更新日:2021/05/24
傷病休暇とは?有給休暇との違いは?私傷病休暇や給与はどうなるかも解説
内容をまとめると
- 傷病休暇を利用できるのは業務外のケガや病気が原因で長期間仕事に就くことができない状態のとき
- 傷病休暇を利用できる期間は最長で1年6か月間
- 傷病手当金の支給額は給料の約2/3
- 傷病手当金の申請に必要な書類は「傷病手当金支給申請書」と「診断書」など
- 傷病手当金支給申請書には、支給対象者本人・会社・医師の記入が必要
- 傷病休暇中でも支払う必要のある税金がある
- 育児休業給付金と傷病手当金は制度が違うので併給ができる
- お金について不安がある…という方は、無料お金相談を利用するのもおすすめ
- 無料お金相談を利用すれば、無駄な出費や将来に向けての積立などを見直すことができます
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目次を使って気になるところから読みましょう!
- 傷病休暇とはどんな制度?どんな時に利用できる?具体例も紹介
- 傷病休暇には「公傷病休暇」と「私傷病休暇」がある
- 傷病休暇と有給休暇の違い
- 傷病休暇中に支給される傷病手当金とは?
- 傷病休暇中に傷病手当金が支給される条件とは?
- 傷病手当金がが支給される期間はいつからいつまで?限度額はいくらもらえる?
- 傷病休暇中に傷病手当金をもらえないケースと対処法
- 参考:うつ病が再発した場合、再度傷病手当金を受給できる?
- 傷病手当金をもらうにはどんな手続きが必要?申請手続き方法
- 【注意】傷病休暇を取ると有給が付与されない可能性がある
- 傷病休暇中のボーナスはどうなる?有給休暇の方が得な場合も
- 傷病休暇中のアルバイトは傷病手当金の不正受給で違法行為になる!
- 傷病休暇をとることのメリット・デメリットとは
- 傷病休暇中の社会保険料、税金はどうなる?
- 新型コロナウイルスによる傷病手当金をもらえるケースともらえないケース
- 参考:妊婦になったら育休手当と傷病手当金は併給できる!
- 傷病休暇の条件・期間・注意点まとめ
傷病休暇とはどんな制度?どんな時に利用できる?具体例も紹介
ケガや病気になってしまうと場合によっては、数日で回復しなくて会社に行くことができず仕事を行えない場合もあります。
有給休暇をすべて使用しても体調が戻らず仕事復帰が難しい場合、仕事を辞めようか悩む人もいるのではないでしょうか。
傷病休暇とは長期間就業が不可能な状態でも休暇を取ることができる制度です。傷病休暇を利用する具体的な例としては、プライベート時に大きなケガをして仕事ができない状態になってしまったり、うつ病で利用する人などがいます。
傷病休暇を利用している間は有給休暇と違い、会社から給料の支払いがありませんが、代わりに会社が加入している保険組合に申請して傷病手当金を受給することができます。
傷病休暇は会社に勤めている人にとって、万が一の時にとても心強い制度なので、今回の記事を読んで傷病休暇について理解しましょう。
傷病休暇には「公傷病休暇」と「私傷病休暇」がある
傷病休暇には「公傷病休暇」と「私傷病休暇」があります。この違いはケガや病気をどのタイミングで発生したかによるのです。
仕事中に物を運んでいてケガをしたり車で事故を起こしてケガをした場合など業務上での場合は公傷病休暇に当てはまります。
私傷病休暇に当てはまるのは、プライベートな時間でケガをしたり病気にかかった場合です。
公傷病休暇は労災保険の休業補償の受給対象で、私傷病休暇は健康保険の受給対象という違いもあるなど、2つの休暇には異なる特徴があります。
ここでは公傷病休暇と私傷病休暇について詳しく解説いたします。
公傷病休暇とは?業務中の負傷や疾病による休暇
公傷病休暇は仕事中にケガや病気になってしまい長期間の休養が必要な場合に利用できる制度です。
公傷病休暇が当てはまるケースについて具体的に説明します。仕事中に車の運転をしていて事故にあってしまったり、荷物の運搬をしていてケガをするなど業務中に負傷してしまって入院するなど、すぐに仕事に復帰できないケースが当てはまります。
また公傷病休暇は仕事中のケガだけでなく、業務中に病気にかかってしまったことが原因で長期入院が必要な場合も対象となっています。
労働中に関係するケガや病気については、傷病手当金ではなく会社が加入している労災保険が適応されるので休業補償対象になります。
私傷病休暇とは?プライベートな時間での負傷や疾病による休暇
公傷病休暇は仕事中のケガや病気が対象でしたが、私傷病休暇はプライベートの時間でケガをしたり病気になった場合に利用できる制度になります。
具体的な例を上げますと、休暇中に事故にあって骨折など大きな病気をして入院したり、盲腸など入院が必要で短期間で治せないような病気を発症してしまった場合などです。
このように、業務とは関係ない時間でケガや病気になってしまい長期間にわたって仕事ができない状態になった場合に私傷病休暇が対象となります。
この場合に適応される保険は会社が加入している健康保険です。一般的に傷病休暇としていわれるのが、この私傷病休暇になります。
傷病休暇と有給休暇の違い
ここでは、傷病休暇と有給休暇の違いについて解説します。有給休暇はある一定の期間勤務すると発生する休暇です。
有給休暇は労働基準法で決まっている休暇である法定休暇にあたるので、社員から申請された場合は会社が断ることができません。対して、傷病休暇は福利厚生の1つなので会社によっては制度がない場合もあります。
ですので、傷病休暇は会社に勤めている人全てが利用できる制度ではないといえます。もし、傷病休暇が自分の勤めている会社で設けられているのか確認したい場合は、会社の就業規則に記載されているので確認するようにしましょう。
また、有給休暇は基本的に事前に休暇を申請することになっており、傷病休暇は事後に申請することになっているという違いもあります。
傷病休暇中に支給される傷病手当金とは?
ここでは、傷病休暇中に支給される傷病手当金について解説していきます。傷病手当金とは、勤務時間外のケガや病気で長期間仕事ができなくて収入が途絶えてしまう状態から労働者を守るために設けられた制度です。
ですので給与が発生している状態では傷病手当金の支給もありませんし、申請もできません。
この制度の支給対象になるのが会社や組織などが健康保険組合に加入している会社員や公務員などで被保険者であることが条件になります。
ですので、個人事業主など国民健康保険に加入している場合は傷病休暇の対象外です。また、傷病手当金を支給されるためにはいつくかの条件をクリアする必要があります。
次に、傷病手当金が支給される条件に付いて解説していきましょう。
傷病休暇中に傷病手当金が支給される条件とは?
傷病休暇が利用できるのは、会社や組織が健康組合に加入している会社員や公務員などで、かつ被保険者であることを解説しましたが、傷病手当金が支給される条件とはどんなものなのでしょうか。
傷病手当金が支給される条件とは
- 健康保険の被保険者本人であること
- 病気やケガの原因が業務外で療養することになった
- 病気やケガのため労務不能と診断されている
- 仕事に就けない日が連続して3日を含む4日以上であること
- 休業期間中に給与の支払いがない
以上です。これらの条件を一部ではなく、全てをクリアしないと支給条件には当てはまらないということになります。
①業務外の病気やケガによる療養であること(私傷病休暇)
傷病手当金が支給される条件としては、就業時間外で発生した病気やケガのために療養していることがあげられます。
仕事中だけでなく通勤するために移動していた場合も勤務中扱いになるので、その場合なども含め公傷病休暇になるので、私傷病休暇は利用できません。
ですので、プライベートな時間に病気やケガ長期間の療養が必要な場合は支給対象にあたります。
ですが、その際に必ずしも病院に入院している必要はなく自宅療養も支給対象になります。
基本的にはプライベートな時間での病気やケガは傷病手当金の支給対象になっていますが、美容整形などで入院や療養が必要な場合は支給対象外になるので注意が必要です。
②病気やケガの療養で労務不能と判断されること
もし、プライベートな時間に病気やケガで療養が必要になった場合は、傷病手当金が支給される条件を1つ満たすことができますが、その状態でも仕事ができるのであれば手当金の支払い対象外となってしまいます。
それは、傷病休暇は仕事ができない状態だと判断されて利用できる制度だからです。ですので、療養中でも仕事がこなせる状態であれば、仕事ができるとみなされ傷病手当金の申請は行えません。
この制度を利用するためには病気やケガで労務不能の状態であることが欠かせない条件です。労務不能か判断するのは自己判断ではなく主治医など療養担当者が判断することになっています。
③連続する3日を含む4日以上仕事に就けないこと
仕事に就けない状態で、かつ業務外のケガや病気で療養することになった場合、連続して3日を含む4日以上仕事に就けない日が続かないと傷病休暇を利用する条件が発生しないことになっています。
例えば、2日休んで3日目に仕事をして4日目から続けて休むようにしても3日目までは傷病休暇にはカウントされません。
それは、最初の3日間が待期期間という扱いになっているためです。したがって、連続して4日以上仕事に就けない状態でなくては傷病給付金の受給条件から外れてしまいます。
ただし、最初の3日間である待期期間は勤務日だけでなく休日も含めても問題ありません。ですので、勤務日1日+休日2日でも待期期間はクリアできるので、傷病休暇を利用する際は待機期間について確認するようにしましょう。
④休業した期間中に給与の支払いがないこと
まず、給与が支払われる仕組みについて解説しましょう。労働者は会社などの雇用主と契約を結びます。
労働者は雇用主が求めている労働力を提供し、その対価として給与を支払うのです。ですので、労働者が働けなくなると給与の対価である労働力が提供できなくなるので、そのため給与が支払われないということになります。
そういったこともあり、休業した期間中に給与の支払いがないということが発生するのです。
そういった生活が不安定になる状態を防ぐために設けられているのが傷病休暇になります。ですので、休暇期間の間に給与が発生した場合は支給対象外となってしまうので注意が必要です。
ただし、傷病手当金でもらう金額よりも給与の1日分あたりの金額が少ない場合は差額がもらえるので、自分が傷病休暇中に給与を支給された場合は傷病手当金と給与の1日分の金額について調べておきましょう。
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傷病手当金がが支給される期間はいつからいつまで?限度額はいくらもらえる?
傷病休暇を利用する時に、傷病手当金の支給期間はいつからいつまでなのか、限度額について具体的に知りたいのではないでしょうか。
傷病手当金の支給期間と限度額については、
- 傷病手当金の支給期間は最長で1年6か月まで
- 限度額は給料の約2/3の金額
となっています。傷病手当金の支給期間は1年6か月までで、限度額は給料の約2/3の金額です。
ここでは、支給期間と限度額について具体的に解説をおこないます。
傷病手当金の支給期間
傷病手当金の支給期間は支給が開始された日を1日目とし、最長で1年6か月までとなっています。
もし、仕事が可能な状態になって職場復帰しても同じ病気やケガで療養することになった場合は、1年6か月以内であれば再び傷病手当の支給対象になります。
その際に職場に復帰した日数は支給期間には当たりませんが、期間が延長できないので注意が必要です。
例えば、6か月傷病手当金の支給を受け、2か月間職場復帰したとします。ですが、再び同じ原因で療養に入った場合は残りの10か月が支給対象となり、職場復帰期間も合算されてしまいます。
ちなみに、同じ病気やケガで療養した場合は支給期間の延長はできませんが、違う病気やケガで療養する場合は新たに最長で1年6か月の傷病手当金の支給期間が可能です。
傷病手当金で支給される金額の計算方法
ここでは、傷病手当金で支給される金額の計算方法について解説しましょう。先ほど傷病手当金で支給される金額は給料の約2/3と解説しましたが、実はこの金額を出すための計算方法があります。
計算式は、傷病手当金が支給される前に支払われた給与12か月分の平均金額÷30日×2/3です。
この計算式だけだと具体的にいくら支給されるのかわかないか想像がつきにくいかと思うので、具体的な数字を入れて計算してみましょう。
給与の12か月の平均金額を300,000円とした場合は下記のようになります。
300,000÷30×2/3=6,667円
300,000円が給料の平均金額の場合は1日あたり6,667円です。この金額を30かけると200,010円となるので、これで約2/3という数字が当てはまることが分かります。
傷病休暇中に傷病手当金をもらえないケースと対処法
通常ですと傷病休暇中であれば傷病手当金を受給できますが、中には傷病手当金をもらえないこともあります。
もらえないケースとしては、
- 解雇や休職期間を満了して退職した場合
- 会社が傷病手当金の申請を拒否した場合
- 第三者が絡む交通事故で負傷し休暇する場合
といったことが上げられます。傷病休暇中にもかかわらず受給がもらえなくなえるのは、とても困ることです。
自分が傷病手当金をもらえないケースに当てはまってしまった場合は、それぞれ対処法があるので実行してみましょう。
①解雇や休職期間満了によって退職した場合
健康保険の被保険者であることが傷病手当金を受給できる資格になっています。そのため解雇や休職期間が満了した状態で退職した場合は受給資格対象外となり、傷病手当金がもらえなくなるのです。
ただし解雇や休職期間が満了した状態で退職しても、1年以上健康保険の被保険者としての在籍期間があれば退職した後でも受給期間内は傷病手当金をもらうことができます。
ただし、健康保険の被保険者在籍期間が通算で1年に満たない場合は残念ながら受給資格を失ってしまいます。
健康保険の被保険者在籍期間が1年に満たない人が受給資格を失わない方法としては、健康保険の被保険者在籍期間を1年以上になるまで会社に在籍させてもらえるように交渉すると手段があります。
会社側の好意に頼る形になりますが、この方法ですと傷病手当金の受給資格を失わずに済みます。
②会社が傷病手当金の申請を拒否した場合
傷病手当金は加入している健康保険に申請用の書類が届かなければ支給が開始しません。会社が傷病手当金の申請を拒否した場合も、手当金がもらえないケースにあてはまります。
このケースの場合は、まずは会社の申請担当者に確認するようにしましょう。担当者の処理が遅れている場合も考えられます。
処理が遅れているだけの理由であれば申請書が届きさえすれば健康保険に申請書が届くので、傷病手当金は問題なくもらうことができるのでしょう。
厄介なケースは会社側は傷病手当金の申請を拒否した場合です。この場合は会社側に悪意が見られます。
そういった場合の対処法については自力での解決は難しいので、健康保険組合の支部や厚生省へ相談するなど行政に対応してもらうようにしましょう。
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③第三者の絡む交通事故による負傷で休暇する場合
第三者が絡む交通事故で負傷し休暇する場合は傷病手当金をもらうことケースよりもメリットがあります。
もし交通事故で自動車保険で保険金を請求した場合は、給与の全額を保険の請求対象にできます。しかし健康保険から受給されるのは、給料の約2/3です。
請求できる金額の割合を考えると健康保険よりも自動車保険を利用する方がもらえる金額が増えるので、お得な感じがあります。
もちろん、健康保険の傷病手当金を申請して差額を自動車保険に請求するという方法もありますが、面倒な作業が増えるだけなのでおすすめしません。
ただし交通事故の相手が保険に加入していなかったり、自分が加入している自動車保険に対応できる特約がない場合などのケースは健康保険の傷病手当金を利用するようにしましょう。
お金について不安がある…という方は、無料お金相談を利用するのもおすすめです。
無料お金相談を利用すれば、無駄な出費や将来に向けての積立などを見直すことができます。
今ならスマホ1つで無料オンライン相談できるので、この機会にお金の悩みを解決しよう!
参考:うつ病が再発した場合、再度傷病手当金を受給できる?
うつ病が再発した場合、再度傷病手当金を受給できるのか解説いたします。基本的には同じ病気であたらめて傷病手当金を申請した場合、最初に傷病手当金を受給した時に、まだ受給期間内であれば引き続き受給することができます。
ですが、傷病手当金が受給できる期間内をすべて使い切ってしまった場合はできません。それは同じ病気だと傷病手当金の申請が通らないためです。
もし、うつ病を再発して再び傷病手当金の受給を受けられるようにするためには、一度うつ病を完治し職場復帰したという実績が必要になります。
職場復帰して業務にあたって、ある程度期間が空いた上でならば病名が同じだったとしても、再発の扱いにならないので再度傷病手当金を受給することが可能です。
傷病手当金をもらうにはどんな手続きが必要?申請手続き方法
ここでは、傷病手当金をもらうために必要な手続きと申請方法について紹介します。傷病手当金の申請に必要な書類は、「傷病手当金支給申請書」といいます。
この書類を所属している保険組合から取り寄せ、被保険者である本人と会社、療養担当者である医師が記入し、診断書など必要書類を添付し傷病手当金支給申請書を送り返す、というのが一連の流れになります。
次に、傷病手当金の申請に必要な書類や手続きの流れについて解説するので、ご覧ください。
申請に必要な書類(診断書など)
傷病手当金を申請するために必要な書類を「傷病手当金支給申請書」といいますが、この書類は4枚の紙で構成されています。
内訳としては、
- 被保険者記入用(2枚)
- 事業主記入用(1枚)
- 療養担当者記入用(1枚)
となります。被保険者記入用が支給を受ける本人が記入する書類です。事業主記入用は会社、療養担当者記入用は医師が、それぞれ記入することとなります。
傷病手当金支給申請書は、傷病手当金を支給を受ける人すべてが共通で提出する書類ですが、病気やケガの内容によって添付に必要な書類が変わります。
ですので、自分が申請する際にどの書類が必要なのか確認して提出するようにしましょう。
手続きの流れ
ここでは、傷病手当金を申請する手続きについて紹介します。大まかな流れとしては、
- 傷病休暇を利用することを会社に報告。
- 傷病手当金支給申請書を入手。
- 支給を受ける本人、会社側と医師にそれぞれ申請書を記入する。
- 傷病手当金支給申請書が完成したら、必要な書類を添付し保険組合に送る。
となります。傷病休暇を利用することになるのであれば職場を長期離脱し療養するわけですが、そのためには最初に会社への報告が欠かせません。
傷病手当金を申請するにあたって会社への事前報告することで職場からの理解も得られやすくなり、会社に記入してもらう申請書もスムーズに受け取りやすくなります。
傷病手当金申請書ですが、会社が所属している保険組合から取り寄せる方法もありますが、保険組合によってはコンビニエンスストアのマルチコピー機から印刷できることも可能なので、早めに申請書を手に入れたい場合は、この方法ができるか確認してみましょう。
会社と医師に申請書の書類記入を依頼しますが1週間以上は手元に届くまで時間がかかってしまいます。
ですので、傷病手当金の支給を受けるには時間がかかることを頭に入れておきましょう。
【注意】傷病休暇を取ると有給が付与されない可能性がある
有給休暇は毎年付与されるものですが、傷病休暇の利用期間によっては有給休暇が付与されない可能性があるので注意が必要です。
有給休暇とは1年間に8割以上業務にあたっていると発生します。ですので、傷病休暇を止ん期間した場合はさほど影響はありません。
しかし傷病休暇を利用した期間が長期になり、結果として業務にあたった期間が1年間の8割に満たない場合は次年度の有給休暇が発生しなくなってしまうのです。
ですので、長期間傷病休暇で職場を離れて復帰した場合は次年度の有給休暇は望めません。
このまま、有給休暇が消滅したままになるのではないかと心配になるかもしれませんが、職場復帰後に通常の業務を行い続ければ、その次の年の有給休暇は元通りになります。
傷病休暇中のボーナスはどうなる?有給休暇の方が得な場合も
傷病休暇中は給与が発生しない状況ですが、ボーナスに関してはどうなるのでしょうか?
会社員と公務員の違いとしては、
- 会社員のボーナスは査定期間の勤務状況や欠勤日数に影響される
- 会社員のボーナスはは傷病休暇よりも有給休暇を利用したほうが査定に有利
- 公務員は半年の間に勤務した実績があれば支給される
となっています。傷病休暇を取得できるのは会社員や公務員となっていますが、このようにボーナスをもらえるための条件が異なっています。
ここでは、傷病休暇を利用した場合の会社員と公務員のボーナスについて解説するので、ご覧ください。
会社員は欠勤日数が影響することも!有給休暇が得な場合も
会社員がボーナスで査定を受ける時の基準になっているものは
- 業務成績
- 勤務中の態度
- 出勤日数
となっています。これらの情報を基にボーナスが査定されるのです。傷病休暇中でも業務成績や勤務中の態度に関しては休暇に入る前の状態が参考にされます。
ですが、傷病休暇中は欠勤扱いになるのでボーナス査定に影響を及ぼしてしまいます。もし、ボーナス査定に影響を及ぼしたくないのであれば出勤したとみなされる有給休暇を使用するという方法を取りましょう。
公務員は過去半年に勤務があれば支給されるが、減額の場合も
公務員は年に2回ボーナスにあたる「期末手当」というものが支給されます。公務員の場合、期末手当をもらうためには過去半年の間に勤務している実績が必要となります。
実績が認められれば支給対象とみなされます。ただし、勤務実績があったとしても必ずしも満額支給されるわけではありません。
勤務期間によって支給額の割合が変わってくるので、場合によってはかなり減額されるケースもあります。
公務員の期末手当の支給割合を表にまとめてみました。
勤務期間 | 支給割合 |
---|---|
6か月 | 100% |
5か月以上6か月未満 | 80% |
3か月以上5カ月未満 | 60% |
3か月未満 | 30% |
公務員の期末手当の支給割合は上記のようになっています。この表を見ると勤務期間が短ければ短いほど支給される金額の減額率が高くなるのが分かると思います。
傷病休暇中のアルバイトは傷病手当金の不正受給で違法行為になる!
傷病休暇中は傷病手当金が支給されますが、給料の約2/3にあたる金額になるのでいつもより手にするお金が少なくなってしまいます。
そうなると人によっては、お金に困ってアルバイトをしたくなることもあります。しかし、傷病手当金は収入が途絶えてしまった人が生活に困らないように支給されるお金です。
したがって、傷病休暇中に支給を受けつつアルバイトで収入を得ると、不正受給と見なされてしまいます。
不正受給は違法行為にあたるので、いくつか罰則があります。
- 傷病手当金の支給停止
- 傷病手当金の返金要求
- 悪質と判断されると詐欺罪とみなされる
といった内容になります。このように、傷病休暇中にアルバイトで収入を得てしまうと支給が停止したり返金するようにいわれてしまいます。
さらに悪質行為だと判断されると詐欺罪とみなされ処分対象となってしまうので、傷病手当金を受給している期間はアルバイトをするのは止めておきましょう。
傷病休暇をとることのメリット・デメリットとは
傷病休暇をとることを考えた時に、どんなメリットとデメリットが起きるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
傷病休暇をとるメリットとしては、
- 欠勤が続いても安心して療養ができる
- 支給される傷病手当金で生活を守れる
となります。
対してデメリットは、
- 給与よりも傷病手当金はもらえる金額が少ない
ということです。ここでは、メリットとデメリットについて解説いたします。
メリット①欠勤が続いても安心して療養することができる
病気やケガで仕事ができない状態になってしまうと退職が頭をよぎる人もいるかと思います。ですが、傷病休暇は働くことができない人が療養を経て再度職場に復帰できる制度です。
休暇期間中は欠勤扱いになるので給与の支払いはありませんが、会社に籍を置いたまま長期間の休暇をとることができるというメリットがあります。
ですので、また働けるようになるまで心配することなく安心して療養に専念することが可能になります。
メリット②傷病手当金を生活費に充てながら療養できる
傷病休暇をとるメリットとしては、休暇中に会社に籍が置けるだけでなく、傷病手当金が支給されるということもあげられるでしょう。
傷病手当金は、給与よりももらえる金額が約2/3と少なくなってしまいますが、まったくお金が入らない状態とは違うので生活を守りながら療養することができます。
そういった意味でも、傷病休暇はお金の心配をせずに療養できる素晴らしい制度だといえるでしょう。
デメリット:給与が満額もらえない
メリットが多く感じられる傷病休暇ですが、デメリットをあげるとすれば支給さる傷病手当金が給与よりも少ないという点でしょうか。
傷病手当金は給料の約2/3が支給される金額です。生活することを考えると十分な金額に感じられます。
ですが、自分に扶養家族がいるとなると支給に該当しない給与の残り1/3の金額が生活に大きな影響を与えてしまう可能性もあるでしょう。
傷病休暇中の社会保険料、税金はどうなる?
傷病休暇中は傷病手当金が支給されますが、社会保険料や税金の支払いはどうなのでしょうか?
まず、社会保険料については健康保険に加入した状態のままなので休職前と同じ金額を支払う必要があります。
税金に関しては支払いが必要なものと支払わなくてよいものがあるので解説いたします。まず傷病手当金は非課税対象となるので所得税の支払いはありません。
住民税は前年度の所得が対象となっているので、給与での収入が無くても納税する義務があるのです。
種類 | 傷病休暇中の支払いの有無 |
---|---|
社会保険料 | あり |
住民税 | なし |
所得税 | なし |
新型コロナウイルスによる傷病手当金をもらえるケースともらえないケース
新型コロナウイルスは治療薬もできておらず、かかった場合には陰性になるまで仕事に就くことができない厄介な病気です。
新型コロナウイルスにかかってしまった場合、一定期間仕事に就くことができないので傷病手当金がもらえる対象になるか気になる人もいるのではないでしょうか。
傷病手当金は、状況によってはもらえるケースともらえないケースが発生します。ここでは、傷病手当金がもらえるケースともらえないケースについて解説していきます。
傷病手当金をもらえるケース
傷病手当金は被保険者が仕事に就くことができない状態に支給されます。したがって、健康保険に加入している被保険者本人が新型コロナウイルスに感染した場合は傷病手当金がもらえるケースにあてはまります。
具体的な例としては、
- 新型コロナウイルスの感染が確認され入院や自宅療養をおこなうことになった
- 新型コロナウイルスに感染しているが自覚症状が無いので自宅療養をおこなうことになった
- 発熱など新型コロナウイルスに感染への疑いのある症状が続いて4日以上自宅療養をおこなっていた
- 新型コロナウイルスの症状が出たので自宅療養をおこない休職4日目以降に病院で医師の診察を受けたところ別の病気だと判明した
などがあります。新型コロナウイルスに感染した場合は病気にかかっていた場合は仕事に就くことができませんし、他の人への感染を防がなくてはなりません。
そういった点で被保険者本人が感染しているケースは傷病手当金の支給対象にあてはまります。
また、新型コロナウイルスに感染していなくても休職して4日以上経過しているのであれば傷病手当金の対象となります。
傷病手当金をもらえないケース
それでは、新型コロナウイルスで傷病手当金がもらえないケースについて解説をしていきましょう。
解説の前に、もらえないケースの具体的な例を出します。
- 社内で新型コロナウイルスに感染した従業員が出たので会社が休業することになった
- 自分は新型コロナウイルスに感染していないが、家族が感染してしまったので自宅待機することになった
このようなケースが対象となります。まず、会社から休業するように指示を受けた場合は傷病手当金ではなく、休業手当があてはまります。
傷病手当金は被保険者本人が病気やケガで療養する場合に利用できるものなので、家族の感染で自宅待機の場合は傷病手当金はもらえません。
参考:妊婦になったら育休手当と傷病手当金は併給できる!
まず、出産日43日以前は傷病手当金の受給対象となりますが、42日前からは出産手当金の支払い対象となっています。
出産手当金と傷病手当金は同じ健康保険制度から支給されるものなので、併給できません。
もし、もう一度傷病手当金の支給を受けたいのであれば、育児休業給付金が支給される期間まで待ちましょう。
育児休業給付金の対象期間は、出産後の57日以降です。この期間であれば制度が違うので傷病手当金との併給が可能になります。
該当期間に必要となった場合は、育児休業給付金と併せて傷病手当金を申請して併給できるように手続きを行いましょう。
手当金の名称 | 制度 | 傷病手当金との併給 |
---|---|---|
出産手当金 | 健康保険制度 | できない |
育児休業給付金 | 雇用保険制度 | できる |
傷病休暇の条件・期間・注意点まとめ
傷病休暇について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。今回の記事について改めてまとめますと、
- 傷病休暇は、プライベート時にケガや病気をしてしまい仕事に長期間就くことができない
- 保険組合に加入している被保険者である会社員・公務員が対象
- 申請には傷病手当金支給申請書を保険組合から取り寄せ記入する必要がある
- 支給金額は給料の約2/3の金額
- 傷病手当金の支給期間は最長で1年6カ月まで可能
- 同じ病気では傷病手当金の支給期間は延長できないが他の病気でなら延長が可能
- 傷病休暇の利用期間によっては有給休暇やボーナスに影響が出る
- 傷病休暇中でも支払わなくてはいけない税金がある
- 傷病手当金は条件によっては支給されないケースもある
- 育児休業給付金と傷病手当金は制度が違うので併給が可能
といった内容になります。このように、傷病休暇は業務外でのケガや病気で長期間仕事に就くことができないことが条件で利用できる制度です。
仕事ができない状態になってしまうと不安になるかもしれませんが、傷病休暇を上手に活用すれば傷病手当金の支給で生活を守りつつ心置きなく療養に専念することができるので、傷病休暇を理解していざという時に備えましょう。
お金について不安がある…という方は、無料お金相談を利用するのもおすすめです。
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病気やケガが原因で長期間仕事に就くことができない状況になってしまうことがあります。
そんな時に、利用できる傷病休暇がどんな制度なのかよく分からない人もいるかと思います。
実際、傷病休暇について就業規則を調べても
と分かりづらいこともあるのではないでしょうか。
傷病休暇は、会社から給料がもらえない状況で生活を守ってくれる大切な制度です。
今回は、傷病休暇について
ぜひ最後までご覧ください。