支えているのが邦楽囃子だ。その魅力を知ってもらうため、囃子方の望月秀幸と望月左太寿郎が始めたのが、ライブユニット「お囃子プロジェクト」。第19弾となる今回は、「四拍子(しびょうし)」と呼ばれる締太鼓(しめだいこ)、大鼓(おおつづみ)、小鼓、笛の演奏に加え、ゲストに尺八やアコーディオン、ウッドベース、長唄三味線、さらにパーカッションの実力者も参加。洋楽から昭和歌謡まで多彩に聴かせるステージとなっている。取材場所に入ると、ちょうど「お囃子体験教室」が始まるところ。テーブルにズラリと並べられた楽器は見慣れないものばかりだ。それもそのはず、囃子方が演奏するのは、「四拍子」を含めて約50種類。 歌舞伎の舞台では「雨や風、川の音、鳥や虫の声、お寺の鐘の音から幽霊が登場する音まで、どれも囃子方の担当なんですよ」と秀幸。実際に左太寿郎が奏でてみせると、たちまち歌舞伎の舞台が目の前に現れるかのよう。教室に参加していた子どもたちも大喜びで、手にした楽器から音が鳴るたび目を輝かせていた。「普段は舞台のために、役者さんのために音を奏でているのが囃子方。じゃあお客様のために演奏するとなったら何ができるか、それが『お囃子プロジェクト』のテーマになっています」と秀幸は話す。13年前にライブを始めた頃は、古典の曲とコラボレーションの曲が5割ずつだったが、最近はコラボレーションが9割で古典が1割になっているという。左太寿郎も、「ゲストのミュージシャンの方たちに助けていただきながら、洋楽や日本の歌謡曲とミックスしたり、アレンジしたりしてお届けしています。特に美空ひばりさんや西城秀樹さんの曲に、邦楽囃子は合うんですよ」と笑う。「秀樹さんの曲は、アレンジしたときに完成形がパッと思い浮かぶくらい」(秀幸)というから、驚きだ。バラードの曲では、「湖のほとりで聞こえるような、柔らかい波音を入れています」(左太寿郎)と、サラリ。楽曲作りはもちろん“効果音”の演奏まで当たり前に盛り込めるのは、囃子方ならでは。他にもクラシックやラテンの曲など、盛りだくさんで展開する本ライブ。トークコーナーでは舞台の貴重な裏話も聞けるというから、興味のある人なら見逃す手はないだろう。公演は9月29日(金)文京シビックホール・小ホールにて。取材・文/藤野さくら
2023年08月30日『マンハッタン』『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』『ブルー・ムーン』など、1920~1940年代に多くのヒット曲を生んだ作曲家リチャード・ロジャースと作詞家ロレンツ・ハート。彼らの出会いと活躍を彼ら自身の楽曲で綴ったミュージカルが、この『ロジャース/ハート』だ。好評を博した2018年の日本初演から5年、待望の再演を迎える。奔放なハートを演じるのは、林翔太。初演ではロジャースを演じ、「ミュージカルの右も左も分からないような状態」だったと話すが、この5年でさまざまな舞台に出演。いろいろな意味で難易度の高い作品を乗り越えてきて、今回の挑戦も「不安はない」とどっしり受け止めている。今回生真面目なロジャースを演じる寺西拓人は、初演ではウェイターなどさまざまな役を演じ分けた。しかし今回は配役が変わり、かつて林が演じたロジャースに。初演を思い返すとロジャースは「林くんの声で再生される」そうだが、自分のロジャースはどのようなものになるのか楽しみだと話す。今回は台本も書き直され、新たな曲が加わり、キャストも6人から12人へ、と単なる再演ではなく半分新作のようなもの。その分キャストも大変なのでは……と思いきや、「ボリュームは増えたけど、人数も増えたので、それほど負担が増えるわけじゃない。それより、“ミュージカル・モンスター”が揃っているのが楽しみ」とふたりは笑う。確かに、上演台本・訳詞・演出・振付と共に出演も果たす玉野和紀のほか、凰稀かなめ、藤岡正明、中河内雅貴、壮一帆など、強者ぞろい。彼らの競演は必見だ。事務所の先輩・後輩として、共演者として、互いを俳優として「なんでもできるし、歌もうまい」と認め合っているふたり。あえて「これは負けない」という自分の強みを聞くと、林は「セリフ覚えの早さ。大竹しのぶさんと『女の一生』(2020年)で共演した時、どれだけセリフ量が多くても台本を持たずに稽古している姿を見て、自分もそうなりたいと思って稽古前に絶対覚えていくようになった」と明かす。一方、寺西は「玉野さんの現場でもほかの現場でも、僕が一番いじられるんですよ。でもそれで共演者やスタッフさんと仲良くなれることも確か。そういうコミュニケーション力は武器にしていこうかな」と笑う。それぞれの持ち味を活かしながら臨む公演は、9月30日(土)~10月18日(水)有楽町よみうりホールにて。その後、金沢・大阪公演あり。取材・文:金井まゆみヘアメイク:国府田雅子(b.sun)スタイリスト:嶋岡 隆(Office Shimarl)衣裳協力:EYCK / guernika / UNFILO
2023年08月30日世界最高峰のサーカス・エンターテインメント集団シルク・ドゥ・ソレイユによる『ダイハツ アレグリア -新たなる光-』大阪公演に、日本公演のスペシャルサポーターを務めるGENERATIONSの中務裕太が陣中見舞いに訪れ、連日全力で公演を行っているアーティストやスタッフを激励した。『シルク・ドゥ・ソレイユ ダイハツ アレグリア -新たなる光- 大阪公演』 チケット情報公演後にはカンテレ谷元星奈アナウンサーと共にステージへ登場。約2か月ぶりに『ダイハツ アレグリア -新たなる光-』を観たという中務は『今日はアーティストの皆さんの激励にやってきました。大阪弁で笑いをとるなど東京公演から大きく変わってますね。大阪弁もばっちりでした!ショーを観るのは3回目ですが、ライブなので何回観てもすごい!いつも前回を上回る感動を与えてくれます』と感想を語ってくれた。さらに、「暑い日が続きますが多くの方にご来場をいただきスペシャルサポーターとしてとても嬉しく思っています。僕らはライブの後にはメンバーとご当地のご飯を食べに行って、次のライブに向けてリフレッシュしています。アーティストの皆さんも大阪の美味しいグルメを食べて、残りの公演も頑張ってください!」と独自のコンディショニング方法も伝授。そして「日本公演も残り1か月半。まだ観ていないお友達やご家族がいたら早く一緒に観に来てきてください!」と会場を埋め尽くした観客へメッセージを送った。『ダイハツ アレグリア -新たなる光-』大阪公演は10月15日(日)まで森ノ宮ビッグトップにて感動上演中。チケットは好評販売中。
2023年08月29日ゾンビをテーマにしたパフォーマンスが集結する『ゾンビフェス THE END OF SUMMER 2023』が2023年9月3日(日)、CBGKシブゲキ!!(東京都渋谷区)で開催される。ゾンビフェスは、ゾンビをテーマにした作品を数多く手掛けてきた俳優の入江雅人がホストを務め、2017年にスタート。今年で7年目となるが、入江は「まだ7年なんですね。毎年、舞台袖で出演者のステージを眺めながら『いいフェスだなぁ......』としみじみ思います」と感慨深げ。そして「ずっと続けていきたいですね。ひとまず10年を目指します」とも。入江が毎年大切に上演してきた一人芝居『帰郷』のほか、ダンス、落語、弾き語りなどと多彩なパフォーマンスが楽しめる。中でも昨年のゾンビフェスにて誕生した、入江とオクイシュージによる2人ユニット「ザ・クズレルズ」は、今回はメンバーが増えて13人で参戦。「世界でも珍しいスローモーションパフォーマンスグループです。綺麗なスローモーションにゾンビを絡めてくだらないことをやりたいと思います」と入江は言う。そのほかの出演者について、入江は「最初に入手杏奈さんのダンスでフェスの空気を作ってもらって、清水宏さんはスタンダップコメディで会場の熱気を高めてくれています。立川志ら乃さんは、いつも新作のゾンビ落語をかけてもらってます。何本もゾンビのネタを持ってるのは志ら乃さんしかいないのでは」とコメント。また、「二人ピラニアンズ(ピアニカ前田&塚本 功)は温かい音楽とは裏腹の二人の超絶テクニックに注目して下さい。中村 中さんが歌い出した瞬間に会場の全てを掌握するような様は圧巻で、心震えました。エネルギーをもらったおかげで僕の一人芝居の出来も良くなりました」と語り、「ジャンルは違いますが、皆さん“その道”の達人です」。ゾンビフェスと謳っているので、改めて入江が気になるゾンビは何かを尋ねると「結局ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』に立ち返ります。あの映画にすべてが詰まっています」(ちなみにこのフェスは、ゾンビが好きな人も苦手な人も楽しめるらしいのでご安心を)。観客へのメッセージとして「今年は本当に暑かった!だけど9月3日(日)は少しは涼しくなって、帰り道には夏の終わりの切なさも感じられるはず。この夏の良き思い出になるかと思います!ぜひ遊びに来てください!」と入江は話した。取材・文:五月女菜穂
2023年08月29日大阪を中心に活動するRuby Seaside、Blow the instability、無銘-mumey-の3組が、11月26日(日)にアメリカ村DROP/アメリカ村BEYONDの2会場でサーキットイベントを開催する。その第一弾出演者として、YOWLL、クロロカンナ、nagoriの3バンドが発表された。『Kairen Fes.』vol.2チケット情報昨年12月にもvol.1が開催されており、大盛況で終幕を迎えたこのイベント、流行り廃りのない音楽を奏でるバンドが大阪に根付くようにという想いも込められて、今年も開催される。最速先行チケットには特典が付いているので、是非ともこの機会の購入をお薦めしたい。9月4日(月)23:59まで受付中(※予定枚数終了しだい受付終了)。
2023年08月29日2024年2月10日(土)、兵庫県尼崎市・あましんアルカイックホールにて「KAMEN RIDER Re:STAGE 仮面ライダー剣 20th Anniversary STAGE&TALK」の開催が決定した。20周年を記念して、当時のキャストが集まってヒーローショーが行われるのは「仮面ライダー」シリーズでも初めてのこと。「KAMEN RIDER Re:STAGE 仮面ライダー剣 20th Anniversary STAGE&TALK」チケット情報『仮面ライダー剣』は2004年1月25日から2005年1月23日、テレビ朝日系で放送された東映制作の特撮テレビドラマ。本作は、不死の生命体「アンデッド」が封印された52枚のカードを用いることで仮面ライダーへの変身と必殺技の発動が行われており、放送当時からその多彩なスタイルに注目が集まっていた。さらに、仲間の裏切り、壊滅する組織、そして敵であるアンデッドの封印に仕込まれた罠など、子供向けの枠を超えた重層的なストーリーに、多くの大人のファンも惹きつけられ、放送からまもなく20年を迎える今でも、根強いファンの支持を集めている作品でもある。その『仮面ライダー剣』が、当時の番組キャストと共に20周年を記念した特別なステージ公演での復活を果たす。出演者は、椿隆之(剣崎一真/仮面ライダーブレイド役)・森本亮治(相川始/仮面ライダーカリス役)・天野浩成(橘朔也/仮面ライダーギャレン役)・北条隆博(上城睦月/仮面ライダーレンゲル役)の4人。気になるイベント内容は、豪華2部構成に、スペシャルなイベントまで盛りだくさん。そして、10月28日(土)の一般発売に先駆け、9月2日(土)10:00よりチケット最速先行受付がスタートする。さらに、兵庫公演に続き、2024年2月には福岡TALK公演も開催決定(TALKとスペシャルの開催のみ。STAGEの実施は予定しておりません)。『仮面ライダー剣』の物語が20年の時を経て、再び幕を開ける。このメモリアルイベントをお見逃しなく。
2023年08月29日10月14日(土)・15日(日)の2日間、遊RUNパーク玉穂で開催される伝説的野外オールナイトフェス『Metamorphose’23』の第三弾出演アーティスト&日割り発表された。「Metamorphose’23」チケット情報14日(土)のSOLAR STAGEにはGEZAN、JAZZANOVA、paranoid void。14日(土)のLUNAR STAGE NIGHTには、Carl Craig、CYK、DJ YOU-KI、MAYURI、Q’HEY、Timmy Regisford。15日(日)のSOLAR STAGENai Palm、Ovall、toconoma、羊文学、家主が決定。総勢20組を超えるアーティストが熱いパフォーマンスを繰り広げる。
2023年08月25日今年で5回目を迎える関西演劇祭(11月11日(土)~19日(日))の関連企画『関西演劇祭ネクストジェネレーション』が8月26日(土)、27日(日)、道頓堀ZAZA HOUSE (大阪市中央区)で上演される。本企画は、関西の若手クリエイターやプレイヤーとの新たな出会いを期待して企画された。関西演劇祭フェスティバル・ディレクターを務める板尾創路は「僕自身、若い世代の舞台をあまり観たことがないので、とても楽しみ。今の人はどういう表現をするのか、何に興味があって、どういうテーマを出してくるのか。同業者として勉強になるし、刺激にもなる。ジェネレーションギャップをどんどん感じたい」と期待を寄せる。本企画のアンバサダーに就任した三船美佳は「舞台出演も観劇も数える程度しかしたことがない私でいいのかなと思った」とオファーされた際の気持ちを明かしつつ、「演劇初心者代表ということで、微力ながらお力になれれば」と。それに対して板尾は「演劇初心者の方にも来ていただきたい企画なので、同じ目線で語れる三船さんは適任」と返し、「俳優としてのキャリアを積んでいるし、なんと言ってもあの三船敏郎さんの娘さんですから。もしかしたら敏郎さんも現場に来られるのでは?」と笑う。改めて生の舞台の面白さを聞くと、三船はニューヨークで観た芝居を思い出すという。「とても小さな劇場で、私を含めて3人ぐらいしかお客さんがいなかった。私が同じ状況だったら凹むだろうな......と思ったものの、出演していた俳優さんは怯むことなく、至近距離で全力の芝居をしていた。自分が愛するものを伝えたいというエネルギーに、度肝を抜かれた」。今回もそんな素敵な出会いが待っているのだろうか。三船は「演劇初心者はどこの劇団の何の演目を観たらいいか分からないと思うんですが、今回はいろいろな劇団をセットで観られるチャンス!『板尾さんに会いたい』というミーハーな気持ちがきっかけでもいい。観たら絶対感動するんじゃないかな」となど言い、板尾も「ちょっと通なイベントに見えるかもしれませんが(笑)、普段から演劇を観ている方はもちろん、演劇を初めて観る方にこそぜひ来てほしい」。本企画には4団体が参加。各劇団の上演時間は約45分。劇団・クリエイター・観客とのコミュニケーションの場として好評の“ティーチイン”も行われる。取材・文:五月女菜穂
2023年08月24日高羽彩の演劇プロデュースユニット「タカハ劇団」。その次回作で、昨年全公演中止となった『ヒトラーを画家にする話』をついに上演する。そこで脚本・演出の高羽と、板垣健介役の渡邉蒼に話を訊いた。インパクトのあるタイトルだが、創作のきっかけを高羽に訊くと…。「あるドラマの脚本を書いていた時、監修に入られていた現役の高校の先生から、『今時の高校生はアウシュヴィッツと聞いてもあまりピンとこない』と聞かされたんです。それ、絶対に良くないじゃん!と思って。若い世代の人がヒトラーを知るきっかけに、そして自分事として捉えて欲しいと思ったことが大きな動機です」美術大学4年生の3人が、ひょんなことから1908年のウィーンへタイムスリップ。青年ヒトラーと出会い、彼を画家にして独裁者への道を断とうと奮闘する物語だ。渡邉が演じるのはその美大生のひとり。「これは僕が高羽さんの脚本が大好きな理由のひとつですが、変に学びを強要したりせず、温かさのある作品だと感じました。板垣に関しては、渡邉蒼の心に正直に演じられる役だなと。ただのタイムスリップアドベンチャーにしないためにも、お客様を置いてけぼりにせず、一緒に肩を組んでラストに行くためにも、大切な役割ではないかと感じています」前回、上演直前まで稽古を重ねたメンバーは、誰ひとり欠けることなく今回も参加。「奇跡のようなカンパニーだと思います。若い方たちは物怖じせず、自分たちからアイデアを持ってきますし、大人たちはその熱に水を差さないよう構えていてくれる。その中で渡邉さんは、相手に与えることも出来るし、受け取ることも出来て。役者として完成している感じは、とても最年少とは思えないほど。たぶん人生5周目に突入していると思います」と高羽は笑う。渡邉は「自分ってすごく普通な人間だと感じます」と自己分析するが、本作にそれはプラスに働きそうで…。「僕ら美大生3人って、トリオ史上最も頼りないトリオだと思うんです(笑)。でもそれがある意味リアルですし、観た方もかつての自分に重ねられるところが多いのではないかと思います」。さらに高羽は、最後にこう語る。「歴史は他人事ではなく、劇場にいる一人ひとりの選択の積み重ねによって作られている。その事実を、今一度思い出してもらえたらと思います」またタカハ劇団では、「選択肢の多様性が社会の豊かさ」という高羽の想いのもと、鑑賞サポートも充実。ぜひ必要な方に届いて欲しい。公演は9月28日(木)~10月1日(日)まで。取材・文:野上瑠美子
2023年08月24日孫悟空を中心に、三蔵法師一行が天竺を目指す物語『西遊記』。1978年には堺正章主演でドラマ化され、一大ブームを巻き起こした。そしてこの度、『西遊記』が新たに令和版として堤幸彦の演出で舞台化されることが決定し、主役の孫悟空を片岡愛之助が演じる。そこで堤と愛之助に、本作にかける想いを訊いた。実は今回の舞台化、堤の念願の企画だったと言う。「数年前からぶつぶつ独り言のように、『西遊記』をやりたいと言い続けていたんです(笑)。それがこのようなかたちで舞台化するチャンスをいただき、大変ありがたいと思っています。さまざまなキャラクターが登場する『西遊記』は、単にその面白さだけでなく、人のおかしみ、さらには人間の産物である妖怪たちの面白み、悲しみ、切なさも描かれた作品。自分にとって非常にやりがいのある舞台になると思います」ドラマ版のファンだったという愛之助は、今回のオファーに…。「本当にビックリしました!子供のころに見ていた『西遊記』を、しかも映像でなく舞台でやるなんて。ただ演出が堤さんだと聞いた瞬間、これは出来るに決まっている、と(笑)。あの世界観を崩さず、それ以上のものを作れるのは堤さんしかいないと思います。今はその期待しかないですし、そこに孫悟空として参加させていただけることに、非常に幸せを感じております」同じく堤が大きな期待を寄せているのが、愛之助演じる孫悟空に対してだ。「歌舞伎というのは、江戸時代から多くの人を喜ばせるエンターテインメントの究極ですからね。そこに僕らはまだまだ及ばないわけで、やはり愛之助さんの力を借りたいなと。つまりLEDなど最新鋭のテクノロジーを使いつつ、役者さんたちの肉体を駆使した集団芸もふんだんに盛り込む。それは今まで僕がやってこなかったジャンルでもあると思いますし、ぜひ愛之助さんには頑張っていただきたいと思います」堤の熱いまなざしに苦笑いを浮かべつつも、やはり孫悟空というキャラクターは、役者にとって魅力あふれる役どころのよう。「切り込み隊長ですから、お師匠様に緊箍児(きんこじ)で締めつけられつつも、大暴れしたいなと思っております(笑)。孫悟空という役どころ自体、非常に傾(かぶ)いていると思うんです。そして最先端で面白い、いわゆるけったいなことをしている堤さんは、まさに傾(かぶ)き者。ゆえに想像を超えた舞台になると思いますので、ぜひご期待いただきたいと思います」取材・文:野上瑠美子
2023年08月24日不老不死となって千年の時を生きていた、ふたりの男。そして幾度も転生を繰り返している少女。『僕らの千年と君が死ぬまでの30日間』は、映画・舞台・漫画のメディアミックスでさまざまな角度から、数奇な運命で結ばれた彼らの姿を描いている。物語の起点となる平安時代の彼らを描いた漫画は8月に単行本第4巻が発売され、「THEATRICAL LIVE」と銘打った舞台は9月に上演。そして彼らの物語の行き着いた先を描く映画が、10月27日(金)より公開される。映画は『ハローグッバイ』『望郷』などの菊地健雄監督がメガホンを取り、ダークでサスペンスの要素もありながら、どこか神秘的で切ない仕上がり。442年ぶりに惑星食と同時に見られた皆既月食を撮影したカットも使用され、より幻想性を高めている。しかし、主人公・草介を演じた辰巳雄大(ふぉ〜ゆ〜)らによれば、設定こそファンタジックであるものの、登場人物、そして役者の心情に寄り添った撮影で、「登場人物のドキュメンタリーであり、ある意味、役者のドキュメンタリー」だと感じたそう。過剰にドラマ性を出さず、ナチュラルな芝居を追求する。映画だけでなく、舞台でも同様の試みがなされるらしい。客席にはっきり伝わる発声ではなく 「マイクに頼ってぼそぼそ言う芝居をやってみたい」と、上演台本・演出を担当する鈴木勝秀は辰巳たちに伝えたそうだ。キャストは草介役の辰巳と光蔭役・浜中文一、とわ役・菅原りこ、八百比丘尼役・AKANE LIVの4人のみ。かなりのボリュームのセリフで、なおかつ歌もある。浜中は「僕が歌うのはちょっとだけ」と笑うが、辰巳によれば「その分、光蔭さんが草介をどう思っているのかということも含めて、文ちゃんはセリフをめっちゃしゃべる」。各人の目線で見た平安時代の出来事、そして彼らの内に巻き起こる感情や想い。ロックのサウンドと共に、どう描かれるのだろうか。舞台で描かれる物語はそこで一旦ピリオドを打たれ、そして映画へと続く。もちろん、それぞれ独立した作品として楽しめるが、両方見ればより深く味わえるはず。浜中も「舞台で草介と光蔭がこうだったから映画ではこうなったんだ、って思ってもらえるのが一番いい」と語る。まさに対になっている作品なのだ。そう考えると、やはりこの公演を映画鑑賞前に観ておきたい。公演は9月8日(金)~18日(月・祝)品川プリンスホテル クラブeXにて。その後、大阪公演あり。取材・文:金井まゆみ
2023年08月23日体験型「恐竜」ライブエンターテインメント ディノアライブ「DINO SAFARI GIGANT」が、8月25日(金)から27日(日)の期間、Asueアリーナ大阪(旧:丸善インテックアリーナ大阪・大阪)にて開催される。「DINO SAFARI GIGANT」チケット情報横浜公演では恐竜たちのあまりのリアルさにSNS上でも大きな反響を呼んだ「DINO SAFARI GIGANT」がついに大阪に上陸!大阪でも迫力満点の恐竜たちが観客の皆さんに衝撃の思い出を提供する。また、大阪会場限定で恐竜博士ちゃんとしても知られる高校生YouTuber「チャンネルD」が描く、アンキロサウルス、ゲオステルンベルンギアのイラストを公開することが決定!夏休みの本番はここから!大阪で迫力満点の思い出を作りましょう!!チケットは発売中。■イラストを制作したチャンネルDさんからのコメント大阪公演に向け、今回は新しくアンキロサウルス、ゲオステルンベルギアのイラストを制作させていただきました!特にアンキロサウルスは有名な恐竜でありながら、あまり多くの化石が見つかっておらず、胴体を覆う鎧である皮骨(ひこつ)の配置も未だ研究が続いています。唯一、頭骨を覆う皮骨の配置は綺麗な化石が発見されており、今回は頭骨の皮骨一枚一枚の配置や大きさをしっかり反映してみました。こだわりが詰まった古生物の姿を堪能あれ!チャンネルD 【Channel Dinosaurs】古生物の復元画を描く動画や、古生物関連の旅動画などを中心に投稿している高校生YouTuber。
2023年08月22日現代の視点を取り入れ、歌舞伎上演の新たな可能性を発信してきた「木ノ下歌舞伎」の代表作のひとつ『勧進帳』が東京芸術劇場にて上演される。歌舞伎の名作を大胆に再構築した本作について、監修・補綴を務める木ノ下裕一に話を聞いた。木ノ下は自らの創作を「古典をかきわけ、その先で見つけたものに“現代”を感じる瞬間があるんです。かきわけた地面の底に鏡が貼ってあって、そこに自分の顔が映し出されるような感覚です」と説明する。「勧進帳」で言えば、義経に対する弁慶の“忠義”、そして彼らの正体を見破りながら、騙されたふりをして見逃す関守・富樫の“情”を描いた物語として語られがちだが、木ノ下が着目したのはそこではない。原作を掘り起こす中で見出したのは、様々な形で現れる“境界(ボーダー)”の存在だった。「原作の長唄に『今またここに越えかぬる人目の関』という詞章があるんです。かつて、人目を忍んで恋をした弁慶が、いま再び世間の目を避けながら関所を越えようとしているという意味ですけど、確かにこの作品、いろんな“関”が出てくるんですね。義経らが越えようとする“国境”という意味での関所はもちろん、義経と弁慶の主従の間にも絶対に越えられない一線があるし、富樫と義経らの間にも敵味方という境界線がある。これをテーマに“境界(ボーダー)の物語”として新たな『勧進帳』が描けるんじゃないかと思ったんです」この“境界線”の存在もまた現代社会の中で時間と共に変容する。2010年の初演、2016年の再創造を経て、2018年にも再演された『勧進帳』だが、社会の変化と共に常にアップデートされていく。「2016年、18年の頃はまだ“分断”という言葉が新しかったですよね。『分断を生む』という言葉によって分断が顕在化し、認識されるような感じでした。でも2023年のいま、分断が存在することは当たり前で、それをどうすべきか? ということを考えなくてはいけない中で解釈や演出も確実に変わります。例えば入管や移民の問題は、いま『勧進帳』を上演するならば、しっかりと勉強した上で押さえていかなくてはいけない問題だと思っています」演出を務めるのは杉原邦生。「僕が思う杉原さんのうまさは、エンタメ性と批評性のバランスの良さだと思います。相反するものとされがちだけど、本当に素晴らしいエンタテインメントは批評性も高いし、批評性が高い作品はエンタメをまぶしてないと面白くない。せめぎあいの中でその両立ができるのが杉原さんの特徴」と全幅の信頼を寄せる。2023年を生きる我々の心をどのように揺さぶってくれるのか? 完成を楽しみに待ちたい。取材・文:黒豆直樹
2023年08月21日大阪・南堀江にて世界中よりセレクトされた商品を取り扱い、店舗を構えるレコード&CDショップFLAKE RECORDSが2023年10月に17周年を迎える。そして、同じく17周年を迎える大阪・西心斎橋のライブハウスHOKAGE-火影-と共催が10月22日(日)に開催される。出演は8ottoとTENDOUJIの初対バンツーマン&HOKAGE-火影-に初登場となる。見逃せない1日となりそうだ!『FLAKE RECORDS & 火影 17th Anniversary! TONE FLAKES Vol.156』チケット情報チケットは、8月23日(水)23:59までオフィシャル先行先着受付中。FLAKE店頭販売も開始している。
2023年08月18日10月6日(金)より、70名以上を率いて20年ぶりに日本公演を行う、アメリカの至宝“ボストン・ポップス”。開催まであと1か月半となった「ボストン・ポップス on the Tour 2023」の、10月8日(日)東京国際フォーラム ホールA、10月13日(金)大阪・フェスティバルホールで行う「STAR WARS:The Story in Music」のストーリーテラーが決定した。「ボストン・ポップス on the Tour 2023」チケット情報10月8日(日)の東京国際フォーラムホールA公演でストーリーテラーを務めるのは、「スター・ウォーズ」シリーズで、カイロ・レンの日本語吹き替え版声優を担当する津田健次郎。一方、10月13日(金)の大阪・フェスティバルホールのストーリーテラーは、「スター・ウォーズ」シリーズでアナキン・スカイウォーカーの日本語吹き替え声優を務める、浪川大輔が担当する。エピソード1~9の名曲たちと共に、観客をスター・ウォーズの世界へ誘う担い手として、「スター・ウォーズ」シリーズの日本語版声優を務めるふたりが、本公演のストーリーテラーを担当することになった。なお、今回の「STAR WARS:The Story in Music」は、本場アメリカで今年初披露となるプログラムで、アメリカ国外では世界最速、日本初上陸となる。また、東京、大阪両公演ナビゲーターに、元フジテレビアナウンサーで、現在はフリーとして活躍する笠井信輔が就任。年間130本以上の新作映画を鑑賞するほどの映画好きとしても知られる笠井が、映画音楽の巨匠、ジョン・ウィリアムズが作り上げた「STAR WARS」の音楽をじっくりと楽しむことができるこの公演を、さらに盛り上げる。「STAR WARS:The Story in Music」の各公演チケットは発売中。
2023年08月18日9月16日(土)・17日(日)・18日(月,祝)に山口県にて開催される野外フェス「WILD BUNCH FEST. 2023」のタイムテーブルが発表された。WILD BUNCH FEST.2023 公式HP初日は10-FEET、2日目は [Alexandros]、そして最終日はYOASOBIがトリを務める。また、オープニングアクトとしてbokula.、超能力戦士ドリアン、BiTE A SHOCKの出演が決定。「Bandits Stage」、「Pirates Stage」、「Tube riding」、「Alley oop」の4つのステージで、3日間で総勢66組のアーティストが出演する。入場チケットは、8月19日(土)10:00~より一般発売。★往復シャトルバス券も発売中!新山口駅 ⇔ 会場(山口きらら博記念公園)Pコード:246-842※セブン-イレブン「マルチコピー機」にて直接販売のみ■WILD BUNCH FEST. 20239月16日(土)・17日(日)・18日(月,祝)10:00開場 / 11:30開演 / 20:00終演予定会場:山口きらら博記念公園(山口県)※オープニングアクトは開場中の出演
2023年08月18日猛暑が続くなか、「八月納涼歌舞伎」が今年も好評上演中だ。通常の二部制(昼の部・夜の部)ではなく、八月恒例の三部制は今年も健在。第一部(11時開演)は、人情物語の『次郎長外伝 裸道中』と、舞踊劇『大江山酒呑童子』。続く第二部(14時15分開演)は、群像劇『新門辰五郎』と、舞踊の『団子売』。最後の第三部(18時開演)は、スペクタクルな展開に心躍る『新・水滸伝』という多彩なラインナップだ。今回は、第三部の『新・水滸伝』をピックアップ。中国の“四大奇書”のひとつ「水滸伝」をベースに、横内謙介(劇団扉座主宰)の脚本・演出、三代目市川猿之助(現・猿翁)の演出・美術・原案で2008年に初演。以降、たびたび上演を重ねている人気作だ。12世紀の中国・北宋を舞台に、兵学校の教官を務めた身ながら、今は天下一の悪党となった林冲(中村隼人)の波乱の運命を描く。朝廷の重臣・高きゅう(浅野和之)に向かって、盗賊の晁蓋(市川中車)ら梁山泊の仲間たちと戦いを挑むスケールの大きさが見どころ。歌舞伎にミュージカルの要素を加えたような趣きも魅力だ。中村隼人が演じる林冲は、酒におぼれる前半から一転、かつて掲げた「替天行道」(天に替わって道を行う志を抱け、の意)を思い出し立ち上がる後半まで、堂々のヒーローぶり。中国風の衣裳やマントもピタリとハマり、高きゅうらとのスピード感ある立廻りや、“飛龍”に乗っての宙乗りで魅せる。そんな彼の教え子で、今は朝廷軍の兵士となっている彭き(市川團子)は、まっすぐな瞳で師を慕う姿が印象的。ある行動を起こす彭きと、その想いを受け止める林冲のシーンでは、客席からすすり泣きが漏れていた。他にも、梁山泊の盗賊仲間であるお夜叉(中村壱太郎)や、李逵(中村福之助)の、粗暴だが温かさがにじむ佇まい。王英(市川猿弥)と女戦士の青華(市川笑也)の微笑ましい恋の行方や、朝廷側ながら葛藤を垣間見せる高きゅうの側近・張進(中村歌之助)など、演者たちの見逃せないシーンが満載。最後までその世界観に引き込まれた。第一部の『裸道中』では、博徒・勝五郎(中村獅童)と女房みき(中村七之助)の、貧しくも仲の良い夫婦ぶりに笑い、清水の次郎長(坂東彌十郎)と女房お蝶(市川高麗蔵)の情け深さに胸が迫る。第二部『新門辰五郎』での辰五郎(松本幸四郎)と会津の小鉄(中村勘九郎)の矜持と男同士の絆など、歌舞伎ならではの人情をじっくり味わえる八月となった。取材・文:藤野さくら
2023年08月18日2013年より実施されている大阪が誇るハードコア・パンクバンド、RAZORS EDGE主催のライブサーキットイベント『STORMY DUDES FESTA 2023』が11月3日(金・祝)に開催する。『STORMY DUDES FESTA 2023』チケット情報大阪心斎橋、アメリカ村にあるBIGCAT、SUNHALL、ANIMA、Pangea、BRONZE、HOKAGE、SHINKAGURAの7会場。今年は、BIGCATが加わり更に盛り上がりを見せそうだ。第二弾出演者は、FUCK YOU HEROES、GARLIC BOYS、GOOD4NOTHING、OVER ARM THROW、RADIOTS、SHADOWS、SpecialThanks、SUNSHINE DUB、THE CHINA WIFE MOTORSの9組を発表して出演者は29組となった。今後の続報を楽しみに待っていてほしい。チケットは、8月28日(月)23:59までオフィシャルHP2次先行(抽選)受付中。
2023年08月18日昨年の日本ツアーではnever young beachやDYGLと共演を果たし、日本のインディファンにも大いに受け入れられる事となったタイはチェンマイ出身のインディロックバンド、YONLAPA(ヨンラパ)。『YONLAPA』チケット情報ついに待望のフルアルバム「LINGERING GLOAMING」が完成し、LPでのリリースも決定!そして、リリースを記念してアジアツアーを開催することが決定した。日本公演は、10月4日(水)東京WWWX、10月5日(木)大阪ANIMAにて。フルアルバム「LINGERING GLOAMING」では、シングルとしてリリースされていた人気曲「Insomnia」「On My Own」「Is that True?」を収録、さらに多くの新曲では進化を遂げたエッジの効いたYONLAPA式のめくるめくサイケポップワールドが展開されています。世界のインディロックファンを唸らせる傑作がここに誕生。YONLAPAの快進撃が始まる!!チケットは、8月23日(水)23:59までオフィシャル先行受付中。
2023年08月18日「夫婦げんかは犬も食わない」とは、よく言ったもの。一番近しい他人だからこそ生まれるやりとりは、洋の東西を問わず大いに感じるものがあるのではないか。フランスで生まれヨーロッパ各地で好評を博している『それを言っちゃお終い』は、六本木トリコロールシアターのレパートリー作品としてさまざまな形式で上演されている。今回はドラマ・リーディングでの公演だ。夫である“彼”役は平田広明。白樹栞プロデューサーの切望により、出演が叶った。その妻、“彼女”役は坂東巳之助と中村米吉のダブルキャスト。彼らの起用は平田の提案だったという。アニメ『ONE PIECE』でサンジを演じている平田は、スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』のサンジ役・中村隼人を通じて巳之助とも親しくなったそう。「以前女性の役を男性が演じたのが良かったとプロデューサーより聞いたので、じゃあ歌舞伎役者にやって頂くのもいいんじゃないかと、みっくん(巳之助)にお話をさせて頂いた」という平田に、巳之助も「米吉くんは特に女形の拵えをしなくても可愛らしいので、僕は別の方向性で、違いが出た方が面白い」と応じる。平田との共演も「短い時間の中でいい具合に刺激をいただきたい」と意欲を見せた。俳優夫婦の長年に渡るやりとりを、15景で描く本作。平田は「上質な会話劇だけど日本とは違う文化で、下品な会話も含めてウィットが効いている。演じる側としても難しいけれど観る人にも想像力が求められるから、人によってとらえ方が変わってくるのでは」と感じたという。巳之助も「何気ない会話のようでいて、短いセンテンスや繰り返しの部分に実は意味がある。隠れているキーワードをひとつひとつ拾っていくと、ものすごく膨大」と、戯曲の手ごわさを実感しているようだ。「歌舞伎役者さんとセッションする機会はそうない。彼らのお芝居に間違いはないので、僕は安心して身を委ねます。ワクワクしている僕を観に来てください」と平田が言えば、「何が起こるか、演じてみないとわからない。だからこそ『何が起きるのかな』と確認しに来てもらえたら」と、巳之助も異色の組み合わせのキャストで起こる化学反応が楽しみなよう。一方白樹プロデューサーも、遠隔地から問い合わせがあるなど期待の大きさを実感しているそう。「ぜひ同じキャスティングで再演したい」と今後の展望を語った。そんな大人向けのドラマを、ぜひ六本木で。公演は8月21日(月)~8月27日(日)まで。
2023年08月17日1987年の月組初演以降、度々再演されてきた大ヒットミュージカル『ME AND MY GIRL』。この人気作が宝塚歌劇星組公演として博多座に登場。ビル役およびジョン卿役を役替わりで演じる専科の水美舞斗と星組の暁千星、ヒロインのサリー役を演じる星組の舞空瞳に話を聞いた。「ワクワクと不安が入り混じった気持ち」と言うのは、これが専科異動後の初舞台となる水美。本作品には2016年花組時代にジェラルドとランベス・クイーンの2役で出演したことがある。「星組にはパワフルなイメージがあります。星組の『ME AND MY GIRL』がどう仕上がっていくか楽しみ」と意気込む。一方、月組配属時に初めて出演した作品ということで、暁にも特別な想いがあるそう。「当時はまだ舞台経験が少なく、ついていくのに必死という感じでした。今回はコメディの世界観を大切にしながら、ビルとジョン卿という2役を楽しみながら演じたいと思います」。「ファンとして何回も見てきた作品に出演させていただけるなんて夢のよう」と語るのは舞空。水美とは共に花組に在籍していた時期があり、「再び共演させていただけるご縁を嬉しく思う」と笑顔。1930年代のロンドンを舞台に、下町で育った名門貴族の跡継ぎである青年ウイリアム(ビル)が、一人前の紳士に成長するまでを、恋人サリーとの恋物語を絡めて描く物語。「見てハッピーになれる」(水美)、「人間味と愛に溢れた作品」(暁)、「思わず口ずさみたくなる曲が魅力的」(舞空)と3人が口をそろえる、とびきり明るくてハートフルなミュージカル。「ビルは、サリーを一途に思い続ける愛情の深さと男気を兼ね備えた人物。明るさの中に切なさも秘めています。対するジョン卿は茶目っ気がありながら、どこまでもダンディ。互いに刺激や影響を与え合いながら、暁と一緒に深い役作りをしていきたい」(水美)。「遊び心を忘れない自由なビルの感性を、いかに表現できるかが一つの課題。一方、ジョン卿は男役として成長できる役。水美さんからも役づくりのアイデアや発想を学ばせて頂きたい」(暁)と、役替わりでの出演に意欲を見せる2人。「サリーは、明るい笑顔とまっすぐにビルを思う心が印象的な役。水美さんと暁さんが演じられるビルの気持ちを全身に感じながら、サリーとして生きたいです」と舞空も共演への抱負を続けた。「一幕終わりの『ランベス・ウォーク』には、ぜひ一緒に参加してください!」と笑顔で締めくくった3人。とびきりハッピーな歌と踊りに酔いしれたい。公演は10月9日(月・祝)~11月2日(木)博多座にて。チケットは8月19日(土)より発売開始。
2023年08月17日コメディミュージカル『ミア・ファミリア』が2023年11月から東京芸術劇場ほかで日本初演される。「3LDK」というユニットを組む植原卓也・平間壮一・水田航生の3人がミュージカル初共演ということでも話題を呼びそうだ。舞台は1930年代のニューヨーク。失業者が急増し、禁酒令にもかかわらず人々はますます酒を求める。荒涼とした都市を密造酒事業で掌握したマフィアは勢力を広げ、建物を買い占めていた。イタリアの労働者たちの癒しの場である「アポロニア イン&バー」もマフィアの手に渡り、明日には閉店する。「アポロニア」に残った最後のボードビル俳優のリチャード(平間壮一)とオスカー(水田航生)は最後の公演準備をしている。そんなとき、マフィアの手下のスティーヴィー(植原卓也)がボスの自伝を上演しろと言い始めて......。6月下旬に行われたビジュアル撮影を見学した。煉瓦造りの壁を背景に、テーブルの上にはウイスキーボトルとショットグラス。撮影の直前まで談笑していた3人だが、いざカメラの前に立つと求められている表情とポージングをさらりと体現。スタッフ側からの立ち位置に関する指示はあれど、表情やポージングに関しての注文が少ないことが印象的。裏を返せば、それだけ3人の引き出しが多く、よく作品の世界観を理解しているということだろう。撮影について水田は「この3人で撮影するときはいつも楽しい。今回は、年を重ねて大人な感じが出せているのではないかな」と話す。実際、撮影カットを少し覗いてみたが、3人のスーツ姿は様になっていて、格好いいビジュアルに仕上がりそうだ。改めて本作に出演が決まった心情を尋ねると、植原は「僕ら3LDKがミュージカルで共演することに驚きましたが、きっと応援してくださっている方にとっては嬉しいニュースだったのでは」と話す。一方の平間は「この3人でできるんだという驚きと嬉しさと怖さが一気に来ました」と言い「役を演じるのが役者の仕事ですが、この3人が集まるとどうしても平間・植原・水田が勝手に出てしまって、舞台として成り立つのかどうか......(笑)そこが勝負です」。3LDKはどんな存在なのか。平間は「洋服みたいな感じ。なくてはダメだし、当たり前のようにある」と回答し、植原は「幻想ですね」と含蓄ある答え。水田は「いい意味で何も考えずに一緒にいられる人」と答えた。東京公演は11/24(金) ~ 12/3(日) 東京芸術劇場にて。取材・文:五月女菜穂
2023年08月17日大阪のライブハウス、梅田Zeelaのオープン10周年を記念したライブイベント『maru de heaven -Zeela 10th Anniversary-』が、9月7日(木)に開催される。『maru de heaven -Zeela 10th Anniversary-』 チケット情報出演は、GOODWARP、YAJICO GIRL、CAT ATE HOTDOGSの3組。また、堀江の人気パン屋さん「ホットクロス」作の「Zeela10周年記念パン」が販売決定!Zeelaをイメージした緑色の抹茶メロンパンで、中にはクリームがたっぷり入っている。9月中、毎週木曜日にZeelaにて限定販売され、本イベントでお披露目される。素敵な音楽と美味しいパンで『maru de heaven』の空間へと誘います。チケットは、8月17日(木)23:59まで先行先着プリセールを実施中。
2023年08月16日明治座創業150周年記念『明治座9月純烈公演』が9月8日(金)から同劇場で上演される。開幕を前にした7月中旬、取材会が行われ、メンバーが公演に懸ける思いを語った。純烈が初めて明治座に立ったのは、2019年の『50周年記念 前川清特別公演』。当時はNHK紅白歌合戦への出場を果たした直後にメンバーのスキャンダルがあり「純烈最大の危機」だったが、リーダーの酒井一圭は「前川さんと明治座さんが救ってくださった」と話す。その後、2021年7月に初めて座長公演を開催。酒井は「苦しいコロナ禍でしたが、あのときの純烈公演は、稽古から千秋楽まで誰1人欠けることなく完走できた」と語った上で、「唯一の心残りといえば、本番期間中に白川(裕二郎)が生肉にあたって、腹を壊したこと」と振り返ると、白川裕二郎本人から「それは別に言わなくても!」と突っ込まれていた。今年1月1日(日)に加入した岩永洋昭が「観劇で訪れたことはありますが、こんなに大きくて由緒ある劇場の板の上に立つのは初めて。本当はアンサンブルぐらいから始めなくてはいけないのに......」と話すと、メンバーからは「アンサンブルかもしれないよ?」と意地悪なコメントが。それを受けて、岩永は「セリフがあろうがなかろうが、バーンとやります」と答えた。本公演は2本立て。第一部は「ハリウッドスターになりたくない!」というタイトルで、1930年代のハリウッドを舞台にした芝居を上演し、第二部ではおなじみのヒット曲から最新曲までをコンサート形式で披露する。本公演で楽しみにしていることを尋ねると、岩永は「(舞台の昇降装置である)セリをちゃんと使ったことがないので、セリを使った演出が楽しみ」。白川は、前回公演で使用した「純烈号」というセットを挙げ「今回も使わせてもらえるのか......もし使うのなら、どういった状況で使うのかが楽しみ」と言い、後上翔太は「明治座の楽屋にあるお風呂。前回公演では、公演後にお風呂に入るのがすごく気持ちよかったので、今回も湯船に体を沈める瞬間が楽しみです」。そして、酒井は「やっぱり握手ですね。今回純烈を初めてご覧いただく方や、コロナが怖くて前回観劇を諦めた方もいると思うのですが、そういった方々と握手をして、純烈のことをどんどん好きになってもらえればと思います」とリーダーらしいコメントをした。公演は10月1日(日)まで。取材・文:五月女菜穂
2023年08月16日演劇のみならず映像分野でも活躍する岡本昌也が、歌舞伎町のビル横にたむろする“トー横キッズ”と呼ばれる若者たちを描いた舞台『怪獣は襲ってくれない』が歌舞伎町に近い新宿シアタートップスにて再演される。キャストの顔合わせと初の読み合わせが行われた7月下旬、主演の新谷ゆづみ、共演の葉月ひまり、岡本に話を聞いた。ニュース記事でトー横キッズの存在を知ったという岡本。気になって調べる中で、若者たちがストロング系缶チューハイを手にはしゃぐ姿を見て「理由はわからないけど泣いてしまった」という。「感情を揺さぶられて、劇を書こうと思ったんですが結局、ニュースを見て感情移入すること自体、大人の目線なんです。実際にリサーチをしてみると、ただ楽しくてそこにいる若者たちのコミュニティがあるだけでした。みんな、明るくそこにいるのに、ニュースではそれが捨象されて“かわいそうな子たち”となってしまう。だからこそ演劇という形でニュースからは聴こえない彼らの“声”を伝えたいと思いました。作家として彼らの“文体”や話し言葉を文字化できるという自信もありました」。スマホと充電器だけを手に歌舞伎町にやってきた15歳の主人公・こっこを演じる新谷は「未成年、思春期という縛りの中で、『自由になりたい』、『でも大人は自由にさせてくれない』という葛藤は誰もが持っていると思うし、彼らの場合、その場所が歌舞伎町だったけど、どこでもありうるし、私も似たような気持ちを抱えていたことがあります。どうすればいいかわからないし、大人になるのを待つしかないから『いま、この瞬間を楽しもう』となる気持ちもわかります」と刹那を生きる登場人物たちの心情を語る。こっこに“界隈”を案内する、性自認が男性の14歳・夢露(めろ)を演じる葉月も「自分が中学生の頃はそこまでSNSもなかったけど、いまは『寂しい』とつぶやけば『話聞くよ』という人たちがいる。時と場所が違えば、些細なきっかけで自分もトー横キッズになっていたかもしれない」と語る。だからこそ、彼らを異質な存在として捉えるのではなく「寄り添って演じたい」とも。再演に当たり、新たに2人の“大人”が登場人物に加わるのもポイント。どこか怪しげながらも子どもたちと積極的に交わり、彼らを導くゼウスとNPO法人の理事として若者たちをケアしようとする畑中。異なるアプローチで子どもたちに向き合う2人だが「大人の視点が入ることで、観客の大人たちも『自分はどう子どもたちを見るのか?』と問われる」(岡本)。歌舞伎町と目と鼻の先の劇場でどんな物語が描き出されるのか。楽しみに完成を待ちたい。取材・文:黒豆直樹
2023年08月15日