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第33回「多様性上等」のグローバル化(c)つめをぬるひと今回は「よくひとりで海外旅行に行くのですが、意外と海外ってひとりでいることに同情的なんですよね。それに比べ、日本は『おひとりさま文化』が発展している国だなあとつくづく思います。」という投稿について。治安の問題もあるのかもしれないが、文化・慣習的に絞って見ても、確かにそういう側面はあるかもしれない。私は昨年、台湾へ行った。雑貨市に参加するのが目的だったので、観光はあまりしていない。海外に行くのが10年ぶりというのもあり、日本では1人ラーメンや1人カラオケをこなしている私でも、海外となるとさすがに怯んだ。1人で行動なんてしたら私は生きて帰れるんだろうか、と不安しかなかった。実際は、現地の人がとても親切だったし、一緒に参加した作家さん達もいたので、何一つ不安に思うことはなかったが、それは結局1人にならなかったから心強かった、というのも大きかっただろう。海外に1人で行くことはハードルが高いことだと思っていたが、ここで私はある人とした話を思い出した。その人は「海外にはよく1人でも行くけど、ライブは1人で行けない」と言っていた。もう何年か前の話なので、今は違うかもしれないが、1人ライブは行くけど1人海外は行ったことがない私とその人とでは、1人でなにかをすることに対するハードルの高さが人によって違うことを知ったのだ。日本でおひとりさま文化が発展しているのは、「多様性上等」な文化が発展しているからだと思う。そもそも日本は、お正月やお盆を始めとする文化や慣習・伝統を重んじながらも、クリスマスやハロウィンは渋谷にDJポリスをブッキングさせるほど盛り上がり、経済的にも日本の行事以上に高い効果を見せている。それを“自然なこと”として受け入れ、どちらも楽しもうとする意識は昔から浸透している。そこへさらに「いろんな人がいて当然」という多様性を受け入れる意識が広まると、それはおひとりさまにとって居心地の良い環境になるだろうし、今度もっとそうなることを期待したい。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<深夜に書く文章も、回り回って悪くない>もチェック!深夜に文章を書くことは、あながち悪くないかも。テーマは「文を書くことの本懐」です。【つめをぬるひと個展「サードパーティー」】渋谷ANDERCURRENT東京都渋谷区桜丘町9-17-303(渋谷駅徒歩6分)2/10(土) 12:00-18:002/11(日)11:00-17:00つめをぬるひと初の個展です。つけ爪の展示販売や、初めて一緒に制作させて頂く方とのコラボ作品、連載記事の原画イラスト展示販売などを予定。
2018年02月05日2018年も始まって1ヶ月が過ぎました。東京では降雪もあって慣れない街の風景がますます「冬」という季節を実感させるこの頃です。皆さまはいかがお過ごしでしょうか?私事ですが、2017年は343軒の純喫茶へ足を運びました。2018年も1月末現在で24軒とほぼ毎日のように巡って楽しんでいます。人々が足繁く通う、「騎士道」の魅力さて、今回はかねてから訪れたかった純喫茶を紹介します。場所は、新宿駅と四谷駅のちょうど真ん中くらいにある「騎士道」。四谷の名店「ロン」のマスターから常々話は伺っていたので、気に掛けていたものの、営業時間と所在地の関係でなかなか行く機会が作れずにいたのです。ある日のこと。午前中の用事を済ませ、午後は夕方まで予定がなくぽっかりと時間があいたのを良いことに、5軒の純喫茶を巡ってきました。新宿/らんぶる → 新宿御苑前/騎士道 → 四谷三丁目/フルーツパーラー フクナガ → 新中野/エイト → 荻窪/珈里亜。騎士道以外の4店舗はすでに何度も訪れていますが、改めて素晴らしさを実感した一日となりました。「騎士道」は大きな通りに面していて、扉には鎧をつけた男性のイラストが。中へ入ると手前の席は光が燦々と差し込んで明るく、奥の席は壁面に貼られた古城の写真が妖艶な雰囲気を醸し出し、どちらも座ってみたくなります。しゃきっとした接客で出迎えて下さった美しいマダムに注文したのは、ミートソーススパゲティと珈琲。メニュー表には目移りするほど豊富なメニューが並んでいました。昼時だったこともあり、近隣で働く人たちが途切れることなく訪れ、あっという間に満席に。厨房の奥にちらりと姿が見えたマスターはひっきりなしに鍋を振り、盛付けをするなどとても忙しそうです。しかし、待たされることはほとんどなく、まもなくして運ばれてきたミートソースの上には細かく刻まれたキュウリが。今までに色々な店でミートソースを食べてきましたが、この斬新なトッピングに驚くと同時に、型にはまらない個性あふれるメニューに嬉しくなってしまいました。どれだけ純喫茶に通ってもいまだに飽きが来ないのは、想像と違うものに出会える楽しみが多々あるからかもしれません。よく煮込まれたソースには、茄子とマッシュルームがたくさん入っていて美味でした。気になった店の扉はすぐに、たくさん開けよう今は開放されていないと思われる、2階席へ繋がる階段や壁の模様、アーチを描くカウンター席の上にある照明。こんな素晴らしい店をこの日まで訪れていなかったことを後悔すると同時に、知る事の出来た喜びを噛み締めるのでした。純喫茶にまつわる今年の目標は「今まで以上に、気になった店の扉はなるべくすぐに、たくさん開ける」と決めました。日常の中で当たり前のように存在していた風景が、ある日突然消えてしまうことも少なくないことを今まで目の当たりにしてきました。再開発がますます活発になってそんな機会が増えてしまうかもしれません。後悔しないためにも気になった店の扉は、すぐにでも開けてみませんか?Text/難波里奈前回記事<純喫茶巡りを楽しめる街・高円寺にある、「ごん」の9種類のオムライス>もチェック!ボリュームたっぷりのオムライスが名物。レトロな店内が魅力的なおいしい純喫茶です。
2018年02月02日(c)Amos Bar-Zeevおひとり旅に限りませんが、旅を楽しむためのコツがあるので、少しまとめてみますね。旅の最中はどうしても移動が多くなります。マイカー旅行ならいいけれど、電車やバス、特にLCCは持ち込める荷物に制限があるので、省エネならぬ“省荷物運動”は必須です。1.着るものを少なくなにしろ服が一番かさばるので、これを省エネする方法が大切!途中で洗濯すること前提で、3~4日以上なら日数分の衣類は持って行きません。ホテルは乾燥していることが多いので、夕方手洗いしてタオルで水を吸い取って干しておくと、朝には乾いてるなんてことはままあります。湿度対策にもよいのでホテルでのお洗濯は一石二鳥。それから、海外では現地でのお買い物も楽しいので、やっぱり衣類は少なめにします。現地で民族衣装を買うこともあるし、その国で流行っているスタイルのものを買うことも。現地に馴染む格好をすると目立ちにくくなることもメリットです。2.ジャージ素材のドレス自分に似合うデザインのものを見つけたら、同じものの柄違いを何着か買っちゃいましょう。シワにならないし、そこそこドレッシーだし、かさばらないしで、旅にもってこいの服なんです。和久井は「FIFILLES」というフランスのブランドがお気に入りです。というわけで、以前は旅というとジーンズとかパンツスタイルが多かったんですが、最近はエレガントなスタイルも楽しめるようになりました。海外なら、カジノとかちょっとしたパーティにも行けるので、重宝します。もはやジャージドレスは旅の必需品です。3.大判ストールは万能衣料旅行には必ずストールを持って行きます。寒ければ体に撒いて防寒具に、外歩きをするときは頭からかぶってUV対策に。今回は冬の日本から真夏のオーストラリアへの旅行だったのですが、日本ではマフラーとして、こちらではストールとして使えるシルクのものを持ってきました。旅先ではとにかく汎用性の高い衣服が便利です。例えばセーターよりもトレーナーだし、かぶり物よりカーディガンです。4.小さなハンガー(洗濯ばさみ付き)洗濯したはいいものの、意外と困るのが干す場所です。長い旅行にはハンガーを持って行きます。100円ショップに洗濯ばさみが6~8コついている小さなハンガーが売ってます。これが本当に重宝するのですよね、吊すのと吊さないのでは乾き具合もぜんぜん違うし。3日程度の短い旅行でも、洗濯ばさみをいくつか持参します。5.手ぬぐい安宿にはタオルの提供がないところもあります。でもバスタオルを持って行くとかなりかさばるので、和久井は何はともあれ手ぬぐいを持って行きます。タオルよりもかさばらないし、なにより速乾性なので使い回しが利くんですよね。お風呂に入ってびしょびしょになっても、ハンガーに掛けておくだけで朝にはカラッカラです。真冬のお風呂には向かないけど(私はそれでも済ましちゃいますが)、ハンカチより大きいし、とにかく使い勝手がいいんです。首に巻けば防寒・UV対策にもなるし!以上が、和久井が旅に持っていくものです。胃薬とビオフェルミン以外は現地で!行きのカバンは、半分くらい空きがある状態にしておきます。もしくは向こうで捨ててもいい下着や古くなったシャツを持って行って、捨てて帰ってきちゃいます。旅には紙パンツを持って行くという強者もいましたよ(が、まだ和久井にその勇気はない)。とにかく持ち物を減らすことに命をかけていた時期があって、なんならコスメも持って行かないことがあったけど、さすがにそれは不便だったので最低限のものは持っていくようになりました。海外旅行には胃薬とビオフェルミンがあれば、あとは現地で調達。海外旅行にポケットティッシュは必需品と言われているけど、和久井はそれほど気にしません。ホテルでトイレットペーパーを畳んでいくつか持っていれば事足りるので、ポケットティッシュは、あれば持って行く程度です。どうせ本格的にトイレに行こうと思ったらポケットティッシュじゃ足りないし。荷物をコンパクトにすると移動が楽だし、現地に忘れ物もしにくくなります。そのコンパクト加減が旅の楽しさを倍増させてくれるんですね。というわけでみなさん、よいおひとり旅を!Text/和久井香菜子<おひとりさまが海外ホームステイで泊まるべき2つの条件>もチェック!おひとりさまの海外旅行にはホームステイがおすすめ。はずれないステイ先選びのコツとは?
2018年01月31日材料は6つ!混ぜて焼くだけの簡単ケーキ早いもので、明日から2月ですね。2月のイベントといえば、確定申告と、…バレンタイン。バレンタインに贈るチョコ、今年はどうしようかな〜と考え始める頃ではないでしょうか。本命でも義理でも、はたまた自分のためでもいいのですが、とっても簡単なフォンダンショコラづくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。材料は6つだけで、順に混ぜて焼くだけ、というとても簡単なレシピです。焼き時間含め20分で作れますよ!あつあつのチョコレートケーキ、切り分けると中からトロリと流れ出す濃厚なチョコレート。寒い季節のデザートとして100点満点ですね。焼きすぎると、中がとろりとせずに普通のチョコレートケーキになってしまうので、ご注意くださいね。とろ〜り濃厚なフォンダンショコラ<材料>6cmのプリン型やココット4個分ビターチョコ 120g無塩バター 100g卵 2個砂糖 35g純ココアパウダー 25g薄力粉65g1. 耐熱ボウルにチョコレートとバターを入れ、ラップをせずに600Wの電子レンジで30秒ずつ都度取り出して混ぜながら、3回に分けてじっくりと綺麗に溶かし合わせる。2. オーブンを180度に予熱し始める。1に溶き卵、砂糖を加えて泡立て器で良く混ぜ合わせる。3. 薄力粉とココアパウダーもあわせてふるいにかけ、2に加えて粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせる。4. 型に流し入れて、180度のオーブンで10分間焼いてできあがり。中がとろりとするコツは、火を入れすぎないこと。温度と時間、両方大切です。焼き上げたあと、しばらく経って召し上がる際には、600Wの電子レンジで10秒加熱すれば中のトロ〜リが復活しますので、ぜひお試しあれ!Text/太田みお働くおひとりさまにとっての毎日はめまぐるしくて、ゆっくり季節を感じる時間さえ取れないですよね。 「休日のたった1時間でいいからほっとしたい…」元外資系バリキャリから一転、丁寧な生活を目指して料理研究家になった太田みおさんが、四季の彩りを簡単に楽しむ「レシピ=歳時記」をお届けします。
2018年01月31日「余り者同士で付き合っちゃいなよ」に巻き込まれてby Pixabay「恋人がいない」と言えば、「なぜ?」と尋ねられ、そして「気になる人がいない」と言っても、「どうして?」という質問が返ってくる。同年代のまだ結婚していない人達を外側から見ていると、恋人がいることは普通で、恋愛をしていることは当たり前。その普通と当たり前からなんとかはみ出さないように、私はいつも「出会いがなくて困っているんですよね。誰か、いい人がいたら紹介してください」という一言で乗り切り、恋愛はする気満々なんだけれど、あいにくいい人がいない、というスタンスを取って乗り切っている。いや、恋愛する気がないと言えば嘘になるんだけれど、今の私からは遠ざかり過ぎてしまっている。「空を飛びたいな」とか「アラブの石油王に突然100万円くらいプレゼントされないかな」とか「朝起きたら、キッチンで竹内涼真がエッグベネディクトを作ってくれていて、あれ? 私たちいつの間にか付き合ったりしてる……? ってなったりしないかな」とか、有りもしない妄想の少し手前くらいに「恋愛」という果てしなく高い壁があって、超える努力もしなければ、突き破っていく技術も持ち合わせていなくて、膝を抱えながらじーっと見つめている感じ。そんな風に毎日を過ごしていると、「余り者同士で、ちょうどいいから付き合っちゃいなよ!」という、周りの人間から見たらかなり盛り上がるけれど、当事者同士は大迷惑を被る事態に巻き込まれたりする。それがつい最近のことで、3か月ほど前に働きはじめた会社での出来事だった。私はもうこういう展開にすっかり慣れていて、迷惑もクソもなく、ただへらへらしながらやり過ごしている。その私とくっつけられようとしている余り者の男性は私の先輩で、仕事でも多少の関わりがある人だった。そのため、なんとなく真正面から拒否することもできないし、当然そのまま付き合うわけにもいかない。こういうのはあからさまに嫌な顔をしても、全面拒否してもだめだ。あくまで自然に受け流す。周囲の人間が飽きるまで、なんでもない顔をして、ただずっと待っているだけしかない。「いや」とも「いい」とも主張できないまま今私が勤めている会社は上下関係があまりなく、社員同士で飲みに行くこともよくある。まだ入社して間もないけれど、お酒が好きであることが表面化してしまっていて、月に1度以上のペースで必ず社員の誰かと食事をしたりお酒を飲んだりしている。そしてついに先日、社長と余り者の男性、そして余り者の私で飲みに行くことになってしまった。社長はくだらない話が好きな人で、仕事の話を挟みながら、終始バカみたいな話をして3人で3時間くらいゲラゲラ笑いながら過ごしていた。真面目な話もできたし、距離も少し縮まったような気がする。楽しかったし、よい飲み会だったと思う。でも、その時も「あれ?2人は付き合ったりしないんですか?」とか「うちの会社は社内恋愛を推奨しているんですよ」とたまに言われたりして、いつもみたいにへらへら笑って過ごせばよかったんだけれど、やっぱりほんの少しだけ胸の辺りから歪んでいくような気持ちになっていた。余り者の男性だって困ったような顔をしていて、とても申し訳なくなる。お酒を飲みながらとはいえ、3時間も話して盛り上がるくらいなんだから、まったく気が合わないわけではないだろう。仕事もできるし、気も利くし、会社ですれ違うと話かけてくれたりするし、余り者の男性はすごくいい人なんだとは思う。私だって、結婚適齢期で余りに余っている。恋愛というどうにもできない壁をずっと眺めているだけだと思っていたのに、突然強力な助っ人が現れたような気分だ。理想もグッと低くして、妥協できるところですればいい。人を好きになるなんてきっと簡単で、自分で自分に催眠術をかければいい。錯覚でも思い込みでも妄想でもなんだっていい。そんなの、ずっと前から、余り者の男性が私の目の前に現れる前から分かっていたことだった。でも余り者の男性は、女性が傷つくこと、気にしているところを平気で口に出し、そしてことあるごとに性差を付けたがる人だった。例えば、太っている女性に向かって「ブタに似ているね」とか、お弁当を作ってくる人に「女性らしくていいね」と言ったりとか。些細なことかもしれないけれど、私はどうしても気になってしまう。こういうところにこだわりを持つのが、私のダメなところではあるんだろうけれど、やっぱりどうにもならない。このからかいの波が引いて、周囲の人のおかしな方向に伸びてしまった興味や関心がなくなるまで、一体どれくらい時間がかかるのだろう。本当は、こうしておかしな出来事に巻き込まれるのも嫌なのに、「いい」とも、「いや」とも言えない。気にしないまま過ごしていくのが大人で、最もいい方法なのかもしれないけれど、自分が嫌なこと、放っておいて欲しいことへのきちんした対処法を考えあぐねている。どうしようのない自分に苛立つだけで、何もせずただじっと時間が経つまでの時間をただ待っている。Text/あたそ<常に笑ってた。周りに人もいた。でも、同窓会には二度と行かないと思う>もチェック!「人と仲良くなるのは得意だった。でも高校生の私はずっとひとりだった。」
2018年01月30日(c)Amos Bar-Zeevおひとり旅に限りませんが、旅を楽しむためのコツがあるので、少しまとめてみますね。旅の最中はどうしても移動が多くなります。マイカー旅行ならいいけれど、電車やバス、特にLCCは持ち込める荷物に制限があるので、省エネならぬ“省荷物運動”は必須です。1.着るものを少なくなにしろ服が一番かさばるので、これを省エネする方法が大切!途中で洗濯すること前提で、3~4日分以上なら日数分の衣類は持って行きません。ホテルは乾燥していることが多いので、夕方手洗いしてタオルで水を吸い取って干しておくと、朝には乾いてるなんてことはままあります。湿度対策にもよいのでホテルでのお洗濯は一石二鳥。それから、海外では現地でのお買い物も楽しいので、やっぱり衣類は少なめにします。現地で民族衣装を買うこともあるし、その国で流行っているスタイルのものを買うことも。現地に馴染む格好をすると目立ちにくくなることもメリットです。2.ジャージ素材のドレス自分に似合うデザインのものを見つけたら、同じものの柄違いを何着か買っちゃいましょう。シワにならないし、そこそこドレッシーだし、かさばらないしで、旅にもってこいの服なんです。というわけで、以前は旅というとジーンズとかパンツスタイルが多かったんですが、最近はエレガントなスタイルも楽しめるようになりました。海外なら、カジノとかちょっとしたパーティにも行けるので、重宝します。もはやジャージドレスは旅の必需品です。3.ストールは万能衣料旅行には必ずストールを持って行きます。寒ければ体に撒いて防寒具に、外歩きをするときは頭からかぶってUV対策に。今回は冬の日本から真夏のオーストラリアへの旅行だったのですが、日本ではマフラーとして、こちらではストールとして使えるシルクのものを持ってきました。旅先ではとにかく汎用性の高い衣服が便利です。例えばセーターよりもトレーナーだし、かぶり物よりカーディガンです。4.小さなハンガー(洗濯ばさみ付き)洗濯したはいいものの、意外と困るのが干す場所です。長い旅行にはハンガーを持って行きます。100円ショップに洗濯ばさみが6~8コついている小さなハンガーが売ってます。これが本当に重宝するのですよね、吊すのと吊さないのでは乾き具合もぜんぜん違うし。3日程度の短い旅行でも、洗濯ばさみをいくつか持参します。5.手ぬぐい安宿にはタオルの提供がないところもあります。でもバスタオルを持って行くとかなりかさばるので、和久井は何はともあれ手ぬぐいを持って行きます。タオルよりもかさばらないし、なにより速乾性なので使い回しが利くんですよね。真冬のお風呂には向かないけど、ハンカチより大きいし、とにかく使い勝手がいいんです。首に巻けば防寒・UV対策にもなるし!以上が、和久井が旅に持っていくものです。胃薬とビオフェルミン以外は現地で!行きのカバンは、半分くらい空きがある状態にしておきます。もしくは向こうで捨ててもいい下着や古くなったシャツを持って行って、捨てて帰ってきちゃいます。旅には紙パンツを持って行くという強者もいましたよ(が、まだ和久井にその勇気はない)。とにかく持ち物を減らすことに命をかけていた時期があって、なんならコスメも持って行かないことがあったけど、さすがにそれは不便だったので最低限のものは持っていくようになりました。海外旅行には胃薬とビオフェルミンがあれば、あとは現地で調達。海外旅行にポケットティッシュは必需品と言われているけど、和久井はそれほど気にしません。ホテルでトイレットペーパーを畳んでいくつか持っていれば事足りるので、ポケットティッシュは、あれば持って行く程度です。どうせ本格的にトイレに行こうと思ったらポケットティッシュじゃ足りないし。荷物をコンパクトにすると移動が楽だし、現地に忘れ物もしにくくなります。というわけでみなさん、よいおひとり旅を!Text/和久井香菜子前回記事<おひとりさまが海外ホームステイで泊まるべき2つの条件>もチェック!おひとりさまの海外旅行にはホームステイがおすすめ。はずれないステイ先選びのコツとは?
2018年01月27日(c)Amos Bar-Zeevおひとり旅に限りませんが、旅を楽しむためのコツがあるので、少しまとめてみますね。旅の最中はどうしても移動が多くなります。マイカー旅行ならいいけれど、電車やバス、特にLCCは持ち込める荷物に制限があるので、省エネならぬ“省荷物運動”は必須です。1.着るものを少なくなにしろ服が一番かさばるので、これを省エネする方法が大切!途中で洗濯すること前提で、3~4日分以上なら日数分の衣類は持って行きません。ホテルは乾燥していることが多いので、夕方手洗いしてタオルで水を吸い取って干しておくと、朝には乾いてるなんてことはままあります。湿度対策にもよいのでホテルでのお洗濯は一石二鳥。それから、海外では現地でのお買い物も楽しいので、やっぱり衣類は少なめにします。現地で民族衣装を買うこともあるし、その国で流行っているスタイルのものを買うことも。現地に馴染む格好をすると目立ちにくくなることもメリットです。2.ジャージ素材のドレス自分に似合うデザインのものを見つけたら、同じものの柄違いを何着か買っちゃいましょう。シワにならないし、そこそこドレッシーだし、かさばらないしで、旅にもってこいの服なんです。というわけで、以前は旅というとジーンズとかパンツスタイルが多かったんですが、最近はエレガントなスタイルも楽しめるようになりました。海外なら、カジノとかちょっとしたパーティにも行けるので、重宝します。もはやジャージドレスは旅の必需品です。3.ストールは万能衣料旅行には必ずストールを持って行きます。寒ければ体に撒いて防寒具に、外歩きをするときは頭からかぶってUV対策に。今回は冬の日本から真夏のオーストラリアへの旅行だったのですが、日本ではマフラーとして、こちらではストールとして使えるシルクのものを持ってきました。旅先ではとにかく汎用性の高い衣服が便利です。例えばセーターよりもトレーナーだし、かぶり物よりカーディガンです。4.小さなハンガー(洗濯ばさみ付き)洗濯したはいいものの、意外と困るのが干す場所です。長い旅行にはハンガーを持って行きます。100円ショップに洗濯ばさみが6~8コついている小さなハンガーが売ってます。これが本当に重宝するのですよね、吊すのと吊さないのでは乾き具合もぜんぜん違うし。3日程度の短い旅行でも、洗濯ばさみをいくつか持参します。5.手ぬぐい安宿にはタオルの提供がないところもあります。でもバスタオルを持って行くとかなりかさばるので、和久井は何はともあれ手ぬぐいを持って行きます。タオルよりもかさばらないし、なにより速乾性なので使い回しが利くんですよね。真冬のお風呂には向かないけど、ハンカチより大きいし、とにかく使い勝手がいいんです。首に巻けば防寒・UV対策にもなるし!以上が、和久井が旅に持っていくものです。胃薬とビオフェルミン以外は現地で!行きのカバンは、半分くらい空きがある状態にしておきます。もしくは向こうで捨ててもいい下着や古くなったシャツを持って行って、捨てて帰ってきちゃいます。旅には紙パンツを持って行くという強者もいましたよ(が、まだ和久井にその勇気はない)。とにかく持ち物を減らすことに命をかけていた時期があって、なんならコスメも持って行かないことがあったけど、さすがにそれは不便だったので最低限のものは持っていくようになりました。海外旅行には胃薬とビオフェルミンがあれば、あとは現地で調達。海外旅行にポケットティッシュは必需品と言われているけど、和久井はそれほど気にしません。ホテルでトイレットペーパーを畳んでいくつか持っていれば事足りるので、ポケットティッシュは、あれば持って行く程度です。どうせ本格的にトイレに行こうと思ったらポケットティッシュじゃ足りないし。荷物をコンパクトにすると移動が楽だし、現地に忘れ物もしにくくなります。というわけでみなさん、よいおひとり旅を!Text/和久井香菜子前回記事<おひとりさまが海外ホームステイで泊まるべき2つの条件>もチェック!おひとりさまの海外旅行にはホームステイがおすすめ。はずれないステイ先選びのコツとは?
2018年01月27日第32回「文を書くことの本懐」(c)つめをぬるひと今回は「日中どんなに元気でも、ひとりで眠る瞬間はマイナスなイメージが頭を駆け巡ります。深夜のメールはポエミー化するといいますけど、あれってなんなんでしょうかね。」という投稿から。私も深夜になると執筆が捗るので、この連載も深夜に書くことが多い。深夜に好きなだけ長文を書いたあと、翌日以降に再度それを読んで削る、という手法をとっている。つい先日も、2017年の統括をつめをぬるひとのサイトに書くつもりが、昔話で長くなってしまった。書いては削る、書いては削るの繰り返し。昔Twitterで「人の下書きツイートだけを集めたbotがあったら」というツイートをしたことがある。なんとなく書き込んで、公開するのをやめた文章達。パソコンやインターネットが普及して、スマホの時代になって、SNSがあって、私達の中で「文章で表現する」ということが本当に幅広く、身近で、時には危険で、救済にもなりうる、そんな存在になってきた。先日「ライターの仕事もやってるんですよね」と言われ、「そうか、私ライターやってるのか」と今更ながら気付いた。深夜に文章を書きすぎてしまうのも、あながち悪くないな、と思った瞬間だった。ただ書くのが好きでだらだらと書いていたことが、いつの間にか人に読まれる為に書く文章へ移行したのは、この数年で大きい変化だった。布団の中でスマホに文章を打ってる間に寝落ちする、ということ。好きな人の好きなところだけを書いて非公開にしているTwitterアカウント。これまで長い間、様々なSNSをはしごするかのように渡り歩きながら、文を書くことが好きなのは変わらなくて、なんだかんだ言って続けてきたけど、文章を長く書いてしまう自分のことが結局は好きなんだと思う。今の時代はそれが何かの役に立つこともあるかもしれないから、深夜に書いてしまった長文はとりあえず人目のつかないところで保存しておいて、翌朝読んで消すなりとっておくなりしておこう。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<結婚を急かされる私たち。大事なのは「自分がどうしたいか」だ>もチェック!「結婚しないの?」にはどう返すのがいいのでしょう?
2018年01月22日旬の牡蠣は「エナジーフード」!年もあけて寒の入りを迎え、1年でもっとも寒さが極まる「大寒」も目前。骨までしみいるような寒さに、負けそうになっていませんか。寒さ極まる夜は、ぬくぬくと家で毛布にくるまりながら熱燗でしっぽり身体のあたたまる夕飯をいただきたいですよね。年々オヤジ化していく自分を否めない、妙齢女子のみなさまには共感していただけるはず。そこで注目したいのが、旬の食材、牡蠣です。秋ごろから出回り始める牡蠣、実は栄養豊富で低カロリーな超優秀なエナジーフードなのです。グリコーゲンやアミノ酸をはじめ、ビタミン、ミネラルなどの栄養素とタウリンなどの機能性成分が豊富に含まれています。とくに、亜鉛の含有率(うなぎの7倍!)は食品随一といわれており、免疫力アップ、健康増進に効果的。風邪をひきやすいこの時期に、ぴったりの食材なのです。さらに嬉しいのが低カロリー(うなぎの5分の1!)であるということ。こんな最高の食材を活かさないわけにはいきませんね。今回は、日本酒のおともに最高な1品、牡蠣とかぶのみぞれ煮のレシピをご紹介します。牡蠣とかぶのみぞれ煮<材料>生牡蠣 8粒かぶ 2個だし汁 300ml*醤油 大さじ1*塩 小さじ1/4*酒 大さじ1片栗粉 適量柚子三つ葉1. 牡蠣は軽く洗い、水気をふいてから酒をふりかけ、片栗粉をまぶす。2. かぶは皮をむいてすりおろし、三つ葉はざく切りにしておく。3. 小鍋にだし汁をつくり、*の調味料をすべて入れて中火で沸かし、1を入れる。やさしくかき混ぜながら牡蠣がふっくらして火が通ったら、すりおろしたかぶを加えて一煮立ちさせる。4. お皿に盛りつけ、柚子の皮をすりおろしてふりかけ、三つ葉を乗せてできあがり。牡蠣のうまみが出たお汁まで、一滴残らず飲み干してしまう美味しさです。熱燗と一緒に冬の晩酌にぜひ召し上がってくださいね。なんとかこの寒さを乗り切りましょう。Text/太田みお働くおひとりさまにとっての毎日はめまぐるしくて、ゆっくり季節を感じる時間さえ取れないですよね。 「休日のたった1時間でいいからほっとしたい…」元外資系バリキャリから一転、丁寧な生活を目指して料理研究家になった太田みおさんが、四季の彩りを簡単に楽しむ「レシピ=歳時記」をお届けします。
2018年01月17日同窓会のお知らせを無視してしまったby Pixabayこの時期になると、いつも行かなかった同窓会のことを思い出す。ちょうど、今くらいの時期だった。私たちが大学を卒業する手前の寒い季節に、「みんなが社会人になってしまう前に、一度集まりましょう」という連絡が高校の同級生から来ていた。そして、その何度かあった連絡を、私はことごとく無視してしまっていた。連絡がきた瞬間、咄嗟に「絶対、行きたくない」と思っていたのに、「用事があるから行けない」と嘘をつくのもなんとなくはばかられた。大学で授業を受けているときとかバイト先での休憩時間とか、そういうふと思考回路に隙間ができるときに同窓会の連絡が来ていたことを思い出し、どんな返事をすれば自然に断ることができるのか考えているうちに、気が付けば当日になってしまった。私は、地元に友だちがひとりもいない。高校の頃の同級生も時が経つのと同じスピードで会わなくなり、連絡を取ることもなくなっていった。高校時代をさほど楽しめなかった私には、同窓会に行く意味が見いだせなかった。あの頃の人達と集まっても、華が咲くような思い出話も、聞いているだけで恥ずかしくなるような甘酸っぱい恋の話も、私にはない。あの場所に顔を出したとしても、やっぱり場の空気に馴染むことができず、でも同級生で集まれたことそのものにしっくりこない妙な満足感を覚えて、きっと帰るんだろう。大した話もしていないし、どうせ連絡すらも取り合わないくせに、社交辞令で「また、みんなで集まりたいね」と言い合ったりするんだろうか。きっとそうだ。無理しちゃって馬鹿みたいだ。私は高校生だった頃も、ずっとひとりだったように思う。化粧とショッピングとジルスチュアートとリズリサとディズニーが好きで、男の人に選ばれることが幸せだと考えているようなクラスメイトの中で、ずっとひとりだった。人と仲良くなるのは得意で、自分から駆け寄ることをしなくても、常に周囲に人はいた。お昼の時間はみんなで机をくっつけてお弁当を食べていたし、行事もそれなりに輪の中に入り、高校生らしい毎日を送れていた。みんな、私の話に笑ってくれたし、仲間外れにされることも無視されることもなかった。だから、きっと嫌われていたことはなかった、と思う。もう二度と同窓会に参加することはない毎日誰かと話をして、笑ってはいる。授業はほとんど寝ていたし、成績だってそれほどよくはなかったけれど、ついていけないことはなかった。でも、この毎日が本当に楽しかったかどうかと尋ねられると、答えに少し困ってしまう。心のなかには、常に違和感があった。そういう高校生活を毎日送っていて、私のそういう雰囲気とか態度はきっと周りの目から見ても明らかで、だから私は高校時代の友達がいないのかもしれない。成人式のあとに行われた同窓会も、高校時代の延長のようなものだった。数年ぶりに再会した懐かしい人たちと懐かしい会話をして、お酒も飲みつつそれなりに盛り上がった。けれど、こんなの、私が本当に楽しいと思えることじゃない。昔の話で盛り上がりたいわけじゃなかったし、私が本当に会いたいと思う人には個別で連絡を取れればいい。この日も、高校時代と同じように、楽しいと言えば楽しいのかもしれないけれど、不自然な違和感みたいなものを抱きながら帰路についたことをよく覚えている。同窓会を楽しめる人は、きっと学生時代を楽しめて、いつまでもきらめくような思い出を持っているような人だ。本気で友だちと勉強や部活や恋愛をして、絵に描いたような「青春時代」を送った人たちが、昔の話を楽しみ、そして過去から繋がる近況を確認し合うためのものだ。そうじゃなかった私はきっと、もう2度と、同窓会に参加することはないんだと思う。Text/あたそ<食べて、寝て、ぼーっとする。そんな“正しい”年末年始は耐えられない>もチェック!2018年の年末年始、あなたはどう過ごしましたか?
2018年01月16日おひとりさま海外旅行なら、ホームステイがいい(c)Pixabay12月中旬から1カ月、オーストラリアで過ごしてます。何の目的があるわけでもなく、単に飛行機のチケットが安かったので買ってみたんです。そんな理由の旅なので、滞在中の半分はいわゆる民泊とホームステイにしました。おひとりさまで海外に行くなら、だんぜんホームステイがお勧めです。今は1日単位からAirbnbでステイ先を探せるので、グッと敷居が低くなりました。今回ステイ先を探していてわかったことですが、ホームステイのホストをしている家族がAirbnbに登録している場合も多いようです。つまり、無許可のホテルというイメージではなく、短期のホームステイ先が探せるようになった感覚です。ホステルのドミトリー(相部屋)と同じような値段で、個室がもらえるのも過ごしやすいです。やっぱり他人と一緒の部屋だと気が抜けないし。ホームステイをすると、現地の生活に溶け込むことができます。一般家庭がどんな生活をしているか、ローカル情報がよく分かります。語学を勉強している人なら、なおさら彼らとの会話は助けになるはず。いろんな国の人を受け入れているホストなら、言葉が多少不自由でも慣れているので面倒を見てくれますし、文化の違いがあることもよく知っているので寛容です。万が一体調が悪くなっても、人がいるので安心ですしね。今回ステイしたおうちでは、ホームパーティや誕生日パーティがあって、そこに参加させてもらいました。これはホステルなどに普通に泊まっていたら経験できないことですよね。それに無理に友達を作らなくても、いろんな人と交流できます。ただ、ホームステイは当たり外れが大きいのがちょっと問題です。なるべくはずれのないおうちを探したいですよね。「子ども+犬」の条件ははずれない!和久井の基準は「子どものいる家」です。過去に新婚夫婦とか、シングル女性の家に泊まったことがありますが、食事はシンプルだし、イベントは少ないし、すごくビジネスライクだし、とっても味気なかったです。「毎日髪の毛を洗うな!」とか言われたりもしたし(笑)。その点、子どもがいると夜ご飯はみんなで集合するし、なにより自分の語学力は子どもとマッチしてて話しやすい。政治の話はできなくても、恋バナなら簡単だし盛り上がるでしょ?今回も申し込みの際に「ライターをしています」と自己紹介をしたら、「娘がマスコミ志望なので、あなたが来るのをとても楽しみにしているのよ!」なんて言われて、こっちも行く前からワクワクしたり。ホテル宿泊で職業を言ってもワクワクされることはないですものね。それから和久井は必ず「犬のいる家」を条件にしてます。犬が大好きだけど飼っていないから、気軽に犬のいる生活を体験したいんですよね。日常を味わいながら非日常も体験できるっていうのがホームステイの醍醐味のひとつですから。それに、子どもとペットがいる家は裕福でハッピーな確率が高そうですよね。子ども+犬の条件で、はずれを引いたことがありません。というわけで今回は「息子と犬がいる家」で探しました。とはいえ、Airbnbはそんな項目で検索ができるシステムじゃないんで、まー探すのは大変でしたけど(「子どもがいる家」と言っときながら息子に限定したのは個人的な趣味です)。ひとつめのおうちではベトナムからの留学生男子がいて、アニメの話したり、教科書を見せてもらったり。ふたつめのおうちでは家族全員テニスが好きというので一緒にプレイしたり。いや~、オーストラリア生活を満喫しました。おひとり海外旅には、AirbnbやHome stay finderといったサイトでホームステイ先を探してみるといでしょう。Airbnbのほうが少し割高みたいだけど、登録しているおうちは格段に多いので、うまく利用したいですね。Text/和久井香菜子前回記事<札幌は11月でもどっぷり冬!でもそこには「冬のひまわり」が咲いていた…!?>もチェック!11月の札幌は、本州の常識とはまるで違います。まるで、冬にひまわりが咲くかのよう。
2018年01月12日第31回「なんとなくの処世」(c)つめをぬるひとあけましておめでとうございます。年明け早々、話題は恋愛です。今回は「30代になると特定のパートナーがいないのはまずいんですかね」というもの。周囲から結婚は? 相手は? と急かされることが多くなる私達。しかし、焦って見つけた相手と合わなくて、後に引けなくなってしまった人や、うまくいくものもうまくいかなくなった人を私は知っている。特定のパートナーを見つけたい人はそれなりに行動しないと出来ないが、「見つけないといけない」という義務も存在しない。「まあ本人が良いならそれで良いんじゃない?」という考えは昔に比べて、フラットになったと思う。これは私が個人的に思ってることだけど、「結婚しないの?」とか「誰か良い人いないの?」という話題は、大半がその場の話題づくりで、実際は本気で相手を探そうとか、結婚するにはどうしたらいいかを議論する為に聞いているわけではない。会う機会が少ない友人は、共通の話題がそういう方向にいってしまうものだし、逆に、よく会う人の場合は、近況を頻繁に報告してるからこそ、そういう話題になることが多いだろう。私は「言いたい奴には言わせておけ」が座右の銘だ。人はそこまで人に興味がない。人と比べ、人の優位に立ちたいが為に起こす言動ほど悲惨でみっともないものはないんだから、特定のパートナーを作らなきゃと焦る必要もないし、逆に余裕ぶっこいてる必要もない。周囲は本当に心配してくれてるのかもしれないけど、ここはあえて、「結婚しないの?」に「本当だよねー」と話半分でスルー。自分自身で「本当はどうしたいのか」が分かっていれば、それだけでも無敵だと思う。今回はそんな、なんとなくで話を聞くことの処世みたいなものを描いた。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<大晦日から現実に戻るような「元旦の夜」を騒いでみよう/誰に見せるでもない爪>もチェック!ちぐはぐなお正月を過ごしてみると、いつもと違う新鮮な気持ちで一年を始められそう。
2018年01月08日何もない年末年始は、どうしても耐えられないby Enrico Periniまたひとつ、年が明けた。仕事や学校が始まって、ひとしきりの「明けましておめでとう」と「今年もよろしくお願いします」を言い終えてしまえば、年末年始のなんだか落ち着かない雰囲気も過ぎ、普通の1月が来る。私がこの原稿を書いているのは、まだ2017年の出来事で、今年の年越しは台湾の台北で過ごすことになっている。今のところ、台湾に行くこと以外は決まっていない。きっと、直前まで決まらないのだろうと思う。日本ではない、私のことを知っている人が誰もいないところに行きたかった。インターネットを開くと、友達もそうじゃない人も、みんな誰かと楽しそうに2018年を迎えている。その光景を画面上で見ながら、いつもと変わらない時間をひとりで過ごすことに耐えられそうもなかったから、という思いも少しあった気がする。実は去年、つまり2016年のことだが、久々に何もない年末年始を過ごした。私は元々音楽が好きで、毎年のようにカウントダウンのフェスやライブに足を運び、音楽と友だちと共に年を明かす。そして、ごくたまに年末年始を海外で過ごすこともあって、ここ10年くらいは常にどこかへ赴き、年を越すというのが自分の中で定番になっていた。そんな定番を打ち破り、久しぶりの寝正月を過ごしていた。本当に、10年ぶりくらいだった。何もない年末年始はただただ退屈で、食べて犬をなでながらテレビを見て、寝る、という日を何日も過ごしていた。誰かを誘ってみてもよかったかもしれない。けれど、年末年始の時期に、普段と変わらない感じで友だちをどこかに呼び出してしまうのもはばかられる。こういうダラダラとした、何もない年末年始が正しい過ごし方のはずだった。でも、私には合わない。久しぶりの正しい年末年始は私にとって耐えられなかった。だから、今年は絶対にどこかへ行こうと決めていたのだった。漠然とした将来に不安を抱えても仕方ない、けど…「毎年、こんな気持ちになることがあるのに、耐えていけるだろうか」と思うことがある。今のところ、結婚をする予定もする気もない私は、きっと自分で行動をしない限り、この何もない時間を1年に1度、必ず過ごさねばいけないことになる。おまけに、テレビのない部屋で一人暮らしを始めてしまった。実家に帰るくらいなら、自分の家で、一人で過ごしていたい、と思っている。だから余計に、この時間に耐え続けることができるのだろうか、と心配になる。誕生日は、いい。自分が主役の1日だから、きっと一緒に過ごしてくれる人がいるかもしれない。祝福の言葉をかけてくれる人だっているはず。でも、年末年始やクリスマスは、全員に平等に訪れる。そして、家族や恋人、親しい友人がいれば、結果的に誰かしらと過ごすことが良しとされている日になっている。その誰も持ち合わせていない私は、この何もない年末年始を何年も過ごさなければならないことに、当たり前の日常として処理できる日がくるのだろうか。いつの日か、そういう日々にも慣れてしまって、何も感じなくなる日が来るのだろうか。ひとりでいるのは、自由で、気が楽で好きだ。自分の性質にとても合った時間の過ごし方だと思っている。私はどんなことをすれば自分を幸せへと導くことができるのか知っているし、誰かと一緒にいることや人に頼ることに自分の気持ちを左右されたりしない。たぶん、間違っていない。けれど、「本当にこのままでいいのかな?」と考えることがある。今は、“ひとりでいること”が自分に合っていて、楽しいと思えるから、いい。けど、突然寂しくなって、どうしようも取り返のつかないことになって、その時にひとりだったら、私はどうするんだろうと思うことがある。周囲の友達は結婚をしたり子どもを生んだりしているのに、年齢は重ねているのに、私ひとりだけ10代の頃と何も変わらないライフステージにうんざりし始めてしまったらどうしたらいいのだろうか、と思うことがある。そうやって、将来に漠然とした不安を抱えるのはいつも何もすることがない時間で、ちょうど去年の年末年始も同じようなことを考えていた。頭の中が暇になってしまうと、いつも自分を追い詰めるようなしょうもないことばかりを考えてしまうのだろう。私は、心配したって仕方ない将来に不安を覚えるのが怖い。解決策が何も見い出せない、どうしようもない焦りを感じるのはできるだけ避けていたい。今年の年末年始は、台湾へと行く。まだ何をするかは決めていないけれど、きっと色々なところへ行って、ショッピングも食事も楽しんで、忙しくなるはずだ。少し遅い自分へのクリスマスプレゼントでもあるし、1年間のひとりお疲れ様会でもある。不安や焦りを感じずに、2017年がよかったと思えるような年末年始にしたい。Text/あたそ<会社の忘年会、誰と移動する?集団行動での振る舞いに戸惑う人へ>もチェック!大勢で集まると誰と何を話していいのか分からない。もうひとりの私が、「このままでいいの?」と投げかける。
2018年01月02日しがらみや人付き合いにストレスを感じているなら和久井は今まで、ビジネスセミナーや心理学セミナー、自己啓発セミナーから魔女の講座まで、いろんな集会に顔を出してきました。そこでどの場所に行っても、同じようなことを言われることに気がつきました。みんな「ここで学ぶと、イヤな人とは自然と縁が切れるようになりますよ」って言うんです。選ぶ手法は違っても、望むことはひとつなんですね。誰でも、自分らしく伸び伸びと生きたいんです。いかに普段、人付き合いにストレスがあって、迷いがあって、人生の指針となるものを欲しているか。みんな自分に自信を持ちたいんですね。ネットで話題の『凪のお暇』を読みました。とっても心地のいい物語です。主人公凪の心の口癖は「空気、読んでこ」。会社の同僚になにか聞かれれば、どんな答えを求められているのかを先回りして、場の空気を乱さない返答をします。そしていつも笑顔。が、なんだか痛々しい。『凪のお暇』(コナリミサト/秋田書店)1巻それもそのはず。同僚からも、密かに付き合っていた営業部エースの慎二からも、実は影でこき下ろされていたという事実に、とうとう彼女の心の糸は切れてしまいます。そしてすべてを……会社も、携帯番号も、慎二も……捨てて、新しい生活を始めます。無職になってお金はないし、贅沢もできないけど、彼女は趣味である節約に邁進しつつ、清貧生活を堪能し始めるんです。すごく今風の漫画だなと思うのは、友達作りやコンプレックスにまみれた悩める女子が主人公なところ。ひと言で言えば、暗い。70年代の少女マンガの主人公なんて「あたしは男に負けないわ!」「見てよ、木だって登っちゃう!」みたいな元気一発少女ばかりなんですよ。『キャンディ・キャンディ』のキャンディとか、少しくらい気にしてもいいんじゃないかってくらい自分がブスなことなんかぜんぜんお構いなし、自己顕示欲のカタマリみたいな人間です。『生徒諸君!』のナッキーだって、暴力的とも言える正義を振りかざして周囲を圧倒していく少女です。もう少し他人の事情を鑑みてあげましょうよ。彼女たちは『謙虚ってなに?』って勢いで我が道を行きます。あまりに強すぎ、空気読まなすぎ。彼女たちは今の時代で共感を得られるんでしょうか。人の目を気にしていたら、上っ面なことしか見えないでもね、思うんですよ。空気なんか読まなくっていいんです。自分の言いたいことを言わなくちゃ、いつまで経っても心地のいい人付き合いはできないですよ。和久井は昔から「自分を理解できない人とは付き合わなくていい」と思っていたので、空気とか読んだことないです。もちろん、友達は少ないです。いないに等しい時期もありました。それで悩んだこともあります。今はもうちょっと器用になったので人とぶつからなくなったけど、そのときそのときで、最高に楽しくて尊敬できて、気持ちのいいお友達しか周りにいませんでした。文句をつけようがないお友達しかいないから、悪口なんか言ったことがないです。それによく思うんです。人に迷惑をかけていなければ、どう生きようが、どんな趣味だろうが、どうでもいいじゃないですか。アラフィフがフリフリブリッコな格好をしようが、めっちゃヲタクだろうが、「自分の考えとは違う」でいいはずです。それなのに、多くの人が「見て見て、あの人、あんなことして!」なんて悪口言ってるなって思うんです。人を責めれば責めるほど、自分も道を外せなくなって息苦しくなりますよ。自分がそうでした。自分の意志でものごとを決めず、自分の好きなことをしていないと、他人を責めたくなるんです。でも好きなように生きていたら、他人のことなんてどうでもよくなります。悪口や文句を言うだけ、自分が不幸になっちゃいますしね。『凪のお暇』は、そうしたしがらみを全部捨てて新しい人生を踏み出した凪の、トライアルの物語です。自分を変えようと、勇気を出してなりたい自分になっていきます。すると、今まで見えなかったことが見えてくる。近所で悪口を言われている未婚の初老の女性が実はめちゃくちゃ人生を楽しんでいたり、自分のコンプレックスである癖毛が、実は誰かの癒しになったり。人の目を気にしていたら、人のことも上っ面しか見えません。それはもったいないじゃないですか。もしかしたらそこに、めちゃくちゃステキな宝物が隠れているかもしれないのに。そんな気づきを与えてくれる作品です。Text/和久井香菜子前回記事<「家族は素晴らしいものだ」の呪縛から逃げたい人へ『酔うと化け物になる父がつらい』>もチェック!『酔うと化け物になる父がつらい』は、逃れられない「家族」との向き合い方をおしえてくれる作品です。
2017年12月29日おせち6品を70分で仕上げる!年の瀬も迫ってまいりましたね。今年1年を振り返り、来年に思いを馳せるこの時期。さあ、お正月のおせちはどうしましょうか?ひとりだから、適当におせちっぽいもの買ってきて済ませよう…と思っているあなた。せっかくのお正月だからこそ、少しでもいいのでおせちを手作りしてみませんか? 年の初めを丁寧に過ごせたら、その年の運気も上がるような気がしてきますよ!写真のワンプレートですが、市販のものは黒豆のみで、あとはすべて手作り。おせち作りって、手間がかかって少しハードルが高いような気がしますが、電子レンジなどを使い工夫をすれば、実は1時間ちょっとしかかからないのです。市販のものもうまく取り入れながら、作れそうなものを2~3品だけでもチャレンジしれみましょう!ちなみに、南天の実や葉、扇などの装飾品は100円ショップのダイソーで買ってきたもの。装飾代しめて216円。千代紙などを敷くのも素敵ですね。こういったお正月らしい装飾を加えると、お皿の上も一気に華やぎます。手軽な順に6品のレシピ紹介さて、私が今日ご紹介するレシピは下記の6品です。手軽な順にご紹介していきます。(1)海老の酒蒸し(2)紅白なます(3)胡桃田作り(4)ローストビーフ(5)栗きんとんの茶巾絞り(6)伊達巻き海老の酒蒸し★3分もあればできてしまう、酒蒸し。コツは火を入れすぎない事。<作りやすい分量:約2人分>生海老 4本日本酒50ml塩 小さじ1海老は塩水(分量外)で軽くあらう。小鍋に海老を入れ、酒と塩も加えて蓋をして中火にかける。ぐつぐつと沸騰したら弱火にし、一煮立ちさせて火を消す。そのまま1分予熱で蒸せば出来上がり。紅白なます★白:赤の分量比を3:1を目安にすると美しく仕上がります。<作りやすい分量:約5人分>大根1/4本人参 1/2本塩 小さじ1砂糖 大さじ2酢 45ml大根と人参は皮をむき、スライサーで薄く切ってから、細い千切りにし、塩をふりかけて10分ほどおくと水分で出てくるのでよく絞る。ボウルに酢、砂糖を良く混ぜ合わせ、そこに水気を絞った大根と人参を加えてよく和えればできあがり。胡桃田作り★カリっと香ばしい胡桃と煮干しがクセになる美味しい田作りです。<作りやすい分量:約4人分>小さいにぼし 30gくるみ 30g白いりごま 小さじ1●砂糖 大さじ2●みりん 10ml●酒 10ml●醤油 10mlくるみとにぼしはそれぞれフライパンで、香ばしくから煎りしておく。フライパンを綺麗にし、●の調味料をすべて入れて溶かし混ぜる。泡が立ってきたら、くるみとにぼしを加えて絡め合わせ、ごまもふりかけてできあがり。ローストビーフ★電子レンジでまず火を通して、時短調理!<作りやすい分量:4人分>牛ももブロック 350g塩こしょう 適量オリーブオイル 小さじ1牛肉の全面に強めに塩こしょうをすりこみ、耐熱皿にのせてラップをして600Wの電子レンジで4分30秒加熱する。フライパンにオリーブオイルを熱し、強火で肉の両面に焼き色をつけたら、アルミホイルで2重にくるんで、しばらく常温においておき、20分くらい経ったら切り分ける。お好みで山葵醤油などとともにいただく。栗きんとんの茶巾絞り★甘さ控えめの栗きんとん。鍋もくちなしも使わない簡単調理!茶巾絞りにすればハレの料理に。<作りやすい分量:約6人分>さつまいも 160g(皮をむいて)みりん 50ml栗の甘露煮のシロップ 25ml栗の甘露煮 小瓶1つ分1. さつまいもは1cmの輪切りにして、厚めに皮をむいておく。耐熱皿に水100mlを入れてさつまいもを並べ、ラップをふんわりかけて600Wの電子レンジで4分半加熱し、裏返して3分加熱。2. さつまいもが柔らかくなったらお湯を捨て、ボウルに移してマッシャーでつぶす。3. みりんとシロップを加えて、ラップをせずに2分加熱。一度スプーンなどで混ぜて、再び2分加熱。ほどよいかたさになっていることを確認したら、栗の甘露に加えて混ぜ合わせる。4. ラップに適量取り出し、きゅっと絞りながら丸め、茶巾絞りにする。伊達巻き★ふわふわの美しい伊達巻き。フードプロセッサーと巻きすさえあれば、自宅でも簡単に作れます!<卵焼き器1つ分>卵 3個はんぺん 60gみりん 小さじ1弱砂糖 大さじ1と1/2塩 ふたつまみめんつゆ 小さじ1サラダ油 適量1. はんぺんは細かく切っておく。2. フードプロセッサーに卵を入れ、まず混ぜる。はんぺん、調味料の順に加え、滑らかに混ざり合うまでしばらく回す。ボウルなどに移して、トントンと底を当てて空気を抜く。3. 卵焼き器にうすくサラダ油をひく。キッチンペーパーなどで余分な油は拭き取っておく。一気に生地をすべて流し込み、平らにならす。4. 最初の10秒だけ強火にし、あとはごく弱火で約9~10分、アルミホイルで2重に蓋をして焼く。5. 周囲に焼き色が着いていることを確認したら、フライ返しを使って慎重に取り出し、巻きすの上に乗せる。巻きすで巻いて、両端を輪ゴムで固定して10分おけばできあがり。上から手軽に作れる順にご紹介してみました。無理せず、作れそうなものだけでもぜひチャレンジしてみてください。みなさま、よいお年を!働くおひとりさまにとっての毎日はめまぐるしくて、ゆっくり季節を感じる時間さえ取れないですよね。 「休日のたった1時間でいいからほっとしたい…」元外資系バリキャリから一転、丁寧な生活を目指して料理研究家になった太田みおさんが、四季の彩りを簡単に楽しむ「レシピ=歳時記」をお届けします。Text/太田みお
2017年12月27日第30回「1/1から1/2へのカウントダウン」(c)つめをぬるひと今年はひとり年越しで、「駆け込み恋愛をする年齢でもないですし、この時期はいつもモヤモヤしてしまう」という投稿から。私の実家は割と遠く、帰省時は毎回飛行機を利用している。年末年始の航空チケットはオフシーズンの何倍も高いが、その中でも若干安い穴場が元旦。実家から東京に戻る時は、ほぼこの元旦に飛行機に乗る。機内アナウンスは「あけましておめでとうございます」から始まり、東京駅に着けば、ホームはお正月のBGMが流れている。電車は比較的空いていて、自分の部屋に戻る前に寄ったスーパーでは干支の置物をタダでもらえたりする。その夜は、地元から持ち帰ったものや、お土産等が夕食となることが多い。年越しをクローズアップする話は聞くけど、「元旦の夜」の話をあまり聞かないのはなぜだろう。あんなに年越しはどこもかしこもテレビもお祭りのようで、日常離れしているような気がするのに、1/1から1/2になる夜は、既に仕事始めだからだろうか、現実に戻る兆しがある。特番を見ながら家に籠るのも好きだが、三が日は出かけることが多い。そして「初詣」を何度もする。親との初詣、人との初詣、人との初詣その2。昨日のおみくじはああだったけど、今日のおみくじはこうだった。そんな感じで何回も引くから、あのとき引いたおみくじの運勢を思い出せないままでいる。今年もあと残り数日。なんだかんだで、バタバタしている間になんとなく過ぎてしまう年末年始。年越しは誰かが騒いでくれるから、あえて元旦の夜に1月2日へのカウントダウンで全力疾走したり(福男選びは1月10日らしい)、蕎麦を元旦に食べてみたり、ちぐはぐなお正月を過ごしてみると、いつもと違う新鮮な気持ちで一年を始められそう。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<ひとりが好きな人こそ、人との関係づくりを熟知している>もチェック!ひとりでいる、とは何か。
2017年12月25日皆さんは純喫茶へ行きたいと思った時に、どの街を思い浮かべるでしょうか?一日で出来るだけ多くの純喫茶と出会いたい、という時におすすめな街の一つが高円寺です。JR中央線・総武線が停車し、新宿から10分あまりと便利な立地にも関わらず駅ビルがないため、今も活気のある商店街や小さな路地にある店などが賑わい、歩いているだけで楽しい街です。私が好きだと思う街には、たいてい安くて美味しい飲食店やそこでしか買えない古着や雑貨屋、こだわりのある書店などが多いです。高円寺も例外ではなく、その条件を満たした上に、素晴らしい純喫茶も多々あります。例えば、美しいマダムのいる名曲喫茶「ネルケン」、かつて中野にあった伝説の名曲喫茶の家具や装飾品を使用し、当時の面影を醸し出す「ルネッサンス」、ふかふかでしっとりのホットケーキと威勢の良いママに元気をもらえる「コーラル」、トマトの入ったホットサンドが絶品で落ち着ける雰囲気の「BONY」、穏やかなマスターとママが営む近所の人たちの憩い場「高円寺茶房」、セットが豪華で思わず笑みがこぼれる「あろうむ」、猫や犬とたわむれることの出来る「なかむら珈琲店」、運が良ければギターをかき鳴らすマスターを見かけることが出来る「ブーケ」など。個性あふれる純喫茶たちをはしごできる天国のような街なのです。高円寺のボリューム満点な純喫茶「ごん」今回は、9種類のオムライスや空腹を満たすボリュームたっぷりの食事を頂ける純喫茶を紹介します。店名は「ごん」。「純情商店街」を駅からまっすぐ進み、しばらく歩くと見えてくる、行列の出来る肉屋のはす向かいの2階にあります。元々はクレープを食べられる店として始まったこちらは、卵の扱いに長けているマスターが繊細な手つきでオムライスを作ります。昔ながらのふわっとした9種類のオムライスオムライスはなんと9種類! ケチャップがかけられた昔ながらのプレーンオムライス、カレーオムライス、たらこオムライス、ヤキオムライス、ハッシュドビーフオムライス、クリームオムライス、あさりスープのオムライス、かに風味のトマトソースオムライス、チーズクリームオムライス、ワンプレート付きなど。毎日食べても違う味を楽しめるのです。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2017年12月22日大勢の中で自分は溶け込めているのか?by Enrico Perini胡散臭すぎて誰にも話したことはないけれど、大勢の人と話をしているときに、私と話をしている人を真上辺りから撮影したような映像が、一瞬だけ頭の中を駆け巡ることがある。それは、もちろん実際に撮影したものではないから、正確な映像ではないし、細かい箇所も異なっている。そしてこの映像が頭の中に出現すると、「私は、この大勢の中に溶け込めているのだろうか?」と思うと同時に、こんなことを考えながら必死になって一般大衆に紛れ込もうとしている自分に対して、冷や汗が出るほど恥ずかしくなるのだった。私は、昔から集団行動があまり得意ではない。無理をして大勢に属するのであれば、ひとりの方が身軽でストレスを感じないし、自分には合っているといつも思っている。集団行動の中で、最も苦手なケースが2つある。ひとつは、会社やクラス、サークルなどの大勢が集まる場所。誰と何を話せばいいのか分からなくなるし、会話がひと段落してしまうと次の手が思い浮かばず、持て余してしまうのだ。それでもひとりになろうとはせずに、「次は、誰と話をしたらいいのだろうか」「この人だったら、この話題がいいのだろう」と冷静に考えている自分が心のどこかにいるのを見つけてしまうと、私は全く馴染めていないのだと気付いてしまって、途端に恥ずかしくなってしまう。そしてもうひとつは、大勢の人たちとどこかへ移動しなければならない時だ。例を挙げるなら、学生時代に朝会が終わってグラウンドからクラスまで移動しなければならないときとか。先日行った、忘年会の時もそうだ。仕事を終えて、ほぼ全員で会社から忘年会の会場へと移動しなければならないとき、誰と移動していいのかわからなかった。かといって、ひとりでずんずん先を歩いてしまうのもなんだか失礼な気がする。かといって、4~5人で移動したとしても、大した話ができる訳ではないし、歩くスピードもなんとなく遅い。早く会場に着くことを目的としているはずなのに、いつまで経っても辿り着けそうにない感じに我慢ができなくて、いつの間にか会話から抜けて、ひとりで歩いていってしまう、というのがいつものパターンだ。1年のうちに何度かある、大勢で移動しなければならないときに、真上から見ているもう一人の私が現れて、「それで大丈夫なの?」「居場所はちゃんとあるの?」と聞かれたくない質問を投げかけてくる(気がする)。自分で居場所を探さなきゃいけないけど忘年会の日。ひとりで好きな音楽でも聴きながら向かおうと、イヤホンを片手に歩き出した瞬間、先輩に捕獲され、会場まで一緒に移動することになった。まさか「タクシーで行こう」という言葉を、私に投げかけられるなんて考えてもいなかった。居場所を見つけられなかった私は、人に声を掛けてもらうことによって自分の場所を作ってもらうことになり、申し訳なさを感じてしまうのだった。「ひとりがいい」とか「ひとりの方が自分にはあっている」といくら思っていようが、会社という集団に属している限りは、なにかしらに馴染んだり、馴染んでいるフリをしなければならない。どんなに窮屈であっても。学生だった頃は、周囲にいる人は同い年の友人とか年の近い先輩や後輩だけだったから、なんとかやり過ごすことができたけれど、会社に所属してしまうと、そういう訳にはいかない。自分で居場所を探さなければ、大勢の中にいるひとりにしかならない。集団のなかでも上手く馴染んでいける術とか、違和感なく自分の居場所を見つけられる技術みたいなものを一切身に付けてこなかった私は、これからもその場をやり過ごそうとする度に、自分のことを俯瞰している私が「このままでいいの?」「ちゃんと馴染めているの?」「本当に楽しいと思っている?」と尋ねてくるのだと思う。Text/あたそ<月曜が来るのがそんなに嫌じゃない。退屈な職場をやめて1ヶ月経った今の手応え>もチェック!どうせ働かなければいけないのだから、月曜日が来ることを嫌に思わない仕事をしよう。
2017年12月19日イタリア・トスカーナ地方のマンマの知恵フランスパン、買ったものの食べきれなくて、気づけばカチコチに固くなっていた…という経験、ありませんか?そんなときは、卵液に漬け込んでフレンチトーストにしたりするのが一般的ですが、食事として美味しくアレンジするお料理があるのです。それが、パンスープ。イタリアのトスカーナ地方で古くから愛されているマンマの知恵でもある、この「パンスープ」。カチコチに固くなったパンを、お野菜と一緒にスープで煮込めば、パンがとろっとろになって独特の食感と風味が広がり、とても美味しいのです。シンプルに、にんにく、玉ねぎ、トマトだけで煮込むのも美味しいですが、おすすめは豆も入れる事。食感のアクセントになりますし、栄養価も上がっていいですね。寒い冬にほっこりあたたまるパンスープ、ぜひ試してみてください。パンがとろとろで美味しい「パンスープ」<材料>2人分トマト 2個ミックスビーンズ 100g固くなったパン 100g *ハード系のパンでもOKにんにく 1かけ玉ねぎ 1/2個コンソメスープ 600ml塩 3つまみオリーブオイル 適量パセリのみじん切り 適宜1. 材料を切り分ける。にんにくは皮をむいて縦半分に切り、芯をとって捨て、薄切りにする。玉ねぎは皮をむいて薄切りに、トマトはヘタをとって1cm角切りにする。パンは一口大に切り分ける。2. 鍋にオリーブオイルをあたため、にんにくを炒める。香りがたってきたら、玉ねぎを加えて透明になるまで炒める。豆とトマトを加え、塩もふってさらに軽く炒め合わせる。3. コンソメスープを注ぎ、1のパンも加え、蓋をして20分間煮込む(パンがやわらかくトロっとするまで。煮込みすぎるとべちゃっとなるので注意!)4. 器に注ぎ、お好みで刻んだパセリを彩りにのせて、できあがり。これからますます寒くなる冬にぴったりな一品です。パンがカチコチに…と困ってしまったら、ぜひ試してみてください。Text/太田みお働くおひとりさまにとっての毎日はめまぐるしくて、ゆっくり季節を感じる時間さえ取れないですよね。 「休日のたった1時間でいいからほっとしたい…」元外資系バリキャリから一転、丁寧な生活を目指して料理研究家になった太田みおさんが、四季の彩りを簡単に楽しむ「レシピ=歳時記」をお届けします。
2017年12月13日第29回「ひとりが楽」と「ひとりが好き」の本意とは(c)つめをぬるひと今回は、「(誰かと一緒にいたいと思っているけど、深く傷つけあう関係がめんどいから)ひとりが楽」という投稿。ひとりが楽、ひとりが好き、というスタンスには、一言では語り尽くせない裏がある。ひとりでいることの良さは、人との煩わしさがないこと。しかし、人はひとりだけで行きていくのはほぼ不可能に近い。ひとりで生きていくこと、とはつまり、無駄に干渉してこない周囲でちょうど良い距離を保ちながら過ごすことと言えるだろう。それでも私達は、誰かと一緒にいたい時がある。こちらから歩み寄りたいと思う人と、ちょうど良い関係を保ちたいだけの人とがいる。歩み寄りたい人にも、同じように自分に歩み寄りたいと思ってもらえないと成立しないし、逆に、自分はそこまで干渉されたくないけど、相手から必要以上に歩み寄られて苦痛に感じる場合もある。自分の思いと相手の思いは合致しない場合が多く、これが面倒くささに繋がる。ひとりでいることが好きな人は、こういう人との距離感や難しさを分かっていて、本当はそういう人のほうが人間関係を築くのが上手なはずなんだけど、上手なのに、いや上手になってしまったからこそ、積極的に関係を築かない。と、真面目なことを書きながら私は、映画『ピンポン』で、「才能は求める人間にのみに与えられるものではない」というセリフを吐く眉毛のない中村獅童が脳裏に浮かんでしまったので、この話は終わり。今回はひとりが楽という思いに秘められたごちゃごちゃした思いや面倒くささを描いた。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<爪は身体で唯一、気軽に表現できる媒体だ!>もチェック!手軽に表現できる爪を堪能しよう。
2017年12月11日12月に入り、2017年も残りわずかとなりました。クリスマス仕様に飾られたイルミネーションを楽しみにしている方も多いのではないでしょうか?年末に向けて買い物をすることも増え、繁華街にあるデパートを目指して出掛けることも多くなるこの季節。例えば、銀座散策を楽しんだ後でしたら、そのまま日比谷まで足を伸ばして、うっとりするほど美しい飲み物に見惚れながらひと休みするのはいかがでしょうか?銀座散策のあとは優雅に…「紅鹿舎」今回おすすめしたいのは、地下鉄日比谷線・日比谷駅からほど近くにある「紅鹿舎」。“ピザトースト発祥の店”として有名で、レジカウンターの下にあるショーケースにはお忍びでやってきた海外の著名なスターのサインが入った皿なども展示されています。大きなメニュー表を開くと目に飛び込んでくるのは、ホットケーキにパフェ、焼き立てのパイ、そしてパスタやサンドイッチにカレーなど、本格的な洋食の数々…。飲み物も含めると数えきれないほど、思わず嬉しい悲鳴をあげてしまう豊富なメニューですが、その中から是非注文して頂きたいのは「カフェ・タカラズカ」。細工の施された繊細なソーサーに乗せられて運ばれてくる、逆円錐型の小さなグラス。中には美しく青い液体と、バラの花の形をした生クリームにトッピングされたカラフルなチョコレートスプレーで彩られています。その上から、なんと店員さんがあたたかい珈琲を勢いよく注いで下さいます。すると、中に入っていたクリームがくるくると回り出し、その名の通り、まるでステージの上で踊る華やかなスターのよう。場所柄、宝塚ファンが多く訪れるこちらにぴったりの飲み物に深く感動する、ここだけの特別な味。喫煙スペースの壁画に思わずうっとり店内は分煙になっており、禁煙席が広いことも嬉しいのですが、店内奥にある喫煙席の壁面には美しい絵が描かれていますので、お手洗いに行かれるついでにちらりと覗くことをおすすめします。一度は食べたいピザトーストはもちろん、私が好きなのは「ハワイアントースト」と「プリンホットケーキ」です。「ハワイアントースト」は、厚切りのパンの上に、パイナップルとハムとチーズがトッピングされたもの。意外な組み合わせに思えますが、これがとても癖になる味なのです。そして、熱々のホットケーキの中に、プリンとアイスクリームでたっぷりな「プリンホットケーキ」は、美しい3層の組み合わせについ夢中になって食べてしまいます。魅力的なメニューがたくさんある「紅鹿舎」。一度のみならず何度も何度もこちらへ足を運んで、自分のお気に入りを見つけてみるのはいかがでしょうか?Text/難波里奈前回記事<煙草を燻らす方々の姿も純喫茶の風景の1つですが…全席禁煙を決意した「穂高」の想い>もチェック!今夏禁煙を決断したお店の方たちの思いは?
2017年12月08日転職して1ヶ月が経ったby Kaboompics // Karolina今の会社で働き始めてから、1か月が経過した。入りたての頃は何をしていいのか分からず、毎日バタバタと時間だけが過ぎていっていたような気がしていたけれど、最近は力の抜き方を少しずつ覚え始めて、自分がやらなければならないこと、どこを目指せばいいのか、などが分かってきた。実は、私は前職も前々職もすぐに辞めてしまっている。だから、今度も肌に合わなくて、すぐに逃げたくなってしまったらどうしようと思っていたけれど、今のまま会社の方向性が変化せずにいてくれたら、ずっと頑張っていける……はず。幸い、いい人達ばかりで、週に何度も飲み歩いている。社員は前職の何倍、何十倍も多いのに、色々な人が私に声を掛けてくれるようになった。以前、ひとり暮らしを始めたことについてのコラムでは「ちゃんとひとりで生きていけるようになりたい」と書いた。ひとり暮らしをはじめること、そしてひとりでいることを楽しむ基盤として、きちんとした仕事に就いて生活できるだけの金銭の余裕があることは、かなり大切だと思っている。まあ、こんなこと最近になってやっとひとり暮らしを始めた人間に言われても説得力がないかもしれないけれど。口癖のように「働きたくない」と私は言う。けれど、絶対に叶わないことを知っている。女性には結婚という手段があるから働かないことは可能かもしれないけれど、専業主婦をひとり雇えるくらい年収の高い男性が私のことを好むとは思えないし、そもそも結婚できる気がしない。そして、家事・育児全般が向いていないので、専業主婦になるくらいなら働いていた方がマシだ! と幼い頃から考えていた。だから、私のいう「働きたくない」は、「空を飛びたい」とか「佐々木希になりたい」とほぼ同義だ。まあ、働きたくないという気持ちは佐々木希になりたい気持ちよりずっと強烈なんだけど。月曜が来るのがそんなに嫌じゃないどうせ、私は働かなければならない。だったら、できる範囲で頑張りたい。自分の力を試したい。自分の能力をどんどん成果とお金に換えて、自分の生活がもっと楽しくなるように工夫をしていきたい。どうせやらなきゃいけないなら、人から評価されるようになりたいし、もっと力を身に付けていきたい。平日の1/3以上を仕事に費やさなければならないのなら、何らかの意味を持っていたい。「働くことは辛くてつまらないことだ」と言う人がいるけれど、そんなのは嘘だ。辛い仕事は、人間関係がうまくいっていないからだし、つまらないのは自分の成果が正当に評価されていないからじゃないかと思う。あとは長時間労働とか福利厚生がちゃんとしていないとか、色々な理由があるかもしれないけれど、「辛い」「つまらない」のは仕事という側面ではなくて、要素の一部なんじゃないかと私は思う。会社の人と一緒に仕事をすることに意味を持っていて、自分の能力に何らかの形できちんと対価が支払われるなら、自然と仕事は楽しくなる、はず。たぶん。だから、私は退屈な仕事を辞めることにして、転職をしようと思った。前職はすぐに辞めてしまったけれど、幸い次の仕事はとてもいいタイミングで見つかった。お給料も少し上がったし、今後の頑張り次第ではもっと上げてくれるらしい。残業にはうるさくて、あまり職場に残ることができない。人間関係も、確かに合う人・合わない人はいるけれど、悪くはないと思っている。私が仕事に求める条件を、今のところはすべてクリアしていて、楽しく働くことができている。今の仕事は自分よりもずっと能力のある人が沢山いて、気が付けなかったことや知らないことを日々学習しつつ、毎日せかせかと働いている。馬鹿みたいなイージーミスもするし、人に助けられてばかりいる。でも、何年、何十年後になったとき、もっと広い範囲で仕事ができるようになって、生活面だけではなく、仕事の面もひとりでなんでもできるようになれればいい。とりあえず、今は月曜日が来ることがそれほど嫌ではないので、この気持ちがずっと続けばいいな、と思っている。Text/あたそ<タイミングを待っていたら遅すぎる。突然決めた、初めての一人暮らし>もチェック!自分の生活ぐらい自分で責任を持ちたいから、とんでもないことだって勢いで決めてしまおう。
2017年12月05日インターネットの住人に言われてしまったことby josealbafotosもう数年前のことなので言いますが、私がまだ芸術や文学などの硬めの話題以外には、あまりインターネット上で触れないようにしていた頃。たまにはいいかと思い、珍しく大々的に、自分の恋愛観をブログに書いてみたことがありました。突っ込みどころが多い内容ではあったので、方々からいろいろなご意見をいただいてしまったところまでは良かったのですが、その中に少々、気になるコメントが混ざっていまして。私が普段は言及しない恋愛の話に手を出した理由をその人なりに解釈したのか、「こいつは人生で初めて彼氏ができたもんだから浮かれてるんだ」と、見ず知らずのインターネットの住人に言われてしまったのです。当時も今も、私の恋愛に対する考え方には未熟な面があるとは思います。が、少なくともその数年前の時点では、私にはお付き合いして5年以上経つパートナーがいたので、決して「人生で初めて彼氏ができた」わけではありませんでした。なのでそのときは、「人は見えていない部分を自分が嚙み砕きやすいように補って解釈するんだなあ」と、妙な感慨にふけってしまいました。私自身も、ずっと男性だと思い込んでいたTwitterアカウントが実は女性だった……なんてことはザラにあります。「こういう発言をする人は、こういうタイプにちがいない」という早合点は多かれ少なかれ誰でもやってしまうことですが、それがどんな対象であれ、24時間365日付き添っているわけではないのだから、見えていない部分があるのは当たり前。「自分には見えていない部分がある」ということに、常に自覚的でありたいなあとそのとき思いました(なかなか難しいけれど)。隣の芝生はいつだって青い……という私の話は脇に置いておいて、「(主に好きな人の前で)素直になれない」という声を、女性の間でよく聞きます。本当は好きな人に甘えてみたいけどガラじゃないからできないとか、上手く本音が言えないとか、めんどくさい女だと思われるのが嫌だから不満を吐き出せないとか。そして、好きな人の前で屈託なく笑うことができて、素直に甘えられて、相手を手のひらで転がしながら自分のペースに巻きこんでいく力を持っている隣の女性を、「私も、あの子みたいにできたらいいのになあ」っていつも羨ましく思っている。「女性の間で」と他人事のように言いましたが、もちろん私自身も、そうやって羨ましがることはあります。だけど、そんなふうに思ってしまったとき、私はいつもあの数年前の出来事を思い出すんです。私たちには、見えない部分を勝手に脳内で補ってしまうどうしようもない癖がある。「あの子はいつも上手くいっている」と決めつけて、都合よく羨ましがって、落ち込んでいる。だけど、実際に近くにいる知人友人と話してみたり、いろいろな女性が書くエッセイやブログなんかを読んでみると、いつも素直で明るくて、好きな人に上手に甘えられて、常に屈託のない笑顔を振りまくことができている女性なんて、この世に絶対に1人もいないです。「かわいげがなくて素直になれない」のは、たぶんみんな一緒みんな多かれ少なかれ、「私はかわいげがないなあ」って思っているし、「素直になれないなあ」って思っている。相田みつをみたいになってしまいますが、だって、人間だもの! いつも本音を言うことができて、素直で可愛くいられる女性なんて、幻想の中にしかいないんじゃないでしょうか。常にかわいくて屈託のないように見えるあの子だって、それを24時間365日やれているはずがない。私たちに見えているのは、彼女の薄っぺらい表面だけです。世の中は、素敵な女性や才能を持った人であふれ返っています。彼ら/彼女らを羨ましく思うことも、嫉妬してしまうことも、減らすことは可能でも、完全になくすことはできないのでしょう。だけど、彼ら/彼女らが陰でどんな努力をしているか、どんな涙を流しているかを知りもしないで、「いいなあ、私にはできない」と指を咥えたままでいるのは、実はすごくずるいことなのかもしれない。「あの人の中には、今の私には見えていない部分がある」。難しいけど、仕事や恋愛で誰かを羨ましく思ってしまったとき、これだけは覚えておきたいと私は思うのです。Text/チェコ好き前回記事<目覚めよ本能。「自意識過剰」を手放せば、心の重荷がちょっと減る>もチェック!究極のミニマリスト・稲垣えみ子著『寂しい生活』を読んで感じた、「自分を手放す」ことの必要性。
2017年11月30日冬にひまわりが咲くんですか?札幌に来ました。11月の北海道は、ちょっぴりシーズンオフな感じです。イベント施設は10月末で閉まっていたり、冬のオンシーズンを迎える前にちょっぴり休館していたり。ということは、必然的にグルメの旅になるわけですね。あったかい室内で、スープカレーやお寿司、ジンギスカンなど、口がいくつあっても足りなそう。しかし11月は、東京で言えばまだ冬を目前に控えた秋って感じですが、札幌はもはやどっぷり冬でした。だってもう雪まみれでしたよ?以前、雪の季節に北海道に行ったときは大変だったんです。キャリーバッグは雪で転がせないわ、転がらないキャスターの代わりに自分の靴は滑るわ。そして空気は痛いほど寒くて、外を歩く気力を吸い取られました。なので今回は、脱着式スパイクを買い、ダウンコートにセーターにヒートテック、160デニールのタイツと遠赤外線靴下と、おしゃれとか三の次くらい、とにかくモコモコ分厚い防寒重視のラフなスタイルで札幌に乗り込んだんですよ。ところで『ガラスの仮面』で有名な美内すずえ先生の短編に、「冬のひまわり」(『13月の悲劇 (白泉社文庫―美内すずえ傑作選)』より)という短編があります。主人公の女子がふとしたことで隔離された村にたどり着くと、そこでは人々は氷点下だというのに半袖で歩き回り、氷のベッドで眠り「体を温めると病気になっちゃう」などと言って、冷製にも程があるかき氷みたいなスープを美味しそうに飲んでいます。とにかく、体感温度がとんでもなく低い人種が住んでる村にひまわりが咲いていた、というお話です。札幌に来てびっくりですよ。10度にも満たない気温の中、ほとんどの人たちはジャケットだかセーターだかよくわからない、通気性のよさそうなアウターしか着てないし、ストッキングにパンプスなんて人もいましたよ! ここは冬にひまわりが咲くんですか?しかも、和久井がランニングシューズにスパイクつけてガッキャガッキャ音立てて歩いてるっていうのに、8cmヒールとか履いてる女子がゴロゴロいるんです。そのピンヒールの先にはスパイクがついてるんですか?北へ向かうなら季節の変わり目がおすすめ盛り上がった雪の上を歩くか、へこんだ氷の上を歩くか……和久井なんぞスパイクを着けてても、たまにズルッと滑るので、トボトボ足元を確認しながらじゃないと歩けません。あそこに路面が見えてるところがあるから、次はこっちに足を出して……あそこは凍ってそうだからこっち……と、もう考えることがいっぱいです。砂利が撒かれてドラゴンフルーツの果肉みたいになってる雪の積もった路面を、前よーし、横よーし、みたいに確認しつつ歩くんです。Googleマップの指示通りの時間にはとうてい目的地にたどり着けません。なのにみんな、颯爽と上を向いて和久井の3倍の速さで駆け抜けていくんですよ。よく「関東(とかの雪の少ない地域)の人は、雪上の歩き方がへたくそだ」なんて聞きます。雪国の人たちは、足を滑らせずに、真上からそっと置くようにして歩くとかいいますけど、そんなこたあもうすでにやってますよ!それでも足がズルッといくんです。 こうなると雪国の人たちは、足の裏に何か仕掛けがあるとしか思えません。もう、外を歩く緊張感たるや天皇陛下へ拝謁するかのごとくですよ。目的地にたどり着いたときの達成感は、チョモランマ登頂って感じです。ご飯を食べに行ったレストランのスタッフに「みんな歩き方が上手いですね」と言ったら「私は6年こちらに住んでますが、育ちが関東なので上手くないですよ」と言ってました。雪の上にも3年どころじゃないんですね。札幌市民の方に「このあたりは雪が降っても除雪しないんですか?」と聞いたら、「今はまだ雪の量が大したことないんで、やるのは12月以降です」と言われました。見渡す限り車道も歩道も雪まみれ、踏みしめられた雪でゴボゴボツルツルになってるというのに「大したことない」ですと?年に数回、積もるか積もらないかの雪しか降らない関東平野で生まれ育った和久井には、驚愕の常識違いです。北へ向かうなら、季節の変わり目がオススメです。異世界で冬のひまわり体験ができますよ。Text/和久井香菜子前回記事<スリル満点な田植え体験!見ず知らずの4人が「10年来の友人」に>もチェック!1泊2日の農業体験ツアーに行った和久井さん。結束した体験者の皆さんと、ちょっと不思議な出来事も…
2017年11月29日第28回「色を重ねるだけで高揚」(c)つめをぬるひと今回は「職場がNGなため、今までそれほどネイルに関心がなかったのですが、つめさんの作品を見て、私もやってみたいなあと思いました。オススメの楽しみ方教えてください!」という投稿。ありがとうございます。つめをぬるひとの「爪塗り」に来られる方は、「人に塗ってもらったことがない」「今まであまりネイルに関心がなかった」という方が多い。私もネイルサロンで塗ってもらったことがない。ジェルネイルもしたことがない。もし私がネイルサロンに行こうものなら、そわそわして落ち着かなくて、このページの倍はレポートが書けそうな気がする。つまり、私はネイルアーティストではない。爪を塗ることは出来るけど、使用している道具はマニキュアと通常の絵筆のみ。その前提で読んでほしくて、前置きを長く書いてしまったが(保身)、今回は、絵筆がなくてもマニキュアだけで描ける柄を紹介しようと思う。用意するものは好きな色のマニキュア数色だけ。出来れば3、4色はあったほうが良い。淡い色と濃い色があっても良いし、淡い色だけで揃えても良い。1色だけラメが入ったものがあると可愛い。まず、1色目を大きいドット柄のように描いていく。特に配置は揃えなくて良い。その隙間を埋めるように2、3、4色目を描く。最後に乗せる色はラメ系にするのがおすすめ。ゴールドやシルバーなどのメタリックなマニキュアにすると、箔のような仕上がりになってこれもまた良い。なんというのか分からないが、最近この柄を使うのが好きで、つけ爪にも多用している。また、職場でネイルがNGな人はつけ爪がおすすめ。出かける時だけつけて、帰宅したら外す。アクセサリー感覚で爪も身につける。爪は身体の部位で唯一、手軽に描写・書き換えの出来る表現媒体だ。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<遠方までやってきたんだから、ひとり旅で顔色伺う必要なんてない>もチェック!ぜんぶ、自分のやりたいことを。
2017年11月27日目覚めよ、本能『寂しい生活』/稲垣 えみ子(著) /東洋経済新報社稲垣さんは、東日本大震災の原発事故をきっかけに、徹底した節電生活を始めたという方。「断捨離」などというレベルではなく、冷蔵庫も洗濯機も手放し電気代は月数百円以下、さらにガス契約までやめてしまったというから驚きます。そしてそんな生活を一人で続けているうちに、稲垣さんは「自分のこととかどうでもよくなっちゃった」らしいのですが……。動物的本能を取り戻すと、自分のことはどうでもよくなる「自分のこととかどうでもよくなっちゃった」というのはもちろん、部屋が汚くなったとか、身なりが清潔でなくなったとかの、セルフネグレクトのことではありません。「自分が」幸せになりたい、「自分が」成功したい、「自分が」人に認められたいなどの欲望が薄まり、他の人がどうしているか、きちんと幸せでいるか、そっちのほうばかり気にかかるようになったといいます。稲垣さんによると、電気代を月数百円にまで抑えるというのはやはり小手先の技術では上手くいかなかったようで、常に電力を消費している冷蔵庫を捨てるとか、仕事が終わって家に帰ってきても部屋の照明を一切つけないとか、根本的なところから生活を変える必要があったみたいなんです。すると、たとえば照明を一切つけないとなると、帰ってきて鍵を開けたとき部屋が真っ暗なので、目が慣れるまでしばらく玄関にたたずんでいなければなりません。でも逆にいうと、しばらくたたずんでいれば暗闇でも目が慣れてくるので、お風呂に入るとか着替えるとかの日常的なことは、照明がなくても普通にできるらしいのです。このエピソードで私が思い出したのは、昨年バリ島を旅したとき、ウブドで田んぼのど真ん中にある宿に泊まったときのこと。田んぼのど真ん中なので、電灯も周囲の店の明かりも一切なく、夜は暗い畦道の中を一人で歩いて戻らなくてはならなかったんです。iPhoneの懐中電灯で道を照らしていたとはいえ、ねばり付くような暗闇は本当に怖くて、周囲で動物や虫の鳴き声がするたびにビビっていました。でもそのときの、自分の五感がフルで動く感じや、危機意識のあまり動物の本能が少し戻ってくる感じは、ちょっと楽しかったんですよね。なぜ生活の中で様々なものを手放すと「自分が」という意識が薄まるのか、その原理の詳しいところはよくわかりません。でも、「パートナーがいない」「友達が少ない」というだけで「私は孤独だ……」と思うのはもしかしたら早合点で、私たちは実は、本当にいろいろな命に囲まれて生きています。暗闇の中を歩いたり、冷蔵庫や暖房器具を捨ててみたりすると、動物的本能が目覚めるせいかそのことに気付きやすくなるのでしょう。「自分」を手放せたら、心がちょっと軽くなる久々に会った人に対して、「あれ、この人、前より明るくなったな?」と感じたことってありますか? そういうとき詳しく事情を聞いてみると、状況はさまざまだけれど、総合すると、稲垣さんが言うように「自分のこととかどうでもよくなっちゃった」となっているケースが多い気がします。出産したとか、不毛な関係が続いていた恋人とお別れしたとか。「自分が」という意識を捨てられたとき、私たちはもしかしたら、今までより少し自由に生きられるのかもしれません。かくいう私はまだまだ「自分が」ばかりの人間なので偉そうなことは言えないですが、まわりの人の幸福を願うって、心が安定していないとできないことです。矛盾した言い方だけど、一人で生きているからこそ、一人で生きているわけじゃないことを、忘れないようにしたほうがいいのかもしれません。Text/チェコ好き前回記事<すぐアウトプット、すぐ評価されたい。現代人の「思いついたらすぐ言っちゃう病」>もチェック!つぶやけばすぐ反応が返ってくる現代だからこそ、一人で温め続ける思いがあれば尊い。
2017年11月25日朝起きて布団から出たくないと感じるようになり、本格的な冬がやってきたと実感するこの頃です。皆さまはいかがお過ごしでしょうか?外出の途中に、ふらりと立ち寄った純喫茶で飲むあたたかい珈琲が、ますます美味しい季節ですね。さて、純喫茶ととても縁があるものでありながら、苦手な方も多く、悩ましい存在である「煙草」。純喫茶をテーマとしたイベント時の質疑応答でも「禁煙席がある店を教えてください」と多く聞かれます。これだけ純喫茶に夢中な生活をしておりながら、私も煙草は吸わず、近距離で嗅ぐその匂いはとても苦手です。純喫茶以外の飲食店では必ず禁煙席を選ぶほどなのですが、それが純喫茶のこととなるとまた話は別で、恋をしているゆえの弱みのようなもので、その風景込みで愛してきたという背景もあり、自分の中で折り合いをつけられています。とはいえ、身体の事情がある方やお子さん連れの方には切実な問題であるのも確かです。そんな皆さまに、今夏より全席禁煙となった御茶ノ水の純喫茶を紹介したいと思います。全席禁煙に踏み切った、山好きマスターの「穂高」JR中央線と総武線が並走する御茶ノ水駅の聖橋口改札を出て、右手にわずか30秒ほど歩くと見えてくる「穂高」。店名が示す通り、山好きのマスターと奥様、お嬢さまにアルバイトの方々というアットホームな雰囲気がこちらの特色です。昭和30年創業、長い間どちらの席からも煙草の煙がぷかぷかと浮かんでいましたが、マスターの体調不良がきっかけで、また働く人たちの受動喫煙を防ぐため、2017年8月より全席禁煙となりました。純喫茶へ行きたくとも煙草が苦手な方たちからは喜びの声はあるものの、喫煙される常連客の中には足が遠のいてしまった方も多いそうで「前より静かになってしまいました」と二代目のお嬢さんはさみしそうに笑って話して下さいました。煙草のある風景もまた、純喫茶の醍醐味でもある今までにいくつかの純喫茶の店主たちからも、それぞれの事情をきっかけに禁煙に踏み切った話を伺いました。確固たる決断ではあったものの、しばらくの間は客足が減ってしまったり、毎日のように姿を見せてくれていた常連客たちに会えないことを寂しく思うとのこと。ただ、今まで出会えなかったような人たちがきてくれるようになったと、嬉しい側面もあるそうです。「純喫茶がとても好きで色々と行きたいのですが、煙草が苦手な場合はどうしたら良いですか?」と聞かれた時、わたしは「お店が認めているということは、その環境も込みで、そちらの純喫茶の醍醐味かもしれません。なるべく煙の少ない時間帯を見極めるなどして、自分の中で納得できる時にお邪魔しましょう」とお答えしています。「穂高」は季節を感じられる窓際の席がとてもおすすめです。店員さんたちもてきぱきと働かれていてとても居心地の良い素敵な空間ですので、煙草が苦手な方々も、吸われる方もこの時ばかりはしばし煙草を忘れて、居心地の良い「穂高」にてお好きな一杯をゆっくりと味わうのはいかがでしょうか?Text/難波里奈前回記事<焼きサンドウィッチと珈琲が絶品!マスターと楽しくおしゃべりできる純喫茶「TOM」>もチェック!映画のようなエピソードを聞きながら美味しい珈琲を楽しめる、代々木駅前の純喫茶。
2017年11月24日とんでもないことを決めてしまった突拍子もなくひとり暮らしがしたくなって、深夜に適当な物件を検索し、内見の申し込みをした。それから1週間も経たないうちに、マンションの一室を契約してしまった。なんだか、とんでもないことを決めてしまったような気もする。私は、生活のサイクルやローテーションみたいなものが少しでも変化すると、眠れなくなる。眠れなくなると、考えがどんどん激化していき、普段は派手すぎて着られないワンピースを買ってみたりとか、敷居が高くて行けなかったエステを予約してみたりとか、冷静な状態では決断できないようなことを簡単に決めてしまう。今回もその一環で、転職をしたら勤務地も人間関係もすべて変化して、眠れなくなった。そして、深夜の軽いノリみたいなもので、坂道を転がるような速度でひとり暮らしを決めた。2、3週間ほど経てば引っ越しもできるらしいのだけれど、今は全く実感がない。住む場所を決めるのは、仕事を選ぶとか結婚する相手を決めるとか、そういうことと同じくらい人生で重要だと思っている。なのに、大した決意も固まらないまま、「内見の申し込みをしてしまったし、まあ、しょうがないかな」くらいの軽い気持ちで、なんとなく決めてしまった。物件の内見だって、5分くらいしかしていない。馬鹿なのは、私が一番よく知っている。例えば、将来の夢のひとつとして、「結婚したい!」とか「子どもが欲しい!」とか、近い未来にいつか叶えばいいような思いは誰でも必ず持っていて、私の場合は「ちゃんと一人で生きていけるようになりたい」という思いがずっとあった。人が誰ともコミュニケーションを取らずに、たったひとり東京で生きていくのは無理だとは分かっているけれど、出来るだけ誰の力も借りず、なるべく迷惑をかけずに生きていけたらいいのに、と思っていた。それで、決断することができずにズルズルと居座ってしまった今の家は、父親のものだった。私の両親は離婚をしていて、協議の際に、妹が大学を卒業するまでは今の家に住めることになっている。そのタイムリミットも迫っていた。母親には「それまではここで暮らせばいいのではないか?」と言われていたのだけれど、それでは遅い気もしている。父親との関係は、縁を切ってしまうほど険悪だった。一方、私と母親の関係性は、よくもなければ悪くもない。「年齢を重ねれば重ねるほど、母親の言動が理解できなくて、腹ただしく思うようになる」と、友人と話したことがあるのだけれど、我が家もそんな感じだ。うっとおしく、そして遠慮の気持ちが日に日に強くなっていく。きっと離れるべきなんだろう、と思っていた。自分の生活にだけは責任をもって生きていきたい色々な理由があって、一人で暮らしてみたかった。結婚適齢期である今、賃貸マンションの契約を締結してしまうのは、なんというか結婚も恋人とも遠ざかる行為だと思う。その代わりに、どんどんひとりで生きることが得意になって、ふとした瞬間に感じる寂しさにどんどん近づいていくのだろう。でも、どんなことをしていても「寂しい」と思うことなんてなかったから、ちょうどよいのかもしれない。寂しいってなんだろう。私は、寂しくなったらどうなるんだろうか。結婚だって、子どもを産むことだって、相手がいなければできないことで、私にはとても縁が遠い。将来的な可能性がわずかにあったとしても、今すぐではないと思っている。最近では、誰かに気に入られたいとか出会いを求めてどこかに行こうという気持ちもなくなってしまった。だから、せめて自分の生活にだけは、きちんと責任をもって生きていきたい。家を決めることは、誰の気持ちも関係がないことで、私が納得していればいい。今回契約した物件は、築浅でフローリングもきれいだし、バスとトイレも別で、なかなか気に入っている。だから、掃除も全然できないし、犬とも離れて暮らすことになるので少し寂しいけれど、きっとうまくいくはずだ。今から、勢いで決めてしまった新しい生活に、ワクワクしている。Text/あたそ<旅行は間違いなく価値観を変える。少しずつ変わっていった私の価値観>もチェック!旅する理由に「価値観を変えたくて」と語る学生。彼らに感じた違和感の正体とは。
2017年11月22日料理はやっぱり、できたてが一番美味しい毎日忙しい中でも、とらなければいけない食事。食事をきちんととらないと、エネルギーもわいてきませんよね。忙しい→食事が適当になる→体調が崩れる、の悪循環に陥ってしまったら悲劇です。これから年末にかけて、寒さは増して風邪をひきやすくなりますし、忘年会など外食の機会も増えてきて、体調管理も大変になってきます。こんなときこそ、家で栄養のある健康的な自炊をしたいものですが、忙しくて時間もない中で、手の込んだ料理なんてできません。仕事から疲れて帰ってきてるのに毎日そんなことまで頑張っていたら、倒れます。昨年ベストセラーとなった、料理家の土井善晴先生の著書『一汁一菜でよいという提案』は、無理して品数を揃える必要はないんだよ、具沢山の味噌汁とごはんがあれば日常の食事は十分、という美学を説き、多くの人を勇気づけてくれました。基本的には私も、それでいいと思っています。身体がその時欲しているものを、1品でも、自分で作ることに意味があると思うので。でも時々、無性に品数が欲しくなるとき、ありませんか? 仕事から疲れて帰ってきたとき、誰かが自分のために栄養たっぷりの一汁三菜を用意してくれていたら…と妄想したことがあるのは私だけではないはず。そこで思い浮かぶのが「常備菜」という言葉。私も、一時期がんばって常備菜を作っていたことがありましたが、すぐにやめてしまいました。なぜなら、常備菜をまとめて作るのはかなりのエネルギーと時間が必要なわりに、あまり美味しくないと思ったからです。料理はやっぱり、できたてが一番美味しい。簡単でもいいから、出来たてのいきいきした料理を毎日食べたい。そう思うようになってからは、その日食べるものはその日作るようになりました。手間を最小限におさえた料理のコツを知っておけば、無理なく毎日でも一汁三菜にありつけるのではないでしょうか。そこで今日は、時短料理のコツと、20分でできる一汁三菜を1献立、ご紹介します。時短料理のコツ★ 一気に取り出す、洗う、切る。ひとつの作業はまとめてすることで無駄な動きが省ける。★ 洗い物を最小限におさえるため、フライパン使い、鍋使いを工夫する。秋の味覚たっぷりの一汁三菜献立白ごはん秋鮭の塩焼き蓮根と舞茸のきんぴらゆで小松菜白菜とお揚げの生姜みそ汁(身体があったまる!)<材料>2人分秋鮭切り身 2枚蓮根 1節舞茸 1/2パック醤油 大さじ1弱みりん 大さじ1弱白ごま 適宜一味とうがらし 適宜小松菜 2株白菜 1/6カットを1/3油揚げ 1/2枚生姜 すりおろし大さじ1味噌 適量1. まず、材料をすべて冷蔵庫から出す。野菜をすべて洗う。秋鮭に塩をふってしばらく置いておく。鍋にみそ汁用のだし汁をあたためておく。2. 野菜を切り分ける。蓮根は皮をむいて薄い銀杏切り、舞茸は手で食べやすい大きさにちぎる。小松菜は株元を切り落として半分の長さに切る。白菜は食べやすい大きさにざく切りにする。油揚げは1cm角に切り分ける。生姜は大さじ1杯ぶんすりおろす(ここまでで5分経過)。3. (ここからあと15分で仕上げます!)1のみそ汁用のだし汁(適量)でまず小松菜を茹でる。色があざやかになり食べやすいお好みのやわらかさまで茹でたら、菜箸でざるに取り上げ、冷水に落として色止めし、よく水気を絞って3cm幅くらいに切り分ける。4. 3の鍋でみそ汁を作る。2の白菜、油揚げ、しょうがのすりおろしを加えて中火で火を通す。5. 大きめのフライパンに手前にサラダ油を、奥にごま油をひき、中火であたためる。1の秋鮭から出ている水分をキッチンペーパーでよくふきとり、フライパンの手前で皮目から焼き、両面焼き色をつけるように焼き中まで火を通す。同時に奥のごま油で、蓮根と舞茸を炒める。しんなりと火が通ってきたら、みりんを加えて絡め、次に醤油を加えて照りが出るまで炒め絡める。お好みで一味とうがらしを加える。6. 4の鍋に味噌を溶く。7. それぞれ盛りつける。きんぴらにはお好みで白ごまを乗せる。小松菜にはお好みで鰹節をのせ、ポン酢醤油などをかけて頂く。無理のない脱力系の一汁三菜で、この秋ぜひ、充実した食事を楽しんでください。食事はすべてのはじまりです。Text/太田みお働くおひとりさまにとっての毎日はめまぐるしくて、ゆっくり季節を感じる時間さえ取れないですよね。 「休日のたった1時間でいいからほっとしたい…」元外資系バリキャリから一転、丁寧な生活を目指して料理研究家になった太田みおさんが、四季の彩りを簡単に楽しむ「レシピ=歳時記」をお届けします。
2017年11月17日第27回「気兼ねなくひとり旅」(c)つめをぬるひと今回は「おひとりさまに向いている旅行プランを知りたいです!」という投稿について。私は1人で旅行をした経験はないが、つい先日、香川・倉敷へ行った際には初日から別行動をして、ほんの数時間だけ1人旅を楽しんだ。1人だと行きたいところに気兼ねなく行けるし、そこまで行きたいと思ってないところに付き合う必要もないので非常に気楽だ。その日、私は高松駅付近にいた。アーケード街にある「まちのシューレ963」というカフェやギャラリーが併設されたショップへ。自家焙煎珈琲店「プシプシーナ珈琲」のカフェオレベースや、さぬき伝統の祝い菓子「おいり」等、ここではひたすら自分が欲しいと思うものを購入した。その後、「北浜alley」という倉庫街へ。ここは古い倉庫をリフォームした喫茶店や雑貨屋が並んだエリアだ。そこで休憩の後、海沿いを歩いたり、オススメされていた店などを回った後、「高松市美術館」へ。その時開催されていた企画展「高松コンテンポラリーアート・アニュアル」では1時間くらい長居してしまった。こんなふうに、たった数時間ではあるが、私は一人旅を満喫した。おひとりさまに向いている旅行プランを考えるとすれば、とにかく周りの目は一切気にせず、ただ自分が行きたいところに行き、食べたいものを食べることだ。「ここといえばあの観光名所へ」「ここへ行かずしてどこへ…」という場所があったとしても、自分が特に行きたくなければ行かなくて良い。誰かがいると怪訝な顔をされそうなことでも、遠方まできて後悔するのはもったいない。旅は普段滅多に行かない場所だからこそ、恥をかき捨てるべきではないだろうか。今回はまちのシューレ963で出会った張り子「まるちゃん」や「おいり」を爪と共に。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<「ハードルは意外と低かったりする「ひとりラーメン入門」もチェック!おひとりさまなんて気にしない。
2017年11月13日