更新日:2020/12/21
別居すると遺族年金はもらえない?別居の証明と遺族年金のもらい方を解説
内容をまとめると
- 夫と別居していても、経済的・人的なつながりがあれば遺族年金を受け取れる
- 夫と音信がなく生計を一にしていない場合は、遺族年金を受け取れない
- 両親が死亡している場合には、子供も一定の要件を満たせば受給資格を持つ
- 子供に配偶者がいない場合には、父母が受給資格を持つケースもある
- 遺族年金を受け取るには、配偶者に関係する所定の書類を日本年金機構に提出しなければならない
- 遺族年金を受け取れるかどうか不明の場合は、無料保険相談で詳しい話を聞いてみるのがよい
- 今ならスマホ1台で無料オンライン相談できるので、保険の悩みはすぐに解消
目次を使って気になるところから読みましょう!
【基本的に無理】離婚していなくても別居中の妻(配偶者)は遺族年金はもらえない
夫と別居している妻は、夫が亡くなったときに遺族年金を受け取れるのでしょうか。
結論から述べると、別居中の妻は夫の遺族年金を受け取れません。
これは、離婚をしていない場合でも当てはまります。
かつては、夫婦は一緒に暮らすことが一般的でした。
そのため、離婚をすると必然的に別居していきます。
しかし、近年では離婚をせずに別居しているケースが多数存在します。
この理由を一概に述べることは難しいものの、これも新しい夫婦の形だと考えます。
なお、遺族年金に関してはどうでしょうか。
実は、長期間別居している夫婦の場合、下記で述べる一定の要件を満たした妻でないとお金を受け取れません。
まとめると、基本的に別居していれば遺族年金を受け取る資格はないものの、例外に当てはまればお金をもらえる場合もあるのです。
つまり、まったく可能性がないわけではないと覚えておきましょう。
なかには、遺族年金をもらえることを理由に離婚しない夫婦もいると思いますが、これは大きな誤りです。
離婚を考える間柄であれば、年金を受け取ることはほぼ難しいです。
別居中の遺族年金がもらえるための受給資格とは?
上記で、一定の要件に当てはまらない妻には、別居している夫の遺族年金を受け取れないと説明させていただきました。
それでは、一定の要件とはどのようなものなのでしょうか。
端的に言うと、
- 生計同一要件
- 収入要件
遺族年金をもらうための生計維持・同一証明書とは?
遺族年金を受け取る要件のうち、生計同一要件とは、
- 住民票の上では実際に同居している関係
- 同居はせずとも、経済的・人的につながっている関係
- 夫婦仲問わず、長期間の単身赴任や入院などやむを得ない場合で別居している
- 妻へ生活費や療養費の支援がされている
- 別居をしていても、定期的な音信がある
住民票が別でも問題はない
夫と住民票が別でも、遺族年金の受給資格を満たせるのでしょうか。
結論から述べると、上記で挙げた生計同一要件を満たせば住民票が別でも問題ありません。
たとえば、長期の単身赴任を理由に別居している場合は、住民票を現在の住居地に移す方が多いと思います。
この場合でも、定期的な音信や、経済支援など人的なつながりがあれば遺族年金の受給対象です。
つまり、夫婦仲は良くても事情があってやむを得ず一緒に暮らせていない家庭であれば、住民票が別でも年金を受け取れます。
これを知って、本人たちの意思に反して別居している夫婦は安心したことでしょう。
結果として、遺族年金の受給資格は夫婦の関係性がポイントとなるため、仲が良好であれば住民票が異なっていても問題ありません。
遺族年金を受け取れるかどうか不明の場合は、無料保険相談で保険のプロに相談してみましょう。今ならスマホ1台で無料オンライン相談できるので、保険の悩みはすぐに解消できます。
【具体例】別居中の夫婦や子供が遺族年金をもらえる・もらえない場合
遺族年金の受給要件を解説していきましたが、いかがでしたか。
一般的なものは把握できるものの、夫婦の形は千差万別なので、ご自身たちの関係がどれに当てはまるのか悩まれる人も多いことでしょう。
そこで、下記では遺族年金を受給できるケースとできないケースについて、下記で挙げる具体例を説明していきます。
この記事でご紹介させていただくのは、
- 別居中の夫婦
- 別居中の子供
- DVを受けて別居中
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
別居中でも遺族年金をもらえるケース
別居中の夫婦が遺族年金をもらえるケースに当てはまるのは、
- 夫が単身赴任中
- 夫が長期入院中
最近では、単身赴任が長期化するなかで、長年やむを得ず別居している夫婦が増えています。
その夫が、単身赴任中に亡くなってしまった場合がこのケースに当てはまります。
夫が単身赴任中も、定期的に妻がいる自宅に戻ってきていて、妻は生活費を夫と同一の口座からやり繰りしていたときには、経済的・人的なつながりがあるとみなされることを上記で説明させていただきました。
通帳を見れば、妻が夫と同一の口座から資金を引き出している形跡が残っているため、夫とのつながりがあることを認められます。
よって、遺族厚生年金をもらえるのです。
この他、夫が病気のため長期で入院していて、入院先で亡くなったケースを考えてみます。
この場合も、妻が夫の看病のために定期的に病院を訪れていたり、生計を同一にしている形跡が見られれば、妻は遺族年金の受給対象者です。
別居をする理由は、必ずしもほぼ離婚状態となっている場合以外にも、単身赴任や病気療養のようなやむを得ないケースが存在します。
したがって、事情があって別居している夫婦に関しては、遺族年金を受け取れると考えて良いでしょう。
別居中の夫婦が遺族年金をもらえないケース
別居中の夫婦が遺族年金をもらえないケースは、2つのパターンがあります。
それは、
- 離婚はしていないものの、経済的・人的つながりがなくて離婚しているのと同等の状態
- 夫が自営業を営んでいて国民年金の加入者(別途要件あり)
- 子供がいる配偶者
- 18歳になる年度の末日までの子供
別居中の子供が遺族年金をもらえるケース
自営業者が対象となる遺族基礎年金は、妻だけでなく子供が受給対象者となるケースも存在します。
たとえば、両親によって生計を維持されていたものの、どちらも死亡してしまった場合です。
このケースでは、夫の遺族年金の受給対象者となる妻も死亡しているため、子供が代わりに年金を受け取れます。
まず、遺族年金を受給できる子供の要件は
- 18歳になる年度の末日まで
- 障害等級が1級、2級の場合は20歳になるまで
- 死亡した父親と同居関係または仕送りを受けていた
- 健康保険の扶養親族
- 年収が850万円未満または年間所得655万5千円未満
別居中の子供が遺族年金をもらえないケース
次に、別居中の子供が遺族年金をもらえないケースを考えます。
上記では、18歳になる年度の末日までの子供であれば、遺族年金を受け取れると解説させていただきました。
逆に言うと、19歳を過ぎてしまうと遺族年金をもらえません。
そのため、給付金が打ち切られた分をどのように補っていくか困ってしまうかもしれませんね。
このような遺族年金を受け取る対象者ではない遺族に対して、死亡一時金の給付制度があります。
死亡一時金は、国民年金の第1号加入者が36月以上保険料を納めており、かつ老齢基礎年金・障害基礎年金を受け取る前に亡くなったときに、下記に掲げる遺族に支払われます。
対象となる遺族は、
- 配偶者
- 子
- 父母
- 孫
- 祖父
- 兄弟姉妹
別居していて遺族年金をもらえない子供でも、仕送りを受けていたケースなどであれば、死亡一時金を受給できます。
【例外】DVで別居中の場合はもらえる場合が多い
長い間別居中で、経済的な関わりがない場合でも例外として遺族年金をもらえる可能性が高いケースが存在します。
それは、DVを受けたことを原因として別居しているケースです。
たとえば、妻が夫からDVを受けていて、専門機関からの支援によって引き離して生活を送っている事例が当てはまります。
遺族年金が支給されるには、別居の原因や期間などを総合的に判断して決めるため、必ずしも受け取れるとは断言できないものの、法的な理由がなくて別居しているケースよりかは年金を受給できる可能性が高いと言えます。
しかし、この場合はDVの被害を受けていることを第三者に認められる必要があります。
具体的には、
- DV被害者を保護する施設に避難している
- DV支援施設から、被害者であることの証明書を発行されている
- 裁判所からの保護命令を受けている
別居中家族の遺族年金申請手続きについて
別居中の家族が遺族年金を申請するときには、手続きが必要です。
まず、年金請求書を提出します。
年金請求書の様式は、遺族基礎年金と遺族厚生年金では形式が異なるため、正しいものを選んで記入してください。
なお、年金請求書は「日本年金機構」の公式サイトからインターネットからダウンロードするか、または近くの年金事務所、年金センターの窓口でも取り扱っています。
次に、遺族年金を受給するにあたり、必ず提出が求められる書類は下記のとおりです。
- 戸籍謄本
- 世帯全員の住民票の写し
- 死亡者の住民票の除票
- 請求者の収入を証明する書類(所得証明書など)
- 子の収入を確認する書類(義務教育終了前は不要、高校生は在学証明書または学生証)
- 死亡診断書のコピーまたは死亡届の記載事項証明書
- 本人名義の金融機関の通帳(受取先)
- 印鑑
- 第三者行為事故状況届
- 交通事故の証明書
- 確認書
- 源泉徴収票、学生証の写しなど(被害者に扶養家族がいる場合)
- 損害賠償金の算定書
- 年金証書(他の公的年金から受給がある場合)
- 合算対象期間を確認できる書類
夫・妻・子がいない場合は父親や母親も遺族年金を受け取れる?
近年では、一生涯未婚のままである方も増加しているため、家族を持たずに亡くなってしまうケースも多く耳にするようになりました。
死亡した方に配偶者や子供がいない場合は、誰が遺族年金の受給資格を持つのでしょうか。
結論から述べると、受給要件を満たしていることで父母が遺族年金の受給者となるのです。
条件としては、
- 死亡した子供と父母が同居関係または仕送りをしている
- 父母の年齢が55歳以上
- 父母の年収が850万円(所得655.5万円)未満
参考:遺族年金を受け取っていても他の家族の扶養内控除を受けられる
遺族年金を受け取っていても、他の家族の扶養に入ることは可能です。
これには、他の家族と生計を一にしていることが条件です。
たとえば、親の遺族年金を受け取っている子供でも、年間所得が38万円以内(給与のみは103万円以下)であれば、会社員の配偶者の扶養となることができます。
遺族年金を受け取ると、年間所得を上回ってしまうと不安になる方がいるでしょう。
しかし、遺族年金は年間所得の要件には当てはまらないため、ご安心ください。
なお、扶養になると扶養控除によって家族の税金が安くなるため、家庭にはメリットが大きいですよね。
たとえば、所得税や住民税は毎年大きな負担となってしまうものの、扶養控除に入ることで税金が控除されることが挙げられます。
一般的な扶養親族の税金控除額は、
- 所得税 38万円
- 住民税 33万円
まとめ 遺族年金は別居中の場合、受給資格がなければ受け取れない!
この記事では「遺族年金は夫と別居の妻でも受け取れるのか」について解説させていただきましたが、いかがでしたか。
記事の要点は、
- 夫と別居していても、経済的・人的なつながりがあれば遺族年金を受け取れる
- 夫と音信がなく生計を一にしていない場合は、遺族年金を受け取れない
- 両親が死亡している場合には、子供も一定の要件を満たせば受給資格を持つ
- 子供に配偶者がいない場合には、父母が受給資格を持つケースもある
- 遺族年金を受け取るには、配偶者に関係する所定の書類を日本年金機構に提出しなければならない
何らかの事情で離婚はせずとも、長年別居している夫婦の場合、夫が亡くなったときの保障を妻は得られるのか気になると思います。
法的には「遺族年金」と呼ばれるものですが、別居している期間が長いと、夫婦というよりかは他人のような関係かもしれませんね。
その場合でも、相続の場合は法律上妻に当たるため、相続権が得られます。
それでは、別居の妻にも遺族年金の受給権があるのでしょうか。
実は、別居中の妻は基本的に遺族年金をもらえないものの、例外があるのです。
この記事では、「遺族年金は夫と別居の妻でも受け取れるのか」について
を主に解説していきます。
夫婦の形についても多様性が認められる社会になりつつあるので、離婚をせずに別居する夫婦がさらに増えることでしょう。
すべての夫婦の方に読んでいただきたい記事なので、ぜひ最後までご覧ください。