太陽光発電こそ一般的に認知されてきましたが、今では自宅で使う1次エネルギーをまかなう、より環境に配慮した住宅が基本になってきています。よりよい住環境になるだけでなく、省エネで光熱費の節約もできる!これからの基準となっている住宅や設計手法をご紹介します。最近よく耳にする ZEH(ゼッチ)って?昨今の環境配慮住宅の代表格ともいえるZEHハウス、聞いたことはあるけどいまいちよく知らないという方も多いのではないでしょうか……。ZEHハウスとは、冷暖房や換気、給湯、照明といった1次エネルギー消費を自宅で発電しまかなう住宅のことをいいます。電気料金を抑えられるだけでなく、地球温暖化対策にも貢献できるんです。サスティナブルな社会を実現させるためにもますます重要になってきています。最近話題のゼッチってどんなもの?太陽光発電との関係を徹底解説!カラダにもやさしい♪自然を活用したパッシブ設計風の通り道を作って、風通しのよい住宅にしたり、建物の配置を工夫して陽の光をうまく取り入れたり。自然エネルギーを最大限に活用して快適な空間にする「パッシブ設計」という考えがあります。カラダにやさしいだけでなく、光熱費の節約にもつながるのでZEHハウス実現のためには積極的に取り入れていきたい設計手法です。自然を感じる暮らし〜パッシブ設計とは〜高気密高断熱が鉄則!?住宅の気密性と断熱性能を高めることで、外気の侵入や外の熱を遮ることができ、室内の冷暖房効率はグッと上がります。このことで、冷暖房費を節約でき、夏は涼しく冬は暖かい住宅が可能になります。つまり、高気密高断熱住宅にすることでエネルギーロスが最小限になり、ZEHハウスに一歩近づきます。夏涼しく冬暖かいエコ住宅(高気密高断熱住宅)太陽光発電で創エネ!ZEHハウスを実現するためには、「断熱」の他に「創エネ」「省エネ」が大事な柱になってきます。次にご紹介する〔雑司が谷ZEH・ゼロエネハウス〕は、太陽光発電を用いることで年間エネルギー収支マイナスを実現させています。開口部は熱負荷が大きくなりがちなため取り入れるのが難しいですが、こちらの住宅ではZEHハウスでありながらも、大きな気持ちのよい窓が設けられています。のびのびとした吹き抜け空間も魅力的です。雑司が谷ZEH・ゼロエネハウスハニカムブラインドで暖かさを蓄える!次にご紹介する住宅はリビングに大きな吹き抜け空間があり、上部に光窓が取り付けられています。冬場は、日中に太陽の陽をたくさん取り込み、同時にその陽の暖かさを利用して室内を温めます。大きな窓には断熱性の高いハニカムブラインドが取り付けられているので、夜間はそれを下ろすことで家にフタをし、日中溜めた熱を外に逃さない仕組みになっています。夏場は逆に暑い日差しを遮るのにも活用できるようになっています。ハニカムブラインドが年間を通して作用する機能的な工夫です。太陽の暖かさを蓄える家足立の陽器(ようき)な家まとめ今回は、環境配慮に対して工夫がなされている住宅をご紹介しました。ZEHハウスは、住宅を建てる際の基本となってくるのでぜひ知っておきたい存在です!最近では、ZEHハウスや省エネ住宅に対して補助金制度も導入されています。家計にも、これからの地球環境にもやさしいサスティナブルな住宅をぜひ検討してみてください。省エネ住宅にする際に利用出来る補助金や税制をまとめてご紹介
2018年09月04日住宅の雑誌やテレビのCMを見ていると、どこのメーカーさんも「ZEH(ゼッチ)」という言葉を使っていますよね。おそらく実際に見学に行くと、ほとんどの営業マンに「ZEHはご存知ですか?」と聞かれるのではないでしょうか?なぜオススメするのかというと、消費者にとってメリットが大きいからです。ただ、このメリットにとらわれすぎて、本来の家づくりの目的が本末転倒になってしまう事例もあります。今回はハウスメーカーに5年勤めた筆者だから分かるZEH住宅にする注意点をご紹介します。■ ZEHはメリットだらけ!でも苦労するのが補助金申請!ZEH住宅は毎月の光熱費をゼロにすることができます。ですが、何もしなくてもゼロになるわけではなく、条件が3つあります。ABC / PIXTA(ピクスタ)気密性の高い住宅にすること(断熱性)空調・照明・給湯・換気をあまり使わず省エネ効果の高い設備を導入すること(省エネ)太陽光発電などで、自宅で電気をつくる住宅(創エネ)これらの条件を満たすことで、光熱費のかからない家を実現させます。KazuA / PIXTA(ピクスタ)これだけでもメリットは充分ありますが、さらには国からの補助金がもらえることもメリットです。ただし、この補助金は申請した人がすべて適用されるわけでなく、先着順です。さらには、ZEH基準を満たしているかの審査や、補助金申請の期限もあります。これが足かせとなってしまうことがありますので、気を付ける点をご紹介していきます。■ 補助金申請に急ぎすぎて、間取りに納得いかないまま進んでしまう国からもらえる補助金は、その年によって異なり、平成30年度は70万円、さらに「ZEH+」にすると115万円です。そして公募期間は、5月28~6月29日、7月17日~8月10日、8月23日~10月5日となっています。一見余裕がありそうですが、この公募期間までに間取りから設備まで、ほとんどのことを決めなければいけません。cba / PIXTA(ピクスタ)なぜならば、条件に断熱性だけでなく、空調や照明、太陽光などの設備も必須になるからです。公募期間に間に合わせるため、ハウスメーカーや工務店との契約後、充分な打ち合わせができず、中には仕事の合間を縫って毎日深夜まで間取りや設備を検討する、なんてことも……!■ 天井が高くて窓の大きい家にしたかったのに、ZEHの影響で叶えられず!ZEHの条件として、高い断熱性能を保つことが必須となります。補助金の申請をしたあと、家の大きさや、窓や扉などの開口部すべて細かく計算されます。freeangle / PIXTA(ピクスタ)その数値が満たされないために、窓の数を減らす、または小さくするなど対策をしなければいけません。天井の高さなども見られてしまうので、注意が必要です。「窓の大きい家にしたい」といった夢を、ZEHのために諦めてしまうというケースもあります。■ こんなはずじゃ!と後悔しないためにはどうすればいい?こう見てみると、ZEH仕様にしたり、補助金申請するのって何だかデメリットの方が多いんじゃないか……と思いますよね。でも、あらかじめ準備しておけば大丈夫です!まずは、あまりハウスメーカー選びに悩みすぎないことです。mits / PIXTA(ピクスタ)この時点で悩みすぎてしまうと、そのあとの肝心な打合せがタイトになってしまいます。ハウスメーカーに相談する前に、家族で話し合うだけでなく、優先順位をどうつけるのか、どんなことを叶えたいのかメモを取っておきましょう。なので、「ZEH出来ますよ」という言葉だけでなく、「天井を高くしても、ZEH仕様にできます」と言っていくれるメーカーさんを探しましょう。そのメーカーが断熱性能にどれだけ自信を持っているかによって、家づくりの満足度も左右されます。■ 決められた期間の中で、無駄なく計画しよう!申請期間は時間が限られています。その限られた時間の中で、間取りや設備を決めなくてはいけません。後から「窓が小さくなってしまいます」なんて言われたら、ショックですよね?Taka / PIXTA(ピクスタ)ですから、あらじめしっかりと要望を伝えておけば、ほとんどの営業マンは素直に答えてくれます。ZEH住宅は、これから2020年に向けて標準化していきます。メリットがたくさんあるので、ぜひこの機会に補助金をもらいながらZEH住宅にしてみてはいかがでしょうか?【参考】※国交省平成30年度のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅関連事業(補助金)について※一般社団法人環境共創イニシアチブ
2018年06月01日