日本で続編も?ティルダ・スウィントンとサイヤールによる即興劇【ピッティ】
オリヴィエ・サイヤール(左)とティルダ・スウィントン
舞台装置はクロークを想定したと思われる長机と、洋服を預かるハンガーラックだけ。クローク(机)で出迎えるティルダを観客が自分の持ち物を預けに行くというシンプルな構成で、開演前の事前申請もなく観客は自発的にそのクロークに並ぶ。ティルダは客から預かったストールやジャケット、コートなどを預かり、客に控えの紙を渡した後、それぞれのアイテムと対峙。あるときはストールを前に机に突っ伏し、コートのフードで頭を覆い、机の下にもぐり机からずり落ちたジャケットの袖に頬をすり寄せ、あるときはキッス、花を添える、などさまざまな行動を演じる。無言で続くその行為は預けた客、あるいは預けられたモノに対してティルダ自身が、コミュニケーションを図っているかのようにも見えるが、人と人、人とモノのつながりに対して何らかのシグナルを発しているかのようだ。
シンプルなシチュエーションで80分にわたり、客に息をつかせず無言で演じるティルダ・スウィントンの圧倒的な表現力とともに、オリビエ・サイヤールの服飾史を背景にした演出はフィレンツェの地でも大きな拍手を持って迎えられた。
ティルダは昨年10月にメルセデス・ベンツのグローバルキービジュアルのモデルを務めたことから、メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク東京のスペシャルゲストとして来日。2011年にはラフ・シモンズが衣装を手掛けた映画『ミラノ、愛に生きる』のキャンペーン時にも来日。日本通として知られており、今回の「クロークルーム」の続編も、日本での上演が期待される。
余談ながら、今回フィレンツェでの初回(2回公演)のプログラムで、クロークにネクタイを預ける客として参加した日本人のジャーナリストには、ティルダが紙にキスマークを付けるパフォーマンスで返答。終了後にそのキスマークのメッセージとともにネクタイが本人に返却され、ピッティ関係者から「今回のMVP」と祝福を受けていた。
「クロークルーム」でのティルダ・スウィントン
「クロークルーム」でのティルダ・スウィントン
「クロークルーム」でのティルダ・スウィントン
「クロークルーム」でのティルダ・スウィントン
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