『脳が勝手に記憶するユダヤ式英語勉強法』(加藤直志著、サンマーク出版)の著者は、オンライン英語塾「加藤塾」主宰にして「ユダヤ英語コーチ」。本書で提唱する「ユダヤ式英語勉強法」を通じ、これまでに1万8,000人以上にインターネットで英語を指導してきたそうですが、その主張は想像以上に大胆です。なにしろ「記憶の民」といわれるユダヤ人の究極の記憶法は、「体をキツツキのように揺らしながら、口を動かしてつぶやくこと」にほかならないというのですから。にわかには信じられないような話ですが、事実、彼らはそうやって、1,000ページ以上もある聖書のなかの「トーラー」と呼ばれる部分を全文記憶しているのだとか。3、4歳から体をゆらゆらさせながら、ブツブツ聖書をつぶやく……すると、いつの間にか「トーラー」を記憶できているというのです。■体と口を動かしながら覚える理由では、なぜ彼らは聖書を記憶する際に体を前後させるようになったのでしょうか? それは、「聖書の数が足りなかったから」なのだといいます。奴隷として扱われたり、ひどい迫害を受けてきた彼らはその昔、日常的に聖書を燃やされたり捨てられたりされていたのだそうです。そのため聖書の数が慢性的に足りなくなり、みんなで一冊の聖書を読もうとしたため、見えるように体を動かす習慣がついてしまったということ。そしてその結果、「ひょっとしてこれは画期的な記憶法なのでは?」と気づいたというのです。さらには「体を動かすことで体温が上がり、血行がよくなる」というメリットにも気づいたため、この記憶法が広まっていったのだとか。■音読と反復による暗記練習が肝!だから、「英語をどのように勉強すれば、いちばん効果があると思いますか?」という問いに対しても、著者はまず「つぶやくこと」だと断言するといいます。ただし、それだけでは不十分。「体を動かしながら」という要素が加わって、初めて効果的な「ユダヤ式英語勉強法」が完成するというわけです。<学ぶ(ミシュナ)というのは、繰り返し朗読をし、繰り返し書き写し、そして繰り返し考えることである>というユダヤの格言があるそうです。そして著者もまた、ユダヤ関連の本を読みあさり、ユダヤ人が多く通っていたニューヨーク州立大学で彼らと共に学んだことから、「音読と反復による暗記練習が英語を身につけるうえでは最大のポイント」だと確信したのだといいます。なぜなら、単純なリズム運動が加わることで、英語が脳に勝手に定着してくれるから。いわば「単純なリズム運動」と「つぶやくこと」が英語学習にとってはもっとも大切だということ。なお、ユダヤ人の語学学習に関する考え方は、次の「5つの基礎」にまとめられるそうです。■ユダヤ人「語学学習」5つの基礎(1)とにかくワクワクすることからはじめるユダヤ式勉強法によってふたたび英語を学びたいなら、まずは心が踊るくらいワクワクすることからはじめるべき。なぜなら、興味が持てないことや難解なことからはじめても、すぐ嫌になってしまうから。だから自分の好きなものが題材になっていて、「簡単そう」「いますぐ取り組めそう」と思える教材を選ぶことが大切なのだといいます。そしてもちろん、「楽しむ」ことも不可欠な要素。(2)体を動かしたり、歩いたりしてリズムをつけて学ぶ「体をキツツキのように揺らしながら、口を動かしてつぶやくこと」が大切だといっても、そもそもその動きは“昔からのなごり”。つまり、同じような動きをしなければいけないという意味ではなく、とにかくじっとさえしなければOKだといいます。別ないいかたをするなら、英語学習においては、とにかく“動き”を取り入れることが大切だということ。(3)声に出して、つぶやきながら学ぶつぶやくことには抵抗があるという方もいるかもしれませんが、これにも明確な根拠が。声に出せば、自分の声を聞くことになります。視覚だけではなく聴覚も使っていることになるため、記憶に厚みが増すというのです。(4)最高の「つぶやき」環境を整える多くの情報や物質であふれ返る現代社会は、集中を妨げる要素がたくさん。そんななか、それらの原因と向き合い、うまく対処する方法のひとつは「感情が乱れて気が散っている状態で勉強しない」ということ。そしてもうひとつは、「自分にとって集中できる時間帯とその時間を把握する」こと。一切の心配と悩みを遠ざけ、環境を整えたうえで勉強に集中すべきだという考え方です。(5)反復練習や復習をすぐに行う<学んで復習しない者は、種をまいて刈り取らないのに等しい>というユダヤの格言があるそうですが、たしかに復習しなければ、どんなに努力したところで実を摘み取ることは不可能。英語学習はまず復習しなければ意味がなく、復習にこそ、英語学習の本当の意義があるといっても過言ではないそうです。*こうした考え方を軸として、以後は「単語力」「英文法」「リスニング力」「リーディング力」「スピーキング力」「ライティング力」、そして「資格試験勉強法」まで、ユダヤ式のさまざまなメソッドが紹介されています。それぞれが実践的なので、きっと役立つはず。英語学習で悩んでいる人にとって、大きな助けになるかもしれません。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※加藤直志(2016)『脳が勝手に記憶するユダヤ式英語勉強法』サンマーク出版
2016年07月25日『体に毎日たまる毒をちゃんと抜く技術』(矢城明著、サンマーク出版)の著者は、外資系製薬会社で約20年間にわたり、新薬の開発を担当してきたという人物。「生涯で2~3種類の新薬開発に携わるのが常」とされていた当時の業界において、7種類もの新薬開発に携わったというのですから驚きです。現在は、薬学部トップクラスの大学で最年少の客員教授となり、講義を中心に活躍しているのだといいます。■毒を「抜く」という考え方つまり、そうしたキャリアを軸に書かれたのが本書だというわけですが、その主張の軸になっているのは「抜く」という考え方。私たちは毎日の食事を通じ、生きるために必要な栄養を摂取していますが、その過程においては必然的に「老廃物」という毒をためることになります。そこで、まず気をつけるべきは、毒をためないこと。ただし人間は毒を摂取しなくても、みずから体内で毒をつくってしまうもの。だからこそ、体内に毒をためないこと以上に、「たまった毒をいかに“抜く”か」が健康のカギを握っているというわけです。■なぜ水分補給が必要なのか本書で著者が強調していることのひとつが、「水分補給」の重要性です。まず、入浴して汗をかいたら、当然のことながら水分補給は不可欠。しかも人間は、寝ている間にコップ一杯分の汗をかくといわれています。この汗は睡眠中の体温調節のために欠かせないものだそうですが、朝起きたときの喉の乾きの原因になっているのも事実。それだけでなく、汗を大量にかいたあとの寝起きの体は水分が不足しているため、血液やリンパ液の流れが悪くなり、循環しづらい状態になっているというのです。そこで、水分補給が必要になるということとなるとスポーツドリンクを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょうが、スポーツドリンクは糖分が多すぎて胃に負担をかけてしまうのでよくないそうです。それに、そもそも、体内の循環を上げるためには、冷たい水で体を冷やさないことが大切。たしかに暑いときには、冷たい水をおいしく感じます。しかし冷たい飲みものは体温を内側から下げ、血管やリンパ管を収縮させてしまうので、循環のスピードが確実に落ちるというのです。■理想的な飲みものは白湯!そこで、もっとも体に負担をかけない飲みものとして著者が推奨しているのが、常温(15~25度)か、できれば暖かい白湯(さゆ)。体温よりも温かい白湯を飲むと、胃腸をはじめとする臓器が温められて活性化することに。循環が高まれば、体も自然と目覚めてくるというわけです。ちなみに著者は、いつも沸騰させたアルカリイオン水をポットに、そして常温のアルカリイオン水をやかんに常備しているそうです。朝起きると、すぐにそれを1対1で割り、200~400ミリリットルほど飲んでいるというのです。ポイントは、温度を体温よりも少し高い40度くらいにしていること。フーフーと冷まさなくても飲める程度の熱さにしているわけです。朝起きたときだけではなく、寝る前にも白湯を飲み、寝ている間に水分が失われても大丈夫なように備えておくことも大切。また、お風呂上りも体の水分が相当失われているため、白湯を飲んで潤すといいのだとか。お風呂上りにはどうしても冷たいものを飲みたくなるものですが、どんな状況であれ、冷たいものは体温を下げ、臓器の機能を低下させてしまうのだといいます。循環機能においては、確実にマイナスなのです。■白湯を飲むべきタイミングつまり、(1)起床後、(2)入浴後、(3)就寝前というように、朝・夜・夜の3回は意識して40度前後の白湯を飲むのが理想的。それで体は活性化するというのですから、ぜひ取り入れてみたいものです。暑いときに冷たいビールやかき氷がおいしく感じられるのは、暑さによって上がった体温を下げようとするあまり、脳が間違ってサインを出しているからなのだとか。本当は冷たいもので内部から体温を下げるよりも、白湯で水分を補給して循環を上げ、汗をかいてゆっくりと体温を下げたほうがいいということです。なぜ、そこまで白湯がいいかといえば、糖分やカフェインなど、他のものが混ざった飲みものよりも、純粋に水分だけの白湯のほうが直接吸収できるから。特に朝は排出の時間なので、糖分などが入ったものを飲んで、消化・吸収にエネルギーをかけることは避けたいところ。そこで就寝前後は、白湯以外のものは飲まないようにするべきだという考え方です。なお、「白湯は苦手」という人でも、飲み慣れてくると次第においしいと感じるようになるといいます。*特筆すべきは、一方的に理屈としての持論を押しつけるのではなく、自身の体験に基づいた記述が徹底されている点です。そのぶん、机上の空論とは違った説得力が生まれているということ。しかもすぐに実践できることばかりなので、きっと役立つはずです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※矢城明(2016)『体に毎日たまる毒をちゃんと抜く技術』サンマーク出版
2016年05月30日ファッションデザイナーでアーティストの松居エリが4月30日、作品集『Sensing Garment 感覚する服』を出版する。松居エリは、女性たちに圧倒的な支持を得ているウエディングドレスデザイナー。1998年頃より、自然と人間、服と人間の関係性に注目し、科学・数学の研究者とのコラボレーションによる服作りを行っている。6年掛かりの集大成である同書では、これまでに松居が研究者らとコラボレーションし発表してきた服の図録やテキストが初めて収録される。服を媒体に「自己と他者」、「思考とは感覚とは」、「知覚」、「言葉」、「立体としての服」に迫るテキストや、展開図としての服のパターン、松居エリ独自の衣服造形設計論などが紹介されている。また、同書の刊行を記念し、5月17日青山ブックセンター本店では松居エリのトークショーが開催される。第1部ではサイエンスの観点から東京大学生産技術研究所教授の合原一幸を、第2部ではファッションの観点からエスティーム プレス代表の内藤純子をゲストに招くほか、オリジナルムービーの上映と、モデル1名が登場しファッションショー形式でのプレゼンテーションも予定されている。各部定員は100名、申し込みの詳細は青山ブックセンター本店オフィシャルサイト()にて。【書籍情報】『Sensing Garment 感覚する服』出版社:工作舎181ページ出版:2016年4月30日価格:5,800円
2016年04月15日『お金を整える』(市居愛著、サンマーク出版)の著者は、マネーコンサルタントとして活躍する人物。しかし過去には、リーマンショックの影響でご主人の会社が倒産したことから、「お金がない恐怖」をリアルに体験したことがあるのだそうです。その恐怖感は相当なものだったでしょうが、そんななかでも得たものがあり、それが未来につながっていったのだといいます。それは、「お金の通り道」を整えることの重要性。お金の通り道を整えることによってムダな出費が減り、お金が貯まることに気づいたのだというのです。逆にお金の通り道が片づいていないと、新鮮なお金が入ってこなくなり、ムダなお金がどんどん出ていくことになるのだとか。また、散らかりすぎているあまり、本来あるはずのお金の存在に気づかないということも考えられるでしょう。その感覚を著者は、部屋の状態にあてはめています。部屋が散らかっていると「気が散る」のと同じように、お金の通り道が散らかっていると「お金が散る」ということ。そんな経験に基づいて書かれた本書のなかから、きょうはカードについておぼえておきたいことをご紹介しましょう。■カードは1枚に集中させるべし「クレジットカードを1枚にしましょう」と著者が提案すると、たいていの場合は「えー、無理ですよー」というリアクションが返ってくるのだそうです。たしかに最近はサービスが充実しているだけに、「ポイントほしさに」次々とクレジットカードをつくってしまうことも考えられます。ところが何気なくつくってしまうクレジットカードは、枚数が増えれば増えるほどリスクが高まるのだとか。しかも、もらえるご褒美も減っていくのだそうです。まず「ポイント」という観点から考えると、クレジットカードは使う頻度が高い企業で、もっとも効率よくポイントが貯まるものを選ぶべきだといいます。たとえばネットショッピングが多い人は、楽天やアマゾンなどのネット系カードを、食料品や日用品の買い物が多い人は、イオンカードやセブンカードなどの食料系カードを、といった具合。なぜならクレジットカードのポイントは、カードによって異なるものの、基本的にはそのカードのお店で使えば使うほど貯まる仕組みになっているから。そして当然のことながら、貯めたポイントはその企業の商品やサービスに換えることができるわけです。貯まっていくポイントは決して少なくないだけに、カードを1枚に集中させるだけで、お金(ポイント)が自動的に貯まるということ。■カード1枚だと信用も得られるまた、クレジットカードを1枚にすべきもうひとつの理由が「信用」。クレジットカードの支払い期限までに入金できなかった場合、その情報は「信用情報機関」というところに記録されるのだそうです。すると、住宅ローンなどで銀行からお金を借りたいとき、車などをローンで買いたいときなどに不利が生じてしまうということ。クレジットカードが複数枚あると、それぞれの請求額を把握しづらく、つい支払いを忘れてしまいがち。しかし1枚だけにしておけば、そんなリスクを減らすことができるわけです。■ポイントカードは3枚にしぼる最近はどんなお店にもポイントカードがありますが、いわれるままにいろんなポイントカードをつくるのも考えもの。なぜならポイントカードが多いほど、行く店が多くなるものだから。しかし、それぞれのお店でのポイントはたいして貯まらず、結果的にはムダづかいが多くなってしまうというのです。そこで悪循環を断ち切るために、著者はポイントカードの枚数を3枚にしぼり、お財布を整えることを勧めています。まずはお財布からすべてのカードを出し、過去「1年以内」にポイントを換金、あるいは商品に換えたことのあるカードだけをチョイス。そしてそのなかから、理容頻度の高い3枚を選ぶといいそうです。「1年以内」である理由は、お店のポイントカードは1年で有効期限が切れることが多いため。つまり1年以内にポイントを使ったおぼえがない場合には、必要のないカードだということになるわけです。そして「3枚」である理由は、1枚や2枚では、さまざまなシーンに対応できない可能性があるから。そして4枚以上持つとポイントが分散してしまい、得にならないからだといいます。*主婦としての感覚がベースになっているだけあり、考え方やメソッドはこのように具体的かつ実践的。つまりはすぐに役立てることができるわけなので、目を通しておきたい一冊だといえます。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※市居愛(2016)『お金を整える』サンマーク出版
2016年03月13日『「なりたい人」になるための41のやり方』(窪田良著、サンマーク出版)の著者は、さまざまな方面において能力を発揮し、多くの実績を打ち立ててきた人物です。まずは研究者として、緑内障の原因遺伝子である「ミオシリン」を発見し、「須田賞」を受賞。眼科専門医としても緑内障や白内障などの多くの執刀経験を持ち、2000年の渡米後はワシントン大学に助教授として勤務。そののち米国で創薬会社をつくり、それを日本で上場させたというのです。いかにも“夢をつかんだ人”のように見えますが、本人はまだ「なりたい人」に完全になれたわけではないと考えているのだというのですから驚きです。しかし、いずれにしても「こんなことをやってみたい」と思ったことはほぼ全部やってこられたそうで、そこには大きな鍵があるといいます。それは、「なりたい人になるためのやり方」のようなものを実践してきたからだということ。でも特別なことではなく、「誰もが再現可能なやり方」でもあるといいます。また、それに加えて著者は気になる発言をしてもいます。■全体の9割できたらそれで満足する物事を深く掘っていくとき、「どこまで掘ればいいのか」ということについては、人によっていろいろな考え方があります。あえて答えを出すとしたら、「自分が満足するところまで」ということになるはず。では、著者はどうなのでしょう?これが少し意外なのですが、「これまでの人生を振り返ってみると、だいたい9割まで行ったな、というところで満足し、道を変えてきたように思う」というのです。ただし「9割で満足する」といっても、ゴール目前、最後の最後で放り出すという意味ではないそうです。目指したゴールに達した瞬間、「その道をそのまま進み、極めていくのか」「別の道を選び、アプローチの仕方を変えて進むのか」と考え、その結果として、極めるのではなく、さらなる挑戦の道を選ぶということ。なにをやりたいのかは、人それぞれ違って当然。「0→1」でも「1→10」でも「1→100」でも、どれにも狩りがあり、どれを選ぶかは好みや向き不向きで決めればいいわけです。そして著者の場合は、たまたま新しいものをつくり出すことに最高の魅力を感じるのだということ。そして、だからこそ9割で満足できるそうなのです。■完璧を目指す道が向いていない人も努力による進歩は、ある一定のレベルに達すると横ばいになり、その先は努力を重ねてもあまり伸びなくなるのだそうです。たとえば5年かけて9割の成果が上がったとしたら、残りの1割を達成するためにはさらに5年、場合によってはそれ以上の時間と労力がかかるということ。もちろん名工といわれる職人さんのように、そこからも日々精進を重ねて完璧を目指す人もいますし、それはそれですばらしいこと。でも「完璧を目指す道」が向いていない人もいて、たとえばそのひとりが著者。だとすれば、そういう人は9割のところで満足すればいいという考え方なのです。イノベーションの世界ではよく、「Perfect is the enemy of good」(最善は善の敵)といわれるそうです。完璧を追い求めるあまり、負担がかかりすぎて物事が達成できないことがあるもの。だとすれば、9割で満足するくらいの気持ちでいる方が、結果的に大きなことが達成できるというわけです。また、ある地点で満足して道を帰ることには、イノベーションを起こすためには、道の世界同士をどんどんつなげていった方が絶対にいいと思っているからでもあるといいます。「0→1」を目指す道では、ひとつのものにこだわらず、9割くらいのレパートリーを増やし、そのコンビネーションで勝負した方がおもしろいものが生まれるということです。■この世は「完璧」が成立しない世界そして、そもそも「完璧」などというものは成立しないとも思っているのだそうです。なぜなら著者のいる医学の世界に「完璧」といえるものはないから。病気は同じでも、患者さんの状態は一人ひとり違うもの。手術をするにしても、たとえどれだけ経験を積んできたドクターだったとしても、「その人の手術」はぶっつけ本番の一回限り。つまり手術に「成功」することはできても、その「成功」が「完全な成功」だったのかどうかは比較対照できるものではない。「完璧」が成立しない世界だからこそ、自分で満足できる範疇で、より多くの人から満足してもらえるものを目指し、どこかで思い切って区切りをつけ、よしとするしかないということ。*「なにごとも完璧でなくてはいけない」と考えてきた人にとっては、目からウロコが落ちるような考え方ではないでしょうか。しかし、これはどんな仕事についてもいえることであるようにも思えます。(文/書評家・印南敦史)【参考】※窪田良(2015)『「なりたい人」になるための41のやり方』サンマーク出版
2015年12月17日ベストセラーとなった、近藤麻理恵さんの著書『人生がときめく片付けの魔法』(サンマーク出版)。日本国内で155万部を超えただけでなく、海外35ヶ国でも翻訳されてやはり大ヒット。全世界で200万部を超える売り上げを記録しました。「必要のないモノに囲まれてごちゃごちゃ生きるより、大切で、手に取ってときめくモノだけを残してシンプルな生活をする」というメソッドはとてもわかりやすくて実践しやすいもの。余計なモノは、思いきって捨ててしまったほうがいいような気がしますよね。しかし、『「きれい」が続く片づけのアイディア&テクニック』(日本文藝社)などの著書があるホームオーガナイザーの吉島智美さんによると、そこには4つの危険な落とし穴が潜んでいるそうです。■1:世界が広がらない不必要なモノを捨てるのは、気持ちがいいです。まして、“手に取ってときめく”モノだけを残しているのですから、残されたのは当然、自分の好みに合うモノばかり。そういったモノに囲まれて暮らすのは幸せですよね。でも、「価値観の違うモノを手あたり次第に排除してしまっては、世界が広がりません」と吉島さん。ときには違和感にも寄り添い、モノを通して自分の世界を広げることも必要かもしれません。■2:成長するきっかけを捨ててしまうときめきのないモノを捨てるのは、自分に負荷をかけるモノを排除してしまうこと。でも吉島さんはこういいます。「人生で『成長したなあ』と感じるのは、無理だと思っていたことや、つらいと思うような出来事を乗り越えたときではないでしょうか。最初から『これは自分に合わない、あれは自分に負担だから嫌だ』と避けてしまっては、そうした成長の喜びを手に入れられません」たしかに、ときめきとは正反対でも結果として幸せを運んでくれるモノも、きっとあるはずです。■3:“持たない競争”に陥ってしまうシンプルでミニマムな生活は確かに素敵です。それが、自分にとって“足るを知る”状態であれば問題ないのですが、ごくたまに“他人とくらべてどのくらいシンプルか”を気にしてしまう人がいるようです。「周りとくらべ、自分が少ないから勝った、負けたと考えるのは、どちらがより高価なブランド品を持っているかの競争となんら変わりません」(吉島さん)片づけは、決して誰かと比較するべきモノではありませんよね。いくらミニマリストが流行だといっても、他人とくらべるのはやめましょう。■4:考えずに捨ててしまう自分で管理できる量以上にモノを増やしてしまうのは、面倒くさがりの人に多いはず。面倒くさがりの人のなかには、片づけをする際に、どれがときめくか検証することすら面倒だと感じてしまう人もいるようです。「ゲームのリセットボタンのように、すべてリセットしてしまおうとするのは危険です。やはり面倒でも、いま取り組むべき問題はなんなのか、しっかり考えましょう」(吉島さん)*片づけることは、自分の人生と向き合うこと。自分の感覚を大事にするのはもちろん必要ですが、安易になんでも捨ててしまうだけだと、結果的には同じことを繰り返す可能性があります。片づけは、あくまで自分の生活を快適にするための通過点。自分の人生になにが大切なのか、見極める機会にしたいですね。(文/宮本ゆみ子)【取材協力】※吉島智美・・・1969年福島県生まれ。ホームオーガナイザー、2級建築士。ワイズスタジオ建築設計事務所取締役。NPO法人日本プロフェッショナルオーガナイザー協会理事長。住宅設計のかたわら始めた片づけアドバイスで、片づけは収納スペースの問題だけではないと気づき「片づけのプロ」に転身。住み手に合ったノウハウを提案することで「モノ」「思考」「感情」の整理をサポートしている。『大切なモノだけと暮らしなさい』(青春出版社)など、5冊の著書がある。【参考】※吉島智美の「大切なモノと、自分らしく暮らす」
2015年11月21日30歳の節目に「桃のすべて」出版30歳になりますます活躍の幅を広げる桃。節目となる年に満を持して出版されるのが「桃のすべて」だ。彼女のオフィシャルブログの11月12日付け記事において、同本の予約受付が開始されたと発表した。同記事では、「いままでとは一味違った特別な物にしたくて」とその意気込みを告白。彼女一流のヘアメイク術はもちろん、独自のオシャレ理論や心が元気になる方法にも言及し、彼女の内面に迫る一冊に仕上がっている。結婚生活5周年!また、結婚生活5周年をむかえ、ハッピーなお祝い報告も聞かせてくれた。同ブログ11月12日付け別記事では、寿司屋で夫と楽しい夜を過ごした様子をアップ。夫婦の仲良しぶりを公開し、「一緒にいる期間が長ければ長いほど愛は深まる」と夫への愛をつづった。話題のクレンズスープを大絶賛仕事もプライベートも充実している彼女を支えているのは食事だ。同ブログ11月11日付け記事では、モデルの間で話題のクレンズスープを紹介している。彼女がチョイスしたのは、「Natural Healthy Standard.」の商品で、フリーズドライのスープの素にお湯を注ぐだけの手軽さなのに、スーパーフード“キヌア”と“スピルリナ”が入っていたり、食物繊維も摂取できたりと、体に良いこと尽くし。彼女もすっかり虜になった様子で、「ダイエットにもいいみたい」と大絶賛した。【参考】・桃 オフィシャルブログ
2015年11月14日『すごい人のすごい流儀』(伊藤正二郎著、サンマーク出版)の著者は、メジャーリーガーのダルビッシュ有選手や、サッカー日本代表の本田圭佑選手など多くのスーパースターのブランディングを担当している人物。本書ではそんなキャリアをもとに、独自の「3C」というセルフブランディング手法について解説しています。これがなかなかユニークなので、基本的な考え方をご紹介したいと思います。■スーパースターをつくる技術「3C」とは?「『スーパースター』は意図的につくることができる」と断言する著者は、社会的影響力や高感度を高める方法として、「3C」を用いているのだといいます。聞きなれない用語ですが、長年にわたりコンテンツ価値を最大化する仕事に携わってきたなかで培ったノウハウなのだとか。「スーパースターをつくる技術」として、公の場で話すこともあるというのですが、なんだか難しそうなイメージもあります。が、実は意外にシンプル。「3C」には、以下のような意味があるのだそうです。(1)Concept「コンセプト」を決める(2)Consistency外見・主張・行動にコンセプトを反映し、「一貫性」を持たせる(3)Continuity一貫性を「継続」するコンセプト(Concept)を決め、それを外見・主張・行動に反映させ、一貫性(Consistency)持たせる。そして、一貫性を継続(Continuity)させる。これだけです。■「3C」は人から認知され評価される要素なお、「スーパースターをつくる技術」がこの3つに集約されることには理由があるそうです。人が人から認知され、評価される要素は「外見」「主張」「行動」の3つしかないから。つまり、「どんな外見で」「どんな主張をし」「どんな行動をとるのか」が重要になるということ。■「3C」の格であるコンセプトが共感を生むそして、そのときに核となるのが「コンセプト」。コンセプトはその人の強みや物事に対する姿勢、雰囲気、イメージを表すもので、同時に差別化と優位性の源泉ともなるのだといいます。だからクライアントであるアスリートの価値を高めるとき、著者もまずはコンセプトを決めるのだと明かしています。そして決定したコンセプトがアスリートの「外見」「主張」「行動」に反映されるかどうかをもとに、すべての案件を取捨選択して決定を下すのだそうです。つまり、こうすることによって、クライアントの一挙手一投足に一貫性を持たせることができるようになる。そしてそれを継続していくと、次第にアスリートのコンセプトが多くの人に認知され、共感につながっていくというわけです。そしてその結果、そのアスリートの価値は最大化し、単なる「アスリート」や「スター」ではなく、「トップアスリート」「スーパースター」になっていくということ。*ダルビッシュ有選手も本田圭佑選手も、このような考え方に基づいてブランディングされていたとは驚き。しかしこの考え方は、ビジネスにも広く応用できそうです。興味を持った方は、ぜひ本書からそのエッセンスを吸収してみてください。(文/印南敦史)【参考】※伊藤正二郎(2015)『すごい人のすごい流儀』サンマーク出版
2015年09月18日『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の著者E・L・ジェイムズが、6月18日にシリーズ最新作を出版すると発表した。タイトルは『Grey』。過去の3部作はアナスタシアの視点から語るものだったが、『Grey』はクリスチャン・グレイの視点から語られるという。「読者たちがこれを強く望んだのです。クリスチャンは複雑なキャラクターで、読者たちは、彼の欲望やモチベーション、暗い過去に魅了されてきました。それに、恋愛を経験したことがある人なら誰でも知っているように、すべての物語には、もうひとつの側面があるものなのです」と、ジェームズはプレスリリースでコメントしている。『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』3部作は、全世界で1億2500万部を売り上げた。今年2月に公開された1作目の世界興収は5億6900万ドル。2作目は2017年2月10日北米公開予定で、現在製作準備が進められている。1作目の監督サム・テイラー=ジョンソンは2作目には関わらないと発表したため、スタジオは現在、新しい監督を探しているところだ。『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』ブレーレイ&DVD 7月2日(木)発売文:猿渡由紀
2015年06月02日『食べるだけで、若くキレイになる方法』(小針衣里加著、サンマーク出版)とは、なかなか魅力的なタイトルです。でも、そんな都合のいいことが本当にあるのでしょうか?もちろんそれは、むやみやたらに食べればいいという意味ではありません。野菜、肉、ご飯などをバランスよく、本書で紹介されているコツを取り入れながら、無理なく楽しく食べればいいということ。2章「体を温めれば、キレイにやせはじめる」から、「朝食のとり方」に焦点を当てた項目を引き出してみたいと思います。■おいしい朝食は脂肪をため込まない私たちの体温は一定ではなく、1日を通し、約1時間前後の範囲で、高くなったり低くなったりしているもの。体温が高くなるのは、体が活発に活動している昼過ぎから夜にかけてだそうです。そして夕食後しばらくたったころから体温は徐々に下がりはじめ、いちばん低くなるのは明け方3~5時ごろ。そして、朝7時すぎからまた上がってくるわけです。つまり体温の変化に応じて、ホルモンの分泌量も増え、体温が上がれば血行もよくなることに。体全体が活動を始めるということ。だから、せっかく体温が上昇しようとしている時間帯の朝食に、体を冷やす食べものを食べてしまうと逆効果。体温の上昇を妨げるばかりか、ホルモン分泌や血行も悪くしてしまうそうです。そして朝食を抜けば、基礎代謝も低下し、体の冷えを招き、脂肪をため込みやすい体になるので注意が必要。それどころか当然のことながらエネルギー不足となり、集中力が続かず、疲れやすくなることに。つまり朝食を抜かず、体を温めることを意識した食事をとることが大切なのです。■朝食にするといい食べ物は発酵食品そこで「朝食に是非食べていただきたい」と著者がおすすめしているのが、発酵食品。温かい味噌汁や納豆、チーズトーストなどがいいそうです。発酵食品は、体内に入る前から酵素や微生物の働きによって、消化のよい状態になっているもの。体内を改善する乳酸菌などの善玉菌も多く含まれているので、腸内の環境を整え、消化から排泄までの流れをスムーズにしてくれるというわけです。なお、夕食を控えめにすれば、朝起きたときにお腹が空いているので、朝食をしっかりと食べることになります。朝と昼にしっかり食べて、夜は軽めにする食べ方は、ダイエットにも効果的だといいます。他にも、マイナス5歳に見られるための知識がぎっしり。「キレイにやせられる」レシピも数多く紹介されているので、きっと役に立つと思います。(文/印南敦史)【参考】※小針衣里加(2015)『食べるだけで、若くキレイになる方法』サンマーク出版
2015年05月13日帝国データバンクは5日、月刊誌「美術手帖」などを出版していた美術関係専門の老舗出版社「美術出版社」および同社のグループ会社「美術出版ネットワークス」の2社が、東京地方裁判所に4日づけで民事再生法の適用を申請していたことを報じた。負債総額は24億4,300万円。美術出版社は、月刊誌「美術手帖」をはじめ、「美学」のほか、書籍「カラー版西洋美術史」、「カラー版日本美術史」など、1905年(明治38年)の創業以来、百年以上にわたって美術やデザイン、建築物など芸術分野に関する雑誌・書籍の出版を手がけていた老舗出版社。年間30~40点の新刊を発刊し、2014年3月期には年売上高約12億800万円を計上していたが、従前からの多額の負債や出版事業の売り上げの落ち込みにより苦しい資金繰りが続いていたことから、過大な債務負担を圧縮するべく、民事再生法による再建を目指すとしている。一方の美術出版ネットワークスは、美術出版社のグループ会社として、アプリやWebサイトの受託開発を主体に、スマートフォンや携帯電話向けコンテンツの開発・配信を手がけていた。2014年9月期には年収入高約2億4200万円を計上していたが、美術出版社に連鎖する形で今回の措置となったということだ。
2015年03月06日レザーブランド「エンダースキーマ(Hender Scheme)」から初となる書籍『Manufacture』が出版される。4,500円、500分限定。ブランド設立前から浅草に身を置くデザイナーの柏崎亮は、この街の持つ“人情深く世話焼きな暖かい側面”、またその真逆とも言えるような“よそ者を寄せ付けにくい側面”の両面を持ち合わせた独特な空気や温度を感じてきたという。この本には、そんな環境の中で靴を製作する際にかかわってきた職人達の素晴らしさ、暖かさ、また相反する難しさなど様々な側面から捉え、脚色せずありのままの浅草という街を伝える。“人から人へモノは渡り、製品になって、それを人が使ってその人なりの完成品になっていく”という柏崎の理念に沿った、その過程や経過を表現した。販売は2015年1月中旬から全国の卸先にて順次開始する予定。国内外のアートブックを取り扱う「ユトレヒト(Utrecht)」(東京都渋谷区神宮前5-36-6ケーリーマンション2C)が12月5日から14日まで、展示・先行発売を実施。また、12日19時半から、代々木上原の弁当・ケータリング店「チオベン(chioben) 」による出版記念ディナーショー(3,000円、ドリンク別)を開催する。現在先着30名でユトレヒト問い合わせ窓口にて予約を受け付け中。
2014年11月28日書籍出版、電子媒体出版、受注出版を手掛ける中経出版は、著者の岩田松雄氏が、社員一人ひとりへ送った手紙「マネジメントレター」を元にした単行本「スターバックスCEOだった私が社員に贈り続けた31の言葉」を刊行した。価格は1,365円。著者は、コーヒーチェーン店「スターバックス」と化粧品メーカー「ザ・ボディショップ」のCEOだった6年間、それぞれの「ミッション(役割)」を意識してほしいという思いから、毎週月曜日に社員一人ひとりへ「マネジメントレター」を送っていた。同書は、その「何のために仕事をするのか」を問いかけている手紙の内容をもとに、これまでの経験をまとめているという。各項目は、著者が今でも交流のある「スターバックス」の現役社員、ディストリクト(地区)マネージャーを務めている”ハタ君”へ向けたメッセージという形をとっている。実在している人物の現状や悩みをリアルに想像した、より具体的なアドバイスになっており、部下・後輩を育てる立場にある「若いリーダー」や、キャリアに迷っている人、自分を高めたい人などに読んでもらいたい内容とのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月29日出版事業を手がける中経出版は、11月21日に、新刊『天才ではない君たちは「ひらめき」に頼るな、「論理」を手に進め。』(吉田正樹・津田久資 著)を発売した。価格は1,470円(240ページ)。同書は、ロジカルシンキング(論理的な考え方とその技法)の専門家や、戦略コンサルタントの立場から津田氏が、テレビ番組などのクリエイターの立場から吉田氏が、「創造を生み出すためのロジック」について「23の言葉」を軸に、エピソードを交えながら語っている。常に新しい発想を求められるクリエーターだけでなく、仕事を見つめ直そうとしているビジネスマンなど、さまざまな人を読者として想定した内容となっているとのこと。なお著者の2人は、学生時代を兵庫県の同じ学校で過ごし、ともに東京大学法学部へ進学。20年を経て再会したとき、まったく違う道を歩んできた2人が「感じていたこと」が共通していたことから、同書の出版にいたったという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月26日ジョニー・デップが、出版事業に挑戦するようだ。ジョニーは、大手出版社ハーパー・コリンズと提携して自身の映画プロダクション会社と同じ名前の「インフィニタム・ニヒル」を立ち上げるようで、「正当、率直で、明確なヴィジョンを届ける」ことをスローガンとしていると声明で発表している。「(インフィニタム・ニヒルは)読者にとって意味のある出版物をお届けすることに全力を尽くしていきます。ほかの出版社とは一味違うものをお届けできると思います」とその自信を覗かせている。同出版社がリリースを予定している書籍の中には、2015年に出版が予定されているボブ・ディランの人生とキャリアにおける真実を綴った「The Unraveled Tales of Bob Dylan 」(原題)なども含まれているようで、著者のダグラス・ブリンクリーは「私とジョニーはボブに関する著書がインフィニタム・ニヒルの初出版物として相応しいと感じました。ボブはとても穏やかな人柄で私たちに温かく接してくれました。私たちは少年の頃から彼の音楽には多大な影響を受けてきたんです」と同書の出版への抱負を語っている。そのほか、来年1月には米フォーク・シンガーの故ウディ・ガスリーが執筆した小説「House of Earth」(原題)の出版を控えている。ウディは1947年に同著作を書き終えているが、出版元が決まらずにこれまで未発表となっていた。■関連作品:ダーク・シャドウ 2012年5月19日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2012 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
2012年10月22日「ハリー・ポッター」シリーズで知られるJ・K・ローリングが、先日初の大人向けの小説「The Casual Vacancy」を出版し、過去に「ハリーポッター」のディレクターズ・カット版を執筆する誘惑に駆られていたことを明かした。「ハリー・ポッター」シリーズ執筆当時、「急いで」書かされていたというローリングは、物語を完璧に終わらせる時間が無かったと「BBC News」のインタビューに答えている。「いくつかの『ハリー・ポッター』では、絶対にあと1年くらい必要なことがあったのよ。急いで書かされたし、かなりしんどいときもあったのは確かね。だから、自分で読み直してみると、『困ったわ、このストーリーに戻ってディレクターズ・カット版を書きたいくらいよ』って思うの」と明かし、さらに「でもそういった辛いコンディションで書いた自分を誇りに思ってるのよ。どんなに大変だったか想像できる人なんていないでしょうね」と語っている。ローリングは、今月27日(木)に初の大人向け小説「The Casual Vacancy」を出版しており、同新刊はアダルトなテーマや罵り言葉なども含まれるため、“子供向けではない”と念を押している。「これは子供のための本ではないと周知しておいた方がいいわね。この小説を書き始めたとき、自分の大好きな19世紀の小さな地域社会を舞台にしたものの現代バージョンだと悟ったのよ。会話に罵り合いも含まれるけど、ある意味これが『The Casual Vacancy』のテーマね。社会が抱え込んでいる閉鎖的なものを見つめること。これが私の書きたかったこと」と話している。さらにローリングは、「The Casual Vacancy」後の新作は恐らく若い世代向けの作品に回帰するとも述べている。「たぶん次の作品は子供たちのための本ね。私としてもとても大好きな子供向けの本があるの。『ハリー・ポッター』の層よりもうちょっと若めの子どもたちかもしれないわ」と語るローリング。また現在、世界的なベストセラーになっている官能小説「Fifty Shades of Grey」については、読むことはないだろうとも語っていた。■関連作品:ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 2011年7月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2011 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights © J.K.R. Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and © Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
2012年09月28日6日、都内ホテルでエステー株式会社が、同社の特命宣伝部長でクリエイティブディレクターの鹿毛康司氏が5月に出版した「愛されるアイデアのつくり方」(WAVE出版)の出版記者発表会と記念パーティーをおこなった。同書は、ヒットCMを生み出し続けてきた鹿毛氏の「アイデア発想法」を、体験談から書き起こしたもの。放送回数が格段に少ないのに、話題となり、愛されるCMになるのはなぜなのか?といったクリエイターの持つアイデアのエッセンスが詰まっている。アイデアとは、つまるところ「お客さまと“心の通うコミュニケーションをとること」から生まれるものだと熱く語られる同書は、Amazonのビジネス書ランキングで1位をとり、話題となっている。発表会では、同社の鈴木喬社長が登壇。あいさつをした後、「影武者の鹿毛がしゃべるほうがいい。ありがとうございました!」と一言で鮮やかにあいさつをしめくくると、お祝いに駆けつけた「勝手に宣伝エステー部」が登場。同部は、エステーのCMファンだった男性たちが“どうしてもエステーを応援したい!”と鹿毛氏に打診したところ鹿毛氏が面白がり、「勝手にすれば」と快諾(!?)し、結成されたものだという。「勝手に宣伝エステー部」は、学生サークルで一緒だった縁でそのまま社会人となっても一緒に仕事を続けているというメンバーで構成されているため、壇上でもどこか“学生然”とした格好。「勝手に宣伝エステー部と申します……」と遠慮がちに挨拶すると、会場からは笑いが起こった。マイクを持つと、「勝手に宣伝エステー部」は、「いつもジャージ姿なのにどうしたんですか!」とやや暴走気味なコメントも交えつつ、「本を書くことで考え方を明らかにするっていうのは怖いことだったのでは?」などと質問をぶつけた。そんな「勝手に宣伝エステー部」に鹿毛氏は苦笑しつつ、「CMづくりも同様だが、本を書くというのは、心を傷つけること。でも、自分でかっこつけすぎると、テレビの向こうには伝わらない。だから、こちらも心を裸にして、どうやったらお客さん目線になれるんだろうかを考え続けてきました」と丁寧に回答。途中、「消臭力」シリーズのCMに出演したT.M.Revolution西川貴教氏やなだぎ武氏からの祝福ツイートもスクリーンに映しだされるど、「勝手に宣伝エステー部」は「すごいっすね」とあらためて感服。T.M.R.西川氏やなだぎ氏は、鹿毛氏とツイッター上でつながったことが縁でのCM出演だったが、ツイッターでの一つ一つの発信について、鹿毛氏は「皆さんの反応をみながら」と、目線を合わせることを常にこころがけることが先である姿勢を示した。そして「生きているひとたちの知恵があつまれば、アイデアがわくものだと思っている。生きている人にはみんなにみてもらいたい」と鹿毛氏は力を込め締めくくった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月11日香里奈著『One.』の発売間近!!女優でモデルの香里奈(27)が自身のライフスタイルを掲載したフォトブック『One.』を10月27日に幻冬舎から出版する。『One.』には、香里奈の私服、プライベートアイテム、自身が撮り下ろした写真など、香里奈の普段の顔などが収録され、ファッションも魅力的に紹介されているという。さらにジュエリーデザインにもチャレンジし、KArins’ Jewelry Fashion を紹介している。香里奈著『One.』出版記念イベント● 開催日時:2011年10月27日(木)17:00~(100名限定)● 場所:福家書店新宿サブナード店●イベント申し込み:福屋書店ホームページ※このイベントは、抽選で100名様に整理券を配付させていただきます(先着順ではございません)。※福家書店店頭での、整理券配付は一切ございません。●イベント申し込み受付期間:10/20(木)10時~10/22(土)15時● お問い合わせ:福家書店新宿サブナード店香里奈著『One.』定価:本体1,000円+税半型:並製/96ページ発売日:2011年10月27日 全国書店販売発行:幻冬舎メディアコンサルティング発売:幻冬舎香里奈・公式サイトより香里奈のTVドラマも好スタート17日の放送の注目の月9ドラマ「私が恋愛できない理由」(フジテレビ系)の初回平均視聴率が17%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)を記録した。元の記事を読む
2011年10月21日2月に出版されたアーティスト、アレクサンドラ・グラントによる「Ode To Happiness」(原題)という大人向けの絵本で文を執筆したキアヌ・リーヴス。日本の俳句に影響を受けたと語るキアヌはすっかりその魅力にとりつかれたようで、今度は自身の句集出版を考えている。「Ode To Happiness」の文は例えば「I wash my hair with regret shampoo after cleaning myself with pain soap(痛みの石鹸で身体を洗い、後悔のシャンプーで洗髪する)」といった暗い内容だが、キアヌは「もう1冊本を作りたいと思っている。『Haikus of Hope(希望の俳句)』と名づけたアイディアがあるんだ。とても暗い場所にいながら、トンネルの向こうに明るい光が見えるような内容のものだ」と語る。ハリウッド進出で話題の浅野忠信を始め、日本人キャストも多数出演する『47RONIN』に主演するなど、今年は特に日本と縁の深いキアヌ。「俳句はとても興味深いよ。伝統的な芭蕉のスタイルで作りたい」と意欲を見せている。(text:Yuki Tominaga)© Splash/AFLO■関連作品:47RONIN 2012年12月、公開■関連記事:赤西仁、オーディションでキアヌの親友役を勝ちとりハリウッドデビュー!キアヌにデル・トロ。40代独身大物俳優たちの身辺に変化の兆しがキアヌ主演のハリウッド版「忠臣蔵」発進!真田に浅野、柴咲&凜子も参戦
2011年06月17日