iDeCo(確定拠出年金)は何歳まで加入・運用可能?始めるベストなタイミングは?

※本記事で紹介しているサービスにはPRが含みます。
税制面でのメリットが大きなため、急速に加入者が増えているのがiDeCo(確定拠出年金)。

評判を聞いて加入を検討したいけれど、一体何歳まで入れるのかな。また積立金は自分で運用するとも聞いたけど何歳まで運用できるのだろう。

このような疑問をもっている方は多いのではないでしょうか。さらにいうなら、iDeCoを始めるタイミングは何歳までが良いのかも気になるところです。

実はiDeCoの加入や運用には年齢制限があります。また、加入のタイミングについても資産の状況などによって一律にいつということができません。

そこでこの記事では、iDeCoについて
  1. 加入できる年齢
  2. 資産運用ができる年齢
  3. 始めるタイミングは何歳までがベストか
  4. 平均的な掛け金額
  5. 節税効果
  6. 60歳までになくなったときに備えた対応
を中心にお伝えします。

この記事を読んで頂ければiDeCoへの加入を検討する際にお役に立つと思います。

ぜひ最後までお読みください。

内容をまとめると

1.iDeCoに加入できるのは59歳まで
2.積立金を運用できるのは70歳まで
3.iDeCoの積立金を受け取れる期間は5年以上20年以下
4.iDeCoの積立金が支給開始の上限は70歳
5.何歳までにiDeCoを始めるのがベストなのかの答えは決まっていない
6.老後資金はiDeCoだけに頼るのではなく貯金も必要
7.節税効果が高いのは加入期間の長さ
8.何歳までにiDeCoを始めるのがよいか迷ったら専門家に相談するのがおすすめ
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iDeCo(確定拠出年金)の加入は年齢制限がある?


iDeCo(確定拠出年金)は現在60歳未満までなら加入できることとなっています。しかし2020年5月に法律が改正され、2022年5月からは65歳未満までの人が加入可能となりました。


近年、平均寿命の長期化にともない元気な高齢者が増えてきています。定年以降も元気であれば何歳までも働き続けたいと望む人たちの数も増えており、定年制度の見直しも進んできています。


それにともない公的年金制度の改正も進められてきました。もともとiDeCoは国民年金や厚生年金といった公的年金制度を補完する目的で作られた制度です。今回の改正も公的年金制度自体の改正の一環として行われたものなのです。


ただし、この記事では改正後内容ではなく現行制度上内容に基づいて解説していきます。

iDeCo(確定拠出年金)の積立金運用は何歳まで可能?


iDeCo(確定拠出年金)の積立金の運用は何歳までできるのか、という問題への答えは70歳までとなります。


iDeCoに入れるのは20歳から59歳までで、その間毎月決まった金額を積み立てていきます。積立金は60歳から受け取れますが、その期間は70歳までです。


そのため、積立金を運用できる期間は最長で70歳までとなります。言い換えると加入した年齢から70歳を上限として、積立金を受け取ると決めた年齢までがiDeCoの積立金運用期間となるわけです。


iDeCoは加入したときに積立金を運用する方法を選択することとなります。その際に元本割れリスクのない定期預金にするか、リスクはあるけれどその分リターンが望める投資信託を選ぶのかは本人の判断に委ねられます。


なお、iDeCoは運用期間が長期にわたるため、途中で運用商品や運用する商品の構成比率を変えることができます。老後の大切な生活資金となるので定期的な見直しをおすすめします。

iDeCo(確定拠出年金)の受け取り期間は?


iDeCo(確定拠出年金)の受け取り期間は5年以上20年以下とされています。いわゆる有期年金であり、終生受け取れる終身年金ではありません。iDeCoの加入者はこのうちから任意の期間を選択します。


そのうえで年金の受け取り方法は資産の運用を委託した金融機関が決めた方式にしたがうものとされています。たとえば、毎月の支給とか2ヵ月ごとの支給といったメニューのなかから選ぶのです。


またiDeCoの給付金は、年金方式ではなく一括して受け取ることもできます。さらに年金方式および一括方式を併用した形での受け取りも可能です。


ただし、給付金の受け取り方法は取り扱い金融機関によって差があります。何歳まで受け取りたいのか、またどのような形で受け取りたいのかを加入する際に良く検討することをおすすめします。

iDeCo(確定拠出年金)の受け取り年齢開始の上限年齢は?

iDeCo(確定拠出年金)の給付金受け取り開始年齢の上限は70歳。これは年金方式や一括方式などの支給方法の違いに関わらず同じです。


ただし70歳までに請求手続きを行なわなければ、給付金は一括支給のみとなります。また給付金を受け取るについては加入期間と資金の運用期間(通算加入者等期間)が合わせて10年以上必要です。この年数に足りないときは給付金の受け取り開始時期が次のように変更されます。

通算加入者等期間給付金受給開始年齢
8年以上10年未満61歳
6年以上8年未満62歳
4年以上6年未満63歳
2年以上4年未満64歳
1年以上2年未満65歳

なお70歳までに傷病によって所定の障害となり1年6ヵ月以上その状態が続いたときには障害給付金を受給できます。

iDeCoを始めるのにベストなタイミングは?


何歳までにiDeCo(確定拠出年金)を始めるのがベストなタイミングか、という問題については決まった答えはないようです。


よくいわれているのが、思い立ったときに始めるのがベストというもの。iDeCoは節税面に有利な制度です。掛け金は全額税額控除の対象となりますし、受け取り時も退職所得控除や公的年金控除の対象となるので早く加入すればその分節税の恩恵を受けることができるからです。


またこの方法なら掛け金も最低額から始めることができるので家計への負担も重くなりません。


一方で、老後資金を考えたときにはiDeCoだけに頼るのではなく、まず自分で貯金をすることのほうが先決、といった考え方もあります。老後に必要な資金はいくらなのかを知り、退職金や公的年金の額なども考慮したうえで足りない分を貯金で補うといったイメージになります。


その際大切なのは何歳までにいくら貯金をすればよいのか、という視点です。これについては500万円というのが目安とされています。


iDeCoへの加入はそのあとでも問題ない、という訳です。ただしこの方法では加入年齢に45歳という線を引いています。さらにこの年齢までに500万円の貯金ができないときにはその時点ですぐに加入することもすすめています。


iDeCoの受け取りを開始できるのは60歳からなので45歳で加入すれば15年間資金の運用ができます。その際、積み立てる金額を上限額近くにすればある程度まとまった老後資金を用意することができるからです。


いずれの方法を選ぶにせよ自分の仕事や収入を十分考慮して検討する必要があるでしょう。

iDeCo(確定拠出年金)の効果があるのは何歳まで?

iDeCo(確定拠出年金)の効果が何歳まであるのか、という問題については加入から年金の受け取り期間終了までと答えることができます。


iDeCoの効果節税です。支払った掛け金は全額所得控除の対象となります。また、払込期間途中で発生した運用益も非課税です。そのため、掛け金払込期間は節税の恩恵を受けることとなります。


年金として受け取るときにも節税のメリットがあります。一時金として受け取る場合には退職所得控除の対象となります。退職所得控除は次のように計算されます。


掛け金の拠出期間が20年以下

40万円×拠出年数 (この値が80万円以下なら80万円)

掛け金の拠出期間が20年以上

800万円+70万円×(拠出年数ー20年)

年金として受け取る場合には公的年金等の雑所得となるので、65歳未満であれば60万円、65歳以上であれば110万円までが非課税となります。


受け取り方や年齢による違いはありますが、受け取り期間終了まで節税の恩恵を受けることができるのです。

iDeCo(確定拠出年金)の掛け金、みんなはどれくらい払っている?


iDeCo(確定拠出年金)の掛け金の平均値は月々15,597円。個人の加入者数は1,701,225人となっており、その平均がこの数値となっています。


ただし、iDeCoは職種によって掛け金の上限額が異なっており、平均値も職種の違いによって変わります。そこで職種ごとの平均値を次に掲げます。

職種平均値
第1号(自営業)27,211円
第2号(会社員・公務員)14,096円
第3号(第2号被保険者の配偶者)14,813円

(2020年10月時点における国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入等の概況」による)


このうち、第2号は企業年金の有無や公務員であるか否かによっても数値が変わり、それらを表にすると次のようになります。

第2号職種内訳平均値
会社員(企業年金なし)16,160円
会社員(企業年金あり)10,731円
公務員10,915円

(同上)


これらの表から企業年金など公的年金以外の給付の有無によって掛け金が違っていることがわかります。

iDeCoの掛け金の払い込み方法は「事業主払込」と「個人払込」どちらがおすすめ?


iDeCo(確定拠出年金)の掛け金の払い込み方法には「事業主払込」と「個人払込」の2種類があります。このうちどちらが得なのかという問題については明確な答えがありません。


たとえば「事業主払込」の場合には残高不足による掛け金の払い込み忘れはないでしょう。また年末調整や確定申告の手間もないため楽です。ただし会社によっては「事業主払込」の対応ができていないところもあります。


反対に「個人払込」では自分で確定申告をすることによって払い過ぎた所得税の還付を受けることができます。iDeCo用の口座を給与口座とは別に作り、そこに還付金を振り込んでもらうようにするのです。


「事業主払込」にしたときでは還付金は給与に反映されます。しかしこの方法によれば還付金は給与とは別の口座に入りますから、たとえばその金額を原資にして他の生命保険等に加入することもできるのです。


「個人払込」にはこのようなメリットがありますが、その反面確定申告を自分で行わなければなりません。慣れてしまえば簡単ですが、普段やっていない人にはハードルが高い可能性があります。

iDeCo(確定拠出年金)の拠出金受け取りのシミュレーション!


ここで何歳までにiDeCo(確定拠出年金)に加入すればいくら受け取れるのか、というシミュレーションをしてみましょう。


次の項目を一定とし、年齢および年収を変化させるとします。

  1. 会社員(企業年金あり)
  2. 毎月の掛け金 : 1万円
  3. 運用利率   : 1%
  4. 受取年齢   : 60歳

年齢・年収受取予定額節税額(運用時)
30歳・500万円4,196,282円
(運用益:596,282円)
119,256円
40歳・600万円2,655,612円
(運用益:255,612円)
51,122円
50歳・700万円1,261,499万円
(運用益:61,499円)
12,300円
55歳・700万円614,990円
(運用益:14,990円)
2,998円
(楽天証券「節税シミュレーション」による)

50歳を超えていても節税効果があることがわかります。また、この表には積み立てている間の節税額については出ていないので、その分を含めるとさらに大きな節税効果が期待でるのです。

iDeCo(確定拠出年金)でどれくらい節税ができるのか?


それでは、何歳までにiDeCo(確定拠出年金)に加入すればどれぐらい節税ができるのかについて解説していきます。


次の条件を一定としてシミュレーションします。

  1. 会社員(企業年金なし)
  2. 毎月の掛け金 : 2万円
  3. 運用利率   : 1%
  4. 受取年齢   : 60歳

年齢・年収節税額(積立時)節税額(運用時)
30歳・500万円144万円238,513円
40歳・600万円96万円102,245円
50歳・700万円72万円24,599円
55歳・700万円36万円5,996円

(日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社による)


表中で積立時とはiDeCoに加入してから掛け金を支払い終えるまでの期間です。また運用時とはiDeCoを受け取る際の節税額のことをいいます。


これらを合わせた金額がiDeCoで節税できることとなり、加入年齢が若いときほどメリットは大きくなるのです。

iDeCo(確定拠出年金)に加入して60歳までに死亡してしまった場合はどうな る?


iDeCoの利用者が60歳より前に死亡すると掛け金は次のように扱われます。

  1. 積立金は死亡一時金として全額遺族に支給される
  2. 死亡一時金受け取りには優先順位がある
  3. 生前に受取人を指定することができる
  4. 60歳以降に死亡した場合でも死亡一時金を受け取れる

死亡一時金の請求手続きは日本レコード・キーピング・ネットワーク株式会社に対して行います。ここはiDeCoを始めとする確定拠出年金に関する様々な事務手続きを行なっている会社です。


利用者が死亡したときにはこの会社に対して死亡一時金請求の手続きを行なうこととなります。なお請求は利用者が死亡した後、5年以内に行うことが必要です。


期間内に手続きをしなければ死亡一時金は相続人不在財産とみなされ国庫に帰属します。

iDeCoで貯金したお金を全額遺族が受け取れる

加入者が60歳になる前に死亡したときはiDeCoに積み立てていた掛け金を全額遺族が受け取ることができます。その際、加入年数は関係ありません。


積立金の受け取り順序として、まずは遺族からiDeCoの運営管理機関(通常は運用を委託している金融機関)に請求書類を提出することが必要です。請求書類はそこを経由して日本レコード・キーピング・ネットワーク株式会社(略称NRK)に到着。


NRKは届いた書類を審査し問題がなければ事務委託先金融機関に支払いを依頼。それに基づいて当該金融機関が遺族に積立金を支払うこととなるのです。


積立金の支払いにかかる日数は約1ヵ月から1ヵ月半といわれています。


また受け取り方法は一括払いのみです。

iDeCoの死亡一時金の受け取り優先順序とは?

iDeCoの死亡一時金の受け取りには決まった順番があります。その順番もなくなった方に生計を維持されていた場合とそうでない場合とで違ってきます。配偶者優先順位がもっとも高く、次いで生計を維持されていた方。最後に生計を維持されていなかった方となります。


なくなった方に生計を維持されていた方の受け取り順序

受け取り順序受け取る遺族
1配偶者(内縁も含む)
2子ども
3父母
4
5祖父母
6兄弟姉妹
7その他の親族


なくなった方に生計を維持されていなかった方の受け取り順序

受け取り順序受け取る遺族
1子ども
2父母
3
4祖父母
5兄弟姉妹
なくなった方に生計を維持されていなければ子どもであっても、後順位となるのです。また同時順位遺族複数いるときには死亡一時金を等分します。

生前に受取人を指定することも可能

iDeCoの死亡一時金は生前に受取人を指定しておくことができます。しかし指定できる受取人は次の通り決められています。

  1. 配偶者
  2. 子ども
  3. 父母
  4. 祖父母
  5. 兄弟姉妹
これらのうち、いずれかの方を指定した場合には、先述の受け取り順序とは関係なくその方に死亡一時金が支払われることとなります。上記以外の親族や他人を指定することはできません。

60歳以降に死亡した場合にも同様に遺族が全額受け取れる

iDeCoの加入者が60歳を過ぎてから死亡した場合でも遺族に死亡一時金が支払われます。受取順位も60歳以前に死亡したときと同じです。


また既に積立金を年金として受け取っている場合には、加入者がなくなった時点で運用は終了し、残金は死亡一時金として遺族に支払われることとなります。年金という形での支払いはないのでご注意ください。


なお加入者の死亡後、3年以内に死亡一時金の支給が決まったときには相続税の対象となります。ただし、その場合、みなし相続財産とされて法定相続人1人につき500万円までは非課税となります。


相続税などの税金関係については所轄の税務署等に相談することをおすすめします。

まとめ:何歳まで、と考えずiDeCoは早めに始めるのがおすすめ


iDeCo(確定拠出年金)は何歳までに加入するのがベストなのか、という点について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  1. iDeCoは60歳まで加入できて70歳まで運用が可能
  2. iDeCoは受け取れる期間が決まっており、その間は節税のメリットがある
  3. iDeCoの節税メリットは加入期間が長いほうが大きい
  4. iDeCoの加入者が途中で死亡したときには遺族に死亡一時金が支給される
です。

iDeCoは老後への備えとして主に節税面に重きをおいた制度です。また終身年金ではなく期間が決められた有期年金でもあります。そのため、節税の恩恵を受けるには加入する期間が長いほうが有利です。何歳までに加入するのが良いのか、を考えるよりも早めに始めることをおすすめします。

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