旅行のクチコミサイト「フォートラベル」は、「格安航空会社(LCC)の利用」に関するアンケート調査を実施した。調査期間は、11月9日から15日で、有効回答数は1,346件。2012年は「LCC(Low Cost Carrier)元年」とも呼ばれ、日系のLCCである「エアアジア・ジャパン」、「ジェットスター・ジャパン」、「ピーチ・アビエーション」の3社が就航した。3社について「利用したことがありますか」と聞いたところ、12.5%が「ある」と回答。「ない」は87.5%という結果。利用したLCCのうち、利用率トップは「ジェットスター・ジャパン」で、60.1%。実際に利用した人からは、「客室乗務員やスタッフの対応がよかった」、「乗り心地がよかった」などの声があがっている。続いて利用者が多かったのは「エアアジア・ジャパン」で、32.1%が「利用した」と回答。利用した人からのコメントは「価格が安い」、「座席が快適だった」などというもの。「ピーチ・アビエーション」については、28.0%が「利用した」と回答。利用した人からは「純正の日本企業のため、親しみが持てた」、「機体がきれいだった」といった声があがった。3社に共通して、「搭乗前はあまり期待していなかったが、不自由なく利用できた」という声が多く寄せられている。また、利用後の満足度を「期待以上だった」、「期待通りだった」、「期待以下だった」の3段階で聞いたところ、3社とも、“期待通り”と回答する人が半数以上を占めた。一方で、「期待以下だった」と回答した人の理由としてあげられたのは遅延や欠航だった。特に問題なく利用できた旅行者は、LCCならではの価格の安さと、それに見合ったサービスやシステムに納得し利用していることが伺える結果となった。なお、アンケートの詳細は、同サイトトレンドリサーチページで見ることができる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月10日日本航空はJALカードの発行30周年を記念し、JALカード会員限定の「空の上の航空教室 成田=セントレア」を2013年3月23日から1泊2日で開催する。同イベントでは専用チャーター機が、成田~中部セントレア間をフライト。2日間にかけて、成田・中部セントレア空港にて様々なイベントを行う。1日目は成田にて機長、整備士による話が聞ける他、成田整備工場見学ができる。成田エクセルホテル東急に宿泊後、2日目は専用チャーターJL3930便(Thank you 30周年)に搭乗し、機長による「空の上の航空教室」を開催。セントレア到着後は、空港主催の「滑走路見学コース」に参加できる。2日目午後からは、セントレアで各種プログラム体験。復路はセントレア発専用チャーターJL3939便(Thank you!Thank you!)に搭乗し、成田に向かう。機内では「空の上の航空教室パート2」開催する。募集人数は120人。参加料金は2名1組参加で2万円、1名参加で1万2,000円。参加資格はJALカード会員、2名1組もしくは1名。1名で参加の場合は、大人(高校生を除く18歳以上)のみ受付。18歳未満および高校生の方は、JALマイレージバンク(JMB)会員であることと、JALカード会員の保護者同伴(2名1組)であれば申し込み可能。ただし、参加は小学校3年生以上となる。参加は同社の応募サイトにて、登録した中から抽選で決定する。応募期間は12月3日~2013年1月6日。当日着信有効。詳細はJAL特設サイトで案内している【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月05日エミレーツ航空は12日、エアバスA380型機の機内で乗客が自身の携帯電話を使って通信できるサービスを提供すると発表した。同サービスは、機内携帯通信サービス・パートナーであるOnAir社との提携によって実現。これにより、エアバスA380型機の乗客は、飛行中でも自分の携帯機器を使って通話やモバイルデータ通信ができるという(利用に際しては条件あり)。OnAirのモバイルシステムは、乗客が自身の携帯通信プロバイダーを通じてEDGE/GPRSに接続することで、機内でも地上と同じように自分の携帯電話で電話の発着信やテキストメッセージの送受信を行うことができるとのこと。OnAirシステムの全機能を搭載したエミレーツのエアバスA380型機の初便は、10月2日にドバイ国際空港からミュンヘン国際空港に向けて飛び立ち、エアバスA380型機からの初めての機内通話は、ペルシャ湾の上空1万1,500mで中国へ向けて発信されたという。OnAirのモバイルシステムは、今後納入されるすべてのエアバスA380型機に装備され、現在運行中の25機にも随時搭載予定。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月12日本拠地アトランタ空港に新国際線ターミナルをオープンさせたデルタ航空。前回に引き続き、同空港のサービスを詳しく紹介していく。アトランタ空港のメザナインレベル(中2階)には、デルタ航空の空港ラウンジ「スカイクラブ」を設置。「デルタはかねてより総額30億US$を投じて空港、機内の施設、プロダクト、サービス向上とテクノロジー導入を進めている」(デルタ航空リチャード・アンダーソンCEO)。このラウンジはその象徴的な存在でもある。1万2000平方フィート(約1115平方メートル)の広さを有する二層構造。300名収納可能な同社でも最大級のラウンジであり、8部屋のシャワールームやマルチタスクのビジネスエリア、ゆったりしたソファ、歓談向けのテーブル席とエリアも多彩。もちろんアルコールを含むドリンク類や軽食は無料で提供され、窓越しにはアトランタ空港の広々とした眺めが楽しめる。さらにオーディオ・ビジュアルを楽しめる「ビート・ラウンジ」、シャンパンやプレミアム・ワインなどを有料で提供する「ラグジュアリー・バー」は自慢の設備・サービスといえるだろう。さらに、入国審査後の手続きが簡略化されたのも新しいターミナルのオープンに伴うサービス向上の1つ。従来、アトランタ空港では国際線で到着した乗客は入国審査後にターンテーブルで荷物を受け取った後、再度荷物を預けてセキュリティチェックを受け、国内線ターミナルへ移動して荷物を受け取らなければならなかった。この到着時の再度のセキュリティチェックと手荷物検査を受ける必要がなくなったのである。日本でもそうだが、世界中で低コスト航空会社(LCC)が利用者を増やす一方、従来のレガシーキャリアはそのLCC、さらには競合他社との差別化を図るためにサービス向上に力を入れており、その1つが空港の利便性や快適性の向上である。前述したようにデルタ航空では巨額を投じて様々なシーンでのサービス向上を進めているが、空港施設の改修や拡大はアトランタの他、ニューヨーク、シアトル、ロサンゼルス、ソルトレイクシティでも行う。さらに、ニューヨークのジョン・F.ケネディ国際空港では12億US$を投じてターミナルの拡張プロジェクトを進行中。また、ロサンゼルス国際空港には40億US$を投じて大規模な空港改修計画を進め、いずれも工事が終了すれば、「乗客の利便性や快適性が格段に向上する」(同社)としている。空港サービスの改善に力を入れる航空会社が増え、世界最大の乗降客を扱うアトランタ空港を拠点とするデルタ航空が進める空港の改修・拡大プロジェクトはその象徴だろう。「ヨーロッパ市場がクライシスで縮小している中、アジアは重要な市場」(同CEO)と位置づけるデルタ航空。当分は目の離せない航空会社である。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月10日日本未上陸の商品が楽しめたり、空の上でインターネットにアクセスできたり。飛行機にはおもしろく、ときに画期的なサービスが登場する。そんな航空会社の先端サービスと、それを始めるにあたってのこだわりやエピソードを紹介するこの連載。今回は、本拠地アトランタ空港に新国際線ターミナルをオープンし、サービスと使いやすさをアップグレードさせたデルタ航空にスポットを当てる。デルタ航空の本拠地であり、また最大のハブ(運航拠点)空港でもあるアトランタ・ハーツフィールド・ジャクソン国際空港。今回ここにスポットを当てた理由は、デルタ航空だけで1日1,000便以上、208都市へのフライトが飛び立ち、約9,200万人という世界で最も利用者の多い空港(2011年、国際空港評議会調べ)だからだ。アトランタ空港の滑走路は5本、ターミナルは6つだったが、今年5月に新しく国際線専用ターミナルFが供用を開始して7つとなった。世界で5番目に利用者の多い羽田空港(2011年利用者は約6,200万人)でもターミナルは3つ。ターミナルが7つもある巨大空港ともなれば、迷いやすいと思うかもしれないが、実際は違った。この空港を俯瞰でみると長方形のターミナル(コンコース)が規則正しく並び、その地下をシャトルトレインが直角に貫く形で運行されている。そのためコンコース名のアルファベットさえ間違えなければ降りる駅を迷うことはまずなく、端から端のターミナルまでの移動も数分ですむ。その分かりやすさから、たとえ違うターミナルで降りても気にする必要もないほどだ。もともと利便性の高いこの空港をさらにレベルアップさせ、サービスを拡充させたのが、今回の新国際線ターミナルFの供用開始だ。新ターミナルは、上層が出発階、下層が到着階。上層にあるチェックインフロアは外光がふんだんに入り込むデザインとなっている。非営利団体の米国グリーンビルディング協会が開発・運用している、環境に配慮した建物に与えられる認証システムに適用。環境保護の面からも評価される空港である。明るい気分で搭乗手続きができるフロアには、自動チェックイン機が並ぶ。「デルタ航空は早くからウェブチェックインやソーシャルメディアでのサービスを展開。機内でのWi-Fiサービスなどを行い、2013年初旬には国際線でのWi-Fiサービスも始める」(デルタ航空ティム・メイプス上席副社長)が、そうしたITを早くから採り入れたエアラインらしさを感じさせるチェックインフロアだ。セキュリティチェックを抜けると、吹き抜けのスペース「インターナショナル・アトリウム」へと通じる。ここがトランジットエリア(制限区域)の中心。12の出発ゲートはこの「アトリウム」を挟んで左右どちらかの直線上にある分かりやすい構造となっている。館内ではWi-Fiのサービスがある他、出発ゲート付近には電源コンセントもあり、スマートフォンなどモバイル機器の利用者にもうれしい空港だ。ショップやレストランは「アトリウム」周辺およびそのメザナインレベル(中2階)に集中。有名ブランドショップやレストラン、バーガースタンド、さらにはバーカウンターもあるなど充実している。次回は、新国際線ターミナルの象徴的な存在であるラウンジや、空港に投資を行うデルタの戦略などを紹介していく。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月04日機内でインターネットが使える時代になってきた。JALや全日空、シンガポール航空、ルフトハンザ・ドイツ航空などが続々と日本発着の国際線でサービスをはじめている。アメリカ国内の大手航空会社では一足先に普及し、今や当たり前になっている。先日、デルタ航空に乗ったときにトライしてみた。空の上なので接続状態を心配したが、なんの問題もなかった。もちろん高度1万mの上空で地上の無線LANは使えない。送信も受信も衛星を介してになる。アジアやアメリカ、ヨーロッパと地域によって使う衛星は違うものの仕組みは同じだ。速度が遅くなるようなこともなかった。考えてみれば機内にいる乗客の人数は決まっている。都心の花火大会のときのように大人数が一挙にネットにアクセスして通信障害を起こす事態は起こり得ない。実際、メールもSNSもブログもすこぶる順調に利用できた。航空会社が提供するサービスではあるが、有料であり、その料金は外部の会社に支払う。ネットにアクセスする前にクレジットカード決済をする。プランは搭乗1回きりのものから1週間、1カ月など様々で、よく飛行機に乗る人は長期契約もありだろう。料金は1搭乗1,000円前後が相場だ。ただ、同じ航空会社でも利用できるかどうかは飛行機の種類(機材)による。長期プランに入るならその点も見極めたい。機内インターネット接続サービスは2000年代半ばに一度、かなり普及した。航空機メーカーのボーイング社が提供した「コネクション・バイ・ボーイング」というサービスで、数多くの航空会社が採用したが、突然のようにサービスを中止した。アメリカ系の航空会社が採用しなかったのが原因だと言われた。では、なぜアメリカ系が採用しなかったのかといえば、顧客から「やめてくれ」との声があがったからだ。航空会社にとってビジネス客はリピーターであり上級クラスを使う大切な顧客だが、企業の責任者的な立場にあるビジネス客から「機内ではゆっくりしたい。空の上にいるときくらい仕事のメールから開放されたい」と、航空会社に機内でのネットのサービスを採用しないように訴えたというのだ。それなら、今回はどうしてそうならなかったのだろうか。おそらく当時以上にネットが普及して仕事にも生活にも欠かせないツールになったことと、当時ほどネットやメールに”アレルギー”を持つビジネス客が減ったからではないだろうか。「いま機内にいま~す」Facebookなどにそんな書き込みが増えるのが、目に見えるようである。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月03日機内での快適さを左右する一番の要因は、座席の広さだ。特に前後間隔(シートピッチ)が重要だといわれる。科学的なデータがあるわけではないが、航空会社が座席をアップグレードするときに最初に差別化を図るのがこのシートピッチだから、乗客からのリクエストが最も多いことは想像がつく。先日、LCCで福岡から関空経由で札幌までの2区間を乗った。シートピッチは70cmと業界で最も狭いレベルで、座席を倒すと後ろの席の男性が「トイレに立てない」と言うので、ずっと姿勢よくしていたのも影響したのか、札幌に着いた時にストレスがMAXに達した。合計で3時間ほどしか乗っていなかったのだが、言いようのないストレスだった。「これなら、普通の広さの大手航空会社で半日かけてアメリカまで行く方が楽だ」と思えたほどだ。その「普通の広さ」とは平均で80cm強。大手やスカイマークはこのレベルだ。「たかだか10cmではないか」と思う人もいるかもしれないが、その10cmの差で疲れ方は大きく変わるものだ。国際線のデルタ航空では普通のエコノミークラスよりピッチが7cm~10cm広い「エコノミーコンフォート」を設置し、追加料金でアップグレードできるようにしているが、これは7cm~10cm広くすれば快適性が上がることを証明している例だろう。国内線の普通席でシートピッチが広いのはスターフライヤーで約90cm。シート自体も革張りで重厚なつくり。座り心地もよくリクライニング角度も他社より深い。ANAが国内線に導入中の新しい普通席は、座席の背もたれなどが全体的に薄い。そうなると同じシートピッチでも乗客のスペースは自然と広くなるわけだ。また、この新シートは足元にシート支える支柱が少なく足をのばしやすいが、こうしたシート自体のつくりも快適性を左右する。国際線のエコノミークラスのシートピッチは、大手の場合は平均80cm台。ジェットスターが運航する関空 - 台北線はシートピッチ70cmなどと、やはりLCCは狭めだ。大手の中でエコノミークラスのシートピッチが平均より広いのはオセアニアの航空会社。ニュージーランド航空は、他社との競争がほとんどないため航空券の値段が下がりにくいが、その分だけサービスも良質でシートピッチも広めだ。また、かつて成田 - ナンディ線を運航していたエアパシフィックも他社より広い。これは、「フィジー人は身体が縦横ともに大きく、座席を広くせざるを得ない面がある」(同社)。民族的な理由の場合もあるようだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月03日スカンジナビア航空(SAS)はこのほど、成長を続ける米国路線を強化するため、週9便の増便を発表した。2013年4月8日より、コペンハーゲン - サンフランシスコ間路線を開設して週6便の運航、そして2013年4月1日よりコペンハーゲン - ニューヨーク間の深夜便を週3便増便する。同社にとって北米は、成長を続けている重要な市場であり、数多くの国際企業や北欧企業が米国の西海岸と北欧諸国を結ぶ直行便を強く待ち望んでいたという。また、コペンハーゲンからニューヨークへの深夜便の増便を望む声も多かったとのこと。こうした需要に応えるかたちで今回の新規路線の開設と増便が決定したという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月26日エイチ・アイ・エスは、自社の海外航空券オンラインサイトにおいて、航空券検索システムとホテル情報を連携させた同時購入サイトを新しくオープンさせた。このシステムは、以前までは別々に会員登録をしなければならなかった海外航空券やホテルの手配を、一度の会員登録で連携して行えるというもの。会員登録者は海外航空券、ホテルの各検索サイトを単独で利用した場合と同様のサービスを受けられる。航空券検索は、Google傘下のITA softwareが提供する航空運賃計算システム「QPXTM」を採用。全世界94都市119カ所のH.I.S.海外拠点が独自に仕入れる特典付人気ホテルなどをそろえた「H.I.S. VACATION」サイトのホテルと連携し、簡単により早く、おトクな料金で空席・空室が検索可能となった。サイトオープンを記念し、H.I.S.では総額300万円分の割引キャンペーンを展開。バンコクのラグジュアリーホテルに、格安で泊まれるスペシャル企画も実施中だ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月15日列車に乗るためには乗車券が必要だ。しかしある時期、鉄道の乗車券では利用できず、航空券を持たないと乗れない列車が走っていた。ルフトハンザ ドイツ航空が走らせた「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」で、フランクフルト空港駅とデュッセルドルフ空港駅を約2時間半で結んだ。「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」は、ルフトハンザ航空の国内線として設定された列車だ。フランクフルト空港はドイツで最も利用客が多く、デュッセルドルフはドイツ国内第3位の利用客がいた。両者ともハブ空港として機能し、この区間の利用客も多かった。デュッセルドルフは日本人が多い都市で、日本からフランクフルトに降り立ち、デュッセルドルフ行きに乗り継ぐ人も多かった。しかし、フランクフルトとデュッセルドルフは約220km。日本で例えるなら新幹線で東京から長野まで、直線距離だと大阪から米子までとほぼ同じ距離だ。飛行機を飛ばすには距離が短すぎて採算を取りにくく、機材を大型化すれば乗降に時間がかかり、鉄道の所要時間との差は小さくなる。そこで考え出された仰天プランが、「ドイツ国鉄(当時)の団体列車を設定し、航空便として走らせよう」だった。所要時間は少し遅くなってしまうけれど、列車なら都市の中心部に直行できるし、途中のケルンやボンなどの主要都市も結べる。なによりこの鉄道ルートは、ライン川沿いの景色の良いところを走る。海外、とくに日本からの観光客は喜んで列車を選んでくれるだろうという算段だった。「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」は1982年から走り始めた。使用された車両はドイツ国鉄のET403形電車だ。もともとドイツ主要都市を結ぶ特急列車に使うために造られた車両である。全車1等席で、コンパートメントタイプの座席と一般型座席の2種類があった。4両編成で中間車の半分が喫茶室だった。運転はドイツ国鉄の職員が担当し、接客サービスはルフトハンザ航空のパーサーとキャビンアテンダントが担当した。この列車はドイツ国鉄の時刻表には掲載されておらず、ルフトハンザ航空が全世界で配布する時刻表冊子には掲載されていた。つまり、各国の旅行代理店が航空券として予約・発券できる列車だった。フライトナンバーは「LH1001便」から「LH1008便」まで、1日4往復。当時は航空機を乗り継ぐ場合、チケットが何枚も重ねて閉じられた。その中にこの列車の「航空券」も綴じ込まれた。チケットだけでは他の航空便とは見分けがつかなかった。筆者は1983年、デュッセルドルフ空港からフランクフルト空港へ向かう「LH1003便」に「搭乗」。発車後すぐドリンクのサービスがあり、食事も提供された。ドイツパンとサラダ、ハム、ヨーグルトなどが、機内食とまったく同じように、ルフトハンザのロゴ入りの盆や皿に載っていたことを記憶している。「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」はもくろみ通りの好成績となり、1990年には第2の路線としてフランクフルト~シュトゥットガルト間でも運行された。こちらも約200kmで、短距離国内線を列車で代替した形だ。ただし、こちらは電車ではなく、機関車牽引の客車で運転されたという。車体はET403形電車と同じく、ルフトハンザ航空のトレードマークの黄色で、紺色のロゴマークが入っていた。好評だった「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」のフランクフルト~デュッセルドルフ線だが、その後はET403形電車の老朽化もあり、1993年に廃止されてしまった。フランクフルト~シュトゥットガルト線も、ドイツ国鉄のインターシティー網に統合される形で廃止された。しかし、現在もルフトハンザ航空はドイツ鉄道のICE列車の座席の一部を確保しており、フランクフルト~シュトゥットガルト間で「AIRRailサービス」として運行しているという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月09日運賃が激安だとか、機内食や預け荷物が課金制だとか、低コスト航空会社(LCC)が従来の航空会社(レガシーキャリア)と違う点を挙げればキリがない。でも、実際にLCCを使ってみると、旅行者にとって一番の大きな違いは、旅行の自由度だと分かる。日本人の海外旅行が自由化されたのは1964年。当時は様々な制約があり、原則的に一般旅行者はパッケージツアーでしか海外へ行けなかった。大手旅行会社が企画するツアーで、もちろん値段もベラボーに高かった。その後、80年代後半からエイチ・アイ・エスに代表される格安航空券を販売する旅行会社が台頭して航空券代は下がったが、自由度のなさは今でも相変わらずだ。基本的に1社の路線しか使えないため行き先は一定の都市とルートから選ぶしかなく、乗り継ぎ便だと行きも帰りも同じ都市に寄るので効率が悪い。必ず行きと帰りの便を購入してから出発するのもツアーが基準になっているからだ。さらに、格安航空券は予約が確定するかどうかが旅行会社の都合で決まり、やきもきさせられるのも難点だ。ところが、である。LCCの航空券は片道単位で購入でき、旅程も自分で自由に決められる。つまり、国内線や新幹線と同じ感覚で使えるのだ。具体的にこんなケースがある。上海でおいしい広東料理を食べ、香港でスパや高級系ホテル滞在を楽しみ、シンガポールでカジノにチャレンジし、クアラルンプールで値ごろ感のある買い物をする。この旅をLCCですると、茨城→上海、上海→香港を春秋航空、香港→シンガポールをジェットスター・アジア、シンガポール→クアラルンプールをエアアジア、クアラルンプール→羽田をエアアジアという効率的なひと筆書きの旅ができる。値段は時期によるが、今年6月下旬から7月上旬までの間なら、全部で約3万3,000円と激安だ。エアアジアのように燃油代がゼロのケースもあるなど、LCCは燃油代の負担も小さい。これと同じルートを回れるレガシーキャリアはない。そう、ないのだ。どんな航空会社にも乗れる、いわゆるノーマル運賃を使えば回れるが、値段がベラボーに高く論外だ。あえてレガシーキャリアを使うなら、上海と香港の旅、シンガポールとクアラルンプールの旅と、2回に分けなければならない。値段も高くなり、同時期で、前者が中国東方航空利用で2万1,000円、後者がシンガポール航空利用で3万8,000円、合計5万9,000円。これに燃油代がかかる上に、2回行けば空港までの交通費は単純に2倍だ。もちろん、レガシーキャリアの航空券で行ける都市から行き先を選ぶ、あるいは出発直前に予約をするといった工夫をしたり、さらには機内食が付いていて預け荷物も一定量まで無料という特徴を考えるとレガシーキャリアの方が安いケースもある。ただ、自由度の高さという視点ではLCCの方が上だということである。ネットで即予約できるので、極端な話、出発便だけ買って行き、途中で行き先を考えながら航空券を買ってもいいのだ(国によっては、帰りの便の航空券やその控えの提示を求められるので注意)。ちなみに、LCCは片道単位の発券だから、それを繰り返して旅すればやがて地球を一周できてしまう。航空券代だけなら、20万円台でアジア、オセアニア、北アフリカ、ヨーロッパ、北米、ハワイという世界一周旅行が実現できる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月08日デルタ航空は7日、国際線長距離路線において好評を得ているというエコノミークラスのプレミアムシート「エコノミーコンフォート」を短距離路線にも導入する。飛行距離が750マイル(約1,207km)を超えるデルタ航空の全運航便に導入となり、日本発着路線ではボーイング757-200型機を使用しているグアム、サイパン、パラオ、ソウル行きの便が追加され、日本発着の全ての便にエコノミーコンフォートの座席が設置されることになる。同座席は、同社が保有する幹線用機材550機以上のエコノミークラスの前方3~5列目に配置され、標準的な国際線エコノミークラスの座席よりも足もとが最大4インチ(約10.2cm)広く、リクライニング角度が1.5倍となる。利用者は、国際線エコノミークラスでの標準サービスに含まれる食事、ビール、ワイン、日本酒、エンターテインメント、ブランケット、枕の無料サービスに加え、優先搭乗サービスと、カクテル、リキュール類を無料で楽しむことができる。また、個人用モニター搭載の機材では、各座席に電源が設置されているほか、HBOチャンネルのテレビプログラムなど、無料コンテンツを楽しめる。同シートを利用するには、エコノミークラスの航空券を購入した場合は、該当路線の飛行距離に応じて追加料金を支払う必要がある。片道あたり米国内線は19米ドル~、国際線の短距離路線は40米ドル~、国際線長距離路線は最大180米ドルを追加することで、エコノミーコンフォートの座席を選択できる。正規運賃のエコノミークラス航空券購入の際は、無料で変更が可能となっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月04日一般にささやかれている航空業界のウワサ。その中でも多くの人が気になるのは、「CAの採用基準に『容姿端麗』との項目があるのか」ということではないだろうか。答えから言おう。それは、「ある」だ。サービスで世界一の座に君臨するアジア系航空会社のある担当者は、筆者のインタビューにはっきりとこう答えた。「CAの採用基準に容姿はあります。それも顧客サービスの一部ですから」。どこかの団体が聞いたら怒りで卒倒しそうな話だが、少なくともアジアでは珍しい話しではない。CAはまだまだ社会的なステータスのある仕事であり、「花嫁修業」として短期間だけ働く制度を設けている航空会社は多い。短期間であってもCAには安全管理という重要な要素があるので、厳しい訓練を終えて乗務し、もし乗客からクレームが来たら再度、訓練生に戻されることもある。それだけ厳しい世界なのだ。それでもCAへの応募者は多いので、「容姿端麗」な人材を採用する余裕があるのである。同じ質問を日系の大手航空会社に何度かしたが、そこは少しでも差し障りのある事柄には本音を言わない日本人。案の定、言葉を濁す。一方、アメリカでは、そんな答えをしようものなら、女性差別だと訴えられかねない。しかし、筆者は少なくとも明らかに乗客の気分を害するようなCAにはこれまで一度も遭遇したことがない。というより、たとえ多少ふっくらしていたとしても、ユーモアがあったり、細やかな気配りができるCAであれば気分を害されるわけがない。アメリカ系航空会社には社会性を反映してか、ユーモアのあるCAが多く、感心させられる。逆に、どんなに「容姿端麗」でも怒ったような表情で仕事をされると印象は悪くなる。つまり、CAには「サービス業」としての能力が必要なのであり、航空会社の採用担当者はその適性を見抜いているということなのだろう。ちなみに、身長が一定の基準を下回ると上部の荷物棚に手が届かないなど、業務を円滑に運べないなどの理由で採用されない項目はある。比較的身長の低いアジアでも背の高いCAが揃っているのは、そのためだ。なお、男性CA、つまりスチュワードに「容姿端麗」かどうかの採用基準があるかは、筆者は興味がないので質問したことはない(笑)。ただ、あるベテランのスチュワードは、インタビューでこう答えてくれた。「お客様からクレームを言われたことは一度もない。常に細やかな気配りをし、要望を把握し、リクエストには的確に対応できるように心がけています」。はい、それで十分です!!一般にささやかれている航空業界のウワサ。その中でも多くの人が気になるのは、「CAの採用基準に『容姿端麗』との項目があるのか」ということではないだろうか。答えから言おう。それは、「ある」だ。サービスで世界一の座に君臨するアジア系航空会社のある担当者は、筆者のインタビューにはっきりとこう答えた。「CAの採用基準に容姿はあります。それも顧客サービスの一部ですから」。どこかの団体が聞いたら怒りで卒倒しそうな話だが、少なくともアジアでは珍しい話ではない。CAはまだまだ社会的なステータスのある仕事であり、「花嫁修業」として短期間だけ働く制度を設けている航空会社は多い。短期間であってもCAには安全管理という重要な要素があるので、厳しい訓練を終えて乗務し、もし乗客からクレームが来たら再度、訓練生に戻されることもある。それだけ厳しい世界なのだ。それでもCAへの応募者は多いので、「容姿端麗」な人材を採用する余裕があるのである。同じ質問を日系の大手航空会社に何度かしたが、そこは少しでも差し障りのある事柄には本音を言わない日本人。案の定、言葉を濁す。一方、アメリカでは、そんな答えをしようものなら、女性差別だと訴えられかねない。しかし、筆者は少なくとも明らかに乗客の気分を害するようなCAにはこれまで一度も遭遇したことがない。というより、たとえ多少ふっくらしていたとしても、ユーモアがあったり、細やかな気配りができるCAであれば気分を害されるわけがない。アメリカ系航空会社には社会性を反映してか、ユーモアのあるCAが多く、感心させられる。逆に、どんなに「容姿端麗」でも怒ったような表情で仕事をされると印象は悪くなる。つまり、CAには「サービス業」としての能力が必要なのであり、航空会社の採用担当者はその適性を見抜いているということなのだろう。ちなみに、身長が一定の基準を下回ると上部の荷物棚に手が届かないなど、業務を円滑に運べないなどの理由で採用されない項目はある。比較的身長の低いアジアでも背の高いCAが揃っているのは、そのためだ。なお、男性CA、つまりスチュワードに「容姿端麗」かどうかの採用基準があるかは、筆者は興味がないので質問したことはない(笑)。ただ、あるベテランのスチュワードは、インタビューでこう答えてくれた。「お客様からクレームを言われたことは一度もない。常に細やかな気配りをし、要望を把握し、リクエストには的確に対応できるように心がけています」。はい、それで十分です!!【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月18日LCC(LowCostCarrier)と略される格安航空会社の参入が日本でも相次いでいます。これにひきずられるように正規航空会社のチケッも安価になる傾向が強くなっています。ひと昔前までは考えられなかったような価格で旅行できるのを知っていますか?調査期間:2012/4/3~2012/4/7アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 1000件(ウェブログイン式)スカイマーク(Skymark)を皮切りに、ピーチ(peach)、ジェットスター・ジャパン(JetStarJapan)など、日本の空にも格安航空の波が確実に押し寄せてきてします。■ジェットスターの爆安価格先日登場したジェットスターは気合の入った格安航空会社です。7月3日から順次運行開始となりますが、東京(成田空港)発-大阪(関西空港)着を3,990円~、東京(成田空港)発-札幌(新千歳空港)着を4,590円~、東京(成田空港)発-沖縄(那覇空港)着を6,990円~で提供するとしています。東京在住の人間としては、成田が羽田になったらなあと思わないではないですが、しかし激安価格であることに変わりありません。まだ明らかにされていない上限価格が少し気にはなりますが。■最低価格の誓い(笑)「ジェットスターの最低運賃よりも安い他社の同クラスの航空運賃をインターネット上で見つけられた場合、当社はその運賃よりさらに10%値引きいたします」といサイト上で表明しています。どこかの家電量販店で聞いたような話ですが、ここまで気合の入ってるのはスゴイです。ジェットスター公式サイトにある最低価格保証の表明部分■大阪拠点のピーチピーチは大阪を拠点として格安フライトを提供している会社です。参考価格を挙げてみましょう。「ハッピーピーチ」コースで、大阪(関西空港)発-札幌(新千歳空港)着を 4,780円~14,780円大阪(関西空港)発-福岡(福岡空港)着を 3,780円~11,780円大阪(関西空港)発-鹿児島(鹿児島空港)着を 4,280円~13,280円となっています(上記運賃適用期間:2012年3月1日~6月30日搭乗分) 。「ハッピーピーチプラス」コースではちょっと高くなりますが、それでも、大阪(関西空港)発-札幌(新千歳空港)着を 6,480円~19,780円大阪(関西空港)発-福岡(福岡空港)着を 5,480円~15,780円大阪(関西空港)発-鹿児島(鹿児島空港)着を 5,980円~17,780円です(上記運賃適用期間:2012年3月1日~6月30日搭乗分) 。価格の上下変動があるのは込み具合の変動があるからで、やはり利用客が最大になるゴールンデンウイークなどは最高値です。ただし、ビジネスで平日に行くとか、あまりニーズのなさそうな日を選べば格安の恩恵を十分受けられそうです。時間とコストを考えると電車で行くのがバカバカしくなる価格ですね。■ピーチ:コースの違い「ハッピーピーチ」と「ハッピーピーチプラス」の違いは自由度の差です。「ハッピーピーチ」コースでは、受付手荷物、座席指定、フライトの変更・取り消しが全部有料です。「ハッピーピーチプラス」の場合には、受付手荷物1個無料、座席指定はスタンダードシートは無料だけどストレッチシートは有料、フライトの日付・時間変更はインターネット経由でやれば無料、フライトの取り消しは有料です。両コースともチケットの払い戻しはできません。■一番お金のかからない人とはほとんど荷物を持たずに、座席なんかどこでもよくて、絶対にその日のその時間に飛行機に乗るぜ!という人であれば一番安価に飛行機を利用できるわけですね(笑)。必ずその日のその時間の会議に出張で出かけるんだなどの、かばんひとつで乗り込むビジネスマンなどはピッタリだと思います。ほかにも格安航空会社はありますが、これら格安チケットを利用したことのある人はどれくらいいるのでしょうか?マイナビニュース読者に聞いてみました。■日本でも激安航空会社が次々登場していますが、あなたは激安チケットを購入したことがありますか?はい5.1%いいえ94.9%というわけで、まだほとんどの人が利用したことがないようです。その内容を聞いてみると……。■スカイマークの航空券で関空から札幌まで1万5,000円だった(大阪府/男性/28歳)スカイマークはもう老舗の格安航空会社ですね。1万5,000円というのは安い方なんですが、前述の価格を見ると高価に見えますね。■関空⇒札幌間往復500円(京都府/女性/29)これは驚愕です。往復500円!?何かのキャンペーンの時に搭乗されたのでしょうか!■関空~鹿児島が6,500円(兵庫県/女性/30歳)これは激安です。電車を乗り継いで移動するのがアホらしくなるほどですね。■関空-台北で片道9,000円(東京都/男性/27歳)台湾まで行って片道1万しない!国内を移動するより海外に行った方が安価な時があるんです。■熊本-大阪間が8,000円(熊本県/男性/54歳)安いです。ちなみに大阪-熊本を乗り換えゼロで電車で移動すると10時間かかって9,000円です。これより安くはなりません。飛行機の場合、安全面は気になりますが、とにかく安いのは助かります。まだ使ったことのない95%の人も、ぜひ航空チケットの価格を確認してみてください!(谷門太@dcp)ジェットスタージャパンの公式サイトピーチの公式サイト
2012年05月16日ガルーダ・インドネシア航空は28日、「羽田(東京) - デンパサール(バリ島)線」を新路線として開設する。羽田発1時、デンパサール着7時で、月曜・水曜・金曜・土曜・日曜の運行となる。デンパサール発は火曜・木曜・日曜が15時30分、羽田着23時30分。金曜と土曜はデンパサール15時発、羽田23時着となる。運賃は、「よくバリ45」(45日前までの購入)利用で往復5万9,000円~(航空保険料、燃油サーチャージ、各空港利用料等除く)。同路線は、日本を深夜に出発する唯一のインドネシア行き。7時にバリ島に着くため初日からリゾートを楽しめる。また、デンパサール経由で、近年ビジネス需要の高いジャカルタなどの主要都市へも同日午前中に着くことが可能という。この新路線開設は、同社の日本就航50周年を記念したもの。13日には同社最高経営責任者のエミルシャ・サタル氏が来日、都内で同社の今後の展望、経営戦略について記者会見を行った。サタル氏は就航50周年に感謝を述べ、新路線開設についても「羽田に就航することで、日本からの東京周辺以外の地方利用者も取り込むことができる」などと話した。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月17日前回に引き続き、今回も航空会社の安全性についての話題。現在はデルタ航空となったノースウエスト航空。この航空会社が1990年代の一時期、たびたび機材トラブルなどで出発した後に空港へ引き返したり、フライトをキャンセルしたことがあった。では、ノースウエスト航空は特に危険な航空会社だったのかといえば、そうではない。航空会社の安全基準は、その航空会社の「国籍」によって決められる。ノースウエストはアメリカの航空会社だから、アメリカの安全基準によって運航される。そして、一般に欧米(旧西側)諸国は安全基準が厳しい傾向にある。だから、アメリカ基準のノースウエスト航空では空港へ引き返すようなトラブルでも、たとえばアジアのある航空会社では問題なく飛んでいるというケースもあるのだ。トラブルが表面化する回数が多いからといって安全性に問題があるとはいえないわけで、むしろ厳しい基準と情報公開により信用できるともいえるのだ。しかし、これは逆にいえば日本に就航している航空会社は、一概に安全とは言い切れないということだ。利用者目線からいえば当然、政府なり関係機関が何らかの安全基準をもって日本就航の許可を与えていると思うだろうが、そうではない。例えばEUでは、安全性に問題のある航空会社の”ブラックリスト”をつくって、リストに上がった航空会社の域内への乗り入れを制限している。一時期、続けて墜落事故を起こしていたガルーダ・インドネシア航空がこの中に入ったことがある。しかし、その頃(2000年代半ば)の日本にはガルーダの飛行機が普通に飛んで来ていた。今はガルーダの安全性は改善されてリストから外れているが、当時航空業界ではかなり話題になった。ここ10年間で航空機事故の割合は、100万フライトに1回程度から約300万フライトに1回と大幅に減った。しかし、利用者の願いは事故率ゼロである。航空需要は増すばかりで特にアジアではLCC(低コスト航空会社)をはじめとする新しい航空会社が続々と誕生し、業界の規制緩和で国のバックアップのない航空会社が次々に日本に就航している。資金力のない航空会社が事故を起こせば、補償の面で問題が出る可能性もある。何らかの安全基準を設けることも必要だと考えるのは筆者だけではないだろう。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月06日三菱UFJニコスは4月1日から、プラチナ会員限定のポイント移行サービス「マイレージプログラム」に、韓国の航空最大手、大韓航空が運営するマイル「スカイパス」を追加すると発表した。「スカイパス」は、有効期限が10年でマイルを家族で合算できることが特徴。貯めたマイルは、同社の航空券への交換や座席のアップグレード、提携ホテルの宿泊代金の割引などに利用できる。プラチナ会員、つまりMUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カードの会員は、同カードの利用金額に応じて貯まるポイントプログラム「グローバルポイント」の利用が可能。各種商品との交換以外に提携マイルへの移行(「マイレージプログラム」利用)などができる。従来のマイル移行の対象は、日本航空の「JALマイレージバンク」、シンガポール航空の「クリスフライヤー」、デルタ航空の「スカイマイル」だったが、今回、大韓航空の「スカイパス」が追加された。スカイパスの換算率は「グローバルポイント」1ポイントがスカイパスの8マイルとなる。移行単位は200ポイント以上、100ポイント単位。参加年会費は3150円(税込)。移行手数料は1回の申し込みにつき6300円(税込)。1回の申し込みで移行できるポイントの上限は3800ポイント。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月30日民間旅客機の事故は、どれくらいの確率で起きているのか。よく航空機事故の確率を車の事故と比較して30数分の1しかないなどといわれるが、プロのパイロットが操縦する航空機と、一般の人が運転する自動車とを比較してもあまり意味はない。航空業界では長らく、100万フライトに1回が常識とされてきた。ツインタワービルに旅客機が激突する映像が強烈だったアメリカ同時多発テロ事件の起こった2001年は、実はその前年より航空機事故の数は減っており、必ずしもイメージとは一致しないものだ。イメージと一致しないといえば、近ごろ話題を呼んでいるLCC(Low Cost Airline=低コスト航空会社)も同じで、「予算がないなら安全面でも手を抜いているのでは? 」という先入観が結構あるらしい。しかし、それはちょっと違う。LCCには大きな後ろ盾はない。一度でも死亡事故でも起こせばたちまち倒産してしまう。LCC先進国であるアメリカでは、1996年にバリュージェットというLCCが墜落・死亡事故を起こしたが、その後バリュージェットの名は航空業界から消えた。分かりやすいのがJALとの比較だ。単独機としては世界最多数の犠牲者が出したJALは、遺族への補償の関係でつぶすにつぶせない事情もあったとはいえ、その後も運航を続けた。同社が2010年に経営破たんしたときにも、国の手厚い保護があったことは記憶に新しい。しかし、LCCが保護してもらえる理由はない。そこで、機内サービスや人件費や事務所の家賃や電気代などあらゆるコストを削減し、その分を安全面に投資するというのはLCCの半ば常識となっている。中にはそうでないLCCもあるかもしれないが、そういうところが多いようなのだ。実は、民間航空機事故の確率が「100万フライトに1回」という業界の常識は、ここ10年で格段に改善されている。2000年と2010年の世界の航空旅客数を比較すると約1.5倍に増えている(日本航空機開発協会・資料)。特にLCCの需要はここ10年でグングンと伸び、10年前はその需要がゼロに近かったアジアの場合、LCCの市場スコアは20%近くまできている。一方で、航空機事故の発生率は下がり続け、2010年は過去最低、2011年はさらにそれを更新し、100万フライトにつき0.37回となった(国際航空運送協会調べ)。つまり、約300万フライトに1回と、3分の1まで減少したのだ。LCCが需要をのばしたここ10年で、航空機事故の発生率は格段に下がった。LCCの安全性を示す1つのデータといえるだろう。もちろん、LCCだけでなく大手航空会社の安全性も同時に高まっていることは言うまでもない。最後に、いまの航空機の安全性が飛躍的に高まった背景には、航空機メーカーや航空会社を中心とする関係者の努力があるからで、日航機事故を含む過去の事故への反省も教訓となっている。そういう意味で、過去の事故とその犠牲者および遺族のことを忘れてはならない。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月16日今年は3月のピーチ・アビエーション、7月のジェットスター・ジャパン、8月のエアアジア・ジャパンと、新しい低コスト航空会社(LCC)の新就航が続く。LCCといえば、ピーチが関空 - 札幌・福岡を片道250円で、スカイマークが成田 - 札幌・旭川・福岡・那覇を片道980円で販売するなど、大手にはないキャンペーン運賃や激安運賃で話題を呼んでいる。そんな驚きの運賃が出せるのは、LCC(Low Cost Carrier=低コスト航空会社)という名の通り、運航・営業上の経費を低く抑えるビジネスモデルを採用しているからである。ただしコストが抑えられているからといって、すべてのLCCが安さだけをウリにしているわけではない。世界には様々な航空会社があるが、JALやANAのような長距離線も短距離線も国際線も国内線も幅広く運航するネットワーク・キャリア(大手航空会社)に入らない比較的低コストで運航している航空会社はすべてLCCに分類される傾向が強い。そのため、LCCには格安運賃をウリにする航空会社だけでなく、一部ローカル路線を運航する航空会社や上質なサービスを体験できるLCCもあるのだ。ドイツのエアベルリンは、路線にもよるが食事やキャンディー、新聞、雑誌などを無料で提供し、日本にも就航しているエアプサンではおにぎりが無料で出される。エアプサンは韓国のLCCだが、韓国では軽食が出ない航空会社は極端に人気が落ちる。そういう国内事情が色濃く反映されているのもLCCのおもしろいところだ。また、上級クラスを設置しているLCCも少なくない。例えば、全長2m近いベッドがあって隣の人の顔が見えないように個室タイプになっているような、超豪華で大手のビジネスクラスのような座席はない。そもそも長距離路線を運航するLCCは少なく、そこまで豪華な座席は必要ないのだ。それよりも、そこそこ快適であり、ポケットマネーで乗れるような上級クラスであるほうが喜ばれる。日本路線でいえば、羽田 - クアラルンプールを運航するエアアジアXの「プレミアムクラス」は片道6万2,000円(2012年3月)で乗れる。成田 - クアラルンプールをマレーシア航空のビジネスクラスで往復すると16万円前後~で、JALなら20万円弱~。LCCは片道単位での販売だから、片道だけ上級クラスにすれば、大手よりずいぶんと安上がりだ。エアアジアXは行きが24時前に羽田を出る深夜便なので、この便を「プレミアムクラス」にするという使い方もあるだろう。そもそも、LCCは「Low Cost Carrier(ロー・コスト・キャリア)」であって、必ずしも「Low Price Carrier(ロー・プライス・キャリア)」ではない。サービスの特徴やクラスも考えて、コストパフォーマンスの良いLCCを利用するのが賢い方法だ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月02日格安航空会社(LCC)のPeachを経営するPeach Aviationはこのほど、3月1日に就航予定の大阪(関西) - 札幌(新千歳)線について、キャンペーン運賃「春のもぎたてスペシャルプライス」の販売を開始した。同キャンペーンでは、期間限定で同路線の一部座席(1割程度)を片道3,480円で販売する。正規価格は4,780円~1万4,780円。対象期間は4月9日~25日の搭乗分(対象外の便あり)で、各搭乗日60日前の8時から同社Webサイトおよびコンタクトセンターにて発売する。なお、運賃には別途支払手数料(1人あたり1区間毎に210円)が加算される他、手荷物の預け入れ・座席指定についても別途料金が必要となる。また、コンタクトセンターにて購入した場合は、別途予約手数料(1人・1区間毎に1,050円)が加算される。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年02月17日格安航空会社(LCC)のPeachを経営するPeach Aviationはこのほど、2012年サマーダイヤ(3月25日~10月27日)の国際線運航スケジュールを発表した。5月以降、ソウル(仁川)線、香港線、台北(桃園)線へ順次就航。5月8日からは大阪(関西) - ソウル線を1日1往復にて運航し、7月1日から1日3往復に増便する。また、7月1日から大阪(関西) - 香港線を1日1往復、9月30日から大阪(関西) - 台北線を1日1往復にて計画。料金は決定次第発表する。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年02月14日トルコ航空では2月12日より20日まで、成田・関西空港発エコノミークラス往復航空券を2人合わせて¥50,000、成田空港出発コンフォートクラス(プレミアムエコノミークラス)往復航空券を2人合わせて¥100,000で販売する「バレンタイン・デイキャンペーン」を実施する(燃油サーチャージと空港税は別途)。成田発はイスタンブール・ヨーロッパ各都市行き、関空発はヨーロッパ各都市行きのみ利用が可能。 最短滞在4日から最長滞在14日間まで。小児・幼児運賃の設定はなく大人運賃と同額になる。入国都市と出国都市を別にするオープンジョーが可能。発券、出発後の変更、払い戻しは不可だが、すでに予約は受け付けは始まっている。成田発で飛ぶなら、価格を優先してエコノミークラスか、シェフによる機内食サービスもご自慢のゆったりシート、コンフォートクラスで飛ぶか、迷ってしまう。まずは、一緒に飛んでくれる相手を探して、このチャンスを生かしたい。お問い合わせ: トルコ航空 公式サイト 取材/小野アムスデン道子
2012年02月06日エイチ・エス損害保険(株)は、10月28日より、携帯電話からのモバイル契約に限定した<国内航空傷害保険>の販売を開始する。国内航空機に搭乗中のケガに絞っての手厚い補償ワンフライト保険(国内航空傷害保険)は、補償を日本国内の航空機に乗客として搭乗中のケガに絞り、死亡・後遺障害保険金、入院・手術保険金、通院保険金について手厚い補償とした商品という。さらに、好評な海外旅行保険・国内旅行総合保険と同様、保険金支払の履行期間を請求(書類提出)完了日から 原則15営業日以内に設定し、保険金の支払いを迅速化することで、契約者に満足してもらえる高品質の商品としたとのことだ。なお加入は、携帯電話から下記のサイトにアクセスして契約することになり(スマートフォン未対応)、保険料はワンフライト毎に480円となっている。【ワンフライト保険概要】1.出発地から目的地までのワンフライト(1飛行)が対象2.被保険者(補償対象者)は20歳から70歳まで3.ケガによる死亡・後遺障害・入院・手術・通院を補償4.対象となるケガ:ア.航空機に搭乗中のケガイ.搭乗者に限り入場を許されている飛行場構内におけるケガウ.飛行機の不時着時には目的地または出発地に赴くために航空会社提供の交通乗用具に搭乗中のケガ(イ・ウは定期・不定期航空事業者が路線を定めて運行する航空機の場合)5.保険料はワンフライト(1飛行)480円
2010年10月30日インターネットで航空券の予約や購入をする場合、サイトの下部に抱き合わせで保険販売が行われており、多くの市民が騙される形で加入することがあるようだ。遼寧省の鞍山市(あんざん-し)の市民が、ある民営航空会社のオフィシャルサイトから航空券を予約し購入しようとしたところ、請求金額が20元高くなっていた。調べてみたところ、その20元は航空傷害保険費であることがわかった。「保険不要なら選択」……通常は「要るなら選択」では?予約の際に目に付きにくい場所に保険の案内が載せられており「保険が不要の場合には選択してください」と表記してある。通常ならば「保険が必要な場合には選択してください」と表記されているはずであり、危うく引っかかるところだったという。遼寧省のある航空券販売業者は、インターネットで予約・購入する場合には注意して欲しいと呼びかけている。
2010年09月28日