くらし情報『パワフルな声量とダンスに目を奪われる ミュージカル映画『カラーパープル』』

2024年2月8日 18:00

パワフルな声量とダンスに目を奪われる ミュージカル映画『カラーパープル』

イラストレーション:高松啓二


映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。

【水先案内人 高松啓二のおススメ】

スティーブン・スピルバーグが1985年に監督した作品をミュージカルとしてリメイクされたのが本作。

1909年南部のジョージア。セリーと妹のネティは父親と暮らしていたが、セリーはミスターと呼ばれる男に無理に嫁がされる。セリーを演じるのは、ブロードウェイキャストのファンテイジア・バリーノ。前半、男にやたらとぶん殴られたりするシーンにオリジナルよりもショックを受ける。時代のせいか観る方の意識の違いも感じた。それでもパワフルな声量とダンスに目を奪われる。


革新的な考えを持つ歌手シュグ(タラジ・P・ヘンソン)の存在感は圧倒的で彼女の登場で物語は大きく変化する。それは画面にも反映され、前半は南部の自然にとけ込むくすんだ色調だが、シュグの登場で赤、黄、緑などビビッドな色を添え、ラストは落ち着いた色調になる。これはセリーの心の変化にシンクロしているのだろう。苦境を乗り越え、生き抜いた人生を歌い上げるのは日本の演歌にも通じる。歌もこぶしがまわってるしね。

<作品情報>
『カラーパープル』

2月9日(金)

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