娘のグループホーム探し娘は、障害のある方の雇用の促進、そして安定を図るために設立された『特例子会社』に勤めていましたが、メンタル面の不調から体調を崩し入社3年目(2020年)に会社を休職しました。休職から2ヶ月、投薬の調整もあり精神的に徐々に落ち着いていきた娘。休職中でも生活リズムを崩さないために、卒業校や基幹相談支援センター(※)に相談に行ったり、かつて放課後等デイサービスや居場所として通っていたNPO法人などを訪れていました。※基幹相談支援センターとは障害のある人の支援を行う施設で、全国の市町村に設置されています。そこで支援者との定期的な面談を重ねるうちに娘は「グループホーム」探しを決意。娘のグループホーム入居に向けた取り組みがスタートしたのでした。大人のサポートブック娘がグループホーム入居を前向きに考え始めたのを機に、私たちは転居先の自治体の担当者さんやグループホームの職員さんと情報を共有するための娘のサポートブック(※)を作成することにしました。※サポートブックとは、支援者に知っておいてほしい、本人に関するさまざまな情報(特徴・接し方・支援方法など)をまとめたツール(冊子)です。児童・学生向けのサポートブックのテンプレート(雛型)はネット上にも多くあるのですが、成人済の娘に合った内容のものはなかなか見つからず、ジュニア/サポートブックテンプレート以前、基幹相談支援センターの勉強会でもらった冊子「親心の記録®」(発行/一般社団法人日本相続知財センター®本部)は秀逸なのですが、手書きでの記入が大変なのと、情報更新のしづらさが難点でした。Upload By 荒木まち子その後「親心の記録®」の内容をネットでダウンロードもできるようになりましたが、PDFなのでやはり手書きの記入や情報の更新には時間がかかります。「親心の記録®」PDF無料ダウンロードそこで私たちは、今の娘に必要と思われる項目を集めたオリジナルの『大人のサポートブック』をパソコンでつくることにしました。本人がサポートブックをつくることの利点幸いなことに娘はパソコンでの入力作業が得意です。また休職中で時間に余裕もありました。なので娘には・住所、氏名、生年月日や血液型、・緊急連絡先・使用している福祉サービスの種類・現在かかっている病院や飲んでいる薬・アレルギーについて・得意なこと、苦手なこと・趣味・有効な指示の方法・身辺自立の程度などをまとめてもらいました。この作業は娘が自分自身を改めて知る良い経験にもなりました。親が作成したもの保護者の私は・成育歴※・病歴・過去に利用したことがある医療機関と診察券番号・ヒストリーシート(学校や所属名)・利用している施設や関係機関の連絡先と担当者・保護者から見たフェイスシート(日常生活の自立の度合いを示したもの)などをまとめました。※生まれてから現在までの出来事(大きな怪我やいじめ、服薬など)を時系列で表にしたもの。成育歴は病院転院時や新たな支援機関にかかるとき、障害年金申請時などにも役に立つので早いうちからつくっておくのがおすすめです。ライフステージ(入園、入学、進学)が変わるごとに情報を更新しておくと良いと思います。追加や差し替えもできるようにさらにそこに今回は支援者には渡さないけれど、今後の事を考え障害者手帳や障害年金証申請時の書類や診断書、今までの知能検査結果のコピーも付け加えました。そして、これらの書類を差し替えや追加もしやすいようにバインダーにまとめました。Upload By 荒木まち子すると娘のサポートブックは『娘の歴史』といった感じのそこそこ厚い冊子になりました。Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子そして次のステップへ6ヶ月の休職期間を終えるころには娘のメンタルは落ち着き、娘は以前と同じ職場に復職しました。そして2020年1月末、グループホームから直接会社に通勤をする1週間の体験宿泊が決まりました。コロナ禍ではありましたが、娘のグループホーム入居に向けた動きは着々と進んでいったのでした。執筆/荒木まち子(監修:井上先生より)いよいよ娘さんがお家から出て、生活面でもグループホームでの自立の第一歩を踏み出すということで不安もあると思います。その中で、サポートブックを一緒につくるということは、本人と保護者共に実際の生活をイメージしていくのによいですね。保護者が書くこととしては、かかりつけの医師の連絡先、お子さんの血液型、持病、調子を崩しやすい病気など医療的な情報も大切です。重要な情報は、サポートブックとは別に普段身に着けられるタグをつくっておくのがおすすめです。お子さんの名前・血液型・持病、保護者の名前・連絡先、かかりつけ医の名前・連絡先などを記載しておくことで、急なケガや病気などをしてしまったり、被災してしまった場合などに役立ちます。また、保護者が書く部分もお子さん本人に確認してもらいながら、表現にも気をつけて書くことが重要です。グループホームでの普段の配慮事項に関しては、実際に生活しながら変更したり加えたりしていけるとよいですね。
2022年01月28日株式会社プラウド(本社:静岡県三島市、代表取締役:富田 久由)は2021年10月1日より、沼津市本町に保護犬と一緒に暮らす障がい者グループホーム「プラウドわおん」の運営をスタートしました。プラウドわおんは殺処分される犬や猫を預かり、アニマルセラピーを通じて、障がい者の方が安心して暮らせる「居場所」を目指します。保護犬と一緒に暮らす障がい者グループホーム「プラウドわおん」■見学者や体験利用の方からのお声「管理者をはじめ、従業員の方が明るく楽しく毎日を暮らせそう」(体験入居者)「1部屋、1部屋が広くクローゼットも大きいので女性には嬉しい」(相談支援員)「24時間、職員在中で安心して任せられる」(体験者の保護者)「ペットと暮らせる環境が嬉しいですね!ペットを飼いたくても飼えない方もいらっしゃるので、職員の方と一緒にお世話し動物と触れ合うことで障がい者の方の心のケアにもつながると思います」(相談支援員)感染予防のため、見学は予約制にさせていただいております。ホームも換気・消毒を徹底しておりますので、安心してゆっくり見学していただけます。■開設の背景当社は中古車販売から始まり、コッペパン専門店ヴィヴィド・パオ、美容室ヘアメイクHと、地域の皆様の生活を幸せにするお手伝いをさせていただいております。創業から15年目を迎え、いろいろな形で多くの方を幸せにしたいという思いと、ペットの殺処分問題だけでなく、社会問題化している空き家の活用、障がい者の入居施設の不足、主婦や高齢者などの雇用促進など、さまざまな社会課題を解決・貢献したいという思いからこの度、障がい者の方を支援するグループホームを開設することにしました。■ペット共生型障がい者グループホームとは殺処分される犬や猫を障がい者のグループホームで預かり、障害者の方々と共に暮らすことによって、1頭でも多くの犬や猫の命が救えるとともに、動物介在活動によって障がい者の方々の生活の質(QOL)の向上につながります。ペットと生きる毎日は希望と活力を与えてくれるだけでなく、精神障がいの症状改善や認知症予防につながることが期待されます。「プラウドわおん」は、障がい者の方々が動物と一緒に暮らすことで生活の質を高められるグループホームです。プラウドわおん ロゴ■プラウドわおん概要事業所名: プラウドわおん所在地 : 静岡県沼津市本町23開設日 : 2021年10月1日電話番号: 055-941-5575担当 : 日吉施設URL : 設備 : 全部屋鍵付きのプライベート個室、従業員24時間常駐、Wi-Fi、全室冷暖房完備、ウォシュレットトイレプラウドわおん 外観プラウドわおん 入口鍵付きのプライベート個室手すり付きで安心な 広々とした浴室■会社概要社名 : 株式会社プラウド代表 : 富田 久由本社所在地: 〒411-0817 静岡県三島市八反畑107-1資本金 : 7,000,000円事業内容 : 中古車業者販売、中古車小売販売、中古車オークション、海外事業レンタカー事業、ベーカリー事業、ヘアーサロン事業、リース事業、福祉事業売上高 : 90億6,300万円(令和2年12月)従業員数 : 192名<各種URL>株式会社プラウド: プラウドわおん : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月09日グループホーム入居に否定的だった娘親亡きあとを見据え、将来娘にはグループホームに入居して欲しいと考えていた私。でも当の娘はグループホーム入居にはずっと否定的で「もし家を出るならグループホームではなくアパートなどで一人暮らしをしたい」と言っていました。グループホームに入居した会社の先輩から「グループホームは自由がきかない」「音がうるさい」などの話を聞いたせいもあったのか、娘はグループホームにあまり良いイメージを持っていなかったようです。一人暮らしをすることを想像してみる高等特別支援学校のカリキュラムで学んでいたとはいえ、実家暮らしの娘には、仕事から帰宅した後、自分で食事や洗濯、掃除などをすることがどれだけ大変なのかや、『家賃』『食費』『光熱費』『交際費』『交通費』など実際一人暮らしをするのにはどれくらいお金がかかるのかなどが、リアルに想像できないようでした。お気楽親子⁉社会人になってから娘は給与の一部を食費として家に入れていました。携帯電話の料金と任意保険も自分の給与口座から支払っていました。残った給与は自分の趣味やおやつ代などに充てていて、娘の部屋は大好きなキャラクターグッズや漫画で溢れていました。私は「自分で働いたお金で買ったものだし他人に迷惑をかけているわけではないので問題はない」「趣味は大切」「仕事を続けるための活力になるのだったらむしろ良い!」と思っていました。このころは私も娘と同様『いつかは』家を出て自立できたら良いなぁ、程度に考えていたのです。同志でもあるAちゃんのお母さん娘が社会人2年目のとき、私は娘の同級生のAちゃんのお母さんと会う機会がありました。Aちゃん一家は高等特別支援学校入学時に学区外から引っ越してきました。引っ越し前の入学説明会には学校の近隣に住むおじいさまが来ていました。娘の同級生の中には途中で学校を辞めた生徒が何人かいました。辞めた理由はさまざまですが、自分でアルバイト先を探すような自立心が旺盛な生徒さんたちは比較的早い時期に学校を辞めていきました。退学した生徒と仲が良かったAちゃんは、いろいろと悩んでいた時期がありました。私の娘も学校を辞めたいと言っていた時期があったので、私とAちゃんのお母さんは在学中、親としての悩みをお互いに話したりしていました。当時私たちは主治医やカウンセラー選び、子どものメンタルの安定のための趣味の充実の工夫、セラピーなどを模索していました。私たちは、特性を持つ思春期女子の子育てに奮闘する『同志』のような関係でした。娘から「Aちゃんが一人暮らしをしている」と聞いていた私は、そのことをお母さんに尋ねました。Aちゃんは高校卒業後入社した特例子会社を一年ほどで辞め、別の仕事をしながら親元を離れて暮らしているとのことでした。一般的には「親元を離れて暮らしている」と聞くと「すごい!」「自立してる!」「良かったね!」と感じることでしょう。でもそこに至るまでのお母さんの並々ならぬ苦労を私は知っています。また、障害のある子どもの転職や引越しにはさまざまな段取り取りが必要です。特例子会社を退職するときの手続き。就労先を斡旋してくれた学校との連携。就労支援事業所の利用や、生活保護をうけるかどうか。グループホームの見学や体験。転出・転入の手続き。福祉関係の引き継ぎ。引っ越し作業。etc…それらには時間と労力を要します。高校入学時からのお母さんのさまざまな苦悩を見てきた私は、彼女の複雑な心境も痛いほどよく分かりました。そして成人しているとはいえ20才そこそこの障害のある女の子が親元を離れて暮らすことへの心配もーー。モヤモヤする母ゴコロ彼女はご主人やきょうだい児たちから「お母さんは過保護だ」と言われたそうです。私たち母親は、子どもが小さいころからわが子の苦労やつまずきを減らそうと試行錯誤を繰り返してきました。トラブルの際には矢面にも立ってきました。さまざまな困難に直面し、ときには傷つき、子どものかんしゃくや自傷を目の当たりにしたりにしながらも必死に毎日を過ごしてきました。確かに私たちには“心配癖”が付いてしまっているのかもしれません。でも長い間、人並み以上に手のかかる子どもの世話をし続けてきた私たちは、『過保護』や『過干渉』と言われることに何だか納得できませんでした。もしかしたらこの気持ちは父親やきょうだい児には理解してもらえないのかもしれません。ずっと先のことだと思っていた「わかる、わかる、その気持ち!!」と深く共感しつつ話を終えた私たち。でもこのとき私は、「うちの娘はまだ家を出ていく気は無いようだし。初期費用(※)も貯まってないし。まずは仕事を続けることが目標かな」と考えていました。私も娘自身も、その後一年足らずでグループホーム入居に向けた動きが始まり、親子ともども悩むことになるとは露ほども思っていなかったのです。※グループホーム入居に向けては引っ越し費用などを含めて100万円程お金を貯めてからの入居が好ましいと言われている(諸説あり)執筆/荒木まち子Upload By 荒木まち子(監修:三木先生より)いろんな時間を共にしてきたお母さんの方がどうしても心配しすぎてしまうんじゃないかと不安になることはありますよね。ただ荒木さんの場合は、ご自身の心配を振り返りながらお子さんの問題ときちんと分離して悩まれているようですので、安心していっぱい悩んでもらって大丈夫だと思います。
2021年08月10日親を介護するのは長男の嫁の努め。このような固定観念にしばられ、 “いい嫁”になろうとひとりで舅・姑の介護に勤しむ人は少なくないようです。その結果、奥さんが体調を崩し入院することもあります。あるいは「介護うつ」になる人もいます。そうならないために、介護に対して妻がどのように向き合えばいいのかご紹介します。■ 昔の日本では親の介護は嫁がするのが常識だった?一昔前の嫁たちは、舅・姑の親の介護に明け暮れている人が多かったと思います。bee / PIXTA(ピクスタ)しかも、夫は仕事があるため介護は妻にまかせっきりで、夫の兄弟も口は出しても手は貸さないのが常でした。現在はこれほどではないにしても、介護という重荷をひとりで背負っている介護者はたくさんいます。こうした状況が続くと、ストレスが溜まって精神的に追い詰められます。それが原因で「介護うつ」になる人も多いようです。では、そうならないためには、どうすればいいのか。答えは、「いい嫁」をやめること!ひとりで何もかも抱え込むことをやめること!具体的な方法を6つご紹介します。■ 1.身内に「役割の分業化」を提案する夫やその兄妹たちに、できるだけ介護に協力してほしいと伝え、役割の分担を持ちかけてみましょう。ただし、彼らが直接介護してくれることは難しいでしょう。xiangtao / PIXTA(ピクスタ)そのため、彼らができることを提案することが肝要です。たとえば、炊事、洗濯、掃除、買物、見守りなど、手伝えることはたくさんあります。目を離した隙に家を出て徘徊する認知症老人は多くいますので、買い物に行っている間だけでも、親を見ていてくれる人がいれば安心です。Ushico / PIXTA(ピクスタ)見守りは介護の中でも長い時間を占めますので、頼める人を確保しておいて損はありません。■ 2.子どもが手伝えることはどんどんやらせる夫が無理なら子どもに頼みましょう。子どもだって中学生にもなれば、お年寄りの話し相手くらいはできるはずです。Greyscale / PIXTA(ピクスタ)認知症という病を肌で感じ、どのように接するとよいかなども分かり、生きた教育の場になります。思いやりのある大人に育ってほしいと願うなら、介護に協力してもらうことで大きな効果が期待できます。子どもに介護させるのはかわいそう、などという人もいますが、お年寄りを直接介護するのではなく、「介護者である祖母を助ける」ということです。それによって少しでも介護がしやすくなれば、子どもも介護に参加していることになると考えられます。介護や認知症の教育がまだまだ遅れている現状において、家庭での経験はとても貴重といえます。■ 3.身内がだめなら「介護ヘルパー」など外部に協力者を求める身内の協力が無理なら、介護ヘルパーに協力を要請することもできます。kou / PIXTA(ピクスタ)現在は介護保険制度によってヘルパーも低料金で利用できるようです。昼間はデイサービスに親を預けることができます。用事がある時や外出時など、一時的に介護ヘルパーにお願いすることも考えておきましょう。ヘルパーは見守り、食事づくりや食事介助、掃除、洗濯、買い物などいろいろな依頼が可能です。amadank / PIXTA(ピクスタ)時間単位で価格が設定されているので、無理のない範囲でお願いすると良いでしょう。■ 4.負担が大きくなったら施設に入所させることも誰も介護に協力してくれず、ひとりで24時間がんばるしかない状況は異常です。最悪の場合、双方が共倒れになるか、介護放棄、介護離婚といった事態に陥ることも考えられます。介護は嫁がするものと思い込んでいる男性は、いつか痛い目にあうと思っていたほうがいいでしょう。誰の協力も得られないようなら、介護施設への入所も考えておくべきです。Greyscale / PIXTA(ピクスタ)価格的には「特別養護老人ホーム(特養)」や「グループホーム」が手頃です。kunio / PIXTA(ピクスタ)すでに定員を満たして空きがない施設も多く、予約だけでもしておくことをオススメします。■ 5.親と同居する前に、必ず夫婦で介護について話し合うこうした問題は親と同居する前に、夫婦でよく話し合っておくことが大切です。shimi / PIXTA(ピクスタ)親が認知症になって自宅で介護が必要になった場合、家族の誰が中心になって介護し、誰がどの程度協力してくれるのか。たとえば休日は妻に代わって夫が介護する、子どもは買い物や掃除を手伝う、徘徊して事故にあっても誰かを責めたりしない、など。本来なら家長である夫が率先して話し合う問題だと思われます。■ 6.一番大切なのは、些細なことでも介護をひとりで抱え込まないこと介護や認知症を経験している人はたくさんいます。同時に情報もインターネットや新聞、雑誌などで簡単に得ることができます。naorock / PIXTA(ピクスタ)行動すれば助けてくれる人や組織、制度は必ず見つかるでしょう。最後にもう一度言います。大切なのは、介護をひとりで抱え込まないことです!どんな些細なことでもです!KY / PIXTA(ピクスタ)できるだけ協力者を確保して自分の負担を軽くし、介護者も要介護者も快適に過ごせるよう心掛けましょう。
2018年09月02日