映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】映画が生まれた時からロマコメは娯楽映画の王道だろう。また、その時代も反映されたりする。本作もベタだが、楽しめる。ロースクールに通うビーと金融マンとベンがカフェで出会う。ビー演じるシドニー・スウィーニーがトイレでの必殺アクロバティック股乾かしでひと笑い。行き違いで気まずい別れをするが、その後ビーの姉とベンの女友達のオーストラリアでの結婚式で再会し、お互いの事情で恋人のフリをすることになるが……。後は想像通り。舞台となるオーストラリアの美しいリゾート地や名所のオペラハウスをからめ、思ったよりドタバタコメディになっており飽きさせない。特に崖の上の絶景シーンは抱腹絶倒!音楽もフリとしてちゃんと伏線回収され上手いもの。また女性同士の結婚式が普通の事のようにさらりと描かれているのはイマドキね。主演のふたりが、定石のロマコメを全力で演じきったのが気持ちいい!使い古されたギャグも思いっきりやりきれば面白いね。<作品情報>『恋するプリテンダー』5月10日(金) 公開監督:ウィル・グラック製作:ウィル・グラック、ジョー・ロス、ジェフ・キルシェンバウム脚本:ウィル・グラック、イラナ・ウォルパート出演:シドニー・スウィーニー、グレン・パウエル公式サイト:
2024年04月25日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 橘蓮二のおススメ】昨年10月に真打ち昇進を果たした一龍斎貞鏡先生が講釈師としては初、能楽の聖地・国立能楽堂の舞台に挑む公演『貞鏡傳~一龍斎貞鏡ひとり会~』が5月4日(土・祝) 13時より千駄ヶ谷・国立能楽堂にて開催される。静謐な胎動を感じる能楽の舞台には寄席・演芸場とは異なる神が存在している。そんな神宿る空間では技術と共に演者の高い精神性、つまり芸道に対峙する表現者としての生き方が問われる。公演を前にした「夢にまで見た国立能楽堂での独演会。講談の独演会は国立能楽堂史上初めてのことで武者震いがいたします。【一龍斎貞鏡伝】という長いお物語の幕が開きます」の言葉には高座にかける一途な想いと講釈師の矜持が屹立している。凛とした美しさと切れ味鋭い語り口が“場”に融和する時、芸能の神は優しく微笑みかける。風薫るゴールデンウィークの昼下がり講談ファンのみならず全ての演芸ファンにオススメです!お見逃しなく!<公演情報>『貞鏡傳~一龍斎貞鏡ひとり会~』5月4日(土・祝) 東京・国立能楽堂開演 13:00【演目】講談『那須与一 扇の的』講談『幡随院長兵衛 芝居の喧嘩』講談『忠臣義士 二度目の清書』【チケット料金】前売:3,800円当日:4,000円※全席自由席チケットはこちら:()
2024年04月25日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】陳腐なタイトルに興味がそそられた。南米に棲むナマケモノがフトした事からアメリカの大学女子寮のマスコットになる。しかし、そのナマケモノは超獰猛な殺人ナマケモノだった。全編SNS画面が映し出され、イマドキ女子大生のポップでガーリーなライフスタイルが面白おかしく描かれる。女子寮の会長選挙もからみ地味なエミリーと一軍高慢ちきブリアナの対決が軸となる。ナマケモノはアルファと名付けられるが、一見ノロくて可愛いけど殺人シーンは残忍で素早いギャップが楽しい。しかもスマホを操り、SNSまで使いこなし、車まで運転できちゃう。また、このCG全盛時代にアニマトロクスのパペットで動かしている!でも、それがチープな手作り感があって魅力にもなっている。随所にジャンル映画のオマージュが挟み込まれ、最後まで悪ノリし続けるのは立派。100%期待しない映画が予想以上の面白さに出くわすと得した気分になるネ。<作品情報>『キラー・ナマケモノ』4月26日(金) 公開監督:マシュー・グッドヒュー製作・脚本:ブラッドリー・フォウラー、キャディ・ラニガン■出演リサ・アンバラバナール、シドニー・クレイヴン、オリビア・ルーリエ、アンドリュー・ホートン、ビアンカ・ベックルズ=ローズ、ティフ・スティーヴンソン、ステファン・カピチッチ公式サイト:
2024年04月15日7人組ダンス&ボーカルグループ・BE:FIRSTが、24日発売のグラビア週刊誌『anan』2395号「ジャパンエンタメ最新形2024」特集の表紙を飾る。BE:FIRSTが同誌の表紙を飾るのは、3度目になる。シングル「Masterplan」と同じ発売日の今号は、モード感のあるブラックのコーディネートで表紙に登場。そぎ落とした中に際立つ存在感とオーラ、それぞれに個性を感じるモノトーンの着こなしを披露する。誌面では、表紙から一転し、ナチュラルなブルーデニム姿のカットも。自然体のリラックスした表情を収める。扉に掲載の集合ショットは、ちょうど夕日のタイミングで撮影に挑戦したエモーショナルなカット。空がオレンジ色に輝いている一瞬の時間を狙って、自然光にて撮影を敢行した。撮影日は、春の風が少し強めに吹いている日だったため、時間が限られている中、カメラマンをはじめスタッフは苦戦した部分もあったが、メンバーが楽しんで撮影に応じたおかげで、とてもすてきな1枚を撮影することができた。扉のかっこいい写真のほか、オフショットを思わせる笑顔の集合カットも掲載する。モノトーンの衣装では、組みカットも撮影。同誌では毎回、メンバーを組みでも撮影していますが、今号ではまた新たな相手とのトライとなっている。互いのポーズにインスピレーションを受けて即興的に動き、撮影はダンスセッションのようなムードに。ソロでのインタビューのほかに、組んだ相手へのリスペクトメッセージも聞く。さらに、7人の息の合ったトーク満載の楽しい座談会もたっぷり掲載する。新曲のことや初ドームでの裏話などをユーモアたっぷりにわいわいと語る。座談会の最後では「グループでいま現在流行っていること」も明かす。今号では、大河ドラマ『光る君へ』の今後の注目キャスト・塩野瑛久、新世代アイドル・FRUITS ZIPPER、映画として復活する『あぶない刑事』の舘ひろしさ×柴田恭兵、『シティーハンター』の実写化主演が実現した鈴木亮平など、今をときめくジャパンエンタメの立役者たちが勢ぞろい。CLOSE UPには、山下智久が登場する。
2024年04月15日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 山本益博のおススメ】上野鈴本、新宿末広、浅草演芸場など、寄席の定席は上席中席下席と各10日間興行である。31日のある月は、その日を「余一会」として「独演会」などの特別興行をおこなう。近年、上野鈴本は「余一会」の特別興行を定席でもおこなうアイデアで話題を呼んでいる。人情噺『柳田格之進』を連日トリで違った落語家が高座にかけたり、先日の「落語協会百年興行」での、人情噺『百年目』を毎日組み合わせの違う真打のリレーで聴かせたりしてきたのが、それである。4月下席の昼は「小満んと小朝のたっぷり寄席」と題して、仲入り後、春風亭小朝と柳家小満んがそれぞれたっぷり一席ずつ高座にかけるという趣向。最近、落語界もコラボばやりだが、このふたり、かなり対照的な芸風といえるが、共通しているのは高座の風格、品格。例えばだが、初日に小朝が『愛宕山』を演じ、二日目に小満んが『愛宕山』をかけたら、両者の噺の運びの違いによって、『愛宕山』という名作が一段と輝くこと間違いなしなのだが。<公演情報>上野鈴本 4月下席「小満んと小朝のたっぷり寄席」4月21日(日)~30日(火) 鈴本演芸場
2024年04月05日世間にあふれる番組やコンテンツの数だけ、数多くの言葉が紡がれている。そんなあふれる言葉の波の中から、気になるものを紹介する連載【エンタメ言葉帳】。第12回となる今回は、日本テレビ系夜の報道番組『news zero』(月~木後11:00、金曜後11:30)のメインキャスターを1日から担当することになった藤井貴彦アナの“冒頭のあいさつ”と“エンディングのメッセージ”に触れたい。藤井アナは「好きな男性アナウンサーランキング」(ORICON NEWS)で1位に輝くなど、『news every.』のメインを14年間務めてきた“日本テレビ史上最長の夕方の男”。3月末をもって、日本テレビを退社し、『news every.』は同月22日をもって卒業した。藤井アナは、『news every.』最後のあいさつで「14年間本当にありがとうございました」と改めて共演者や視聴者に感謝。「自分のことを言うことが苦手だということが分かりました。いい言葉、自分のために作ってみようかなと思ったんですけど、ここ2、3日全然出なくて。やっぱり誰かの背中を押すことしか自分にはできないのかなと。だから一緒にいる仲間がすごくありがたかったです」と呼びかけていた。涙ながらの卒業を経て『news zero』への初登板を迎えた。藤井アナがいたのはスタジオではなく、石川県だった。「こんばんは。今夜は、私も櫻井(翔)さんもスタジオではなく、発生から丸3ヶ月が経った能登半島地震の被災地から、お伝えしてまいります」と神妙な顔であいさつをすると、こう続けた。「きょうから『news zero』で、ニュースをお伝えすることになりましたが、そんな自己紹介よりも、もっと大切なニュースを、櫻井さんと一緒に、中継でお伝えしてまいります」。エンディングでは、街頭の灯りだけが照らされた暗い画面の中、藤井アナがやさしい語り口で「新生活を始めるすべての人へ」メッセージを送った。「きょうは、こちら石川県に来る途中に、スーツに身を包んだ、たくさんの新社会人とすれ違いました。どこか不安げで、でも期待にあふれた表情でした。自然と体から生まれてくる、そのエネルギーをぜひ、自分の成長に使ってください。その成長がいつか、社会を動かし、ひいては被災地を動かすエネルギーになるかもしれません。今後、迷い、悩むことがあると思います。その時には、誰かの役に立てるのかを基準に、方向性を決めると、答えがシンプルになります。みなさんの未来の大活躍に、期待しています」。『news every.』時代も、数々の言葉を紡いできた藤井アナだが、昨年インタビューを行った際に、次のようなエピソードを教えてくれた。「先日、中学生、高校生相手に講演を行ったのですが、私が3月11日の東日本大震災の取材に行った時のことをみんなに伝えたところ、中学生にとっては、0~2歳くらいのことなので、まず記憶がない。高校生も、まだ小学校に入っていないぐらいだったので、もう、あの時の厳しい状況が受け継がれなくなってるなと気が付きました」。日々、さまざまなニュースが伝えられる中で、時間の経過とともにどうしても薄れていくものがあるのも事実だ。そんな中、あえて「自己紹介よりも、もっと大切なニュースを」と切り出し、関心を向けつつ、エンディングには新年度にあたっての温かくも力強いメッセージを送る藤井アナの姿に、長年背負ってきた“キャスター”としての強さが垣間見えた。
2024年04月02日映画、ドラマ、マンガなどのエンタメコンテンツには“大枠”と呼べるジャンル・カテゴリーが存在する。『ドラゴンボール』などを筆頭とした「バトル」系、『SLAM DUNK』などを筆頭とした「スポーツ系」などだ。これらは定番コンテンツとして、今なおヒット作が続く。近年では「異世界転生」などもすっかり定番化しているが、一方で、いわゆる「恋愛系」コンテンツは多様性を増しており、近年は特に“乾いた”愛情表現が主軸傾向にある。では、“ド直球”とも言うべきストレートな愛情表現が時代錯誤かというと一概にそうとも言えない。エンタメコンテンツにおける、多様化する恋愛演出の軌跡を辿ってみよう。■トレンドとしての“乾いた恋愛模様”は令和の多様性を象徴1980年代後半~90年代前半にかけて、エンタメ業界において恋愛を主軸においた作品群が軒並み大ヒットを記録。ドラマ『101回のプロポーズ』(91年)における名場面「僕は死にません! アナタが好きだから!!」や『東京ラブストーリー』(91年)における名場面「カ~ンチ、セックスしよ?」など、ケレン味あふれる愛情表現が視聴者の心を鷲掴みにしたほか、CHAGE and ASKAや小田和正などによる、文字通りの珠玉ラブソングがこれを下支えし社会現象を巻き起こした。一方、マンガ界においても『タッチ』の名場面「上杉達也は浅倉南を愛しています。世界中の誰よりも」が多くの男女の心を魅了した。「少女漫画は手塚治虫の手により生み出され、1960年代までは主に男性作家が描いていましたが、1970年代以降は“花の24年組”などを筆頭に女性作家が増え、心情重視のストーリーが一般化。あだち充氏もその影響下にあります」と話すのはメディア研究家の衣輪晋一氏。一方、1995年前後を軸にバブル崩壊による本格的な“不景気”に突入。阪神淡路大震災・オウム事件など、社会を大きくゆるがす災害・事件が立て続けに発生。世紀末感(ディストピア論)が現実味として立ち込める。そんな95年前後を境にエンタメコンテンツのトレンドも一変。代表的なコンテンツとして挙げられるのが「新世紀エヴァンゲリオン」だ。乾いた感情、何のために戦うのか? 誰のために戦うのか? 仰々しく「俺が(私が)世界を救う!」という高い志が希薄となり、「あの子の笑顔が見たいから」というミニマムな願いと「世界を救う」は等価…という“セカイ系”が台頭。この表現方法のトレンドから愛情表現はさらに多様化の一途を辿ることとなる。「自説となりますが、“セカイ系”の流れは1980年半ばから起こった、トマス・ピンチョンやスティーブ・エリクソンら、アメリカのポストモダン文学の影響はかなり大きいと感じます。特にエリクソンは主人公とヒロインを中心とした関係が世界そのものの変容、危機や世界の終末に直結する物語を描いており、日本のサブカルチャーに多大なる影響を与えました。こうした手法はドラマでも日本的に解釈され、『ロングバケーション』など木村拓哉出演ドラマでも多用されるように。瀬名(木村)と南(山口智子)の2人の小さな関係が、その瞬間だけ世界にこの2人しかいないような規模となるファンタジーのような倒錯感を与えました」(衣輪氏)また同時期を代表する作品として避けては通れないのが、『踊る大捜査線』シリーズ。演出面にける押井守作品へのリスペクト、熱血刑事とはかけ離れ“脱サラ刑事”という設定、“組織内組織”における超法規的な活躍といった表現は斬新だった。もちろん恋愛要素もあるが、それはあくまでも補足的に描かれており、そのドライな=“乾いた”描き方はその後、多くの模倣を生むことになる。■ストレートな“恋愛表現”は韓流作品の独壇場に?一方で、ストレートな“恋愛表現”を担っていくことになるのが韓流作品だ。古くは『冬のソナタ』に端を発し、『愛の不時着』(2019年)のブーム、その後も『ユミの細胞たち』(2021年)、『わかっていても』(2021年)など、常に良質な恋愛作品を量産。特に近年は韓国発の恋愛マンガを原作とした映像化(『ユミの細胞たち』、『わかっていても』など)も多いことから、エンタメコンテンツ全般で韓流恋愛モノの強度を物語っている。「韓流作品を語る際、その国民性を避けて語ることはできないと考えます。“乾いた”方向に舵を切った日本社会と比べ、韓国の国民は非常に“感情”を強く重んじており、それが日本少女漫画界の「花の24年組」が模索した“心情”を描くことと非常にリンクしています。『愛の不時着』『梨泰院クラス』をきっかけに韓流作品に触れた人の感想で印象的だったのは、“キャラクターの設定や展開が新しい”だったのですが、これは80年代以前の日本での恋の描き方に近く、“乾いた”時代に生きる日本人にとっては逆に新鮮だったのではないか」(衣輪氏)■近年のマンガ作品の傾向とキャラクターの変遷さて、そこで日本だ。韓流の根底の一つである日本の人気マンガの傾向、人気キャラクターの近年の傾向はどのような流れにあるのか?総合電子書籍ストア『ブックライブ』が主催する“マンガのキャラクター”を讃えるマンガのアワード「マガデミー賞2023」を参考に見ると、実に多様性に富んでいることがわかる。「まず主演男優賞を受賞した『薫る花は凛と咲く』の紬 凛太郎。彼の見た目は怖くて不良っぽいが、仲間思いでヒロインを驚くほど大切にしています。いわゆる“内柔外剛”と呼ばれるパターンで“誤解されがちなんだけど、実は純粋で優しい”という鉄板ジャンル。このギャップ萌えは同賞ノミネートの『山田くんとLV999の恋をする』の山田秋斗も同様であり、さらには作中に『シンデレラ』を彷彿とさせる演出も。つまり“古典”を下敷きにしています」「また面白いのは助演男優賞のヒンメル『葬送のフリーレン』と助演女優賞の一条花『アオアシ』。この2人は登場頻度がかなり低いにもかかわらず強い印象を残し、作品のテーマそのものに寄り添っていたり、物語を動かす起点となっていることで共通。またヒンメルは意味深の指輪をフリーレンにはめてあげる、また一条花はドラマティックに主人公にアプローチする姿も。どちらもあまり出演しないが、強力に心に残る脇役というのは昨今のトレンドかもしれません」さらに今年は“悪役令嬢”ものが多くノミネート。“悪役令嬢”とは乙女ゲームに登場する悪役・サブキャラに転生するパターンのものが多く、そのゲーム内容をよく知っているがゆえに自身の身に降りかかる破滅を回避しようとする物語展開が好評を得ている。「“悪役令嬢”の台頭は異世界転生ものと同じく、“やり直す”“自分の手で変えていく”爽快感があり、暗いニュースばかりで一向に社会の行き詰まり感が拭えない現代日本において、“物語の中だけは”変えていきたいというニーズが背景にあるでしょう。また『悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~』のレミリアを見ればわかるように、“悪”の魅力で絶体絶命の状況を変えるなど、これまでサブだった役柄がメインになることで多くの展開が新たに生まれています。“悪役令嬢”自体が、非常に強度が高いため、その皿に入れてしまえば、『純愛』も『ギャップ萌え』も『ハーレム』ものもいける。実は恋愛表現においても非常に汎用性が高いです」(衣輪氏)■多様な愛情表現は“先人”たちも創作、夏目漱石が表現した「月が綺麗ですね」は令和にこそフィットする?一見、ストレートな愛情表現が陰りを見せ、乾いた恋愛表現が最新トレンドという風潮に見受けられるが、日本のエンタメコンテンツの愛情表現は様々なパターンがあり、多様性がある。これは、日本の国民性である“奥ゆかしさ”に起因するところも大きい。文豪・夏目漱石は、英語教師時代に「I LOVE YOU」を日本語訳にする際、「我、君を愛す」と訳した生徒に注意し、日本人ならば「月が綺麗ですね」と表現せよ、と言い放った逸話が有名だ。英語はもちろん、漢文や漢詩にも精通していた漱石は、それを日本語に訳す際、文化の違いによって様々な表現方法が存在すると感じていたのだろう。実際、韓流ドラマのようなストレートな愛情表現を演じる際、日本人キャストでは違和感が生じることがある。時には“キザ”といった言葉も挙がるだろう。だが日本は古来より舶来文化を喜んで受け入れる文化があり、日本女性も海外の男性からストレートな愛情表現をされることに抵抗がない。つまり異文化であることがある種の“免罪符”になっており、ストレートな愛情表現も自然な流れで受け止められるのだ。先ごろ、漫画表現をネクストステージに押し上げた一人である鳥山明さんが急逝した。誰もがインターネットで自らが紡ぐ物語を発信できるようになった今、先人たちが築き上げてきた英知を活かし、今後もさまざまな“新手”が良質なクリエイターたちによって生み出されていくだろう。どのような「時代に愛される」キャラクターたちが誕生していくか? そして、どのようなアプローチによる新たな愛情表現が生まれるのか? アニメ・マンガ大国である日本だからこそ生み出せるキャラクターや展開は、今後も大きなアドバンテージとなるだろう。(文/中野ナガ)
2024年04月02日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 山本益博のおススメ】年4回開催している私が席亭役の落語会。今回の出演は、出番順に瀧川鯉昇『長屋の花見』、柳家花緑『愛宕山』、柳家喬太郎『ぺたりこん』、三遊亭兼好『庖丁』。鯉昇と花緑は季節に因んだそれぞれお得意の演目で、存分に楽しめる。貧乏長屋の連中を演じさせたら打ってつけの鯉昇と、花緑の幇間一八の奮闘ぶりが見ものである。『ぺたりこん』は三遊亭円丈の作品で、サラリーマンの悲哀を描いた短編、円丈をリスペクトする喬太郎がこれをどう演じるか。新作落語は、後に続くものが継承してこそ、噺が揉まれ、磨かれ、その中のいくつかがいずれ名作落語になってゆく。トリは兼好の『庖丁』。かつて、立川談志がこの噺を自分の独演会にかけるつもりでいながら、結局断念してしまい、その独演会に、ゲストとして『庖丁』を十八番としていた三遊亭圓生をゲストに招いて、高座で一席かけていただいたという、いわくつきの噺。これを、今回、圓生の孫弟子にあたる兼好が高座にかける。<公演情報>第37回『COREDO落語会』4月13日(土) 東京・日本橋三井ホール開場 13:00 / 開演 13:30■出演瀧川鯉昇『長屋の花見』柳家花緑『愛宕山』柳家喬太郎『ぺたりこん』三遊亭兼好『庖丁』■チケット料金全席指定:5,500円チケットはこちら:()
2024年03月31日名匠エンニオ・モリコーネが手掛けた名曲映画2作品が「エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2」と題し4月19日(金)より上映される。この度日本初公開となる『ラ・カリファ』の場面写真が解禁された。91年の生涯で、500作品以上もの映画・TV作品の音楽を手掛けた映画音楽界の巨匠、エンニオ・モリコーネ(1928-2020)。昨年劇場公開されたジュゼッペ・トルナトーレ監督によるドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(21)での大きな感動と称賛を経て、3月22日から彼の出世作である『荒野の用心棒』(64)『夕陽のガンマン』(65)『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(66)の“ドル3部作”が4K劇場リバイバルされるなど、いま再びモリコーネ・リスペクト、再評価の動きが高まっている。この度解禁されたのは、テーマ曲が数あるモリコーネのスコアの中でも人気上位曲となっていながらも日本公開されていなかった『ラ・カリファ』の場面カット。「今世紀最高の女優」(仏CSA調べ)に選出されるなど、ヨーロッパ最大の映画スターとして絶大な人気を誇り、日本でも2022年に「ロミー・シュナイダー映画祭」が開催され盛況を博すなど人気の高い伝説の女優ロミー・シュナイダー。『ラ・カリファ』では許されぬ恋におちる女性を好演しており、その美しさに目を奪われる場面カットとなっている。1970年公開の『ラ・カリファ』は50年の時を経てついに日本での公開が決まった映画ファン必見の作品。永遠のフィルム・マエストロ、エンニオ・モリコーネの功績と存在に改めて想いを馳せながら、ロミー・シュナイダーの美しさに酔いしれたい名作だ。『ラ・カリファ』は4月19日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2024年03月28日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 橘蓮二のおススメ】当コラムでは自分が関わる公演はなるべく取り上げないように心掛けているが(過去一度掲載)今回はご容赦いただき4月21日(日) いわき芸術文化交流館アリオス 中劇場にて開催(13:30開場/14:00開演)される橘蓮二プロデュース「第21回いわきアリオス落語会 桂二葉独演会」をご紹介したい。当公演は現在の落語界で最も注目を集め凄まじい勢いで新時代を切り開く桂二葉さん(という説明すら最早不要)の福島県に於ける初の落語会。当日は桂二葉さんの落語二席をたっぷりお届け。高座を盛り立てるお囃子は「桂二葉チャレンジ」の演奏でお馴染みの井上りちさん、開口一番には5月の二ツ目昇進を間近に控えた三遊亭まんとさんとベストメンバーで臨みます。この機会に長年の落語ファンは元より未だ落語未体験の皆さまも必ずや観る者を魅了せずにはおかない“二葉落語”の圧倒的な世界観を心ゆくまで体感していただきたい。さらにご来場の皆さまには、ささやかながら桂二葉さんのミニパンフレット(橘蓮二撮りおろし高座写真)をプレゼント。お誘い合わせの上是非お越しください!お待ちしております!<公演情報>「第21回いわきアリオス落語会 桂二葉独演会」4月21日(日) 福島・いわき芸術文化交流館アリオス 中劇場開場 13:30 / 開演 14:00■チケット料金指定:3,500円U25(25歳以下):1,500円
2024年03月27日日本クリエイティブバトル実行委員会(四国支ブ長:平宅 正人(株式会社しわく堂 取締役クリエイティブディレクター))は、『エンタメ系まちづくり』をコンセプトに2地域のクリエイター同士が出題された課題テーマに対するアイデアを競いあい、課題解決の新しい切り口の発見をねらう、『株式会社モクラス Presents CREATIVE BATTLE 三豊 vs 高知』を2024年4月27日(土)に開催します。本イベントは、昨年12月の「北九州 vs 熊本」を皮切りに、今年3月開催の「奈良 vs 岐阜」につづく第三弾の開催であり、四国では初開催となります。なお本大会のスポンサー及び課題出題は株式会社モクラス(香川県三豊市、代表取締役 矢野 太一)です。CREATIVE BATTLE 三豊VS高知●CREATIVE BATTLEとは『エンタメ系まちづくり』をコンセプトに、社会課題、地域課題、企業課題等のテーマについて、日本各地のクリエイター達の自由で創造的なアイデアを競う、クリエイターによるアイデアバトルです。CREATIVE BATTLEは、・地域の優秀なクリエイターの発掘・全国の事業者や行政等とクリエイターがマッチングし、クリエイターによる課題解決に向けたアイデア・ヒントの提供・エンターテインメントとして広く公開することで地域間の交流および技術・知識の拡大・促進を目的としています。●基本バトルルール・1チーム3~5名の団体戦です。・スポンサーによって提供されたバトルテーマのそれぞれに対して、両チームとも担当するクリエイターを選出。1テーマを1ラウンドとし、各テーマ毎にバトルを行います。・クリエイターは1人あたり8分でバトルテーマに対するソリューションアイデアをプレゼンテーション。その後、対戦チームのクリエイターからの質疑応答を交えた2分間のブラッシュアップタイムを行います。・アイデアの勝敗は各ラウンド毎に、参加している観戦者の反応で決定します。基本バトルルール開催の様子●バトルテーマ【BATTLE .1】大型UVインクジェットプリンターを使ったヒット商品を企画せよ。家具建材加工業を営むモクラス社。同社が有する大型UVインクジェットプリンターは、ガラスや紙、合板など多様な建材に写真やオリジナルのデザインをプリントすることができる多様な可能性を秘めた設備だ。しかし、同社では現状まだまだこの設備の可能性を最大限に引き出した商品やサービスを提供できていないと考えており、よりクリエイティブなアイデアで思いもよらなかった新しい商品を企画してほしい。【BATTLE .2】三豊鶴を舞台とした新しい活用アイデアを発明せよ。三豊市の瀬戸内海を臨む約150年の歴史を持つ元酒蔵の建造物をリノベーションした『三豊鶴』は、これまで“地域の価値”を醸造する新たな観光拠点として一蔵貸しの宿泊施設、アートイベント、文化醸造レストラン等の活用がなされてきた。この三豊唯一の酒造を営んでいた建造物群をリニューアルした『三豊鶴』を舞台に、クリエイティブな切り口によるこれまでにない新しい活用アイデアを発明してほしい。【BATTLE .3】RACATIチョコレートの新しい楽しみ方を提案せよ。香川県の小さなショコラトリー「RACATI」(ラカティ)は、カカオ豆の選別・焙煎・製造までの全工程を一貫して行う「Bean to Bar」の専門店だ。単一産地のカカオ豆のみで作る「シングルオリジン」にこだわった商品の提供を行なっている。このRACATIのチョコレートの、製造者でも気づかなかいような魅力を掘り起こして柔軟な発想による思いもよらなかった新しい楽しみ方を提案してほしい。●参加クリエイター▼▼▼MITOYO▼▼▼参加クリエイター・三豊/北川 智博― 北川 智博 プロジェクトデザイナー/瀬戸内うどんカンパニー株式会社CUO全国150以上のエリアで「地域資源活用に特化」したローカルビジネス開発事業を行う株式会社MISO SOUPを設立。また民間出資型地域商社プロジェクトに採用され瀬戸内うどんカンパニー株式会社を設立。三豊市では「父母ヶ浜」観光開発や旧酒蔵「三豊鶴」復活プロジェクトなどに取り組み、全国で民間主体の地域社会モデル開発に取り組んでいる。参加クリエイター・三豊/田嶋 颯― 田嶋 颯 起業家/暮らしの交通株式会社 代表取締役1998年東京都江戸川区生まれ。高校卒業以降「学びの関係人口を増やす」をテーマに、複数のNPOに所属・個人で探究学習の推進に取り組む。現在は三豊市に籍を置き、教育委員会と共同でみとよ探究部を企画・運営。また、地方の子どもたちの移動格差からくる教育の選択の格差を是正すべく、地域交通事業者・地域事業者等13社からの出資のもと、暮らしの交通株式会社を設立。参加クリエイター・三豊/横山 裕一― 横山 裕一 ファーマー/瀬戸内ReFarming株式会社1998年生まれ、岐阜県各務原市の出身。徳島県での農業研修を経験する。その後、耕作放棄地という地域の課題を新しい価値に変えることを目指し、2023年に瀬戸内ReFarming株式会社を設立。現在は香川県三豊市を中心に耕作放棄地の活用を促進し、就農者と農業との新しい関わり方を提案・サポート。また、自社でも農業生産に取り組む。▼▼▼KOCHI▼▼▼参加クリエイター・高知/小松 優大― 小松 優大 建築家/小松建築設計室 主宰1983年生まれ。高知県出身。小松建築設計室代表。柚子とお茶農家。こまツアー。高知を拠点に全国で活動する建築家。2022年高知県建築文化賞新人賞。参加クリエイター・高知/西森 達也― 西森 達也 映画監督・映像作家・クリエイター/NIBIIRO DSGNWRKS KOCHI運営1980年生まれ。高知県出身。21歳で起業し、アパレルブランドやグラフィック等のデザイン会社を経営。その後27歳で高知県警察に転職。長年刑事として勤務後、人事部で広報PR動画制作を一任され、「みんよさ踊る警察官」「高校生CMオーディション」などを単独制作。2023年6月に独立し、高知県本山町を舞台とした短編映画「山ノ上の農園で。」など、地元に根差した制作を手がける。参加クリエイター・高知/西森 梢― 西森 梢 料理家/アトリエつむぎ1985年生まれ。高知県出身。管理栄養士として病院に勤務した後、日本料理の板前修業を経て、料理家となる。現在は『アトリエつむぎ』を屋号とし、実店舗は持たず、高知市内のアトリエにて季節の折詰弁当を販売したり、ケータリングや出張料理なども行っている。●スポンサー・課題出題スポンサー・課題出題 株式会社モクラス株式会社モクラス 代表取締役 矢野 太一所在地:香川県三豊市詫間町詫間2112-35●日本クリエイティブバトル実行委員会日本クリエイティブバトル実行委員長 田村 誠一郎― 実行委員長/株式会社タムタムデザイン 代表取締役 田村 誠一郎高知県香南市出身。高知工業高校の建築科から北九州にある読売九州理工専門学校建築学科へ進む。卒業後は福岡市の建築設計事務所、インテリアデザイン事務所に勤務。2011年からは会社勤めと並行して、グラフィックデザイナーとのデザインユニット「余白」として個人活動を開始し、2012年に一級建築事務所として独立を果たす。古民家や空きビルのリノベーションによって地域を再生させるプロジェクトを数多く手掛け、「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」総合グランプリを史上初の3回受賞。香川支ブ長/株式会社しわく堂 取締役クリエイティブディレクター 平宅 正人― 香川支ブ長/株式会社しわく堂 取締役クリエイティブディレクター 平宅 正人香川県観音寺市出身。一級建築士・クリエイティブディレクター。山口大学工学部感性デザイン工学科卒業。設計事務所勤務ののち、2018年三豊市にて「あったらいいなをつくる暮らしづくりカンパニー」をコンセプトに建築設計を主軸としたデザイン事務所、株式会社しわく堂を創業し取締役クリエイティブディレクター(現職)に就任。2020年より、文化財建造物等の保存修理および活用をワンストップで手掛ける一般社団法人 創造遺産機構(兵庫県丹波篠山市)を設立し、理事に就任し、日本全国の文化財活用PJに参画している。●会場・三豊鶴について酒蔵をリノベーションした会場「三豊鶴」酒蔵をリノベーションした会場「三豊鶴」三豊市の瀬戸内海を臨む約150年の歴史を持つ元酒蔵の建造物をリノベーションした『三豊鶴』。解体の危機に面していたこの建物を、地元有志5名の共同出資によって設立した「合同会社三豊鶴」が取得し文化施設としてリニューアル。これまで“地域の価値”を醸造する新たな観光拠点として一蔵貸しの宿泊施設、アートイベント、文化醸造レストラン等の多様な活用がなされています。●開催概要・OUTLINE日時 : 2024年4月27日(土)開場18:30 開演19:00場所 : 三豊鶴(香川県三豊市詫間町詫間5444)観戦チケット : 会場観戦 5,000円(1ドリンク付き) ※先着50名オンライン観戦 1,000円チケット購入はこちら: スポンサー : 株式会社モクラス主催 : 日本クリエイティブバトル実行委員会協力 : 株式会社しわく堂、瀬戸内うどんカンパニー株式会社、暮らしの交通株式会社、瀬戸内ReFarming株式会社、合同会社三豊鶴、合同会社FIZM、小松建築設計室、NIBIIRO DSGNWRKS KOCHI、アトリエつむぎ、株式会社タムタムデザインご案内 : 当日は19:00までにご来場ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月27日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】1960年代は、プロレスが人気スポーツでフリッツ・フォン・エリックの得意技“アイアンクロー”は友達同士でやりあったものだ。本作はフリッツの息子達の悲劇を描く。悪役で成功した父親フリッツは息子達をプロレスラーに育てていく。しかし、兄弟は次々と亡くなり呪われた一家とも呼ばれた。試合シーンもあるが、勝負は重要でなく父親の強烈なプレッシャーと兄弟の絆がメインとなる。主に次男のケビンを通して語られる。彼は器用でなく優しい男なので父親から叱責される。三男のデビッドは才能と華もあり、すぐにケビンを追い抜いていく。陸上選手の四男ケリーは、プロレスラーになって活躍をはじめる。彼らの動機は父親の期待に応えるためだ。それゆえ、デビッドは病死し、ケリーやケリーの怪我で無理にレスラーになったマイクも自殺してしまう。皮肉にもケビンが助かったのは不器用なせいだったかも知れない。このようなスポーツ一家を美談のように語られたりするが果たして……と思ってしまう。鉄の爪は心まで引き裂いた。<作品情報>『アイアンクロー』4月5日(金) 公開監督・脚本:ショーン・ダーキン出演:ザック・エフロン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ハリス・ディキンソン、モーラ・ティアニー、スタンリー・シモンズ、ホルト・マッキャラニー、リリー・ジェームズ公式サイト: House Claw Rights LLC; Claw Film LLC; British Broadcasting Corporation. All Rights Reserved.
2024年03月26日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 広瀬和生のおススメ】2022年度「NHK新人落語大賞」の受賞に続き、今年1月には「2023年度全国若手落語家選手権」の決勝で『小人十九』を演じて見事に優勝を果たした立川吉笑。今回の代官山落語夜咄では、その受賞作『小人十九』と初期の傑作『くじ悲喜』の二席を演じ、後半のトークでは、昨年の真打トライアルでお墨付きを得た吉笑が具体的にどのような真打昇進披露プランを練っているのか、さらにその先にはどんな野望を抱いているのか等を語る。立川流の「談志の孫弟子」世代を牽引する若きエースを見逃すな!<公演情報>代官山落語夜咄 立川吉笑『小人十九』『くじ悲喜』4月8日(月) 東京・晴れたら空に豆まいて開場 18:30 / 開演 19:00【チケット料金】観覧:3,300円配信:2,200円※アーカイブ配信は4月21日(日) までチケット情報:
2024年03月22日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】1945年7月16日、トリニティ実験と呼ばれる史上初の原爆実験が行われた。指揮したオッペンハイマーは「我は死なり、世界の破壊者なり」とヒンドゥー教の一説をつぶやいたという。本作はオッペンハイマーがいかにして原爆を造り、後悔をすることになったかを描く。物語は大学時代、マンハッタン計画のリーダーとなり原爆実験、原爆投下後の後悔と原子力委員会ストローズとの対立からなっている。特に原爆を開発しトリニティ実験にたどり着くまでは、フランケンシュタイン博士が怪物を造るのと重なる。工兵隊指揮官グローブス准将の陸軍サービス部隊(イラスト参照)が計画の管理をしているのは興味深い。後半は水爆を推進するストローズの陰謀で核開発反対のオッペンハイマーは失脚する。実録ものとして見応えがあるが、膨大な登場人物が現れ、背景がわからないと理解するのは難しい。さらにクリストファー・ノーラン監督は時間軸を入れ替え、視点の変化でモノクロになったりと変則的な演出もしている。それでも、圧倒的な臨場感で惹き込まれるのは知的スペクタクル映画と言うべきか。キリアン・マーフィーの天才でありながらどこかおびえている演技は、オッペンハイマーの人となりを垣間みた気がした。<作品情報>『オッペンハイマー』3月29日(金) 公開原作:カイ・バード、マーティン・J・シャーウィン『オッペンハイマー』(2006年ピュリッツァー賞受賞/ハヤカワ文庫)監督・脚本・製作:クリストファー・ノーラン出演:キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナー公式サイト: Pictures. All Rights Reserved.
2024年03月19日ドル3部作【4K】公開に合わせ、ドル3部作を特集した雑誌「エンニオ・モリコーネ映画大全 特別編特集:ドル3部作」の販売が決定した。3月22日(金)から公開される、主演クリント・イーストウッド、監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネによるマカロニ・ウエスタンの3大傑作、『荒野の用心棒』、『夕陽のガンマン』、『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』の「ドル3部作」。この度、その各公開劇場にて特別編として販売される、「エンニオ・モリコーネ映画大全」(2016年 洋泉社刊)とは、イタリアの映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネ(1928~2020没)が2015年までに手掛けた映画・TV作品全428本の紹介と解説を試みた、世界的にも類例のない400ページを超える大著。編・著は、「東京エンニオ・モリコーネ研究所」に所属する5人の研究者たち。モリコーネが音楽を担当した作品には日本未公開のものも相当数あるが、輸入盤DVDやネット上で発見された本篇など、あらゆる手段を駆使して全作品を鑑賞、その内容とモリコーネ音楽の聴きどころを紹介している。いまや版元は消滅し、絶版になっている同書だが、ドル3部作の公開に合わせ、前記5人の研究者とデザイナーが再結集、新たに関西のモリコーネ研究者2名も加わり、自費出版の形で、表紙込み68ページの雑誌型式となる特別編の制作に踏み切った。その内容は、前半3分の1はモリコーネの最新研究。モリコーネが亡くなってから現在まで4年間に起きた出来事をまとめた「モリコーネの時代を終えて」に始まり、次男で作曲家のアンドレア・モリコーネのインタビュー訳、昨年公開されたモリコーネのドキュメンタリーの映画評、書評、2022年に東京国際フォーラムで開催されたライブ評、ニューアルバム評、そして、モリコーネが音楽を手掛けた1960年代35作品の珍しい新聞広告を発掘し、初掲載しているのも見どころだ。後半3分の2はドル3部作の大特集。各作品の紹介と16000字を超える3部作の完全解説。端役に至るまでの詳細なキャスト紹介、掘りに掘り下げたスタッフ紹介、LPからCDまでのサントラ解説、世界各国のポスター、海外書籍の紹介、それに加えて「マカロニ自伝小説」など。東京エンニオ・モリコーネ研究所が総力を結集した、凄まじい情報量と熱量が誌面に溢れている。「エンニオ・モリコーネ映画大全特別編特集:ドル3部作」は3月22日(金)より新宿ピカデリーほか全国の上映劇場、及び「映画前売券のことならメイジャー」通販サイト、一部特約店にて1部1300円(税込)で販売開始となる。『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』は3月22日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2024年03月18日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】『デューン 砂の惑星』のパート2。前作では壮大な世界の設定解説がメインだったが、今作では砂漠の民フレメンのゲリラ戦、サンドワームのライド、決闘など見せ場もたっぷりでぐいぐいと引き込まれる。それでも圧倒されるのはデューンの世界観である。特にサンドワームは巨大なミミズみたいで異様な迫力があり、本作のキービジュアルにもなっている。虫寄せの振動機や虫に気づかれないための独特の砂歩きなど細かい設定にいちいち納得させられる。また古風な王家の争いの中、宮﨑駿アニメでおなじみの羽ばたき型航空機オーニソプターが登場したりし、中世と未来が入り交じった叙事詩を造り上げている。そんな壮大な世界観にも負けてないのがドゥニ・ヴィルヌーヴの作家性である。主演のティモシー・シャラメをはじめ、役者も美術に飲み込まれていないのは監督の演出の賜物であろう。母親役のレベッカ・ファーガソンも顔に呪文書かれても少しも美貌が損なわれないしね。パート3に期待!<作品情報>『デューン 砂の惑星PART2』3月15日(金) 公開公式サイト: LEGENDARY AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.
2024年03月14日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 橘蓮二のおススメ】今秋九月下席より真打ちに昇進すると共に「七代目 古今亭志ん橋」を襲名する期待の若手、古今亭志ん松さんが半年にわたり古今亭の十八番といわれる根多に毎月挑む『志ん松真打ちまで ~古今亭六席~』が神保町らくごカフェにて3月20日(水・祝) 19時よりスタートする。師匠である六代目の得意根多やじっくりと稽古を付けてもらいながら受け継いだ根多、さらに習うことが叶わなかったが演じてみたいと願った根多と全回思い入れのある演目が並ぶ。加えて入船亭扇橋師匠(第一回)、春風亭一蔵師匠(第二回)、蝶花楼桃花師匠(第三回)、柳亭小痴楽師匠(第四回)、柳亭小燕枝師匠(第五回)、立川小春志師匠(第六回)と毎回協会を越えての豪華ゲストが志ん松さんを盛り立てる。柔らかさの中にある芯の通った力強い語り口と端正な所作が光る若き才能の挑戦に是非注目して欲しい!<公演情報>『志ん松真打まで 〜古今亭六席〜』3月20日(水・祝)『幾代餅』ゲスト:入船亭扇橋4月20日(土)『宗珉の滝』ゲスト:春風亭一蔵5月11日(土)『付き馬』ゲスト:蝶花楼桃花6月8日(土)『柳田格之進』ゲスト:柳亭小痴楽7月13日(土)『お見立て』ゲスト:柳亭小燕枝8月17日(土)『火焔太鼓』ゲスト:立川小春志会場:らくごカフェ
2024年03月04日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 長井好弘のおススメ】ちょっと前まで、「浪曲」という芸のイメージは「浅草、土日の昼間、年配者ばかりの客席」だったと思う。「浪曲かるた亭」は、そんな従来のイメージとはまるで違う「神保町、平日の夜、幅広い層の観客」で注目を集めている。人気の理由は毎回、有望若手が意欲的な演目に挑戦することだ。26回目の3月公演は、古典、新作の「ちょっと怖い物語」が揃った。富士綾那の「は組小町」は火消しの女房の命をかけた復讐劇。港家小そめの「押絵と旅する男」はご存知・江戸川乱歩の幻想短編を浪曲化したものだ。トリは実力派・澤雪絵が「お富与三郎・稲荷堀」。「横櫛お富」のどきりとする悪女ぶりと、お富に誘われて悪の道に溺れていく与三郎の姿を、師匠・澤孝子譲りの華麗な節で唸りまくる。浪曲の可能性、多様性を探る好企画だ。<公演情報>『浪曲かるた亭 vol.26』3月15日(金) 東京・奥野かるた店17:30 開場 / 18:00 開演入場料:1,500円■出演出演:澤雪絵港家小そめ富士綾那曲師:沢村博喜
2024年03月03日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】謎のブロンド美女と対決するマッチョな角刈り男。派手なアクションの末に……。実は作家エリー・コンウェイのスパイ小説『アーガイル』の一場面だった。日常と空想が入り交じり、どっちが現実か混乱させるが、この曖昧さがストーリーをはみ出し自由自在に変化する。マシュー・ヴォーン監督の1980年代を思わせる音楽や映画の軽妙さとレトロなおしゃれ感が魅力である。それが二転三転する展開もいきおいで強行突破してしまう。主人公のエリー役のブライス・ダラス・ハワードは、スリムでクールなイメージだが、引きこもりの作家なのでふっくらとした体型に田舎っぽい容姿で振り幅のあるキャラクターを演じている。相棒のエイダン役のサム・ロックウェルも飄々とした風体ですばやいアクションのギャップが楽しい。それでも一番目を引くのがデュア・リパだ。オープニングの妖しいダンスとガンアクションに心が掴まれた。アーガイル・ガールズ誕生か!<作品情報>『ARGYLLE/アーガイル』3月1日(金) 公開『ARGYLLE/アーガイル』ポスター公式サイト: Pictures
2024年03月01日スパイスのピリッと辛い刺激に加え、ニンジンやタマネギなどの野菜の優しい甘味、牛や豚肉の旨味が絶妙に合わさっていることから、老若男女に親しまれているカレー。家庭で簡単に作れるほか、レトルトカレーで手軽に食べられるとあり、よく口にする人もいるのではないでしょうか。そんなカレーにまつわるライフハックを、生活用品メーカーのアイリスオーヤマ株式会社(以下、アイリスオーヤマ)が、TikTokアカウントで紹介していました!@irisohyama_officialカレーの裏技教えちゃいます! #アイリスオーヤマ#アイリス #ライフハック #TikTok教室 #カレー#レトルト#油汚れ♬ Cooking BGM (Japanese style) - ArcTracksカレーにまつわるライフハック2選!1.レトルトカレーを出し切る方法レトルトパウチを温めるだけで手軽にカレーが食べられる、レトルトカレー。いざ温めて食べようとした時、「きれいに出しづらい」と感じた経験はありませんか。アイリスオーヤマによると、レトルトカレーを出す時はアーチ状にハサミを入れて開封すると、中身が出しやすいのだとか。開け方1つで中身の出しやすさが変わるなら、すぐにでも実践したいですよね。2.カレーが付いたタッパーの汚れの落とし方カレーを作り置きしたい時や、弁当として持っていきたい場合に、タッパーにルーを移すでしょう。ですが、タッパーに付いたルーの汚れは、落とすのが大変。においが残るのも気になりますよね。そんな時は、カレーで汚れた状態のタッパーに、キッチンペーパーと水と洗剤を入れて蓋をして振ると、簡単に油汚れとにおいが落とせるそうです!アイリスオーヤマの動画には、「これはめちゃくちゃありがたい」「タメになるわ」「なるほど!便利」といった声が上がっています。レトルトカレーを食べる時や、カレーをタッパーに入れた時に、ぜひ試してみてくださいね。[文・構成/grape編集部]
2024年02月26日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】マ・ドンソク主演の『犯罪都市』シリーズ第三弾。後ろ姿でも一目で判るシルエットで登場するソウル広域隊のソクト刑事。あっという間に街のゴロツキを倒して始まる。日本のヤクザから“ハイパー”と呼ばれる麻薬がからんだ事件に挑む。一作目からの取り調べ室で監視カメラを掃除するふりをして容疑者を腕っぷしで脅す“真実の部屋”やワンパンチでダウンさせるギャグは継承されている。でも本作の見所はマ・ドンソクのショットガンのような強烈パンチアクションだ!殴った相手を5メートルは吹っ飛ばす威力の爽快感がクセになる。また、敵役の汚職警官がイケメンだったり、対立軸にもひとひねり。日本側からヤクザの親分に國村隼、殺し屋の青木崇高はゲーム『龍が如く』のようなキャラクターでイマドキのヤクザ像で対戦。事件が解決して打上げまで描くサービス精神もたっぷりのコミカルクライムアクションムービーだ。ぶちかませ!マ・ドンソク兄貴。<作品情報>『犯罪都市 NO WAY OUT』2月23日(金) 公開監督:イ・サンヨン主演:マ・ドンソク出演:イ・ジュニョク青木崇高國村隼 ほか公式サイト: Entertainment presents a BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A. ENTERTAINMENT production world sales by K-MOVIE ENTERTAINMENT
2024年02月17日個人向けに医療相談サポート、法人向けに医療監修サービスなどを提供する医療コーディネータージャパン株式会社(所在地:東京都千代田区、代表:堀 エリカ)は、芸能・エンターテインメント業界で活動する俳優、タレント、アーティスト、スタッフ、そのご家族などを対象としたメンタルヘルスケアサービス「芸能・エンタメ関係者 こころのケア」の提供を2月14日(水)に開始します。本サービスでは、メンタルヘルスケアの専門的な知見を持つとともに、撮影の医療監修や各種イベントのヘルスケア対策に従事する医療従事者がカウンセリングを担当し、同業者の視点で、おひとりお一人の状況に寄り添います。ご利用者様が「話したい」「聞いて欲しい」をありのままに伝えることができる環境を提供し、それぞれの活動や仕事に集中できるようサポートいたします。「芸能・エンタメ関係者 こころのケア」URL: 芸能・エンタメ関係者 こころのケア■サービス開始の背景と想い「仕事の浮き沈みへの不安」「孤独感」「長時間労働による疲労」、そして「複雑な人間関係」や「ハラスメント」。芸能・エンターテインメントに携わる人たちは、そうした悩みや問題に直面しても、業界事情に精通したメンタルヘルスケアサービスを見つけにくい状況にあります。私たち医療コーディネータージャパンは、医療と芸能・エンタメの両分野に携わる組織として、関係者の悩みや問題に対処し、サポートを提供することを目指し、新たなサービスを開始いたしました。■サービスの特徴*メンタルヘルスケアと芸能・エンタメ業界、両分野に精通する医療従事者がカウンセリングカウンセリングは、病院の精神科での勤務経験を持つなどメンタルヘルスケアに精通すると同時に、芸能・エンタメ業界でも2009年より医療監修や各種イベントのヘルスケア対策などの業務に従事する医療従事者が担当。*同業者としての理解と視点芸能・エンタメに携わる同業者として、業界の状況を把握したうえで、ご利用者様との共感を大切にして、信頼関係を構築。業界特有の問題に直面しても、専門的で理解のあるサポートを受けることができます。*夜間や土日祝日も利用可能時間帯や曜日に関係なく働く芸能・エンタメ関係者が利用しやすいよう、オンラインカウンセリングは夜間(23:00まで)や土日祝日でも利用可能。*スタッフやマネージャー、ご家族もサポート俳優、タレント、アーティストの皆さんはもちろん、その活動を支えるスタッフやマネージャーの皆さん、関係者のご家族など、芸能・エンタメ業界に関わるさまざまな方の悩みや問題に寄り添い、支援させていただきます。■カウンセリング担当者のコメント医療の世界では、患者さんを支えるご家族なども含め「支える人にも、支えが必要」との認識が一般的になっています。多くの人たちの夢や期待を背負って活動する俳優、タレント、アーティストの皆さん、作品やイベントをともに作り上げるスタッフやマネージャー、そしてその活動を支えるご家族の皆さん。芸能・エンターテインメント業界で仕事をさせていただく中で、そのような皆さんにも「支え」が必要であると感じました。話したいこと、悩んでいること、言葉にするのが難しいモヤモヤなど、こころの内をありのままに伝えることができる、そんなカウンセリングを提供してまいります。カウンセリング担当者■サービス概要サービス名: 芸能・エンタメ関係者 こころのケア提供開始日: 2024年2月14日(水)提供時間 : 10:00~23:00(不定休)料金 : オンラインカウンセリング 16,500円(税込)/60分対面カウンセリング 19,800円(税込)/60分テキストカウンセリング 7,700円(税込)申込方法 : ホームページ申込みフォーム、もしくは電話(03-6712-0767)URL : ■会社概要商号 : 医療コーディネータージャパン株式会社代表者 : 代表取締役 堀 エリカ所在地 : 〒101-0062東京都千代田区神田駿河台2-1-19 アルベルゴ御茶ノ水ビル6階設立 : 2007年9月事業内容: 医療相談、カウンセリング・メンタルケア、医療関連の教育・セミナー・講演会の企画運営、医療監修、ヘルスケア対策URL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】芸能・エンタメ関係者 こころのケア カスタマー担当TEL:03-6712-0767お問い合わせフォーム: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月14日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 広瀬和生のおススメ】三遊亭白鳥が創作した全十話の長編『流れの豚次伝』は新作落語の歴史に燦然と輝く金字塔だが、白鳥はその偉業に飽き足らず、サイドストーリーを創作し始めた。第四話『雨のベルサイユ』で初登場して第十話まで重要な役割を果たす悪役メス猫“マリー”を主役とするピカレスク外伝『金瞳のマリー』シリーズである。クローズドな勉強会「白鳥の巣」でネタおろしされたこの新シリーズが、「落語の神が舞い降りる」名演を連発している無観客の代官山で進化していくのを、ぜひ目撃してほしい。<公演情報>代官山落語夜咄 三遊亭白鳥 無観客高座『豚次外伝〜金眼のマリー1&2話』2月26日(月) 19:00配信※アーカイブは3月10日(日) まで視聴可能チケットはこちら:
2024年02月10日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】スティーブン・スピルバーグが1985年に監督した作品をミュージカルとしてリメイクされたのが本作。1909年南部のジョージア。セリーと妹のネティは父親と暮らしていたが、セリーはミスターと呼ばれる男に無理に嫁がされる。セリーを演じるのは、ブロードウェイキャストのファンテイジア・バリーノ。前半、男にやたらとぶん殴られたりするシーンにオリジナルよりもショックを受ける。時代のせいか観る方の意識の違いも感じた。それでもパワフルな声量とダンスに目を奪われる。革新的な考えを持つ歌手シュグ(タラジ・P・ヘンソン)の存在感は圧倒的で彼女の登場で物語は大きく変化する。それは画面にも反映され、前半は南部の自然にとけ込むくすんだ色調だが、シュグの登場で赤、黄、緑などビビッドな色を添え、ラストは落ち着いた色調になる。これはセリーの心の変化にシンクロしているのだろう。苦境を乗り越え、生き抜いた人生を歌い上げるのは日本の演歌にも通じる。歌もこぶしがまわってるしね。<作品情報>『カラーパープル』2月9日(金) 公開製作:オプラ・ウィンフリー、スティーブン・スピルバーグ、スコット・サンダース、クインシー・ジョーンズ監督:ブリッツ・バザウーレ原作:アリス・ウォーカー■出演ファンテイジア・バリーノ、タラジ・P・ヘンソン、ダニエル・ブルックス、コールマン・ドミンゴ、コーリー・ホーキンズ、H.E.R.、ハリー・ベイリー ほか公式HP: Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
2024年02月08日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 山本益博のおススメ】2014年に始まった「COREDO落語会」は第1回からレギュラー制を敷いていて、10年経った今、当初の柳家権太楼、柳家花緑、春風亭一之輔の三師匠に、柳家さん喬、瀧川鯉昇、林家正蔵、柳家喬太郎、桃月庵白酒、三遊亭兼好らの師匠連が加わった。今回は、権太楼、正蔵、白酒、一之輔の四師匠が高座に上がる。トリを務めるのは、正蔵師匠で、演目は十八番の『蜆売り』、冬の名作としても名高い人情噺である。その前に高座に上がるのが、権太楼師匠で、演目は『幽霊の辻』。上方の小佐田定雄が桂枝雀のために書き下ろした噺で、それを聴いた権太楼師匠が、小佐田氏の了解を取り付けて、自分のレパートリーに加えた噺である。「幽霊」と言っても夏に限らない噺なので、席亭役の私が今回の冬の落語会にお願いした。あとは、一之輔師匠が『天狗裁き』、白酒師匠が『明烏』を高座にかける。<公演情報>第36回『COREDO落語会』2月18日(日) 東京・日本橋三井ホール【出演】桃月庵白酒『明烏』春風亭一之輔『天狗裁き』柳家権太楼『幽霊の辻』林家正蔵『蜆売り』チケットはこちら:
2024年02月05日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 山本益博のおススメ】落語の面白さのひとつに「季節感」がある。そして、それぞれの季節にふさわしい噺がいくつもあり、落語を聴きながら、季節を先取りできるのも魅力と言えようか。最近は、年末、師走、大晦日の噺を、年を越してから高座にかける落語が出てくるようになったが、今回の柳家花緑の独演会は、「春夏秋冬」の各季節をめぐる名作を、一晩で四席、高座にかけてしまうという大胆な企画である。四季に応じて「春」は『あたま山』、「夏」は『千両みかん』、「秋」は『目黒のさんま』、「冬」は『文七元結』。近年、「春」と「秋」が短く、「夏」と「冬」が長い1年で、四季を存分に楽しめなくなってきたが、花緑の独演会では、一晩で日本の四季が堪能できそうである。<公演情報>柳家花緑独演会『江戸の春夏秋冬』2月9日(金) 神奈川・横浜にぎわい座 芸能ホール■演目柳家花緑春:『あたま山』夏:『千両みかん』秋:『目黒のさんま』冬:『文七元結』詳細はこちら:
2024年02月03日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 長井好弘のおススメ】都電荒川線の沿線にある隠れ家のようなスペースで定期的に催される「すがも巣ごもり寄席」。ユニークな会の名前は「巣立ちの時をまっている若手芸人の会」という思いでつけられたという。なるほど、所属の違う二ツ目の注目株3人が競演する、目の離せない公演だ。今回は祝日開催の「スペシャル」版なので、普段の会とはちょっと違う。出演者は1人多くて4人。当然、入場料も高くなるが、出演者の顔ぶれがいい。人間国宝・五街道雲助の孫弟子で、図太さと愛嬌が同居する桃月庵黒酒。「師匠の桃太郎が好きすぎる」爆笑王志望の昔昔亭昇。爽やか講談で期待の田辺いちか。体力も気力も充実した本格派・春風亭かけ橋。僕が今、注目している若手4人揃っているのに驚いた。都電に乗って宝の山を観に行こうか。<公演情報>『すがも巣ごもり寄席Special』2月23日(金・祝) 東京・スタジオフォー■出演桃月庵黒酒昔昔亭昇田辺いちか春風亭かけ橋チケット料金:2,000円
2024年01月31日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】2018年、アフガニスタンでタリバンの武器を捜索する米軍ジョン・キンリー曹長は、アフガン人のアーメッドを通訳として雇うが……。70年代のヒット曲『名前のない馬』から始まり、ベトナム戦争時代の混沌とした戦況を匂わせる。敵もタリバン兵なので敵か一般人か区別しにくく全編に重苦しい緊張感が走る。アーメッドはぶっきらぼうで反抗的だが、キンリーが撃たれると彼を100キロもの荒野を引きずって敵中突破する。タリバンからの追撃の脱出劇はサスペンスたっぷりで手に汗握る。後半、帰国したキンリーはPTSDに悩ませられながらアフガニスタンに残ったアーメッドのため、再びアフガニスタンに戻り、自力で救出する。監督はスタイリッシュな感覚が特徴のガイ・リッチー。今作では正攻法の演出で骨太の戦争映画に仕上っている。ラストに同じような米軍とアフガン人通訳の写真(一部顔が隠されている)が映され、現在進行形であるという監督の熱意が伝わる。<作品情報>『コヴェナント/約束の救出』2月23日(金・祝) 公開監督・脚本・製作:ガイ・リッチー出演:ジェイク・ギレンホール、ダール・サリム、アントニー・スター、アレクサンダー・ルドウィグ、ボビー・スコフィールド、エミリー・ビーチャム、ジョニー・リー・ミラー公式サイト: STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED
2024年01月29日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 広瀬和生のおススメ】「高嶺の花」の花魁に恋をした職人が、想いを遂げて夫婦になるという男のロマンを描いた『紺屋高尾』。大正から昭和にかけて活躍した浪曲師・篠田実のレコードが大ヒットしてポピュラーになった物語で、落語では六代目三遊亭圓生が得意とした他、立川談志が講釈師の五代目一龍斎貞丈から教わり、浪曲のテイストを盛り込みながら独自の『紺屋高尾』を作り上げた。今の落語界では『紺屋高尾』というと志の輔や談春といった談志系が目立つが、兼好は圓生系の『紺屋高尾』を独自に磨き上げて見事に自分のものにしている。この機会にぜひ兼好の『紺屋高尾』を聴いていただきたい。<公演情報>代官山落語夜咄 三遊亭兼好『紺屋高尾』1月24日(水) 東京・晴れたら空に豆まいて配信あり■出演三遊亭兼好広瀬和生(MC / トーク)■チケット料金観覧:3300円(別途1ドリンク代700円)配信:2200円(ご祝儀システムあり)※配信はアーカイブで2月7日(水) 夜まで何度でも視聴可能チケットはこちら:
2024年01月19日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】地球は生態系が崩れてしまい、人々は城塞都市に暮らす富裕層と荒野でサバイバルする貧困層に分断されていた。ある日、山に暮らす少女ヴェスパーは森で怪我をしたカメリアを見つけるが……。オープニングから荒涼とした荒野に奇妙な建造物が建っている独特の世界観に引き込まれる。ヴェスパー演じるラフィエラ・チャップマンの意志の強い目力が魅力で物語をひっぱる。カメリアと徐々に心を通わせ、時おり弱さを見せるのは心に迫るものがある。また彼女によりそうドローンは、寝たきりの父のアバターとなっており、ユーモアのある会話が面白い。そして、宮﨑駿の『風の谷のナウシカ』の強い影響である。世界観や触手のある植物などナウシカを思わせるシーンが登場する。それでも安易な模倣ではなく、それらを土台に新しいダークファンタジーまで昇華している。宮﨑アニメは黒澤明映画と同じように世界のマスターピースなんだと改めて認識した。<作品情報>『VESPER/ヴェスパー』1月19日(金) 公開監督:クリスティーナ・ブオジーテブルーノ・サンペル脚本:ブルーノ・サンペルクリスティーナ・ブオジーテブライアン・クラーク出演:ラフィエラ・チャップマンエディ・マーサンロージー・マキューアンリチャード・ブレイク『VESPER/ヴェスパー』本予告公式サイト: Vesper - Natrix Natrix, Rumble Fish Productions, 10.80 Films, EV.L Prod
2024年01月18日