更新日:2021/08/29
投資信託は積み立て開始後に放置で良いの?
- 投資信託はどのような資産運用方法か
- 積み立て開始後は放置で良いか
- 100万円を投資信託で10年間放置するとどうなるか
- 下落している場合の対処法
- 放置している投資信託に対してできることはあるか
内容をまとめると
- 積み立て投資信託はプロに任せられるので運用に時間を取られない
- 積み立て投資信託は元本がどんどん増えて行くので投資効率がよい
- ただし、放置しておくと知らぬ間に大きく損をすることも
- 初期100万円で毎月1万円を積み立てると、10年で50~60万円の利益も
- リスクはあるけれど、比較的安全に預貯金の利子よりは儲けたい人に投資信託はおすすめ
- 絶対に元本割れをしたいくない人や一獲千金のハイリターンを望む人にはおすすめできない
- 積み立て投資信託が自分にベストか確かめるには、無料相談を利用するのがおすすめ
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目次を使って気になるところから読みましょう!
投資信託ってどんな資産運用方法?
ネット証券ができて、投資信託も手軽に購入できるようになりました。
しかし、投資信託の運用がどんな仕組みになっているか、詳しく知っている人は案外少ないかもしれません。
投資信託の場合、販売する人、運用を指図する人、実際に運用する人がいますが、それぞれ会社に当てはめると
- 証券会社
- 運用会社
- 信託銀行
になります。
投資先は株式、債券、運用地域は海外、国内と幅広く、もちろんそれらの組み合わせも多くあります。
会社の役割分担が明確になっていて、定期的に運用結果が報告されるため、投資信託は透明性が高いといわれます。
日経新聞を見れば、株式投資信託の年利回りは7%~5%前後、債券と組み合わせた投資信託の年利回りは5%~3%前後が多いように思われます。
投資信託のよいところは
- 専門の運用会社が運用する
- 分散投資になる
- 少額から始められる
- 投資先の選択肢が多い
などです。
加入して積み立て開始後はほったらかしで良いの?
積み立て投資信託は少ない金額から始めることができ、プロが運用するのでほったらかしでいいと思う人も多いでしょう。
しかし、日々値上がりしたり、値下がりしたりするので、本当にほったらかしでいいのか疑問に思います。
そこでここでは
- 放置で良いかどうかは運用による
- 集中投資の場合は要注意
- 分散投資も定期的にチェック
について解説します。
放置で良いかどうかはどのような運用をしているかによる
投資信託はどれも値上がりしたり、値下がりしたりし、だからこそ元本割れを起こすこともあります。
種類も千差万別であり、値動き幅の少ないものから、大きいものまであります。
リスクの面から言えば、ローリスクな投資信託からハイリスクな投資信託までそろっています。
一般的にみれば、値動きの少ないローリスクな公社債投資信託などは、積み立て投資信託を始めた後は放置でもよいでしょう。
公社債投資信託を購入する理由は、リターンは少なくても安全性を重視するためです。
放置しておいても元本割れする可能性は少なく、着実に配当が得られるでしょう。
集中投資の場合は要注意
リスクは高くても、大きく儲けたいときには株式など値動きの大きい投資信託に集中投資をする方法があります。
集中投資ではうまく運用できれば多額な利益が得られますが、下手をすれば多額な損失を生むことにもなります。
このようなハイリスク・ハイリターンの投資信託は、長く持ち続けるのがよいとは限りません。
投資の前に「この投資では、この期間内にこれだけ儲ける」と目標を設定したら〜目標に達すれば解約するという方法があります。
ハイリスク・ハイリターンの投資信託はいつでも儲かるわけではなく、大きな値上がりと値下がりがあるため、頻繁なチェックが望ましいです。
長く持っていて大きな値下がりにあってしまうと、取り戻すまでに長い期間を要することになります。
分散投資をしている場合も定期的にチェックしよう
投資信託のメリットの1つに分散投資があります。株式、債券、国内、海外と投資先を分散させる方法です。
分散投資をする目的は、異なる値動きをするものに投資をすることによって、リスクを分散させることです。
分散投資をしている場合は、定期的に投資先の構成、つまりポートフォリオをチェックすることが大切です。
たとえば、リスク分散と利益追求から2つの投資先A、Bを選択して、2分の1ずつ投資したとしましょう。
1年が経ってA:Bが30:70になったとすれば、あなたの投資方針からずれていることになり、50:50に戻してリスク分散と利益追求のバランスを図ることが必要になります。
100万円を投資信託で10年間放置するとどうなる?
100万円を投資信託で10年間放置するとどうなるのか、大変興味深いですね。
放置する場合も一括投資の後放置する方法と、積み立て投信に加入して放置する方法があります。
可能性が高い積立金額や利回りを仮定して下の表にまとめました。
初期投資100万円を10年間放置したとき
年平均利回り | 投資結果 | 利益 |
---|---|---|
1% | 1,105,125円 | 105,125円 |
3% | 1,349,354円 | 349,354円 |
5% | 1,647,010円 | 647,010円 |
定期預金だと100万円を10年間預けても数百円の利息しかつかないこと考えると、数十万円の利益が得られるのは大きいです。
次に、初期投資100万円に加えて、月々1万円の積み立て投信を10年間行ったとき
年平均利回り | 投資結果 | 利益 |
---|---|---|
1% | 2,366,624円 | 166,624円 |
3% | 2,746,768円 | 546,768円 |
5% | 3,199,833円 | 999,833円 |
積み立て投資信託は元本が増える分、一括投資に比べ利益も大きくなります。
下落している場合の対処法
購入した投資信託または積み立てている投資信託があると、期待や不安がふくらみます。
上がってる場合は今後もさらに上がるといいねくらいに思ってやり過ごせますが、下がっている場合はもっと下がるとどうしようと気になってしまいます。
その場合の対処法はどうするのがよいのでしょうか。
ここでは、
- 運用している商品を見直す
- 損切や証券会社の乗り換えも検討
について解説します。
運用している商品自体を見直す
一般に売買できる投資信託はおよそ6,000本もあり、それらが一様な値動きをするわけではありません。
運用している投資信託が予想以上に下落している場合、運用している商品自体を見直すことも1つの方法です。
景気に左右される大きな流れと、投資先や運用方法に左右される小さな流れがあり、全体としてはその組み合わせになります。
運用している投資信託が大きく下落していても、他の同様な投資信託と比較して運用成績が同じようなものであれば、景気の影響を受けていると考えられます。
しかし、他の同様な投資信託と比較して運用成績にかなりの違いがあるのであれば、運用方法に問題があるとも考えられます。
そのような場合は、運用している商品を解約し、新たな商品を購入することも選択肢です。
ただし、売買を頻繁に行うと手数料や譲渡税がかかりますので、そのことも考える必要があります。
場合によっては損切や証券会社の乗り換えも検討
運用のプロといえども、常に利益が出せるわけではなく、特に大きな景気の後退期は全体的に価格が下落してしまいます。
放置しておくと損失はどんどん大きくなり、取り戻すのに何年も何十年もかかることもあり得ます。
そのような事態を避けるために、一定程度下がったら機械的に売ってしまう方法があります。いわゆる、損切りです
たとえば、10%下がったら売るとあらかじめ決めておき、実際に10%下がったら、もう下げ止まるだろうとかこれから上昇するだろうとか考えないで、売ってしまいます。
景気が上向けば10%を取り返すことは容易だと考えるわけです。
さらに、下落して売却するついでに手数料の安い証券会社や品ぞろえやサポートの手厚い証券会社に乗り換える方法もあります。
放置している投資信託に対してできる事はあるの?
ここまで投資信託もときどきチェックした方がよいことについて解説してきました。一方、放置している投資信託に対してできることはあるのでしょうか。
放置していても投資ですから少しでも多く儲けたいという気持ちはだれにもあります。
ここでは、放置している投資信託に対してできることがあるかについて
- 運用に関してできることはない
- 入金するお金を増やす努力をする
を解説します。
投資に時間をかけずになるべく放置しておきたいが、運まかせの儲けではなく、少しでも多く儲けるようにしたいですね。
運用に関して出来ることはない
放置している投資信託に対して、投資家が運用についてできることはありません。
投資信託の運用はプロに任せているわけですから、それを見守ることしかできません。
ただ、放置しっぱなしでよいかといえば、そうでもありません。
ときどき価格を見て大きく損をしていないか、大きな景気に関する出来事があったときにどのような値動きになっているかは見ておく必要があります。
小さな動きに対しては放置するにしても、大きな動きに対してはそのまま放置するか何らかの決断をするかの検討をした方がよいでしょう。
入金するお金を増やす努力をしよう
投資における儲けは
- 入金量
- 利回り
- 運用年数
で決まります。
投資信託の利回りはプロが行う運用によるものであり、運用年数は今後の時間をかけて伸ばしていくものです。
したがって、放置している投資信託に対していまできることは、3つのなかで入金量を増やすことだけです。
積み立て投資信託であれば毎月の積立金を増やしたり、積み立て式でなければ買い増しをしたりします。
配当も受け取らないで再投資すれば、複利で増えていきますので、投資効率がよくなります。
入金量を増やすには家計の見直しが必要であり、見直しのコツは支出を固定費と変動費、貯蓄に分けることです。
支出の内訳は
- 固定費45%
- 変動費35%
- 貯蓄20%
が基本です。
支出の内訳は、収入や家族構成、生活レベルなどによってさまざまですので、必ずしもこの通りである必要はありません。
基本から大きく外れているときは、基本に近づけるように見直しをすれば、投資への入金も増やすことができるでしょう。
まとめ:放置してよいかは投資信託の種類による
投資信託は積み立て開始後に放置でよいかについて解説しましたが、いかがでしたか。
今回の記事のポイントは
- 投資信託は比較的安全で透明性が高く平均利回りも3%程度が期待できる
- 加入して積立後は、ときどき配分割合をチェックしたほうがよい
- 初期100万円の投資信託で毎月1万円を積立すると、利回り3%として10年間で546,768円の利益になる
- 購入した投資信託が下落したときは、商品の見直し、損切り、証券会社の乗り換えなどが考えられる
- 放置している投資信託でできることは入金するお金を増やすこと
でした。
預金をしていても利子はほとんどつかない現在、比較的安全で利回りもよい投資信託を購入する人は多いでしょう。
購入したもののそのまま放置しておいたら以外に増えていたと喜ぶこともあるけれども、予想外に下がっていてガッカリすることもあります。
投資信託を始めるときは、ガッカリしないためにもこの記事を参考にして、定期的に運用結果をチェックすることをおすすめします。