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寒い冬は乾燥による湿疹に悩まされますが、気候があたたかくなってきますと、虫刺されやあせも、とびひなど季節特有の皮膚トラブルに悩まされます。どのように対策すればよいでしょうか?■子どもの皮膚トラブル1:あせもの症状、予防、治療まず一番多い子どもの皮膚トラブルといえば、あせも(汗疹)でしょう。あせもは見た目は赤みがありかゆみを感じ、冬に乾燥からできる湿疹(しっしん)と症状には大差がありません。しかし、あせもの場合、できやすい場所があり、その分布が異なります。基本は、汗をかく場所、むれやすい場所にあせもはできます。例えば、首やわき、ひざ、おむつのギャザーが当たるところなどです。とくに赤ちゃんは、ぽちゃぽちゃしているので、皮膚の間のしわに汗がたまりやすくあせもができます。また、子どもは熱がこもりやすいので、寝ているときに汗をかいて、背中全体にあせもができることも多いです。あせもの原因は汗。ですから、予防として、まず汗をかかないように風通しよくすること、汗をかいたら早めにふきとったりシャワーをすることが大切です。おむつは早めに交換をしたり、冷感シーツやミニ扇風機などを利用するのもいいでしょう。冬の乾燥による湿疹とあせもは、同じ炎症症状なので、治療自体は大きくかわりません。炎症をおさえてあげる薬として、主にステロイド軟膏を使います。■子どもの皮膚トラブル2:虫刺されの症状、予防、治療あたたかくなると公園遊びなど外で遊ぶ機会が増えて、虫刺されも起こしやすくなります。知らぬ間にたくさん刺されていることもあり、我が子もベビーカーの中で気づいたらあちこち刺されてしまったということがありました。まずは、予防として虫よけを使用します。子どもに虫よけは大丈夫なの? と心配になるかもしれませんが、安全に使用できるものがあります。おすすめは「ディート」「イカリジン」という虫よけ成分が入ったものです。どちらも有効な虫よけ剤ですが、ディートは蚊だけではなく、ブヨ、サシバエ、イエダニ、トコジラミ、ノミ、ツツガムシ、マダニなどに対して忌避効果があります、一方、イカリジンは蚊、ブヨ、アブ、マダニと限定されます。使用できる年齢について、ディートは生後6カ月未満には使用できず、12歳未満に対しても使用回数が制限されているのに対し、イカリジンは乳児を含め小児への使用制限がありません。どちらにも長所短所があり、使用する年齢やどこに出かけるかによって使いわけてください。いずれも6時間ほどで効果はきれてきますから、長時間外出する場合は途中で追加するといいでしょう。スプレータイプが苦手な子は、ウエットティッシュタイプもあります。この時期は、日焼けどめも一緒に使用することが多くなりますね。その場合、まず日焼けどめを使ってから虫よけを使用すると、両方の効果が発揮されます。虫刺されは、衣服で体をおおったり虫よけを使ったりとまずは予防ですが、刺されてはれてきてしまったら、まずは冷やしましょう。冷やすことでかゆみが軽減されます。これまでに刺された経験が少ないほどはれやすく、一般的に子どものほうが大人よりもはれやすいです。ときに直径5cmくらいの大きさにはれることもあるので、そのようなときには湿疹と同様、ステロイド軟膏を使用してはれやかゆみをおさえるようにします。■子どもの皮膚トラブル3:とびひの症状、予防、治療とびひについては、これまで解説してきたあせもや虫刺されから発展してなることがあります。とびひ(=伝染性膿痂疹)は主に黄色ブドウ球菌の感染、ときに溶連菌でも起こります(溶連菌については 前回 を参照)。赤い湿疹からさらに、じゅくじゅくして汁がでてきているものがとびひで、たとえばかゆいあせもや虫刺されをかきこわしたところに、手や爪の菌が付着して感染することによって起こります。黄色ブドウ球菌の感染といっても、この菌は普段私たちの皮膚にいつも付着しているものですから、健康な皮膚なら何も起こりません。しかし、あせもや虫刺されなど皮膚病変があるところに感染が成立して、とびひを発症するのです。とびひは伝染性膿痂疹という名前ですので、接触によって感染します。しかし、適切に治療をうけていて、とびひのところをガーゼなどでカバーしていれば、菌がほかの人に接触しにくいため感染性は低いと考えられます。そのため、必ずしも完全に治るまで登園してはいけないものではありません(ただし、じゅくじゅくした状態でプールに入ることは避けましょう)。治療は、細菌の感染なので、まずは抗菌薬の軟膏を用います。塗り薬で改善しない場合は、ほかの抗菌薬軟膏に変更したり、内服抗菌薬を併用します。とびひは、その名のとおり飛ぶものですから、体のほかの場所の皮膚病変にうつることがあります。1カ所が治ってもまた別の場所の治療が必要になることもありますし、ひっかきやすい場所や、繰り返し刺激が加わる場所(たとえば鼻の下)などはなかなか改善しにくい場合があります。治療にはなかなか時間がかかる場合がありますので、まずは湿疹病変をできにくくするために、あせもの段階で早めに治療したり、虫よけを使用したりして予防しましょう。このように、あたたかい季節の皮膚トラブルは、とびひの予防まで見越した「攻めの予防」が大切になります。いよいよ大型10連休がやってきますが、キャンプやハイキングなど外遊びの予定がある方も多いのではないでしょうか? 皮膚トラブルを未然に防いで、楽しいGWをお過ごしくださいませ。
2019年04月24日のどが痛み、ひどい場合はお茶を飲み込むことすらつらくなる溶連菌感染症(通称:溶連菌)。保育園や幼稚園などで「溶連菌がはやっている」という話やお便りをもらうこともあるかもしれません。症状や治療法、予防法などをくわしく解説します。■溶連菌感染症「4~6歳でかかる子がとくに多い!」溶連菌感染症は、A群溶結性連鎖球菌が原因となる感染症。のどの痛みや発熱が主な症状です。でも、名前を聞いたことはあっても、実際にわが子がかかったことがなければ、どんな感染症なのか、知らないママ・パパもいることでしょう。小さな赤ちゃんがかかることは少なく、年中・年長児や小学校低学年でかかる子が多いようです。実際に、 東京都感染症情報センター の患者報告数によると、2019年第10週(3月4日~3月10日)では5歳が99人ともっとも多く、続いて6歳が96人、4歳が88人となっています。一方で、大人でも免疫が落ちていると感染することがあるため、「子どもの感染症だから」と油断するのは危険といえます。一年中かかるおそれのある感染症ですが、冬から春にかけてと、5月~7月ごろに流行することが多いようです。■溶連菌感染症「例年より増加傾向」最新の患者報告数は?現在の流行状況をみてみましょう。 国立感染症研究所 によると、全国で指定された約3000カ所の医療機関(小児科定点)から受けた患者報告数は2019年第8週(2月18日~24日)で8457人、1医療機関あたりの平均報告数は2.67人でした。これは過去5年間の同時期と比べても多くなっています。都道府県別にみると、上位3県は石川県5.34人、鳥取県5.05人、岩手県4.95人でした。3月に入って流行が少しずつ落ち着いてくるころですが、今年は例年よりも報告数が多く、まだまだ油断できない状況といえそうです。■溶連菌感染症「どんな症状? 感染経路は?」 溶連菌の特徴といえばのどの痛みですが、ほかにはどんな症状があるのでしょうか? 感染期間や感染経路などもみていきます。【症状】のどの痛み(いん頭痛)と発熱が主な症状です。のどや、のどの入り口を取り囲む部分(へんとう・いん頭へんとう)が赤くはれることがあります。舌に赤いぶつぶつができる「いちご舌」になったり、全身に鮮やかな紅色の発疹が出たりする「猩紅熱(しょうこうねつ」を引き起こすことがあり、5~10歳に多くみられます。治療が不十分だと、リウマチ熱や腎炎などを併発したり、とびひ(伝染性膿痂疹)になることもあります。【潜伏期間と感染期間】潜伏期間は2~5日。抗菌薬を服用後、24時間以内に感染力はなくなります。【感染経路】せきやくしゃみのしぶきなどによる飛まつや、接触によって感染します。■溶連菌感染症「予防法、治療法は?」 溶連菌感染症の効果的な予防法はあるのでしょうか? また、「もしかして溶連菌かも?」と思った場合はどうすればいいのでしょうか?【予防方法】飛まつ感染や接触感染を予防するためには、手洗いやうがいなどの一般的な予防法が大切です。年齢に応じて、せきエチケットにも気を配りましょう。【診断法】迅速診断キットにより、10~15分程度で診断できます。【治療法】合併症を防ぐためにも、抗菌薬を決められた期間、きちんと服用することが大切です。薬を飲んですぐに熱が下がった、のどの痛みがなくなったからといって、自己判断で服用を途中でやめることは避けたほうがいいでしょう。困ったことがあれば医師や薬剤師に相談するようにしましょう。【登校(登園)基準】適切な抗菌薬による治療をはじめて24時間以内に感染力はなくなるため、それ以降は登校(登園)が可能です。3月現在もかかる可能があり、これから夏に向けて、さらに流行することが予測される溶連菌感染症。とくに年中や年長児、低学年の子どもはかかりやすいため、日頃から家庭でも手洗い・うがいを徹底して、気をつけておきたいですね。参考サイト: ・国立感染症研究所 ・日本小児科学会「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」 ・東京都感染症情報センター「感染症発生動向調査」
2019年03月24日プールなど、他人との接触が多くなる夏。前回の「水いぼ」に続いて、今回は「とびひ」の話です。≫ 「子どもの「水いぼ」治療は痛いのか!? ママのNG行動に反省…」 生まれたころからアレルギーがあり、なにかとお肌の荒れやすい息子。冬は乾燥からくるかゆみに、夏はあせもに悩まされ、一年中、皮膚科通いと日常のお肌のケアが欠かせません。去年の7月ごろのことでしょうか。翌日にかかりつけの皮膚科に診てもらうと… 普通のあせもだと思い、「まぁそのうち治るでしょ」と気軽に考えていましたが、そうではなかったようでした。ひざの裏が一番ひどく、赤くただれたようになっていましたが、その予備軍みたいにジュクジュクしかけの部分が、腕や首にも多数点在していました。患部を綿棒のようなものでこすり取って検査に出してもらい(結果は1週間後)、保湿剤と抗菌の塗り薬、かゆみ止めの飲み薬を処方してもらいました。でも、半月後にまたかかってしまったので、夏は要注意ですね。そして、早めの皮膚科の受診がキモだとも思いました。自然に任せて放置していると、うちのパターンのように、どんどんひどくなる場合もあるとのことなので。先生からは、「あせもからとびひになることもありますよ。適度なクーラーやこまめなシャワーもしっかり行うように」と言われました。当時(去年)は、未就園児だったためそこまで弊害は感じなかったですが、とびひがあるとプール禁止の園も多いので、今年はならないといいなぁ。(みんながプールに入ってるのに自分だけ入れないのは、かわいそうなので)楽しいこといっぱいの夏、すてきな思い出がたくさんできるといいな。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。※「とびひ」にかかった場合の登校・登園・プールの許可についても各園によって方針が異なりますので、必要な場合にはお子様が通われている園にご確認いただけますようお願いいたします。
2018年07月20日夏のイヤ~な風物詩、蚊。身近にいながら、その詳しい生態については知らないことも多いのではないでしょうか。正しい攻略のためには、まず敵を知ることから!子どもにも伝えたい知識を、蚊の研究を行う「博士」に聞きました。どうやって血を吸うの?一度に6本の針を人や動物の体に刺しています蚊の口は6本の針に分かれており、それぞれの針には皮膚を切り裂く・血液を通す・蚊の唾液を注入するなど違う役割があります。蚊に刺されるとかゆくなるのは、注入された唾液に対するアレルギー反応。ちなみに、この唾液は「麻酔液」とよく誤解されているようですが、その効果はありません。唾液には血を固まりづらくする効果、血管を探る役割があるとされています。どこに卵を産むの?深さ1㎝以上の水たまりがある日陰の場所を好みます「日陰」で「深さ1cm」というのは「卵から成虫になるまでの間、水が干上がらない場所」。家庭で特に気を付けたいのは庭です。雨水が溜まらないよう植木鉢の受け皿を取り外したり、日当たりの良い場所に移すなどの工夫を。明るい場所・日当たりの良い場所・高い場所ではあまり産卵しないので、例えば3階以上の日当たりの良いベランダであれば、そこまで神経質になる必要はないでしょう。どれくらい長く生きるの?寿命は成虫になってから半月~1カ月ほど。その間に10~50個卵を産みます2~3日で卵がかえり、幼虫(ボウフラ)の姿で5~20日ほど過ごして蛹(さなぎ)になり、2~3日で羽化して成虫となります。成虫になってからの寿命は半月から1カ月ほど。その間にメスは2~3回卵を産みます。1回に産む卵の数は10~50個ほどで、寿命が近づくにつれ、卵の数も少なくなります。ちなみに血を吸うのはメスのみ。血は食料ではなく、卵を産むための栄養源なのです。普段は花の蜜を食料としているほか、雨水なども飲みます。どんな種類の蚊がいるの?日本で代表的なのはヒトスジシマカとアカイエカです世界には3500種ほどの蚊が存在しますが、日本で最も代表的なものは、ヒトスジシマカとアカイエカ。ヒトスジシマカは昼間に活動し、卵で冬を越します。また、産まれた場所から半径100メートルほどしか移動しません。一方アカイエカは夜間に活動します。数キロメートル移動し、縁の下、下水溝などで成虫のまま、冬眠状態で越冬します。どちらも気温が15℃を超えると活発に活動し始めます。●お話を聞いたのは:白井良和さん医学博士。有限会社モストップ取締役、害虫防除技術研究所代表。蚊・ゴキブリなどの害虫の駆除、実験や研究に長年携わり、TV・雑誌などで分かりやすいアドバイスを行っている。著書に「蚊の対策がわかる蚊の教科書」(モストップ)。illustrationMUSO Hiroyuki<文:あんふぁん編集部>
2018年05月09日子どもは大人よりも蚊に刺されやすく、肌もまだ弱いので刺された所をかき壊してしまい、「とびひ」になることもあります。デリケートな子どもの肌を守るために、おでかけにはしっかり予防をしてこれからの蚊の季節も楽しく乗り切りましょう!身近にいる蚊はどんなもの?日本には約100種類もの蚊がいるといわれていますが、私たちの身近にいるのは、主に下記の表に挙げた蚊です。刺された後の症状は、すぐにかゆくなる即時型反応と、24~48時間後にかゆくなる遅延型反応があります。乳児は遅延型、幼児は両方の反応が出る時期、大人になると即時型のみといったように変化します。蚊を媒介して感染する病気がありますが、神経質になり過ぎず、予防を適切にして過ごしましょう。◆ヒトスジシマカ見た目:体長4.5mm程度。体は黒と白の縞模様主な活動場所・時間:春~秋、日陰の湿度の高い所で、昼に活動媒介する病気:デング熱、ジカウイルス感染症※、ウエストナイル熱※◆アカイエカ見た目:体長5.5㎜程度。体は赤褐色主な活動場所・時間:春~秋、家の中を中心に、夜に活動媒介する病気:ウエストナイル熱※◆コガタアカイエカ見た目:アカイエカより小型で黒っぽい主な活動場所・時間:春~秋、水田や湿地を中心に、夜に活動媒介する病気:日本脳炎◆チカイエカ見た目:アカイエカによく似ている主な活動場所・時間:冬でも地下鉄の構内などで、昼も夜も活動媒介する病気:ウエストナイル熱※※印は、日本国内での感染例は認められていない蚊も刺されたときのおうちケア3ステップ◆1.冷やしてかゆみを抑える冷たい水があれば、刺された箇所をさっと洗いましょう。保冷剤などで冷やしてもいいです。石けんで洗ってもかゆみは軽減しません。冷やすことで炎症を抑え、かゆみが軽くなります。その後は、市販のかゆみ止めを塗ればOK◆2.かき壊さないようにする蚊に刺された後、気を付けたいのは「とびひ」を作らないことです。もしかき壊してしまったら、ガーゼやばんそうこうで覆い、とびひを予防してください。お風呂に入ったときにはそれを剝がし、石けんで軽く洗って菌を増やさないように◆3.とびひができたら病院へかき壊してグチュグチュしている所が1カ所であれば、そのまま様子を見ましょう。刺されていない所にグチュグチュができたら、それはとびひです。抗生物質を塗ったり飲んだりしないと治りにくいので、病院に行きましょう外出前の虫刺され予防法:服装と虫よけ剤1.露出の少ない服を選ぶ子どもは大人に比べて体温が高く、しかも活発に動くのでさらに体温が上がり、大人よりも蚊を寄せ付けやすいといえます。体の中で刺されやすい部位というのは特になく、肌を露出していればどこでも、顔でも足の指でも刺されます。外出するときの服装は、タンクトップより袖のあるもの、半ズボンやスカートより長ズボンといったように、できるだけ露出の少ないものがいいですね。はだしにサンダルよりも、靴下にスニーカーの方が予防になります。2.子どもの肌に合った虫よけ剤を使う虫よけ剤には、スプレータイプやシートタイプなどいろいろありますが、虫を寄せ付けないための成分で見ると、大きく以下の3種類に分けられます。商品の成分表示に書かれているので、それを見てお子さんに合ったものを選びましょう。◆ディート3種類の中で虫よけ効果が一番高く、肌への刺激も強いので、生後6カ月未満の赤ちゃんには使ってはいけません。2歳未満は1日1回まで。2~12歳までは1日1~3回までとされています。◆イカリジン日本では、2年前に承認された成分です。ディートのような年齢による使用制限がなく、かぶれができるなどの副作用も少ないとされています。肌の弱い赤ちゃんや幼児にオススメです。◆天然ハーブこの3種類の中で、虫よけ効果が一番弱いタイプです。できるだけ自然に近いものを使いたい人や、肌がとてもデリケートで湿疹やかぶれができやすい人に向いています。●お話を聞いたのは:馬場直子さん神奈川県立こども医療センター皮膚科部長。「子どものアレルギー×母乳育児×スキンケア」(共著/南山堂)、「こどもの皮膚診療アップデート」(シービーアール)など著書多数。illustration ATFT GRAPHICS.<文:あんふぁん編集部>
2017年05月13日こんにちは、ライターの佐原チハルです。みなさま、『とびひ 』はご存じでしょうか。「聞いたことある!」という人、きっと少なくないですよね。“とびひ”という言葉自体は耳にすることが多いため、身近に感じられますが、その分罹患した際の苦労についても小さく見積もられがち。子どもがかかってしまったら、子ども自身も、ママ・パパも、結構な苦労をしてしまうものです。そこで今回は、“とびひ”についてポイントをまとめてみました。●“とびひ”ってどんな病気?“とびひ”という名前は、実は通称。正しくは、『伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん) 』という病名がついています。虫刺されやあせも、肌に傷を負ったときなど、そこに細菌が感染することで起こります 。“とびひ”という通称は、感染した場所をかいてしまうことで、症状があっという間に他の部位に広まってしまうことからつけられました。“とびひ”には、2種類があります。水ぶくれのできる『水泡性膿痂疹』と、かさぶたのできる『痂皮性膿痂疹』です。“とびひ”の大半は前者で、原因は“黄色ブドウ球菌”と呼ばれる細菌 です。目・鼻・口の近くからできはじめ、水膨れやかゆみが全身に広がります。基本的には夏にかかることが多いですが、暖房の効かせすぎなどにより、冬に見られることもあります。●“とびひ”の予防法は?“とびひ”の予防法としては、やはり“皮膚を清潔に保つ ”ことが一番のようです。手はしっかりと洗う、爪は短く切る、ひどく汗をかいた場合はシャワーを浴びる、などです。またお子さんが小さいと、“鼻をほじる”ことも多いと思います。しかし、鼻の中には“とびひ”の原因になる細菌が多いとのこと。注意したいところです。●“とびひ”にかかってしまったら、どうしたらいい?“とびひ”は、名前のとおり、広まってしまうのがとても早いです。注意していても、かかってしまうことはあるでしょう。ひどい症状になってしまうのを防ぐためには、“すぐに皮膚科に行く ”のが一番です。小児科でも薬がもらえることはありますが、皮膚科の方が確実です。実は筆者は昨年、子どもが“とびひ”にかかり、全身に広めてしまいました。小児科には通っていたのですが、症状がおさまらず、皮膚科に紹介状を出してもらう事態になりました。“とびひ”は、患部を覆ってさえいれば、保育園など休む必要はありません。ただ、うちの子はあまりにも全身に広まりすぎてしまったため、2週間ほど通園ができなくなってしまいました。そうなるまで、本当にあっという間でした 。プール遊びもできずじまいで、かわいそうなことをしてしまったと後悔しています。筆者の子もそうなのですが、アレルギー体質・アトピーのお子さんの場合は、皮膚のバリア機能が低くなっているため、“とびひ”になりやすいそうです。子ども自身の予防や、子どもから家族や友達に感染することを防ぐためにも、“患部をこすらない”“タオルや衣服は共用しない”などの対策が必要とのことです。お子さんの年齢や体質によっては、“とびひ”を防ぐのは、とても困難なことでしょう。しかし、日頃からしっかりと予防策を講じておくことで、また早期発見・早期治療を行うことで、軽い症状ですませることができるかもしれません。夏を満喫して楽しむためにも、気をつけてあげたいですね。【参考リンク】・「とびひ」ついて詳しく知ろう | maruho()●ライター/佐原チハル(フリーライター)
2016年08月16日