SOLOがお届けする新着記事一覧 (5/14)
旅先で持て余してしまう夜の楽しい過ごし方(c)Pixabayおひとり旅の場合、旅先で意外と時間をもてあますのが、夜だったりします。特に京都なんか、お寺だの神社だのはだいたい5時とか5時半に閉まっちゃいますよね。そこから夜が長いこと長いこと!和久井はぜんぜんグルメじゃないので、おひとりで美味しいもの食べたいという意欲がありません。ビールさえあればよし。適当な定食屋さんに入って、定食とビールでおなかいっぱいにして、1時間もいたら出てきちゃいます。1日中歩き回ってるから、9時ごろ寝ちゃってもいいんですけどね。お泊まりする日もそうですが、帰る日の夜も手持ちぶさただったりします。深夜バスや復路ツアーの新幹線の時刻まで時間がある…でも、乗り遅れたら大変なのでベロンベロンにはなれない…なんてことがよくあります。だがしかし、見つけたのですよ、ちょっと楽しい夜の過ごし方。それは「映画館に映画を見に行く」です。「えーっ、映画なんて地元でも見られるじゃない!」と思いますでしょうか、思いますよね。思ってました。ところが、これがけっこう楽しかったです。最近はシネコンがあちこちにあるので、上映スケジュールをチェックしてみます。すると、自分の地元では終わってしまった映画とか、なんかすごーく古い映画のリバイバルとか、意外と「ナヌッ?」っていうのをやってたりします。もちろん、王道を観に行ってもよし。普段は映画を見に行く時間が取れなくても、旅先なら余裕がある…なんてこともありますよね。和久井は、京都で『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を、大阪で『沈黙-サイレンス-』を観ました。おひとり旅には文化活動がいい地方で観る映画のなにが面白いって、上映前のCMです。元気よく地元のボーリング場とか焼き肉店のCMをやってます。ぜんぜんわかりません。でも、地元の人ならみんな知ってるんだろうな~というノリの良さ。覚えておいて、翌日のネタにしてもよさそうです。『沈黙-サイレンス-』を観たあとは、そのストーリーの重厚さに脳みそがグルグルになってしまい、即座に電子書籍で原作を買って、バスの中で読みながら帰りました。そうそう、電子書籍って旅先でホント便利なんですよね。昔は、旅行に行ったら漫画は諦めてましたが、今は時と場所を選ばず、好きなだけ読めるんですよね。京都といえば、『GEAR』というショーがめちゃくちゃ面白かったです。三条のミニシアターでやっている舞台です。セリフのないノンバーバルのショー。<<人に忘れ去られた古いおもちゃ工場では、ロボット「ロボロイド」たちが働き続けています。ある日、かつてここで作られていたおもちゃの人形「ドール」が魂を持ち生きて現れます。ロボロイドたちはドールと触れ合ううちに、彼女の不思議な力によって少しずつ人間に近づいていく…>>というお話です。ロボロイドはパントマイム、ブレイクダンス、マジック、ジャグリングの達人たち。ストーリーの合間に惜しみなくその技を披露してくれます。それがめちゃくちゃレベル高いんです。ブレイクダンスなんて、クルクル回りながら天へ昇って行ってしまうかと思いました。キャラクターのしぐさはコミカルでたびたび小さな会場で笑いの渦が起こります。ごちゃごちゃした舞台美術もかわいらしくて、大興奮でした。あまりに面白かったので、友人と一緒にもう一度見に行きました。日によってキャストが少し変わるので、見られる技が違って面白いです。しかも舞台を見終えた友人がポツリと「キャストのひとりが、もしかして昔好きだった人かもしれない」とか言いだすんですよ。高校生の頃好きだった先輩がキャストの名前と同じで、おなじパフォーマンスの道に入ったのだとか。もう興奮しまくってあれこれ検索かけまくりました。まあ、別人だったんですけどね。というわけで、少し話がズレましたが、おひとり旅は文化的活動がとっても合うのです。おひとりの夜は、ぜひとも何かの鑑賞を。Text/和久井香菜子前回記事<ねらい目は今!新緑と残雪が見られる青森には「おひとりさま」の楽しみ処が満載>もチェック!今の季節は青森に行くといいことあるかも。
2017年06月07日衣替えにもコツがある!お手製防虫サシェで秋冬物にサヨナラを蒸し暑い季節になってきました。そろそろセーターなどの長袖は夜でも必要なくなり、本格的に衣替えをする時期ですね。理想的な衣替えの時期は、実はゴールデンウィーク前!本当は、衣替えは5月のゴールデンウィークまでにするのがよいと言われています。なぜなら、虫食いの原因となる虫が、卵を産みつける時期に入る前だからです。せっかく「しまい洗い」(※)をしても、干しているときに原因となる虫が卵を産みつけてしまうと、卵ごと収納してしまい、結果、虫食いの被害にあってしまいます。タイミングを逃してこれから衣替えをするという方は、ぜひしまう前に一度、アイロンの熱をあてることをおすすめします。熱で、虫も卵も死滅してしまうので、効果があります。かならず、「しまい洗い」を!冬物を収納するまえに、必ず一度でも腕を通したものは「しまい洗い」をしましょう。しまい洗い(※)とは、衣服をしまう前にもう一度洗うことです。皮脂のよごれや食べかす、シミなどを残さないことがポイントです。汚れが残っていると、虫の大好きな餌となって虫食いの原因や、黄ばみの原因にもなってしまいます。たたんで、立てて並べる!防虫剤を上に乗せる!しまう際には、たたんだあと、地層のように重ねるのではなく、縦に立てるようにして収納しましょう。そして、防虫剤は必ず上に乗せること。縦に立てることで、防虫剤の成分がまんべんなく上から下へ全体に行き渡り、どんな服があるのか上からすぐに把握することができます。防湿シートや除湿剤も入れるとさらに効果的です。(c)太田みお材料・ ハギレで作った袋・ ドライハーブ等 適量(防虫効果のあるハーブ:ラベンダー、ペパーミント、レモングラス、ティートリー、ゼラニウム、ユーカリ、シダーウッド、シナモン、ライムの皮、クローブ、ヒマラヤスギなど)・リボンハギレで小さな袋を縫い、その中にドライハーブを入れて、リボンで縛ります。まとめ・しまい洗いをする!・遅めの衣替えにはアイロンの熱をあてる!・縦並びにしまって防虫剤を上に置く!秋冬、お世話になった衣服たちに感謝して、気持ちよくこれからの暑い季節を迎えましょう~!Text/太田みお前回記事<夏までにやせたい!脂肪が落ちる食事法3つの鉄則を実践してみた>もチェック!いくら運動しても効果が出ない…という方は、食事法を見直してみましょう。
2017年05月31日決定的な理由はない。自分の生活に変革を起こしたものby Micah. H周囲の人と同じような生活をし、一段一段、階段を上るように人生のステージをクリアしてきたはずでした。しかし、ある日突然、何かに熱中しすぎてしまい、自分の生き方そのものをぶち壊してしまう人がいる。私もまさしく趣味によって人生を破壊してきたうちの一人で、自分の生活に少しずつ変革を与えてくれたのが、一人旅でした。当時、国外にすら出たことのなかった私。頭の中にあった「大学生になったら、なんとなく友達と海外旅行に行く」いう考えから、大学でできた友人と4人で向かった韓国。その後、「カレー好きだし楽しそうな国だから」とろくに調べもしないで初めて一人で訪れたインド。そして、「今行きたいと思ったから」と“新卒”の称号を蹴って、20か国ほどを周った約9ヶ月間。今思い返すと、これだけ旅行に人生を振り回されているのに、決定的な理由なんて一つもないんですよね。ただ「なんとなく行ってみたいから」という気持ちが強かったのと、後先考えない性格が上手く働いた結果なんじゃないかな、なんて思います。馬鹿なんですよ。今は会社員として働いていますけど、就職できていなかったらどうしていたんでしょうね。考えるだけで怖い……。先日もゴールデンウィークを使って1週間ほどキューバに行ってきたのですが、フライトチケットの確保、宿の予約、スケジューリングなど、全て自分で行い、キューバの公用語・スペイン語も話せぬまま、「なんとかなるだろう」と思いつつ向かいました。キューバに決めた理由も「なんとなく、行ってみたかったから」。現役で走っているクラシックカーが見たかったからとか、モヒート飲みたいとか、なんでもない動機ばかりが浮かんでいましたが、たまたまスケジュールにぴったりハマる航空券が手に入ったため、後先考えずに急いで購入してしまっただけでした。RPGの主人公みたいに無敵な私よく、「女の子一人で、危ないんじゃないの?」「一人で、寂しくないの?」と聞かれることがあります。でも私は、自分ひとりだけで旅をすることに意義があると思っています。私が一人暮らしをしたことがないからかもしれないけれど、今まで周囲に頼る人が誰もおらず、自分ひとりで決断をしなければならない機会に直面したことがありませんでした。でも、旅先では、私はただ一人の外国人。何を食べ、どこを歩き、誰に話しかけ、どんなことにお金と時間を費やすのか……生活における全ての決断と責任を自分で持つことができるようになります。例えば、道に迷った時に自分はどういう行動を取るのだろうとか、得体のしれない食事を出された時にどうするんだろうとか、そんな些細なことでも自分の性格や主体性の輪郭みたいなものが掴めるようになってくる気がして、何もかも自分でできるということが、時に強い自信に繋がったりもするのです。文化も肌の色も違う。食べ物も宗教も違う。言葉も通じない。日本よりもずっと犯罪や窃盗に巻き込まれる可能性が高いかもしれない。そういう異国の何も知らない路地をたった一人で歩いている私は、まるでRPGゲームの中の主人公みたいで、いつだって無敵でした。一人で決断をし、仕事も頑張ってお金も貯めて、その国の料理を口にして、たくさんのものを見て、色々な人と関わって、自分の知らないことを教えてもらって………そういう少しずつの経験の積み重ねで、私は今この道を歩いているんだと思うと、これからなんだって出来るような気すらしてくるのです。心細さや寂しさが勝ることはないキューバでの私も無敵でした。首都ハバナの旧市街という世界遺産の中を歩きながら、ここに辿り着くまでの決断や選択肢が少しでも異なっていたら、もしかして私は今この時間にこの道をあるいていないのかもしれない…なんて大袈裟ながら考えてみると、運命とか奇跡の中にいるような気がして、どんな風景を目にしてもドキドキしてしまうのです。もちろん、一人で心細いときもあるし、寂しいときもあります。「誰かと一緒に行けたら」と考えたことだってある。でも、この一人でなんでもできてしまう自由さと緊張感、そして自分で決めた道を歩いているという無敵感に、心細さや寂しさが勝ることがありません。私が無敵である限り、時間がある時はできるだけ色々なものを見ていたいなあ、なんて思います。とりあえず、次はオーストラリア! ベジマイト食べて、コアラを抱っこしてくる!!!Text/あたそ前回記事<自分から生まれるものは愛しい…?献血で知った、私の中の眠っている感情>もチェック!あたそさんがハマっているという「献血」は、おひとりさまの趣味に相応しい…?
2017年05月30日第15回:「買い物の葛藤」(c)誰に見せるでもない爪今回の読者投稿は「なかなかお金がたまりません。」という一文のみ。これのみ!切実なのに、どこか潔くて清々しい。こういう投稿も良いな、と感嘆してしてしまったがそんな場合ではない。「お金が貯まらない」というのは万人の悩み。それなりに稼ぎがある人は「お金はまあまあある」とは言えても、「貯金がしっかり出来ている」と自信を持って言える人は少ない。たくさん入ればそれだけ使い方も変わるし「お給料が上がっても生活水準はそのままに貯金する」ことは難しい。私が見てて良いなと思ったのは「欲しいと思ったものがあれば、それを人に相談する」ということだ。まず自分が「貯金をしたい」と相手に話した上で、その相手に「これ欲しいんだけどどう思う?」と聞く。相手には「似たやつ持ってる」「前にも買ってた」「もっと安いとこで同じようなのある」とビシバシ言ってもらう。その指摘に思わず納得してしまう人を相手に選ぶ必要があるとは思うが、私はこのやりとりを時々見かける。欲しいもの全部買わない! 毎日自炊! と完全節約を徹底することは、貯金には理想的だし、本当はそうすべきなんだろうけど、長く続けることを考えると、「たまにする買い物を罪悪感なく楽しむこと」が節約を続けられるコツなんじゃないだろうかと思う。ただし、小さい塵も積もれば山となる。安い買い物を続ければ、それは大きな買い物と大差ない。そのバランスがとても難しい。今回の「なかなかお金が貯まりません」にはいろんな思いが含まれていることだろう。今回はそんな葛藤について描いた。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<ひとりでいることはむしろ、誰とでも関われるチャンスがある>もチェック!「友人がいない」がテーマの爪です。
2017年05月29日寄り道したくなる荻窪「珈里亜(かりあ)」美しい紫陽花たちが彩る梅雨の季節までもう少し。だんだんと暑くはなってきましたが、夜になるまでの時間が長くなり、夕方を楽しめる5月です。18時を過ぎてもまだ外は明るく、会社や学校が終わった後、まっすぐ帰るのはもったいないような気がして、どこかへ寄り道したくなります。そんな時、私がたまに訪れるのは荻窪にある「珈里亜(かりあ)」です。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2017年05月26日謎の罪悪感でモヤモヤしたときに『孤独な夜のココア』(新潮文庫)/田辺聖子 著/新潮社主人公の千田サンは、シナリオ学校で出会った裕二という男と5年前まで同棲をしていました。しかし裕二は、仕事はせず無職で、家事をやってくれるわけでもなく、小遣いをもらい、さらに実は浮気までしている。誰がどう見たってダメ男なので、千田サンの友達である多枝子・純子も、「いいかげんにしなさいよ」と主人公を諭します。ずるずると裕二にお金を渡していた千田サンもそこで目が覚め、最終的には怒鳴って裕二を家から追い出します。しばらくは恋人との別れを悲しむことになっても、厄介なダメ男がいなくなったわけなので、通常ならここで「悪い男から解放されてよかった!」と思うところでしょう。ですが、千田サンはそうは考えません。裕二に半分だまされるような形でお金を渡し続けていたときも、自分自身はまったく嫌ではなく、むしろ友達に諭されるまでは彼との生活を幸福だとすら思っていた。そして裕二と別れて5年経った今も、その幸福だったと思う気持ちは変わらず、ただそれは石のように固まってしまったというのです。友達の多枝子・純子が悪者というのではありません。むしろ彼女たちは本気で千田サンのことを心配して、裕二を追い払おうとしてくれました。普通に考えれば、家事もしないで浮気をしているヒモの裕二が悪いので、千田サンを説得した多枝子・純子のほうが圧倒的に正しい。そして、自分をぞんざいに扱う恋人より自分を心配してくれる友達の言葉を信じた千田サンもまた、圧倒的に正しい。「世俗の風が舞い込んだとき、その幸福は石になったのだ。五年たってやっとわかった」。小説はこんな一文で終わっています。白黒つけられない「グレー」な気持ちを保存しておくデートでお金を払わされるなんて不幸。浮気をされるなんて不幸。恋人と長続きしないなんて不幸。彼が無職なんて不幸。仕事が充実していないなんて不幸。友達がいないなんて不幸。介護などの事情があるわけでもないのに実家で暮らしている独身なんて不幸。世の中にはそんな「いわゆる不幸」のイメージが溢れかえっていて、しかもそれは多くの場合あからさまに否定できないというか、「まあ、そうかも」とこちらを思わせるある種の正しさを持っています。だけど、そんな正しさに押し殺されることなく、自分自身の意志を貫く──というのもまた普通の人間には難しいし、やっぱり小遣いをせびってパチンコに行くようなヒモに寄生されている生活が、そう長く続くとも思えません。したがって、このあたりはバランス感覚が要求されるでしょうが、「世俗の風」を無理して跳ね返すでもなく、しかし完全に飲まれて自らの向く方向を変えてしまうでもなく。小説の中の千田サンが考えたように、「間違いだらけだったかもしれないけど、あれはあれでけっこう幸せだったんだよな」という気持ちを、石みたいに固めて保存しておく。正しいとも間違っているとも言わずに、そこは苦笑いでノーコメントにしてしまって、そっと胸のうちにしまっておく。そんなことがもしできたら、自分自身が救われるのはもちろんだけど、他人に対しても少し寛容になれる気がします。また不毛な恋愛してるよとか、また上司の愚痴言ってるよとか、自分にも他人にもいろいろ思うことはあるけれど、人間そんなにはっきり白黒つけられません。自分の中のグレーな部分をこっそりしまっておいて、普段は流しておいて、いざというときだけパカっと蓋をあけてあげる。なんかババくさいし卑怯な気もしますが、強くなるってそういうことなのかもしれません。というわけで私も、家から一歩も出ずに朝から晩まで読書している自分を、あまり責めないであげようと思います。ああでも、あったかくなって来たし、たまには友達とランチにでも行こうかな。『孤独な夜のココア』は、そんなグレーな気持ちがたくさん詰まった短編集なので、気になる方はぜひ手にとってみてください。Text/ チェコ好き前回記事<独身女性の人生のロールモデル。誰にするのが適切だろう?>もチェック!憧れの年上女性はいるべきか、について
2017年05月25日青森行くなら、今がチャンス!和久井は京都のガイド的コラムを書いています。そのため京都によく行きますが、その次に行くのが青森です。青森はとにかく食べ物が美味しくて安い。自然が豊かで、どこかのんびりしています。桜とねぶたの季節以外はたいてい空いているので、おひとり旅先にオススメです。青森の有名な観光地はすでに現地の友達に連れて行ってもらっちゃいました。ねぶたも参加したし、恐山も五所川原も、名所には車で連れて行ってもらいました。こうして今、青森に行ってやることと言えば……。心と身体のデトックスです!ねらい目は桜のあと。今ですよ、今! そこらじゅうに花が咲き乱れて、新緑と残雪という、よそにはない風景が見られます。なのにツアーは投げ売り状態。土日からめて4日間の東京―青森航空券付きツアーが30,000円でした。ホテル代はどこへ行った? という値段ですね。まず足を運ぶのは、青森県立美術館です。ここはとにかく壮大で、真っ白くて、氷の彫刻の中にいるみたいです。天井が高いのも特徴だそうで、天までそびえんばかりのアートが拝めます。2017年7月2日まで開催している「ラブラブショー2」は、展示物と一緒に写真が撮れるので、周りの人に写真を撮ってもらって、展示と一体になった自分アートを楽しみましょうか。それから、エステに行っちゃうのもいいですね。お値段も都心部に比べたら半額くらいです。今回も、ハワイアンのアロママッサージ2時間12,000円で受けてきました。途中でガースカ寝ちゃって、「あれ、ヘッドマッサージしましたっけ?」なんて確認してしまった。現地情報は美容院で!そして今回試したのは、美容院です。これが思いの外よかった。パーマやカットは技術とセンスがものをいうので、一見のお店でするのは勇気がいりますが、ヘッドスパとかシャンプーブローなんかは失敗がないですよね。ストレートパーマも、まあ大した違いはなさそうなので、今回はそれで。実は先日、仕事でご一緒したことがあるヘアメイクの大御所の方がやってる美容室に行って施術してもらったのですが「セットが面倒くさいのでストレートパーマをかけてください」とお願いしたのに、「大丈夫、大丈夫」とか言いくるめられてかけてもらえなかったんです……。なんか、やるのが面倒だったみたい。さすが大御所さま。なので、青森では事情を説明して、ストレートパーマだけかけてもらいました。大変満足の仕上がりです。美容室での一番の収穫は、世間話です!夜、時間があるときはスナックに行ったりするのですが、店を選ぶのがちょっと怖いこともあります。でも美容室なら、気兼ねなく現地情報が得られることがわかりました。ストレートパーマに要する時間は3時間。その間、具のギッシリ入った「たまごどうふ」なるお豆腐があることや、「クドーパンのイギリストースト」という、焼いてないのにトーストと名のついたマーガリンと砂糖がべったり塗ってある食パンなど、青森の人たちの気取らない胃袋事情をたくさん教えてもらいました。そのほか、お稲荷さんがピンクだとか、お赤飯が甘いとか聞いたので、早速スーパーに寄ってあれこれ買ってきました。青森独特の風習またお盆には、仏壇になにやら糸で派手な飾りを吊すそうです。どういうものなのかまったく想像がつきません。仏壇と言えば、お葬式も少々しきたりが違うようです。和久井は関東出身ですが、こちらは、誰かが亡くなったら、お通夜→葬儀→告別式→火葬→お骨を自宅に持って帰って初七日、四十九日過ぎたらお墓に納骨です。和久井の母方の祖母が亡くなったときのこと。「葬儀の日にお墓まで入れちゃえ」とか言って済ませようとしたら、見る見る分厚い雲が流れてきて、街中が水浸しになってお墓までたどり着けないほどの大雨が降りました。ラジオで「所沢市山口で大雨」とか名指しで放送されるほど。お坊さんも「今日はやめましょうよ」なんて嫌がっちゃって、結局「やっぱりお墓に入れるのは四十九日過ぎてからにしよう」ってことになったんです。そしたら見る見る雲が晴れて、太陽が出てきました。「四十九日過ぎるまで魂はこの世にいるとかいうし、やっぱりまだお墓に入りたくなかったんだね」と反省してました。ところがですよ、青森のお葬式は、お通夜の前にいきなり火葬しちゃうというではないですか。そしてお通夜→葬儀→納骨だそうです。いきなりお墓に入れちゃうんだとか。えっ、亡くなった方は怒らないの? 逆に「告別式ってなんですか」って聞かれて、答えられませんでした。地方の風習はまだまだ統一されていない部分も多いのですね、これからしばらく、青森情報を聞いて集めようと思います。というわけで、美術館で目と心を癒し、エステで身体のデトックスをして、美容室で好奇心を満たす。最高に贅沢なおひとり旅ですね。ちなみに、青森の「まちなか温泉」は、背中の流しあいっこをする風習があるのでしょうか。いろんなところで背中をゴシゴシやっていたので、「声をかけられたらどうしよう」と思ってたんですが、無事でした。知りあいにしかやらないみたいです。となるとお風呂場全体が知りあいで充ち満ちてるってことになるので、それはそれで圧巻ですが。Text/和久井香菜子前回記事<大型連休こそおすすめ!宿の心配がない「お友達んちステイのプチひとり旅」のすすめ>もチェック!夜がさびしい方は、「友人を訪ねる旅」がおすすめ!
2017年05月24日ひとり焼肉にひとりラーメン…ひとりのご飯は気楽だ。好みも食べる順番も、誰の気兼ねなく、好きなように食べられる。だから、ご褒美にひとりで…という人もいるでしょう。ただ、それでも、「同じ釜の飯を食う」という言葉があるように、誰かと一緒にご飯を食べることに喜びを感じたり、一体感を求めてしまうのはなぜだろうか。この度、書籍『キッチハイク! 突撃! 世界の晩ごはん』を上梓され、“料理をつくる人と食べる人が集まる交流コミュニティサイト”「KitchHike(キッチハイク)」の共同代表である山本雅也さんと、同じく共同代表の藤崎祥見さんに「なぜ人はだれかと一緒に食べたいと思うのか」についてお話を伺いました。見知らぬ人同士でもごはんを通じてつながれる?藤崎祥見さん――では、なぜ誰かと一緒に食べたいと思うんでしょうか。藤崎:「食」はいろんなものが凝縮されたものだと思っていて、特に最近は3つのことを感じています。一つ目は「普遍性」。世界中のほとんどの人が今日も昨日もごはんを食べていますよね。しかもこれって国境を越えて通じるので、すごく特別なことだと思ってます。――映画や本だと、読んだ人、読んでない人とで別れちゃいますもんね。藤崎:二つ目は、「共感性」。“食の趣味が合う人とは気が合う”とよく言いますけど、「このお店の味付け、薄めだね」「スパイスの辛味がちょうどいいね」と共感できるのは、食に色んな情報が凝縮されているからだと思います。三つ目は「曖昧な再現性」です。食には、完璧にはコピーできない曖昧さがある。これは共感性とも密接につながっています。曖昧だからこそ、数字では表せない「いいね」という共感ポイント…もっと固い言葉で言えば、「特徴量」が食にはすごく多いんですよね。――「カレー」と一言でいっても、色んなカレーがありますもんね。藤崎:これらの普遍性、共感性、曖昧な再現性の三つを伴ったご飯は格好のコミュニケーションの材料になる気がしたんです。ご飯を食べることは生物的に欠かせませんが、そのご飯に集まること自体が人にとって大切なことなんじゃないかなと。――食って他のものより繋がりやすい気がします。「映画が好き」と言っても、なかなか話が膨まないので。藤崎:食の好みは自由だし素直になれるし、だから会話が弾むのかもしれませんね。――人間の本能という点でも、食以外にないですよね。藤崎:共感ポイントを持って、一緒にアクティビティができるのがポイントですね。一緒に食事をしたいというより、もともと一緒に何かしたいというところにちょうど食事があるみたいなイメージかな。山本:セッションですよね。藤崎:そうそう。結局人はセッションしたがりだと思うんですよ。人類が進歩して、栄養摂取の目的がなくなっても、食というセッションは残ると思います。仕組みさえあれば、人はもっと繋がれる山本:セッションといえば、「盃を交わす」と言いますが、盃は昔、動物の角とか牙の内側をくりぬいてコップとして使ってたんです。なぜテーブルに置くと倒れちゃう牙や角を使っていたかというと、テーブルに置けないからこそ無意識に、自分が飲み終わったら次の人に回して飲んでいたんです。これは優れたUIの仕組みですよね。――まさに仕組みが自然と根付いている理想形ですね!山本:高知に「可杯(べくはい)」という、「おかめ」と「天狗」と「ひょっとこ」の日本酒を呑む器があるんですが、おかめ以外、天狗は鼻の先が丸いから置けないし、ひょっとこは口に穴が開いてて塞がないといけないから置けない…そんなギミックで自然とみんなが飲み回しちゃうというセッションをしてるんですよ。藤崎:そういう自然な流れに乗っかれる仕組みがあれば、見知らぬ人たちとでも成り立ちますよね。山本:今こそ改めて言ってるんですけど、キッチハイクは仕組みを作ることが大事だと思っています。何かメッセージを人に訴えかけても、人はやりませんからね。―― 選挙に行こう!って言っても行かないのと同じですね。山本:だからキッチハイクは「食を通じて人は繋がる」って言うんじゃなくて、仕組みにして、自然に世の中に根付いていくようにやってます。藤崎:キッチハイクでご飯を食べる=人と自然に出会う、交流できる仕組みができてると思います。キッチハイクは”現代版スナック”――キッチハイクには料理をつくる人「COOK(クック )」と食べにいく人「HIKER(ハイカー )」がいますが、どんな方が参加されてるんですか?山本:毎月600人のマッチングが起きてるんですが、ほとんどがおひとりさまでの参加です。女性の方が多いですし、クックも8割以上女性ですね。――サイトを拝見したんですが、グルメな人ばかり、といような偏っている雰囲気がなくて、普通な自分でも溶け込めそうな感じがしました。山本:キッチハイクの面白いところは、クックさんがプロじゃないこと。趣味だったり、友達のために作っていたらいつのまにか上達していたり、自分の好きな一つのメニューをとことん追求しているだけだったりな人が多いです。そんな“自分のちょっと延長線上にいそうな人”がもてなしてくれるので、距離も近いし、共感もしやすくなります。――食がいい媒介になっているんでしょうね。生身を求められてない気もします。山本:キッチハイクは”現代版スナック”じゃないかと最近感じています。常連さんとか一見さんが「初めてなんですか?」「よくいらっしゃるんですか?」と話すようなあの緩やかな横のつながりと、そこをうまくファシリテイトしてくれるマスターの存在。その構造がすごく似ているなと。――今後はどのようなことを仕掛けていくのですか?山本:今後の展望は3つあります。1つは、地域と連携していくことです。そのハブになるプロジェクトが「みんなのキッチン」 。地域ごとに、クックがポップアップ(料理イベント)を開催できる場所を提供していきます。自宅だけではなく、シェアハウスやシェアオフィス、キッチンスペース、コミュニティスペース、飲食店のアイドルタイムに利用するので、今、首都圏中心に10か所以上のキッチンスペースと提携させてもらっているんです。――そんなにあるんですね!山本:各地にクックと食べたい人が集まるハブができれば、地域の活性化や、ご近所さん同士がつながるきっかけになると思っています。藤崎:場所があったら料理を作りたいっていう人はたくさんいるんですよね。山本:2つ目は、食にかかわる地域行政や企業とコラボしたポップアップを開催すること。2月に徳島市役所さんとコラボイベントを実施したのですが、人気クックさんに徳島の食材を使った料理をしてもらうことで、徳島の空気や食事が素晴らしいところを宣伝できました。このときもおひとりさまの参加が多かったですが、「しいたけが大きい!」「これ、食べたことある!」などなど、徳島トークで盛り上がってましたよ。藤崎:食がうまく作用してる証ですよね。山本:そして、3つ目が、「オフィスKitchHike」 です。クックがオフィスやコミュニティスペースに、“食”と“交流”をテーマにしたPop-Up(料理イベント)を開催しにいく企画です。お昼ごはんをチームみんなで一緒に食べると楽しいよ、夜のまかないを食べながらおしゃべりしよう、という、KitchHikeの社風まるごと提案していきます。藤崎:カルチャーコンサルみたいな感じでしょうか、いわゆる普通のケータリングとは違いますね。――編集部もですが、みんなで一緒にごはん食べてるチームって仲いいですよね!山本:もう喫煙室とか、変な飲みニケーションとかいう時代でもないですからね。藤崎:現代人のコミュニケーションのきっかけをつくれたらなと思ってます。――あらためて、食でつながる可能性を感じました!藤崎:「SOLO」の読者って、一人をもっと楽しみたいって感じですよね。だから、キッチハイクで作るのも食べに行くのも、すごく楽しめると思います。食事自体が話題の塊ですから、話題に尽きることもないですし。山本:今度おひとりさま限定のイベントとかしたらいいかもですね!――ぜひお願いしたいです!今日はありがとうございました。Text/SOLO編集部特集「おひとりさまのあたらしい住処」もあわせてご覧ください!・これからの社会は「弱い繋がり」で生きやすくなる/ジャーナリスト・佐々木俊尚さん(前編)・理想は開放的だけど狭い空間!?自分のための居場所をつくる
2017年05月23日「わたしの塗り絵BOOK 憧れのお部屋」で話題のイラストレーター・井田千秋さんに、おひとりさまの理想の住処を描いていただきました。開放的なのに、巣のような狭い空間がいくつもある。好きなときに好きな場所で、ひとりでも、誰と一緒でも気ままに過ごせる…そんな大人の秘密基地のようなお部屋です。家に一番求めるのは「自分のための場所であること」部屋の絵を描くと、無意識に賑やかさや華やかさと真逆の絵が出来上がる。どちらかと言えば、ひっそり、引きこもりたくなる空間。複数住人がいても、どこかに一人になれる空間を描く。家に一番求めているものが「自分のための場所であること」なのだと思う。誰に気兼ねすることもなく気ままに過ごせる場所。好きな物に囲まれ、深呼吸のできる場所。(c)井田千秋開放的な狭い空間がとても好きだ。矛盾しているようだけど、そういう場所が心地良い。必要な物には数歩で手が届く。定位置は体をおさめるほどの空間。広すぎず狭すぎず、まるで巣のようなコンパクトさでありながら、換気と採光を十分に取ることで開放的な気分に浸れそう。「仕切りを外して広々ワンルーム」も良いけど、私は小空間をわざと作りたくなる。今回描いた部屋のような場合、階段は壁に沿わせて広い空間を作るのだろうけど、中心に据えてしまった。デスクの背面にも棚を置いて、さらに狭くする。居場所がそこかしこにある家の中を、窓から入る風がスーッと通り抜ける。帰宅したら、デスクにこもろうか、ソファに体をしずめようか、ベッドで寝てしまおうか…窓を開け放してボーっとするのもいいな。時には気の合う友達を招いても楽しそう。一人に優しい家は、きっと誰に対しても優しいと思う。ソファで団らんもよし、階段に腰掛けるもよし、ベランダで飲み始めるもよし。住んでる私も、訪ねて来る人も、気ままが一番。イラスト・文/井田千秋■プロフィール井田 千秋(いだ ちあき)神奈川県在住。作家・イラストレーター。2012年頃より不定期にコミティアやグループ展に参加。2015年に初個展開催。イラストレーターとして活動開始。生活空間や雑貨を好んでモチーフにしている。著書「わたしの塗り絵BOOK 憧れのお店屋さん」、同シリーズ「憧れのお部屋」発売中(共に日本ヴォーグ社)。特集「おひとりさまのあたらしい住処」もあわせてご覧ください!・なぜ“誰かがいる空間” で暮らしたいのか?/東京大学・松村秀一教授・「若者の仮住まい」から「終の棲家」まで。多様化するおひとりさまのシェアハウス
2017年05月18日脂肪を減らす食事法の3つの鉄則GWも終わり、季節はいよいよ、夏に近づいてきました。唐突ですが、私は、去年の秋ごろからジムに通っています。気候があたたかくなるにつれて、通っているジムのトレーニング人口が増えてきているのは、きっと皆さんの「夏に向けて、このたるんだ身体をなんとかしたい!!」という思いの現れなのではないか、と推測しています。私は料理家という仕事柄、日々たくさん料理をするので、自ずと食べる量も多く、我ながらぽっちゃり体型…(仕事を言い訳にしましたが、ただの食いしん坊です)。ジムに通って定期的に筋トレと有酸素運動をしていることにあぐらをかいていたのですが、どうもあまり、期待するほどの身体の変化がありません。そこで調べてみると、身体を変えるためは、食事:運動=9:1(*1参考下記参照)というではありませんか!!!いくら運動をしていても、食べる量や内容がだめなら、身体を変えることはできない、ということですね。現実を知りました。そこで、脂肪を落としたい! というときの食事方法についてご紹介&私も実践します。まず、脂肪を減らすための食事法の鉄則は3つ!!1. 炭水化物、糖類を控える!2. タンパク質と野菜をたっぷりとる!3. おやつはナッツか豆!この3つを実践しましょう!1. 炭水化物、糖類を控える!期間を定めて急いで体重を落とすには、その期間、完全に炭水化物や甘いものをカットするのが一番手っ取り早いです(炭水化物はあまりに長期間完全にカットするのは危険といわれています)。分かっちゃいるけど、そんなの無理!! つらすぎる!! と思いますよね。そういう場合は、がんばる期間「朝だけOK」ルールにしてみましょう。朝ごはんは、一日の活力にとても大切な食事。おにぎり等の炭水化物や糖分が含まれるフルーツも朝だけはOKというルールにしてみれば、少し気持ちがラクになるでしょう。2. タンパク質と野菜をたっぷりとる!基本的に、食事の際には「タンパク質と野菜でおなかいっぱいになるぞ!」という気持ちで臨みましょう。タンパク質は、肉や魚、卵や豆類に多く含まれています。肉を選ぶ際には脂肪分の少ないもののほうがタンパク質を多く含みますので、鶏、牛、豚に関わらず、部位としてモモやバラよりは、ムネやヒレ、というふうに選ぶとよいでしょう。卵や豆腐、納豆、そのほかの豆なども大いに活用してください。野菜については、糖類を多く含むものは警戒してください。NG野菜とOK野菜の一覧(*2)をまとめましたので参考にしてください。NG野菜:さつま芋、かぼちゃ、人参、じゃが芋、とうもろこし、蓮根、ごぼう、里芋、玉ねぎ、ミニトマトOK野菜:いんげん、ピーマン、キャベツ、茄子、アスパラガス、ブロッコリー、ほうれん草、セロリ、白菜、きゅうり、小松菜、レタス、トマト3.おやつはナッツか豆!ナッツに含まれる、良質な脂肪や食物繊維はダイエットの味方です。「ナッツを食べてやせるのは、主に良質な脂肪により満腹感が得られて間食が減ることと、食物繊維によって便通が良くなることが大きい」(慶應義塾大学医学部の井上浩義教授)とのこと。手軽な間食としてはもってこいのナッツ、ぜひバッグにしのばせて、小腹がすいたらつまんでみましょう。量の目安は、1日1掴みまで。それでは、これらの3つの鉄則をふまえて私が実践した食事の記録の一部を、参考までにご覧あれ。トレーニングをする日の朝食…玄米おにぎり、甘くないだし巻き卵(ほうれん草入り)、キャベツと胡瓜の塩昆布和え、小松菜と豆腐のみそ汁(c)太田みお夜はタンパク質としてごちそう感のあるステーキを! 赤身は噛みごたえがあるので、食べている!という満足感があります。付け合わせの野菜は彩りよく。あたたかいスープも組み合わせると、さらに満腹感が増しました。私が実践している食事風景でしたが、いかがでしたでしょうか。効果を実感し満足するまで、この3つの鉄則を守った食事法を続けてみたいと思います。今日で4日目ですが、体重はすでに1.5kgほど落ち、顔周りがすっきりしてきました。継続した結果や、いかに?!!美ボディめざして、共に頑張りましょう〜!<参考文献>『七訂食品成分表2017』/女子栄養大学出版部*1 食事9割:運動1割」~身体と心を「豊」かに「美」しくする法則~パーソナルトレーナー伊藤晃一*2 痩せるどころか太りやすい!?糖質の多い野菜リストText/太田みお前回記事<オイルに漬ければ何でもおいしい!連休中に楽しむ「きのこ&塩鯖のオイル漬け」>もチェック!時間があるときにパパッと作りたい!万能オイル漬け
2017年05月17日エログロナンセンス好きな私がハマった献血(c)Chiara Cremaschiこんにちは。あたそです。皆さんは、エロ・グロ・ナンセンスというジャンルをご存じでしょうか? ざっくり説明をすると、腕がもげたり、血液がドバドバ出たり、まあまあ残酷な死に方をしたりする作品を称したジャンルのことです。私は中学・高校時代に、このエロくてグロいアニメや漫画にどハマりし、夜な夜な見漁る毎日を過ごしておりました。ところが、映画になるとどうも直視できないんですよね。任侠映画でヤクザが指を鉈で落とすシーンとかもダメ。よりリアルだからなんでしょうか? なんだか、自分の身に起こっていることのように感じられて、後頭部辺りがキンキンして来てしまうんですよね……。人が痛がっていたりや、血が大量に出ていたりするシーンはどうもダメなんですけど、数年前から献血は好きで、時間を見つけてはよく通っています。献血用の針を躊躇なく腕に刺し、スーッと自分の血が抜かれていくところを見ていると、不思議と落ち着くんです。しかも、この血液が誰かの命を助け、同じ血を分けた人間と街中で気付かぬうちにすれ違っているんだと思うと、キュンとときめいてしまいそうになってしまいます。「献血が好き」というと、気持ち悪がられる方が多いのですが、暇潰しや少し休憩するために立ち寄る際にはうってつけの場所だったりするんですよ。例えば、私用を済ませてから友達に会うときや、なんだか家にいるのが嫌になって少し早めに目的地に着いてしまったときなど、少しだけ時間はあるけど買い物の気分じゃないし、カフェに入るほどでもないし……というシチュエーションに出くわしませんか?私はそういう隙間時間に、献血ルームを利用するようにしています。献血ルームはすごい…献血にかかる所要時間は10分から90分ほど。都内であれば大きな駅には必ずあるので、すんなり通えたりします。土日だと混雑していることもあるので、少し待つこともあるんですけどね。献血ルーム、何がすごいって飲み物も飲めるし、お菓子も食べられるんですよ。場所によって多少の違いはありますけど、漫画や雑誌・新聞なども読めるし、テレビを見ることも、なんと占ってもらうこともできるので、暇を持て余すことはありません。また、室内はWi-Fiを利用することもできるので、動画もサクサク見ることができます。献血が終わった後は、ハーゲンダッツやお米、タオルなどをもらったり、10回・20回と通っていると記念の粗品などをいただけたりします。流石、日本赤十字。至れり尽くせりですよね。この液体、私の体の中にあったんだ…私はいつも小説を読みながら献血をしているのですが、テレビよりも何よりも、自分の血液がパックに溜まっていく様子を見ているのが好きです。献血には、全血献血(200mlまたは、400ml)と成分献血という、3種類があり、私はいつも成分献血を選択しています。この成分献血というのは、血液中の血小板と血漿といった特定の成分だけを採決し、回復に時間のかかる赤血球は再び体内に戻すというもの。血を赤くしている成分を抜いた採血なので、パックには黄色い液体がじゃんじゃん溜まって膨らんでいくんですよ。自分の体内から出てきたものなんだと思うと、興奮と愛おしさが止まらなくなります。献血終了後、看護師さんにお願いをして一度触らせてもらったことがあるんですけど、生ぬるくて、触感も妙にリアルで、「あ……この液体、本当に私の体の中にあったんだ……」なんて思ったりもします。パックに詰められた生ぬるい血液、抜いた親知らず、綺麗に分かれた枝毛など、自分の身体から生まれたものに母性を覚えて、なんだか愛おしく感じてしまいます。捨てているのがもったいなくて、しばらくの間は自室の机の上に飾り、ぼーっと眺めていたこともありました。傍から見たら、かなり気持ち悪いんですけど…。自分から生まれるものを愛でてしまう感情こんな感じで自分の身体から生まれたものをこんなに可愛らしく感じるのなら、将来子どもが生まれた時、どうなってしまうんだろう? 気がおかしくなってしまうんじゃないだろうか? と心配にすらなってしまいます。まだまだ先の話ではあるし、無機物と赤子を一緒くたにするなよって話なんですけど。今まで結婚や子ども、家族を作るような幸せを掴んでいる自分というものが想像できた試しがない。そして、そういった機会に恵まれるのもまだまだ先なんだと思っています。まあ、恋人もいないですしね。でも、こうして自分の身体から出てきたものを愛でてしまう感情が自分の中に眠っているのなら、自分がまだ知らない景色に幸せを感じることもあるのかもしれない、と考えてしまいます。と、言いつつ、基本的に不摂生な生活を送りすぎて、採血の時点で赤血球の数が足りず、3回に1回くらいのペースで献血できずにとんぼ帰りするんですけどね……なかなかできない悔しさみたいなものもあるから、定期的に通ってしまいます。自分の健康もチェックできるので、自分のためにもよさそうだし……。Text/あたそ前回記事<旅先で出会った水タバコ「シーシャ」で自分の思考や思い出を整理する>もチェック!あたそさんが旅先で出会った「水タバコ」魅力について。
2017年05月16日第14回:孤高はチャンス今回は「ライフスタイルが変わると昔の友人と会う機会が減り、新しい友人の作り方が分からない」という読者投稿。のっけからこんな回答になってしまうのもどうかと思うが、私は友人がそこまで多くない。尚かつ、それをあまり危惧していないところがある。盆と正月だけ会う地元の友人。飲む時に会う友人。会う人はある程度決まっている。もちろん、つめの活動で出会った人もいて、イベントやライブ会場で会ったり、作家さんと飲みに行ったりして、「爪」を通じてこんなチャンスがあるのか、という発見は楽しいが、その人達としょっちゅう会っているかというと、実際は年に1、2回くらいしか会っていない。ほとんどの人がそうだと思うけど、アクセサリーも音楽も映像も、皆なにかを作る時は一人で作業をしている。一人で作ったものによって、人との関わりが生じるのが楽しくて、また一人で制作する。その繰り返しな気がする。以前、某作家さんに「私は他の作家さんと繋がりがあまりないからコラボ制作が羨ましい」と言われたことがある。たしかにコラボ制作は楽しくて、作る過程も、出来た瞬間も、心躍って写真をばっしゃばしゃ撮る。またやりたいって思う。その一方で、誰ともコラボをすることなく、ものづくりをする人もかっこいいと思っている。内輪ノリにならないことで、見ている人がとっつきやすくなるメリットもあるし、「誰ともつるまない(もしくはそう見える)」というのは「誰とでも関われるチャンスがある」ということなのかな、とそういう人達を見て感じた。そのバランスが上手い人に憧れる。今回は、そんな「ある意味とっつきやすい人」をイメージして制作した。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<スーパー銭湯は私にとって「最強のご褒美」>もチェック!「ご褒美」がテーマの爪です。
2017年05月15日寒さに背中を丸めうつむきがちに歩いていた冬が終わり、ようやくあたたかい季節が始まると、見慣れたいつもの風景さえもきらきらと眩しく映り、ふらりとどこかへ出掛けたくなります。手軽な日帰り旅行を計画した時に、私がよく訪れるのは鎌倉か熱海。どちらも片道2時間以内で行けるため「近くて遠い街」としてちょうど良いのです。まだ夏になる前の穏やかな5月には、真夏にはほとんど行くことのない海が見たくなったりも。そんな時に思い浮かべる純喫茶をご紹介します。まるで宙に浮かんでいるような純喫茶「サンバード」場所は、熱海駅から熱海銀座商店街を抜けた、海の近くにある「サンバード」。近くには、観光名所のひとつである「貫一お宮像」があります。こちらの店を遠くから初めて眺めた時、「大きな窓が一面にあって、宙に浮かんでいるみたいだ」という感想を抱きました。味のある手書きのメニューを眺めながら階段を上がり、窓際の席に腰を下ろすと、外の景色との境界線をつい忘れてしまい、まるで砂浜の延長で寛いでいるような感覚になります。いつもであれば、“マスターの聖域”であるカウンターの中をあまりじろじろ眺めることに気が引けてしまうのですが、こちらでは店名のロゴにもなっている鳥のマークや、綺麗に並べられたガラスの器たちを近くで見たくなり、マスターとの会話を口実に近づいてしまいます。一見物静かな雰囲気を醸し出すマスターは、実は、お話好きでユニークなお方。今までは夜に訪れていたためか、マスターがおひとりでいらっしゃることが多かったのですが、時間帯によっては、明るく朗らかでとても可愛らしいママとお嬢さんにもお会い出来ることも分かりました。ご家族の会話は息もぴったりで、皆さんとお話するのは楽しく、今度はもっと早い時間に訪れてゆっくり過ごしたいと思うのでした。好きな街をもっと好きになっていく幸せな連鎖「海が見える窓からの景色は、もしかしたら、夕暮れの時間帯には魔法のような色になるのではないだろうか」と思い、店の方に尋ねたところ、東向きのため夕暮れではなく、朝焼けを映すのだそう。お気に入りの純喫茶に出会えた時は「またいつか休みの日にこちらへやって来よう」そう思うだけで、日々をがんばる糧になります。お店の方たちのやさしい笑顔や豪華なシャンデリア、香りの良い珈琲、その日見た色々なものを思い浮かべて、心の中の日本地図にそんな場所を増やしていく楽しみ。好きな街をますます好きになっていく幸せな連鎖は、こんな風にこれからも続いていくのです。Text/難波里奈前回記事<仕事帰りにひとり純喫茶リレー!「4/13喫茶店の日」を楽しむための最高の5軒>もチェック!会社帰りにほっと一息つける純喫茶ばかりです。
2017年05月12日ひとりだけど、ひとりじゃないを叶える場所誰にも責任を追わない、気ままなおひとりさま。だけどちょっと怖いのは、体調を崩したときや、とてつもなくさみしさが襲ってきたときです。普段は自由を満喫ししたいけど、何かの時には、誰かにいて欲しい……。そんなワガママを叶える場所があります。数十人~100人規模の住人がいる大型のシェアハウスです。やはりシェアハウスというと、まだまだ「20代の若者が住むところ」というイメージがありますね。ちょっと豪華な賃貸を何人かで分け合って住んで、家賃を安く済ませるというような。だけど大型シェアハウスの家賃は、それほど安くはありません。光熱費込みですが、月に5万~10万円くらいします。企業の独身寮や学生寮をリノベーションして作られることが多く、共用部分がゴージャスなのも特徴です。大型テレビやソファーの置いてあるラウンジ、シアタールームやジムの設備があったり。個人ではとうてい買えない家電や備品があるところも魅力のひとつです。こうした大型シェアハウスは、個室がきちんと確保されています。部屋に入れば、誰にも邪魔されずに自分だけの空間でくつろぐことができます。これは普通のひとり暮らしと同じですね。キッチンやお風呂、トイレといった水回りは共同のことが多いようです。大型シェアハウスのいいところは、干渉されることもなく、ハウスの仲間と仲良く騒いだりもできること。つまり、自分のライフスタイルに合わせて生活できるんです。ハウス自体は住人同士の交流を勧めていて、毎月ホームパーティはあるし、誰かが退所するときには有志でラウンジに集まりパーティを開いています。住人同士でレンタカーして遊びに行く人もいるようだし、ハウス内恋愛も活発なようです。ここでおひとりさまから脱出してシェアハウスを卒業する人もいそうです。和久井は大型シェアハウスに住んで1年になりますが、ハウスには特に親しくしている人はいないので、公のホームパーティ以外は呼ばれません。一番おしゃべりするのはお掃除に来る女性です。その代わり、面倒な人間関係もありません。共用部分で誰かに会ったら挨拶はしますが、深入りしないし、されません。払拭されつつあるイメージとライフスタイルに合わせた多様化1年住む間に、だんだんと住人の年齢層が幅広くなってきたな、と感じます。40代、もしかしたら50代の方も見かけるようになりました。大型シェアハウスの認知度が高まり、「若者の住む家賃の安い部屋」というイメージが払拭されてきたのでしょう。今、都市部では次々とシェアハウスが作られています。古い独身寮や空室率の高い賃貸がシェアハウスへとリノベーションされています。こうしてある程度飽和状態になったら、次は差別化が始まるでしょう。女性のみの物件はいくつもありますし、最近では、ペット可のシェアハウスができたと聞きます。近い将来、ユニバーサルデザインが施された物件やシングルマザー専門、LGBTなど、さまざまな特色を持つシェアハウスできていくでしょう。老人ホームとの境目がないような物件もできてくるかもしれません。ひとりだけど、ひとりじゃない。ひとりの不便さを払拭して、美味しいとこだけをいただける。苦しいとき、辛いときにはラウンジに行けば誰かがいる。シェアハウスは「若者の仮住まい」から「終の棲家」まで、さまざまな形に多様化していくことでしょう。こうした環境を利用して、より楽しいおひとりさまライフを過ごせたら、と思います。Text/和久井香菜子特集「おひとりさまのあたらしい住処」もあわせてご覧ください!・なぜ“誰かがいる空間” で暮らしたいのか?/東京大学・松村秀一教授・「ひとり」と「ふたり」と「みんなで」を、行ったり来たりする人生が理想
2017年05月11日おひとりさまブームが依然として続く中、その真逆の価値観を題材とした『東京タラレバ娘』のヒットには驚かされた。「結婚=幸せな人生」という考え方よりも、多様な生き方が求められる社会になったかと思えば、『東京タラレバ娘』での「東京オリンピックまでに結婚しなきゃダメ!」といった煽りにもまだまだ需要があるのだろう。東京オリンピックに向けて着々と開発が進んでいる街を見て、「一人だけ取り残されている気がして不安」とボヤいたSOLO編集部の編集者O氏の一言がきっかけで、この記事は企画された。「一人暮らしの家に帰った瞬間に押し寄せる不安をどうにかしたい。独り者が快適に暮らせる住環境について知りたい」と嘆くO氏。一人世帯の住環境は、今どうなっていて、これからどうなっていくのだろうか。『ひらかれる建築 ――「民主化」の作法』(ちくま新書)の著者・松村秀一先生にお話を伺った。多様化されつつある一人世帯の暮らし方松村秀一先生(以下、松村)「今の日本には一人世帯が最も多く、ワンルームマンションに住んでいる人がほとんどなので、『一人だけ取り残されている』という感覚は実は間違っているのです。ただ、そういった一人きりで生きていくという不安からなのか、一人世帯の暮らし方が多様化している流れは確かにあります」――それは例えば、どのような暮らし方でしょうか?松村「代表的なのはシェアハウスでしょうね。古くは木造賃貸のアパートとかが一人暮らしの代表的な住まいでしたが、これはトイレが共同だったり、自分専用のお風呂がついていなかったり、自分の部屋だけで完結する快適な一人空間とは言い難かった。そこで登場したのがワンルームマンションで、これは家族が住むような部屋を一人向けに突き詰めていった形態の住居なのです。キッチンを小さくして、部屋の数を減らして、閉鎖的な一人の空間を作り上げたわけです」――なるほど、確かにそうですね。松村「けれど昨今は、一人だからって必ずしも住居の持つ機能をコンパクトにすればいいわけではないことがわかってきたのです。おひとりさまであっても“他人が含まれる空間”に住みたい人は少なからずいるようだ、と。今までは、このような“他人が含まれる空間”というのは、住宅に必要なものだと認識されていなかったんですよね。ここ数年、“住宅”と呼んでいなかったものが、住宅化していっているのです」なぜ“他人が含まれる空間”に住みたいのか松村「“シェア”というのも今の世代特有の価値観だと思います。具体的に言えば、団塊の世代Jr.より下からでしょうか。分け合ったり借りたりすれば事足りると思っていて、住宅の購入についても、無駄だと思っている人が多いんですよ。30歳のうちの息子も、『家なんて買う人がいるの!?』と言っています。僕の買った分譲マンションで育ったにも関わらず、ですよ。同じ価値観を共有してきたはずの家族ですら、家を買うことについての認識がこうも違う」――私もその世代ですが、確かに一生賃貸マンションでもいいや、と思っています。松村「かつては、“自分で所有しなければならない感覚”があったんです。財産などを“所有”することで個を確立し、その家族を守っていた。ですが若い世代は、すでに世の中にストックが溢れかえっている時代に生まれました。そのため、自分で所有するよりも、仲良くシェアしていきましょう、という教育を受けてきているように感じます」――成長の過程で“所有欲”が育たなかった世代なんですね。松村「これは社会情勢なども影響しているのかもしれません。中国からの留学生は、海外で不動産投資をするなどして財産を所有しておく意識が非常に高いんです。自分の身を守るのは自分だけ、という感覚があるんですよね。そういった国と比べたらずっと政治体制が安定している日本では、日本全体に溢れているものをシェアすればいい、と安心しきっているところがあるのだと思います。それで、同じ値段を払うなら、広いキッチンが使えるシェアハウスのほうがコスパがいい、という発想になるわけですね」――平和で豊かな国であることが、シェア意識に繋がっていたとは……。松村「とはいえ、シェアハウスも今、さらに新しい形の住まいが登場する過渡期にあります。シェアハウスで出会った男女が少しずつ結婚し始めているのですが、その際の居住形態がないのです。みんなで集まって暮らすことが習慣になっている二人にとって、ファミリー型マンションは需要に合っていないんですね」――結婚してもなお、シェアハウスに住みたがるんですね!松村「この流れで、子どもが産まれても、家族じゃない者同士でみんなで一緒に育てる、といったやり方が増えていくかもしれません。従来になかった人間関係の作り方を求めている人が増えているというのが、こうした住環境のニーズからもよくわかります」庭付き一戸建てを目指して我慢する時代は終わった――今後はますますシェアハウスのような暮らし方を選ぶ一人世帯は増えていくのでしょうか?松村「ワンルームマンションでの一人暮らしが大多数であることは変わらないとは思います。ただ、その場その場で自分に合った住み方を選べる時代になりましたよね。昔はみんながみんな、庭付き一戸建てを目指して『今住んでいるところは仮住まい』という感覚を持っていた。でも、結局それが叶わないままの人もたくさんいます。だったら、最初からしっくりしないアパートなどで我慢せずに、もう少し良い暮らしをすればよかったんですよ。一人暮らしだから適当なアパートに住んでおけばいい、とかではなく、そのときの自分のニーズに合った住居選びをしていってほしいと思います」“誰かがいる空間”は今や住居の条件の一つになっている。ワンルームマンションに一人で住むときに感じる不安感は、住環境の多様化により、いくらでも払拭することができそうだ。そう思うと、幾分か気分がラクになるのではないだろうか。(取材・文/朝井麻由美)■プロフィール)松村秀一(まつむらしゅういち))1957年兵庫県生まれ。80年東京大学工学部建築学科卒業、85年同大学院工学系研究科建築学専攻修了。2006年より現職。05年「住宅生産の工業化に関する研究」で日本建築学会賞(論文)、08年「建築生産の進め方―ストック時代の建築学入門」で都市住宅学会賞(著作)。近著に「ひらかれる建築」、「箱の産業─プレハブ住宅技術者たちの証言」(共著)、「建築─新しい仕事のかたち 箱の産業から場の産業へ」、「2025年の建築『七つの予言』」など。特集「おひとりさまのあたらしい住処」もあわせてご覧ください!・これからの社会は「弱い繋がり」で生きやすくなる/ジャーナリスト・佐々木俊尚さん・「ひとり」と「ふたり」と「みんなで」を、行ったり来たりする人生が理想
2017年05月09日今だけの「春カブ」は食べなきゃ損!(c)ツレヅレハナコできあがり! さあ、今夜も呑みましょう!Text/ツレヅレハナコ前回記事<薬味どっさりでお酒がすすむ!「焼きはんぺんのチーズみょうがのせ」>もチェック!はんぺんとミョウガで酒うまレシピに!
2017年05月05日ちゃちゃっと仕込んで、何度も食べよう!(c)太田みおゴールデンウィーク中のおうちごはんを、楽チンにする&充実させるために、ぜひ仕込んでみてくださいね!みなさん楽しい連休をお過ごし下さい。Text/太田みお前回記事<キャベツの甘さを活かすなら断然パスタ!「春キャベツとあさりのパスタ」>もチェック!今が旬の春キャベツを美味しく食べましょう!
2017年05月03日黒髪美人がコーヒー片手にタバコを吸う姿がかっこいい!皆さん、こんばんは。あたそです。突然ですが、私はSッ気の強い黒髪美女がコーヒー片手にタバコを吸っている姿を街中で見かけると、ぞわっと性欲が掻き立てられます。鳥居みゆきさんがまさにそう。インスタグラムにタバコを吸っている写真をたまにアップしているのですが、最高の女感がすごい。でも、女の人って、全然タバコ吸わないですよね。女の人がタバコを吸うだけで、男の人に「タバコ、吸うんだね……。」って言われますよね。あれ、なんなんでしょうね。「そうだよ」以外に、どう答えればいいんでしょうか。ちなみに私は、昼食後と酔っ払った時など、嗜み程度に週4本くらい吸います。食事や飲み物は一度ハマると飽きるまでずっと摂取し続けるタイプなんですが、タバコに関しては全く依存しないんですよね。なんでだろう。「喫煙者のほとんどは、高校生から吸っている」とか「成人するとあらたまって吸う機会がない」というじゃないですか。でも、私が吸い始めたのはここ1年くらいの話で、「シーシャ」と呼ばれる水タバコがひとつのきっかけでした。日本ではまだ馴染みがないかもしれないませんが、ニコチンを抜いたタバコの葉をレモンやアップル、モカ、シナモンなどのシロップ漬けにし、その煙を1~2時間くらいで吸って楽しみます。東京だったら渋谷や新宿、高円寺、下北沢で吸えるお店があるんですが、私は月に一度くらいのペースで、シーシャを楽しみながら文章を書いたり読書をしたりと、カフェの代わりとして利用しています。店内は大体が男友達同士、外国人、デートコースとして利用している人がほとんど。女一人で来ているのが珍しいのか、店員さんにも顔を覚えられてしまい、今や世間話をする仲になっています(最近見かけないけど、イケメンでお洒落で、笑い方がちょっと気持ち悪くて可愛い店員さんがいるんだよなあ~……)。私が好きなのは、シャンパン味とブルーミスト(スミレ)味ですが、顔馴染みの店員さんがいる時は、大体お任せにしています。吸うと、フワフワする感じ。ちょっと強めのお酒を飲んだ、ほろ酔い状態をイメージすればいいんじゃないかな。ヨルダンで初体験、エジプトでどハマりする日々私が初めてシーシャに出会ったのは、ヨルダンの首都アンマンでのこと。宿で仲良くなったドイツ人とスペイン人に、「今からシーシャ吸いに行くから、一緒に行かない?」と誘われたのがきっかけでした。元々存在自体は知っていたんですけど、周りで吸っている友達なんて一人もいなかったので、自ら進んで吸ってみようとまでは思ってなかったんです。でも、せっかくの機会だったので、面白そうだし、旅先って基本的に暇だからついて行きました。イスラム教の人は、基本的にお酒を飲みません(しかも、ヨルダンは酒税が高い!の割に毎日飲んでたけど)。その代わりに、シーシャ屋で水タバコを吸いながら紅茶を飲みつつ、談笑したりします。あとは、「チャット」と呼ばれる葉っぱ―麻薬ではないんですけど―を嚙みながら話をしたりとか。まぁ苦いので、私はあまり好きではなかったです。ヨルダンで初めて吸ったときは、「こんなもんかあ」程度だったのですが、エジプトのダハブに2週間くらい滞在していた時にどハマりしました。朝起きて泳いで、そのままシーシャ屋に行って、ご飯を食べて寝る、という自堕落すぎる生活をするくらい。1回150円という安さもさらに拍車をかけ、ほとんど毎日罪悪感に駆られながら吸っていましたね。エジプトでは、女性の方がまだまだ地位が低いため、女性が一人でシーシャを吸っているというのもかなり珍しいようで、色んなおっさんに話しかけられたり、時には一緒にテレビのサッカー中継を観たり、果物やお菓子を貰ったりしました。最後に訪れた国・トルコでは、自分用のお土産として、バックパックに大きなシーシャを無理やり詰め込んで持ち帰りました。帰国後、ワクワクしながら自室で吸ってみたものの、煙を吸い過ぎて4~5回ぶっ倒れ、あげく親に処分されるというアホすぎることもやりました。脳に酸素が回りきらなくて倒れたみたいです。頭と足がアザだらけになりました。馬鹿かよ。少し立ち止まって、記憶を整理できる存在言葉の通じない国をたくさん旅行して、色んな景色や建造物に触れ、日本では見ることができないもの・経験できないことをたくさんしてきたはずなのに、ふと思い出すのは、その国々で出会った人との関わりやどうでもいい会話なんです。私の場合は。シーシャを吸っていた時間もそのうちのひとつ。日本人の友達と「何もやることないよね」なんて話をしたこと、店員さんにサービスでナツメの実をたくさんもらったこと、一人で吸っていたら目の前のイスに縞模様の猫が座ってくれたこと…そういうなんでもないことを、なんとなく思い出します。ある特定のものを見たり、場所に行ったり、懐かしい匂いを嗅いだりすると、思い起こされる体験や記憶の片隅から懐かしい人が飛び出てくるとか、そういう経験って誰にでもあると思うのですが、私にとって、シーシャがまさにそう。匂いを嗅いだり吸ったりする度に、ちょっとした古い思い出が呼び起こされるんです。仕事をして、友達と遊んで、嫌なこととか悲しいこともあったりして、そんな忙しい毎日を過ごしているけれど、シーシャを吸っているときはほんの少しだけ立ち止まって昔のことを思い出したり、色々なことを考えたりする時間になっているんですよね。“シーシャを吸う”という動作でワンクッション置くからか、頭の中の容量に少し余裕ができるのかもしれません。もちろん煙を吸うのが好きになった、というのもあるんですけど。自分と対峙できる時間があると、作業に没頭しつつ普段の考えを整理することができるので、いいですよ。ちなみに、この文章もシーシャを吸いながら書いています。店はけっこう繁盛していて、たくさん人はいるのに、各々が作業に集中していて、周囲に全く関心がない独特の空気が漂っている。この感じとかが好きなんだよなあ。Text/あたそ前回記事<普通に生きて、普通に死ぬだけだと思っていた私がTwitterで変わったこと>もチェック!あたそさんの生活や友人関係まで変えてくれた、Twitterについてです。
2017年05月02日第13回:スーパー銭湯への愛今回の読者は、思わず「自分にご褒美~♪」と、デザートやコスメを買ってしまうという女性。自分にあげるご褒美は、自分が一番好みを分かっているので、ある意味最強のご褒美と言える。帰りに美味しいものを食べる。可愛い物を買う。休みの日に旅行に行くなど。私は以前、自分へのご褒美として“スーパー銭湯”にハマっていた時期があり、仕事が終わると近所のスーパー銭湯へ走った。こういうふうに書くと、実際は走っちゃいないだろうに…と思うかもしれないけど、本当に駅から走った。それくらいスーパー銭湯が好きだった。近所にあるスーパー銭湯には、寝湯(その名の通り、お湯が薄く張られているところに寝る湯。不思議と寒くなくて開放感がすごい)や、よもぎ蒸し風呂などがある大浴場も魅力的だが、風呂上がりに寄る食堂がまた最高だ。オススメの十割蕎麦も美味しいけど、個人的に大好きなのが「たまごかけご飯」。白米と卵の他に薬味が多く付いていて、副菜も豆皿に乗って出てくる。ここまで紹介しておいて、あえて施設名は書かないのだけれど、それくらい最近のスーパー銭湯は侮れないのだ。このゴールデンウィーク、どこも混んでるけど家にいるのももったいない。遅めに起きてだらだらと、混雑を承知で行ってみようか。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<人付き合いの面倒くささをすっとばしたい>もチェック!「婚活の若年化」がテーマの爪です。
2017年05月01日自宅で旅気分とラブラブ気分を味わえるゴールデンウィークですね。長いお休みを活かしてここはひとつ、長編漫画を読んでみませんか?少女マンガで長編というと、やっぱり今お勧めなのは『王家の紋章』! これです。連載40年、既刊62巻、古代エジプトを舞台にした大スペクタクル垂涎ドラマです。『王家の紋章』(細川智栄子/秋田書店)第1巻物語の舞台はエジプトを中心とした地中海沿岸の国々。自宅に居ながらにして大冒険気分が味わえます。しかも現代エジプトだけでなく古代エジプトまで、時代を変えて旅するんですよ。ゴージャスゴージャス。先日、ミュージカル『王家の紋章』を観に行ったので漫画を読み返しているんですが、なんだかめちゃくちゃキュンキュンしますね。なにしろ古式ゆかしいマンガなので、激しいエロはなし。奪われるのはキスのみ。萌えシーンではひたすらハグのみ。スキンシップは豊富なので、1人で読んでいても誰かと触れ合っているような気がしてきます。ざっくりあらすじを紹介すると、現代のアメリカ娘キャロルは、王家の呪いにかかって古代エジプトに送られてしまいます。そこで若き王メンフィスと出会うのですが、キャロルがエジプトでは珍しい金髪娘だったこと、21世紀の知恵を次々披露して奇跡を起こしたことから熱愛され、激しく慕われます。ところでキャロルの口癖は「21世紀の人間なら誰でも知っていることよ」と言いながら、泥水を真水に変えたり鉄を精製したりするんだけど、未だに和久井はそのどちらのやり方も知りません。誰でも知ってることを知らない自分はバカなんだなと思います。そして初めは嫌がっていたキャロルだけど、そのうちすっかりほだされてメンフィスとラブラブに。しかし彼女の絶大なる影響力は各国に知れ渡り、アッシリアだのヒッタイトだのいろんな国々から次々と彼女を付け狙う権力者たちがやってきます。そしてさらわれちゃー戻り、またさらわれちゃー戻りを繰り返して60数巻。横恋慕されたい欲を刺激する王子和久井の脳内はけっこう王家に毒されていて、夢や憧れはすべて王家から教わりました。和久井の歴史好きは、たぶん王家のせいです。エジプトは憧れの旅行先です。そして和久井の理想の男性像は、キャロルの筆頭“ストーカー”・イズミル王子です。メンフィス王とキャロルの恋がエジプトをさらに熱く燃え上がらせているにもかかわらず、横恋慕して「その身も心も……この私になびかせてみせるぞ」とか強気なこと言ってます。こいつのせいで和久井は、横恋慕されるのにものすごい憧れがあります。奪われるほどに愛されたい。その上、ストーカーもされてみたい。最寄り駅で待ち伏せされて「おお、会いたかった……」とか言われたい。いつでも冷静沈着で理性的な王子だけど、キャロルのことにだけは大興奮でいつでも顔を赤らめてるところもかわいらしい。しかもイズミル王子はものすごいドSです。キャロルを柱にくくりつけて鞭で打ち、その後気絶したキャロルの服を脱がせて、自分で傷の手当てとかしてます。こうなるともう手当てと称して脱がせたいから鞭で打ったんじゃないか、という疑惑が浮かんできますね。イズミル王子、よくよく無理矢理が好きみたいで、大けがを負ったキャロルに「傷が見たい」とか言って、これまた服を剥がしてきます。でも決して余計なところを触ったり揉んだりしないんですよね。それ以上する気もなさそう。なんのために服を剥いだのか意味不明なほどです。彼の中の決まり事はけっこう明確で、キスは無理矢理してもいい、寝てるときにキスしたり服を脱がせても構わない、だけど結婚式を挙げるまではエッチはしない……何かのラインが彼の中に出来上がってるんですね。少女漫画は気持ちのいいスキンシップだけ一方で和久井はベラベラ大声でしゃべる男子はちょっと苦手です。王家で言えばメンフィスですね。メンフィスは、イズミル王子が送り込んだスパイ・ルカをまんまと王宮に引き入れて疑いもしないし、ヒッタイトの王宮に忍び込んだはいいけど大した策もなかったみたいで、見つかりそうになってキャロルに犠牲になってもらってるし、ちょっと短絡的で頭が弱そうです。メンフィスはキャロルとがっつりくっついていただき、あまったイズミル王子は和久井に払い下げていただきたい。しかもこの作品のいいところは、メンフィスやイズミル王子といったイケメンにはキャロルはいくらでも襲われて抱きしめられてキスされてるのに、その他のアルゴン王といったブサメンからは襲われないんです。物語に登場するのは、気持ちのいいスキンシップだけ。本当に、少女漫画って都合がいいですね。62巻も出てるけど、ストーリー自体は単純なので、割とサクサク読めちゃいます。GW、リア充たちの華やかなSNSを眺めつつ、旅行気分とラブラブ気分に没頭するのはいかがでしょうか。Text/和久井香菜子前回記事<「このメールは返信すべき?」男女の恋愛スタンスの違いが分かる『僕と君の大切な話』>もチェック!カップルで感想を言い合うのも面白いけれど、おひとりさまで読むのも面白い。
2017年04月26日(c)Nikolaj Erema結婚していない、子どもがいない。男性でもそうだけど、女性の場合は特に、こういった生き方を否定的に見られてしまう機会はまだまだ多い。私は現在、一人暮らしではあるのだけど、実はけっこう長く連れ添っているパートナーの男性がいる。年も年だし、長く連れ添っているんであれば、当然結婚を、せめて同棲を、と周囲は思うのだろう。だから、私が煮え切らないことをいうと、少し怪訝な顔をされる(気がする)。やっぱり、パートナーとは常に近い距離にいて、年相応になったら結婚したり、せめて一緒に住んだりしなければダメなのだろうか…と、自信がなくなることもある。おそらく、「未婚で一人暮らし」という生き方は、未成熟で宙ぶらりんな印象を周囲にあたえるのだろう。「一度決めたら死ぬまで一緒」が正しい姿?反面、入籍することを「身を固めた」なんて言い方で表現するように、結婚や出産は人生において重大な最終決定を下したかのようなイメージをあたえる。一度決めたら夫婦で住む、子どもが産まれたら家族で住む。離婚という形でチーム解散となる場合もあるけれど、基本的に「身を固めた」その決定は、互いの人生に死ぬまで作用することが想定されている。だけど、今後ますます多様化し、様々な選択肢が増えていくであろう未来の社会において、こういった従来の夫婦・家族像を社会で共有し続けることは、逆に結婚や同棲のハードルを上げてしまうことにはならないだろうか。一度は一緒に住むことを選んだものの、パートナーのどちらかが地方や海外へ転勤になったり、突如長期の一人旅をしたくなったり、寺にこもりたくなったり──人生の分岐点は無数にあるはずだ。夫婦に子どもがいる場合は、小さいうちは当然ながら多少の制約を負わなければならないだろうけど、手が離れたら「ちょっと留学してくる!」と夫や子どもを置いて一人でふらっと海外に行けるような余裕があってもいい。「夫婦・家族は常に一緒にいなければならない」という固定観念は、ときに未来を生きる人々の重圧になったりはしないだろうか。まだまだ自分の生き方を模索したっていい現在は一人暮らしの私だけど、誰にもこの自由を邪魔されたくない、他人と共同生活なんて無理、などと思っているわけではない。この先パートナーと一緒に住む機会が巡ってきたら、互いの生活習慣の違いに驚いたり、あたふたしたり喧嘩したりしながら、それはそれでけっこう楽しく生活するのではないかなと思う。だけどその後にまた、一人でふらっと海外へ出かけたり、孤独な時間が欲しいと思うタイミングもやってきてしまいそうだ。そういうとき、家庭や仕事を少し調整する程度でどこにでも行ける、「ひとり」と「ふたり」と「家族みんな」を行ったり来たりできる人生が、私の理想だ。今はまだ非現実的かもしれないけれど、人生の最終決定を下していないのは「おひとりさま」だけではない──結婚している人も、子どもがいる人も、皆一人で生きているし、まだまだ身を固めてなんておらず、死ぬまで自分の生き方や思想を模索できる。この「おひとりさまのあたらしい住処」特集の佐々木俊尚さんのインタビューを読んでも、そんな人生を選択する人は、そう遠くない未来に増えていくのではないかと思う。「ひとり」も「ふたり」も「みんなで」も全部選べるし、全部楽しめるような社会になったら、未婚の女性も既婚の女性も、救われる人は多いはずだ。個人的な話をすると、私は昨年末に引っ越しをした。新しい部屋は、前より少しだけ広くて、雨の日はしとしとと水滴が地面を打つ音が響く。雨の音を聴いていると、昨年旅したバリ島を思い出して、寂しいような、でも温かいような、少し不思議な気持ちになる。いつか「ふたり」や「みんなで」を楽しむ日もやってくると思うけれど、今はまだ、この静かな雨の音を、一人で聴いているのも悪くないかなという気がしている。Text/チェコ好き特集「おひとりさまのあたらしい住処」もあわせてご覧ください!・これからの社会は「弱い繋がり」で生きやすくなる/ジャーナリスト・佐々木俊尚さん(前編)・同世代の繋がりだけではキツイ!崩壊する老後の生き方/ジャーナリスト・佐々木俊尚さん(後編)
2017年04月25日薬味をどさーっとのせると料理っぽい!「はんぺん」って、普段から食べてます?正直、私はおでんのときに食べるくらい。でも最近ハマっているのが、「ただ練りものを焼いて、薬味をこれでもかとぶっかける」おつまみなのです。はんぺん、ちくわ、かまぼこ、さつまあげ…。ある程度、食材の味が決まっているものなので、ただ焼くだけでわりとおいしい。そこに、たっぷりの薬味が加わることで、いきなり「料理したっぽい」メニューになるのです。うーん、薬味は偉大だなあ…。(ちなみに、そんな私の薬味レシピ本が来月出ます! 詳しくは文末を!)意識しないと気づかないけど、はんぺんってコンビニでも売ってるんですよね。それを1枚買って帰り、フライパンで焼くこと1~2分。これでも食べられるのですが、私は表面にみそを塗り、スライスチーズをオン。とろりとチーズが溶けたら、みょうがをどさーーーーーーっとかけていただきます。みそとチーズは発酵食品同士で相性抜群なのですが、「うちには、みそなんてない!」という人はしょうゆでもかけてどうぞ。ビールにもハイボールにもよく合いますよー。「焼きはんぺんのチーズみょうがのせ」<材料(1人分)>はんぺん 1枚スライスチーズ(溶けるタイプ) 1枚みょうが(小口切りにする) 2個オリーブオイル、みそ 各適宜<作り方>1. フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、はんぺんを入れて両面を焼く。2. 片面にみそをまんべんなくぬり、スライスチーズをのせてふたをする。3. チーズがとけたら皿に盛り、みょうがをのせる。できあがり! さあ、今夜も呑みましょう!Text/ツレヅレハナコ前回記事<豚の脂はサイコー!激うまおつまみ「カリカリ豚バラの豆苗巻き」>もチェック!焼酎のお湯割りやロックにもぴったり!
2017年04月21日今が旬の春キャベツを美味しく食べよう桜の見頃も終わり、いよいよコートを本格的にクローゼットにしまう季節ですね。今が旬の食材といえば、やっぱり春キャベツでしょう。ぎっしりと巻いた冬キャベツとは違い、ふんわりとゆるく葉を巻いた春キャベツはとってもやわらかいのが特徴です。水分が多く甘みがあって、サラダなどの生食や、浅漬けにしても美味しいです。私は塩昆布で軽くもんでシンプルにいただくのがお気に入り。この春キャベツ、お料理して美味しく食べるならば、おすすめはパスタ!今回は、春キャベツとあさりのシンプルなパスタをご紹介します。春キャベツとあさりのパスタ<材料2人分>春キャベツ 100gあさり 200gにんにく 1かけ鷹の爪 ひとつまみ白ワイン 50mlスパゲッティ(生なら200g 乾燥なら160g程度)塩こしょう 適量オリーブオイル 適量イタリアンパセリ 適宜1. 大きな鍋にたっぷりのお湯を沸かし、1%の塩を加える。2. 具材の下準備。春キャベツはざく切りに、ニンニクは皮をむき芯をとってみじん切りにする。あさりはよく水洗いする(砂抜きするならば、バットなどにあさりを並べ、3%の塩水で2-3時間おきます)。3. フライパンにオリーブオイルを大さじ1ほどを熱し、2のにんにくと鷹の爪を弱火で炒め、オイルに香りを移す。焦がさないように気をつける。そこに、あさりを加え、白ワインを回しかけて蓋をする。あさりの口が開いたら、火を止める。あさりは火を通しすぎないのがポイント!4. スパゲッティを茹でる。1の沸いた湯に、パスタを入れ、指定の時間茹でる。ゆであがる1分前にキャベツも入れ、火を通す。5. 3 のフライパンに湯を切った 4 のパスタとキャベツを入れ、軽く炒め合わせ、塩こしょうで味を整える。最後にオリーブオイルをひとまわしかけて、水分と乳化させると全体が馴染む。6. お皿に盛って、仕上げに適宜、イタリアンパセリやチャービルなど彩りのハーブを乗せて出来上がり。白ワインとともに、楽しくおいしく召し上がれ〜♪Text/太田みお前回記事<春をもっと感じよう!色鮮やかにサクラ咲くお弁当レシピ>もチェック!お弁当も華やかにしてみましょう!
2017年04月19日人生、何が起きるか分からないから面白いはじめまして、こんにちは。あたそです。変な名前ですよね。今日から隔週で、ひとり遊びについて色々書いていきます。まず、自己紹介を兼ねつつ、私が毎日のひとり遊びをする上で語らなければならないのが、Twitterです。Twitter、利用されている方も多いと思います。私もなんとなく流行りに乗って数年前から使いはじめ、気が付けばフォロワーが8万6千人。ドイツ国内の弁護士の数や京都府舞鶴市の人口と同じくらいなんですって。おいおい、まじかよ。数字だけ見ると、ドイツの弁護士多すぎでは?さて、Twitterをはじめてから、私のことを面白がってくれる人が周囲に現れ、トークイベントや原稿執筆、インタビューなど、色んな仕事をさせてもらえるようになりました。当初は、「どうしたらフォロワーが増えるのか?」「どういうツイートがウケるのか?」など、色々考えながらツイートをしていましたが、2万人くらいになった時に、そんなことどうでもよくなってしまって、今ではノンストレスで色んなことを主張しています。ごくたまに、フォロワーが増えて同じようなネタしか呟かない人とか、キャラ作ってるんだろうなあ~みたいな人とか見かけますけど、大変なんだろうなあ~……なんて思いながら画面を見つめています。たかがSNSごときのお話ではあるのですが、私の生活や友人関係はTwitterによって、ほんの少しだけ変化しました。普通に会社員をやって、普通に生きて、普通に死ぬだけの人生だと思っていたので、何があるかわからないですね! 本当!遊ぶ醍醐味、「感想言い合う」を叶えてくれるTwitter誰かと遊ぶ際の醍醐味と言えば、経験・体験を共有できる、感想を言い合えるなどがあると思います。Twitterをはじめてから、今や8万6千人にもフォローされているので、自分の好きな映画や美術館、旅行先など、必ず誰かが同じものを見ていたり体験したりしているんですよね。しかもたまに、全く知らない人からアドバイスをいただいたりもします。元々自分の好きなものを勧めるのも好きだったので、私の影響を受けて「好きになった!」と言ってくださることもあるんですよね。これが結構、嬉しかったりします。自分の知っている人だけではなくて、全く知らない人の真逆の意見を知れるので、興味深いし、めちゃくちゃ楽しいですね。例えば、現在上映されている『ムーンライト』という映画。私もさっそく観たのですが、抜け出すことのできない環境や“どうしようもなさ”みたいな絶望といった暗い気持ちを映し出す映像の美しさと台詞の少なさが心情を上手く表していて、終始感動していました。黒人社会を主題にした作品なのですが、Twitterの反応を見ていると、同性愛的なシーンも含まれているためか「気持ち悪い」と思う人もいるみたいで。作品の要的な部分だったりするのに、ただ単純に「気持ち悪い」と評価する人もいるんだなあ~…と少し驚いてみたりもしましたね。そんな風に、作品の根本を否定するような意見もありますが、評論家・批評家だけではなくごく一般の人の考えや捉え方も知れるので、様々なシーンを思い返しながら、自分の意見や考えも精査するのが、新たな発見だったりします。普通に生きて生活して誰かと知り合ったら、まず距離を保ちながら少しずつ会話をしていって、それでもっと仲良くなったり離れたりしていくんだろうけど、時間が経ってからじゃないと見えて来ない部分というのは必ずあると思います。でも、TwitterをはじめとするSNSを見ていると、どういうものが好きか? どんな意見を持っているのか? 何に影響されているのか? みたいな、その人を形成したものが見えてくるので、そこもまた醍醐味ですよね。もちろん、ネット上だけの人格を評価する訳ではないんですけど。「ひとりで行動したい」「誘うのが面倒くさい」「でも、誰かと語りたい」私がなぜ、ひとり遊びが好きか? というと、理由は様々あるんですけど。まず、同じ趣味な人を見つけるのが大変、そして誘うのが面倒くさい。さらに、酔っ払ってないと長時間まともに会話できる人がいない…など。クソですよね。そもそも人に気を遣えないし、あまり友達がいないのですが(笑)。一人で行動するのも苦ではないし、「やりたい!」って思ったら後先考えずに行動したいタイプなので、大体一人で色んなところに行ってしまうんですけど、Twitterを始めてから単独行動の拍車がかかってしまっているように思います。韓国くらいならノリで行ってしまうので、暇そうな友人2~3人に声を掛けてみるものの、見事に断られましたね。そりゃそうか。静岡も誰も付き添ってくれなかったからなあ(笑)。「自分が何かしたいときに誰かを誘うのが面倒くさい」「人に気を遣うくらいならひとりで行動したい」「でも、誰かと意見を言い合いたい」という、面倒臭い性格が混在している私にとって、Twitterというのは趣味のひとつとしてとても便利だし、色々助けられている気もしています。でも、めちゃくちゃ赤字だというTwitter社。「2017年がTwitterにとって重要な1年になる」とかなんとか言われているみたいなんだよなあ…潰れないでくれ…!Text/あたそ前回記事<旅先で出会った水タバコ「シーシャ」で自分の思考や思い出を整理する>もチェック!旅の途中で出会った「水タバコ」。その魅力とは?
2017年04月18日第12回:いろいろすっ飛ばしたい今回「将来結婚できるか不安です」という投稿を頂いたのだが、なんと21歳。悩むには若い。これは若年化か。最近の小学生の「化粧をしないと外に出られない」と同じことか。さて、婚活の若年化。今回の読者がどうかは分からないが、昨今は恋人を作らない20代が多いと聞いた。「付き合わずして結婚したい」という声。人と付き合うことの煩わしさが理由らしい。私は、作業的な面倒くささはあまり苦としないが、人との関わりの中で生じる面倒くささは極力避けるように過ごしているので、この理由はとても共感が持てる。私が面倒くさいと感じる時は、「俺なんて」とへりくだることで相手の同情を誘って母性本能をくすぐろうとすることや、自分の中にある劣等感を認めたくなくて周囲を下に見る防御のようなものを見た時。自分がした浮気話を語った後に「引いた?」と聞いてくる人や、「これって痛いかな」と言ってくる人。「そんなことないよ、って言って欲しいのかな」という時は「そんなことないよ」と言いたくない。そんな面倒くささから「いろいろすっ飛ばして結婚したい」になってしまう気持ちは分からなくもない。今回はそういう、人との煩わしさをすっ飛ばしたいという気持ちを描いた。こんな私に比べたら、今回の読者のほうが結婚は早そうだ。(こういう言い回しも「そんなことないよって言って欲しいのかな」な表現のうちの一つだ)Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。次回記事<スーパー銭湯は私にとって「最強のご褒美」>もチェック!「ご褒美」がテーマの爪です。
2017年04月17日お店の方たちのやさしい笑顔に会いに…4月13日は「喫茶店の日」こちらをご覧の皆さまはご存知かもしれませんが、昨日4/13は「喫茶店の日」でした。明治21年(1888年)4月13日、東京・上野に日本初の喫茶店「可否茶館(かひいさかん)」の開業が由来と言われています。残念ながら現在その店舗は残っていませんが、200坪もの敷地に建てられた木造洋館は2階建てで、1階はシャワー室などを備え、ビリヤード・将棋などができる遊技場で、2階が喫茶室となっていたそう。可否茶館記念会によると、「庶民のためのサロンとして、また知識も学べる広場(コーヒーハウス)とすることを理念としての開店であった。」ということで、当時に生きる人たちにとって憧れのハイカラな場所だったのではないでしょうか。それから129年が経った現在、喫茶店文化は引き継がれ、さらに近年では昔ながらの喫茶店の魅力にあらためて注目している人が増えているように感じます。慌ただしい日常の中で、珈琲を飲む時間はほっとひと息つける大切なもの。さて、純喫茶愛好家としてそんな記念日にじっとしているわけにはいきません。自分なりに楽しもうと思いついたのは「ひとり純喫茶リレー」でした。平日は会社員をしているため、自由になれる時間は夜のみ。業務終了後の18時過ぎから22時までの4時間で、神田駅から神保町までの道のりにあっていつもお世話になっている純喫茶を出来る限り多く訪れようと決めました。結果は下記の5軒。今回はその様子について綴ります。「ひとり純喫茶リレー」18:00神田「エース」まずは1軒目。純喫茶に夢中になってから最も多く通っている店。いつも素敵な笑顔で迎えて下さる兄弟マスターの清水さんたち。この笑顔や「のりトースト」を求めて北から南まで全国から訪れる人が絶えない人気店です。この日は、ドーナッツ(通常は2個セットですが、特別に1個にして頂きました)とコーヒーフェアの期間だけ飲むことが出来るインドコーヒーを。18:40 神田「珈琲園」2軒目。外観の写真を撮っていたら、その様子に気が付いたマスターの八戸さんが店内から手を振って下さいました。毎日限定数で作られる大人気のコーヒーゼリーを必ず注文してしまいます。夜18時以降、2階席は全面禁煙となります。マスターのこれからの野望について伺い、わくわくした気持ちに。19:20 淡路町「高山珈琲」3軒目。細い路地にあって、入口を飾るきちんと手入れされた美しい植物たちが特徴的。まるで隠れ家のようです。髭をたくわえたダンディなマスターは物腰柔らかく、珈琲の味にもやさしさを感じます。チーズケーキやサンドイッチ類も美味しいのでおなかが空いている方は是非。20:10 淡路町「ショパン」4軒目。木曜日の夜はママに会える日。扉を開けた私をにっこりと笑顔で迎えて下さいました。この後もまだ数軒巡る予定でしたので、「アンプレス」を食べたい気持ちをぐっと抑えて、季節限定の濃厚イチゴジュースやバナナジュースと迷ったあげく、「アンオーレ」を注文。小豆とエバミルクを氷とミキサーにかけたもので一口飲むと止まらなくなってしまう美味しさです。21:00 神保町「ラドリオ」5軒目。最近では満席になっていることも多い、ウィンナーコーヒー発祥の店。色々な店のナポリタンを食べ歩きましたが、こちらの味付けが最も好み。この日は久しぶりにチキンカレーを。よく煮込まれたほろほろの鶏肉の味わいであっという間に完食。鮮やかな色が嬉しい「ざくろスカッシュ」は、アイスクリームをのせてクリームソーダにも出来るのです。純喫茶の魅力は、美しい調度品で揃えられた店内や個性あふれる美味しいメニューはもちろん、お店の方々によるところが大きいと思っています。このやさしい笑顔たちに会いに、1年365日「喫茶店の日」としてこれからも過ごしていきたいと思っています。Text/難波里奈前回記事<ここでしか出会えない!美味しいケーキをもっと楽しめる“仕掛け”が可愛い『古瀬戸珈琲店』>もチェック!かわいい動物たちに会うにはアレを注文して下さい!
2017年04月14日前編で佐々木俊尚さんは、従来の会社や家族といった「共同体」が崩壊し、ライフスタイルが似た者同士でゆるく繋がる社会がやってくると指摘していた。後編では、その従来の「共同体」はなぜ崩壊しつつつあるのか、その中でどう生きていくべきかを伺った。従来の「強い共同体」が崩壊しつつある――なぜ、このように共同体の形が今変わりつつあるのでしょう?佐々木俊尚さん(以下、佐々木):終身雇用制度が機能しなくなってきているなど、今までのシステムが崩壊し始めているからです。高度経済成長期、人がどんどん都会に出てくるようになると、農村という共同体から切り離されたため、人々は企業という新しい共同体を求めました。ところが今、企業にぶら下がって生きることが難しくなり、新しい共同体を求める人が増えているのです。――共同体を求めるのは日本人独自の気質なんでしょうか。佐々木:諸説あるのですが、歴史学者の與那覇潤さんの「中国化する日本」によると、室町から戦国時代にかけては非常に開かれた社会で、流動的な関係性だった。それが江戸時代になると地域に縛られるようになって、今の日本のムラ社会は江戸時代から400年くらい続いているんです。これがもう一回壊れて、17世紀以前の社会に戻るかもしれないわけです。歳が同じ、会社が同じそれだけで繋がるほうがしんどい――17世紀以前の日本、ですか……。なんだか途方もない話のような気がしてしまいます。佐々木:30代くらいだったら将来のことなんて考えられないと思いますが、もう今までの日本人がイメージする「老後」というものは崩壊しています。昔は定年して自由な人生が待っていて、退職金がたくさんあり、年金もたくさんもらって、自由にあちこち行って、という感じだったんですが、今は年金も退職金もいくらもらえるかわからないし、子どももいなければ孫もいない、そんな人ばかりです。かつての老後のイメージはほぼ消滅していると考えたほうがいい。そうすると、どうなると思いますか?――うーん……、どうなるんでしょう。佐々木:多くの人は、定年したあとも何らかの形で働くことになるのだと思います。そうなったときに、一番いいのは、年齢関係なしに友達がたくさんいることです。違う世代の人とゆるく繋がっておくと、仕事を紹介してもらえることもあるでしょうね。――日本は上下関係の意識が強いですし、年齢差があるとなかなか「友達」という感じになりにくいですよね。佐々木:逆に、歳が同じだとか、たまたま同じ会社だとか、そういった縁があるだけで共同体が形成されるほうがしんどいことなのです。社会学者の山岸俊男さんが「信頼」とはどういうことかについて様々な著書で論じているのですが、山岸さんが言うには、同じ村にいるというだけで信頼するのは本来の信頼ではなく、やくざの世界における「信頼」と似ている、と。やくざ同士というのは本心から信頼しているのではなく、裏切ると指を詰めなければならないから裏切れないだけですよね。コミュニケーション能力がなくても無縁の人と繋がれるのか?――ただ、バックグラウンドの違う知らない人と繋がるというのは、誰にでも簡単にできることなのでしょうか? かなりコミュニケーション能力が必要な気がします……。佐々木:それは今が過渡期だからです。共同体の安定、共同体の崩壊、共同体の模索、と歴史が繰り返される中で、新しい共同体の形を模索している段階にいます。ここ数年はずっと、先陣をきってコミュニケーション能力の高い人が様々な形を試している状態なのです。こういった様々な試みの中からいずれ成功モデルが現れるはず。そうすれば、コミュニケーション能力がなくても、誰もが真似できるようなものが社会に浸透していくはずです。-----------------佐々木俊尚さんの言うところの「弱い繋がり」とは、あくまでも「自分は一人で生きている」という自立心を持っているのが前提のように思う。会社や村社会などの既存の「強い繋がり」における同調圧力は、誰しもが一人になるのが不安だからこそ生まれる。私自身は、そういった同調圧力に巻き込まれるくらいならば、誰とも関わらないで生きたほうがましである、と思っていた。けれど、必要な分だけ誰かと繋がれる、そんな都合のいい共同体(弱い繋がり)ばかりになるならば、どんなに生きやすくなることだろう。願わくば、生きている間にそのような社会になりますよう。(取材・文/朝井麻由美)■プロフィール佐々木俊尚(ささき としなお)1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。毎日新聞記者、月刊アスキー編集部を経て、フリージャーナリストとして活躍。ITから政治・経済・社会・文化・食まで、幅広いジャンルで、綿密な取材と独自の視点で切り取られた著書は常にベストセラーとなっている。『キュレーションの時代』(ちくま新書)、『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)、『家めしこそ、最高のごちそうである。』(マガジンハウス)など著書多数。特集「おひとりさまのあたらしい住処」もあわせてご覧ください!・これからの社会は「弱い繋がり」で生きやすくなる/ジャーナリスト・佐々木俊尚さん(前編)・「ひとり」と「ふたり」と「みんなで」を、行ったり来たりする人生が理想
2017年04月13日気楽に楽しめるパッケージツアー、その一方で…格安旅行会社の突然の倒産に、10万人近く被害に遭われた方がいるという報道があります。この旅行会社、なんどか使ったことがあるので他人事ではありません。だけど、旅好きな和久井が今回被害に遭わなかったのは、単純に最近の旅が「おひとり旅」ばっかりだからです。パッケージツアーの場合、ひとり参加は割高の場合が多いのです。過去にその旅行会社を利用したのは、友人との旅行でした。最近は、Booking.comやAgodaといったホテル予約サイトが充実していて、簡単に最安値で部屋を確保することができます。移動はLCCや旅客鉄道各社が発行している、企画きっぷなど。でもこうした手順を迷いなくできるのって、多少旅に慣れているからかもしれません。だからこそ、その面倒なやり取りを企業にお任せできるツアーは、とても楽ちんです。今年、久しぶりに友人とツアー旅行に出かけましたが、行き先から集合場所、時間まですべて管理してくれるので「なんて楽なんだろう!」と感動しました。それゆえに、そういう気楽さを求めてツアーを申し込んだ人たちが、今回の倒産によって海外に放り出されてしまったこの状況を思うと、本当に胸が痛みます。夜がさびしいなら「パートタイムおひとり旅」をおひとり旅の敷居があがってしまう理由のひとつに、宿にひとりで泊まることがありそうです。知らない街の知らないホテルを予約するのって、けっこう勇気がいるかもしれません。となると、おひとり旅初心者の方にオススメなのが「友人を訪ねる旅」です。和久井は失恋をすると旅に出る習性があります。家にいるとシオシオしてろくなことがないからです。そんなセンチメンタル・ジャーニーはおひとり旅のきっかけにオススメです。あとは貧乏旅行にもいいですね。何しろ宿代ってけっこうかかるので、そこを友人の家に泊まらせてもらって済ましちゃうこともけっこうあります。大学サークルの後輩が金沢に転勤になったと聞いて、早速遊びに行ったことがあります。「うちに泊まっていいですよ」と言われたので、遠慮なくお邪魔しました。今考えるとなんか下心でもあったのかしらと思わないでもないけど、何事もなく3日ほど過ごして帰ってきました。大変楽しかったです。どうせ行くなら長めに行きたいと思い、平日絡めて4~5日の旅行にしました。平日、彼は仕事があるので、車を貸してもらって金沢市内をドライブ。夜に合流して、オススメのお店に連れて行ってもらってました。ホテルを取っている日は別々に、泊めてもらうときは一緒に部屋へ。こういう「パートタイムおひとり旅」はぜんぜん淋しくない上に、地元情報がたくさんもらえるのでお買い得ですよね。週末は能登半島を一緒にドライブしました。お土産に買った輪島塗のお箸(1膳9000円也!!)は未だにとっておきの一品です。永平寺にも足を伸ばしたらカップル扱いされて「神聖な場所ですから騒がないように!」とか注意されてしまった。なんか、めっちゃくちゃ楽しかったです。真性カップルじゃないんで別れた後も淋しくないし、最高に元気になって自宅に戻ってきました。大学サークルの仲間って、気心知れてる友達とか兄弟みたいな感じなんですよね。宿が取れないなら、お友達ネットワークを頼ろう去年も出張ついでに延泊して、大坂に赴任している後輩男性と飲もうって話になったのですが、週末の大坂って、ぜんぜん宿が取れないの。仕方がないので大荷物抱えて待ち合わせ場所に行き、そのまま泊めてもらいました。ダメって言われたらサウナに泊まろうと思って。そう言ったら、最初びっくりしてましたが、OKしてくれました。夜ご飯を食べに行って、大酒飲んで、部屋に戻って、記憶を失って寝てましたが、何事もなく翌朝帰ってきました。宿代も浮いたし、大変楽しかったです。甲府に先輩が赴任していたときは、よくテニスをしに行ってました。昼間は工場のテニスコート(無料)でプレイして、適当に飲みに行って、夜はおうちに泊めてもらって。どうも和久井は大学サークルで遊びすぎたのか、この手の警戒心がぜんぜんないんだけど、ないならないなりに別に危険なことも起きないんですよね。「なんか起こるかも!」とか思ってると、その気持ちが伝播してコトが起こるんじゃないかとか勝手に思ってます。まあ、起きたら起きたで、おひとりさま卒業かもしれないんで、それはそれでいいのかもしれませんけど。男性んちに泊まるだけじゃなく、女友達のところにもよく遊びに行ってました。新潟で短期赴任してる子のうちに行って、昼間はひとりで遊んで、夜は一緒。おひとり旅は、夜が一番淋しいので、これはホントにお買い得です。ゴールデンウィークなどの大型連休中は宿が取りにくいですよね。だけど交通機関のチケットならなんとかなるかもしれないし、そんな時こそ「お友達んちステイのプチおひとり旅」ですよ!おうちに泊まるのではなくても、現地の安宿情報とか持ってるかもしれないし。SNSとかで旅行友達を探してみてはいかがでしょう。ただし先日、知りあいの男子の赴任先に「遊びに行くわー」って言ったら、けっこう警戒されたっぽいので、誘う相手は選んだ方がいい、かもしれません。Text/和久井香菜子前回記事<LCCでポンと買ってひとり旅を!港町の人々との感動したやり取り>もチェック!行き先を考える前に、まずは安いチケットを!
2017年04月12日豚の脂っておいしすぎる!豚の脂って、おいしすぎますよね。「牛は肉(赤身)を食べ、豚は脂を食べる」という言葉もありますが(あるんです!)、豚の脂ならではの、あのステキな甘さ! 舌にからむとろけっぷり!しかも、比較的お手頃価格だなんて、豚バラ肉サイコー!…と、テンション高めに豚の脂について語ってみましたが、やっぱり気になるのは「脂っこい」「カロリー高すぎ」。かといって、しゃぶしゃぶばかりで食べるのは味気ない。それなら今日は、ぜひ薄切り肉を「焼く」話をさせてください。脂をとろとろではなく、カリッカリにする簡単&激うまおつまみ!油をひかないフライパンに、ただ豚バラ薄切り肉を並べ、ひたすら弱火で焼くこと数分。みずから溶け出す脂でじわじわ揚げ焼きにされ、めちゃくちゃおいしい食べ物に!ああ、塩をふっただけで食べられる……(ヤバい)。しっかり焼くことで余分な脂が溶け出し、多少はヘルシーになるはず(?)。さらにオススメは、豆苗としそを巻き、レモンをじゅわっとかける食べ方。最近100円で売っている豆苗(しかも根を水に漬ければもう1回生えてくる!)は、ぜひ一袋丸ごと巻いてみましょう。豚バラの脂には、そのくらいの量の豆苗&さわやか担当のしそがあってちょうどいいのです。ビールはもちろん、焼酎のお湯割りやロックにもぴったりですよー。「カリカリ豚バラの豆苗巻き」<材料(1~2人分)>豚バラ薄切り肉 100g(4枚)豆苗(根元を切り落とす) 1袋しそ 10枚塩、こしょう 各少々レモン 1/2個<作り方>1. まな板に豚バラ薄切り肉を2枚ずつ重ならないように並べる。上にしそ5枚を並べ、1/2量の豆苗(半分に分けて上下を入れ替える)をのせる。2. 端から斜めにくるくるとまんべんなく巻く。3. フライパンに 2 の巻き終わりを下にして並べ、弱火にかける。4. カリッと焦げ目がつくまで全体をたまに転がしながら焼く。5. 包丁で食べやすく切って器に盛り、塩、こしょうをふる。レモンを添え、搾っていただく。できあがり! さあ、今夜も呑みましょう!Text/ツレヅレハナコ次回記事<薬味どっさりでお酒がすすむ!「焼きはんぺんのチーズみょうがのせ」>もチェック!はんぺんとミョウガで酒うまレシピに!
2017年04月07日誰かと一緒にいるより、一人の時間が好き。一人でいれば、空気を読む必要もない。気遣いやしがらみなど、集団の煩わしさとは無縁である。けれど、暮らしていく上で一切不安がない言うと嘘になる。“ライフスタイル”ならばそれでよくても、こと“ライフ(=人生)”の話になると、一人というのは圧倒的に不利だ。今はよくても、働けなくなったら? 病気になったら?ジャーナリストの佐々木俊尚さんは、新刊『そして、暮らしは共同体になる』の中で、今までとは違った新しい集団(共同体)の形を提唱している。佐々木さんによると、今後の社会では、「一人の時間がほしい」、「集団で協力し合って不自由なく生きていく」、この一見相反する2つが両立するようになるらしい。“おひとりさま”も本当に一人なわけではない――「新しい集団(共同体)の形」とはどういうことなのでしょうか? 昨今、依然として“おひとりさま”ブームは続いていますし、「集団で協力し合って生きる」とは真逆の流れがあるように思います。佐々木俊尚さん(以下、佐々木):おひとりさまといっても、本当にたった一人で生きているのかといったら、そうではないですよね。一人で旅行に行ったとしても、Facebookに投稿するでしょう? これもある意味、人と繋がっていると言える。SNSも一切やらずに山の中で一人で暮らしているならば正真正銘のおひとりさまですが、そうではないですから。――それは……その通りですね。佐々木:自分の行動をSNSで誰かに見せるなどといった、おひとりさまにも“おひとりさまならではの共同体感覚”というものはあります。新しい共同体の形とは、「会社」とか「夫婦」などの既存の共同体ではなく、別のゆるい繋がり方があってもいい、というオルタナティブな選択肢のことなんです。必ずしも「強い共同体」じゃなくていい――なるほど。共同体、集団、コミュニティというと、助け合いや絆といったポジティブな面と同時に、気遣いやしがらみなどの面倒なマイナス面がどうしても思い浮かぶのですが、そういうのではなく……?佐々木:そうです。人類の歴史上、共同体がなかったことはなく、必ずしも息苦しいものではありません。「ストロング・タイズ(強い繋がり)」と「ウィーク・タイズ(弱い繋がり)」という言葉があるのですが、これからの社会では「弱い繋がり」が重要になってきます。――「弱い繋がり」?佐々木:「強い繋がり」は例えば家族や会社、「弱い繋がり」は年に何回かご飯を食べたり、趣味の集まりで一緒になったりといったゆるやかな関係性のこと。おひとりさまがSNSでゆるく繋がっている感覚も「弱い繋がり」の一種です。――その程度の繋がりでも「共同体」になるんですね。佐々木:一昔前の終身雇用の時代、そのさらに昔の農村の時代と、「強い繋がり」の時代が長く続いたため、「共同体=強い繋がり」といったイメージがどうしてもありますよね。こういった共同体には同調圧力が生まれやすく、人によっては息苦しさを感じるでしょう。「絆」なんかも良い言葉だと思われがちですが、僕自身は絆なんてないほうがいいんじゃないかと思っています。絆は同調圧力と紙一重ですから、あまりに絆、絆と言われると、生きづらいんですよね。――ああ……わかります、わかります。佐々木:でも、生きていくのに必ずしも強い繋がりの共同体は必要ないんです。弱い共同体で充分なのです。会社に所属しているとか、誰かの奥さんとして専業主婦をやっているとか、「強い繋がり」しかなかった今までの日本が終わり、それぞれが色々な繋がりを網の目のように張り巡らせる社会が少しずつやってきているのです。ライフスタイルで繋がる「無縁の共同体」――それが佐々木さんのおっしゃる「新しい共同体」だと?佐々木:そうです。具体的にこの「弱い繋がり」のどんな共同体が主流になっていくのかはまだ模索中の段階ですが、ここ10年~20年はインターネットのテクノロジーのおかげで、距離や時間のハードルを越えて人と繋がるのが可能になってきました。こうしたテクノロジーを活用しながら、「無縁の共同体」、つまり血の繋がりもなく、夫婦でもなく、同じ会社でもない人たちが寄り添って生きるのがおそらく普通になっていくのではないかと思います。――とはいえ、「夫婦」という共同体そのものがなくなることはない、ですよね?佐々木:でも、夫婦のあり方が変わっていくと思います。今までの夫婦は「強い繋がり」でしたが、これからは「弱い繋がり」の夫婦がもっと増えていいと思います。実際、そのほうが夫婦はうまくいくんですよ。――えっ、そうなんですか?佐々木:夫婦に共通の友人が少ないほうが、夫婦の持続性がある、とアメリカの調査でわかっています。だから、お互いの友人を紹介し合うなど、あまり夫婦ぐるみの付き合いはしないほうがいい。お互いのプライバシーを侵害せず、夫婦間を「弱い繋がり」の共同体にしておくのは、長く続けるひとつの方法なのです。――ただ、お互いに相手を干渉しないスタイルは、苦手な人もいそうです。佐々木:夫婦だからってルールで縛りすぎるほうが生きづらいはずなんですけどね。そもそも結婚相手には、ルールで縛る必要のない、同じようなライフスタイルの相手を選ぶことも重要です。例えば、コレクター癖がある人と、ものが少ない中で生活したい人は絶対に合わないですよね。人は似たライフスタイルの人と生きるに限るんです。実際、「恋愛の果てにある結婚」というより、生きる上での「セーフティネットの一つ」という考え方の人も増えてきています。――つまり、これまでのお話をまとめると、様々なバックグラウンドを持った人々が、同調圧力が生まれない程度にゆるく繋がりつつ、困ったときにだけ助け合う、ということでしょうか? 「結婚」も、そのゆるい繋がりの形の一つでしかない、と。佐々木:はい。100年後くらいには、お年寄りから子どもまで、まったく縁のない人同士で育児や介護をシェアするのが当たり前になっているはず。まだ今はロールモデルが存在しないため、イメージしづらいかもしれませんが。――そうですね……。実際にはまったく縁がない人に対して壁を感じる人はまだまだ多いでしょうし。佐々木:今までの日本って、強い繋がりしかない社会だったんです。会社に所属しているとか、誰かの奥さんとして専業主婦をやっているとか。たとえるなら、壁に囲まれた敷地内でだけで生活していたわけですね。けれどこれからは、その壁を取り払って、一面芝生が広がっている中に、一人一人それぞれから細い道(弱い繋がり)が伸びている、そんな社会になっていくと思います。そうやって「弱い繋がり」を持てば持つほど、リスクヘッジになるのです。(後編に続く)(取材・文/朝井麻由美)■プロフィール佐々木俊尚(ささき としなお)1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。毎日新聞記者、月刊アスキー編集部を経て、フリージャーナリストとして活躍。ITから政治・経済・社会・文化・食まで、幅広いジャンルで、綿密な取材と独自の視点で切り取られた著書は常にベストセラーとなっている。『キュレーションの時代』(ちくま新書)、『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)、『家めしこそ、最高のごちそうである。』(マガジンハウス)など著書多数。特集「おひとりさまのあたらしい住処」もあわせてご覧ください!・これからの社会は「弱い繋がり」で生きやすくなる/ジャーナリスト・佐々木俊尚さん(前編)・同世代の繋がりだけではキツイ!崩壊する老後の生き方/ジャーナリスト・佐々木俊尚さん(後編)
2017年04月06日