六本木ヒルズ「森美術館」は、企画展「村上隆の五百羅漢図展」を開催する。期間は2015年10月31日から16年3月6日まで。スーパーフラット理論を提唱し、現代美術展「GEISAI」を開催するなど、日本を代表するアーティストの1人として知られる村上隆。今回はその近年における活動を紹介したもので、日本では数少ない村上作品を扱った展覧会となる。中でも、代表的な作品となるのが、東日本大震災をきっかけとして2012年に制作された絵画「五百羅漢図」だ。この作品は高さ3m、幅100mにも及ぶキャンバスに修行僧の姿を描いたもの。そこには、有限の生と無限の宇宙、自然が交錯しており、宗教を超えた祈りが込められている。芸術はわれわれの世界、人間のリアリズムにどれだけ肉薄できるのか。そんな村上の芸術観に迫る作品が、会場には数多く展示される。森美術館でも14年ぶりとなる村上の展覧会。アニメポップだけでない、村上のもう一つの顔を知る貴重な機会となりそうだ。【イベント情報】村上隆の五百羅漢図展会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー53階期間:2015年10月31日から16年3月6日
2014年11月20日大分県立美術館(Oita Prifectural Art Museum 、OPAM)が2015年4月24日にオープンする。10月末に竣工を予定。23日に概要を披露する記者会見が都内で開かれた。美術館のコアとなるコンセプトは、「五感で楽しむことができ、自宅のリビングと思えるようにリラックスできる、大分県民とともに成長する美術館」だ。設計を手掛けたのは今年3月にプリツカー賞を受賞した坂茂。坂氏は、「美術館が展覧会のチケット収入のみで運営を続けることは難しく、美術館の企画や役割が展示に限らないかたちで多様化しているのは世界的なトレンド」と述べた上で、アート愛好家に限らず、社会に開かれる美術館を目指したという。ファサード1階は折り戸によって開閉し、屋外と屋内が一体化する。また、展示用のパネルは自由に配置可能で、フレキシブルな展示を実現。サイン表示やショップ・カフェカウンターなどの什器も移動式で都度様相が変わる。「従来の美術館のように、中身が見えないブラック・ボックスではなく、世界に他に類を見ない、フレキシブルなことができる新しい形の美術館の設計を目指した」と坂氏。館長は西武美術館・セゾン美術館勤務を経た武蔵野美術大学教授の新見隆が務める。新見氏は、「美術館というよりは、新しいライフスタイルを提案する文化施設」としてOPAMを運営していく方針を語り、年間4度入れ替わる予定の今後の展示について説明した。「大分県には、大分県立芸術会館が所蔵してきた大分に縁のある19世紀と20世紀の近・現代作家の約4,000点の作品がある。1977年に芸術会館が設立されて以来うまく活用されてこなかった、これらの作品をフル活用して展示することが、第1の目標」と述べた上で、「これらの作品と西欧の名作やコンテンポラリーな作品を織り交ぜて見せることで、従来の展示とは違った、独自の美術展を企画していく」と今後の構想を明かした。例えば、大分の仏教美術とグスタフ・クリムトの作品が並ぶような展示をみることができるという。地方の美術館では、他の美術館で行われた展示をそのまま見せる巡回展が頻繁に行われるが、OPAMではそれら巡回展の受け皿になることは拒否し、あくまでも独自のコンテンツで勝負する。新見氏は、「大分には高山辰雄や、宇治山哲平などの、単なる地方作家の作品に留まらない、世界レベルを誇る素晴らしい近代美術の作品がある。それらの作品を別分野の美術作品と並列させ、独自の方法で展示することによって、金沢(21世紀美術館)、瀬戸内(直島)、青森(県立美術館)、ニューヨーク現代美術館や、ポンピドゥー・メス(フランス)で見られるのとは違った、唯一無二の、日本、いや世界で一番面白い美術館となることを約束する!」と意気込みを見せた。また、美術作品に限らないライブやダンスパフォーマンスを中心とした企画で、街中に飛び出して行くような「開かれた美術館」らしい展示も行う予定だ。2006年開館の青森県立美術館以来、国内の県立美術館としては9年ぶりにオープンするOPAM。ミュージアムショップやカフェでも、大分の商材や食材を提供することで、地域性を発揮する。スペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館が集客力を発揮し成功したように、そしてポンピドゥー・メスの来館者によって地域の活性化が計られたように、坂茂の建築そのものが大分の観光資源となって、地域産業の発展と経済効果を生むことが期待される。その中で、箱としての「ブランド美術館」の一歩先を行く新見のキュレーションに注目が集まる。11月23日から30日には開館に先駆け「OPAM誕生祭」と称して様々なイベントが行われる。
2014年10月24日村上隆がプロデュースした初のカフェ「バー・ジンガロ(Bar Zingaro)」が、中野ブロードウェイ2階にオープンした。バー・ジンガロのテーマは「コーヒー」「カクテル」「アート」の3本柱。店内にはオーナー・村上隆によるアート作品の他、彼がセレクトしたアートも展示されている。現在展示されているのは、22日より中野ブロードウェイ4階の「Oz Zingaro」で「三人展」を行う陶芸作家の上田勇児、大谷工作室、熊谷幸治の作品。内装はノルウェーの首都オスロに本店を構え、東京にも出店するカフェ業界でグローバルに知られる「フグレン(Fuglen)」が手掛けた。コーヒーやエスプレッソを中心としたカフェメニューの他に、カクテルやビール、ワインなど酒類がラインナップ。パンやケーキなどの軽食も用意されている。今後は、現在中野ブロードウェイ内に4店舗展開しているギャラリー「Kaikai Zingaro」「Hidari Zingaro」「pixiv Zingaro」「Oz Zingaro」をつなげるコミュニケーションの場、イベントスペースとして展開していく考え。
2013年11月16日「スーパーフラット」(’00)、「ルイ・ヴィトン×村上隆」(’03)、「ムラカミ・ヴェルサイユ」(’10)などの作品を発表し、世界を驚かせてきたアーティスト・村上隆による初監督作品『めめめのくらげ』。このたび世界中がいまかいまかと公開を待ちわびる本作の待望の予告編とポスター・ビジュアルが遂に解禁となった。主人公の小学生・正志は、引っ越してきた新しい家に、見慣れない段ボールを見つける。中から出てきたのは、くらげの様な不思議な生き物!どこか愛くるしいその生き物を“くらげ坊”と名付け、次第に仲良くなっていく。リュックにくらげ坊を連れて転校先の学校に行くと、ほかの生徒も、くらげ坊と同じく大人には見えない不思議な生物=“ふれんど”を連れていて…。今回、解禁となったポスターには「あの村上隆が映画監督はじめました」と堂々とした“監督宣言”アピール!周りには村上隆の代表的デザインの“目”のアイコンが浮かぶ中、中央に本作のストーリーのメイン的な存在のキャラクター“くらげ坊”がひょっこりと頭を出している。同時に公開となった予告編でも、くらげ坊が空に高く舞い上がり、街を全速力で飛ぶ姿が確認できるが、そのキュートな表情はかなりの存在感だ。この予告編でも流れている、主題歌「Last Night,Good Night」を歌っているのは日本のみならず海外でも話題を巻き起こし続けているヴァーチャルアイドル・初音ミク。村上さんが直々にオファーをしたという、「livetune」というソロプロジェクトでも活動している、いま最も注目を集めるクリエイターの一人・kzが手がけた楽曲を伸びやかに歌い上げている。TOHOシネマズ六本木ヒルズ10周年作品となる本作。アーティスト・村上隆の初監督作は日本で、そして世界でどのように受け入れられるのだろうか?公開を楽しみに待ちたい。『めめめのくらげ』は2013年4月26日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開。※こちらの予告編はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:めめめのくらげ 2013年4月26日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開© Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
2012年12月18日劇場版“クレヨンしんちゃん”20周年記念作品『映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』に、ココリコ(遠藤章造・田中直樹)、土田晃之、藤井隆の4人がゲスト声優として出演することになり、アフレコ終了後、インタビューに応じた。その他の写真遠藤ら4人は『クレヨンしんちゃん』のTV放送が始まった1992年にデビューし、今年で芸歴20年を迎えた同期芸人。実生活ではそれぞれ、子どもを授かり“パパ芸人”としても知られる彼らが、今回、その育児経験を買われて、しんちゃんの妹・ひまわりのお世話をするヒマワリ星の“イケメンDEイクメン軍団”役に抜てきされた。遠藤は「滑舌があまり良くないし、もう40歳なんで老眼がきちゃって、台本が見えづらかった」と思わず苦笑い。「僕と田中君はアゴがしゃくれているので、どうしても空気が抜けてしまって…。僕はサ行が苦手」(土田)、「僕はラ行が、斜めに逃げてしまう」(田中)とこちらも四苦八苦の様子。一方、藤井は収録にテンションが上がり過ぎたといい「新感覚のアフレコを提案したかった」と自信満々!?それでも、ぐずるひまわりを必死にあやそうと悪戦苦闘するシーンには、4人とも実体験が活かされたと口を揃える。実際の“イクメン”ぶりを聞いてみると、遠藤は開口一番「諸事情で(笑)娘とは一緒に住んでいないんですよ。でも週に1~2度はうちに泊まりにくるし、お弁当を作ることもある」と自虐的なコメントで、他の3人から「何かあったの?」と白々しい指摘。相方の田中は「子どもに対しては、友だちという感覚がある」。ただ、持ち前の動物愛が強すぎて「まだ、言葉を話し始めた頃、イヌを見て『ワンワン』って言っていたのを『違う、あれはジャック・ラッセル・テリア!』と注意してしまったことがある」と反省する場面も。藤井は「できるだけ一緒に遊ぶようにしています。でもお母さん(タレントの乙葉)にはかなわないですね」。4人の子どもを持つ“子だくさん芸人”の土田は「子育てってついつい難しく考えがちですが、いわば“生活”なので特別なことじゃない」と説得力ある持論を披露。「もううちは一番上が中学生で、サッカーやろうって誘っても全然乗ってこない。まあ僕が本気を出しちゃうからなんですけど(笑)。子が親を見て育つのはもちろん、親が子を見て成長するんです」と育児論を熱弁すると、遠藤、田中、藤井の3人も大きくうなずいていた。本作は、しんちゃんこと永遠の5歳児・野原しんのすけが、ささいなケンカをきっかけに「オラ、妹なんていらないゾ!」と口走ったことから、ひまわりが宇宙にある“ヒマワリ星”のプリンセスとして迎えられ…。野原一家が家族の絆と全宇宙の存亡をかけた大騒動に巻き込まれる姿が描かれる。『映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』4月14日(土)から全国ロードショー(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2012取材・文・写真:内田 涼
2012年04月13日