更新日:2020/12/11
救急車を呼ぶ費用は有料?無料?お金がかかるケースやその基準を解説!
- 日本で救急車が無料の理由
- 搬送後に請求される費用
- 海外での救急車の有料・無料の国
- 救急車の有料化のメリットとデメリット
内容をまとめると
- 日本では救急車を呼ぶには費用はいらない
- 搬送後に、治療や診断に費用がかかることがある
- ドクターカーの場合は、通常の治療費などが必要
- 救急車の利用について有料か無料かは海外でもさまざま
- 有料化にはメリットもデメリットもある
- 救急車の利用について心配な方は、お金の専門家に無料相談するのがおすすめ
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目次を使って気になるところから読みましょう!
2020年時点で救急車を呼ぶのに費用はかからない!料金が無料で呼べる理由は?
救急車を呼んでも、費用はかかりません。
なぜなら、救急車は税金によって運営されている、誰でも利用できるサービスだからです。
この誰でも、というのは日本にいる人全員のこと。
そのため、日本国籍がなくても、納税をしていなくても関係ありません。
たとえば、海外旅行で来ている外国人の方なども、体調が悪くなれば利用できます。
救急車の費用は無料のはずなのに代金を請求された!その理由は?
救急車の費用は無料ですが、時と場合によっては代金を請求されることがあります。
実は、それは救急車に直接かかるものではなく、別の理由があるからです。
そこで次は、
- 搬送後の緊急性がないときや軽症のとき
- ドクターカーで治療を受けたとき
①搬送後に緊急性がない・軽症であると判断された場合
費用がかかる理由の1つ目は、搬送に緊急性がないときや、軽症であると判断されたときです。
救急車は、どうしても自分では病院に行けないほどしんどいときや、ケガをしているとき、同時にまわりの手を借りることができず、病院までの移動に困難をともなうときに利用すべきものです。
しかし、それほどでもないときに救急車を利用することで、病院から「特定療養費」を請求されることがあります。
特定療養費とは、100床以上ある大病院が一定の条件のもと、患者に請求できる費用のこと。
しかも、その条件は病院が自由に決められます。
基本的に大病院は、専門的で高度な治療をおこなうことを目的として作られているため、軽症の患者の受け入れはしていません。
大病院に紹介状がなく診察にいっても、特定療養費が請求されます。
もちろん、請求されないこともありますが、救急車に対する費用というよりは、軽症の患者が大病院を利用したことに対する費用と考えるといいでしょう。
②救急車ではなくドクターカーを利用して車内で治療を受けた場合
119番通報をすると、救急車を呼んでいても、ドクターカーが来る場合があり、もし車内で治療を受けると費用が必要です。
それぞれの違いは次の通りです。
内容 | 救急車 | ドクターカー |
---|---|---|
乗っている人 | 救命救急士 | 医師・看護師 |
できること | 応急処置など 限定的な処置 | 全般的な 治療 |
費用 | 無料 | 有料 |
救急車に乗っているのは救命救急士ですが、彼らは医師ではないので、応急処置などの限定的な処置しかできません。
そのかわり、処置に特別な費用は必要ないのです。
一方、ドクターカーには医師・看護師が乗っているため、治療行為ができますが、一般の病院で治療を受けたのと同様に、費用がかかります。
119番通報の内容によって、ドクターカーが向かうこともありますが、そのときは健康保険が適用されると考えてください。
救急車を呼んだあとに負担する費用を症状別に解説!医療費は合計いくら?
救急車に費用はかからなくても、その後、治療を受けるとさまざまな費用が必要です。
以下のような場合にかかる費用をまとめました。
およその目安として、参考にしてください。
症状 | 費用 |
---|---|
貧血 | 25,000円 |
急性アルコール中毒 (軽度) | 8,000円 |
急性アルコール中毒 (夜間の場合) | 1万円 (上記に夜間料金2,000円が追加) |
骨折 | 15,000円 |
貧血の場合は、血液検査が必要です。
検査項目の数にもよりますが、2万円ほどを見ておくといいでしょう。
入院するとなれば、さらに入院費がかかります。
急性アルコール中毒では、軽度の場合、診断や点滴などの処置をするので、8,000円ほどですが、夜間になると夜間料金が追加になるので、1万円ほど必要です。
また、1~2泊の入院が求められると、入院費も追加されます。
骨折では、治療やギプス固定などだけなら、15,000円ほどですみますが、手術や入院が求められるほどの重傷であれば、さらに負担は増えます。
海外では有料?救急車が有料の国と無料の国
日本では救急車の利用は無料ですが、実は有料の国も存在します。
そこで次は、救急車の利用について、
- 利用が有料の国と、かかる費用の相場
- 無料の国
救急車が有料の国とかかる金額(値段)
救急車の利用には費用がかかる国は、意外とたくさんあります。
むしろ、そのほうが一般的ともいえるかもしれません。
まとめましたので、ご覧ください。
都市名 | 費用 |
---|---|
ニューヨーク | 27,000円 |
ロサンゼルス | 46,000円 |
ウィーン | 67,000円 |
パリ | 基本7,500円 (1kmごとに250円加算) |
北京 | 6,500円 |
上海 | 4,500円 |
ホーチミン | 1,400円 |
アメリカは、都市によって金額が倍近く異なります。
ウィーンなどはかなり高額といえるでしょう。
一方で、パリはタクシーのように距離に応じて加算されます。
比較すると、アジア圏は相対的に安いようにも感じますが、中国は国土が広いため、農村部などではさらに費用がかかる可能性があります。
救急車が無料の国
国名 | 注意点 |
---|---|
イギリス | 特になし |
イタリア | 特になし |
シンガポール | 事故のときのみ無料 |
日本でも将来救急車が有料化される?メリット・デメリットとは
2015年に、救急車の有料化に関する提案がされました。
いまはまだ議論の途中でどうなるかは未定ですが、近い将来、救急車の利用でお金がかかるかもしれません。
そこで次は、
- 有料化のメリット
- 有料化のデメリット
救急車が有料化されるメリット
救急車が有料化されるメリットは、緊急性のない場合などの出動が減ることです。
実は、救急車を利用した患者のうち、半数以上は緊急性がなかったという結果が出ています。
119番通報があれば、救急車は出動しなくてはいけません。
しかし、気軽な利用が増加すると、本当に重症な患者の元へいくことが難しくなります。
また、呼び出しが増えると、人員も多く割くことになります。
有料化することで、気軽な救急車の利用を抑制することが可能です。
救急車が有料化されるデメリット
一方で、救急車が有料化されると、デメリットも出てきます。
たとえば、重体のときでも、経済的に余裕がない人が救急車の利用を控える場合です。
お金がかかることで、呼びたくても呼べない人が出てくる可能性があります。
また、有料だからこそ、徹底したサービスを要求されるかもしれません。
つまり「お金を払っているのだから、もっと早く来い」といった無茶な要求をする患者の増加が懸念されます。
さらに、少し体調が悪いときでも、「同じお金を払うなら、タクシーや電車ではなく救急車を使おう」と考える人も出てくる場合もあるでしょう。
正しく利用する人も大勢いますが、このような状況になることも想定されており、難しい問題となっています。
参考:救急車は1回の出動にどれくらい費用(税金)が使われている?
救急車が1回出動するたびに、どれくらいの税金が投入されているかご存じですか。
実は、1回につき45,000円程度かかるといわれています。
全国でおよそ45秒に1回出動しており、年間では2兆円もの費用がかかっているのです。
このうちの半数が緊急性のないものだとすると、1兆円前後がムダに使われていると考えられます。
このような背景もあり有料化を検討されているのですが、実際に1回で45,000円を請求されるなら、気軽に呼んだりできないでしょう。
その点も踏まえて、利用者のモラルが問われているのです。
救急車を呼んだあとに搬送拒否やキャンセルをすることはできる?
救急車を呼んだけれど、その後、体調がマシになったり、自分で病院などに移動できそうなときは、搬送拒否やキャンセルができます。
もし、まだ救急車が到着していないときは、再度119番してください。
そこでキャンセルする旨を伝えることができます。
また、到着後、必ずしも救急車を利用しなくてもかまいません。
患者本人が搬送拒否をした場合などが該当します。
しかし、救命救急士が患者の様子を確認して重体であると判断した場合は、搬送を勧めることもありますので、そのときは指示に従ったほうがいいでしょう。