更新日:2022/10/26
豪ドル建ての外貨建て保険とは?大損をしないために!米ドルとの違いや注意点を解説
日本がマイナス金利が続いていることも手伝って豪ドル建ての外貨建て保険が注目されています。しかし外資建て保険どんな商品なのかを知らない人もいるでしょう。そこで豪ドルの外貨建て保険のメリット・デメリットや大損しないための注意点、おすすめの保険商品などを解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
外貨建て保険における豪ドルと米ドルの違いを比較! 金利が違う?
チャートをもとに豪ドルと米ドルの国債利回り(10年)を比較
まずは豪ドルと米ドルの国債利回りを比較してみましょう。
豪ドルと米ドルの国債利回り(10年)を年・月別に表すと
豪ドル | 米ドル | |
---|---|---|
2015年12月 | 2.82% | 2.28% |
2018年11月 | 2.60% | 3.00% |
2020年11月24・25日 | 0.93% | 0.89% |
です。実は2008年から2015年までアメリカはゼロ金利対策が行われていました。
そのため2015年には豪ドルのほうが利回りが良かったのですが、アメリカのゼロ金利対策を終了させたことから利上げに転じました。
そのため豪ドルと米ドルの金利が逆転しています。
豪ドルと米ドルの為替手数料を比較
豪ドルや米ドルで取引する商品を利用する際は為替手数料も比較してから選択しましょう。
例えば1ドル100.5円のときにドルから円に変えたとき、小数点以下の0.5の部分が為替手数料となります。
この場合に1万ドルを購入すると
1万ドル×100.5円=1,005,000円
を準備しますが、小数点以下にあてはまる5,000円分は手数料です。
ただし手数料のなかには交換を依頼した銀行への手数料も加算されています。
世界で一番使われている米ドルは安く、豪ドルは高めです。
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外貨建て保険における豪ドルの今後の見通しは明るい! その理由を解説
2020年にはいってから豪ドルは下落していました。
しかし最近になって少しずつ明るい兆しが出てきています。
そこで豪ドルの今後の見通しが明るい理由として
- コロナの終息によって下落していた相場が上向くと予想
- 大規模森林火災が鎮火できたことで不確実性が後退
を紹介します。豪ドルの外貨建て保険を利用を検討しているなら参考にしてください。
①コロナの収束が見込まれ下落した相場が上向きになると予想される
2020年に入ってから続いている新型コロナウイルスの猛威はオーストラリアでも観光産業が打撃を受けるなど、経済に大きく影響していました。
そのため一時期は豪ドルの下落が止まりませんでしたが
- 中国からの渡航者に対する渡航制限の実施
- 中国の感染者が減ったことで回復
などの対策の成果が出てきました。オーストラリアでの新型コロナウイルスの感染は減少をたどっていて、それに伴って豪ドルの相場も少しずつ回復しています。
②大規模森林火災が鎮火されたことにより不確実性は後退した
オーストラリアでは2019年から大規模な森林火災が起こりました。
その後、森林火災は集中豪雨によってほとんどを鎮火することができましたが、集中豪雨で洪水が発生して甚大な被害を受けています。
大規模森林火災の直後の洪水とあって不確実性が高かったオーストラリアですが、森林火災と違って洪水は度重なって大雨が降らない限り、被害が拡大する心配がありません。
そのため不確実性は後退したとみて大丈夫です。
そして不確実性が後退したことで豪ドルにも明るい兆しがみえたといえます。
外貨建て保険を豪ドルで契約するメリットとは?
外貨建て保険を豪ドルで利用すると契約者にどんな利点があるのでしょう。
ポイントは
- 円建て保険よりも予定金利が高い
- 安い保険料で十分な保障があり、さらに貯蓄もできる
です。優れた部分を理解しておくと外貨建て保険を利用しやすくなります。
メリット①円建て保険と比較して予定利率が高い
②保障を受けながら効率よく積立ができるため運用目的としてもおすすめ
外貨建て保険は保険料や積立に関しても優秀です。
円建て保険は日本のマイナス金利の影響を受けているため積立面に不安が残ります。
しかし外貨建て保険は為替レートをまめにチェックして上手に運用することで手元に返ってくるお金を増やせます。
また十分な保障もついてくるので老後の資金や何かあったときに心強いです。
つまり希望にあった保障を受けながら効率的に資金の積立・運用ができます。
資産価値として保険を考えたときに外貨建て保険は優秀です。
外貨建て保険を豪ドルで契約するのは危険? デメリット(リスク)について
日本の保険にもいえますが、メリットがあればデメリットも存在します。
そこで外貨建て保険のデメリットとして
- 為替リスクに対応できないのでメリットが消滅する恐れがある
- 為替レートの影響を受けやすいので保険料・保険金が変動する
を紹介します。日本に済む人が円建て保険を利用したときにはない部分なので、劣る点にも注目して検討してください。
①為替リスクに対応できないためメリットが消える可能性がある
保険料の支払いだけではなく、保険金を受けとるときなど全てにおいて外貨を使うため、どうしても為替リスクは伴います。
豪ドルは円安のときに利用している分には返ってくるお金が増える部分は優秀ですが、円高になればデメリットに転じます。
そのため為替相場が変動して円高になってしまったときは、思ったほどお金が戻ってこない事態になってしまいます。
為替リスクを想定して運用するのは難しいかもしれませんが、為替相場をみて判断する必要があります。
もしも保険金などを受けとるときに円高だったらどうすると損をしないか、できる限りの対策をしていないといけないのでデメリットといえます。
②為替レートによって保険料や保険金が変動する
豪ドルなどの外貨建て保険の保険料や保険金は常に変動しています。
円高であればドルは安いので保険料はあがりますが、代わりに受けとれる金額も増えます。
逆に豪ドルが高くて円が安いときだと保険料の支払いは楽ですが、代わりに受けとれる保険金も減ります。
つまり保障を目的に利用するには少々、リスクが高いといえます。
外貨建て保険は余剰金や資産運用で利用する人にはもってこいの商品です。
しかし最初から保障を目的に使う人は外貨建て保険でないほうが十分な保障が受けられることもあります。
さらに為替手数料も必要なため、上手に運用するためには為替レートと手数料も理解しておかないと損をする恐れがあります。
大損する危険を回避! 外貨建て保険を豪ドルで契約する際の注意点
外資建て保険を利用する上で大きく損をしないために注意してほしいことがあります。
外資建て保険を利用する人が気をつける点は
- 一時払いタイプの保険を利用するなら為替レートをまめにチェックしよう
- 理解できない部分はしっかり分かるまで質問しよう
です。抑えておきたいのは為替レートのチェックと遠慮せずに質問することです。
①一時払いタイプの保険に加入する際は為替レートをよくチェックする
一時金支払いタイプの保険を使うなら豪ドルに限ったことではありませんが、為替レートはまめにチェックしましょう。
特に一時金支払いタイプは保険料を払うときと保険金などを受けとるときの為替レートが反映されやすい商品です。
そのため加入した当初の為替レートはもちろんですが、運用している過程の為替レートもチェックしましょう。
ここから円安に傾くのか、円高になる予兆があるのか、その辺をマメにチェックして予想して行動するのが大切です。
②説明不足で苦情が殺到! 分からないことは理解するまで質問する
近年はマイナス金利の影響があって外貨建て保険の利用が増えていますが、一方で理解しないまま契約をしてトラブルに発展するケースが少なくありません。
その理由として外貨建て保険を理解せず、保険会社などから勧められるままに契約してしまったことがあげられます。
つまり保険会社の説明不足が原因ですが、契約したほうも自分の身は自分で守れるように対策をする必要があります。
そういったトラブルを招かないためにはわからないことは理解できるまでとことん質問することが早道です。
豪ドルで積立できるおすすめの外貨建て保険を紹介!
最近は豪ドルで運用する保険が色々な会社から販売されています。
そこでおすすめできる商品として
- ジブラルタ生命「通貨指定型個人年金保険」
- プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命「ライフロング・セレクトPG3」
- メットライフ生命「サニーガーデンEX」
を紹介します。どこもおすすめの外貨建て保険なので比較して自分にあった商品を選択してください。
ジブラルタ生命「通貨指定型個人年金保険」
最初に紹介するのはジブラルタ生命から販売されている「通貨指定型個人年金保険」です。
こちらの商品は4つの通貨から選べるので資産を分散させることができます。
ただ現在は新規での契約は受けつけていません。
特徴
ジブラルタ生命の@通貨指定型個人年金保険」の主な特徴は
- 豪ドル・米ドル・ユーロ・円から選べる
- 資産を分散することでリスクを抑えられる
- 年金を受けとる方法が4種類準備されている
- 経済の状況などを加味して通貨の切り替えや再設定ができる
です。4つの通貨から好きなものを選択することができる他、組み合わせも自由に行えます。
資産も分散できるので為替リスクが最小限に抑えられるでしょう。
また保険金を受けとる手段が複数あるのも魅力です。
さらに経済状況などを鑑みて通貨の切り替えや再設定することもできます。
保障内容
次に保障内容を解説します。
主な保障内容は
- 受けとる方法の選択にあわせて年金が受けとれる
- 契約者が死亡したら死亡一時金が受けとれる
- 保険金の据え置きができる
です。年金の支払う手段は4種類から選択できるので、自分にあった手段を選択しましょう。
契約者が死亡したら残っているお金は一括で支払う用意もされています。
また円安で今は保険金を受けとりたくない人は据え置くこともできます。
シミュレーション
次に保険料や返戻率を算出します。
- 今回は
- 50歳男性
- 米ドル・豪ドルに分散
- 一時支払いの保険料は5,000米ドル・5,000豪ドル
- 積立金利は米ドル1.5%・豪ドル1.0%
と仮定します。この場合の保険料と返戻率は
円で受けとれる保険金 | 返戻率 | |
---|---|---|
米ドル | 5,800,000円 | 116% |
豪ドル | 5,500,000円 | 110% |
合計 | 11,300,000円 |
です。いずれにしても返戻率は110%以上を示しています。
米ドルや豪ドルの外貨建て保険を利用すれば損をせずに保険金を受けとれます。
プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命「ライフロング・セレクトPG3」
次にプルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命「ライフロング・セレクトPG3」について解説します。
こちらの商品はセカンドライフを送っている人におすすめです。
特徴
まずは特徴からみていきましょう。
主な特徴は
- 子どもにお金を残せる
- セカンドライフを送る上で十分な積立ができる
です。子どもに少しでもお金を残したいときに利用すると相続対策ができます。
現金化もスピーディーなのでもしものときに子どもが困らないでしょう。
またセカンドライフには意外にお金がかかりますので、セカンドライフを楽しむための貯蓄を増やす目的なら理にかなっている商品です。
保障内容
次に保障内容を解説します。
主な保障内容は
- 毎年定期引出金が受けとれる
- 保障は一生涯
です。年金保障があるので毎年、決まった金額を受けとることができます。
また保障も一生涯なのでセカンドライフを送る上で十分な保障があります。
シミュレーション
次に保険料と返戻率を算出します。
今回は米ドルと豪ドルを利用すると仮定しましょう。
この場合の保険料と返戻率は
一時支払い | 利率の上乗せ | |
---|---|---|
豪ドル | 10万豪ドル~30万豪ドル未満 30万豪ドル~50万豪ドル未満 50万豪ドル~ | +0.10% +0.20% +0.27% |
米ドル | 0万米ドル~30万米ドル未満 30万米ドル~50万米ドル未満 50万米ドル~ | +0.10% +0.20% +0.27% |
です。この表からも一時支払いが多いほど利率の上乗せが比例することがわかります。
メットライフ生命「サニーガーデンEX」
次にメットライフ生命から販売している「サニーガーデンEX」を解説します。
一時支払いの終身保険で目的にあわせてプランを選ぶことができる商品です。
特徴
「サニーガーデンEX」の特徴を解説します。
主な特徴は
- 契約した日の積立利率で定期支払額が決まる
- 契約した1年後から年金がもらえる
- 積立利率の見直しは10年ごと
です。積立利率が10年間、契約した日の利率なのでリスクが最小限に抑えられる工夫がされています。
見直しは10年ごとなので、外貨建て保険に不安がある人も安心して利用できます。
また年金として1年後から受けとれます。
保障内容
保障内容は3つのプランがあるので、自分にあったものを選択できます。
プラン別の保障内容は
- 定期支払コースー1年後から一生、年金が受けとれる
- 目標設定付定期支払コースー1年後から目標金額に達するまで年金が受けとれる
- 積立金増加コースーお金を積み立てておき、死亡保障として使える
です。定期支払コースは年金の受けとるタイミングも選べるので毎月ではなく、各月や年に2回などから選択ができます。
目標設定付定期支払コースは目標を達成すると自動的に円建ての終身保険に移行します。
お金を増やすのが目的なら年金は受けとれませんが、着実に貯蓄ができる積立金増加コースがおすすめです。
シミュレーション
では実際に保険料に基づいて返戻率を算出します。
今回は1,100万円で契約すると仮定します。この場合の定期支払コースと積立金増加コースの返戻率は
契約した為替レート | 返戻率 | |
---|---|---|
定期支払コース | 1.69% | 116.9% |
積立金増加コース | 1.74% | 118.8% |
です。どちらの返戻率も110%を大きく上回っていて、預けた金額よりも多く返ってくることがわかります。
なお加入した日の為替レートを使って10年間が保障されるので、為替レートをまめにチェックする必要もありません。
返戻率の高さやお金を増やすことを目的に人気が集まっている外貨建て保険ですが、豪ドルと米ドルでは国債利回りや為替手数料が違います。
そこで
を解説します。外貨建て保険を検討している人は国債利回りと手数料の違いを理解することが大事です。