フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第113回目は赤茶長毛のサリー(Sully)さま。心に穴が空いた飼い主を癒した猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.113猫さまの話をもっと聞かせて!サリーさまは1歳の男性猫さま。サリーさまが語ります。僕は都会のアパルトマンに住んでいます。今のところお出かけはしていません。赤ちゃんの時、たくさんの猫達とケージに入れられて窮屈だった記憶が少し残っています。僕の飼い主とは、出会った頃から気が合うと感じて僕のほうからちょっかいを出しました。この家は快適ですね。特に浴室はきれいに磨かれていて(飼い主はビューティーサロンのマネージャー)鏡を覗き込んだり、蛇口から直接水を飲んだりと、浴室で過ごす時間も多いのです。あと、気持ちが良いフカフカ毛布があるソファーの上。飼い主たちがテレビを見ている間、僕はここでうたた寝をします。ご飯は『Franklin』というブランドの子猫用のパテとカリカリです。朝晩はパテ、昼はカリカリを食べています。もうじき大人猫用のご飯も準備しなきゃと飼い主が話しているので、どんな違いがあるかとても楽しみです。飼い主から見たサリーさまサリーは私たちの最初の猫です。サリーがやってくる前は犬と一緒に住んでいましたが、残念ながら亡くなってしまいました。それからは悲しみに暮れていたので、もう犬を飼う気持ちにはなれませんでした。それでも、心の空白のためにも動物を飼いたいと考えていて、それなら猫がいいなと思っていました。そして、不幸な猫を救うために動物保護施設に行きました。最初に私たちの元にやって来たのがサリーでした。私の最愛の人(彼氏)が履いていたスニーカー、ナイキのジョーダンで遊び出したので、すぐに私たちはサリーを選びました。彼は大きくてかわいい毛むくじゃらの子猫です。親切で、愛情深く、私たちにとても似ていますが、少し頑固でもあります。サリーは私たちと話をしたり、写真を撮られるのが大好きです。はい、私たちも同じく、写真が大好きです。毎朝サリーがやってきて来て、私たちが起きる前にベッドで大きなハグをしてくれるのです。サリーがいると、私たちは孤独を感じません。 魅力的な目をしていて大きな存在感を放っています。サリーはこれからも私たちの人生に多くの幸せを与えてくれるでしょう。この幸せな瞬間と、私たちが共に分かちあえる生きかたを教えてくれたサリーにただただ感謝です。――最愛の犬さまを失った悲しみは計り知れないものだったと思います。しかし、幸運にもキラキラした瞳のサリーさまと出会ったことで、飼い主たちは塞いでいた心が解放されたようです。まだまだ若いサリーさまと楽しい日常を過ごして下さい!取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年03月05日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第112回目はブリティッシュショートヘアのプリミツ(Primityu)さまです。食う寝る遊ぶの毎日を過ごす猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.112猫さまの話をもっと聞かせて!プリミツさまは生後6か月の男性猫さま。プリミツさまが語ります。僕の飼い主は、パリ16区にあるフレンチレストランのオーナーシェフです。毎日とても忙しいようですが、仕事が休みの日には一緒にお昼寝をしたり、遊んでくれます。時々お風呂にも入れてくれます。飼い主の仕事が終わって家の扉の前に着くと、すぐわかります。ニャーニャー鳴いて、早く開けるように要求します。携帯電話を見ていて僕を相手にしない時は、携帯をかじって遊んでとせがんだりもします。なぜられるのは好きで、甘えん坊なのです。アパルトマンの3階に住んでいます。窓際には5階建てのキャットタワーがあるので、飼い主の留守中はここにいることも多いです。あとは本棚の上も大好きです。食べる、寝る、食べる、寝るの毎日です。だいたい7~8時に起きてお顔スリスリ、ご飯を食べてそのあとは軽く運動し、トイレに行き、外を眺めたり、昼寝をしたりしています。最近、動く青色の魚のおもちゃをもらってハマっています。抱き締めたりそのまま後ろ足で蹴りを入れたり、すっかりお気に入りになりました。ネズミのおもちゃもお気に入りです。テレビでネズミの動画を見た時はびっくりしましけど、これも最近の僕の遊びに加わりました。飼い主から見たプリミツさまとは小さな時から、家には必ず最低1匹は猫がいました。自分で初めて飼ったのはロシアンブルーで、5年ほど飼っていましたが、渡仏のため当時同棲していた彼女に譲りました。ブリティッシュショートヘアについては、以前知り合いが飼っていてかわいいと思っていました。プリミツは誕生日のプレゼントとしてやってきました。ビジネスパートナーが飼っている猫ちゃんの弟です。ブリティッシュショートヘア特有であるのかわかりませんが、プリミツはとっても甘えん坊のツンデレな性格です。いつも側にいないとイヤなのにあんまり抱っこされたりするのは好きではないです。人見知りもそんなになく、結構社交的な性格だと思います。好奇心旺盛で新しい人や物には怖がらず寄っていくタイプですね。まだ来て間もないので、毎日が本当に楽しいです。かわいい子どものような存在です。ご飯やトイレの世話をしたり、手間のかかる部分はありますが、それ以上に可愛いくて自分をとことん癒してくれる存在なのです。――大きいまん丸のお目目をもったプリミツさまは、自分の魅力を最大限に発揮して飼い主を虜にしてしまったようです。素晴らしい料理を作る時の真剣な表情の飼い主とは違った面を見せてくれました。今ではプリミツさまの存在は大きく、毎日が活気に満ちているようでした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年03月04日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第111回目、ワンワンワンは番外編の番外犬、犬さまの登場。柴犬のマメ(Mamé)さまです。犬生をエンジョイしている犬さまの物語【フレンチ猫さま】vol.111猫(犬)の話をもっと聞かせて!マメさまは4歳の男性犬さまです。マメさまが語ります。僕はパリ近郊の、お城が有名なシャンティイの隣町で3階建ての家に住んでいます。暖炉もあり、お庭が森に繋がっている素敵な家です。僕はハンガリー生まれ、パリ育ち。今は田舎へ引っ越し、ハッピーライフを満喫中です。朝は家の誰かが起きて下の階に来てから僕が起きます。家族はみんな上の階で寝ていますが、僕は階段をのぼることを禁止されています。ここの子どもたちが学校に行ってからようやく僕の散歩時間になります。嬉しくて嬉しくて家の裏の森を30分以上は走り回ります。飼い主が上の階のアトリエで仕事中(アーティストですが、イラストを書いたりケーキデザインしたり漫画の編集をしたりする多才な女性です)は、1階で家族の匂いのするソファーでお昼寝をしていることが多いです。自分のお布団がありますが、そこにはほとんどいません。休憩で下におりてきた飼い主は、思いっきり僕を撫でたり、テニスボール、それから噛むとピューピュー音の鳴るおもちゃで遊んでくれます。飼い主は僕を退屈させるとかわいそうと思い、何度かアトリエに連れて行きましたが、不安で落ち着かず、結局僕はずっと下の階にいるのです。午後になるとまた森を散歩します。体重コントロールをしているために僕の食事は夜に1回だけなのですが、家族が鳥の丸焼きを食べる時は僕にもおこぼれがやって来ます。その日が一番幸せなディナーでしょうか。寝る前にもう一度軽い散歩に行きます。子どもたちの学校のお迎えにも時々一緒に行きますが、人混みや車が多いのがとても苦手で、あまり好きではないです。僕の彼女が隣街にいるので(名前はリリーといいます)、時々一緒に森をデートをしますよ。この季節の森は激寒ですが、彼女と一緒にいると体も心もぽかぽかになるのです。飼い主から見たマメさまは?夫の仕事の関係でパリを離れなければならなくなった時、「柴犬を家族の一員に迎えられるなら田舎に行ってもいい」と冗談を言っていたのです。数日後、彼から新しい家族です、と赤ちゃん柴犬の写真が送られて来ました。この一撃で私はこれからの生活が変化するであろう未来を、マメと共に生きていくことを決めたのでした。大和魂とは程遠い犬で、チキン!とっても怖がりなんです。ビニールのカサカサという音でびっくりして吠えます。でも慣れると足の間に挟まってきたり、気づかれないように体をくっつけてきたり、本当にとっても可愛い性格です。お手もお菓子をあげないとしたくない、伏せもできない…けれども、私を24時間メロメロにしてくれます!人生で初めて犬を飼ったのですが、本当に家族だと感じます。居てくれるだけで、温かい気持ちで包んでくれる愛の存在です。チャームポイントは白いまつげのついたキラキラお目々ですね。見つめられると溶けてしまいます。私は子どもの頃に干された毛布の間に挟まって太陽の匂いをかぐのが好きだったのですが、なんと、マメからその匂いがするのです!そんなことも含めて、マメは私を癒やしてくれる毎日の心の栄養剤なのです。去勢手術をしてからは、体重が増えないよう獣医推奨のドッグフードをあげてます。一度食物アレルギーからひどい中耳炎になってしまったので、獣医推奨のビスケットやシンプルな鶏肉を乾燥させたものをあげるようにしています。マメは私のことは友達以上恋人未満的なご飯係と思っているようですが…。2021年の冬に珍しく雪が積もり、初めての雪に興奮!嬉しすぎてマメがたくさんジャンプしていたのが忘れられません。急にハイテンションになるところと飼い主の言うことを聞かないところは私にそっくりです(笑)――犬を飼うなら田舎に引っ越してもいいと条件付きで新しい世界に飛び込んでいった飼い主の勇気は、マメさまのお陰ですね。パリ市内よりずっと季節の変化を感じられる森の近くは、マメさまにとっても幸せに違いありません。過去に森の中で迷子になって豪雨の中24時間行方不明になったときは、くたくたボロボロになって戻ってきたそうですが、飼い主からのたくさんの愛情とケアでマメさまが体験した恐怖を克服していったのです。もう迷子にならないでください!そしてまだまだ寒い季節が続きますが、今日も森散歩を楽しんでくださいね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月26日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第110回目は黒猫のカーリー(Kali)さま。いたずらが大好きな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.110猫さまの話をもっと聞かせて!カーリーさまはもうすぐ1歳になる女性猫さまです。カーリーさまが語ります。私のお気に入りのおもちゃは、靴下や紙のボール、ロープの先に魚がいる棒の切れ端です。飼い主は私にリードをつけて、森の中へ散歩に連れて行ってくれます。1日の多くの時間を寝て、起きている時は好きなことをして過ごします。 家の中の植物の土を掘り、ハエを追いかけてジャンプし、紙やカーテンを引っ掻くなど…。それでカーリーという名前が付けられました(カーリーとは、ヒンズー教の主神シヴァ(Shiva)の妃の邪悪な分身で、破壊と死の黒い女神です)。私は魚が泳ぐのを見るのが大好きなので、小さな水槽も持っています。いつもはカリカリと時々少しのパテを食べますが、カリカリのほうが好みです。おやつに関してはあまり貪欲ではありません。飼い主が何度かおやつを私の鼻先まで持って来てくれたのですが興味がありませんでした。いつもはキャットタワーかソファで寝ていますが、起きている時は窓の近くで、外で何が起こっているのかをよく観察します。飼い主は私のことを小さなコウモリのようだ、時には小さな愛の女神だとも言っています。飼い主から見たカーリーさま私は両親と一緒に住んでいた子どもの頃、猫を飼っていました。この小さなカーリーはここの家で生まれました。2021年10月にカーリーのお母さんを見つけました。その時は生後4か月くらいだったはずです。恋人に完全に捨てられた彼女を引き取ることになり、不妊手術をしていなかったので間もなく妊娠し自宅で出産することになりました。彼女は非常に若く、経験が浅く、最初に産まれた子猫の出産はスムーズにできましたが、次の子猫はそうではありませんでした。私と私の娘がそれぞれの子猫の胎嚢を開け、拭き、へその緒を切って、彼女が出産するのを手伝いました。彼女は母乳も出なかったので、私たちは子猫たちに哺乳瓶でミルクを与えました。母親にミルクを与えることによって、母親が授乳するように刺激したりもしました。私たちは、娘が飼いたいと思っていたカーリーのほか4匹の子猫を、手分けして家族それぞれで世話をしました。カーリーが私たちの生活に入ってきたのはこんな経緯があったのです。世話をしている間に非常に強い絆が生まれたので、カーリーを手放すことはできませんでした。カーリーは何事にも好奇心旺盛で、ハグも大好きです。彼女は私たちが行うすべてのことにとても興味を示し、私たちのすべての活動に参加するのが大好きです。彼女はとてもインタラクティブな関係(一方的ではない相互関係)を結んでいるのです。私たちのカーリーとの毎日は楽しいひと時であり、彼女が何かいたずらをすることは少なくなってきましたが、もしいたずらをしてもすぐに私たちは許します。カーリーは私の人生と意識にたくさんの愛、気配り、配慮、存在感、快適さ(ソファのスペースが少なくなりますが)を与えてくれています。――とにかくヤンチャなカーリーさまは隙があれば悪さをしているようです。もうすぐ1歳になるので少し落ち着いたとは聞いていますが、お茶目な表情を見るとなんでも許してあげたくなりますね。カーリーさま、今日は何を企んでいるのでしょうか?取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月25日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第109回目は白茶トラのトム(Tom)さま。半野良からイエ猫になった猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.109猫さまの話をもっと聞かせて!トムさまは5歳の男性猫さまです。トムさまが語ります。朝、飼い主達が起きるまでじっと待っています。飼い主が起きたらご飯を食べ、二度寝して、窓辺で鳩を観察します。それから、遊んで寝て、毎日毎日飼い主とこの家の息子に撫でられまくり、幸せに暮らしています。1日2回くらいは家中を暴走します。寝る時は、飼い主か息子のベッドの足元が居心地良いので、気分に合わせて選んでいます。飼い主はもっと上まで来てほしいと言っていますが…。食事は『ロイヤルカナン』のドライフードと、朝晩『Almo Nature』のウェットフード(マグロ)です。このマグロはとても美味しく、これが出てくる時は飼い主の言うことをなんでも聞きます。犬みたいに、おすわり・お手・おかわり・立ち・クルクルを毎回披露します。芸達者でしょう。でも、体重が6キロあって体格がいいので、食事には気を付けています。チャームポイントは、むっちりプリプリのお尻です~(洋ナシ体型)!大好きな居場所はベッドの上、キャットタワー最上階です。冬は暖房の前の猫用ベッドの中に陣取ります。大好きなおもちゃは“カシャカシャブンブン”。ぬいぐるみなどは全く興味がありません。猫じゃらし系でよく遊びますが、少しすると飽きてしまうので、次のおもちゃをいつも要求しています。知らない人でも駆け寄ってゴロゴロすりすり。誰が来てもピンポンが鳴れば玄関にお出迎えに行きます。郵便配達や電気工事のおじさんにも愛嬌を振りまいています。本当に人間が大好きで、他の犬も猫も好きです。友達のトラーは今までにお試し期間の1泊を入れて3回、バカンス時に一緒に生活しました。僕は優しい性格なので、すぐにトラーを受け入れました。でも、ここのテリトリーは僕のもの。「親分顔」になりトラーが少しでも僕のお気に入りの場所に入ったりすると、仁義なき戦いのテーマと共に現れ、首根っこを咥えて教育的指導をしました…。猫界の掟も守らなきゃいけません。年齢的にも体重的にも僕が上なので、トラーは大人しくしています。僕がトラーの毛づくろいをずっとしたり、世話役になっているので、お互いの飼い主は安心しているでしょう。オス同士は関係性が難しいとみんな言っていますが、トラーが素直な性格をしているからだと思います!また遊びに来てほしいと、バカンス時が待ち遠しいのです。飼い主から見たトムさま猫を飼うのはトムが初めてです。先代犬が亡くなって、私も当時11歳の息子も無類の動物好きのため、寂しくて保護猫のアノンス(掲示板)でトムを見つけました。2019年に亡くなった先代犬がジェリーだったので『トムとジェリー』から名付けました。飼う条件は、アパート暮らしが苦ではない、子どもが苦手ではない、犬に対して恐怖心を持たない(犬の匂いが家にまだ残っていると思ったため)等でした。すぐにトムが見つかり、アソシエーションまで会いに行き、あれよあれよという間に即決でした。ご縁ですね。トムが1歳2か月の時でした。トムは飼い猫として生まれたはずなのに、何らかの理由でお家に入れてもらえず半野良となり、寂しくて道端で通りがかりの人に愛情を求めてずっと鳴いていたのを保護されました。私が引き取る5か月ほど前のことだそうです。当時のトムの写真を持っていますが、今と全く違って本当に寂しそうに見えます。その写真を見るたびに、胸が締め付けられます。身勝手な人間のせいで辛いめにあったのに、人間を嫌いにならないでいてくれて感謝の気持ちしかありません。忘れられないのが、我が家に来て一晩経った翌朝、私のベッドに来て顔中ずっと舐めてくれたこと。まぶたあたりは痛かったのですが、まるで「ありがとう」と言ってくれているようでした。しかし外での生活がトラウマになったようで、今でも外が怖いようです。アパート暮らしなのでその点は不幸中の幸いとなっています。トムと私は脳天気なところが似ていると思います。トムが私のことをどう思っているかは、いつも話しかけると目を細めてうっとりしてくれるので少しは愛されていると信じています。一緒にいるともう毎日が楽しくて…、つい一緒にダラダラしてしまいます。犬のほうが感情表現が豊かだと思っていたのですが、猫もこんなに表情が豊かだとは思っていませんでした。時々しきりに「ニャーニャー」何かを訴えてくるのですが、私が分からないと「だめだこりゃ」という感じですごすごと去っていくのが面白いです。あと写真にもありますが、おじさんみたいに座っているポーズが得意で笑えます。ジャンプに失敗したときなど、まるでなにもなかったかのように「いや、別にジャンプしたかった訳じゃないし」とでも言いたそうに毛づくろいしているときなど、息子と笑いをこらえています。17歳半まで生きた愛犬を看取った時のように、もちろんトムも最後まで責任を持って1日でも長く一緒に暮らしていきたいと思います。家族でもある動物の死はとても辛いものです。しかし、同時に命とは何かを考えさせてくれ、そして彼らが生前に人間に与えてくれたことの大きさに気づきます。そういった経験をさせてくれる動物達に感謝したいと思います。この先トムが老いて、介護が必要であろうとオムツ生活になろうと、傍にいて彼の猫生を最後まで見届けたいと思っています。―――前回この連載#106に登場したトラーさまもスポット参加です。バカンス中にお互いの猫さまを預かりっこの良い関係を築いています。もともと犬派だった飼い主もトムさまの魅力にメロメロですね。半野良を体験したトムさまはここに来たお陰で、毎日がイキイキとしていて満足そうでした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月22日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第108回目はヨーロピアンのチム(Chim)さま。かくれんぼが特技の猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.108猫さまの話をもっと聞かせて!チムさまは1歳半の男性猫さま。チムさまが語ります。僕はパリのモンパルナス近くのレストランを経営している飼い主と先住の犬と一緒に、レストランと同じ建物にあるアパルトマンに住んでいます。飼い主の夫はそのレストランのシェフで、美味しい料理が得意です。お店が休みの日でも、家は美味しい匂いに包まれるので、どんな食べものが出てくるのか興味津々です。特別な日には参鶏湯の鶏肉が登場します。いつものご飯はパテとカリカリ。made in France の『ziggy』というブランドのものなのは、食にこだわる飼い主ならではです。僕の1日のライフスタイルは、遊ぶ、ご飯、寝る、瞑想、遊ぶ、ご飯、寝る、瞑想…の繰り返しです。小さいスーパーボールで遊ぶのが大好き!好きな場所はキャットタワーの最上階。寒い日には、不在の飼い主のベッドにこっそりと潜り込みます。あ、いい匂いがして来たのでこの辺で!見回りに行ってきます。飼い主から見たチムさまとはチムは私にとって初めての猫です(もともと動物は苦手でした)。ある日、長女の友人が捨て猫の里親を探していることを知り、「お迎えに行っておいで」と。その日のうちに我が家へ来ました。生後たったの4~5日目でした。お世話の甲斐もあってあっという間にどんどん成長しました。チムの性格は、人懐っこく甘えん坊でいたずら好き。静と動の差が激しいヤンチャな猫です。特技はかくれんぼと犬のモノマネ(笑)!遠くからでも私を見ていて、ふと視線が合う時は本当に可愛いと思います。私に似て人に合わせないし無理をしない(できない)。やりたいことしかやりません。思い出深いエピソードが2つあります。ひとつは、ブイヨンをとった後のポワロネギを咥えているところに遭遇し、取り上げようとしたらお蕎麦みたいにずずーっとすすって飲み込んだこと。猫にとってネギは命にかかわると知って、すぐ獣医に駆け込んで吐き下しのお薬を飲ませたけれど吐かず…。今では笑えるけれど、あの時は10日間くらい生きた心地がしなかったです。ふたつめは、自分で排泄ができない頃、どうやっても便秘がひどくてお腹がパンパンになり、獣医にどう説明するか娘と言い合いになっていたら、すぐ横で今までにないくらいキレイなウンチをしたこと。チムは私に自己肯定感、ムダなチカラを抜くこと、ストレッチの大切さを教えてくれるのです。――生後たったの4~5日目にやってきたチムさまのお世話は大変だったのだろうと想像します。飼い主も通常の仕事で忙しい中、子ども達3人が交代でかかりっきりで見守っていたようです。先住の犬さまとの相性も良いそうです。今日も台所からいい匂いがして幸せに包まれているのでしょうね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月19日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第107回目はサイベリアンの茶トラ、クリームコートのプウシ(Poushi)さまとレッドコートのアキ(Aki)さまです。同時に引き取られた双子の猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.106猫さまの話をもっと聞かせて!プウシさまとアキさまは1歳半の双子の姉妹です。プウシさまとアキさまが語る自分たちのこと。私たちはパリ市内の7平米のバルコニーを備えた35平米のオスマン様式のアパートメントに住んでいます。平均的な1日は6時30分に起きて遊び、8時に朝ごはん食べます。その後、ひと眠りして身だしなみを整え、天気が良ければバルコニーを少し散歩します。12時にお昼ご飯を食べて、14時~18時はシエスタ、そしてバルコニーを散歩、18時に夕食を食べて、23時30分に就寝前の抱っこをリクエストして1日が終わります。主食はカリカリとパテですが、おやつは食欲をそそるチキンとチーズが入ったドライフードです。お気に入りの場所はそれぞれですが、アキは机で仕事をしている飼い主(パパ)の膝の上。プウシは旅行かばんの上、キャットツリーにあるバスケット、そして床の角度のあるコーナーです。大好きなおもちゃは、アキは装飾品(羽、糸)の付いた糸と玉。プウシはボール、箱の中で遊ぶのが大好きです。性格は、アキは怠惰で貪欲で食べることしか考えていません。プウシはおしゃべりで独占欲が強く嫉妬深いです。双子ですが、あまり似たところはないかもしれませんね。でも、毎日仲良く暮らしているのです。いつもお互い求め合っているので離れ離れにならなくてよかったねとよく話しています。飼い主から見たプウシさまとアキさま私は小さい頃からいつも動物に囲まれていました。私の夫は、アレルギーのため家族と一緒に動物を飼う機会がありませんでした。私の家族のヨーロッパ種の猫であるコスタ(2023年で13歳の女性猫)に会い、彼の願いはいつか生姜猫(茶トラ)を飼うことになりました。そこで2年前、私は夫に内緒で低刺激性のサイベリアン種のリサーチを始めました。課題はコートの色が赤であることでした。しかし、そのような猫がいるパリの近郊のブリーダーをなかなか見つけることができませんでした。12月の最後の週、夕方に映画館に行く前に、生姜猫のサイベリアン種の子猫5匹 (オス2匹とメス3匹)の養子縁組の紹介を見つけました。私はすぐに、赤ではありませんでしたがクリーム色の毛並みの女性猫に気づきました。子猫の管理者からは、予約はできないと言われましたが、私の熱意を知って翌日の朝一番であれば、連れて帰ることができると約束してくれました。閉店まであと30分しか残っておらず、この機会を逃すわけにはいかないと思い、夫に連絡を取り、早急に写真を送って、状況を把握してもらいました。夫はすぐに小さなプウシに恋をしてしまった様子でした。その夜は猫の事で頭がいっぱいで、映画のあらすじはほとんど覚えていませんでした。翌朝一番に夫と2人でブリーダーを訪れ、小さなクリーム色の女性の子猫を迎え入れることが決まりました。夫がもう1匹飼ったらどうか?と言った時は驚きでした。その結果、30分ほど様子を観察し、どのきょうだい猫がプウシと一番楽しそうに遊んでいるかを確認しました。それは赤毛の女性猫で、すぐにアキと名付けました。アキ(日本語で秋)は、赤毛の色と生年月日を考慮してつけました。長い毛のプウシの由来は、ほこりを集める長い毛があるため、ホコリ取りというアクションにちなんだ、かわいい名前をつけました。2匹は私達に、責任、楽しみ、融和、愛を全て同時に持ち込んでくれたました。プウシはお腹にカールがあり、ふわふわの長い絹のような毛並みです。アキは小さな顔で、ピンク色の足をしていて、満足するととても愛情深くなる性格です。どれをとっても世界最高の2匹と一緒になれたのです。彼女たちにとって私たちは「食品の流通業者」で、「できれば私たちをかわいがってください」、「今すぐハグしてください」という要求程度なのかもしれませんが、これからも2匹同時に溺愛したいと思っています。――猫アレルギーのある猫さま好きカップルが、ついに猫さまとの生活を手に入れた幸せなお話が聞けました。いつも猫さまのことを考えていたので、ラッキーにもプウシとアキに出会えたのです。彼女の夫の満足顔が想像できますね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月18日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第106回目は茶トラのトラー(Tolah)さま。長時間のお留守番を頑張っている猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.106猫さまの話をもっと聞かせて!トラーさまは1歳半の男性猫さま。トラーさまが語ります僕はパリ市内のピガール地区のアパルトマンに住んでいます。周りは繁華街で、賑やかな界隈です。僕の平均的な1日を紹介します。朝飼い主と一緒に起きて、朝ご飯にカリカリをちょっと食べた後、ボール投げや玩具で遊んでもらいます。飼い主が仕事に行くので、19時くらいまで家で一人で留守番をします。飼い主が帰ってきたら、夕飯はパテとカリカリを半分ずついただきます。留守中は時々イタズラしたり、窓辺にあるキャットツリーの上や籠の中のフワフワな毛布に乗って庭に来る小鳥や鳩を観察します。そして昼寝をします。たくさんのおもちゃがあるので、留守番&ひとり遊びもへっちゃらです。キツネの小さな人形がついたもの、生まれた時から一緒の小さなハリネズミのぬいぐるみ、段ボールで作ってもらったモグラたたきなどが相棒です。でもでもやっぱり飼い主にオモチャを投げてもらって、くわえて持ち帰って誉められるのが一番嬉しいかも。飼い主から見たトラーさまとは私の家には、私が生まれた時から猫が2匹いました。母が飼っていた女性猫のチャッピーと捨て猫だったちびこです。ちびこは14歳、チャッピーは20歳で亡くなりました。トラーは初めての男性猫で、遊ぶときの攻撃が女性猫より強いようです。うちにやってきた経緯は、友人の実家の飼い猫ライチが子猫を産み、引き取り手が3か月経っても見つからず引き取ることになったからです。私の母は大学生の時にトラーと全く同じ柄の茶トラ猫を飼っていました。階段からボールを落として、ダダッと階段を駆け下りてボールを取りに行くなど、今のトラーと同じように賢い猫だったそうです。女性猫はクールなところもありますが、男性猫は単純な感じです。そこが可愛いポイントでしょうか。一番楽しかったのは、生後3か月ちょっとで我が家に来て、子猫から子ども猫へ成長していく過程を見れたことです。ジャンプ力がついたり、知恵がついたり、植木をほじくってみたり、好奇心のかたまりで、どんな出来事も楽しく、これが一番楽しいということが決められません。ちょっとつり上がったアーモンド型の目と、のっしのっしと歩いてくる時の前脚、しっぽの下からのぞくドーナッツみたいなふぐり(いまはもうないのですが)、ちょっと四角い後ろ頭、キレイなシマシマ模様の入った背中から続く尻尾…かわいいなぁ、と感じるチャームポイントがたくさんあります。夏休みの間などにお互いの家を行き来する友達猫トムとも相性が良く、トラーはお兄ちゃんができた感じでまとわりついたりしています。性格は人懐っこく、イタズラ好き。賢くて甘えん坊で、かまってもらいたがり。私にとって最高の相棒です!――フランスでは長いバカンス中にお互いの猫さまを預かり合いするケースが多いです。でも絶対相性は必要!トラーさまの友達のトムさまは、おっとり構えた歌舞伎役者風の面立ちが可愛い猫さまです。人懐っこくて、例えば工事現場のおじさんとかにもバリアーを作ったり隠れたりせずに、スーッと寄って撫ぜてもらったりしています。懐が深い猫さまです!トムさまは今後この連載にも登場してくれる予定です。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月12日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第105回目は黒白ブチのミルク(Milk)さま。飼い主の心の支えとなった猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.105猫さまの話をもっと聞かせて! ミルクさまは6歳半の男性猫さまです。ミルクさまが語ります僕はパリ近郊のMeauxという街に住んでいます。この街の周辺ではブリーというチーズが有名で、僕も大好きです。でも、大好物なのはチキンかな!それが食事に出た時、食べ終えたら満足の表現、仰向けになって飼い主に気持ちを伝えます。朝は起きたいときに起きて (飼い主と同じように)、朝食を食べた後、1日を始めます。 家の中を歩き回り、飼い主がピアノの先生なので楽譜の上に寝そべったりして注意を引きます。飼い主が午後の終わりに仕事を終えて休んでいるときは、おやつを食べることができます。そして夕食後に一緒にテレビを見て、もちろん飼い主と一緒に真夜中頃になってから布団に入ります。たまに音楽の地方公演がある時は一緒に電車で移動することもあります。僕の友だちは青い魚のぬいぐるみ、これは抱き心地もいいのでそのまま眠ってしまうこともあります。それからバスの形をした爪研ぎは中に入れるので、僕は運転手さんのつもりになれます。いつも家の中はピアノの音が流れていて、この家も飼い主も大好きです。飼い主から見たミルクさまとはミルクと出会ったのは路上でした。動けなくなっていた彼は足を骨折しているようでした。放置していられなくて、そのまま彼を連れて帰りました。それからは治療とお世話に明け暮れて、自然に私の猫になりました。今まで彼は私にたくさんのものをくれましたが、最も重要なものは愛と伴奏でした。彼に会う前、私はパリで一人ぼっちでした。もちろん私にはたくさんの友達がいますが、家族全員が中国にいるので、孤独を感じることがよくありました。彼が来てからはそんな寂しさが吹き飛んでしまいました。ミルクは本当に優しくて私の隣で寝るのが大好き、私は彼を思いっきり抱きしめます。これからも私たちはまだまだ美しい物語を続けていきます。――道端で動けなくなっていたミルクさまは相性の合う飼い主と一緒になって幸運でしたね。献身的に手当をしてくれた飼い主にゾッコンのようでした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月11日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第104回目は茶トラのクルミ(Kouloumi)さま。抱き心地が最高な猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.104猫さまの話をもっと聞かせて!クルミさまは2歳半の男性猫さまです。クルミさまが語ります僕は2020年の夏の暑い日に生まれました。僕のお母さんは黒猫と僕のような模様の猫を産んだらしいですが、小さい頃だったので兄弟か姉妹かはわかりません。飼い主はパリの広い地上階のアパルトマンに住むようになって、僕を受け入れるようにしたそうです。生後3か月の時にここにやってきました。その時はコロナのロックダウン中で、朝から晩まで飼い主とべったり過ごしました。この家の寝室や書斎が中庭に面していて、それらの部屋の窓をしばらく開けて、中庭をお散歩することがあります。木もあってパトロールができるのです。たまに爪を磨いてみたりしています。外出時間は10分ぐらい。長い時でも1時間以内に家に戻ります。食事は無駄に太らないよう飼い主が勝手に気にして、グルテンフリーのカリカリを選んでいます。1日に3回と決まっていますが、いつも少しだけ残してしまいます。おかげさまでガリガリでも太っちょでもなく、ちょうどいい肉付き(抱いて柔らかくて気持ちいい程度 )に育っています。甘えん坊で、リモートで仕事している飼い主のそばにいつもいて、パソコン近くで暖をとります。ここが一番暖かいんです。それと飼い主の息子がスマホで動画を見る時はベッドでスマホホルダー的な役目もしています。飼い主から見たクルミさまとは私が小さい時、家には犬がいました。母は猫が苦手だったのですが、私はその時から猫を飼ってみたいと思っていました。6~7年前からは猫好きが高じて猫カフェ通いもしていました。ロックダウン前に今までの小さいアパルトマンから今の所に引っ越して、そろそろ猫を飼いたいと強く思い始めたのです。そんな時、知り合いのfacebookで猫を差し上げますという投稿を見て、これは今しかないと決心しました。クルミは、夜はベットルームに入ることを禁じられているのですが、日中はベッドルームに入ることができます。日中ベッドの上で相方がくつろいだり仕事したりしていると、よく一緒にごろんとくつろいでます。就寝の時だけですね、締め出されちゃうのは。朝は扉の前で私が起きてくるのを待っているようです。息子の部屋には出入り自由らしく、夜な夜な一緒に遊んでいるのかもしれません。息子も就寝時は部屋の扉を閉めて寝るようですが(つまりクルミは入れてもらえない)。クルミが来てからは、癒しと幸せがいっぺんにやってきて人生が変わりました。クルミは私の世界一可愛い猫!毛が柔らかくて抱き心地も良くて暖かい。こんな生活ができたことに感謝します。――コロナのロックダウン中に猫を飼う人が増えたと聞きます。家に監禁状態になった時、猫さまが癒しになったのは間違いないでしょうね。子どもの頃からの猫を飼う夢が叶って、飼い主は本当に目をキラキラさせて幸せオーラ全開でした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月05日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第103回目はヨーロピアンのロミー(Romy)さま。ご長寿猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.103猫さまの話をもっと聞かせて!ロミーさまはもうじき20歳の女性猫さまです。ロミーさまが語ります。私は2023年の6月で20歳になります(人間だと96歳という説もあります!)。長生きできている秘訣は、バルコニー、隠れ場所、クッションを備えた完璧なアパルトマン暮らしだからです。飼い主たちが午前7時に起きると、私は飼い主に世話をしてほしいと要求します。 ハグをされて、食事をとり治療を受けます。この年齢まで生きていると、歳とともに健康上の問題を抱えています。食事は食物繊維入りのパテ(オーツフレーク)が主ですが、大好きなサーモンの刺身もたまにいただいています。その後は飼い主たちのベッドまたはソファで眠ります。正午には決まってお腹が空くので、起きて催促します。テレワーク中の飼い主の隣に座って観察です!私はビデオ会議が大好きです。それから、残りの午後は昼寝をするためにいつもの場所に戻ってきます。そして午後4時ぴったりに小腹が空いておやつをねだります。その後、夕食の午後7時まで遅い昼寝をします。夜はまた治療を受けて、午後10時に夜食的なおやつを食べます。一緒に住んでいるギズモという名前の変な猫(モルモット)がいるのですが、日中は隠れてばかりいるので無視しています。もう遊びはやめました。もう必要がないというか、激しい運動もしていません。でも、小さい頃はねずみの形をしたぬいぐるみが大好きでした。今は寝ることとこまめな食事、そして優しい飼い主と一緒にいることが幸せなんです。飼い主から見たロミーさまとは彼女が子猫だったとき、彼女はたくさんのばかげたことをしました。ソファをひっかいたり、カーテンによじ登ったり、嫉妬からゴールデンレトリバーに噛みついたりなど…。しかし、今彼女は落ち着いており、ナンセンスなことをやめました。とても社交的で、他の動物の存在を簡単に受け入れます。 彼女はいままで他の猫、犬と一緒に暮らしていましたし、今はモルモットのギズモと良い関係を築き上げました。ロミーは何かを欲しがっているときに、自分を理解してもらう方法を知っています。彼女が何時間も私のそばにいて一緒に過ごす日々は幸せです。高齢ですが甘えることは忘れていないし、時間も規則正しく、食事も決まった時間に要求します。こんな生活がずっと続いてほしいです。でも、別れる日はやってきます。平和に旅立っていけるように、最期の瞬間まで彼女と一緒にいたいと思っています。―――この連載が始まってから最年長のロミーさま。健康の秘訣はストレスのない規則正しい生活と飼い主からの愛情たっぷりのケア。幸せな毎日を過ごしているようです。まだまだ長生きして猫さまの最高寿命を更新してください!取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月04日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第102回目はキジトラのティーモ(Teemo)さま。飼い主との旅行が大好きな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.102猫さまの話をもっと聞かせて!ティーモさまは2歳半の男性猫さまです。僕は公共交通機関で働いている飼い主と一緒にパリで生活しています。一番の楽しみは飼い主の休暇に旅行をすること。飼い主の仕事上、交通機関は無料なんですよ。どうやら僕は家の中より外が好きなようです。飼い主は、僕のことを誰にでも優しくどこに連れて行っても楽しいと言ってくれています。家の中にいるときはキャットツリーで遊ぶことが多いです。ここに住み始めた時に記念で買ってもらった色とりどりのネズミで遊んでいます。食事は『PURINA ONE』のカリカリとズッキーニを混ぜたものが主食です。食後に水道から直接水をいただくと満足感に満たされます。自慢はお腹のヒョウのような柄模様!毛繕いも欠かせません。飼い主は僕のことをカワウソみたいだねというのですが、ヒョウと呼ばれたほうがかっこいいと思います。飼い主が語るティーモさまティーモ はパリ郊外で生まれました。彼が生まれたとき、彼と彼の兄弟はゴミ袋に捨てられていました。 その後、動物愛護協会に引き取られ、私たちはそれを協会のサイトで知り、彼を迎えることにしました。私たちは、毎日心から愛情を注ぎ込みましたが、彼が心を許してくれるのに1年ちょっとかかりました。ティーモとの一番の幸せの時間は休暇に一緒に旅に行くことです。ティーモは私たちにたくさんの愛と優しさを与えてくれるのです。―――ティーモさまのお腹の毛は立派ですね。フランスではヴァカンスの時期は多くの人が猫を連れて公共交通機関で移動しています。写真にあるバスケットを見かけたら中にティーモさまが入っているかもしれませんね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月29日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第101回目は番外編の番外犬、犬さまの登場。フレンチブルドッグのローラ(Lola)さまです。何度も大病を乗り越えた犬さまの物語【フレンチ猫(犬)さま】vol.101猫(犬)さまの話をもっと聞かせて!ローラは11歳の女性犬さまです。ローラが語ります。私はパリの左岸、夜は賑やかな街中にある、築300年以上のアパルトマンのこじんまりとした一室に住んでいます。飼い主(彼女は美味しいお菓子職人です)が仕事の日は、出勤が5時と早朝です。私の気が向くときは、朝4時台に用だけを足しに近所を散歩、天気が悪かったり、寒いと、ベッドに埋まったまま目線で「いってらっしゃい」とお見送りをします。飼い主は留守番カメラで私を見ているらしいですが、日中はほぼ寝ているので安心でしょう(笑)。午前中、お散歩お姉さんが来てくれる日は、1~2時間の散歩に連れて行ってもらいます。コースは日替わりで、気の向くままにセーヌ川沿いを歩いたり、チュイルリー公園の芝生へ行ったり、友だち犬がいるお店までお姉さんを誘導したりします。食いしん坊なので、ベンチやカフェを見つけるとおやつをおねだりします。そして、お姉さんが帰った後はまた昼寝。夕方、飼い主が戻ってくると、待ち構えたように飛びついて、まず甘えます。ひとしきり甘え終わると、夜の散歩です。食事が一日に夜に一度のため、夕方になるとお腹が本当に空くので、さらにおやつをねだりながら1時間ほど散歩をします。時々、近所に住む仲良しのフレンチブルの友だちOSIRISもお散歩に合流します。その時は、一人の時よりも俄然散歩欲が増してテンションも高くなりよく歩きます。家に戻ると待ちに待ったご飯の前に、きゅうきゅう鳴るおもちゃでひと遊びをして、さらにお腹を空かせ、飼い主が食事の支度をするのをじーっと見つめて待っています。そして、お腹が満たされると「すぐ寝ると牛になるよ」といわれるくらい、途端にスイッチが切れて眠ってしまうのです。飼い主が寝るまで彼女の近くのソファーや自分のカナッペ(長椅子)にいて、彼女が寝支度するのを感じると目線を投げて、ベットに上げてくださいと催促します。夏は床でも寝ますが、それ以外は大抵布団へ入っていきます。人のことを本当によく観察できるのが特技で、飼い主が眠りから覚めたら瞬時に私も起き上がるのです。飼い主が休みで、晴れている日は自転車にくくりつけた私の鞄(お輿)、またはメトロに乗って森へ。パリ近郊のいろんな森へ行きますが、一番よく行くのはBois de Vincennesです。街のすぐ近くに自然があるのはパリの良いところです。森へ着くと目の色が変わり、野生に戻ります。池で泳ぐことと、大きな枝が大好きで、人間の背丈ほどある巨木を咥えて走ってきては、川に投げて、千本ノックのように何度も繰り返えします。疲れると舌が半分出て、目が小さくなってくるので、遊びはおしまいです!家に戻ってバスタブに自分から入って丸洗いをされると、堪らなくなり満足げに眠ります。飼い主から見たLolaさまは?実家で暮らしていた時、生まれた頃から犬と一緒でした。鯉や金魚、チャボや金鶏鳥もいて、犬が18歳で亡くなったあとは猫もいたりと、動物は常に身近な存在でした。ある夏の暑い日のカフェで、友人が突然迎え入れた生後3か月ほどのローラを連れてきました。それがローラとの初めての出会いです。元々、犬も猫も動物が好きなこともあり、毎日のように友人宅へ遊びに行きました。彼女は夜に仕事をすることが多く、私は朝の仕事が多かったので、泊まりで預かることも頻繁でした。ある日、その友人がしばらく外国で暮らすこととなり「連れて行くことができない。誰か預かってくれる人を探す」と言うので、「いつ帰ってくるかもわからないのに無責任なことを言わないで!この子が可哀想」と言うと「それならあなたが引き取ってくれないか?」という話に。私は長時間の仕事に就いていて一人暮らしということもあり、周囲の友人に反対をされました。ローラに寂しい思いをさせてしまうのではないか?と考えたこともありました。でも、この子でなければ!と惹かれる気持ちが強く、ローラの一生を受け入れようと決めるまでに、そう時間はかかりませんでした。それからはというと、朝晩の散歩はもちろん、仕事の日は毎日お散歩お姉さんに日中の散歩をしてもらい、1日家にずっと一人でいることがないようにしています。休みの日には、週に1度は森へ行くようになり、私の生活はローラと一緒に変化していきました。嬉しい変化です。年齢を重ねてもその習慣は続いています。とにかく、食べることが大好きな子です。年齢と共に食事は変わってきました。フレンチブルドッグは獣医のお得意さまとよく言われますが、肥満細胞腫、乳癌と、早期発見ではあったものの二度癌を患ってからは特に日々の食事で病気になりにくいように心がけています。缶詰などの市販のものではなく、赤身のお肉、鳥のささみ、ときに職場でいただくマグロの血合などを焼いたもの、生食の鴨肉に軟骨など入ったBARF、それにクロケット2種類を与えています。クロケットのうちひとつは、日本から何とか手に入れているシニア向け薬膳クロケットです。他、サーモンオイルやコラーゲンパウダー、植物療法士の知人に相談して教えてもらったハーブの粉末を混ぜています。早食いは消化に悪いので、お肉とカリカリをひと口づつ手からあげるようにしています。私がパティシエということもあり、年に一度の誕生日にはローラのバースデーケーキを作ります。毎年趣向を凝らしていて、水切りをしたヨーグルトでチーズケーキを焼いたり、野菜とチーズの入ったケーキを焼いたり、トッピングにおからクッキーなどつけたり…。毎回ものすごい勢いで食べてくれます。ただ、蝋燭の火がどうしても怖いようで、消えるまで涎をたらしながらケーキを見つめているのが可愛いです。性格は、見習いたいほど常に本気で素直なマイペースです。食いしん坊で、人に撫でられるのが大好きな甘えん坊でもあります。食べることに関しての貪欲さ、頑固なマイペースさは私に似ているかと…。一瞬でオンとオフが切り替わり、わかりやすいほどはっきりしていて、行きたくない方向へ進もうとするときは全身で踏ん張り抵抗します。すれ違いざまに、他の犬に吠えられることがあっても自分から吠えることのない温厚な子です。5歳くらいから、喧嘩を始めたり吠え合う犬を見かけると、犬の大きさに関わらず仲裁をしに間に突進していく正義漢の一面もあり、よくポリスと言われてます。フレンチブルドッグは、通常泳げないと言われる犬種ですが、陸よりも水の中のほうが自由に見えるほどの泳ぐのが上手です。泳ぎを教えたことは記憶に一度もないのにです…。11歳になった今でも、まだ川で泳ぐことが好きで、森では大きな枝を咥えたまま方向転換も自由自在。海に連れて行った時も、波に向かって沖まで進んでいき、もうすぐライフセーバーの資格がもらえるとまで言われたこともあります(笑)。可愛いと思うところは数え切れません。しいてあげるならば、犬はしっぽを振って感情を表現しますが、しっぽが豆のように短いフレンチブルはその代わりに、嬉しさも甘える時にも主張をする時も、こちらの心の内まで見透かすように訴えてくる表情豊かな眼力がたまりません。ローラは左右眼の色が違うので、特にいろんな顔を見せてくれます。一番楽しかったエピソードは、数年前、泳ぐのが大好きなローラを連れて犬も入れる海岸を探し、ブルターニュの海へ連れて行った時のことです。日暮れ間際まで泳いで砂まみれになって全力で遊び、完全に電池切れで舌を出して私に身をを委ねたローラは、もう歩けないと、自分から鞄に入り込んできました。ただ、その日にとれた宿が、海岸から山道を40分ほど登ったところにあり、タクシーもない田舎で、体重14kgのローラを鞄に入れて担いで山道を登り続けました。その時は何かの苦行かと思いましたが、途中カバンの中から聞こえてくる満足気ないびきと、登りきった先に眼下に見えた茜色の美しい海が、今思えば忘れられない思い出です。――ローラさまは子宮蓄膿症、肥満細胞種、乳癌といろいろな病気と戦うたびに尊いほどの生命力で回復してくれたそうです。これからも治る病気への治療はいくらでも惜まないと飼い主は言います。ただ、無理な延命はさせないと心に決めているそうです。自分以上に大切な存在がこの世に存在する尊さを教えてくれ、その気持ちが日々の活力に繋がることは確かとも。ローラさまと一緒にいると無条件の愛を感じる瞬間が多いと話してくれました。初めはローラさまのために通い出した森散歩ですが、今では息を抜くことの大切さを感じて欠かせない習慣になったそうです。ローラさまが来てからは、飼い主自身もゆっくりとした時間の過ごしかたができるようになったと語ります。今日も寒い中、森に行って全力を出し切るローラさまの姿が想像できますね。飼い主との心を許す相棒関係がこれからもずっと続くことを願います。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月28日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!記念すべき第100回目の登場は、サイベリアンのスカイ-ウィ(Sky-whi)さま。大人に憧れる猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.100猫さまの話をもっと聞かせて!スカイ-ウィさまは1歳の男性猫さまです。僕は、ブルゴーニュのディジョン市のアパートに住んでいます。平日、寝室で目覚まし時計が鳴っているのを聞くと、すぐにベッドで喉を鳴らします。一度起きたら、まずはカリカリ、そして1日おきに『ロイヤルカナン』または『リアルネイチャー』のパテの小袋をいただく権利があります。そろそろ大人用も食べてみたいなぁ!特別な食事も、時にはあります。それは、サーモンの小片か新鮮な鶏の胸肉。お陰で毛並みが良くなりそうです。飼い主達が仕事に行くと、キャットツリーに登って落ち着き、飼い主が戻ってくるまで1日中眠っています。週末や飼い主達が家にいるとき、僕はどこまでも(シャワーを浴びているときは浴槽の中でも)飼い主たちを追いかけたり、隣に座って寝たり、僕と遊ぶように頼んだりします。ほぼ毎日、ヘアブラッシングセッションを受けています(それがあまり好きではない時もありますが)。お気に入りのおもちゃはティッシュ入れについているプラスチックのボタンです!派手なおもちゃは必要ありませんよ。孤独な性格と言われていますが、抱っこを求めるときもあります!とても遊び心があり、なんでも自分でやり遂げることができます。飼い主は医大生なのですが、オンラインでの授業中、パソコンのキーボードのすぐ前に横になり、クラス全体に響き渡りそうな音でお腹と喉を鳴らします。飼い主からみたスカイ-ウィさま私は猫アレルギーなのですが、彼氏と一緒に猫を養子にしたいとずっと思っていました。そこで私たちは徹底的に調べて、低アレルギー性であることが知られているこのサイベリアンの品種にたどり着きました。インターネットとFacebookを検索したら「Ice Flowers」というブリーダーが見つかり、その子猫達に出合いました。ブリーダー(仕事に情熱を注ぐ並外れた人物)との気持ちはとてもよく合い、私たちは子猫を迎え入れることができました。私には、スカイ-ウィは小さなアライグマのように見えます(ネヴァマスカレードの色のため)。彼の虎のようなひげも!スカイ-ウィは本当に私の精神を高揚させてくれます。私の心理的サポーターです。医学の研究は、特に心理的なレベルで、私にとって非常に大変なのですが、スカイ-ウィは私がそれを全て乗り越えるのを手伝ってくれます。スカイ-ウィは私の人生に本当の幸せを与えてくれます。人生は楽しく、生きる価値があり、もっともっと幸せになれることを実感させてくれます。いつかは彼が私のもとを去る日が来るでしょう。私はスカイ-ウィのために、できるだけ苦しみが少ない良い状態で、できる限りそれがうまくいくことを望んでいます。とにかく、今はスカイ-ウィを愛し続けます。それは永遠に私の心に刻まれる事でしょう。ーーこの取材を続けていると、たくさんの猫アレルギーの方々から話を聞くことができます。アレルギーの心配が少ないと言われている猫が数種類いるそうですが、サイベリアンは皆さん安心して一緒に生活ができると言います。勉強に励む飼い主のパートナーとしてスカイ-ウィは重要な役目を果たしていますね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月22日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第99回目はバーマンのオボ(Hobo)さま。口元の斑点がチャームポイントの猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.99猫さまの話をもっと聞かせて!オボさまは3歳の男性猫さまです。僕は60m²のアパートに住んでいます。朝早く、飼い主のベッドに横になります。飼い主たちが起きてリビングルームに向かうと、一緒にテーブルに行き、朝食を待ちます。毎朝のトイレも、飼い主と同時にすませます。シャワータイムは浴槽の端に飛び乗り、飼い主が出るまでそこにいます。蛇口から水を飲みますが、脚が濡れることが大っ嫌いなので水がかかった途端、水飲みは終了です。気分が良ければ、アヒルと遊ぶこともあります。そうでなければ、次はシエスタです。冷蔵庫についているマグネットで遊ぶこともあります。食いしん坊ボウルからご飯を取り出す時や、小さなものを捕まえる時など、手脚を巧みに使います。猫にしては、非常に器用なほうだと思います。じゅうたんが大好きで、アパートのじゅうたんの上や下で、一人で遊んでいます。昼寝、食事、ゲームを一日中で繰り返します。飼い主たちがどこにいるかに応じて、リビングルームからオフィス、ベッドルームなど、彼らを追跡します。誰かが机にいれば、僕は丸々机の上で過ごすでしょう。夕方は冷蔵庫の上に座ります。そこが飼い主に最も近い観察ポストだからです。遊びタイムは夕方から始まります!日光浴をした後は、おもちゃ、ネズミ、お気に入りのハンモックで、全速力で走り回る時間です。大好物はハム!ハムがあればどんな棚にも登ることができます。お気に入りの場所は、ハンモック。釣り竿の紐でつながれたアヒルが友達です。1メートルの高さでも、飛び越えて捕まえることができます。性格は根気強いのですが、ちょっと頑固なところがあります。飼い主から見たオボさまとはオボについての話をすることが嬉しいです。オボは、以前飼っていたビアンカを亡くしてから1年も経たないうちに私の人生に加わりました。大学時代から一緒にいた美しく優しいラグドールのビアンカは、6歳のとき腎臓に問題を抱えていることがわかりました。何度か大きな手術をして、獣医師と、毎日のケアをサポートしてくれる両親によって、彼はさらに1年、私たちと一緒にいることができました。残念ながら彼の状態は悪化し、2021年の夏に彼の苦しみを止めるために、彼を安楽死させる決断をしなければなりませんでした。私が初めてオボに出会ったのは、北ジロンドの田園地帯にある実家でした。実家のガレージの後ろでオボを初めて見ました。私たちは彼に近づくことができず、彼は家の周りを3か月以上さまよっていました。彼はとても怖がりでいつもお腹を空かせていました。当時、彼の体の色は真っ白で、4か月を過ぎた頃から、主に夜、どろぼうのように家に忍び込むようになりました。ある朝、無意識のうちに彼をキッチンに閉じ込めてしまいました。彼はフードプロセッサーの後ろのボウルに隠れ、脚が泡だて器に引っかかっていました。脚のロックを解除するために、そっと近づき、触れることができました。触るとカラダの大きさに対して、甲高い、予想外の声を出しました。彼の毛はもつれ、結び目でいっぱいで、汚れていました。しかし、彼は気まずくなりつつゴロゴロと愛撫に反応しました。この正体不明の猫は不妊手術を受けていたので、誰かの家猫だったようです。しかし、彼の行動から判断すると、彼は家出を決意したか、捨てられたかのどちらかです。数週間飼いならしをした後、野良猫を発見したということを公表し、獣医との約束の後、私はオボを迎え入れることにしました。彼はこのとき2歳半でした。彼は優れたクライマーであり、ジャンパーでもあります。また、ミーアキャットのように2本の後ろ脚で長時間動かずにいることができます。これは非常に印象的です。彼は褒められることとおやつがあれば訓練することができます!オボを飼うことは危険な賭けでした。この猫がアパートの生活に適応するかどうかはわかりませんでした。私たちは彼の性格や反応を知りませんでしたが、一緒に過ごした最初の週から、オボは愛らしく、抱きしめたくなる遊び心を全て持っていました。朝と夕方の抱擁、昼食後の遊びの時間、シャワーを浴びてすぐ、オボは私たちが移動する全ての部屋についてきます。チャームポイントは、もちろん彼の口の小さな黒い斑点です!私たちが似ている点は、両方とも頑固なところです。オボといると、のどかで平和な雪山の風景を思い出します。毎朝、オボがベッドに来るとき、必ずしも長く続くとは限りませんが、お互いにこの幸せな瞬間を共有します。オボは私の毎日に区切りをつけてくれます。私はいつも彼と一緒にいます。彼が望むときに私の時間を与えます。彼は自分のペースで動きますが、私は彼を尊重しています。猫を観察し、分析し、尊重する方法を知ることは不可欠です。それは人間と同じです。動物を尊重すればするほど、よりよい生活になると思います。オボはアクセサリーではありません。欲しいときにそこにいるわけでも、自由に使えるわけでもありません。私たちは彼と調和して生き、彼の言うことに耳を傾けます。私たちが落ち込んでいるときや慰めが必要なとき、彼は私たちに近づいてきます。最近、ブリオッシュと名付けた小さなシャム猫を迎えました。生後わずか8週間の彼女は、新しい生活の場にゆっくりと溶け込み、オボとの生活を好奇心で満たしています。――オボはどこからやってきたのかは今でもわからないそうですが、オボが選んだ新居は間違いのない所でした。飼い主は忍耐と愛情をもってオボを受け入れ、毎日の生活を共にできる関係を築き上げました。甘えん坊なオボは今日も飼い主にべったり甘えていることでしょう。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月21日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第98回目は白黒猫のタオ(Tao)さま。とにかく食いしん坊な猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.98猫さまの話をもっと聞かせて!タオは7歳の男性猫さまです。僕はパリ市内の狭いアパートに住んでいます。飼い主の趣味でレコード、本、DVDやBlu-rayで埋め尽くされています。僕の1日の生活を紹介します。朝、6時半頃ニャアニャア鳴いて家族を起こします(朝ごはんの催促)。その後、お腹が満たされたら二度寝。昼前11時頃にまたご飯の催促をし、昼~夕方まではノンストップでお昼寝。飼い主が家で仕事をしている場合は、パソコンの前に陣取ります。夕飯後は飼い主と一緒にソファーでくつろぎタイムです。もともと骨格の大きく、しっかりとした体型なのですが、食べる事が大好きで少々太り気味でした。数年前にアパート6階の窓から落ちて、腰を骨折し、お腹の皮膚が裂けるという重症を負いました。3度の手術を経て、現在は事故前よりも元気なくらいに回復しました。獣医さんから「歳をとった時に、この腰の傷がまた問題となるかもしれない。そのためにも体重を減らしたほうが良い」と言われ、食生活を変えました。以前はカリカリオンリーだったのを、魚もしくは鶏肉+野菜(キャベツ、ズッキーニ、ブロッコリーなどを細かく刻んで茹でたもの)をいただきます。獣医さんによると市販のカリカリやウェットは太るし添加物も入っているとのことなので最小限にとどめています。基本的にものすごく食いしん坊で好き嫌いもないので、野菜だけでも喜んでいただきますよ。ご飯の用意をしている飼い主がキッチンにいるときは、足もとにまとわりついておねだりをします。冷蔵庫を開けると、必ず頭を突っ込んで中を覗くので、いつか首を挟むのではと飼い主はヒヤヒヤしているようですが…。食事する際は、飼い主と同じテーブル上に座って、何かくれないかとじっと待ちます。朝ごはんに出るプレーンヨーグルトを少しもらいます。とにかく頭の中が食べる事でいっぱいの食いしん坊です。配達の人が来たりするとすぐに隠れる臆病者ですが、慣れると甘えるために出ていきます。お腹から下を触ると噛みつく凶暴さも持ち合わせていますが…。キャットタワーの最上階から外を眺めるのが好きです。冬になると飼い主の膝の上でずっと寝ています。ブランケットの中に入っている姿は、この家では冬の風物詩となりました。ファラフェルのもじりで「シャラフェル」と呼ばれています。飼い主から見たタオさまとは?父が大の動物好きで、実家で初めて猫を飼いました(父の愛猫)。今は東京に住んでいる姉も大の猫好きで、多い時には3、4匹飼っていたので、私が姉の家に滞在する時は猫天国でした。パリに来て、初めて自分の猫を飼いましたが、病気で1歳半の若さで旅立ってしまい、何年も新しい子を迎えることを躊躇していました。それでもやはり猫と暮らしたいと思い、パリ在住日本人コミュニティのアノンス(掲示板)で「子猫さし上げます」の書き込みを見て連絡しました。たくさんの白黒子猫の中から、夫がタオを見てピン!ときたらしく、すぐに決めました。なので、今のタオが自分の猫の二代目です。アノンスを出した日本人のかたは、日本に帰国されましたが、今でも連絡を取り合っています。エピソードというか毎日笑わせてくれるのが、夕食時に我々のテーブルに居座って何ももらえないと諦めてキッチンから出て行き、デザート時になると必ずまた戻って来ることです。キッチンのドアが軋んでキーキーと音がするのですが、タオが入って来る時に「キィ~」っと鳴るのが面白くてそのままにしてあります。ドリフのコント並みに毎回同じで笑えます。食事を終えてデザートに移行するタイミンをどうやってわかるのかが本当に謎です。日本語で「ごはん」という単語を完全に理解しています!聞こえるか聞こえないかぐらいのささやきでも、聞きつけて走って来るので、我が家では使用注意単語になってしまいました。夫(日本語を少しだけ話す仏人)とは、「GOHAN(ジェーオーアッシュアエヌ)」と発音してタオに悟られないようにしています。私たちのことを美味しいご飯を用意してくれる仲間と思っているに違いありません。あと、掃除機をかける時は家中の窓を開けるので、また転落事故が起こらないように部屋の中にいつも置いているケージに入れていたのですが、いつからか掃除機を出しただけで自ら入るようになりました。まぁ、どちらも特技と言えるほどでもありませんが…。疲れた時、落ち込んでいる時、タオの事を考えたり、帰ってふわふわの毛を撫でていると本当に癒されます。常に面白い行動を取るので(99%食べ物がらみですが)、いつも笑わせてくれる可愛い存在です。ーー瀕死の重症の後3回の手術をして、事故前よりも元気になったと飼い主は言います。食いしん坊のタオさまなので栄養のバランスも良く回復も早かったのでしょうね。今日もタオさまにはどんなご馳走が出てくるのでしょうか?取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月15日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第97回目はラグドールのリシル(Ricile)さまとバーマンのスルタン(Sultan)さま。お昼寝が大好きな猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.97猫さまの話をもっと聞かせて!リシルさまは2歳の女性猫さま、スルタンさまは1歳の男性さまです。リシルさまが語ります私たちは、パリの典型的なオスマン様式のアパートに住んでいます。朝は6時半に飼い主を起こすことから始まります。飼い主をなでたり、鼻に口ひげをこすったり、スルタンと代わる代わる目覚ましの担当を振りわけています。そして、ついに待っていた瞬間がきます。獣医は、私が少し大きすぎると思っているので、ダイエットカリカリがいつもの朝食です。先日のクリスマスには、大好物のおやつも買ってもらいました。私は乳製品、特にバターには目がないのです。でも、スルタンの健康には良くないとのことでほんの少ししか貰えません。午後はたっぷり昼寝をします。私は飼い主の息子のクローゼットの中で眠り、スルタンは同じ部屋のベッド、もしくは居間の椅子で眠ります。夕食にはズッキーニをマッシュしてパテを混ぜたものを食べています。健康にも良く、美味しいので満足しています。それが終わると遊び時間です。スルタンと一緒に遊び、アパート中を走り回り鬼ごっこをします。オレンジ色のネズミはすべて傷ついてボロボロになっていますが、大のお気に入りのおもちゃです。スルタンには、愛する釣り竿とトンネルがあります。私の性格は、とても親切で少し恥ずかしがり屋の面があります。スルタンは勇敢で、魅力的で、遊び心があり、とてもかわいい弟猫です。私はお姫さまとも呼ばれます。ぬいぐるみのようで、愛らしい毛皮のボールのようだとも。スルタンは高慢で小さな白いライオンのようと言われています。飼い主から見たリシルさまとスルタンさまは?私はいつも猫に囲まれて暮らしてきました。猫なしでは生きられません。私が子どもの頃、農場をもっていた祖母のところにはたくさんの猫がいました。彼女の膝の上には、いつも猫が乗っていました。私も何匹かの猫を飼いました。猫が死んだときはいつも苦しみましたが、猫なしでは生きていけないので、また猫を迎え入れます。以前飼っていた猫のインピが失踪した後、リシルを迎えました。その後、スルタンを飼いました。2人が来てから毎日が幸せの連続です!私が目を覚まして彼らの美しさに驚嘆する時、そして抱きしめられるために寄り添ってくる時、私が彼らを見る毎日…。とても特別な存在です。私たちに責任を負わせ、この地球上にいるのは人間だけではないことを毎日思い出させてくれます。彼らは感情をもっており、非常に知的です。私は本当に猫が好きです。なぜなら、猫は私たちが訓練すべき動物ではなく、私たちと一緒に暮らす動物だからです。彼らは私たちの側にいて、上でも下ではありません。私は数匹の猫を失いました、そして、それによって毎回同じ苦悩を体験しました。私は猫には9つの命があり、私たちを離れることは決してないと信じています。もういなくなった猫達のことをいつも考えています。でも、私が生きている限り、私の猫たちは生き続けます。ーー小さい頃からいつも猫と共に生活をしていた飼い主は、猫がいない日常は考えられないようです。リシルさまとスルタンさまが来てからは毎日がとても楽しそうです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月14日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第96回目は黒猫のブレイズ・エベーヌ(Breiz-Ebène)さまとぶち猫ミックスのトーキョー(Tokyo)さま。ヒトと幸せに生活する猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.96猫さまの話をもっと聞かせて!ブレイズ・エベーヌさまは13歳、トーキョーさまは2歳。共に女性猫さまです。ブレイズ・エベーヌさまインタビューブルターニュで生まれ、いつも住んでいるパリと定期的に行くブルターニュで飼い主と一緒に暮らしています。私は、一緒に育ってきたこの家の3人の子どもたちに囲まれ、子猫のころから美しい人生を歩んできました。今までいろんなことを経験してきました。生後6か月のときに3週間迷子になりました。飼い主は家の周りの通りに広告を出し、悲みにあけ暮れた毎日だったようです。ある日、私を見つけた人が小さな黒猫ではないかと飼い主に尋ねてきました。はい、私も飼い主もこの瞬間は最高の幸せでした。今は家族に囲まれて、シンプルで落ち着いた生活を過ごせています。可能な限り庭で日光浴をするのが好きで、季節によっては飼い主が植物に水をやるときホースの水が噴き出したところで涼むのが好きです。水が流れている音を聞くと、すぐに現場に向かって走っていきます。飲むか、水の流れの下に立つ。水がかかってもへっちゃらなんです。トーキョーさま私は、ブレイズ・エベーヌとは違ってここの家に仮住まい中です。路上で4名の赤ちゃんを産んで弱っていたところを今の家の人に保護されました。子ども達はすでに里子に出てしまいましたが、私も恋をした誰かに養子縁組されるのです。元々、人間から離れて生まれ育ったので、人と接する方法がいまひとつわかっていませんでした。いつも自分自身を隠したいと思っていたのです。しかし、日が経つにつれ、自分の幸福のためにこそここにいることを理解でき始めました。最近はここの家の人にも少し慣れてきて温かい生活を発見しました。飼い主から見たブレイズ・エベーヌさまとトーキョーさまは?私たちは、すでに彼女らの前に生姜猫(茶トラ)2匹を飼っていました。私の両親の家で生まれたきょうだい猫です。この2匹の猫は私の最初の「赤ちゃん」で、たくさん抱きしめました。その後、私の夫との間に子どもが3人生まれました。私たちの2匹の生姜猫は、私たちの家族の真のメンバーでした。私たちには3人の子どもと2匹の猫がいて、すべてが私たちにとって完璧でした。時を経て2匹の猫は1年おきに老衰で亡くなり、とても悲しかったです。私の悲しみが大きすぎて猫を「置き換える」ことができなかったので、猫がいない生活が始まりました。再び猫を愛することができると自分に言い聞かせるのに4年間かかりました。それからブレイズ・エベーヌがやってきました。成長期に重度の喘息発作を起こした彼女は、小柄で軽いままでした。彼女がぜんそくの発作を起こさないように、優しくしなければならないし、彼女が眠っているとき、呼吸が良いかどうかも聞く必要があります。彼女は私たち全員に、優しさをもって人生に取り組むことを教えてくれました。トーキョーは、野良猫として生活していたので、非常に警戒心が強い猫です。外で生き残ることを可能にしたのは、確かにこの警戒心です。彼女は今、家族として私たちと一緒に暮らし、私たちを信頼しています。外の様子のすべてが順調であることを理解すると、すぐに彼女は戻ってきます。それ以外は、家で一日中遊びたがる幸せな猫です。彼女はよく私たちの足元に来て、遊ぶことができるようになるまで私たちを見守っています。彼女の視線は私たちを愛で溶かします。最初、彼女は私たちをとても怖がっていました。彼女は子どもたちの世話をしなければなりませんでした。子どもたちはとても遊び好きで、臆することなく私たちのところに来ましたが、反対にトーキョーは、私たちの目や手から遠く離れて自分自身を隠したいと思っていたようでした。冬の真っただなかに屋根を与え、豊かな食事を与えて安心させ、彼女が疲れることなく4名の小さな子どもたちを育てることができるようにしました。それがあって彼女は私たちを信頼してくれました。今彼女は確かに、私たちが信頼できる家族であり、ここがリラックスできる場所だと考え始めているようです。いつの日か養子縁組に選んでくれる人たちと一緒に幸せになることを願っています。――飼い主はパリ北部と郊外で苦しんでいる動物の世話をしているアニメゴー協会の里親ボランティアをしています。猫、犬、うさぎ、鳥…すべての動物は平等だと言います。絶えず里親を見つけるまでいろいろな動物に愛情を込めて接する素敵な女性でした。ここから旅立っていく猫さま達はきっと幸せが待っていることでしょう。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月09日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第95回目は長毛赤茶のトラ(tola)さま。グルメなおじいちゃん猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.95猫さまの話をもっと聞かせて!トラさまは14歳の男性猫さまです。パリ郊外の小さな庭付き一軒家で、日本語の国語教師をしている飼い主とその家族と一緒に生活をしています。僕は今年15歳になります。巷ではもうおじいちゃん世代と言われています。ほぼほぼ一日中いびきをかいて寝ていると飼い主は言っていますが、それも健康の秘訣かもしれません。老体のうえ肥満気味なのでRoyal Canin Veterinaryの「Satiety Weight Management」と「Urinary S/O Moderate Calorie」をミックスしたものを食べています。お留守番のお礼には美味しい「almo nature」のチキンやツナ缶をもらうことがあるのですがこれはまた食欲をそそります。飼い主家族は長期間留守にする際、猫シッターさんに「ちゅーる」を預けます。それを知っている僕は、シッターさんにとことん甘えて隙を狙っています。おもちゃにはもう興味を示さなくなってしまいました。飼い主が心配して運動不足を解消するため、Amazonで高評価の猫じゃらしを買いましたが、「疲れるのでもう止めてくれ!」と言っています。人懐っこくて犬っぽいところもあります。何かお願いするときは「ウゥ~ワフッ!」と吠えて主張します。意外に臆病なところや、自立しているけど甘えん坊なところが、飼い主の息子と似ていると言われます。また、名前を呼ばれると飼い主のところまで行きます。まだ耳は遠くないですよ。そして、体を撫でられると喜んでお腹を出して「もっと撫でろ!」とねだります。昔から自分のことを猫ではなく人間だと思っていて、毎晩飼い主の隣で寝るときは、人間のように真っ直ぐに身体を伸ばして寝転がります。飼い主から見たトラさまとは?日本で子どもの頃飼っていたのは、ミミーとその子どものミーコ。その後が今我が家にいるトラです。フランスに来て間もなく、友達もいなくて仕事も始めていなかった頃、ご近所さんの知人宅に猫ちゃんがたくさん生まれて引き取り手を探していると聞き、ぜひに!と立候補しました。その後、生後1か月を待って我が家にやってきてくれました!2年前の夏に日本に帰省した時には、実家付近でまだ目も開いていない生まれたての子猫を保護して夏の間育てました。今はその子は実家の両親宅にいます。トラとのいちばん楽しかったエピソードを選ぶのは難しいですが…。たまに外でどうしようもなく汚くなって帰ってきたとき、お風呂に入れてあげるのは、疲れるけど楽しいイベントでもあります。すごく彼は嫌がりますけど。また、これは我が家のよくある光景ですが、猫が「トラ」で息子が「ソラ」なので、私がよく名前を呼び間違えます。または、トラを呼んでいるのに息子が「何ー?」と言ってやってきたりします。トラと一緒にいると生きる活力が湧いてきます。「この子がいる間は、私もここで頑張ろう」という気持ちにさせてくれるのです。私がフランスに来たばかりの頃は、何のために自分がこの国のこの街にいるのか、それは自分にとって意味のあることなのかよくわかりませんでした。でもこの子が我が家に来てくれたお陰で「ああ、そうだ、私はトラのためにここにいるのだ!」と彼の存在に心が救われました。この子は私にとって「フランス生活」そのものなのです。なので、この子との別れが来るときは私のフランス生活の終わりなのかな…と漠然と考えたりもしています。私がフランスで生きた証として、彼と共に過ごした時間をしっかりと心に刻みたいと思っています。小学一年生の国語の教科書に『ずーっとずっとだいすきだよ』という、男の子と飼い犬の友情と別れの物語があり、言葉にして「好きだ」という気持ちを伝えることの大切さが描かれています。私も、この物語の主人公の少年にならって、できる限り悔いのない別れが迎えられるよう、必ず毎日トラに「大好きだよ」「いつもありがとう」と愛情と感謝の気持ちを伝えています。――お話を聞いていると飼い主が大の猫好きなのが滲み出てきますね。トラさまはお年でも、食欲はあるしまだまだ元気な毎日を送って欲しいです。そして飼い主を勇気づける存在としてこれからも家族を見守っていてください。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月08日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第94回目はシャルトリュー種のナムール(Namour)さま。夏が楽しみな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.94猫さまの話をもっと聞かせて!ナムールさまは5歳の男性猫さまです。僕は40㎡のアパートに飼い主と一緒に住んでいます。すべての部屋に自由に出入りすることができます。天井までの高さがあるキャットタワーがあり、そこはお気に入りの場所で爪研ぎもできます。窓の隣に設置されているので、リビングルームと外の両方を見ることができます。目覚まし時計が午前5時に鳴ったら、朝の抱擁のために飼い主に飛びつきます (飼い主の首に銃口を置くように、トップタイムで5分間喉を鳴らし続けます!)。ベッドでさらに5分間、叱りながらニャーと鳴き、起きない飼い主を刺激します。忍耐力がないので、朝食をもらうまでしつこいんです。穀物を含まないカリカリを毎日食べています。その後、飼い主からたくさんのキスをしてもらい、キャットツリーに落ち着きます。窓からは駐車場と隣人の庭を見守ります。屋根の上に巣を作るのが好きな鳥の訪問を楽しみにしています。夏はハエハンターになるのですが、残念ながら冬はハエがいません。飼い主が仕事から戻るときは、すでにドアの後ろで待っていることも多いのですが、時には素晴らしい形状で眠ってしまって帰宅に気づかない時もあります。飼い主が帰ってくると、まずは抱きしめてもらい、数日会わなかったかのような濃厚なキスが降り注ぎます。飼い主がソファに腰を下ろすまでそれが続くのです。それからは釣り竿とボールで飼い主と遊びます。その後、疲れ果ててハンモックで少し眠りにつきます。飼い主がシャワーを浴びた後、カーテンの後ろで出てくるのを待ちます。それからは僕の仕事、髪の毛のブラッシングをします!それは僕の役目です。夕食は飼い主と一緒に準備をします。夜は食べて遊んで、真夜中には飼い主をめがけてジャンプするのが大好きです。寝る時間になると、飼い主の足元に座って、ライトが消えるのを待ちます。朝と同じように飼い主の首元で喉を鳴らして、お互い安心して眠りにつくのです。飼い主から見たナムールさまとは?私はブリーダー経由でナムールに出会いました。彼が生後1か月のときに初めて会いましたが、その日のうちに契約をしました。そして、離乳した2か月後に迎えに行きました。最も楽しい思い出は最初の抱擁。彼の到着の翌日、私はソファに座っていたのですが、彼は私の首に落ち着き、眠りに落ちてしまいました。今まで、私は数匹の猫を飼ったことがありました。最初の猫は父から譲り受けた白色の小さなボール…私は彼をChatdouxと呼びました。私が5歳の時です。その後、5匹の猫を飼いました。Mémère、Prinsous、Ninie、Félix、Caffee。私たちが大切に世話をして、愛してきた路地猫たちです。私はいつも犬と猫のいる家に住んでいました。親と離れてアパートに引っ越すとき、アパートで飼える猫の情報をネットで探しました。アパートで暮らすには適さない猫を連れて、不幸にするなんて考えられなかったから。私はすぐにシャルトリュー種に魅了されました。 1年間ずっと検索をして、ある日、生まれたばかりのシャルトリュー種専用のブリーダーの広告をみつけました。すぐにメッセージを送信して所有者に連絡し、1か月以内に訪問する約束をしました。まず、ブリーダーは私に女性の子猫を抱かせてくれましたが、震えて動揺していました。次に小さな男性の子猫を抱かせてくれて、それがナムールでした!彼と愛情を育むのがふさわしいと感じました、彼はとても甘くてかわいく、私の手の平で眠りに落ちました。彼も私を選んだのだと思います。他にも6匹いたのですが、ナムール以外考えられなくなりました。そう!私たちはお互いを選んだのです!すぐに手続きをし、契約を締結しました。それから彼の母猫が教育し離乳させたのち、生後3か月のときに彼を迎えに行きました。私が初めて彼に会ったとき、私の髪に触れた印象があったのかもしれません。家での最初の夜から私の髪の毛のそばで寝たり、私の髪の毛のブラッシングが好きなのは、第一印象を今でも覚えているからではないかと思っています。ナムールは私の人生最高の愛です。そして彼もそれを知っています。彼が水を飲んだ後、あごに小さな水滴がついているのを見るだけで私は幸せになります。私の人生の最適なときに、彼がここにいてくれるのは、大きな意味があります。両親の死後、私は大きな空白を抱えていました。私には私の愛を与えられる小さな存在が必要でした。そんな時にナムールに出会ったのです。それまでの不安はこの小さな幸せで消え、人生が新たなものになったのです。――お互いを選んだ愛の物語を飼い主はたくさん語ってくれました。この飼い主とナムールさまの関係は美しすぎます。猫さまとの生活は、人間にとってかけがえのないものと納得しました。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月07日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第93回目は黒白ぶちのオリンぺ(Olympe)さまとキジトラのラクレット(Raclette )さま。旅好きな猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.93猫さまの話をもっと聞かせて!オリンペさまは5歳、ラクレットさまは1歳半、共に女性猫さまです。黒白ぶちのオリンペ姉さんが語ります私たちはバルコニーのないアパートに住んでいますが、リードをつけて共有の庭に散歩に出かけることができます。動物保護協会からの養子縁組でここにきた時は、まだほんの子どもでした。私は生後6か月、ラクレットは生後2か月半だった記憶があります。私たちが旅行に行くときは、一日中ずっと一緒に過ごします。一緒に歩き、旅行にピッタリなバックパックで休憩します。旅行中は周りで起こっていることすべてを見て、風景を楽しむことができます。家にいるときはラクレットと一緒に遊んだり、寝たり、食べたり、時には庭でリードをつけて歩けるように飼い主に頼んだりします。その役目は、姉である私の担当です。私の好物は粉チーズ、ラクレットはハムの脂肪と好みは違います。二人が好きなおやつはチーズや肉を詰めた肉ベースの無糖のスナック、これはとてもおいしいのです。家にいる時は、私たち専用の柔らかいバスケットにいることが多いです。小さな青いゴム製のおもちゃが私専用で、ラクレットは先端に羽が付いたスティックでよく遊びます。季節を通して飼い主達と一緒に旅をするのが楽しみで、冬は防寒しながら雪の日の旅行も楽しんでいます。飼い主から見たオリンペさまとラクレットさまとは?わたしたちの最初の猫がオリンペです。オリンペとの印象深い思い出は、彼女との最初の旅行です。バックパックでアルプスに行き、オリンペと会えて幸せだと感じました。ラクレットとの思い出に残る瞬間は、初めての長い旅行で、1時間半の車での移動でした。素晴らしい冒険の旅でした。アヌシー湖の近くで雪の中をハイキングしたのはいい思い出となりました。二人の性格は?オリンペは冒険好きな猫で、かなり静かですが、狩猟本能を維持しています。物事がうまくいかないとき、そばに来て寄り添い抱きしめてくれる彼女の能力は素晴らしいです。ラクレットはとても活気があり、遊び心のある探検家の猫です。私たちがそばにいるだけで安堵の表情をします。甘えっ子です。二人の特徴は?オリンペは黒白で、顎の下に白い斑点があります。靴下のような白い1本の足、マニキュアのように白い斑点がある1本の足をもっています。ラクレットはキジトラです。二人は私たちの子どもたちのようでもあり、完全に私たちの家族の一員です。子どものように接して私たちは楽しい時間を過ごしますが、二人の気まぐれも管理しなくてはなりません。複数の猫と一緒に暮らすということは、猫のニーズや欲求に応じてこちらも日々進化するので、私たちに新たな幸せ、愛、発見を次々と与えてくれるのです。――オリンペさまとラクレットさまはこの冬休みはどこで過ごすのでしょうか?二人とも小さい頃から旅好きなのは飼い主を信頼して築いた関係があるからなのでしょうね。また旅の報告を教えてほしいです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月01日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第92回目はブルーポイントバーマン種のパタプウフ(Patapouf)さま。写真を撮られるのが好きな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.92猫さまの話をもっと聞かせて!パタプウフさまは5歳の男性猫さまです。僕は、庭とテラスがある家に住んでいます。飼い主が目を覚ますと、どこまででも追いかけていきます。飼い主が仕事に出掛ける前、僕は一日中元気でいられるように、朝のごちそうをたくさん食べます。食事の後は昼寝をするために2階に行きます。寝るときはベッドか部屋のキャットツリーにいます。朝食が豪華なので、その後、1日のかなりの時間を眠っています。そのため、飼い主達が仕事から帰ってくると、絶好調の素晴らしい状態にあります。おやつを食べてから、大好きな羽のステッキで少し遊んでもらって、蝶のおもちゃをスイッチオンにしてもらいます。そして鬼ごっこ開始!各部屋で飼い主たちを追いかけます。それから夕食を食べて、満腹になったらバスケットかベッドのどちらかで横になります。そして、食べ残したものをきれいに平らげて、就寝時間です。夜中もお腹が空くので、カリカリを常備してもらっています。私の食事の詳細をお伝えします。1日に猫用のチキン缶と75gのカリカリ(朝、軽食、夕食、夜の軽食に分けられます)を食べます。朝は決まってウエットフードなのですが、毎回喉が鳴ります。この瞬間が1日のうちで極上の時間です。マッシュ、大西洋マグロ、小さなチーズ、チキンフィレが大好きです。家で一番好きな場所は、天窓近くのキャットツリー。天窓があるおかげで外の鳥を見ることができます。もしくはリビングルームの壁に設置してあるキャットツリーの一番上に身を置くのが至高の時です。飼い主から見たパタプウフさまとは?私たちはインターネット上の広告を介してパタプウフを見つけました。すぐに彼の大きな毛むくじゃらの顔に恋をしました。既にその時点で彼は写真を撮ってもらうのが好きでした。パタプウフは貪欲で、時には落ち着いていて、社交的で、おしゃべりです。彼は庭師のようです。いつも植物を食べたがりますが、これは非常に迷惑です。私は彼が入れない部屋に、猫にとって有毒な植物を隠しています。夏にはテラスから近所をスパイするのが好きで、家の柵の前を他の猫が通り過ぎることをとても嫌がります。私たちが仕事から家に帰るとき、彼はいつもドアの後ろで待っていて、私たちが戻ってきたことを喜びます。彼は一人でいるのが好きではないようです。彼は私たちが出かけると怒鳴ります。私たちが戻ってきくると幸せそうにニャーと鳴きますが、私は彼が私たちに怒鳴ることに心を奪われがちです。彼は私たちの子どものように家族の一員として扱われています。面白いことに、彼は私の夫と同じくらい貪欲ですが、私と同じくらい穏やかです。パタプウフは私たちを人間の両親と見なしているようです。また非常に要求が厳しく、私たちが奴隷のように従わなくてはなりません。彼はいつも私の夫の膝に乗りたがります。私たちが冴えない日でも、パタプウフのすばらしく魅力的な表情で、すぐに笑顔にしてくれるのです。愛と喜びを与える大きいボールのような毛皮ときれいな目の色で。――とことん食いしん坊なパタプウフさまは愛情たっぷり、家族が毎日を幸せになる方法を知っているのでしょうね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月31日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第91回目はサイベリアン種のブリオッシュ(Brioche)さま。カンガルーと呼ばれる猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.91猫さまの話をもっと聞かせて!ブリオッシュさまは11月1日で生後6か月になった女性猫さまです。毎朝、私は飼い主を起こしにいきます。朝に何度かベッドの毛布の上でゴロゴロ喉を鳴らし、お腹が空いたとアピールします。午後は光に悩まされたくないので、ベッドの下に隠れて昼寝をします。何かを要求するときはニャーと鳴いて、遊びたいときにおもちゃを持って飼い主のところに行きます。1日に10回ほどでしょうか!きれい好きなので、掃除をしたばかりのトイレにすかさず直行します。そして、寝る時間になると、遊びのセッションの後は家の中をうろつき、抱きしめてほしい夜には1~2回飼い主を起こします。食事はカリカリが大好きで、ロイヤルカナン社のブリティッシュショートヘア(子猫用)を食べます。他は鶏肉が好きで、飼い主の食事の時間になると盗みに行きます。得意は高跳びで、どこでもジャンプし、そしてよく転がります。飼い主と似ているところも多いです。本物のプリンセスのように… 食べ物にうるさく、世話をするのが好きで、怠け者で、貪欲だけど過剰すぎなくて、好奇心旺盛で、とてもリラックスしていると同時に、大らかな性格です。結構似たもの同士なんです。飼い主から見たブリオッシュさまとは?私は小さい猫を飼っていました。彼女の名前はアリアでした。彼女は非常に小さく白い猫で、水が大好きでした!彼女は私のお風呂で飛び跳ねていて、一度浴槽に落ちたことさえありました。残念ながら、私は非常に強い猫アレルギーであることがわかったため、里親を見つける必要がありました。それ以来、世界で一番好きな動物なのに飼うことができず、とても悲しかったのです。それから私は「低刺激性」であるサイベリアン種を発見し、希望を取り戻し始めました。アレルギーテストを行ったところ、ほとんど反応がないことがわかりました(私に!)。それ以来、ブリオッシュとは休暇も一緒にポルトガルとスペインを訪れましたし、毎週末、家族に会うためノルマンディーに連れていきます。こんなに若いのに彼女はよく旅をしています!ブリオッシュはパリ郊外のサイベリアンのブリーダーからやってきました。本当はシェルターから引き取りたいと思っていましたが、猫アレルギーのためのサイベリアンを見つけることが難しかったのです。とにかく私の夢を叶えることができました。ブリオッシュのお気に入りの場所はおそらくベッドです。ブリオッシュはとても遊び心があり、羽根のついたおもちゃを一日中追いかけています。でも頑固で、押し付けがましい!彼女はとても面白くて、どこにでもジャンプします。私たちはよく彼女をカンガルーと呼んでいます。彼女はみんなを虜にする魔法をかけることができます。彼女は、私にたくさんの良いものをもたらしてくれます。私は精神的にとても不安定でしたが、ブリオッシュが来てからすごく良くなりました。猫の存在がいるのはとても素敵で、彼女が私とハグすることを選んだときはとろけてしまいます!――大の猫さま好きな飼い主はブリオッシュさまがやってきてからは人生が変わったと言います。ブリオッシュさまも飼い主が大好きでたまらないようで、いい関係を築いている様子でした。寒くなる冬はますますベッドで甘える時間が多くなりそうですね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月25日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第90回目はサイベリアンのフィリベール(Philibert)さま。名前の由来に誇りをもつ猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.90猫さまの話をもっと聞かせて!フィリベールさまは4歳になる男性猫さまです。私の名前はフィリベールです。飼い主は私の名前にこだわりました。飼い主がとても好きな、サン・フィリベールという壮大で千年の歴史がある修道院にちなんでいます。幼い頃から何度もこの修道院を訪れましたが、新しい場所を発見したり、人里離れた道を歩いたり、丘を上ったり、ブドウ園の真ん中に行ったりするなど、冒険を味わうことができました。これこそ私の好きな日曜日の散歩です。リードをつけて冒険者として歩く方法もあるのです。このようにして、冒険の範囲を広げることができました。自然の中を散歩するのが大好きで、リードをつけていろいろなところを歩きます。もちろん飼い主との旅行も大好きです。森に行ったり、川や海はもちろん、農家に牛を見にいったり。雪の日の散歩も悪くありません。もちろん、家の中も大好きです。ソファでくつろいだり、窓越しに鳥を眺めたり…。人からは親切でハンサムと言われます。私は幸せな猫で、飼い主に甘やかされていて幸運です。4本足の同胞全員に、私と同じ幸運を祈っています。だから、私にとって、動物保護について発言し、支援することは重要なことなのです。私のコートがシルクのように美しいのは、バランスの取れた食事のおかげです。私は自分のニーズに合った高品質の製品を食べています。飼い主は私のお皿の中身にとても気を配ってくれています。私は、新しいテクノロジーを高く評価する現代の猫ですが、まだスマートフォンを持っていません。でも、道に迷ったときに見つけてもらったり、飼い主が仕事で遅く帰宅するときに何か食べものを用意する新しいツールを試すのが好きです。最後に、私は何よりも「メイド・イン・フランス」を好みます。それはいつも私のお気に入りの選択肢であり続けます。飼い主から見たフィリベールさまとは?私たちはブルゴーニュの一軒家に住んでいます。私は美容師なので、フィリベールのロン毛をいつも天然素材でできたブラシでブラッシングしています。毎日が素晴らしい瞬間ですが、本当に素晴らしい思い出は、彼と一緒に休暇の旅行に行ったことです。そこではいつも私はとても幸せでした。少し前に、弟分のルーファスが幸せを広げるために我が家にやって来ました。クリーム色のマンチカンであるルーファスは、小さくて足が短いという特徴があります。彼はいつもいたずらです!私たちは、猫の兄弟の素晴らしいデュオを発見しました。リードをつないで歩くのが本当は好きではなくても、フィリベールについてきます。幸いなことに、彼はバックパックが大好きです!これからはみんなで行く新たな冒険が待っています。――旅好きなフィリベールさまの様子が伝わってきます。次の行き先はどこでしょう。たくさん冒険できるフィリベールさまは飼い主と息がピッタリで、今日も散歩を楽しんでいるのでしょうね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月24日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第89回目は、ローリー(Rory)さま。お目目がまあるい猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.89猫さまの話をもっと聞かせて!ローリーさまは、もうすぐ3歳になる男性猫さまです。僕は、ワインで有名なボルドーで、大きなテラスが2つあるメゾンで暮らしています。朝は飼い主を起こして、それからテラスに出て、鳥を追いかけながら日光浴をします。そして、飼い主が家で仕事や勉強をしている間は静かに眠ります。起き出すと、基本的にどこでも飼い主につきまとい、1日中彼女を追いかけます。夜は飼い主と一緒に食事をし、少し遊んでから眠りにつきます。獣医の診断では、少しスリムになったほうがいいそうです。心臓に問題を抱えていて、太りやすい体質らしいのです。食事は、蒸しズッキーニのみじん切りと缶詰を合わせたものが中心ですが、満足しています。太陽が大好きなので、テラスのソファで寛ぐのは最高の時間です。見晴らしがよく、家の中を見渡せる場所です。料理をしている飼い主を見ることができるキッチンテーブルもお気に入りです。僕専用の昼寝をすることもできるバランスの悪い吊り橋も大好きです。得意なことは、人とのコミュニケーション。よく喋り、何百万もの異なる声のトーンを使い分け、何を望んでいるのかを伝えることができます。俳優のようだとも言われています。本物のようなネズミのおもちゃで遊ぶことがよくあります。 多分、このことが僕が「芸術的」と言われる理由です。たくさんのおもちゃのネズミを持っていて、飼い主の寝室の前に並べておきます。ボールだけでなく、小さな枝、ゴミ…、投げてもらえる全てのものをキャッチして飼い主のところまで持って行くのです。飼い主から見たローリーさまとは?2回目のロックダウンの後、私は猫を飼う決心がつきました。まずはSPA(動物保護協会)に電話しましたが、その時点では引き取れる猫はいませんでした。それで、私は地元のブリーダーを訪ね、5匹の子猫と出会いました。ローリーは、私の周りを観察して、不思議そうにしていました。彼が私の猫になることは最初からわかっていました。すでに恋に落ちていたのです。私が最初にブリーダーを訪ねた時、ローリーは彼の兄弟とは違い、芸術的だと思いました。奇妙に聞こえますが、今はその理由がわかります。彼は非常に表現力が豊かで、多くの意見や要求を伝えられます。猫を飼っている私の友達は皆、人生でこのような猫を見たことがないと言っています。また、ローリーはとても勇敢な猫です。彼は室内猫です。とても高い場所にジャンプしたり、鳥を捕まえたりすることはできないと思いますが、自分自身の能力を信じていると思います。ブルターニュで森の中を歩いていた時、私たちの前に大きな犬が来ました。しかし、彼は決してうろたえることはなく、できる限りの怒った顔をして、犬に近づきました。私はびっくりしました。こういった場合、ほとんどの猫は恐れることが多いのですが、ローリーは犬や他の猫に会った時に後ずさりするのを見たことがありません。彼は人間に少し依存していますが、同時に独立しています。――怖いもの知らずのローリーさまは表情が豊かです。普段はまあるいお目目ですが、怒った顔もたくましくて愛らしいです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月18日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第88回目はスフィンクスのサシャ(Sacha)さま。オシャレが大好きな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.88猫さまの話をもっと聞かせて!サシャさまは1歳の女性猫さま。私の住まいはアパートです。朝は、カリカリから1日が始まります。そして、おやつには柔らかいジェリーが入ったカリカリをいただきます。最近、寒くなってきたので、暖かいセーターを着ています。洋服はたくさん持っていて、いつもオシャレ心を忘れません。抱っこも大好きで、飼い主の首の周りが暖かくて落ち着きます。1番のお気に入りは、輪ゴムに取り付けられた小さいネズミの縫いぐるみ。性格ですか?生意気で大胆ですが、適応が早いと言われています。ゴロゴロも得意で、甘え上手です。地球上で最高の人間は、私の飼い主に違いありません。飼い主から見たサシャさまとは?17年間飼っていた猫を失い、その悲しみを乗り越えるために、サシャを私たちの生活に迎え入れました。最も楽しいエピソードは…すべてが素晴らしく、最高のものはまだ来ていません。サシャは私の人生と心に愛と抱擁、静けさもたらしてくれます。私は仕事をリタイヤしていますが、これからの人生をサシャと一緒に過ごせることが楽しみです。――寒くなってきましたが、今日はサシャさまがどんな洋服でオシャレをしているのか気になりますね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月17日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第87回目はミックスのブチ、トリコート(Tricote)さま。パリまで電車でやって来た猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.87猫さまの話をもっと聞かせて!ヨーロピアンミックスのトリコートさまは8歳の女性猫さま。私の住まいはパリの20区のアパートです。4階の南向きで、小さな公園に面している部屋です。サロンと寝室、独立したキッチン、そんなに広くはありません。平均的な1日は、午前7時から午後10時までの間の15時間が行動時間です。長い昼寝をすることもあります。普段のごはんはカリカリ。ちょっと太めなのでダイエットフードとのミックスです。飼い主は整理整頓好きで、愛情たっぷりで、たくさん抱っこしてくれて、とてもいい人です。そんな飼い主がすることに、ひとつだけ嫌なことがあります。それは掃除機です。やめて欲しいです!朝食のお皿に残ったパンとバターは、片付ける前に私が皿洗いをします。『好奇心の塊』とよく言われます。飼い主が針仕事をしている最中は、気になって仕方ないんです。膝の上に乗ってみたり、紙、ひも、羽や、飼い主が糸で編んだ小さい玉でよく遊びます。自慢のチャームポイントは黄色い靴下かな。飼い主から見たトリコートさまとは?幼い頃にさかのぼりますが、祖父母のところに猫がいて夜になると黄色い目が光っていて、とても怖かったです。大人になってからは今まで3匹の猫を飼いました。トリコートは、大西洋側のナントという街にあるアソシエーションのホームページ上で見つけました。たまたまナント方面にバカンスに出ていて、パリに戻ってくるタイミングでナントの駅で初めてトリコートに出会いました。トリコートを引き取るナント駅で、ワクワクしながら待っていたこと、写真でしか見ていなかったので抱っこしたときの可愛さは忘れられません。実は、トリコートのきょうだいも1匹一緒に預かりました。その猫はパリに里子に行くことが決まっていたので、私が新しい飼い主に届けました。子猫2匹と電車に乗ってパリに戻ったのはいい思い出です。すでにジャミラという名前がついていたのですが、しっくりこなかったので、私の仕事『トリコ=編み物』からとってトリコートにしました。観察心があるところは私に似ています。彼女が私が質問すると、答えてくれます。彼女が私に話しかけると、必ず対応します。お互いの気持ちを理解しながら生活する、似たような間柄です。私もただの動物であり、トリコートのほうが人間的であったりします。素朴な甘えかたで、たくさんの愛情を与えてくれています。――自宅で飼い主が作品を創っている間そばにいて、微笑ましい風景が素敵でした。ちょっと邪魔をされるのもいい気分転換になっているようでした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月11日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第86回目は茶トラのジャンジャック(JJ)さま。憔悴した飼い主に寄り添う優しい猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.86猫さまの話をもっと聞かせて!ジャンジャック(通称JJ)さまは4歳の男性猫さま。僕は、パリ1区のセーヌ川の近くにある築150年のアパルトマンに住んでいます。メザニン(中2階構造)になっていて、寝室が2つとバスルーム、暖炉があります。実は僕、日本の生まれの保護猫なのです。飼い主の高校の同級生がSNSで「猫を保護し、3日経っても保護する人が見つからない場合は保健所に連れて行かなければならない」と投稿していました。飼い主は、「取り急ぎ保護する」と生後1か月の僕を引き取りにやってきました。先住猫のパスカルとは、たった1日で本当の兄弟のように仲良くなりました。起床は飼い主と同じ時間です。起きたら、まずアパルトマンのパトロール。1日何度も行きます。ご飯にがっつくことはなく、ちょびちょび食べます。その都度、飼い主は気づいてくれて、新しい食べ物を入れてくれます。最近は時間があると眠たくなっちゃいます。飼い主から見たジャンジャックさまとは?この夏交通事故で亡くなったパスカル(白黒ハチワレ)は、沖縄の保護猫で、私の夫の知り合いが面倒を見きれなかったため譲り受けました。JJは豊橋の保護猫です。元々、私達カップルは別居婚で、私が東京にいて、彼の職場がある香港や沖縄に毎月半分滞在する形を取っていました。今回は、彼の職場がフランスのパリになったので、まず沖縄にいたパスカルを東京に連れてきて、そこから私と二人でパリに。 毎月一緒に移動していたJJは、今度は夫とともにパリに移住してきました。私は猫の生態を知らなかったので、仕事柄移動が多く、出張でもどこへでもJJを自分の肩掛けカバンの中に入れて移動しました。本当に常に一緒。そんな訳でJJは自分を猫と認識していないと思います。爪切りも、歯磨きも、お耳の掃除も病院も一度も嫌がったことがありません。パリへ移動するフライトでも、一度も鳴くことすらありませんでした。この夏、パスカルを交通事故で亡くし、私は憔悴しきっていました。JJは、普段は家の外に必ず偵察に出るのですが、この期間、彼は外に一度も出たがることなく、泣き続ける私の側にずっと“ごろごろ”と慰めるように居てくれました。彼はとことん優しく、賢く、今は新しく家族に加わった赤ちゃんも守るように接してくれています。私にとって大切な息子です。JJと接するたびに、パスカルとの楽しい生活を思い出します。パスカルと出会ったお陰で、私は“保護猫”という存在を知り、知識を得て今のJJと出会う事ができたから…。ふたりが寄り添ってくれたお陰で今の私があるのです。――愛する猫さまを失うことはとても悲しいことです。でも猫さまという存在が人々に勇気を与えてくれる面もたくさんありますね。これからは悲しさを乗り越えてJJ と赤ちゃんとの楽しい生活をしていってください。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月10日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第85回目はトラ猫雑種のオレル(Orel)さま。人懐っこいけど実は繊細な猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.85猫さまの話をもっと聞かせて!オレルさま(通称オレちゃん)4歳の男性猫さまです。僕はパリ13区にあるアパルトマン、84平米の3LDKに住んでいます。飼い主の娘の誕生日プレゼントのリクエストが猫だったため、家族がSPA(動物保護協会)を訪れてここにやってきました。飼い主は以前から猫を探していたらしいですが、僕に出会う前はビビッと感じる猫はいなかったと言っています。ここには子どもが2人いるので部屋の探索がとても面白いです。特に夜はみんなの部屋を順に徘徊するのが日課です。朝はお腹が空いていたら、キッチンの飼い主のところへ行って膝に乗ります。ご飯を食べたら、みんなに挨拶がてら家中をウロウロ。午後はほとんどキャットツリーの中段の箱の中か、ソファーの上で寝て過ごします。そしてたまに友達猫がやってきます。そんな時は寝ていられないので一緒にボクシングをして遊びます。膀胱炎持ちなので、食事はそのケア用の特別なカリカリとパテが日常食です。特別な日は特にないのですが、飼い主たちが魚を食べる日には少しお裾分けしてもらいます。特技は横に開けるタイプの扉を開けることができること!大切なものは手が届かないところに収納するよう、お願いします。飼い主から見たオレルさまとは?幼い頃、物心ついた時には、実家に祖母の猫が2匹いました。その猫達は私が幼稚園か小学校1年生くらいの時に死んでしまいました。それから猫はずっと飼わず、結婚した夫が猫を飼っていて、その猫が2015年に亡くなり、その後に今のオレちゃんがやってきました。今まで飼ったペット(犬、文鳥など)の中で一番私になついてくれているので、初めて「うちの子」と言えるかも?(子どもが2人いるので)3人目の子どもみたいです。人懐っこいけど、ちょっとした環境の変化に敏感で、見かけによらず繊細なところもあります。思いもよらないところで寝ているのを発見する時は癒されますね。オレちゃんは猫背の人の肩の上に乗るのが好きだとわかりました、オレちゃんが肩に乗る人はみんな猫背なんです。自己中なところが可愛くて面白いから、私ももう少し自分軸で動いてもいいのね、というアドラー心理学みたいな意識が芽生えています。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月04日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第84回目は白猫のキキ(Kiki)さまと白猫ロシアンブルーのポンポン(Pompon)さま。仲良しな白猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.84猫さまの話をもっと聞かせて!キキさまは4歳の女性猫さま、ポンポンさまは1歳の男性猫さまです。キキさまインタビュー私たちは3部屋と小さなバルコニーがあるアパートに住んでいます。ここには元々白猫がいました。いつも窓辺に座っていたらしいです。ある日、隣人が通りで私を見つけました。私は見捨てられて迷子になっていたんです。隣人は、私を見てここの家猫だと思ったので、連れてきたそうです。今の飼い主は、その時にすぐ私をお世話しようと思ったらしいです。それから4年が過ぎました。ポンポンはスペインのロシアンブルーのブリーダーのところから来ました。飼い主は、ヴァカンスを利用してスペインまでポンポンを迎えに行ったんです。私たちに共通することはあまり食いしん坊でないこと。食事の回数も1日1回だけで十分なのです。実は私は耳が聞こえません。でも、ポンポンがやってきてからは毎日が面白いし、いつも遊んでいるポンポンを見ているだけでも嬉しくなってしまいます。部屋のあちこちに気持ちがいいクッションが置いてあるので、くつろげる空間がたくさんあります。人懐っこいポンポンは狭いところでもくっついてきますが、全然迷惑ではなく逆に嬉しいです。小さな弟ができて毎日が活気に満ちています。飼い主から見たキキさまとポンポンさまとは?2人はかわいさのエキスパートです。彼らがすることはすべてかわいくて、特に喉を鳴らすときは格別です。2人は私の事を大好きだと思います、私が仕事に出かける時は悲しい表情をしますから。夕方に帰宅するときはいつもドアの後ろで私を歓迎し、家に入るのを見て喜んでいます。彼らからは落ち着きと慰めが与えられています。仕事から帰ってくると、彼らに会えるのでとてもうれしいです。2人を撫でると私はとてもリラックスします。時間があって天気の良い日にはリードをつけて散歩もします。先輩のキキは悠々としていますが、ポンポンはまだ少し怖がっているようにも見えます。毎晩ポンポンは私の腕の中で眠りにつき、そして毎朝キキとポンポンとの朝の抱擁の儀式で1日が始まるのです。ーー大の白猫好きの飼い主は以前にも白い猫を飼っていたそうです。詳しくは言いませんでしたがとても残念な別れになったとだけ聞きました。そんな悲しみを吹き飛ばすぐらいにキキさまとポンポンさまがいて幸せそうでした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月03日