コリン・ファレルとティルダ・スウィントンが『The Ballard of A Small Player』に出演することになった。監督は『西部戦線異状なし』のエドワード・ベルガー。借金を抱え込んだギャンブラーが、マカウでひっそり暮らすうちに特別な人に出会うという物語。Netflixが製作、全世界配信する。撮影はこの夏、アジアでスタートの予定。ファレルの次回作は、今年配信開始予定のドラマシリーズ『The Penguin』。スウィントンの最近作は、デビッド・フィンチャー監督、マイケル・ファスベンダー主演の『ザ・キラー』。文=猿渡由紀
2024年05月01日2017年10月、大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが複数の女性から性暴力被害の告発を受け、「#MeToo」運動が本格化するきっかけになった。2019年にはニューヨーク市警に過去の性的虐待容疑などで逮捕され、翌年禁錮23年の実刑判決を受けすでに服役中。ロサンゼルスでも複数の女性に対する性的暴行などの罪に問われ、今年10月から裁判が行われていた。そして19日(現地時間)、2005年から2013年までに起きたとされる強姦罪を含む3件の性的暴行罪で有罪判決を受けた。これにより、ニューヨークでの禁錮刑23年に加え、さらに18年から24年の服役に直面することになった。ワインスタインは代理人を通じて「評決に失望している」とコメント。3件で有罪判決が認められた被害者女性は、「ハーヴェイ・ワインスタインは2013年のあの夜、私の一部を永遠に破壊した。決してそれを取り戻すことはできない。刑事裁判は残酷なものだった。ワインスタインの弁護士は証言台で私を地獄に突き落とした。それでもやり遂げなければならないと思い、そうした。私を信じ、すべての被害者のために尽力し戦ってくれたロサンゼルス郡の検察官たちに感謝したい。ワインスタインには一生、刑務所の独房の外を見ることがないよう願っている」とコメントした。(賀来比呂美)
2022年12月21日短編映画『ヒューマン・ボイス』が、2022年11月3日(木・祝)に公開される。主演はティルダ・スウィントン。ジャン・コクトーの戯曲「人間の声」をペドロ・アルモドバルが翻案『ヒューマン・ボイス』は、ペドロ・アルモドバルが監督を務める短編映画。フランスの芸術家ジャン・コクトーの名作戯曲「人間の声」をペドロ・アルモドバルが翻案し、初めて全編英語劇に挑戦している。コクトーの戯曲に古くからなじみがあったというペドロ・アルモドバルは、これまでも幾度かコクトーからインスピレーションを得てきた。今回は、原作をできるだけ「忠実」に脚色しようと試みたものの性分に合わず、「自由に翻案」と説明を加えて映画化したという。“狂気の愛”を露わにする女性の会話劇『ヒューマン・ボイス』では、元恋人に別れを告げられたばかりの女性を主人公に、電話での会話劇のみでストーリーを展開。女性は最初こそ未練があることを悟られないようにしていたものの、次第に元恋人への感情を露わにしていく……。ペドロ・アルモドバルは主人公の女性を、「スーツケースを取りに来るというだけの電話をするのに何日もかけるような男を、狂気に至るまで愛してはいるが、媚びるほど依存しきってはいない女性」と解釈。ベランダの花にガソリンを撒いたり、スマホの画面を確認し、怒りに苛まれたり、はたまたライターを付けたり、斧を振りかざしたりと、どこか狂気さえも感じさせる女性の様子をアーティスティックに映し出し、30分という短い時間の中に怒涛の展開を凝縮した。ティルダ・スウィントンが主人公の女性に主人公の女性を演じるのは、『MEMORIA メモリア』や『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』などにも出演している実力派俳優のティルダ・スウィントン。本作では一人芝居を見事に演じ、圧倒的な存在感を放っている。ティルダについて監督は、「抽象的で演じるには困難があるこの役には、真実味と感情を持たせる優秀な女優が必要だった。彼女は才能の幅広さを証明した。彼女の知性と意欲、そしてとてつもない才能と、私に対する絶対的な信頼が大きな役割を果たした。全ての映画監督がこういう気持ちになれることを願う。」と、絶賛のコメントを寄せた。バレンシアガ(BALENCIAGA)の真っ赤なクリノリンドレスを身にまとった、ティルダの印象的な姿にも注目だ。独自の世界観を映し出すファッションとインテリアまた、ペドロ・アルモドバルこだわりのハイセンスなファッションも見所となっている。30分の中で6回以上の衣装変更が行われており、トマトレッドのドーム型ドレスや、ハードウェア店で着用されたマスキュリンなターコイズ色のスーツなど、その大半をデムナがデザインしたバレンシアガのウェアが占めている。さらに、ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の金のラメパンツと黒い革のジャケットなども登場。ペドロ・アルモドバル独自の色彩感覚を反映したファッションが、幻想的な作品の世界観を作り上げるのに一役買っている。世界中からよりすぐりのコレクションを取り寄せたというインテリアも見逃せない。明るいモダンな家具から原色の家具まで、多彩な家具をロサンゼルス、パリ、イタリア、マドリッドから集めたという。絵画に関しては、寝室にあるアルテミジア・ジェンティレスキの《眠れるヴィーナス(ヴィーナスとキューピッド)》以外はほぼ、ペドロ・アルモドバルの私物。また、テーブル上には『万引き家族』『キル・ビル』『ファントム・スレッド』『ティファニーで朝食を』『風と共に散る』等、たくさんのDVDや書籍が置かれているなど、映画ファンの心をくすぐるセットを目にすることができる。ペドロ・アルモドバル『パラレル・マザーズ』と同日公開尚、鑑賞料金は、特別料金として800円均一。同日より公開されるペドロ・アルモドバルの映画『パラレル・マザーズ』とあわせて要チェックだ。〈映画『ヒューマン・ボイス』あらすじ〉1人の女が元恋人のスーツケースの横で、ただ時が過ぎるのを待っている。スーツケースを取りに来るはずが、結局姿を現さない。傍らには、主人に捨てられたことをまだ理解していない落ち着きのない犬がいる。女は待ち続けた3日間のうち、1度しか外出をしていない。その外出先で、斧と缶入りガソリンを買ってくる。女は無力感に苛まれ、絶望を味わい、理性を失う。様々な感情を体験したところで、やっと元恋人からの電話がかかってくるが・・・。【詳細】映画『ヒューマン・ボイス』公開日:2022年11月3日(木・祝)監督・脚本:ペドロ・アルモドバル原作:ジャン・コクトー「人間の声」出演:ティルダ・スウィントン、アグスティン・アルモドバル、ダッシュ(犬)原題:THE HUMAN VOICE2020/スペイン/英語/30分/カラー/5.1ch/ドルビーデジタル/アメリカンビスタ/字幕翻訳:松浦美奈 G
2022年08月14日コクトーの戯曲「人間の声」をペドロ・アルモドバル監督が翻案、監督初の英語劇に挑戦したティルダ・スウィントン主演作『ヒューマン・ボイス』の公開が決定。予告編とポスタービジュアルが解禁された。1人の女が元恋人のスーツケースの横で、ただ時が過ぎるのを待っている。スーツケースを取りに来るはずが、結局姿を現さない。傍らには、主人に捨てられたことをまだ理解していない落ち着きのない犬がいる。女は待ち続けた3日間のうち、1度しか外出をしていない。その外出先で、斧と缶入りガソリンを買ってくる。女は無力感に苛まれ、絶望を味わい、理性を失う。様々な感情を体験したところで、やっと元恋人からの電話がかかってくるが…。日本での公開日が先日決定したペドロ・アルモドバル監督作品『パラレル・マザーズ』と、同日11月3日(木・祝)に公開となる本作は、アルモドバル監督が、フランスの芸術家ジャン・コクトーの名作戯曲「人間の声」を翻案し、初めて全編英語劇に挑戦した30分間の短編作品。監督にとってコクトーの戯曲は古くから馴染みがあり、幾度か作品にインスピレーションを与えてきたという。今回、原作をできるだけ「忠実」に脚色しようと試みたものの、性分に合わず、「自由に翻案」と説明を加えている。元恋人に別れを告げられたばかりの女性が、電話での会話劇だけで展開する物語で、最初こそ未練があることを悟られずにしていたが、次第に元恋人への感情を露わにしていく姿をとらえていく。「スーツケースを取りに来るというだけの電話をするのに何日もかけるような男を、狂気に至るまで愛してはいるが、媚びるほど依存しきってはいない女性」と、監督なりの解釈で主人公を描き出す。そんな主人公は、『MEMORIA メモリア』『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』などのティルダ・スウィントンが見事な一人芝居で演じ切った。ティルダについて監督は、「抽象的で演じるには困難があるこの役には、真実味と感情を持たせる優秀な女優が必要だった。彼女は才能の幅広さを証明した。彼女の知性と意欲、そしてとてつもない才能と、私に対する絶対的な信頼が大きな役割を果たした。全ての映画監督がこういう気持ちになれることを願う」と、大絶賛している。この度解禁となった予告編は、耳にイヤホンをつけた女性がベランダの花にガソリンを撒いている衝撃的なシーンから始まる。何かを探しているのか、スーツやトランクの臭いを嗅ぎ回る犬。そして、スマホの画面を確認し、怒りに苛まれる女性。メイクを施して、ベッドに置いたスーツにそっと手を添えながら眠りにつく。そこから音楽と画面が切り替わり、色鮮やかなブルーのスーツで颯爽と工具店に訪れる姿や、ライターを付けたり斧を振りかざす様子が映し出されている。また併せて解禁となったポスタービジュアルでは、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」の真っ赤なドレスを身にまとったティルダが斧を振りかざす姿が目を引く。さらに、ペンチや糸鋸といった様々な工具でタイトルや監督とティルダの名前が形作られ、アーティスティックな雰囲気の中にどこか狂気さえも感じる独特なデザインとなっている。『ヒューマン・ボイス』は11月3日(木・祝)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、新宿シネマカリテほかにて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ヒューマン・ボイス 2022年11月3日よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、新宿シネマカリテほか全国にて公開© El Deseo D.A.
2022年08月11日『パターソン』以来、3年ぶりの最新作となる鬼才ジム・ジャームッシュの『デッド・ドント・ダイ』から、ジャームッシュ作品の常連ティルダ・スウィントンのキャラ紹介特別動画&場面写真が到着した。これまで、天使や魔女、吸血鬼に加え、ルカ・グァダニーノ監督映画『サスペリア』では、全身に特殊メイクを施して完全に別人と言える82歳の男性を演じたことでも話題となった女優ティルダ・スウィントン。演じるキャラの振れ幅がとにかく広く、ミステリアスな美貌と実力で世界中を虜にしてきた彼女は、本作でこれまた一風変わった葬儀屋の主人ゼルダ・ウィンストン役を演じている。ティルダがジャームッシュ・ファミリーに加わるのは今回が4本目。ジャームッシュ監督は、執筆の初期段階から彼女と連絡を取り、見た目を自在に変えられ、世界的に活躍するこの女優に、どういうキャラクターを演じたいかと尋ねたという。その問いに「タイトルで言っているように、“死者は死なない”ために虫の居所が悪い葬儀屋を演じたいと伝えた」そうで、本作での役どころは、実は本人自らが提案したというユニークなエピソードを明かした。今回到着した映像では、流れるような美しいホワイトブロンドのロングヘアをなびかせ、手には日本刀、空手道着に身を包み、ゾンビたちを次々と切り倒してゾンビ無双をかますゼルダの姿が切り取られている。「ゾンビから身を守る術は心得ております」と無感情な表情で淀みなくまくし立て、その言葉通りに、ゾンビたちを次々に切り伏せる姿を見せつけられたロバートソン(ビル・マーレイ)。「パソコンの扱いは?」の質問を口にすると、すぐさまにゼルダは、異常なスピードでキーボートを叩き、“マトリックス”のごとき、神業ともいえるパソコンスキルまで披露する。自身が演じた“ゼルダ”というキャラクターに対し、ティルダは「誰もゼルダのことをよく知らないのです。彼女がどこから来たのかも。ゼルダには謎があります。こういう変わった人たちの中でも、ひと味違う変人ですね」と明かしており、まさに謎に包まれた女性だ。そんな謎多き人物ですら、完璧に演じきってしまうティルダの見事な演技は本作でも見どころのひとつ!さらに、スコットランド王家の血を引くといわれる彼女の、彫刻のような美しさが際立つ場面写真も到着。どこか神々しさすら感じさせる謎の葬儀屋主人・ゼルダの活躍に、乞うご期待!『デッド・ドント・ダイ』は4月3日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:デッド・ドント・ダイ 2020年4月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開Abbot Genser / Focus Features © 2019 Image Eleven Productions, Inc.
2020年03月16日「#Me Too」運動が注目されるきっかけとなった、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの女優らに対する性的暴行事件。先月有罪判決が下され、11日(現地時間)にはニューヨークの裁判所で禁錮23年が言い渡された。ワインスタインからセクハラやレイプ被害に遭った過去と向き合い、勇気を振り絞って公にした女優を含む100人以上の女性たちや、「#Me Too」運動の支持者たちは喜びの声を上げた。ミラ・ソルヴィーノは、ワインスタインの禁錮23年の刑に対し、「文字通り泣いた。司法制度がちゃんと機能していることに驚きと感謝」とツイート。アーシア・アルジェントは「ついに正義が下された。23年、刑務所入りか。ロサンゼルスの公判も楽しみにしている。世界を変える手助けをしてくれた、すべての勇敢な女性たちに感謝」と、ワインスタインがニューヨークのみならず、ロサンゼルスでも訴えられていることを思い出させた。映画『スキャンダル』で描かれた通り、FOXニュース設立者の故ロジャー・エイルズのセクハラ被害者であるメーガン・ケリーは「キャリアを守るか、セクハラ加害者を告発するか、思い悩んだすべての女性たちや、必死に声を上げた人たちに感謝。そうしないことを選んだ人も、もちろん愛されているし、支持する」とつづった。(Hiromi Kaku)
2020年03月12日長年ハリウッドを牛耳ってきた映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン被告が逮捕されてから約1年。数人の原告と4,400万ドル(約48億円)で暫定の和解に達したと複数のメディアが報じている。ワインスタイン被告にセクハラスキャンダルが降って湧いたのは2017年10月。数多くの女優が駆け出しの頃にホテルの部屋へと呼び出され、性的関係を強要された過去を次々と告発し、辣腕プロデューサーの裏の顔がついに暴かれた。ローズ・マッゴーワンはレイプされるも、『プラネット・テラー in グラインドハウス』(2007)への出演と1,000万円ほどの口止め料で涙をのんだことを告白。アンジェリーナ・ジョリーやグウィネス・パルトロウらアカデミー女優らもホテルに誘われていたことを明かした。セクハラ被害に遭った女性は、そのショックと恥ずかしさから口をつぐんでしまう傾向にあるが、有名女優やモデルが勇気を出して過去の被害を告白する流れは、その後の世界的な「#MeToo」運動へと拡大していった。現在ワインスタイン被告は性的暴行で複数の訴訟を起こされている。今回、和解に達したのはそのうちの一件に過ぎない。ウォールストリート・ジャーナルによると、合意文書が締結されれば、4,400万ドルのうち、3,000万ドルは被害者への支払いに、残りの1,400万ドルは訴訟費用にあてられるという。ただし、この和解金はかつてのワインスタイン・カンパニーが入っていた保険から支払われ、彼個人の懐が痛むことはない。9月9日にはレイプと性的暴行で2人の女性から起こされた裁判に出廷する予定だ。
2019年05月24日一昨年、ハリウッドを皮切りに世界中に拡がった「MeToo運動」。その“震源地”とも言える、ハーヴェイ・ワインスタインのオフィスがついに他人の手に渡った。ある家具を除いて。大物映画プロデューサーとして、長年ハリウッドを牛耳ってきたワインスタイン。役をちらつかせ、多くの女優を性的に搾取していたことがわかり、彼の帝国は崩壊した。ロバート・デ・ニーロが経営するレストラン「トライベッカ・グリル」の上階にあったワインスタインの巨大オフィスも1,000万ドルで売りに出された。550平方メートル超、シャワーを備えたバスルーム付きの物件は、余りにもかつての持ち主の悪名が高いためになかなか買い手がつかず、結局600万ドル(約6億6千万円)で不動産開発業者ケイプ・アドバイザーズに売却されることが決定した。そこで気になるのが、オフィスにあったソファの行方だ。ハリウッドでは、昔から「キャスティング・カウチ」という悪習が受け継がれてきた。女優がキャスティングの権限を持つ大物のオフィスにあるカウチ(ソファ)でセックスをすることと引き替えに役をもらっていたことが語源だ。ワインスタインも多分に漏れずカウチを活用していたと、『恋に落ちたシェイクスピア』や『ギャング・オブ・ニューヨーク』に出演した女優が証言している。この悪名高いソファは新しい持ち主により、あっさり廃棄されたようだ。「あれはもうない。捨てたよ」と買い手に近しい情報提供者がニューヨーク・ポストに語ったという。
2019年02月15日女優のケイト・ブランシェット(48)が、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインからのセクハラ被害を明かした。ケイト・ブランシェット(C)BANG Media International数々の作品でワインスタインと仕事を経験したケイトは、ワインスタインからは常に「嫌な雰囲気」を感じていたそうで、それは彼の要求を断ったせいで嫌われたからだと考えているようだ。ケイトはヴァラエティ誌に「セクハラはいろいろあるわ。もちろん、ずっと悩まされていたし、悩んでいる人はたくさんいると思う」と語り、ワインスタインからセクハラされたり、不適切な行動を取られたことがあるかと尋ねられると「私の場合、イエスね。彼は本当に、多くの捕食者がやるように弱者を主に餌食にしていたと思うの。彼には嫌な予感がしたの。よく『友達なんかじゃない』って言われてた」「それに、彼に要求されても従わなかったしね」と明かした。詳細は明かそうとしないケイトだが、ワインスタインが起訴されることで先例となり、今後権力を持たない人が同じような状況になった時に自分を守りやすくなるだろうとして、「ハーヴェイのように、タガが外れて罪を犯す人に本当に興味があるし、同じような男性は多くの業界にいるわ」「彼は残念なことにある種の典型的な男性だから、例として挙げられている。他に起訴された人にも興味があるし、判例を作る必要がある」「タイムズ・アップ運動の使命の一部は、自分を守るのに必要なお金を持たない人たちを助け、平等で公平かつ安全な職場を目指すことにあるの」「実際に有罪となった判例があれば、他の人もそれを利用する恩恵を得られるわ」と語った。ワインスタインは数々の訴えを否定し、性行為は全て合意の上だったとしているが、ケイトは実刑が下ることを望んでいるようで、懲役刑が下されると思うかと尋ねられると「そう願うわ。私が調べた限りでは、法定強姦は犯罪だもの」「司法制度を通し訴えることが本当に大切だと思う。様々な脅威があるから、司法制度という民主主義の方法を支持することが本当に重要なの」と話した。(C)BANG Media International
2018年05月04日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介します。■『You An Orchestra You A Bomb』シグ・ハーヴェイ(Cig Harvey)人生の中でのスピリチュアルな体験を写真イメージで表現する作品でコアなファンを持つイギリス出身の写真家シグ・ハーヴェイの第3作目のモノグラフ。活気に満ち、大胆で、恐らくこれまでのなかでもとりわけ美しい本書は、写真家と人生そのものの関係を探索し、壊れやすい贈り物に注意を向け、感謝することを語る。畏怖の瞬間をとらえ、日常の遺恨を作り、魔法と災いの間の狭間で人生を見る作品群には、写真家の人生の儚さに対する意識の高まりを感じることができる。【書籍情報】『You An Orchestra You A Bomb』写真:Cig Harvey出版社:Schilt Publishing言語:英語ハードカバー/144ページ230x230mm発刊:2017年価格:7,790円■Shelfオフィシャルサイト『You An Orchestra You A Bomb』購入ページ
2017年12月02日ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインが、2013年に起きたとされる婦女暴行容疑の捜査対象となっている。30年以上に及んで行われてきたとされるセクハラ騒動の渦中にあるワインスタインだが、匿名のイタリア人モデルが4年前にレイプされたと被害報告を出したことで、ロサンゼルス警察によって捜査を受けている。TMZによれば、2013年2月に行われたイタリア映画・ファッション・芸術フェスティバルの際にワインスタインから接触されたという女性の被害報告について、ロサンゼルス警察はワインスタインに対する犯罪捜査を開始したという。当時34歳だったというその女性は、ワインスタインから「話をしたいだけ」とホテルへ誘われたとロサンゼルス・タイムズ紙に説明している。そしてワインスタインから裸を見たいと言われ、髪の毛をつかまれてバスルームへと引きずり込まれた挙げ句にレイプされたという。止めるように頼み込んだもの、45分間に渡って行為はおよび、その女性を部屋に残して去ったとしている。セクハラ疑惑が浮上した当初は、夫を支えるとしていた10年来の妻ジョージナ・チャップマンが離婚の意向を表した際には、その決断を支持するとコメントを出しているワインスタインだが、2児をもうけたジョージナと将来的にやり直せることを願っていると明かしていた。(C)BANG Media International
2017年10月22日30年間にわたる多数の女性へのセクハラ疑惑が告発されたプロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン(65)が、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)から追放された。アカデミー賞を主催する同団体が、ワインスタインを除名することを声明で発表した。「理事会は早急にワインスタインをアカデミーから除名することに決定しました。単に彼のような、同僚からの尊敬に値しない人物を追放しただけでなく、我々の業界での性的暴力や職場でのハラスメントに対し、見て見ぬふりをしたり、恥ずべき加担行為を働いたりする時代は終わったというメッセージでもあります」「ここで問題となっているのは、我々の社会において許されることのない深い問題です。理事会は今後も、全てのアカデミー会員が例示することが期待される、倫理的な行動規範を確立するため努力を続けていきます」スティーブン・スピルバーグやトム・ハンクス、ウーピー・ゴールドバーグらを含む理事会の幹部らが今回の追放を決定したと報じられている。同団体においては、理事会は3分の2の投票によって会員を正当な理由として除名できる決まりとなっており、今回の件に関しては「3分の2を優に超える」投票を得たという。アカデミー追放に先立っては、ワインスタインの弟ボブが、ワインスタイン・カンパニーの株主持ち分をワインスタインが失う可能性があると明かしていた。また、ワインスタインはフランスの名誉であるレジオンドヌール勲章をはく奪されることが発表された。エマニュエル・マクロン仏大統領は、2012年にニコラ・サルコジ元大統領によってワインスタインに授与されていたその栄誉をはく奪することに向けて動き出したことを、広報担当を通じて発表していた。(C)BANG Media International
2017年10月16日今年のアカデミー賞には夫婦連れ立って出席していた。(写真:ロイター/アフロ) 多くのタランティーノ作品をはじめ、『英国王のスピーチ』などのアカデミー受賞作を数多く手がけてきたハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(65)がセクハラで自社を追われてからおよそ1週間。これまでワインスタインに性的嫌がらせを受けながらも、口を閉ざし続けてきた女優たちが次々と声を上げている。若かりしグウィネス・パルトロウやアンジェリーナ・ジョリー、ヘザー・グラハムらも、役と引き替えにホテルの部屋へと誘われた過去を明かしている。 すべての女性の敵となったワインスタインは、最も近しい女性からも見放されたようだ。妻で、高級ブランド「マルケッサ」の共同設立者兼デザイナーのジョルジーナ・チャップマン(41)が、離婚を決意したことをPEOPLE誌に向けた声明で発表した。 「許しがたい行為によって多大な苦しみを背負わされた女性たちを思うと心が張り裂けそうです。私は夫との別れを選択しました。小さな子どもたちの心をケアすることが、今の私にとっての最優先事項です。どうかプライバシーを尊重してくださるよう、お願いします」 2人は10年前に結婚し、現在は7歳と4歳の子どもがいる。今月5日にNew York Times紙にセクハラによる解雇を報じられて以降、ワインスタインは疑惑を否定し、妻チャップマンは自分の味方だ、と言い続けてきた。「私とジョルジーナは今回の件でじっくりと話し合い、よりよい人間になれるよう手助けする、と言ってくれている」と、New York Postの取材でも話していたが、騒ぎがあまりにも大きくなりすぎたが故だろうか。チャップマンは夫を切り捨てた。レッドカーペットでマルケッサのドレスを着る女優が増えたり、ワインスタイン・カンパニーのテレビ部門が制作する『プロジェクト・ランウェイオールスターズ』では審査員に抜擢されたりと、これまで夫の恩恵に浴してきただけに、ソーシャルメディアでは同情よりも「保身に走った」と眉をひそめる意見が多く見られる。 TMZによると、四面楚歌のワインスタインは米国時間10日夜、ひっそりとプライベートジェットに乗り、ヨーロッパにあるセックス依存症のリハビリ施設へ向かったという。
2017年10月11日『フィクサー』でアカデミー賞を受賞したティルダ・スウィントンに、『グランド・ブダペスト・ホテル』のレイフ・ファインズ、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のダコタ・ジョンソン、『リリーのすべて』のマティアス・スーナールツが競演する『胸騒ぎのシチリア』が、いよいよ11月19日(土)より公開となる。このほど、主演を務めたティルダが、本作のテーマに照らして自らの人生観を語るインタビュー映像がシネマカフェに到着した。本作は、実際に多くのセレブたちに愛されるシチリアの美しい孤島を舞台に、喉の手術をしたシンガーのマリアンと、彼女をとりまく年下の恋人ポール(マティアス)、昔の男ハリー(レイフ)、昔の男の娘と名乗る謎の美女ペン(ダコタ)が、愛と欲望にかられ、嫉妬と誘惑の果てにあってはならない事件を巻き起こすという、ひと夏のヴァカンスを描いた物語。今回到着したティルダのインタビュー映像では、自身の人生観も交えながら、心揺れる主人公の心情や本作の見どころ、21年間共に仕事をしてきた監督ルカ・グァダニーノとの映画製作について語っている。ティルダが演じた主人公、世界的シンガーのマリアンは、声帯を手術した後で声が出しにくいという役柄で、主人公にしては極端にセリフが少ない。この設定はティルダから監督に提案したそうで、「言葉だけですべてを伝えようとする演技は好きじゃない。話せないと知りながら一緒にいて、沈黙に包まれるのは心地いいわ」と語る。その分、身ぶり手ぶりや視線、表情など、細やかな演技が求められたが、彼女は見事に体現してみせた。そんな主人公の心情や置かれている状況を深く考えてから役に挑んだというティルダは、本作について「マリアンはこの旅で、人生の決断を下したの。誰しもが急な方向転換を迫られたり、新しい選択を試みたりするでしょ。その結果の積み重ねが人生よ」と語る。「これはマリアンの成長の物語。彼女は、ある男を本当に愛しているのに、彼と一緒にいると、平穏な生活を送れないという葛藤を抱えているのよ。これって現実でもよくある話よね。歳をとれば思いどおりにいかないこともある」と、人生には方向転換をしなければならないときが必ずやってくることを語っている。マリアンは、この旅で、自分にとって必要な愛を大胆に選ぶことになるのだが…。まさに酸いも甘いも経験してきた、ティルダという女性の人生観も垣間見えてくるインタビュー映像となっている。『胸騒ぎのシチリア』は11月19日(土)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年11月13日オスカー女優ティルダ・スウィントンを主演に、アラン・ドロン主演『太陽は知っている』(’69)を原案にした『胸騒ぎのシチリア』。このほど、55歳と思えない美しいスタイルをキープし、長い手足とキュッと引き締まった美ボディを惜しげもなく披露するティルダと、そんな彼女を愛する2人の男たちの場面写真が到着した。本作は、次回作として最恐イタリアンホラー『サスペリア』のリメイクを手がけることが発表されたルカ・グァダニーノ監督の新作。そのルカ作品のミューズともいわれるティルダは、本作では喉の手術で声が出せなくなったシンガー、マリアンを熱演する。マリアンが年下の恋人ポール(マティアス・スーナールツ)とシチリアの孤島でヴァカンスを過ごしているところに、昔の恋人で音楽プロデューサーのハリー(レイフ・ファインズ)と彼の若く美しい娘・ペンが嵐のごとく現れる。マリアンとの復縁を狙う、ハリー。歌って踊って底抜けに明るいのだが、ここぞというときには優しい言葉をささやく彼に、マリアンも昔の情熱的な恋愛を思い出してしまう。一方、マリアンの現在のパートナー、ポールは、優しく誠実で、ハリーとの恋愛に振り回され傷ついたマリアンを受け止めてくれた。マリアンの心をかき乱す昔の恋人の出現は、ポールの心にも波風を立てていく。ハリーを演じるレイフ・ファインズといえば、『007』シリーズでの新たなM役や、『ハリー・ポッター』のヴォルデモート卿役などで知られる英国渋メン。また、ポール役のマティアス・スーナールツといえば、『君と歩く世界』や『リリーのすべて』で注目され、『パーフェクト・ルーム』にも出演、セクシーすぎて世界中の女性たちがため息を漏らし、熱い視線を送る注目の演技派俳優だ。タイプは違えど、どちらもセクシーで魅力的。もし、自分がマリアンだったら“情熱的で刺激的だけど、危険で不埒な昔の彼”と“誠実で優しいけど、ちょっと退屈な年下の彼”どちらの愛を受け止めるだろう…と脳内妄想をしながら、本作を楽しむのがオススメといえそう。ただ、美しきマリアンを、誘惑と嫉妬、裏切りを繰り返しながら奪いあう男たちの一方、2人の男から愛される彼女に嫉妬を募らせていく、ポールの娘・ペン(ダコタ・ジョンソン)の存在は見逃せない。男同士、女同士の嫉妬の果てに、ある朝、コテージのプールの底からとある人物が沈んでいるのが発見され、事態は思わぬ方向へ…。羨ましすぎる胸騒ぎのバカンスには、衝撃が待ち受けることになりそうだ。『胸騒ぎのシチリア』は11月19日(土)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年11月01日太陽眩しいシチリアを舞台に、オスカー女優ティルダ・スウィントン、レイフ・ファインズ、ダコタ・ジョンソン、マティアス・スーナールツが危うい四角関係を織りなす『胸騒ぎのシチリア』。このほど、セレブたちの駆け引きにドキドキが止まらない特報映像と場面写真が解禁となり、声帯を手術したばかりで声を出せないロック歌手という難役に挑んだティルダのコメントも到着した。世界的な人気を誇るロック歌手のマリアン(ティルダ・スウィントン)は、痛めた声帯と心を癒すため、年下の恋人のポール(マティアス・スーナールツ)とシチリアのパンテッレリーア島で優雅な時間を過ごしていた。ところが、マリアンの元恋人でカリスマ音楽プロデューサーのハリー(レイフ・ファインズ)が、セクシーな“娘”ペン(ダコタ・ジョンソン)を連れて押しかけてくる。歌って踊り続けるエネルギーの塊のようなハリーは、実はマリアンとの復縁を狙っていた。一方で、若さを持て余したペンは、ポールへの好奇心を募らせていく。マリアンの焦りが最高潮に達したとき、思いもよらない事件が待ち受けていた―。『ミラノ、愛に生きる』などで知られるルカ・グァダニーノ監督が手掛けた本作。今回解禁となる特報では、奔放さが魅力な昔の彼ハリーと、誠実だが少し退屈ないまの年下の恋人ポールの間で揺れる女心、そして若いペンへの焦燥を、眼差しと表情、身のこなしで演じきるティルダの魅力が存分に詰まっている。彼女が演じたマリアンの優雅なヴァカンスの日々を打ち破る、“招かれざる客”ハリーとその娘・ペン。手術後で喉をあまり使ってはいけないはずなのに、片時も黙らないハリーと一緒にいると、マリアンはときに愛を囁き、ときに声を振り絞りながら怒りをあらわにするハメに。マリアンは身振りが多いはずなのに、2人がじゃれあってお喋りをしているかのようにも見える。そんなマリアンの全編にわたり、ほぼ声が出せないという設定は、なんとティルダ本人から監督への提案だったそう。「台詞で全てを語るのは好きじゃないわ。伝えようとして失敗したり、言葉のないコミュニケーションこそ、そそられる。私から監督に、声を失ったロック・スターという設定がいいのではと提案したの」と明かしている。マリアンを取り囲み、危うい誘惑と嫉妬が交錯する本作を、まずはこちらから確かめてみて。『胸騒ぎのシチリア』は11月、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月26日女優ティルダ・スウィントンとパリ・ガリエラ宮モード博物館館長オリヴィエ・サイヤールによる即興劇「クロークルーム」が、ピッティ・イマージネ・ウオモ87の特別プログラムとして1月15日、フィレンツェのペルゴラ劇場で行われた。この2人によるパフォーマンスは2012年、13年にフェスティバル・ドートンヌ・パリで行われ話題を集め、今回はピッティのために新たにプログラムが構成された。舞台装置はクロークを想定したと思われる長机と、洋服を預かるハンガーラックだけ。クローク(机)で出迎えるティルダを観客が自分の持ち物を預けに行くというシンプルな構成で、開演前の事前申請もなく観客は自発的にそのクロークに並ぶ。ティルダは客から預かったストールやジャケット、コートなどを預かり、客に控えの紙を渡した後、それぞれのアイテムと対峙。あるときはストールを前に机に突っ伏し、コートのフードで頭を覆い、机の下にもぐり机からずり落ちたジャケットの袖に頬をすり寄せ、あるときはキッス、花を添える、などさまざまな行動を演じる。無言で続くその行為は預けた客、あるいは預けられたモノに対してティルダ自身が、コミュニケーションを図っているかのようにも見えるが、人と人、人とモノのつながりに対して何らかのシグナルを発しているかのようだ。シンプルなシチュエーションで80分にわたり、客に息をつかせず無言で演じるティルダ・スウィントンの圧倒的な表現力とともに、オリビエ・サイヤールの服飾史を背景にした演出はフィレンツェの地でも大きな拍手を持って迎えられた。ティルダは昨年10月にメルセデス・ベンツのグローバルキービジュアルのモデルを務めたことから、メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク東京のスペシャルゲストとして来日。2011年にはラフ・シモンズが衣装を手掛けた映画『ミラノ、愛に生きる』のキャンペーン時にも来日。日本通として知られており、今回の「クロークルーム」の続編も、日本での上演が期待される。余談ながら、今回フィレンツェでの初回(2回公演)のプログラムで、クロークにネクタイを預ける客として参加した日本人のジャーナリストには、ティルダが紙にキスマークを付けるパフォーマンスで返答。終了後にそのキスマークのメッセージとともにネクタイが本人に返却され、ピッティ関係者から「今回のMVP」と祝福を受けていた。
2015年01月22日ティルダ・スウィントンが、ファッションを題材にしたSFショートフィルムに出演することになった。ティルダは、ガリエラ美術館館長オリヴィエ・サイヤールが主催する最新ファッションパフォーマンス「ジ・インポッシブル・ワードローブ」のリハーサル中に、パリを拠点とする写真家・アーティストのカトリーナ・ジェブが手がける短編映画『The Future Will Last a Very Long Time』(原題)に出演するという。「WWD」の報道によれば、同作でティルダは白のグローブとハイヒールに白衣姿で登場するそうで、9月29日から10月1日(現地時間)にかけて開催される「パリ・フォール・フェスティバル」で毎晩上映されるという。劇中でティルダはガリエラ美術館の歴史アーカイブに目を通しながら、アメリカの作家ナタリー・クリフォード・バーネイが以前所有していた「マドレーヌ・ヴィオネ」のドレスなど、ファッション史に残る作品の数々を発見していくという筋書きになっているとのこと。中にはナポレオン・ボナパルトやサラ・ベルナールなど歴史的偉人のイメージをティルダに重ねるという描写もあるようだ。エキセントリックなデザイナー服を好むことで有名なティルダだが、自身をイメージキャラクターに起用してくれるデザイナーたちがいることを「幸運なこと」だと語る。「私にとっては、ドレスの入った箱をカッターで開けるようなことなのよ。古いコーデュロイパンツで登場したような私に、私のためにドレスを贈ってくれるような友達がいて本当に幸運なことだと思っているの。まるでシンデレラのようよ。私自身ではなく、ほかの友達の努力の結晶なのよ」。■関連作品:少年は残酷な弓を射る 2012年6月30日よりTOHOシネマズ シャンテにて公開© UK Film Council / BBC / Independent Film Productions 2010ムーンライズ・キングダム (原題) 2013年公開© Focus Features
2012年08月01日『フィクサー』(’07)でアカデミー賞助演女優賞を獲得したティルダ・スウィントンが最新作『ミラノ、愛に生きる』(ルカ・グァダニーノ監督)を携え来日し、10月25日(火)、本作がプレミア上映された東京・千代田区のイタリア文化会館で舞台挨拶を行った。日本の地を踏むのは『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』のPR来日以来、約5年半ぶり3度目。「本当ならもっとたくさん来たい場所なの。日本のファンは私たちが作る少し奇妙な映画にも興味を示し、大切にしてくれるから、まるで“ホーム”にいるような感覚なのよ」と誰もが見とれる美貌で、笑みを浮かべた。「私にとっては宝物のような作品。普通、映画作りは思い通りにならないものだけど、この作品は奇跡的にすべてが希望通りに仕上がったの」と語る新作『ミラノ、愛に生きる』は、ティルダ演じる富豪夫人・エンマが、息子の友人であるシェフのアントニオとの情事を通して、本来の自分に目覚め、心身ともに解放される姿が描かれる。ティルダはプロデューサーとしても名を連ね、グァダニーノ監督と共に構想期間を含め12年間の歳月を本作に費やした。この日のティルダは、ジル・サンダーの華麗なドレスで登場。実は劇中の衣裳デザインを、同ブランドのクリエイティブ・ディレクターを務めるラフ・シモンズが担当しており、「ヒッチコックやルキノ・ヴィスコンティ、(ピエル・パオロ・)パゾリーニといった作家が作り上げたような、エモーショナルで官能的な作品を目指したの。そこで重要な要素となったのが、ジル・サンダーだったの」とティルダ。劇中で、ティルダが着こなす数々のコレクションは大きな見どころだ。また、愛人となるシェフが調理する料理も物語のカギ。例えば、彼が作る「甘酢ソースの海老とカポナータ」がエンマの中に眠る官能を目覚めさせる…そんなシーンも見せ場になっている。さらに舞台となるミラノの美しさは必見。ティルダ自身も「とても特別で愛すべき街なの。スコットランド育ちの私にとっては、エキゾチックな地だし、友人もたくさんいるわ」とその魅力を語っていた。エンマが暮らす豪邸内の調度品(シャンデリアやタペストリー、羽目板張りの壁、絵画や彫像などなど)にも思わずウットリするはず。まさに“衣食住”が華麗なコラボレーションを奏でる作品に仕上がったのだ。「映画が描くテーマは、“愛の革命”ね。それまでアバター(仮の姿)で生きてきた女性の人生が変わる瞬間を見てほしい。自然や愛、そして人生といったお金では買えない豊かさを描いているわ」と熱っぽく語るティルダ。知的でクールな表情の中に、映画に対する情熱があふれ出していた。『ミラノ、愛に生きる』は12月23日(金・祝)から渋谷Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。■関連作品:ミラノ、愛に生きる 2011年12月23日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて公開
2011年10月25日