更新日:2021/05/15
資産運用でよく聞くポートフォリオとは? おすすめのポートフォリオの配分なども解説
- ポートフォリオやアセットアロケーションの解説
- 年代別の理想的なポートフォリオを紹介
- 運用タイプ別のおすすめのポートフォリオを紹介
内容をまとめると
- アセットアロケーションは、国内外の株式や債券へどのような割合で資産を配分するのかを決めること
- ポートフォリオは、運用する金融商品の組み合わせのこと
- 自身の年齢や投資目的、資産の状況からリスク許容度を考えてポートフォリオを決めるとよい
- 年齢が上がるにつれて、リスクの少ない金融資産の保有割合を増やすのがおすすめ
- ポートフォリオは一度、作成して終わりではなく、年1回は見直すべき
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目次を使って気になるところから読みましょう!
資産運用や投資でよく聞くポートフォリオやアセットアロケーションとは?
実際に資産運用や投資を始めようとすると、まずはアセットアロケーションやポートフォリオという言葉を聞くでしょう。このふたつの単語がどんな意味かわからない方もおられますよね。
アセットアロケーションは、投資資金を国内外の株式や債券へどのような割合で配分するのかを決めることをいいます。また、ポートフォリオは、アセットアロケーションで割合に従い、購入した金融商品の組合せのことです。
この見出しでは、ポートフォリオやアセットアロケーションについて、さらに詳しく解説していきます。
株式投資や資産運用で言われるポートフォリオとは?
ポートフォリオとは、自身が投資する金融商品の組合せや保有比率のことをいい、次の3つのメリットが挙げられます。
効果的な運用がしやすいこと
金融商品ごとに目標利回りを設定すれば、自身が考えた資産運用が計画通りに進んでいるかどうかがわかりやすいです。つまり、資産運用の計画との差異から金融商品の入れ替えや保有比率などを定期的に見直せるので、資産運用の効率が良くなります。
適切な分散投資を行えること
各個人の置かれた状況によって、運用期間や目標利回りが変わってきます。ポートフォリオを組めば、それぞれのニーズにあった分散投資が行いやすいです。
リスクコントロールがしやすいこと
金融商品には値下がりするリスクがあり、商品によってリスクの大きさは異なります。そのため、ポートフォリオの作成時に自身がどのくらいのリスクまで許容できるかを踏まえて、金融商品の選択が可能です。
株式投資や資産運用で言われるアセットアロケーションとは?
アセットアロケーションは、国内外の株や債券といった大きなくくりで、それぞれどのような割合で資産を配分するかを決めることをいいます。このアセットアロケーションが有効なのは、リスクコントロールがしやすいことです。
単純に資産を増やすだけを考えると、リスクの大きい金融商品に投資する方が良いのですが、資産を大きく目減りする可能性もあります。そのため、リタイア世代の方は収入を増やすことは難しく、大きなリスクがある運用方法はおすすめできません。
一方で若い世代は、リスクを負って老後資金を準備する時間的な余裕があるので、大きなリスクを許容できます。
つまり、アセットアロケーションは、各個人の資産状況や運用目的、年齢などに基づき、リスク許容度を考えて決めることが重要です。
資産運用のためのポートフォリオの理想的な組み方・バランス
ここまでの説明でポートフォリオを組むメリットがあることは理解してもらえたかと思います。
しかし、いざポートフォリオを作成しようと思っても、どうすれば良いかわからない方も多いのではないのでしょうか。そのような方のために、ここでは株式や債券、不動産などでどのように分散して投資すれば良いのか各年代別に解説していきます。
20代におすすめ!資産運用におけるポートフォリオの組み方
20代は長期投資が可能であり、多少の損失は取り返しできるので、積極的にリスクをとって資産を増やすことを目指したポートフォリオを組むと良いでしょう。
ポートフォリオのおすすめは下記のとおりです。
- 国内株式:21%
- 国内債券:19%
- 海外株式:35%
- 海外債権:5%
- 国内REIT:15%
- 海外REIT:5%
30代におすすめ!資産運用におけるポートフォリオの組み方
30代もまだ老後までに時間があるので、長期投資が可能なために積極的にリスクを取った資産運用が可能です。
ただし、20代と比べて老後までの期間が短くなっているためにリスクを抑えましょう。つまり、比較的、安全性が高い債券の割合を増やしてリスクの大きい株式の割合を減らしたポートフォリオを組んだ方が良いでしょう。
30代の方におすすめするポートフォリオは次のとおりです。
- 国内株式:17%
- 国内債券:30%
- 海外株式:27%
- 海外債権:6%
- 国内REIT:15%
- 海外REIT:5%
40代におすすめ!資産運用におけるポートフォリオの組み方
40代からは、20代・30代とは違い、退職後のことを視野に入れた資産運用を行うようにしましょう。つまり、資産が大きく目減りするリスクを減らすため、安定している債券の比率を大きめにしたポートフォリオを組むのがおすすめです。
退職後を視野に入れるといっても60才で定年だとすると、40代は退職までまだ10~20年もあります。そのため、株式やREITにも分散投資を行い、安定的に資産を増やす運用を行いましょう。
40代におすすめのポートフォリオは以下のとおりです。
- 国内株式:13%
- 国内債券:42%
- 海外株式:17%
- 海外債権:8%
- 国内REIT:13%
- 海外REIT:7%
50代におすすめ!資産運用におけるポートフォリオの組み方
50代は、定年退職が近くなってきているので、安定的な運用が求められます。そのため、債券を中心としたポートフォリオを組むようにしましょう。
なお、まだ退職までは数年間はあるので、株式投資などで多少はリスクのある金融資産へ投資することも必要です。ただし、少しでもリスクを減らすために為替による変動がない国内株式を海外株式より多い比率にするとよいでしょう。
50代におすすめするポートフォリオは次のとおりです。
- 国内株式:9%
- 国内債券:53%
- 海外株式:7%
- 海外債権:11%
- 国内REIT:11%
- 海外REIT:9%
60代以上におすすめ!資産運用におけるポートフォリオの組み方
- 国内株式:5%
- 国内債券:66%
- 海外株式:5%
- 海外債権:13%
- 国内REIT:6%
- 海外REIT:5%
運用タイプ別のおすすめの資産運用ポートフォリオを紹介
ここでは、運用タイプ別のおすすめのポートフォリオのつくり方を紹介します。
具体的には、ハイリスクハイリターンの投資信託とローリスクローリターンの投資信託に分散投資し、運用タイプに応じて二種類の投資信託の保有割合を調整しましょう。
なお、どちらの運用方法でも一気に金融商品を買うことは、リスク管理の観点でおすすめではありません。これは、購入した時点が高値の場合、大きな損失につながるリスクがあるためです。
購入方法としては、「ドルコスト平均法」(定時定額購入)がおすすめです。ドルコスト平均法は、長期間、決まった金融商品を定期的に定額、購入していく方法です。こうすれば、高値づかみを避けられるので、リスクを減らせます。
アクティブ型のポートフォリオの割合や比率
積極的にリターンを狙いに行く場合は、株式型投資信託の保有割合を100%にするとよいです。
株式型投資信託は、大きく分けてインデックス型とアクティブ型の2種類があります。
インデックス型は、日経平均やTOPIXといった市場の平均を示す株価指数と同じ動きをするように設計されたす投資信託です。アクティブ型は、市場平均を上回るパフォーマンスを目指す投資信託です。
積極的に大きなリターンを狙うポートフォリオを組む場合は、インデックス型の株式投資信託を7割、アクティブ型の株式投資信託を3割、組み込むのがおすすめです。
なお、投資信託を購入する場合、信託報酬が小さい商品を選ぶようにしましょう。信託報酬は運用成績に関わらず、金融商品を保持している間、金融機関に支払い続けなければなりません。
つまり、たとえ他の商品と比べて運用パフォーマンスが良くても信託報酬が高い投資信託であれば、実質受け取るリターンが他の商品よりも悪くなるケースもあります。
バランス型のポートフォリオの割合や比率
次にリスクを抑えて、無理のないリターンを目指すバランス型のポートフォリオについて、紹介いたします。
バランス型のポートフォリオの保有は、比較的安全とされる債券と株式を組み合わせて保有することがおすすめです。割合については、一般的には債券を3~5割、残りを株式とすることが多く、自身が許容できるリスクに応じて割合は調整しましょう。
株式は、無理のないリターンを狙うためにインデックス型投資信託をメインにするとよいです。特に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」など世界の経済成長に連動する投資信託を選ぶましょう。
また、先にも述べた信託報酬に加えて、投資信託の販売手数料についても確認しておきましょう。当然、売買手数料が低い方がリターンを多くすることができ、ノーロード投資信託のような販売手数料が0の商品もあります。
資産運用のポートフォリオでどれくらいリターンが出るのかシミュレーション!
ここまでポートフォリオの組み方を解説してきました。実際にどのくらいのリターンがでるのか、30代のポートフォリオで検証してみましょう。
計算条件は次のとおりです。なお、今回、計算を簡単にするためにリバランス無しで検証しています。
- 年齢:35才
- 投資期間:20、25、30年間の3パターン
- 毎月積立額:5万円
- リバランス:無し
- 国内株式:10.4%(ニッセイ日経225インデックスファンド)
- 国内債券:1.2%(日本国債)
- 海外株式:16.2%(eMAXIS Slim米国株式(S&P500))
- 海外債権:2.2%(たわらノーロード 先進国債券※)
- 国内REIT:9.5%(ダイワ J-REITオープン)
- 海外REIT:8.5%(eMAXIS 先進国リートインデックス)
積立額 | 投資額 | リターン | |
---|---|---|---|
20年間 | 4,266万円 | 1,200万円 | 256% |
25年間 | 8,511万円 | 1,500万円 | 467% |
30年間 | 1億7,223万円 | 1,800万円 | 857% |
ポートフォリオは見直しが大切
ここまで、ポートフォリオの組み方を解説してきました。
しかし、資産価値は経済の状況やマーケットの動向などにより日々変化しますので、一度、ポートフォリオを組んで終わりではありません。老後資金を確実に用意するためには、定期的に見直しましょう。
なお、資産運用を行っていれば、当然、資産価値が下落する場合もあります。一時的な下落に狼狽せずに資産運用は、5年、10年単位で長期的な運用を心かげることがポイントです。
そのため、ポートフォリオの見直しは毎日する必要はなく、年1回程度で十分です。ただし、月に一度、自身の資産運用の損益は確認しましょう。また、幅広い金融商品に分散投資することで、リスクを減らせます。
まとめ:ご自身に合ったポートフォリオを設計して効果的に運用していこう!
ここまでポートフォリオに関して、詳しく解説してきました。
この記事のポイントは
- ポートフォリオとアセットアロケーションの用語を解説
- 年代別におすすめするポートフォリオを紹介
- 運用タイプ別におすすめのポートフォリオを紹介
- ポートフォリオは定期的な見直しが必要
でした。
資産運用のためのポートフォリオを作成することは、お金の観点で人生設計すると同じ意味です。とても重要なので、この記事を参考に検討をしてみましょう
資産をどのように運用していくか決められない方は、ひとりで迷わずにお金の専門家のファイナンシャルプランナーに相談してみることがおすすめです。