チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (79/342)
12月13日(金)から29日(日)まで、 有楽町・東京国際フォーラム・ホールCにて上演されるミュージカル、 「サタデー・ナイト・フィーバー」(イギリスプロダクション)にて“ホワイエ DE ディスコ”の開催が決定した。【チケット情報はこちら】1977年に公開されたジョン・トラボルタ主演の不朽の名作映画「サタデー・ナイト・フィーバー」は70年代のディスコブームを牽引した作品。 映画公開40周年を記念してイギリスで作られた同作のミュージカル版では、 ステージがまるでディスコそのものの大フィーバー!そして、 12月から始まる待望の日本公演では開演前のホワイエに出張DJが登場し、 ステージのみならず会場全体を盛り上げる。11月20日にオープンしたばかりの”オトナの為の新名所”「URACORI (銀座裏コリドー)に軒を構える銀座club GHQのGINZA DISCO NIGHTから出張DJが、 東京国際フォーラム・ホールCのホワイエに登場する。出張DJは、 年間のDJ出演日数は実に300日を越える東京DISCOシーンのアイコン、 DJ BABY。限定4公演で年代、 ジャンルを越えた豊富なバリエーションを巧みに使い分け、 MCパフォーマンスをまじえたクイックリーなDJプレイで、お客様を開演前から「サタデー・ナイト・フィーバー」の世界に誘う。DJ BABY出張公演(4公演限定)*DISCO TIME(18:30-19:00)12/13(金)19:00開演、12/18(水)19:00開演、12/20(金)19:00開演、12/24(火)19:00開演また、 同公演では映画「サタデー・ナイト・フィーバー」で主役のトニー(ジョン・トラボルタ)がディスコでいつも頼んでいたカクテル“セブン・セブン(アメリカのウイスキー「 セブンクラウン」を7up(セブンアップ)で割ったもの)”の販売も決定。 ホワイエのカフェカウンターにて販売される。チケットはぴあにて発売中。
2019年11月27日各地の複数の劇場やホールがオペラを共同で新演出上演する「全国共同制作オペラ」(文化庁助成)。2020年2月には白河文化交流館コミネス(福島県白河市・9日)、金沢歌劇座(石川県金沢市・16日)、東京芸術劇場(東京都・22日)の3館がヴェルディ《ラ・トラヴィアータ(椿姫)》を上演する。演出家・出演者らが都内で会見を開いた(11月18日)。【チケット情報はこちら】このプロジェクトの特色のひとつが、演出に、演劇やダンス、映画など、ふだん他ジャンルを中心に活躍する才能を積極的に起用してオペラに新たな可能性を模索していること。これまでにも森山開次や河瀬直美、野田秀樹、笈田ヨシら、世代やジャンルにこだわらず、さまざまな大物たちに演出を委ねてきた。今回の演出を手がけるのは、ダンス・カンパニー「ニブロール」を主宰する振付家・演出家の矢内原美邦(やないはら・みくに)。オペラ初演出だ。会見冒頭、「わくわくドキドキしている。でも私がやるからには、普通のオペラでなく、未来につながるような新しいオペラを」と、いきなりオペラ界に宣戦布告。とはいえ、もちろん対決姿勢はゼロ。具体的な手法としては、「映像をふんだんに使う。そのスクリーンは美術セットでもあり、そのセット自体も固定せずにどんどん自由に動かす。予算の許す限り大掛かりに(笑)」その映像を作るのは、ニブロールでもずっと矢内原とコンビを組んでいる映像作家の高橋啓祐だ。ダンサーや役者ら助演(歌わない役)にも大きく重点が置かれ、そこに歌手や合唱団も加わるという。「突っ立って歌わせるつもりはない」と語るが、この日が初顔合わせだった歌手一同からは、「われわれも踊るのか?」という質問が次々に飛んで来るので、それには「答えない」という作戦に出たと会場を笑わせた。でも、「たぶんみなさんがちょっとびっくりするようなことがあると思います」朝から晩までずっと稽古しているような小劇場の世界で育った矢内原にとっては、最初の打ち合わせで聞いたオペラの稽古時間の少なさは衝撃的だったそう。「でも今日会って、ひとりひとりにとても興味を持った。全員がいい舞台を作りたいと思っているのはまちがいない。そういう舞台にしたい」と抱負を語った。主役のヴィオレッタには、円熟期を迎えた名ソプラノのエヴァ・メイ(この日の会見は欠席)。華やかな高音の技巧から内面的な重い表現まで、要求される声の演技が幕ごとに異なるこの役には、彼女のように経験を積んだコロラトゥーラ・ソプラノは適役だ。恋人アルフレードに宮里直樹、その父ジェルモンに三浦克次。ベルリン・フィルのヴィオラ奏者出身という異色の経歴の指揮者ヘンリク・シェーファーがタクトをとる。すでにさまざまなアプローチが尽くされてきた名作オペラに、気鋭の演出家がどんな光を新たなに当てるのか。2月まで首を長くして待とう。チケットは各地の公演ともすでに発売中。取材・文:宮本明
2019年11月27日2020年2月、初演舞台『おおきく振りかぶって』の再演とシリーズ第三弾となる完全新作舞台『おおきく振りかぶって 秋の大会編』を同時上演するダブルヘッダー特別公演の出演者全22名が発表された。【チケット情報はこちら】物語の中心となる西浦高校野球部の配役は、第1作目から主演をつとめる三橋廉役 西銘駿をはじめ、前作から続投となるのは、阿部隆也役 大橋典之、百枝まりあ役 渡邊安理、花井梓役 白又敦、泉孝介役 安川純平、栄口勇人役 竹鼻優太、沖一利役 中村嘉惟人、水谷文貴役 湯本健一、西広辰太郎役 亀井賢治、篠岡千代役 澤田美紀、志賀剛司役 筒井俊作。そして本作より新たに、田島悠一郎役 大野紘幸、巣山尚治役 齋藤健心が出演。新作舞台『おおきく振りかぶって 秋の大会編』で遂に西浦高校との初対決を迎える武蔵野第一高校野球部の配役には、榛名元希役 神永圭祐、秋丸恭平役 佐伯亮の他、前作からの続投となる加具山直人役 島野知也が出演する。そして、西浦高校 三橋の幼馴染であり、初演舞台『おおきく振りかぶって』において初の練習試合で再会を果たした三星学園野球部 叶修吾役には本作より初出演となる西川俊介の他、織田裕行役 鶏冠井孝介、畠篤史役 吉田英成が前作より続投にて出演。同じく初演舞台において初の公式戦で対戦を迎える強豪校 桐青高校野球部の配役は高瀬準太役 越智友己、河合和已役 永岡卓也の2名が初出演となり、島崎慎吾役 松本祐一が前作より続投にて出演する。2018年2月、講談社「アフタヌーン」連載中の人気漫画を舞台化し、上演された初演作舞台『おおきく振りかぶって』は、発売と同時に大きな反響を呼び、チケットは即日完売。不器用ながらも野球を通じて少しずつ成長していく主人公三橋廉をはじめ西浦高校野球部員たちを熱演するキャストの姿は、観客に熱い感動をもたらし、大好評のもとで閉幕。同年9月には、続編への期待の声に応え、早くもシリーズ第二弾舞台『おおきく振りかぶって 夏の大会編』の上演が実現。そして2020年2月、ダブルヘッダー特別公演では、すでに伝説となりつつある初演作舞台『おおきく振りかぶって』の再演がたくさんの熱いリクエストに応えるかたちで遂に実現。さらに、シリーズ第二弾の舞台で描かれた夏の大会編のその後を描くシリーズ第三弾となる完全新作舞台『おおきく振りかぶって 秋の大会編』との同時上演を行う。脚本・演出は、もちろんシリーズ全作をてがけてきた成井豊氏。初演舞台と新作舞台を通じて登場する西浦高校野球部のバッテリー三橋、阿部と、武蔵野第一高校野球部バッテリー榛名、秋丸との対決は本公演のみどころのひとつとなります。彼らがおりなす熱いドラマを2作通して楽しむことができる、ダブルヘッダー特別公演ならではの構成となっている。ダブルヘッダー特別公演『おおきく振りかぶって』/『おおきく振りかぶって 秋の大会編』は2月14日(金)から24日(月)まで、東京・サンシャイン劇場にて上演予定。チケットぴあでは12月10日(火)よりプレリザーブ開始。
2019年11月27日今年も11月23日よりグランフロント大阪うめきた広場にて、西日本最大級の都市型仮設アイスリンク「ウメダ★アイスリンク つるんつるん」がオープン。22日夕方にはリンク開きのセレモニーが行われ、町行く人々が見守るなか、初年度より6年連続で女優でフィギュアスケート選手の本田望結が初滑りを披露した。衣装は黒と赤を基調とした大人っぽいデザイン。ノリのよい洋楽曲『Hand Clap』の歌詞に合わせ、ギャラリーに手拍子を求めるなど、エンタテインメント性溢れる滑りでセレモニーを盛り上げた。約15分間の滑走を終え、本田望結が報道陣の囲み取材に応じた。「ウメダ★アイスリンク つるんつるん」チケット情報初滑りの感想を問われると「今同世代の間で流行っているダンス動画と同じ楽曲を使ったので、聞き覚えのある方もいらっしゃったと思います。振り付けも偶然似ていてびっくりしました。そこはあえて変えずに使っています」と去年よりエキシビジョンで披露してきた演目についてコメント。また、セレモニーへの参加は毎年欠かさず、初年度は小学4年生だった本田も、現在は15歳の中学3年生だ。「毎年身長が10cm伸びたとお話しているような気がします。小学4年生の頃からだと30cmは伸びたんじゃないかな。来年もセレモニーに参加して『高校生になりました』と報告できるように頑張りたいです」。アイスリンクが設置されたJR大阪駅前広場周辺は、百貨店やショッピングモール、劇場などが点在し、週末には多くの観光客でも賑わう絶好のおでかけスポット。本田もたびたび買い物に訪れるといい、「いつも通る広場でお客さんに見られながら滑るのは不思議な感じでした。でも普段屋外で滑ることがないので楽しかったです」。リンクの状態も普段練習で使う会場と遜色ないと話し、「本格的な滑りを楽しんでいただけます」とアピールした。最後に今後の活動を問われると、女優とフィギュアスケート選手の“二刀流”を貫くことを宣言。「今年は大会で思うような結果が残せなかったので、来年は練習の成果を出せるよう、いい状態で大会に臨みたいです。女優としても12月にはドラマの撮影が入っています。認めていただけるよう、応援の言葉を受け止め自分と向き合い、立ち止まらずに目の前の目標に向かって頑張りたいです」と力強く語った。尚、開催期間中は全3回の夜型イベント「カーリングNIGHT」も開催。その他、毎週火曜はレディースDAY、木曜はファミリーDAY、19時以降ナイター割引(平日限定)などお得な割引も要チェック。「ウメダ★アイスリンク つるんつるん」は、2月24日(月・休)までグランフロント大阪うめきた広場にて開催。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2019年11月25日11月、ズービン・メータとやってきて、相変わらずのスーパー・サウンドで日本のファンを圧倒していったベルリン・フィル。かねてより、2020年6月にも日本公演を行なうことが告知されていたが、今回の訪日中に、その「ベルリン・フィル in Tokyo 2020」の概要の発表会見が開かれた。(11月22日・東京文化会館)。「ベルリン・フィル in Tokyo 2020」は、毎春の「東京・春・音楽祭」の特別公演。東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた文化の祭典「東京2020 NIPPONフェスティバル」の共催プログラムとして実施される。東京のみ4公演の開催で、指揮はすべてグスターボ・ドゥダメル。開催趣旨を反映して、プログラムは「日独の友好と民族の多様性の象徴」というコンセプトで選ばれた。まず、6月24日(水)~26日(金)の東京文化会館での3公演。6月24日(水)は「東京2020大会のためのスペシャル・コンサート」と題して、ベートーヴェン、ラヴェル、ストラヴィンスキーから、ジョン・ウィリアムズ、メキシコのアルトゥロ・マルケス、日本の早坂文雄と、まさに多様・多国籍。そして25日(木)はマーラーの交響曲第2番《復活》、26日(金)はベートーヴェンの《第九》と、「東京・春・音楽祭」でも主役の一翼を担う東京オペラシンガーズが活躍する合唱付きプログラムだ。大きく注目されるのが、6月27日(土)に新宿御苑で行なわれる無料の「1万人の野外コンサート」だ。曲目は《第九》。ベートーヴェンの生誕250年に、緑豊かな広々とした庭園の特設ステージで、ドゥダメルとベルリン・フィルの《第九》が無料で聴けるスペクタクル!(ただし新宿御苑の入園料が別途必要)出演合唱団は、世界各国から集まる約300人の「2020 One World Choir」。300人のうち100人はホール公演と同じ東京オペラシンガーズががっしりと固め、残りの200人を、ドイツ、スペイン、南アフリカ、オーストラリア、中国、そして日本など世界中のアマチュアによってあらかじめ組織される(公募ではない)特別編成合唱団だ。心配なのは梅雨の東京の天候。荒天の場合は翌日に順延されるが、多少の雨なら、開催されるというから、それも一興かも。いずれにしても悪天候による中止の可能性はかなり抑えられそうだ。応募方法は2020年3月上旬に特設サイトで発表される予定。定員は1万人だが、それはイス席の用意されたエリアの収容人数。周辺スペースでの「立ち聴き」はとくに制限しないというのはうれしい太っ腹。ちなみに初夏のベルリン・フィル恒例のヴァルトビューネの野外コンサートは、この来日直前の6月20日(土)。あの興奮が東京でも!取材・文:宮本明
2019年11月25日2nd ミニアルバム『NO MARBLE』をリリースしたばかりのオルタナティブ・ロック・バンド、ArtTheaterGuild。メンバーの伊藤のぞみ(vo、g)、木村祐介(g)、浅井萌(ds)に話を聞いた。【チケット情報はこちら】2016年、EP『4PM MELLOW DIVERS』で才能を見出したthe pillows 山中さわおが同曲をリミックスし、2018年10月にリリースされた1stミニ・アルバム『HAUGA』は山中がプロデュース。そして本作も手掛けたことで、the pillowsを慕うメンバーにとって、実に恵まれた制作環境となった。しかし作詞・作曲を担う伊藤としてはジレンマに苛まれたという。自然に出てくることが本当に自分がやっていることなのか?借りてやっている気分の瞬間もあったというが、“滲み出てくるものは自分のものだ”と吹っ切れて、今は清々しい境地だという。希代なソングライターである伊藤の曲に、木村のオルタナ色の強いギターが彩る風景がこのバンドの魅力のひとつ。前作と比べてもこのタッグのクオリティは上がっている。「曲を持ってきた段階でイメージがしやすい。好きな音楽が共通しているのでアレンジのアイデアはあって。それをOKしてくれることが多いので土台はすぐ出来る」(木村)the pillowsの影響はそのままに、彼らの個性、オリジナリティがグッと前面に出て広がった印象だ。ある意味ストイックなまでに音数が少ないリズムで曲を支えるドラムもこのバンドになくてはならない存在。「バカスカ叩く音楽を基本的に聴いてこなくて、シンプルっていうか、あまり手数を多く入れるフィルとかやらないのが自然と出ちゃってるんだと思うんですけど(笑)」(浅井)「そこは相性なのかな。(メンバーから)出てきたものを柔軟に解釈するために、歌詞を乗せるのは1番最後です」(伊藤)伊藤の書く詞は実に良く練られていて味わい深い。「バンドを始めた頃、ふたりと出会う前から歌詞は研究していた。それが根っこになって、候補の中で“僕はこの言葉は使わないほうがいい”という組み立て方をします。バンドのアレンジが雰囲気もあってまとまっているので、それに今まで培った歌詞の技術を使って、挙がっているテーマを伝えやすい言葉にします」(伊藤)バンドのこれからについて聞くと「素直に曲を作ってメンバーに渡して組み立てて、それで出来たのが未来の僕らだと思ってるんで」(伊藤)とあくまでも自然体。作品ごとに成長著しいこのバンドに注目だ。取材:文:浅野保志(ぴあ)
2019年11月25日宝塚歌劇宙組公演『El Japon(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』『アクアヴィーテ(aquavitae)!!』~生命の水~が、11月15日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕した。宝塚歌劇宙組『El Japon(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』『アクアヴィーテ(aquavitae)!!』~生命の水~チケット情報『El Japon』は、スペイン南部の町コリア・デル・リオに「サムライの末裔」を自認する“ハポン(日本)”姓の人々が実在することに着想を得て作られた、オリジナル・ミュージカル。なぜ遠い異国の地に日本の侍の伝説が残ったのか…。慶長遣欧使節団としてイスパニア(スペイン)に派遣されることになった夢想願流剣術の名手・蒲田治道を主人公に、侍の心情や異文化との出会いが描かれる。和と洋の世界観を融合させた意欲作。プロローグでは、扇を手にした娘たちがしなやかな舞で観客を作品世界へと誘う。物語は、仙台藩主・伊達政宗がイスパニアとの貿易交渉のため、使節団を派遣するところから始まる。約1年をかけてイスパニアに到着するも、国王フェリペ3世との交渉は膠着。使節団は修道院で無為な日々を過ごすことになる。ある日、奴隷として売られ脱走した日本人少女を助けた治道は、彼女を匿う場所を探して宿屋を営む女性カタリナと知り合う…。日本で愛する人を助けることができず、悔恨の念にさいなまれながら生きる治道。トップスター・真風涼帆が、そんな彼の“影”の部分を繊細に表現。また、剣術の名手だけに立ち廻りのシーンも多く、キレのある殺陣も見どころのひとつとなっている。その治道の心を動かす女性カタリナを、トップ娘役の星風まどかが好演。カタリナも愛する人を亡くしたことを悔やんで生きている女性だが、大農場主フェルディナンドによる嫌がらせや邪な欲望にも、凜とした態度で立ち向かう強さを持つ。強さの裏に辛い過去を抱えるふたりが出会い、それぞれがその傷を克服していくという内面の変化が描かれているとともに、弱きを助け、強きを挫くヒロイックな展開が爽快だ。また、治道の窮地を救う謎の男アレハンドロを演じる芹香斗亜は西部劇のガンマンのようなクールな佇まいで魅せるが、コミカルな一面とのギャップでも楽しませてくれる。第2幕のショー『アクアヴィーテ(aquavitae)!!』は、ウイスキーをテーマに展開。ゴールドの煌びやかな衣装をまとい、アダルトでクールに魅せるプロローグ。勢いのあるナンバーでグイグイとその世界に観客を惹きつけ、エネルギッシュで刺激的なシーンが次々と繰り広げられていく。公演は12月15日(日)まで、兵庫・宝塚大劇場、2020年1月3日(金)から2月16日(日)まで東京宝塚劇場にて上演。東京公演のチケットは12月1日(日)一般発売。取材・文:黒石悦子
2019年11月22日2020年2月22日(土)、23日(日・祝)、横浜アリーナにて開催される、名作ディズニー・アニメーション映画『美女と野獣』のフィルム・コンサート。歌唱部分を務めるキャストが解禁され、主人公のベル役に上白石萌音、ろうそく付きの燭台姿の給仕ルミエール役に横山だいすけ、そして、テーマ曲「美女と野獣」を歌うポット夫人役をクリスタル ケイが務める。【チケット情報はこちら】本公演は、映画のセリフや効果音はそのままに、日本の音楽・エンタメシーンで活躍するバラエテイ豊かなアーティストの歌とパフォーマンス、さらには総勢70名を超えるオーケストラの生演奏とともに、映画全編を巨大スクリーンで上映する。オープニングでは『美女と野獣』の作曲者でありディズニー・レジェンドでもある、アラン・メンケンがピアノの弾き語りを披露する。また、主人公ベルのオリジナル・ヴォイスを務めたペイジ・オハラとのトーク・セッションも行われる。そのほか、野獣役やガストン役、ル・フウ役のキャストも後日発表される予定。チケットは、11月22日(金)午前10時より一般発売開始。<キャスト コメント>■ベル役:上白石萌音人生で1番最初に、そして1番多く観たミュージカルが『美女と野獣』です。幼い頃から大好きで、何百回・何千回と口ずさんできた名曲の数々を、映画に乗せて歌える日が来るなんて。ほんとうに夢のようです。個性豊かなキャストの方々とご一緒に、作品の素晴らしさを全身で味わう時間が楽しみでなりません。皆様ぜひいらしてください。■ルミエール役:横山だいすけ横山だいすけ流のルミエールがみなさんにどんな楽しさや素敵なサービスをお届けできるか今からワクワクです!オーケストラの演奏と巨大スクリーンから繰り出される映像、そして横山ルミエールというスパイスを加えた美味しい歌という料理を、みなさんにご提供できますよう頑張ります!■ポット夫人役:クリスタル ケイ私が子供の頃から大好きなディズニーのクラシック、『美女と野獣』にこんな形で参加できるなんて、とても嬉しいです!名曲が沢山詰まっている作品、しかもこんなに贅沢な構成で歌うのがとても楽しみです。ポット夫人はとてもチャーミングで暖かい存在、その暖かさを歌で表現出来るように頑張ります!素晴らしいキャストの皆さんとこの夢のような世界を作り上げるのが楽しみです!
2019年11月22日新生PARCO劇場のオープニング作品第1弾となる『ピサロ』。このスペインのインカ帝国征服の物語で、宮沢氷魚がインカの王アタワルパとして、スペイン将軍ピサロを演じる主演・渡辺謙と対峙することとなった。アタワルパは、渡辺が1985年の初演で演じて名を上げた役でもある。大きな役割を任せられた注目株の俳優に迫る。【チケット情報はこちら】今年秋、俳優デビューから2年が経ったばかり。しかし、この短い間に3本の舞台に立ち、ドラマでも主要な役に抜擢されている。そのうち、三島由紀夫の4部作を舞台化した『豊饒の海』では東出昌大と共演。ドラマ『偽装不倫』では杏の相手役を担った。「だから、今回初めて渡辺謙さんとお会いしたときには、遠い親戚の方と会ったような不思議な気分でした(笑)」と微笑む。その渡辺がかつて演じたアタワルパに挑むことについても、「謙さんがピサロを演じられると発表されてから、じゃあアタワルパは誰がやるんだろうとみんなが思っていたと思うので、そこに挑戦できるうれしさをすごく感じています」と素直に喜びを見せる。インカで神とも崇められていたアタワルパを演じるにあたっては、「まず王の貫禄が出るようにちょっと身体を大きくして」臨むつもりだ。「ただ、内から出てくるものが大きいから絶対的存在に見えるのだと思うので、自信とか包容力とか、気持ちも作っていかないとアタワルパにはなれないだろうなと思っています」。作っていくうえでは、英国演出家ウィル・タケットとの作業も楽しみのひとつ。「先日ウィルのワークショップがあったんですけど、まずは役者にやらせてくれて、そこからアイデアを広げていくというスタイルだったんです。『豊饒の海』のマックス(・ウェブスター)もそうでしたが、お芝居のなかでいろいろ挑戦できるチャンスをくれるのはやっぱりうれしいことですし。そこで、普段の自分だったらできないようなことを、間違ってもいいという覚悟で思い切ってできるのが、舞台の面白いところだなと思います」「今はまだ目の前の作品に一生懸命立ち向かうことしかできない」とは言うが、その一歩一歩が自信になっていることもうかがえる。ことに今回は「早く初日を迎えたいという気持ちが強い」そうだ。「文化の違う人間が出会ってどう歩み寄りどう反発するのかという、今の時代にも意味のある人間の物語が描かれているすばらしい脚本なので、これが早く世に出てほしいと思うんです」。「最初から最後までどのシーンも好き!」と熱弁する宮沢氷魚の何とも楽しげな表情。期待が募る。チケットは明日11月23日(土)10:00よりチケットぴあにて一般発売開始。取材・文:大内弓子
2019年11月22日世界屈指の名門、英国ロイヤル・バレエ団の一員として数々の主要な役柄を踊り、2018年10月、惜しまれながら同団を引退した小林ひかるが、来春上演のガラ公演〈輝く英国ロイヤルバレエのスター達〉で初めてプロデュースに挑戦する。【チケット情報はこちら】現役を退き、「生活のリズムががらりと変わりました!」と、インタビューにこたえる小林。「現役時代からオンラインの大学でスポーツサイエンスを学び、指導者として活動する準備を進めてもいました。同時に、日本のダンサーたちの活躍の場をもっと広げたいという思いから、より多くの方々にバレエを楽しんでもらえる公演を実現したいと考えていたんです。プロジェクトは4年先まで考えているけれど、これはそのスタートとなる公演なんです」ローレン・カスバートソン、ヤスミン・ナグディ、高田茜、平野亮一、ワディム・ムンタギロフら、ロイヤルのスターたちが次々と登場する豪華さに加え、誰もがバレエに親しめるようにと独自の工夫を散りばめる。「バレエは言葉なしに伝えることができる芸術だけれど、様々な作品の抜粋が次々と上演されるガラ公演は、初めての方にとってわかりにくいことも多いでしょう?この公演では、各上演作品の上演前に短い解説の映像をお見せします。語るのはダンサー自身。話すのが得意ではない人もいて、収録は大変ですが(笑)」プログラムの組み方も独創的だ。「ダイナミックさが感じられるもの、演劇的なもの、神秘的な物語と、テーマの異なる3つのプログラムを、1公演につき2プログラムずつ上演します。バレエにはいろんな要素があるということをお伝えしたくて!」小林の夫君、ロイヤルの人気プリンシパルのフェデリコ・ボネッリも登場、「めったに抜粋上演されない、マクミランの『レクイエム』から、男性のソロを踊ります。またメリッサ・ハミルトンは、ロイヤルのレパートリーにない、ベジャールの『ルナ』を踊るんですよ」。『ルナ』は、100年にひとりとうたわれた天才ダンサー、シルヴィ・ギエムが踊ったことで知られる傑作だが、「最近自覚したのですが、こうした作品の上演許可を取るのってすごく大変なんですね!」と、尻込みすることなく、日々挑戦を続けている。12月にBBCで放映される『ロミオとジュリエット』で主役を演じるウィリアム・ブレイスウェル、今シーズン、ファースト・ソリストに昇進し、活躍の幅を広げているアクリ瑠嘉など、将来が楽しみなダンサーも登場、「ダンサーたちそれぞれの、奥深い部分まで見ていただけるはず。ぜひ注目してください」公演は2020年1月31日(金)、2月1日(土)、昭和女子大学人見記念講堂。チケットは発売中。取材・文:加藤智子
2019年11月22日11月15日(金)から12月25日(水)まで梅田スカイビル各所で開催されるクリスマスイベント「梅田スカイビルXmas 2019」。大阪のクリスマスの風物詩にもなっている1F広場の「ドイツ・クリスマスマーケット大阪 2019」や”空に浮かぶ庭園”をテーマにしたクリスマスイベント「空中庭園Xmas 2019」、昔懐かしい昭和のクリスマスの情景を体感できる「CHRISTMAS in 滝見小路」など、期間中はさまざまなクリスマスシーンが楽しめ、1F広場中央には高さ27mの「新梅田シティ・クリスマスツリー」が天高くそびえ令和最初のクリスマスを盛り上げる。空中庭園展望台チケット情報場所によって多様なテーマのクリスマスを楽しめるのが梅田スカイビルの特徴だが、中でも「空中庭園Xmas 2019」が開催される空中庭園展望台40F・屋内展望フロアでは梅田スカイビルの建築コンセプトとシンクロした「宇宙」を感じさせる未来的なクリスマスデコレーションが来館者を驚かせている。季節ごとに気鋭のアーティストとのコラボレーションで鮮やかな演出をする40F・屋内展望フロア。今年は新進気鋭の空間デザイン/デコレーターのHaruka Kanataによってファンタジックな空間に生まれ変わり、大阪の夜景と幻想的な演出の競演はこの時期でしか体感することができない。デコレーションのどこかには大阪の夜景を見つめる「幸せの白いフクロウ」もいるので、恋人とぜひ探してみては。また、「空中庭園Xmas 2019」では毎年恒例の“ホワイトツリーの森”も登場。空中庭園内のカフェ『cafe SKY 40』もしくはショップ『UMEDA SKYBLDG GALLERY SHOP』をご利用の方に手渡される星型オーナメントに願いを託し、真っ白なツリーに飾ろう。その他、『cafe SKY 40Xmas メニュー』としてカフェでは定番人気のXmas 限定ドリンクはもちろん、オリジナルスイーツも登場する。屋上展望台のスペシャルエリアにはドーム型のシースルーテント、約300 本のイルミネーションフラワーが設置され、煌めく夜景に浮かぶインフィニティフラワーガーデンが登場するなど、大阪のクリスマスの夜空を彩るイベントがたくさん。煌めく夜景とともに特別な夜を大切な人と過ごそう。「空中庭園Xmas 2019」【期間】11月15日(金)~12月25日(水)【時間】9:30~22:30(最終入場22:00)【時間】「cafe SKY 40」・「UMEDA SKYBLDG GALLERY SHOP」【時間】上記2店舗については10:00~22:00の営業【場所】空中庭園展望台39F・40F・屋上
2019年11月21日IRON MAIDEN(アイアン・メイデン)が、来年5月に約4年ぶりとなる来日公演を開催する。【チケット情報はこちら】IRON MAIDENは1975年にロンドンで結成。1980年代初頭に起こったニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル・ムーヴメント(NWOBHM)を牽引。1980年代後半から1990年代のメタル・ブームの立役者としてシーンに多大なる影響を与え、新世紀に入ってからもヘヴィ・メタル最大のアイコンとしてシーンに君臨。累計アルバム・セールスは9,000万枚を超え、最も成功したメタル・バンドと呼ばれている。今回の来日はスタート当初から過去最大級のステージ・セットとあらゆる演出を駆使したスペクタクルで話題を集めた「LEGACY OF THE BEAST TOUR」。公演公式サイトでは、ヴォーカリスト、ブルース・ディッキンソン、ベーシスト兼バンドの創始者、スティーヴ・ハリスのコメントが掲載されている。チケットの一般発売に先駆けて、神奈川公演のオフィシャル先行を実施中。受付は11月28日(木)午前11時まで。■IRON MAIDEN(アイアン・メイデン)“LEGACY OF THE BEAST TOUR in JAPAN”2020年5月19日(火)ぴあアリーナMM(神奈川県)2020年5月20日(水) ぴあアリーナMM(神奈川県)2020年5月22日(金)大阪 会場後日発表(大阪市内)
2019年11月20日東京二期会のオペレッタ《天国と地獄》(オッフェンバック)が11月21日(木)に幕を開ける。本番を翌週に控えた稽古場では、ピアノ伴奏による通し稽古が行なわれていた(11月12日・東京都内のリハーサル・スタジオで)。【チケット情報はこちら】これ、めちゃくちゃ面白い。誤解を恐れずにいうなら、同じオペレッタでも、《こうもり》や《メリー・ウィドウ》のような、こじゃれた喜劇ではない。体を張った全力勝負の吉本新喜劇の世界。出演者全員が迷いなく振り切った演技と歌で笑わせにかかるからたまらない。これをしかめっ面で見ることができるのはよほどの精神力の持ち主にちがいない。その証拠に、すでに細部までネタを知っているはずの制作スタッフや出番を待つ歌手たちを含めて、稽古場にいる全員が、つねに笑顔がデフォルトになっていた。日本語上演が効いていて、笑いの反応速度がちがう。そのうえ歌唱部分には日本語字幕も出るから、予習なしで聴いてもまったく問題なく理解できる。(でもじつは日本語の歌詞もとても聴きやすい。)セリフ部分には、ラグビーW杯の日本チームの活躍で流行語になった「ワン・チーム」など、直前まで台本に改訂を加えているからこその時事ネタも組み込まれている。かなり楽しい。公演はWキャストで、この日は初日・3日目のキャストによる通し稽古。ヒロインのユリディスに愛もも胡。神々を虜にする色気と高音の鮮やかな超絶技巧は魅力たっぷり。持ち前の甘いテノールに、今回ばかりは相当な暑苦しさも全開の又吉秀樹のオルフェ。あらわな下心のもと、輝かしいバリトンの美声が最高神としての威厳を示す大川博。そして超高いテンションの上原正敏のプルートが、このプロダクションの喜劇の性格を象徴していた。芸達者たちが多士済々。1858年にパリで初演された『天国と地獄』(地獄のオルフェ)は、グルックのオペラ『オルフェオとエウリディーチェ』(1762年)のパロディ。原作はギリシャ神話で、17世紀初めのオペラ誕生期から、何十人もの作曲家がオペラ化してきた人気の題材だ。オッフェンバックはこれを徹底的に茶化して喜劇に作り変え、命がけの美しい夫婦愛は、倦怠期の夫婦の化かしあいにすり替わった。地獄の王プルートと浮気して、全能の神ジュピターの誘惑にもなびく多情な妻ユリディス(エウリディーチェのフランス語よみ)。彼女を救いに行くオルフェも、世論に負けてしぶしぶ地獄へやってきただけなので、「いとしさのあまり彼女を振り向いて地獄へ逆戻り」という有名な結末も、彼にとっては願ったり叶ったりの大喜びでめでたしめでたしという具合。でも、実際の世の中は案外こんなものかもと思わせる風刺に満ちている。東京二期会の《天国と地獄》は11月21日(木)から24日(日)まで東京・日比谷の日生劇場で全4公演。指揮:大植英次。演出:鵜山仁。オーケストラは東京フィルハーモニー。理屈抜きにオペラを楽しむ絶好の機会。取材・文:宮本明
2019年11月20日全世界で1億冊以上が売れた大ベストセラー官能小説『50シェイズ・オブ・グレイ』をパロディにして作られたコメディミュージカル『50Shades!~クリスチャン・グレイの歪んだ性癖~』が11月15日より新宿FACEで開幕した。2016年に河原雅彦演出で日本初演された本作。今回は、さらに“過激”になり、3年ぶりの再演となった。【チケット情報はこちら】週に1度、「本を読む会」を開催している主婦3人組のパム(シルビア・グラブ)、ベブ(野口かおる)、キャロル(青木さやか)。マンネリ化した性生活を送る彼女たちは、刺激を求めて官能小説『50Shades of Grey』を読み始める。その小説で描かれているのは、若くて有能だがとんでもない性癖を持った青年実業家・グレイ(浜中文一)と、平凡に生きてきた純真無垢な女子大生・アナ(水崎綾女)の、どこまでも歪んだ愛のカタチ。アブノーマルな恋愛模様を繰り広げるふたりに、情熱的なアナの同級生・ホセ(福田転球)の存在も加わり、物語はどんどん熱く、激しく、ヒートアップして…。2014年にオフ・ブロードウェイで上演されるや否や、話題騒然となり、「大人の娯楽」を求めて男女問わず多くの観客が劇場に押し寄せた本作。海を越えることは不可能と思われた型破りな世界観の“エロティックコメディミュージカル”だったが、河原の演出により日本初演が実現。3年ぶりの再演は、初演よりも上演時間が20分も長くなり、東京・大阪・福岡と3都市で上演される。初演に引き続き主人公のグレイを演じる浜中は「皆さんに楽しんでいただけるのが1番いいなと思います。あとはやることをやるだけです」と意気込みを語る。舞台上では、ジャニーズのアイドルというイメージをいい意味で覆し、振り切った演技を見せた。「変態」だけれども、チャーミングさや弱さ、爽やかささえも感じる、浜中のグレイをぜひ目撃してほしい。演出を手がけた河原は再演にあたり、「エロくて楽しければいい。これで読売演劇大賞とれたらいいと思います。そんな世の中が来たらすごい。大人しくお勉強になる芝居もとても素敵だと思いますけども、こういう作品もあっていい。マイノリティーの叫びです。よろしくお願いします」と話していた。そのほか、水崎綾女、シルビア・グラブ、野口かおる、青木さやか、福田転球、レディビアード、カイル・カード、パイレーツオブマッチョビアンが出演。東京公演は11月24日(日)まで。大阪公演は11月29日(金)~12月1日(日)、Zepp Nambaにて。福岡公演は12月3日(火)、4日(水)、ももちパレスにて。チケット発売中。取材・文:五月女菜穂
2019年11月19日2020年の夏、子供たちを対象とした新たなクラシック音楽祭「こども音楽フェスティバル」が、サントリーホールを中心に行なわれる。次世代を担う未来の聴衆を育てるフェスティバル。11月12日、東京・赤坂のサントリーホール ブルーローズにて概要の発表会見が行なわれた。「こども音楽フェスティバル」は、関東の公立小中学校の夏休みが始まる時期にあたる7月17日(金)~21日(火)の5日間開催。サントリーホールの大小ふたつのホールを中心に、周辺施設にも輪を広げて、同時多発的に行なわれる数々のコンサートで構成される。主催者は、5日間で5万人の動員を目標に掲げており、子供のための音楽祭として「世界最大級」と意気込む。企画は、若年層向けのプロジェクトに長年にわたって取り組んできたソニー音楽財団とサントリー芸術財団が初めて手を携えて実現するもの。会見には、両財団のトップである、加藤優・ソニー音楽財団理事長と堤剛・サントリー音楽財団代表理事兼サントリーホール館長が揃って登壇した。「若い世代に感動体験を持ってもらえる機会を多く提供したい。子育てでコンサートから足が遠のいている親の世代も含めて、子供と家族をターゲットにした、世界的にも珍しいクラシック・フェスティバルになる」(加藤)「幼い頃から本物を聴くことは、創造性をふくらませ、豊かで幅広い人生を歩めると確信している。何かを池に投げて水の輪が広がるように、先べんとなるものを作って社会に貢献したい」(堤)ともにグローバル・カンパニーを母体とする両財団。名バリトン歌手から実業家に転身し、レコード会社CBSソニーの初代社長も務めた元ソニー会長の大賀典雄、サントリーホールを作ったサントリー2代目社長の佐治敬三という、日本のクラシック音楽文化発展にも大きく寄与した先人たちの夢と情熱を受け継ぐ。フェスティバルは、両財団がこれまでに実践してきた種々の企画を統合した盛りだくさんな内容になる模様。まだお母さんのお腹のなかにいる赤ちゃんから、0歳児・乳幼児はもちろん、高校生に至るまでの広い年齢層の「子供」をターゲットに、オーケストラやオルガン、参加型のオペラ企画、さらにはサントリー美術館とのコラボによる芸術体験プログラムなど、さまざまな企画が用意される。入場料は1,000~2,000円程度の安価に設定される予定だ。会見時点で参加アーティストとして発表されたのは、小林研一郎(指揮)、小山実稚恵(ピアノ)、堤剛(チェロ)、原田慶太楼(指揮)、宮田大(チェロ)の5人。そうそうたる顔ぶれだが、さらに世界中から一流アーティストが集って、子供たちに華やかでゴージャスな音楽体験を提供してくれるはず。出演者や演目などコンサートの詳細は、公式サイトで随時発表予定。対象となるお子さんのいるご家族はとくに、こまめにチェックしたい。取材・文:宮本明
2019年11月19日劇場ではなく、レストランを会場に、食事も楽しみながら観劇することができる体験型演劇「劇メシ」シリーズ。2016年の初演以来、7作を上演し、11月15日より神奈川県・川崎市THE CAMP CAFE&GRILLにて、11月25日(月)より東京都・恵比寿CAFE PARKにて、劇メシ-BetsuBara-『ハイイロキツネは二度遠吠う』を上演する。現在、神奈川公演が上演中の今作。チケットにはワンプレートの食事と、ワンドリンクが含まれており、会場につくとまず食事を楽しむことができる。カフェでは作品とコラボレーションしたドリンク、デザートメニューもあるのでぜひチェックしてほしい。本編は、役者陣がカフェに入ってくるところからスタート。会場はそのまま舞台でもカフェとなっており、にぎやかなオープニングが終わると、それぞれの場所で物語をはじめだす。カフェの店長・吉田(田中克宏)が、勤務中もケータイをいじっているバイト・野村(飯田來麗)を注意するが、その態度がつれないと、客席で「バイトの態度、お客さんどう思います?」と話しかけるアドリブも。そんな店長とバイトの会話の対向では、ハイテンションで怪しい商品を説明する女・安藤(幸野ゆりあ)、それに聞き入る若い女性・金本(金野美穂)。さらに、大遅刻をしたエキストラ俳優・和田(大西けんけん)、と映画制作で働くAD・矢野(高橋右京)と、カフェの中で徐々に全体の関係性が見えてくる群像劇ならではの演出が。さまざまなものを抱えているらしい登場人物ら、最後にカフェに入ってくるのは岸恒夜(太田裕二)、陽太(林勇輝)の兄弟。ふたりが探している「ある人」を捕まえるために、立てこもり事件状態に。さらに、このあたりで不審な事件があったと刑事・星野(海老澤健次)が入ってきたことで、さらに現場はかき乱され、誰かがしゃべる度に、客席のどこかで笑い声が聞こる、客席も含め作品を作り上げる、本作ならではの面白さといえるだろう。1時間弱の中で、それぞれの立場や思いが絡み合い、結末へ向かっていく。食事をしながら観劇することで、まさにその現場の「目撃者」となる体験を、ぜひ楽しんでほしい。公演は、11月15日(金)~23日(土)まで、神奈川県川崎市・THE CAMP CAFE & GRILLにて。また11月25日(月)~12月4日(水)は東京・渋谷 CAFE PARKにて、同作品を、別の演出家、キャストで上演する。チケットはいずれも6500円(食事1品、1ドリンク付)。チケットはぴあにて発売中。
2019年11月19日10~11月にかけて全国7都市でツアーを行なっている“崩壊シリーズ”第3弾『派』。東京公演を終えたばかりの作・演出オークラと、1作目からの出演者・大水洋介(ラバーガール)が来福。作品の魅力を語ってくれた。【チケット情報はこちら】架空の劇団「荻窪遊々演劇社」の劇団員が、公演の度に起こすミス。そのミスの連続で物語だけでなく、舞台セットまでもが激しく崩壊していくという奇想天外な演出スタイルで話題を呼んでいる崩壊シリーズ。作・演出を手掛けるのは、構成作家のオークラ。バナナマンや東京03などの傑作コントを手がけ、日テレの「遊戯(ゲーム)みたいにいかない」、テレ東の「ウレロ☆シリーズ」などコメディドラマの演出も手がけるシチュエーション・コメディー界の奇才だ。最新作『派』は、劇団に新メンバーが入ることで巻き起こる人間ドラマ。「タイトルは派閥などの“派”。新メンバー3人の加入で、それまでの劇団の芝居観や結束力が揺らぎ、潜在していた劇団員の悩みや、互いへの思いが浮き彫りになり、芝居と共に人間関係まで崩壊していきます。過去2作で劇団員のキャラが育ってきたからこそ描けるテーマで、ダイレクトに思いをぶつけ合うシーンが多いので、東京ですでに見た観客からは、『内容が大人っぽくなった』とか『熱かった』という感想が多いですね」とオークラ。一見、失敗ばかりしている“ポンコツ”な劇団員たちだが、実は“ひとつのミスも許されない”高度な演技に挑戦しているのが、大水洋介らをはじめとする役者たちだ。「僕が演じるのは古株の劇団員で、新しい脚本家が気に入らないけど、面と向かっては何も言えず、座長とコソコソ文句を言っているような人物です。演じる上で一番難しいのは、同じところで、同じ間違いを、毎回新鮮に見えるようにしなければならないところ。すべてのミスが緻密に計算されているので、みんな一生懸命“間違いなく間違えるよう”に練習をしています。 “崩壊シリーズ”は全員が協力し合って、1つの笑いを作るタイプのコメディなので、当然、結束力も高まり、まるで楽屋でも本当の劇団員のようです」。特に注目したいのは、座長役の山崎樹範(やまざきしげのり)のパワフルな熱演。あまりのセリフの多いハードな舞台のため、今回はわざわざ身体作り込んで参戦しているそう。とにかく「笑えること」にこだわり、役者がより自然に演技できるように日々脚本を手直ししているという進化型の“どコメディ”。その最終形を観ることができる。福岡公演は11月23日(土)、24日(日)にイムズホールにて。その他、石川、愛知でも上演。チケットは発売中。
2019年11月18日村上春樹の同名小説を原作にした舞台『ねじまき鳥クロニクル』が2020年2月に上演される。【チケット情報はこちら】演出・美術・振付はイスラエルで活躍し日本でもミュージカル『100万回生きたねこ』や百鬼オペラ『羅生門』を手掛けたインバル・ピント。脚本・演出はイスラエルを拠点にするアミール・クリガー。同じく脚本・演出を手掛けるのは「マームとジプシー」主宰の藤田貴大。音楽はNHK『あまちゃん』『いだてん』などでも活躍する大友良英。芝居、コンテンポラリーダンス、音楽が融合し、新たな世界を生み出す。今回、事前ワークショップに潜入し、インバルにも話を聞いた。この日の稽古場には、インバルとアミール、そして主演の成河と渡辺大知、大貫勇輔、松岡広大、ダンサーの川合ロン、鈴木美奈子、西山友貴が揃った。まずインバルから、これからやるシーンのざっくりとしたイメージが伝えられるとすぐに「このアイデアで遊んでみましょう」と始まったので驚いた。キャストは、初めは探るように、しかしアイコンタクトを交わしながら、徐々に動きを見つけていく。それがカタチになり始めると、インバルからアイデアが足されたり、キャストがアイデアを出したり、インバル自身が動いてみたり。そうしているうちに、もやもやとしたものが少しずつ何かに近づいているのが、ハッキリとわかる。「実験」「やってみよう」「遊び」という言葉が何度も出てくる中で、誰もが頭をフル回転させ、汗をかきながらも楽しそうだ。インバルはこのワークショップについて「やってみてワクワクしました」と笑顔。「既にアイデアがあるシーンも、実際にキャストに会うとさらに新しいアイデアが湧きました。ひとつのことから別のことに発展したり、そこで新たなクリエイションが生まれたりもしました。魔法のような瞬間がありましたね」と手応えを感じた様子。村上春樹の小説を舞台化することについては「この特別な原作の持つ力強さを、舞台の良さを活かして表現したいです。と同時に、小説から新しい“次元”を生み出したい。原作の言葉が印象的ですが、そこにダンスや歌が加わることで新たなものが生まれるのではないかと思っています」と構想を明かす。その中で大切にしたいのは「村上春樹のエッセンス」。そのエッセンスとは「自分の中にあることを感じるのに、掴もうとするとスルッと通り過ぎてしまうようなもの」だと語る。そういうカタチのないものをインバルならではの発想で表現される舞台になりそうだ。このワークショップを経て来年始まる稽古。果たしてどんな『ねじまき鳥クロニクル』になるのか楽しみに待ちたい。公演は2020年2月11日(火・祝)から3月1日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。取材・文:中川實穂
2019年11月18日渋谷・東急シアターオーブにて、12月14日(土)から25日(水)まで上演されるクリスマスショー『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド』。4年連続で応援サポーターを務める本田望結が、ゲストスケーターとして初日の12月14日(土)11:00公演と15:00公演に追加出演することが決定した。【チケット情報はこちら】すでに出演が発表されている12月23日(月)14:00、12月24日(火)14:00、12月25日(水)14:00公演と合わせ、過去最多の計5公演に出演する。また、スケーティングを披露する楽曲も発表。11月22日(金)公開のディズニー映画『アナと雪の女王2』からメイン楽曲「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」に決定。アメリカ人のシンガーたちの生歌に合わせて、ゲストスケーターとしてスケーティングを披露し、観客をクリスマスの世界に誘う。公演のチケットはぴあにて発売中。■ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド 2019>公演日時:2019年12月14日(土)~25日(水)全16回※本田望結は12/14の11:00公演と15:00公演、12/23、24、25の14:00公演のみ出演上演時間:約2時間予定(休憩20分含む)開場は各開演時間の30分前会場:東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11階)(東京都)
2019年11月18日ウクライナ出身の若き巨匠コンスタンチン・リフシッツが、首都圏8つのコンサートホールを巡り、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲を演奏する「ベートーヴェンへの旅」が2020年のゴールデンウィークに開催される。公演に先立ち、リフシッツが来日し、11月13日、都内で記者会見を行なった。【チケット情報はこちら】ベートーヴェンの生誕250周年を記念して、8館が共同制作するというこれまでにない形で開催されることになった今回の演奏会。リフシッツはベートーヴェンのピアノ・ソナタの魅力について「交響曲、室内楽に並ぶ、ソナタ集と呼ぶべきひとつのジャンルを構成していて、素晴らしい道、新たなる旅を作り上げ、それはワーグナー、スクリャービンといった作曲家に引き継がれています」と語る。リフシッツ自身、これまでスイス、香港、台湾でピアノ・ソナタ全32曲の演奏会を行なった経験はあるが、その際は1番から32番を順番に演奏しており、今回のように順番を独自に入れ替えての全曲演奏は初めて。この順序入れ替えについてリフシッツは「1番から順番に弾くということは、年代順に弾くということであり、面白くはありますが、例えば19番と20番はベートーヴェンが初期に作曲した作品であったり、必ずしも完璧な年代順ではありません。日本でやるにあたって、順番を変えるべきだと思った」と語る。ではどのように曲を振り分けたのか?「32曲の中には(『悲愴』『田園』など)名前の付けられた有名な作品があります。それらをメインとして配しつつ、8つのメイン曲の周囲に、それに見合う共通性を持ったソナタを散りばめていきました」と説明。「このような形でやるのは初めてであり、正直、怖くもあり、私自身も興味津々です。このやり方が吉と出ることを願っております。8つのうちのひとつの演奏会にしか来られなくとも、ベートーヴェンの音楽の宇宙を堪能していただけるプログラミングをしたつもりです」と意気込みを語った。来春には、2017年の香港大学でのコンサートより収録した10枚組の「ベートーヴェンピアノ・ソナタ全集」も発売されるが「最初に話が出たのは昨秋ですが“まず無理だろう”と思ってました」と振り返りつつ「1年以上の時間をかけて、話し合いを進めながらじっくりと作り上げていきました」と手応えを口にしていた。「ベートーヴェンへの旅」は4月25日(土)のよこすか芸術劇場を皮切りに、神奈川県立音楽堂、フィリアホール、狛江エコルマホール、武蔵野市民文化会館、東京文化会館、所沢ミューズ、ウェスタ川越で開催。全8公演のスタンプを集めると、もれなく「コンスタンチン・リフシッツ ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全集」BOX CDがプレゼントされる。取材・文:黒豆直樹
2019年11月18日観客もお芝居に参加する!?そんなユニークな英国発の一人芝居『エブリ・ブリリアント・シング~ありとあらゆるステキなこと~』の日本初演に、佐藤隆太が挑戦する。2020年1月の全国ツアーに向けて、先月までユタで公演をしていた同舞台を観た佐藤は「素晴らしかった!この作品の素敵さを伝えたい!」と興奮気味に語った。【チケット情報はこちら】「あっという間の約1時間でした。生身の人間の躍動感があって、舞台の醍醐味がすごく感じられる。味わったことのない演劇体験です。ただただ楽しくて、2回観たんですけどすぐにまたもう1回観たくなりました」客席には、子ども、年配夫婦、学生など、幅広い顔ぶれが並ぶ。「アメリカの空港で、たまたま出会った女性が「その作品観たよ。今度また行くよ」と言っていたんです。お芝居を観慣れない方でも楽しめると思います」と終始笑顔で振り返る。物語はひとりの人間の一生を語っていく。「内容は少し重たくもありますが、笑って肩の力が抜けもする。きゅーっと愛おしく、抱きしめたくなる作品です」大きな特徴は、“観客も参加できる”ことだ。「参加希望の人は番号をもらいます。ユタ公演では僕も受け取って、指示されたことは“「ハンモック!」と言う”だけ。それでも番号が呼ばれるまではちょっぴりドキドキするんですが、そのお陰でより物語にのめり込むことができました。もちろん、苦手な方は参加しなくてもいい。「自分が好きなスタンスで観ていただければ。どんな姿勢の人にも楽しんでもらえるように頑張ります」と待ち遠しいようだ。しかし、佐藤は出演が決まった当初、不安も抱えていた。「うまくお客さんを巻き込めなかったらどうしようという不安がありました。でも実際の上演を観て、こんなにも素晴らしい時間にすることができる緻密な脚本を信じてやればいいんだと思えたんです」。同行した翻訳・演出の谷賢一に「日本でも全然いけると思いますよ」とさらっと言われたことも、安心に繋がった。しかし、ユタ公演と同じものを創りはしない。「真似てもダメ。演じる俳優の“人間力”が出る舞台なので、僕らなりの『エブリ・ブリリアント・シング』を創ります。周りの皆さんや、お客さんに支えていただいて完成する作品なので、会場の皆さんとひとつになりたいです」。そのワクワクした表情からは、作品への期待が溢れていた。佐藤隆太というひとりの人間に会いに行きたくなる舞台だ。取材・文:河野桃子
2019年11月18日今年は初の全国ツアーを成功させ、来年1月にはドラマ『贋作男はつらいよ』(NHKBSプレミアム)で主役の寅さんも務めるという、脂の乗った落語家・桂雀々が独自の「スーパー落語」を引っ提げて地元・大阪で還暦公演を開く。そこで意気込みを聞いた。「桂雀々独演会 熱血の還暦公演」チケット情報51歳から本拠を東京に移して丸8年。当初は不安もあったと明かすが、ターニングポイントは2年前の落語家生活40周年公演だったと言う。シークレットゲストで登場したのは、なんとミュージシャンの桑田佳祐。落語を通した日々の付き合いからゲスト出演が実現した。他にもさまざまな畑違いの人達との交流が大きな財産になっている。一方、落語に関しては「江戸の噺とはネタもつかない(重ならない)し、キャラクターもかぶらない」と無二の存在感で活躍。今では稽古をつけて欲しいと東京の落語家から請われることも多く「上方の噺に興味のある人が多くなりましたね」と語る。今回の還暦公演で目玉となるのは、芝居さながらの照明や舞台装置に工夫を凝らす「スーパー落語」だ。「新歌舞伎座という大きな舞台で映えるものはないかな?」と昼の部に選んだ演目が『夢八』。いねむりで夢ばかりみている男が空き家の番を頼まれると…。「僕の中では“見せる”落語の代表作。表情、仕草、目線、棒を叩くところの描写と、この噺に出合えてから他の噺に応用できるようになったんです。間が持てるようになったというか、お客さんにうまく伝えられた初めての落語やと思いますね。落語作家の小佐田定雄さんの前振りの脚色が秀逸で、これでようやく落語の面白さが分かったんとちゃうかな」と話す。落語家としての転機と断言する一席。夜の部で披露される『景清』は、腕の良い目貫師・定次郎が目の病を患い…。情味のある噺で「誰かに薦められて、こんなネタは持ってないなと思い、(桂)米朝師匠のところにお稽古に行ったんですよ。師匠はマクラから教えてくださったんですが、中でも『ここは足取りが軽いはずや』とか定次郎の心情も言うてくれはって。そういう意味では“気持ち”の稽古でしたね」。さらに雀々の『景清』を聞いた師匠の桂枝雀からは、描写のアドバイスをもらったとか。まさに、米朝、枝雀というふたりの偉大なる先人の魂がこもった演目だ。桂雀々が自信を持って届ける還暦公演で、渾身の芸を堪能してほしい。公演は2月16日(日)大阪・新歌舞伎座にて。チケットは11月16日(土)一般発売。取材・文:松尾美矢子
2019年11月15日2020年1月9日(木)に神奈川・横浜みなとみらいホール大ホールにて開催される神奈川フィルハーモニー管弦楽団第14回フレッシュ・コンサート。同公演にブザンソン指揮者コンクール2019の覇者 沖澤のどかが出演する。【チケット情報はこちら】神奈川フィルハーモニー管弦楽団創立50周年となる2020年の門出を飾る華やかなニューイヤー・コンサート。若手指揮者の登竜門として世界的にも名高い「ブザンソン国際指揮者コンクール2019」で、今年9月に見事優勝を飾った沖澤のどかが指揮。昨年春の神奈川県民ホールとの協働「ヘンゼルとグレーテル」で神奈川フィルを指揮して、堅実かつ確実な音楽性にお客様ばかりか団員も魅了された。続いて受けた秋の東京国際音楽コンクールの指揮部門で女性としては初めて1位を獲得。丁寧な指揮と楽譜を読み込む緻密な音楽づくりが高く評価され、受賞にいたった。ブザンソン国際指揮者コンクールは、長い伝統と国際的なコンクール一つとして知られており、小澤征爾、沼尻竜典、下野竜也、女性では松尾葉子などが優勝している。そして、11月に神奈川文化賞未来賞を受賞し、既に目覚ましい活躍をしている箏奏者のLEO(今野玲央)は、宮城道雄の「春の海」を披露。作曲から90年目の寿ぎには欠かせない名曲ではあるが、オリジナルの尺八との二重奏ではなく、管弦楽編曲版での演奏機会はほとんどない佳曲なのでぜひこの機会に聴きたい1曲だ。2016年に第9回エンスヘーデ若い音楽家のための国際ピアノコンクールで優勝し、将来が期待される鎌倉出身のピアニスト和田華音は、ショパンのピアノ協奏曲第1番(抜粋)を。和田は、かながわ音楽コンクールでも第3位に入賞し、後半にはベテラン歌手【悦田比呂子(ソプラノ)小田切一恵(ソプラノ)武田直之(バリトン)】の歌声でオペレッタ・ガラとしてJ.シュトラウス2世の「こうもり」などを抜粋でお届けする。沖澤の指揮による「序曲」に続き、名曲の数々が並ぶ。若々しいフレッシュアーチストとニューイヤーのお祝い、そして神奈川フィル周年記念の年の開幕に相応しい華々しい内容となっている第14回フレッシュ・コンサート。2020年の幕開けにぜひ足を運んでみたいコンサートだ。チケットは発売中。文章:多賀
2019年11月15日西川大貴作・演出のミュージカル『(愛おしき) ボクの時代』の1stプレビュー公演が11月15日(金)から上演される。その公開ゲネプロに潜入した。【チケット情報はこちら】本作は、日本発のミュージカルをオフ・シアターから育てていくというプロジェクトで、2期に渡るプレビュー公演を経て、本公演が上演されるというもの。脚本・演出は俳優としても活躍する西川大貴、音楽は桑原あい、振付は加賀谷一肇という若き面々。スーパーバイジング・ディレクターとしてダレン・ヤップが参加している。出演者は風間由次郎ら17名。開幕に先がけ西川は「いよいよプレビュー開幕です。1stプレビューは3,500円でご観劇いただけます。今回のトライアウトは、より良い作品を完成させるための第一歩。まだ「完成形」ではありません」「客席の皆様と一緒に作品を作り上げていくこのプロジェクト。その誕生の瞬間をぜひ目撃してください!」、桑原は「いつかこのミュージカルが大きくなった時、この作品が生まれた瞬間を見たと、変わっていく様子を見たと、何よりオリジナルキャストで見たと、多くの方にドヤ顔で語っていただきたいです」、加賀谷は「完成されたものを観て終わることが当たり前の日本で、客席でこの作品を育てる責任を買った皆様には、実感して頂けたら嬉しいです。何かが生まれて大きく育っていこうとしている素敵な時間に立ち会えていることを。愛を持って観て頂けますように。大きな一歩でありますように」とコメントを寄せた。物語の舞台は令和元年、つまり“今”。主人公・戸越(風間)は無気力な毎日を送っている。そんな戸越はある日、仕事で伊豆に行くが、なぜか考えないサル、名のある武士、弱気なナマハゲと共に“天狗様”に会いに行くことになり――。設定はファンタジー、登場人物も個性的だが、よくよく見ると、それぞれがどこかで会ったことのある人ばかり。そんな彼らが仕事や恋愛、家族などに悩み、けれど友情や素直さを手に入れることで前を向き、一歩踏み出していくという姿を、現代を生きる西川の表現で描いている。開演前に西川も「将来フルバンドでやることを想定して、今はピアノ1台でやっています」と話した通り、楽器はピアノのみ。衣裳も統一され、舞台セットもシンプルだ。その最低限ともいえるなかで、キャスト達の美しい歌やダンス、芝居が一気に世界を広げるというまさに舞台の醍醐味を味わえる作品。たくさんの意欲とエネルギーが詰まったプレビューと本公演、どちらも目撃してほしい。1stプレビュー公演は11月18日(月)まで、2ndプレビュー公演は11月23日(土・祝)から26日(火)まで、本公演は11月30日(土)から12月15日(日)まで、すべて東京・DDD 青山クロスシアターにて上演。取材・文:中川實穗
2019年11月15日2019年1月に初演を迎えた劇団四季の新作ミュージカル『パリのアメリカ人』が、来年2月22日(土)より京都劇場で上演される。米国ミュージカル界の巨匠ジョージ&アイラ・ガーシュウィンの流麗で洒落た音楽に乗って、クラシックバレエを中心に、ジャズやタップ、コンテンポラリーダンスなどが展開する力作だ。関西初となる公演に向け、出演候補の石橋杏実と岡村美南に話を聞いた。劇団四季「パリのアメリカ人」チケット情報1951年に公開されたジーン・ケリー主演の同名映画に着想を得て舞台化された本作は、2014年パリで初演の後、翌年ブロードウェイに進出。トニー賞振付賞、装置デザイン賞など4部門を獲得し、話題となった。第二次世界大戦直後のパリを舞台に、画家を志す米国の退役軍人ジェリーと、バレリーナを夢見るリズとの恋物語。映画版と異なるのは、ジェリーのパトロンの大富豪マイロや、作曲家志望のアダムら脇を固めるキャラクターにもより光をあてていることだ。ジェリーらが戦後の闇から希望を見出す様をピアノや自転車を使い、躍動的にリズムを刻む『アイ・ガット・リズム』、マイロが情熱的にジェリーをダンスに誘う『シャル・ウィ・ダンス』など、どのシーンも見ごたえがある。3歳からバレエを始め、2015年に劇団四季に入団、本作で初めてヒロインのひとりに抜擢された石橋は「こんなにバレエが盛り込まれた作品に出演できるのは光栄です。ダンス、衣裳、セットが華やかなのはもちろんですが、一番濃厚なのは物語。戦争を経験した若者たちがどうやってそれを乗り越え、生きる糧を見つけていくかが作品の魅力です」と話す。一方、ガーシュウィンの人気作『クレイジー・フォー・ユー』にも出演経験のある岡村は、マイロ役のひとり。「世代を超えて愛される彼らの音楽が堪能できます。また、バレエ界で有名なクリストファー・ウィールドンさんの、ダンスから言葉が聞こえてくるような振付が素晴らしい。舞台転換もダンスのひとつで、道具も踊るように見えます」と言う。ハイライトは14分間をダンスのみで綴る『パリのアメリカ人』だ。石橋は「リズの心情を大切に踊っています。人生や恋愛に不安を抱えていた少女が、ダンスを通して自由になり、バレリーナの大人の女性へと成長する。そこを見せられるように、動作ひとつひとつを鏡で研究しました」と力を込める。岡村も「そのシーンで私の出演はないのですが、舞台の袖で一緒に踊っています(笑)。ジェリーやアダムら登場人物のいろんな物語がこの場面で融合する。ストーリー重視の“踊りじゃない踊り”が楽しめます」と絶賛する。ジェリーの描くスケッチが舞台上に現れたかのようにプロジェクションマッピングで投影され、俳優を含め舞台全体が抽象画家・モンドリアンの絵のようになるシーンにはため息がもれる。「繊細さにこだわり、アンサンブルのひとりひとりも輝いているのが四季ならでは」と石橋。ぜひ、劇場で体感してほしい。公演は2020年2月22日(土)から5月17日(日)、京都劇場にて。チケットは11月17日(日)一般発売。取材・文:米満ゆうこ
2019年11月15日最高にハッピーなミュージカル『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』が11月15日(金)~12月8日(日)に東急シアターオーブにて上演。とある殺人事件を目撃し、ギャングから身を隠すためにカトリック修道院に行くことになった破天荒な黒人クラブ歌手が、修道女たちを巻き込んで大騒ぎとなる。日本では再々演となり、初演から出演する森公美子とともに朝夏まなとがWキャストで主演する。【チケット情報はこちら】この日は森のステージ。幕が開いた瞬間、デロリスの華やかで力強い声が劇場内に響き渡る。表情、全身、そして高低自在な森の歌声に、リズムに乗って思わず身体を揺らしてしまう。鮮やかな衣装やきらめく照明によるショーに、客席からは手拍子が湧き、歓声も飛ぶ。酒もタバコも暴食も大好きなデロリス。しかし修道院長(鳳蘭)は真面目で厳格で、ちっとも相容れない。しかしその対立すらも楽しいのは、華やかな楽曲と、生き生きとした人物像、鳳のチャーミングさにもよる。修道女たちもまた魅力的だ。全員同じ修道服だが、個性や見せ場がある。なかでも見習いシスター・メアリー・ロバート(屋比久知奈)が変化していく様子が鮮やかに描かれ、まっすぐな歌に胸打たれる。デロリスと、質実でオンチな修道女たちが、一緒に歌うことでのびのびと変化していくようすが1曲のなかでダイナミックに表現される。それはオーケストラの生演奏に引き込まれるように客席で前のめりになってしまうほど力強い。ギャング達も憎めない。ボスのカーティス(今拓哉)は冷酷だが、キザで色気がある。部下たち(泉見洋平、KENTARO、林翔太)もドジだが明るく愛されキャラだ。ほか、デロリスを守る頼りない幼馴染の警官エディ(石井一孝)もまた、全編通して成長していく。下町のレンガの壁や、教会のステンドグラスにも踊っているような人影があり、作品すべてが「歌って踊ろうぜ!」と誘いかける。カーテンコールでは客席も一体になって、歌って踊り、鳴り止まない拍手で劇場は熱気に包まれた。森は「再々演なのにも関わらず思い出せないところもあって(笑)」と言うが、そうは感じさせないパワフルなデロリスで客席を魅了した。一方、朝夏は「不安でいっぱいでした。でも、森さんがタイミングとか全て教えてくださって、そこから『よし、がんばろう』という気持ちになれました」と笑顔で振り返ると、森は「完璧ですよ!」と太鼓判を押した。上演は約3時間。取材・文:河野桃子
2019年11月15日食事を楽しみながら360度で芝居を体感する「劇メシ-BetsuBara-」シリーズの最新作『ハイイロキツネは二度遠吠う』が間もなく開幕する。11月15日(金)から上演される神奈川公演の出演者・太田裕二と林勇輝、演出の佐々木仁、11月25日(月)から上演される東京公演の出演者・稲垣成弥に話を聞いた。【チケット情報はこちら】2016年7月よりスタートし、これまでオリジナル作品を7作上演している本シリーズ。劇場ではなく“レストラン”で、食事やお酒を楽しみながら観劇する体験型演劇で、会場全体を使って芝居を行うため観客はその世界に入り込んだような感覚が味わえる。今作では、鐸木のすりによる脚本を、神奈川公演では佐々木仁が、東京公演では横大路伸が演出し、出演者もそれぞれ異なる2パターンで上演する。取材時は、神奈川公演の稽古が始まって1週間という頃。太田は「今日、会場となるレストランの下見に行ってきたのですが、予想以上にお客様がそばにいらっしゃる中で芝居するのだとわかりました。息遣いまで届く距離なので、そういうリアルさも表現できたらいいなと思いました」、林は「劇場ではなくレストランで芝居をするには、360度に向けて演じなければならなくて。その点を意識して演じることは稽古が始まってわかった難しさでした。今はそこをがんばっています」と本作ならではの芝居に取り組んでいる様子。演出の佐々木は本シリーズに携わるのは3作目。今作は「作品をストレートに届けつつ、この特殊な状況も楽しめるようにつくりたいと思っています。例えば前回は、お客様の席にランダムにスマホを仕掛けて劇中で電話に出てもらうようなシーンを作りました。そういう、こちらからお客様に絡んでいくような芝居を楽しんでいただきたいです」と構想を明かす。満席の店内に突然入ってきた兄弟の「今からみなさんには人質になってもらいます」という宣言から始まるストーリー。太田と林はその兄弟を演じ、稲垣は兄を演じる。稲垣はまだ稽古開始前だが「いろんな要素が入った脚本で、読んでみてアトラクションみたいだと思いました。東京公演はどんな作品になるんだろうとワクワクしています」と語る。同じ脚本を東京と神奈川、違うメンバーで上演することは「全く別の作品になるはず。それぞれの個性が出やすいと思うので、ぜひ2会場で楽しんでもらいたいですね」「レストランですし、舞台に慣れてない方にもぜひ来てほしい」(佐々木)という本作。神奈川公演は11月15日(金)から23日(土)までTHE CAMP CAFE&GRILLにて、東京公演は11月25日(月)から12月4日(水)までCAFE PARKにて上演。チケットはチケットぴあにて発売中。取材・文:中川實穗
2019年11月15日「鼓童×ロベール・ルパージュ」製作記者発表会太鼓芸能集団・鼓童が パフォーマンスを行い、ロベール・ルパージュが演出を手掛けるNEW BEAT VISION PROJECT「鼓童×ロベール・ルパージュ<NOVA>」の世界初演・全国巡演が2020年5月にスタートする。その製作発表会見が行われた。【チケット情報はこちら】本プロジェクトは、1981年にベルリン芸術祭でデビューし50か国6500回以上の公演を行う太鼓芸能集団・鼓童と、シルク・ドゥ・ソレイユ「トーテム」などを手掛け“映像の魔術師”と呼ばれるロベール・ルパージュがコラボレーションし、日本文化と最先端ビジュアルテクノロジーが融合する、これまでにない“視聴体感芸術”を生み出すというもの。会見では、まず鼓童の母体である北前船の代表・青木孝夫が本作について「鼓童の音、映像、お客様の想像力、その三位一体でつくりあげる、今までに観たことのない、感じたことのないような視聴体感芸術をお届けできると確信しています」と挨拶。演出のロベール・ルパージュと、音楽を担当する住吉佑太(鼓童)によるクロストークでは、住吉が「本作に限らず、私たち鼓童が舞台で表現したいものは“人の本能に訴えかける何か”です。今回はそこにロベールさんによるテクノロジーを使った演出を掛け合わせ、作品をつくっています。そのふたつは真逆の存在のようですが、テクノロジーが入ることで逆に生身の人間が浮き彫りになっていく、より強くお客様に伝わっていくものを作りたいと思っています」、ロベールは「かねてから私は鼓童の作品づくりに感心していました。厳しさと規律の中に身を置きながら鍛錬されている。鼓童のステージは、音だけでなく動きや身体、そしてそこから発するエネルギーまでもが表現されています。今回は“音”と“イメージ”のインタラクティブな作品ですが、それだけでなく、その“動き”も取り入れています」と語った。その後、「音を見る(サイマティクス)」をテーマにしたライブパフォーマンスを初お披露目。住吉が「サイマティクスという事象をただ再現するのではなく、自然の中から生まれる音、文明の中から聞こえてくる音、自分たちの鼓動の音、魂の音、そういったものがすべて可視化できるかどうかが鍵になってくるのではないかと思っています」と語った通り、映像と音をただ掛け合わせるのとは違う、鼓童の太鼓、そしてその奥にある本質的な魅力が、テクノロジーによって可視化されるような、これまでにない表現が印象的。“音を見る”面白さを体験できるパフォーマンスとなっていた。鼓童×ロベール・ルパージュ<NOVA>は2020年5月23日(土)から31日(日)まで東京・東京建物 Brillia HALLにて上演。12月15日(日)の一般発売に先駆け、12月2日(月)11:00まで先行抽選申込受付中。取材・文・撮影:中川實穗
2019年11月14日演歌歌手の三山ひろしが明治座初座長を務める『三山ひろし特別公演』が来年1月7日(火)から明治座で開幕する。公演は2部構成で、1部では立川志の春による新作落語を舞台化した『阪田三吉物語』を上演し、2部では玉野和紀が構成・演出・振付を手がける『三山ひろしオンステージ First Dream 2020』が披露される。公演の見どころや意気込みを、三山ひろしと立川志の春に聞いた。【チケット情報はこちら】2020年の初舞台。三山は「明治座では初めての座長公演で、しかも新春特別公演ということなので、責任をすごく感じております。明治座の方からも“新春特別公演は1年を占う公演となります”と言われておりまして、大変なプレッシャーと緊張感で年始を迎えることになりそうです」と決意を見せる。1部では、将棋に人生をかけた伝説の棋士・阪田三吉を演じる三山。自らが歌い手を目指して高知県から上京した状況と重なる部分があるストーリーだといい、「阪田三吉さんはお亡くなりになっても、今もなお世の中に影響を与えている人。自分自身もそういう男にならなくてはいけないと思うので、阪田さんの姿を演じさせてもらうことはありがたい。一生懸命やりたいと思います」と意気込んでいた。「演劇の世界も勉強したい。それができるようになると、自分の歌の世界もすごく豊かになると思う。いろいろなことを吸収できるようにしたい」と貪欲さも見せた。一方、1部で進行を担当する志の春は「私はいつもひとりで落語をやっていて、舞台に出演することが初めて。三山さんはじめ、チームプレーで何かを作り上げることが楽しみですね」。物語の魅力については「将棋の世界も演歌の世界も、昭和の人情味があるところが似ている。だんだんと人の関係性が薄れてきている現代ですが、この物語にはすごく濃くて普遍的なものが詰まっていると思う」と話し、「この物語は、2020年の世の中でも、観客それぞれに刺さるメッセージがあると思うので、その作品の一員になれることは光栄です」と締めくくった。2部は、三山のヒット曲はもちろん、元宝塚歌劇団トップ娘役の美咲凛音をゲストに迎えて、『雨に唄えば』などの映画音楽や『神田川』など昭和歌謡をミュージカル仕立てのステージになるという。三山も「今までにはなかったような、新しいステージになりそう」と期待を寄せていた。最後に、三山は「1部も2部もみなさまの記憶に残り、いつまでも語り継いでいただけるような作品にしなければいけないなと思っています。ぜひご来場ください」と話していた。公演は1月23日(木)まで明治座にて。出演者は、田中稔彦、清水佐紀、丹羽貞仁、小野寺丈、ほんこん/間寛平(Wキャスト)ほか。11月17日(日)の一般発売に先駆け、11月16日(土)23:59までチケットぴあにて先着先行受付中。取材・文・撮影:五月女菜穂
2019年11月14日戦前から戦中、そして戦後と激動の時代を駆け抜けたブギの女王、笠置シヅ子の半生を生演奏の歌と芝居で描いていく『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE ~ハイヒールとつけまつげ~』。「SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE ~ハイヒールとつけまつげ~」チケット情報マキノノゾミ脚本、白井晃・豊田めぐみ共同演出で、主演の笠置シヅ子を演じるのは、演歌のみならず、アメリカの『SXSW』や国内のロックフェスにも出演する神野美伽。芝居は山内圭哉や星田英利、福本雄樹、鈴木杏樹と実力派が脇を固め、バンドは小原孝(ピアノ)が音楽監督を担い、ASA-CHANG(ドラム)、Satoshi Gogo(ギター)、MUSIC UNLIMITED ORCHESTRA(ホーンセクション)と、これ以上ない布陣だ。全19曲、全曲服部作品を生演奏、しかもほぼフルコーラスで歌唱。そこに芝居も加わり…と、底知れない厚みと深さが期待される本作。時代を追った笠置の歌からは歌謡曲の変遷も辿れるという一面も併せ持つ。「神野美伽と言えば演歌歌手」という印象も強いと思われるが、ジャズやロックなど、ここ数年、さまざまなジャンルの表現に挑んできた。「このお話をいただいたとき、4、5年でやってきたことがとても役に立ったと思います。“どれが神野さんですか?”と問われたら、“全部自分です”と答えられます。芝居の中で歌うという音楽劇は初めてですが、楽しみです」。コンサートさながらの構成で、14歳から67歳までの笠置シヅ子を変幻自在の声色で演じる。「なかには音源が何ひとつ残されていない楽曲もありました。服部良一先生が笠置さんのために書かれたある意味での反戦歌で、笠置さんが歌っていたらしいと云われていたのですが。それをある日、本公演スタッフが譜面を見つけてきたんです。鉛筆書きで、譜面も茶色くなっていて…。その楽曲も本作の大きな軸になっています」。今、なぜ笠置シヅ子なのか。「笠置シヅ子さんという歌手と、服部良一さんという音楽家を通して今の時代に伝えたいメッセージがたくさんあります。それは、こういう歴史があったんだということ。自分の中から沸いてくるエネルギーをがむしゃらに表現すること。そういうものが今の時代には欠けていると感じて」と神野。だからこそ、「この作品によってエネルギーをチャージして、明日からの活力にしてもらいたい」との思いを込める。サブタイトルの「ハイヒールとつけまつげ」は笠置を象徴するアイテム。昨年末に両足の手術をした神野は、この作品に照準を合わせてリハビリに励み、クラシックバレエも始めた。「真っ直ぐきれいに歩く練習もしていますが、自分の引き出しがひとつ、増えた気がします。きちんとしたことを教わった上でステージを動くことで、今後、自分のコンサートも変わっていくだろうと思います」。『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE ~ハイヒールとつけまつげ~』は11月23日(土・祝)から12月1日(日)まで、COOL JAPAN PARK OSAKATTホールで上演。チケット発売中。取材・文:岩本
2019年11月14日