19 世紀後半にイギリスで盛んになり、その後、世界各地へと広まったアーツ・アンド・クラフツ運動。その歩みを、テキスタイルや壁紙、家具、金工など、約 170 点の多彩な作品を通じて紹介する展覧会が、神奈川県・横浜のそごう美術館で、9月16日(土)から11月5日(日)まで開催される。アーツ・アンド・クラフツ運動は、産業革命以降急速に失われつつあった手仕事による制作活動を取り戻すこと、さらには「生活」と「芸術」を一体化することを目指して展開された。イギリスで中心人物となったのは、デザイナー、画家、詩人、社会主義者として多方面で活躍したウィリアム・モリス(1834-1896)だ。手仕事が生活と結びついていた中世を理想とし、精力的に活動したモリスの思想と実践は、同時代の芸術家やデザイナーたちに広く受け入れられ、またリバティ商会といった企業がデザイナーたちと協働することで、さらなる広がりを見せた。同展の魅力のひとつは、そのモリスが生活を豊かにするために生み出した魅力的なデザインの壁紙やファブリック、さらに美しい書物づくりを目指した彼が情熱を傾けた私家版印刷工房「ケルムスコット・プレス」の仕事など、多くの代表作が登場することだ。さらにモリスの影響を受けた芸術家たちは、壁紙のみならず、タイルや家具、金工、食器など様々な分野で運動を展開させており、同展ではそうした多彩な作品を目にすることができる。世界各地へと広がったアーツ・アンド・クラフツ運動は、それぞれの地の文化や風土、社会情勢を反映して展開していくが、特にアメリカでは、機械工業を柔軟に取り入れることで、独自の発展を遂げたという。建築家フランク・ロイド・ライト(1867-1959)やティファニー・スタジオなどの洗練された作品が並ぶのも同展のもうひとつの魅力だ。今回は特別展示として、ライトの作品《マーティン邸のステンドグラス・ドア》と映像とのコラボレーションも体験できる。現代の生活にもつながる美しいデザインの数々を堪能したい。<開催情報>『アーツ・アンド・クラフツとデザインウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで』会期:2023年9月16日(土)~11月5日(日)※会期中無休)会場:そごう美術館)時間:10:00~20:00(入館は閉館30分前まで))料金:一般1,200円、大高1,000円)公式サイト:
2023年09月08日ラッシュ(LUSH)がファッションドール「バービー」とコラボレーション。バスグッズを2023年9月8日(金)より全国77店舗にて数量限定発売する。ラッシュ×「バービー」ラッシュがタッグを組むのは、世界一有名なファッションドール・バービー。今回のコラボレーションでは、イメージカラーである“ピンク”を基調としたバスグッズを充実のラインナップで取り揃える。ラメ入りバスボム&ハート型ボディバーム「バービーバス」は、「バービー」の頭文字“B”をホワイトとピンクの2色で表現したバスボム。真ん中には、植物性バターたっぷりのバスメルツとプラスチックフリーのラメを贅沢に使用した。「B」の文字が刻印されたハート型のボディバームもラインナップ。肌の表面で光をキャッチしてベビーピンクの輝きを放つ、キラキラのラメが配合されている。ヒールやハンドバッグのソープソープは、「バービー」のヒール、ロゴがデザインされたハンドバッグ、細部まで丁寧に表現されたブームボックスモチーフの3種を用意。いずれも、爽やかな酸味とまろやかな甘味が織りなす華やかな香りを楽しめる。“まるでマシュマロ”ボディスクラブさらに、マシュマロを思わせる柔らかなテクスチャーのボディスクラブ「バービードリーム」や、淡いピンクのジェリーマスク「バービージェリー」、甘いお菓子のような香りを楽しめるパフューム「バービー X ラッシュ」、ラッシュのクリスマスの定番「フェアリーキャンディ」の香りを思わせるシャンプー「バービーピンク」も展開される。【詳細】ラッシュ×「バービー」<数量限定発売>発売日:2023年9月8日(金)取扱店舗:全国77店舗、公式オンラインストア、公式アプリ※9月4日(月)~公式オンラインストア、公式アプリで先行発売。商品例:・バービーバス(バスボム) 1,200円・バービー(ボディバーム) 2,000円・バービーソープヒール(ソープ) 1,200円・バービーソープハンドバッグ(ソープ) 1,200円・バービードリーム(ボディスクラブ) 1,920円/135g【問い合わせ先】ラッシュジャパンTEL:0120-125-204
2023年09月07日女優のマルシア・デ・ルースが亡くなった。70歳。死因については、長い病気を患った結果ということしかわかっていない。亡くなったのはロサンゼルス郊外のアルタデナ。デ・ルースはミズーリ州生まれ。ミズーリ大学を卒業し、チェヴィ・チェイス、キャリー・フィッシャーのコメディ映画『Under the Rainbow』(日本未公開)で映画デビューを果たした。近年はケイト・ベッキンセールとマシュー・マコノヒーの『タイニー・ラブ』(日本未公開)やHBOのヒットドラマ『トゥルー・ブラッド』に出演している。文=猿渡由紀
2023年09月05日熟成蜜芋スイーツ専門店「アンド オイモ トウキョウ(& OIMO TOKYO)」の新作スイーツ「蜜芋の焼きいもカヌレ」が、2023年9月1日(金)より、アンド オイモ トウキョウ各店ほかで販売される。熟成蜜芋スイーツ専門店「アンド オイモ トウキョウ」新作スイーツザ・ペニンシュラ東京に本店を構え、こだわりの蜜芋を使用したスイーツを展開する熟成蜜芋スイーツ専門店「アンド オイモ トウキョウ」。新作となる「蜜芋の焼きいもカヌレ」は、国産シルクスイートをじっくりと熟成させた蜜芋を焼き芋にし、カヌレの中にごろっと贅沢に閉じ込めた一品。シルクスイートには甘味料を一切使用しておらず、芋本来の甘さを味わえるのがポイントだ。生地表面は蜜芋の皮から抽出した香りを纏い、カリッとした軽やかな食感に。中に忍ばせている濃厚な蜜芋とも相性抜群の仕上がりとなっている。また、解凍方法や解凍時間によって異なる風味や食感を楽しめるため、好みに合わせて味わうことができる。ザ・ペニンシュラ東京のスイートルームでのウェルカムスイーツにまた「蜜芋の焼きいもカヌレ」は、アンド オイモ トウキョウ各店での販売はもちろん、5つ星のラグジュアリーホテル、ザ・ペニンシュラ東京のスイートルーム宿泊者に向けたウェルカムスイーツとしても提供される。【詳細】「蜜芋の焼きいもカヌレ」発売日:2023年9月1日(金)※数量限定販売店舗:アンド オイモ トウキョウ ペニンシュラ本店、アンド オイモ トウキョウ カフェ 中目黒店、公式オンラインショップ※公式オンラインショップでは、9月3日(日) 10:00~販売(その後、毎週日曜日10:00より販売開始)価格:2,460円(4個入)
2023年09月03日アミル・アンド・ザ・スニッファーズの来日公演が、9月6日(水) に渋谷CLUB QUATTRO、7日(木) に梅田Shangri-laで開催される。アミル・アンド・ザ・スニッファーズは、エイミー・テイラー(vo)、ガス・ローマー(b)、ブライス・ウィルソン(ds)、デクラン・マーチンス(g)から成るガレージ・パンク・バンド。2016年にメルボルンのシェアハウスで結成され、1st EP『Giddy Up』は、わずか12時間で曲を書き、録音したという。続いて、2017年にリリースされた『Big Attraction EP』には、ウィットに富んだ「I’m Not A Loser」、オイパンクの勢いある「Westgate」、そして荒々しい暴力を感じさせる「Mole (Sniff Sniff)」などを収録。これらの初期のEPは、オーストラリアのロックからラップ、70年代パンクまで様々な影響を受けていることを感じさせるが、そのサウンドは全てスニッファーズ独自のものに仕上がっている。その後は、2019年5月にデビューアルバム『Amyl and The Sniffers』、2021年にセカンドアルバム『Comfort to Me』をリリースするなど精力的に活動を行っている。来日公演のチケットは現在一般発売中。アミル・アンド・ザ・スニッファーズ来日公演のチケット情報はこちら!()<ライブ情報>アミル・アンド・ザ・スニッファーズ Japan Tour 2023『アミル・アンド・ザ・スニッファーズ Japan Tour 2023』9月6日(水) 渋谷CLUB QUATTRO9月7日(木) 梅田Shangri-la開場18:00 / 開演19:00チケット情報:()
2023年09月01日ピンク尽くしで心ときめく“バービーランド”から、バービーが人間の世界へ行くことで本当に大切なものに気づいていく心揺さぶるドラマまで話題を呼んでいる映画『バービー』。実は本編には、シーンに隠された“小ネタ”も数多く登場する。何度見ても発見があって楽しめる『バービー』に隠されたサプライズや、グレタ・ガーウィグ監督が思いを込めた遊び心満載の小ネタを一挙に紹介する。※本記事は映画の内容に触れています。ご注意ください。冒頭シーンは、名作『2001年宇宙の旅』のオマージュヘレン・ミレンのナレーションから始まる本作の冒頭、幼い少女たちが赤ちゃんの人形でままごと遊びをしていたところへバービーが現れたことで、全員がバービーに夢中になってしまう描写は『2001年宇宙の旅』(1968)のオマージュ。あの音楽「ツァラトゥストラはかく語りき」も引用されている。ちなみに『バービー』の予告編が解禁された際、『2001年宇宙の旅』の監督でもある故スタンリー・キューブリックの公式Xアカウント(旧Twitter)が反応。「模倣は最大の賛辞といいますよね!バービーでさえもキューブリックのファンなのです…」と投稿されたことでも話題となった。バービーランドの映画館では『オズの魔法使』を上映“バービーランド”で、バービーがドライブするシーンに映り込んでいた映画館で上映されているのは『オズの魔法使』(1939)。本作でプロダクションデザイナーを務めたサラ・グリーンウッド(『アンナ・カレーニナ』『美女と野獣』)は、『オズの魔法使』へのオマージュはグレタ・ガーウィグ監督のアイディアだと語っており、グレタの遊び心が効いたワンシーンに仕上がっている。バービーランドを作るため、『トゥルーマン・ショー』の監督に相談細部までこだわり抜かれた圧巻の“バービーランド”を誕生させるにあたり、グレタ監督が助言を求めたのは、作り込まれた世界観で知られる映画『トゥルーマン・ショー』(1998)を手掛けたピーター・ウィアー監督。人工的かつ、実際に手で触れられるようなリアルなバービーランドを創り上げる方法や照明について考えていたグレタ監督は、ピーター・ウィアー監督に電話をかけ、『トゥルーマン・ショー』について尋ねアドバイスを得ていた。バービーがバス停で出会う老齢女性を演じたのは、衣装デザインの巨匠だった人間の世界を訪れたバービーが、バス停で出会った女性に「きれいね」と声をかけ、「知ってるわ」と返され微笑み合う印象的なシーン。本作のお気に入り場面に挙げるファンも少なくない本シーンでこの女性を演じたのは、バディムービーの名作『真夜中のカーボーイ』や、アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞した『イングリッシュ・ペイシェント』ほか、数々の作品で活躍してきた衣装デザイナーのアン・ロス。人間が年を重ねる美しさを体現するための重要な役として、友人でもあったグレタが声をかけたことから出演が実現した。なんとアンは演技体験がなく、“映画出演は初めて”だったという。ダンスパーティーシーンは、グレタ監督のお気に入り映画を参考に毎日がハッピーな“バービーランド”で、バービーたちが踊り明かすダンスパーティーのシーンは、グレタ監督のお気に入り映画が参考にされている。本作振付師のジェニファー・ホワイトが、グレタ監督が大好きなバスビー・バークレイ監督の『ゴールド・ディガース36年』(1935)に登場するダンス要素を意図的に取り入れたそうで、劇中屈指の華やかな場面に仕上がっている。ケンたちが熱心に解説するのは名作『ゴッドファーザー』人間の世界でのトラブルや様々な出会いを経て、“バービーランド”へ戻ったバービーが目にしたのは、以前とすっかり様子が変わってしまったバービーランドの姿。その原因は、人間の世界に影響を受け“目覚めてしまったケン”!?バービーたちはそんなケンたちからバービーランドを取り戻すべく奮闘することに。そこで“男らしさ”全開のケンたちが得意げに解説していたのが、名作『ゴッドファーザー』。『ゴッドファーザー』を観たことがないというバービーに、嬉しそうに解説を始めるケン…その間にも、バービーたちの奪還作戦は進行していく!男らしさの象徴としてケンが見惚れるのは…名優シルヴェスター・スタローン人間の世界での“男らしさ”に触れ、衝撃を受けるケン。その象徴の1つとして、“バービーランド”ならぬ“ケンダム”に登場するのが、『ロッキー』『ランボー』『エクスペンダブルズ』シリーズで幅広い世代から絶大な支持を集めるシルヴェスター・スタローンの写真。何を隠そう、グレタ監督やケン役のライアン・ゴズリングは、スタローンのファンなのだとか。偉大なスターの写真登場シーンは、一瞬なのでお見逃しなく。ケン役の俳優たち全員に課せられたミッションとは?“バービーランド”に住むケンたちには、グレタ監督から“脚の毛の処理”というリクエストがあったそう。演じたライアン・ゴズリングは「やらなくても済むかなと思っていたんですが、カメラテストに行ったら、彼女(グレタ)が、『それはやらないといけない』といった感じでした。だから僕らみんながそれをやったんです。全てのケンたちがね。そうしなければならなかったんです」とその経緯を語っている。実際ケン役のチュティ・ガトゥがブラジリアンワックスのようなもので、足の脛を処理されている舞台裏映像がSNSで公開されている。ライアンやチュティたちが演じるのは、あくまで“ドール”なのだ。そのほか、バービーランドのセットや小道具に隠された小ネタ集もたくさん●サーフィン中に事故にあったケン(ライアン・ゴズリング)を助けるために登場した救急車は、おもちゃの救急車を実物大に模造している。●ケンたちのために作られた揺り木馬は30台以上!美術部門がそれぞれのケンの個性を反映させて、全て手作りで製作された。●変てこバービー(ケイト・マッキノン)の家には、セット全体に穴が隠されている。撮影中にマッキノンが自分の片足を隠せるようにした細工であり、開脚をしているように見せるために偽物の足が壁に掛けるように上げられている。ほかにも至る所に隠された、数えきれないほどの小ネタたち。すでに観た人も、まだ観ていない人も、目を懲らして楽しんでみて。『バービー』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)
2023年08月25日グレタ・ガーウィグ監督による映画『バービー』が、アメリカ現地時間8月23日の時点で全米累計興行収入5.75億ドル(約840億円)を突破し、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(5.74億ドル)を超えて、今年公開作NO.1ヒットに。併せて、ケンたちの本編シーンの一部が解禁された。全米累計興行収入は、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が138日でこの数字となっているが、本作は公開からわずか34日での達成となっており、驚異的なペースであることがうかがえる(※数字は全てBoxOfficeMojo 参考)。また、日本での公開2週目となった週末の興行成績は、新作が公開される中、先週に続いてTOP10内にランクイン。首都圏及び大阪・福岡などの地域では先週対比100%以上の劇場が続出する事態に。全国の約50劇場で土日いずれかの興行収入がアップし、口コミ効果によりトレンドに敏感な若年層の支持を集め、興行成績は順調に推移。公開日以降、タレントや有名人も続々鑑賞し、ピンクコーデで劇場につめかけている。SNSでは主演のマーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリングの演技を称賛する声に加え、「想像を超える面白さ!」「まさかバービーで涙するとは…」「文句なしのエンタメ作品!」など、事前の想像を超えていく賞賛の声が続々。そして「ケン同士のケンカシーンの力の入れ具合は笑った」「ケン役のライアン・ゴズリングとケン役のシム・リウのバトルはサイコーだね」「めちゃくちゃ楽しくてケンが出てくるたびに笑ってしまった」と、この2人を絶賛する声も多数挙がっており、今回、おしゃれで人気者のバービー(マーゴット・ロビー)をめぐりケン(ライアン・ゴズリング)とケン(シム・リウ)があわやケンカ寸前!?という、緊張感と共に笑いがこみあげてくるコミカルなシーンの本編映像が解禁。愛しのバービー(マーゴット)の気を引こうと、サーフボード片手に勢いよく海へ駆け出すケン(ライアン)だったが、建物も食べ物もプラスチックでできているバービーランドではもちろん波もプラスチックのため、盛大にぶつかり吹っ飛ばされて倒れてしまう――。解禁されたのは、その様子を見たライバルのケン(シム・リウ)が「ビーチで情けないな」と嘲笑ったことで、闘争心に火がついたケン(ライアン)とケン同士のケンカが勃発しそうなシーンだ。「ケンとケンでケンカしないで!」とあきれた表情のバービー(マーゴット)に、争いを不安そうに見つめるそのほかのバービーとケンたち。バービーランドの男性で唯一ケンではないアラン(マイケル・セラ)も為すすべなく立ち尽くす…というシュールな光景が印象的な場面。パラソルや砂浜まで見渡す限りピンク尽くしのバービーランドの造形美も必見。ちなみに、海でサーフィンに興じようとするケン(ライアン)だが、彼の仕事は自称“ビーチ”。サーファーでもライフガードでもなく“ビーチ”だ。メガホンを取ったグレタ・ガーウィグ監督は、謎の仕事“ビーチ”について「誰も知らないんです」とコメント。実際に演じるライアンも「ケンの一番の悲劇は“ビーチというものが何か分からなかったことだ」と答えている。そんなケンにも、バービーと共に人間世界を訪れることで大きな変化が訪れていく。『バービー』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)
2023年08月25日北米で今年最大のヒット作となった『バービー』が、来月22日から北米と一部の国でIMAXにて上映されることになった。映画の最後のクレジットシーンには、未公開の映像もプラスされる。1週間限定の特別企画。北米で同日公開だったクリストファー・ノーランの『オッペンハイマー』が抑えたことから、『バービー』はこれまでIMAXスクリーンで上映されていない。9月22日の週、アメリカの映画館は、再びピンクの服を着たファンでいっぱいになりそうだ。映画『バービー』公開中(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.文=猿渡由紀
2023年08月24日『バービー』が『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を抜いて、現地時間水曜日に北米で今年最高のヒット作となる見込みだ。『ザ・スーパーマリオ〜』の北米興収は5億7,400万ドル。現地時間月曜夜の段階で『バービー』は5億6,900万ドル。『バービー』は北米でデビュー以来4週連続で首位をキープ。先週末、『ブルー・ビートル』に首位を奪回され、初めて2位に転落した。全世界興収は12億8,200万ドルに達している。映画『バービー』公開中(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.文=猿渡由紀
2023年08月23日ライアン・ゴズリング演じるケンが『バービー』で熱唱し、「Billboard Hot 100」で87位にランクインするなど話題の「I’m Just Ken」。この曲のMVの舞台裏映像が公開された。一言で言うならば、製作側もキャストも「とにかく楽しそう」という雰囲気。監督のグレタ・ガーウィグは、ライアンがファーのロングコートを勢いよく脱ぎ捨て、シックスパックを見せつけるシーンで笑いを隠しきれず、思わず両手で口を押えていた。ケンたちを演じて踊るライアン、シム・リウ(『シャン・チー/テン・リングスの伝説』、ンクーティ・ガトゥワ(「セックス・エデュケーション」)たちも素の笑顔を見せており、笑いにあふれる現場だったようだ。あの圧巻のダンスシーンのため、ライアンたちが熱心にダンスの練習に取り組んでいた模様も映し出される。楽曲制作に参加した「ガンズ・アンド・ローゼズ」のギタリスト・スラッシュや、ウルフギャング・ヴァン・ヘイレンらアーティストの姿も見られる。ファンの感想は「もっともっと観たい!」「いや、もう、『バービー』全体のメイキングが観たくなっちゃう」「みんなすごく楽しそうなのがいいね」「カットにならないように、ガーウィグ監督が笑いをこらえているのがおもしろい」と大好評。(賀来比呂美)
2023年08月22日完璧な“バービーランド”から人間の世界へ足を踏み入れたバービーの、想像をはるかに超えるパワフルな物語『バービー』。この度、グレタ・ガーウィグ監督と監督の大ファンを公言する高畑充希との貴重な対談映像が解禁となった。全米では4週連続のNo.1を記録し、その興行収入は歴代のワーナー・ブラザース映画の中で第1位。創立100周年という節目の年に記録的な大ヒット作品となっている本作。日本でも公開中の本作から、監督のグレタ・ガーウィグと、吹き替え版でバービーの声優を務める高畑充希のスペシャル対談映像が公開。今月初来日したグレタ監督に、彼女の大ファンでもある高畑さんが質問をする対談が実現。気になるシーンの裏側や監督が映画に込めた思い、初公開エピソードなどを、映画の貴重なメイキング映像と共に展開している。世界中の誰もが知るバービーの映画化だからこそ、「バービーのポジティブな部分と複雑な部分を両方引き出そうと考えた」というグレタ監督。すでに多くの観客が感じているように、高畑さんも「私たちの知っているバービーは可愛い人形のバービーだから、あそこまで深いストーリーを受け取れると想像せずに映画を観たので、ものすごく感動しました」と、本作に強く心を打たれた様子。CGではなく実際に巨大なセットを作り、圧倒的な完成度で世界中の観客を魅了している“バービーランド”の造形については、グレタ監督は「幼かった頃おもちゃや人形で遊んだ時に触れるということがすごく大切だったから、スクリーンを観ていても触りたくなって手を伸ばしたくなるようなものにしたかった」と強い思い入れを明かす。高畑さんもそんな素晴らしいビジュアルに魅了されたようで、「バービーランドの世界観から受け取った感覚は、今まで映画の中で観たことも、感じたこともない感覚でした」とコメント。美術のサラ・グリーンウッド(『プライドと偏見』『アンナ・カレーニナ』)、衣装のジャクリーヌ・デュラン(『美女と野獣』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』)、撮影のロドリゴ・プリエト(『ブロークバック・マウンテン』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』)という超一流クリエイターたちと1年以上ディスカッションして作り上げたという圧巻の“バービーランド”の唯一無二の美しさを絶賛した。さらに、主人公のバービーを演じたマーゴット・ロビーと、そのボーイフレンド(?)のケンを演じたライアン・ゴズリングについて、グレタ監督から初公開となるエピソードも。「本当にライアンもマーゴットも大好き」と語るグレタ監督は、初めてリハーサルしたときをふり返り、「二人ともすごくチャーミングで笑えて、これで絶対うまくいくと確信出来ました」と早い段階で手応えを感じていたという。「特にライアンがすごくケンとコミットしていて、めちゃくちゃシリアスに向き合っていたんですね。私はもう笑いが止まらなくて、それはすごく覚えています」と、コミカルなだけでなく複雑な感情を内包したケンを演じ切ったライアンを大絶賛。さらに本作での最後の撮影が、人間世界のバス停でのシーンであることも明かし、そこで彼らと夢について話したと語る。「実は二人ともものすごいビビットな夢を見るタイプで、そのときにそれぞれ夢の内容を話してくれたんですが、その内容が美しくて。素敵な夢の生活を送っているんだなと思うとともに、そんな才能溢れる彼らが夢の話を私とシェアしてくれているなんて、自分はなんてラッキーなんだろうと思ったのを覚えています」と優しい笑顔で語っている。そのほかにも、「バービーランドと人間世界、それぞれのテーマは?」「ケンの仕事である“ビーチ”とはどういう意味?」「予想外の展開が待ち受けるこのストーリーを選んだ理由は?」「女優としても活躍するグレタが、監督をすることで変わったことは?」など、様々なテーマで対談が展開。さらに本映像には、笑顔でカチンコを鳴らすマーゴットや、ピンク尽くしのセットの中でスタッフと笑い転げたり、ナレーションを担当したヘレン・ミレンを演出するグレタ監督など、貴重なオフショットも多数収録されている。『バービー』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)
2023年08月19日オーディオストリーミングサービス・Spotifyは、映画『バービー』の公開を記念し、映画の世界観が楽しめる特別な仕掛けを公式マルチコンテンツプレイリストで展開。また、映画公開後に同作関連楽曲の再生数が伸びていることを公表した。全米での興行収入は、歴代のワーナー・ブラザース映画の中で第1位となる快挙を成し遂げ、創立100周年という節目の年に記録的な大ヒット作品となっている同作。日本でも11日から公開されると10代後半から20代の女性が中心に映画館を訪れ、週末の興行収入は3日間で1.9億円を突破して1位となった。Spotifyでは同作の公開にあわせ、一部の主題歌・劇中歌を再生中に映画の映像が8秒間のループ動画として表示される「キャンバス」機能のほか、モバイルデバイスよりプレイリストを再生すると、再生バーがバービー色のピンクに変わる仕掛けも実装した。バービーに関連するユーザープレイリストは、現在Spotify上で62万以上あり、今年5月26日に同作の予告映像が公開されて以降、ユーザーによる関連プレイリストの作成は270%以上で増加し、その後も毎週増え続けている。また、7月21日に映画が全米で公開されると、Spotifyのバービー公式マルチコンテンツプレイリストの再生回数は、世界で約1,560%に急増。特にスパイスガールズ「Spice Up Your Life」の再生回数は世界で150%以上、KAROL GとAldo Ranksによる「WATATI (feat. Aldo Ranks) [From Barbie The Album]」は120%以上、ニッキー・ミナージュ、Ice Spice、およびAquaによる「Barbie World (with Aqua) [From Barbie The Album]」は約100%増加した。さらに、映画サウンドトラックの『Barbie The Album』は、7月21日から7月23日までの期間、Spotifyでグローバルにリリースされたニューアルバムの中で最も再生されたアルバムとなった。
2023年08月18日世界中で親しまれるアメリカのファッションドールを、マーゴット・ロビー主演で実写映画化した『バービー』のイベント上映会が8月17日(木)、東京・丸の内ピカデリーで行われ、タレントの神田愛花とLiLiCoが、思い思いの“バービーコーデ”に身を包んで出席。本作の見どころや劇中のファッションの魅力を語らった。神田は、過去にトーク番組で私物のバービードール35体と、お気に入りのピンクの私服15着を披露した芸能界随一の“バービー通”で、「もう映画全体がピンク、ピンク、ピンクで、砂浜までピンク。家具にもこだわっていて、買いたいものばっかり」と興奮しきり。「年齢、性別、職業に関係なく、すべての人が『自分は自分でいいんだ』と共感できる映画。自分ができることを100%頑張れば、輝けるんだと感じられる」と本作の魅力を語ったほか、私物の“報道キャスター”バービーをお披露目し、「私の夢を代わりに叶えてくれている」と瞳を輝かせた。神田愛花鮮やかなピンク色のドレスで登場したLiLiCoは、「やっぱり、ピンクってハッピーになれるんです!」とご機嫌。映画については「完全なコメディかと思いきや、意外や意外、母と娘の関係やリアルな世界のディープな話も描かれていて、3回くらい泣きました。ハッピーは自分の中にあると、バービーが教えてくれる」と強いメッセージ性をアピールしていた。LiLiCoまた、「高畑充希ちゃんの天才的な吹替えがすばらしい」と日本語吹替え版で、バービー役を務めた高畑の演技を絶賛。自身も人魚バービー(デュア・リパ)の吹替え声優を担当しており、「色気が出過ぎちゃって、NGに(笑)なってしまった」とアフレコの舞台裏を明かしていた。イベントには、ピンクの衣装がトレードマークの3人組ボーイズグループ・パワーパフボーイズも駆けつけた。パワーパフボーイズピンクに彩られた完璧な世界「バービーランド」から人間の世界にやってきたひとりのバービー(マーゴット・ロビー)が、世界の真実に直面しながら、大切なことは何かを見つけていく。『レディ・バード』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のグレタ・ガーウィグが監督を務め、全世界累計興行収入は12億ドル(約1,728億円)を突破している。取材・文・撮影:内田涼<作品情報>『バービー』公開中公式サイト:
2023年08月17日『バービー』の北米興収が5億3,700万ドルに達した。これは、100年に及ぶワーナー・ブラザースの歴史で最高記録。これまでの記録は『ダークナイト』の5億3,490万ドルだった。また、『バービー』は、わずか22日で5億ドルの壁を超えている。昨年の『トップガン マーヴェリック』は30日、この春の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は31日かかった。この映画は、マーゴット・ロビーとライアン・ゴズリングのキャリアにおいても最大ヒット作。『バービー』は北米で公開以来ずっと首位を死守してきたが、この週末は、やはりワーナーが配給するスーパーヒーロー映画『ブルー・ビートル』に奪回される可能性がある。映画『バービー』公開中(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.文=猿渡由紀
2023年08月17日公開直後から大ヒットを飛ばしているグレタ・ガーウィグ監督作『バービー』が、新たな記録を打ち立てた。ワーナー・ブラザースの作品で、これまで北米興行収入がナンバーワンだったクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』を抜き、歴代トップに躍り出た。そんな作品に出演できず、後悔している俳優がティモシー・シャラメだ。『レディ・バード』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』とガーウィグ監督の2作品に出演した“常連”のティモシー。ガーウィグ監督は、同2作品に出演したシアーシャ・ローナンとティモシーに、『バービー』にも出演してもらうつもりだったと「Hollywood First Look」に語っている。「でも、2人も無理でした」。しかし、ガーウィグ監督と親しいティモシーは、『バービー』の撮影中にセットを訪れた。そこで「出演すべきだったよね」とぼやくティモシーに、ガーウィグ監督は「そうだよ!なんで出なかったの」と返したという。スケジュールの都合で出演が叶わなかったティモシーとシアーシャ。「本当に残念でした。2人のことが大好きだから。自分の子どもが不在のまま映画を撮っている感じで。私は彼らの母親ではないけれど、母親だと感じている部分があるんです」とガーウィグ監督は過去に2人への愛情を語っていた。(賀来比呂美)
2023年08月17日『ハリー・ポッター』シリーズや『ゼロ・グラビティ』『パディントン』などを手がける映画プロデューサー、デイビッド・ヘイマンが公開中の映画『バービー』で製作を務めている。これまで数々の意欲的なプロジェクトに挑み、成功をおさめてきたヘイマンは、本作が劇場用映画であること、そして世界中で観客を集めていることに“希望”を感じていると語る。ヘイマンは英国出身の映画プロデューサーで、『ハリー・ポッター』シリーズや、アルフォンソ・キュアロン監督の名作『ゼロ・グラビティ』、クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』など数多くの人気作を手がけ、現在はティモシー・シャラメを主演に迎えた話題作『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』を製作中。常に多くのプロジェクトを抱えているが、ある日、世界中の子どもたちが愛する人形バービーの映画化プロジェクトの話を持ちかけられたと振り返る。「マーゴット・ロビーとトム・アーカリーがバービー人形を発売しているマテル社から映画化権を獲得して、グレタ・ガーウィグとノア・バームバックに脚本を依頼しました。マーゴットとトムは優れた映画製作者で、これまでにも多くの素晴らしい作品を手がけてきましたが、『バービー』は大規模な作品で、プロジェクトがスムーズに進んでいない時期がありました。私は25年に渡ってワーナー・ブラザース映画とお付き合いがあり、大規模なプロジェクトを手がける機会がありました。マーゴットとは彼女が俳優として出演した『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で仕事をしていますし、本作の脚本を手がけたノアが監督した『ホワイト・ノイズ』で製作を務めました。そこで私がこのプロジェクトに加わることで、製作がスムーズに進むと思ったのです。監督のグレタも私が参加することでプロジェクトが前進すると考えました」ヘイマンが製作者に加わり、『バービー』は実現に向けて前進していった。とは言え、ヘイマンは「この企画には、製作者で俳優のマーゴット・ロビー、脚本家のノア・バームバック、そして脚本と監督を務めたグレタ・ガーウィグがいたわけですから、映画が特別なものになる要素はすでに揃っていた」と語る。「素晴らしい映画をつくる唯一の方法は、素晴らしい監督とタッグを組むことです。どれだけプロデューサーが素晴らしい仕事をしたとしても、実際に映画を良いものにするのは監督です。現在の私があるのは素晴らしい監督・脚本家と仕事ができたおかげですが、グレタもまた、そんな素晴らしい才能のひとりでした」映画『バービー』は、子どもたちの愛するバービーの世界をそのまま映画化した作品ではない。子どもたちが愛するバービーたちが暮らす“バービーランド”が登場し、そこで暮らすバービーのひとりがある朝、自分に異変が起こり、完璧なバービーでなくなっていることに気づくところから物語が始まる。自分に起こった謎を解くべく、彼女は人間の暮らす世界に旅立ち、そこで予想もしなかった出来事に遭遇するのだ。本作はとにかく楽しく、最後の最後まで展開の読めないストーリーが語られるエンターテイメント作品だが、一方で映画ファンもうなる“攻めた”作品だ。物語は重層的になっていて、様々な角度から楽しむことができるようになっており、撮影手法もあえてCGを極力使わずに実物のセットにこだわり、衣装や美術、劇中音楽も時間とアイデアがふんだんに盛り込まれている。普通の映画プロデューサーであれば、ワクワクしつつも、その規模の大きさと複雑さに不安を感じてもおかしくはない。しかし、ヘイマンはこれまでも数々の“誰もやったことのない”企画に挑んできた男だ。「『ハリー・ポッター』は本が出版される前から権利を取得して、映画化に取り組んできました。正直に言いますが、私はあの本があそこまでの成功をおさめるとは予想していませんでした。だから最初はまったく怖くもないし、不安もなかったんです。だんだんと怖くなってきたのかもしれません(笑)。私はいつも映画製作の最初期に、その作品にどんなエッセンスをもたせるべきなのか、監督と話し合うことが一番重要だと思っています。監督がどんな映画をつくりたいのか私がよく理解することが大事です。そこがクリアできれば、私が製作過程で行うこと、彼らに質問すること、彼らに投げかけるアイデア……そのすべては“監督と最初に話し合ったビジョン”をサポートするものになります。私は指示はしません。私の仕事は監督のビジョンをサポートすることです」グレタ・ガーウィグが自らのビジョンを実現し、映画『バービー』が唯一無二の映画になった裏にはヘイマンのサポートがあったようだ。彼は完成した映画を「とにかくハッピーで、誰もが楽しめるエンターテイメントになった」と語るも「アイデアにあふれていて、様々な層で構成されている作品」と分析する。ヘイマンが『バービー』に“希望”を感じた理由確かに本作でマーゴット・ロビーが演じるバービーは、魅力的で、観客が愛したくなる愉快なキャラクターだ。一方で彼女は迷い、試行錯誤を繰り返し、時には圧倒的な孤独を感じたりもする。しかし、ヘイマンはそこに、この映画の希望があるという。「私は映画館に行くことが大好きなんです。映画を観る経験を周囲の人たちと分かち合う。一緒に笑ったり、怖がったり、時には涙を流したりする。観客が劇場で一緒になって映画を観ることは本当に素晴らしいと思っています。私の参加してきた作品の多くには共通点があります。それは“人間は誰もがひとりぼっちなんだ”ということです。家族がいても、ビジネスで大成功していても、恋人がいても、人間はどこかで自分のことをわかってもらえないと孤独を感じてしまうことがあります。私の関わった映画の多くは、そんな中で、他人とのつながりや、コミュニティを感じることができるものだと思います。映画館に行って、みんなで一緒に同じ映画を観ること。それは“人間が生きている”と感じられる瞬間だと思います。だからこそ『バービー』を愛し、映画館に集まって観たいと思ってくれた人がたくさんいた。そのことに私は希望を感じているのです」本作を紹介する記事では繰り返し“なりたい自分を見つける”というフレーズが登場する。しかし、映画『バービー』は、その道のりは“自分ひとり”では成し遂げられないことも丁寧に描き出している。失敗したり、孤独を感じることもあるけれど、映画館に人々が集うように、自分の部屋を出て様々な人に出会い、孤独や不安を感じているのは自分だけではないことにも気づくことで、自分だけの道を見つけていくのだ。『バービー』を映画館で観ることは、単に大きなスクリーンで映画を観ること以上の意味があるのかもしれない。「映画をめぐる環境は日々変化していますから、他とは違うオリジナルなものをつくる難しさを私もよく理解しています。でも『バービー』は他にない映画になりました。そのことにも私は希望を感じているのです」『バービー』公開中(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
2023年08月17日「セックス・エデュケーション」のメイヴ役でブレイクしたエマ・マッキーが、現在上映中の『バービー』に出演した感想を「すごくたくさんのことを学びました。人生が変わりましたよ」とUK版「ELLE」誌に語った。「(監督の)グレタ・ガーウィグは、私がずっと一緒に仕事をしてみたいと思っていた人でした。頭の中がどうなっているかが知りたかった。彼女はすごく人をハッピーにしてくれる人。たとえ本当に小さな役でもいいから、『バービー』の一員になりたいと思いました」とキャスティング前をふり返る。エマによると、ガーウィグ監督からキャストへの要望は最初から明確で、「自分たちが本当に美しいと感じてほしい」ということだったという。だからこそ、衣装やメイクについては、キャスト全員が話し合いに参加。「それってかなり珍しいことですし、私の限られた経験の中でもまれです。みんなが話を聞いてもらえたんです」。今後は製作にも携わっていきたいというエマ。「優秀な脚本家の友人に囲まれているということもあり、ちょっと製作をかじっていて。私のパートナーも脚本家であり監督なので、(製作側の仕事というのは)間違いなく毎日の生活に影響しています」と語っている。(賀来比呂美)
2023年08月15日公開中の映画『バービー』より、メイキング映像が公開された。本作は世界中の子どもたちを魅了し続けているバービー人形をモチーフにした作品。『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』のマーゴット・ロビーがバービーを、『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングがケンを演じる。監督は『レディ・バード』でアカデミー監督賞・脚本賞にノミネートされたグレタ・ガーウィグが務める。全世界興行収入は12億ドルを超え、日本でも週末3日間の興行収入が1.9億円を突破した。今回公開されたのは、お気に入りシーンに挙げる観客も多いバービーランドと人間界を行き来する際の可愛すぎる“移動シーン”のメイキング映像だ。「移動シーンの撮影は、最高に満足のいくものだった」とグレタ監督も確かな手応えを明かしている通り、2つの世界を行き来する際にはバービーの愛車であるピンクのコルベットを始め、船、キャンピングカー、自転車、スノーモービル、ロケットなどさまざまな移動手段が使われる。船に乗る時はセーラー服、ロケットに乗る時は宇宙服といったように、乗り物が変わるたびに背景やバービーたちの衣装がチェンジ。「箱ごとにシーンが入っているの。バービーとケンにシーンを通過させて、次の箱のシーンに行くというようにしたかった」とグレタ監督が語るように、ひとつひとつのシーンがそれぞれ美しい絵画のように映し出されている。『バービー』(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.さらに、これらのシーンではCGを使わず、演劇の舞台表現を参考に、セットと舞台装置を用いて撮影を実施。たとえば水の上をボートで進むシーンでは、布にセロハンを貼って水のきらめきを表現したり、背景の絵はスタッフが実際にロープを引っ張って動かしたりと、マーゴット・ロビーも撮影の裏側を説明しながら思わず笑ってしまうほど、その作業はどこまでもアナログだ。ケン役として本シーンにも登場したライアン・ゴズリングは、「昔の無声映画の表現方法を使っていた。カレル・ゼマン監督作品のようだ」と、アニメ・特撮の巨匠の名前を出しながら興奮気味に撮影を振り返っている。ほかにもメイキング映像には、こだわりのセットの中で楽しそうに撮影に臨むマーゴットやライアンの貴重な姿や、人間世界でのバービーの持ち主サーシャ役のアリアナ・グリーンブラット、バービーを生み出したマテル社のCEO役のウィル・フェレル、本作の美術を担当したのサラ・グリーンウッドのコメントも登場している。映画『バービー』メイキング特別映像<作品情報>『バービー』公開中公式サイト: Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
2023年08月14日8月11日より待望の日本公開となった映画『バービー』が、大作ひしめく中、週末3日間の興行収入1.9億円を突破し週末公開作品で1位を記録。公開を記念して、お気に入りシーンに挙げる観客も多い、バービーランドと人間界を行き来する可愛すぎる“移動シーン”のメイキング映像が解禁された。初週3日間で興行収入1億9,093万9,600円、動員12万6,916人を記録した本作。劇場には10代後半から20代の女性が中心に訪れ、都内の劇場では公開初日に満席となる劇場が続出。「アカデミー賞間違いない傑作!」という声も出ており、主演のマーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリングの演技を称賛する声に加え、「想像を超える面白さ!」「まさかバービーで涙するとは…」「文句なしのエンタメ作品!」など、賞賛の声が続出。さらに、興行収入の構成比率において、東京では2023年に公開されたワーナー・ブラザース映画作品の平均の200%を記録するなど、トレンドに敏感な若年層の動員を中心に息の長い興行が見込まれている。どんな自分にでもなれる完璧で<夢>のような毎日が続く“バービーランド”で暮らすバービーとボーイフレンド(?)のケン。ある日突然身体に異変を感じたバービーは、原因を探るためケンと共に人間の世界へ向かう。世界中で一時塗料が不足するほど“ピンク尽くし”で作られた巨大セットや、アカデミー賞受賞のデザイナーが手掛ける衣装の数々など、こだわり抜かれたビジュアルや世界観でも話題沸騰。SNSを中心に「ユニークな発想と玩具特有のポップな世界観が最高」「見終わっても興奮と感動と衝撃が冷めやらない。久々に完璧と思える映画を見た」など、絶賛の声が続々と上がっている。そんな本作から解禁となったメイキング映像では、「移動シーンの撮影は、最高に満足のいくものだった」とグレタ・ガーウィグ監督も確かな手応えを明かしている。2つの世界を行き来する際には、バービーの愛車であるピンクのコルベットを始め、船、キャンピングカー、自転車、スノーモービル、ロケットなど様々な移動手段が使われる。船に乗る時はセーラー服、ロケットに乗る時は宇宙服といったように、乗り物が変わるたびに背景やバービーたちの衣装がチェンジ。ジオラマのようにしたかったというグレタ監督が「バービーとケンにシーンを通過させて、次の箱のシーンに行くというようにしたかった」と語るように、1つ1つのシーンがそれぞれ美しい絵画のように映し出されている。さらにこれらのシーンではCGを使わず、演劇の舞台表現を参考に、セットと舞台装置を用いて撮影を実施した。たとえば水の上をボートで進むシーンでは、布にセロハンを貼って水のきらめきを表現したり、背景の絵はスタッフが実際にロープを引っ張って動かしたりと、マーゴットも撮影の裏側を説明しながら思わず笑ってしまうほど、その作業はどこまでもアナログ。ケン役として本シーンにも登場したライアンは、「昔の無声映画の表現方法を使っていた。カレル・ゼマン監督作品のようだ」と、アニメ・特撮の巨匠の名前を出しながら興奮気味に撮影をふり返っている。ほかにもメイキング映像には、こだわりのセットの中で楽しそうに撮影に臨むマーゴットやライアンの姿や、人間世界でのバービーの持ち主サーシャ役のアリアナ・グリーンブラット、バービーを生み出したマテル社のCEO役のウィル・フェレル、本作の美術を担当したサラ・グリーンウッド(『アンナ・カレーニナ』『美女と野獣』など)のコメントも登場。映像の中でグレタ監督が「映画『バービー』の舞台は大胆かつ繊細に、ぶっ飛んだ世界にしたかった。観る人にはただ楽しんでもらいたい!」と語るように、観客を楽しませる要素がふんだんに詰まっている。なお、映画版のドールは、発売から10日足らずでメーカー在庫ほぼ完売。「OPI」が発売したバービーとケンをイメージした9色のネイル商品は7月1日に発売し約1か月で完売、またアパレル商品も絶好調で、「ZARA」は発売後約1か月、「クロックス」のコラボ商品は、発売後約2週間で完売するなど映画以外でも大ヒットとなっている。さらに、コラボレーション雑貨を多く取り扱う「PLAZA」では、全店舗での大型プロモーションを行い、商品は予測より120%の売れ行きで、プロモーション第2弾の開催を願う声が上がり、まさに日本中がピンク一色になっている。『バービー』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)
2023年08月14日8月11日から13日にかけての週末、北米のボックスオフィスでは、4週連続で『バービー』が首位をキープした。現在までの北米興収は5億2,600万ドル。2位はやはり公開4週めを迎えたクリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー(原題)』。3位は『ミュータント・タートルズミュータント・パニック!』。4位は『MEG ザ・モンスターズ2』、5位はこの週末デビューしたホラー映画『ドラキュラデメテル号最期の航海』だった。次の週末は、ウィル・フェレル、ジェイミー・フォックスらが声の出演をするアニメーションコメディ『スラムドッグス』が北米公開される。映画『バービー』8月11日(金・祝) 公開(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.文=猿渡由紀
2023年08月14日MiMC(エムアイエムシー)の2023年秋冬コスメ「美白ルースパウダー」が、2023年10月5日(木)に発売される。“毛穴レス陶器肌”叶える「美白ルースパウダー」MiMC人気の「美白ルースパウダー」は、毎年秋冬限定で発売される美白美容液UVパウダー。夏に紫外線ダメージを受けて、疲れ気味の秋冬の肌をケアしながら、透明感溢れる美肌へとトーンアップを叶えてくれる。そんな「美白ルースパウダー」が2023年もお目見え。“まるで粉雪”のような微粒子パウダー肌にのせると瞬時になじんで、くすみのない毛穴レスな陶器肌を演出。何度重ねても白浮きすることなく、まるで内側から輝いているような美肌に仕上げてくれる。使うたび、スキンケア効果を実現してくれるのも嬉しいポイント。SPF50+ PA++++の高い紫外線カット効果をもつミネラルパウダーのまわりに、<美白・肌荒れケア・ハリ肌・保湿>を叶える美容成分をコーティングすることで、みずみずしく透明感のある素肌をサポートする。カラーは全2色展開なお、カラーは肌色を選ばず使用できる全2色展開。メイクアップベースやフィニッシュパウダーとしてはもちろん、首元やデコルテなどボディーの日焼け対策として使うのもおすすめだ。クリアピンク:毛穴やくすみをふんわりカバーし、肌トーンをアップするピンクカラークリアベージュ:重ねるほどに透明感が増す軽やかなベージュカラー【詳細】「美白ルースパウダー(医薬部外品)」SPF50+ PA++++ 全2色 各10,175円<限定品>発売日:2023年10月5日(木)【問い合わせ先】株式会社MIMCTEL:03-6455-5165(平日10:00~17:00)
2023年08月12日1959年に生まれ、世界で最も有名なファッションドール“バーバラ・ミリセント・ロバーツ”、愛称バービー。デビュー以来、多くの人々を魅了してきたのは、彼女がファッショナブルだったからだけではなく、多くの人々にとってアイコニックな存在だったから。64年にわたり、女性を取り巻く社会環境の変化を体現し、多様性を映し出してきたバービー。さまざまな可能性を秘めた彼女の物語が、誕生65周年を前に実写化された。メガフォンを執ったのは『レディ・バード』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』などを手がけたグレタ・ガーウィグ。女性の自立を描いた作品で評価が高いガーウィグ監督に、“バービーを撮る”ということについて話を聞いた。バービーの変化を通して「人間のもろさや変わっていく部分を逆に祝福したい」――バービーのイメージを壊さず、その魅力を掘り下げ、現代性を与えるに当たり、最も意識したのはどんなことでしょうか。バービーが64年間存在し続けているということです。そこをどう捉えるかが、ひとつの挑戦でした。1959年に生まれて、バービーには今まで色々なバージョンがありました。そんなバービーが持つ意味というのは、時代によって違います。ブランド自体が、そのときどきの時代や文化に発信したものも変化してきた。時代に先んじているというときもあれば、ちょっと時代に遅れたこともあったと思う。その64年間のいろいろあった歴史にまず踏み込むことで、バービーとは何なのかという答えを自分の中で出さなければいけないと思い、そこから制作を始めました。――バービーに感情が芽生えていく様子はとても感動的でした。バービーの変化を描く上ではどんなことを意識したのでしょうか。バービーは静物、動かないものです。人形ですからね。だからこそ、手の届かない完璧な存在でもある。一方で、私たち人間には体があって衰えていく。ある意味で壊れていくわけです。でも、バービーの映画を撮るにあたっては、人間のその部分をどうにかして祝福する方法はないかと考えました。バービーの経験する目覚め、変化というものを見せることによって、人間のもろさや変わっていく部分を逆に祝福したいと。それはバービーが今まで象徴してきたものと逆ですよね。でも、実写版を撮るにあたっては、そういう表現をしたいと思いました。表現の可能性を感じるために「映画といつも向き合っている」――バービーが体現する女性の目覚めという視点からすると、歴史の中でファッションから女性の自立をサポートした「CHANEL(シャネル)」を衣装として際立たせたことは、とても意味のある演出だと感じました。まさにその通りです。いろいろなデザイナーにインスピレーションを与えてきたバービー。多くのファッションデザイナーと話をしてみると、子供の頃、バービーのために作った服が人生で最初のデザインだったという話をよく聞きます。主演のマーゴット・ロビーは、もともと「CHANEL」と仕事をしていました。今回のコスチューム・デザイナーであるジャクリーヌ・デュランは、クリスティン・スチュワートが主演の『スペンサー』で、メゾンとコラボレーションをしていたんです。彼女は、「CHANEL」のアーカイブ担当者と仕事をした経験があり、クリスティンのための多くのルックはそのアーカイブを参考にしながらデザインしています。今回、素晴らしいと感じたのは、バービーの歴史と「CHANEL」の歴史という両方を衣装作りによって持ち込めたこと。それはやはり、マーゴットとジャクリーヌ、2人の存在があってこそでした。――本作では、様々な名作が引用されていますね。男性優位社会の価値観を表するものとして、『ゴッド・ファーザー』や『ロッキー』なども登場しています。私はシネフィルなんです。いつも映画を観ています。私にとって1番のインスピレーション源は映画。自分が映画制作において、視野が狭くなってしまったり、表現の可能性をもっと追求したりしたくなったときに映画館に行くんです。そうすると、必ず自分が解放される。自由になることができるんです。映画って何でもありなんだと改めて感じることができる。素晴らしいフィルムメーカーの才能、素晴らしい作品を観ることによって、クリエイティブ・マインドが再びオープンになって開けていくんですよね。映画作りに関して、正しい道なんてあるわけじゃないし、道もひとつじゃない。もちろん作品にはある種の品格と、それから美しさを与えたいし、優れたものにしたいとは思うけれど、そのための道のりは本当に沢山あるんだと、映画を観るとしみじみ思い出せる。常に表現の可能性を感じるためにも、映画といつも向き合っているんです。(牧口じゅん)
2023年08月11日『レディ・バード』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のグレタ・ガーウィグ監督の最新作『バービー』がいよいよ公開になる。本作は世界中の子どもたちを魅了し続けているバービー人形をモチーフにした作品で、予告編では主演のマーゴット・ロビーが、クラシカルなバービー人形のように“つま先立ち”しているカットが登場するが、完成した作品では足よりも“手”が重要なモチーフとして繰り返し描かれる。「手で触れられるような映画にしたかった」というガーウィグ監督に話を聞いた。1959年にアメリカの玩具メーカー、マテルが発売したバービーは、ルース・ハンドラーが生み出した着せ替え人形だ。子どもたちはバービーを使って遊び、服を着せ替えたり、髪型を工夫したりしながら“自分が素敵だと思うスタイル”や“なりたい自分”を見つけていく。その人気は衰えることはなく、これまでに10億体、いや、10億人以上のバービーが世界中の子どもたちと時を過ごしたという。「私は子どもの頃から人形で遊ぶのが大好きだったのですが、私の母は『バービーは子どもに良い影響を与えない』という考えでした。ですから、私が遊んでいたバービーはすべて近所の子どもの“おさがり”だったんです」と振り返るガーウィグ監督は、俳優として活動する一方で、優れた脚本家、監督として多くの映画ファンからの信頼を集めている才人だ。誰もが知る”人形”をモチーフにどんな映画をつくるのか? 創作を始める上で彼女は改めて“子どもが人形で遊ぶこと”の意味を振り返ったという。「改めて考えると、人形はとても興味深い存在でした。というのも、世の中はとても進歩したというけれど、現代の子どもたちはいまも人形で遊んでいて、時には自分自身を人形に投影したりしているわけですよね? その光景ではある意味では“中世っぽい”とすら感じるんです(笑)。どんなに時代が変わっても、私たちはアイデンティティを模索する中で人形に自分を投影したり、人形で遊びながら自分の中にある怒りに気づいたりもする。その行為は、現代的ではないかもしれませんが、とても“豊かな”ことだと思えたのです。そこが本作の創作のスタートでした。もうひとつ考えたのは、バービーという存在を“善”であり、同時に”悪”として考えたら面白いんじゃないか? ということでした。白でも黒でもない、いや、白と黒が混沌としているグレーな場所。そんな場所をこの映画ではあえて描きたいと思ったのです」ガーウィグ監督のように子どもの頃にバービーで遊んだ人もいる。一方で、彼女の母のようにバービーは悪だと考える人もいる。その両方が本作のキャラクターに落とし込まれた。本作の冒頭に登場するのは、子どもたちが大好きなバービーが暮らす”バービーランド”。そこではバービーたちが毎日、爽やかに目覚め、最高の気分でボーイフレンドのケンと遊んだり、バービーたちでパーティを開いたりしている。しかし、ある日、ひとりのバービーは自分の異変に気づく。ある朝から自分が“完璧”なバービーではなくなっていたのだ。この謎を解明するため、彼女は人間の暮らす世界に旅立つ。劇中に登場する“バービーランド”は、人間の子どもたちが遊んでいるバービーの世界をメタフィクション的に描いたものだが、スタジオにセットが建てられ、可能な限りCG技術を使わずに撮影が行われた。「1950年代のスタジオ時代の映画や、セットで撮影されたミュージカル映画を意識していました。どこまでも広がる空間ではなく、ちゃんと壁があってそこには背景が描かれているイメージです。ヴィンセント・ミネリの映画や、『雨に唄えば』『オクラホマ』……屋内的であることを意識しました」映画の黄金時代、映画界は巨大なステージにセットを建て、夢のような世界をいくつも描き出した。ジャック・タチを思わせる巨大なセット、バズビー・バークレーを連想させるダンスシーンなど、本作は往年の名作映画のトーンや手法が大胆に導入されており、撮影監督を務めた名手ロドリゴ・プリエトは本作では得意とする荒々しいタッチや鮮烈なイメージではなく正攻法で物語を語っていく。「ロドリゴは“イノセント”と呼んでいましたが、俳優を隠れた場所から撮るのではなく、正面から撮るように彼と話し合いました。そして映画の冒頭では華麗で、まるで踊るようにカメラが動き、物語が進んでいくに従って、だんだんカメラワークが乱れていく……そんな語りになっています。私もロドリゴも、創作する上では何かしらの制限を設ける方がアプローチがしやすいんです。だから車の中のシーンではロケ撮影ではなく、撮影した背景を車の後ろに投影するリアプロジェクションを使って撮影したり、ミニチュアを使って撮影をしました」“かつて子どもだった”すべての観客へグレタ・ガーウィグ監督なぜ、本作はそこまでアナログで、実物にこだわった撮影手法がとられたのか? 理由は“手”だ。本作では繰り返し“手”に関するモチーフが登場する。子どもたちはバービー人形を手を動かして遊び、着せ替え、理想のスタイルを探っていく。バービーは“箱の中に入っている状態”ではダメなのだ。「そのことはすごく考えていました。人形というのは手で触れて遊ばなければ、私たちの考える“人形”ではないと思いますし、その感覚がこの映画をつくる上での最大のガイドになりました。だからこそこの映画ではセットを建て、物理的に触れるものを揃え、“手で触れられるような映画”にしたかったのです。それから劇中に何度も“手”に関するモチーフが登場するのは、ルース・ハンドラーがバービーを生み出した瞬間を映画の中で表現したかったからです。触れることで命が吹き込まれる。旧約聖書で神がアダムに生命を吹き込むために手をのばす場面のように、手から命が吹き込まれるイメージがずっとありました」本作では、人間の世界に向かったバービーが幸福なバービーランドで暮らしていた時からは想像もしなかったトラブルに巻き込まれ、自分自身の存在について迷い、試行錯誤を繰り返す。その光景は、子どもたちが手で玩具に触れながら、ああでもない、こうでもないと試行錯誤する姿と重なる。本作は、過去にバービーで遊んだことがなくても、あなたが過去に“女の子”でなかったとしても、生まれてから一度でも“遊んだ”経験があれば楽しめる映画だ。「この映画は男性とか女性とか、過去にバービー触れたことがあるか/ないかに関係なく楽しんでもらえる映画だと私も思っています。私はこの映画は、私たちが遊びを通じて、どのように自分自身を形成していくのか描いた作品だと思うのです。私には息子がいるのですが、彼も人形で遊んでいます。彼は“アクション・フィギュアだ!”って言うんですけど、あれは人形ですよね(笑)。息子を見ていると、自分が子どもの頃に人形に手で触れて遊びながら、自分を形成していったのと同じ過程を見てとれるんです」誰だって生まれた時から最高の自分じゃない。誰もが人形で遊びながら最高の自分を思い描くように、トライして、失敗して、再びチャレンジして答えが出ないことに呆然としたりする。映画『バービー』が描くこの感覚は、すべての“かつて子どもだった”観客のハートを掴むだろう。同時に、この感覚は、ガーウィグ監督が他の作品でも描き続けてきたものだ。「確かに、大人の感性と子どもの感性を一度に掴み取ろうとする感覚は私のすべての作品にありますね。意識しているわけではないのですが、少し客観的に振り返ってみるとそうですね。『レディ・バード』は表面的にはハイスクールムービーだと思われていますが、あの映画は実は“母親の話”ですよね。『ストーリー・オブ・マイライフ…』は子どもたちの映画に見えているかもしれませんが実は“大人が幼かった頃”の話なんです。『バービー』では、子どもたちが人形で遊ぶ時のリアリティ、そこにある神話的な力を掘り下げた映画だと思っています」映画『バービー』8月11日(金・祝) 公開(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
2023年08月10日映画『バービー』の本編映像が公開された。世界的人気を誇るファッションドール・バービーの世界を実写映画化した本作は、完璧でハッピーな毎日が続く“夢”のようなバービーランドで暮らすバービーとボーイフレンドのケンが、ある日完璧とは程遠い“人間世界”に迷い込み、本当に大切なものを見つけるドリームファンタジー。『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』のマーゴット・ロビーがバービーを、『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングがケンを演じる。監督は『レディ・バード』でアカデミー監督賞・脚本賞にノミネートされたグレタ・ガーウィグが務める。このたび公開されたのは、バービーランドで幸せな日々を送るバービーとケンたちによるダンスパーティーの模様を収めた本編映像。ミラーボールでキラキラと光るフロアに集まったバービーたちは、スパンコールのオールインワンをはじめ、白やピンクのドレスをバッチリ着こなし、一方でケンたちも胸に「K」と書かれたゴールドに輝くセットアップを着て勢ぞろい。ダンスフロアでは、本作にもマーメイドバービーとして出演する、UKポップのアイコン、デュア・リパによる「Dance The Night」が流れ、テンションMAXで踊り明かすハッピーなダンスパーティーが繰り広げられている。そんな中、フロアを見つめるケンの視線の先には、彼が恋焦がれるおしゃれで人気者のバービーの姿が。しかしもう1人のケン(シム・リウ)も魅力的なバービーに想いを寄せている様子で、楽しそうに踊る彼女に「きれいだ」と声をかけ、ともにダンスを楽しんでいる。それを目の当たりにしたケンの闘志が燃え上がり、ドヤ顔でダンスの列に加わり、バービーの隣をガッチリキープする静かなアピール合戦が勃発。こなれた表情でキレキレのダンスを披露するケンたちが笑いを誘う、グレタ監督ならではのユーモアの効いたシーンとなっている。なお、このダンスパーティーシーンには、グレタ監督のお気に入りの一作である、バスビー・グレイ監督の『ゴールド・ディガース36年』に登場するダンス要素が取り入れられている。すでに公開されている映像では、キャストや製作陣たちが撮影しながら思わず爆笑する場面など、笑顔あふれる現場が映し出されているが、今回の陽気なダンスシーンもスタッフやキャスト自身も楽しみながら作っていったという。バービーを演じたマーゴットは、監督を務めたグレタ・ガーウィグについて「グレタには、明るくてハッピーで協力的という私たちが思い描くバービーランドにぴったりな雰囲気を撮影現場にもたらす不思議な力があるんです」と彼女がいたからこそ楽しい現場になったと絶賛。また「彼女はいつでも明るく、この上なく素敵で、いちばんの味方になってくれる監督であるうえに、計り知れない才能にもあふれています。グレタはまさにバービーのエネルギーがみなぎっている人ですね」と語っている。映画『バービー』本編映像(ダンスパーティー編)<作品情報>映画『バービー』8月11日(金・祝) 公開公式サイト: Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
2023年08月10日8月4日から6日にかけての週末、北米のボックスオフィスではまたもや『バービー』が首位をキープした。3週連続1位で、ここまでの北米興収は4億5,900万ドル。全世界では10億ドルを突破した。今年、10億ドルを超える成績を出したのは『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』に次いで2本目。2位はこの週末デビューした『MEG ザ・モンスターズ2』、3位は『オッペンハイマー』。4位はこの週末デビューのアニメーション映画『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』、5位は『ホーンテッド・マンション』だった。次の週末は、ホラー映画『ドラキュラ/デメテル号最後の航海』が公開となる。映画『バービー』8月11日(金・祝) 公開(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.文=猿渡由紀
2023年08月08日全世界累計興行収入が10億ドル(約1420億円)を突破する大ヒットとなっている映画『バービー』が、いよいよ8月11日(金・祝)に日本公開。この度、“バービー”役のマーゴット・ロビーやキャスト陣やグレタ・ガーウィグ監督が語る特別映像<バービーとの思い出編>が解禁された。1959年に初めて発売されたファッションドール・バービーは、「女の子はみんな母親になりたい願望があり、赤ん坊の人形を世話するのを好む」という既成概念に挑戦するものだった。それらに変化をもたらしたバービーは、憧れとインスピレーションを与える存在となり、瞬く間に世界的なヒットを記録。初登場から60年以上経ったいまでもバービーは変わらぬ人気を誇り、世界で最も売れている人形として知られている。そんなバービーを初めて映画化したのが、現在世界中で記録的ヒットを飛ばしている本作。「みんなバービーと遊んだ思い出があると思う」と語るのは、主人公のバービーを演じたマーゴット・ロビー。「世界中の誰もが知っているバービーは、あまりにも大きな存在。たくさんの思い出とともに多くの人々がバービーにつながりを感じている」と、バービーの偉大さにあらためて言及している。<バービーランド>の住人である別のバービーとして登場する、ハリ・ネフ、イッサ・レイ、二コラ・コクランたちも、「本物だったらいいのに!と思っていた」「30体ほど持っていた」など、バービー人形で遊んでいた幼い頃を笑顔でふり返る。バービーが人間世界で出会う、バービーを“卒業”したサーシャを演じたアリアナ・グリーンブラットは「持ってたバービーをペンで色を塗ったり髪の毛を切ったりして、みんな“変てこバービー”にしちゃった覚えがある」と、無邪気な遊び方について語り、サーシャの母グロリアを演じたアメリカ・フェレーラは、幼少期バービーにあまり興味がなかったことを正直に明かしながらも、撮影を経て「今は大好き」になったことを語っている。映像では、細部までこだわり抜かれたピンク尽くしのセットやコスチュームに身を包んだキャスト陣の姿、コメントと共に映し出される見どころシーンの数々も必見だ。そして監督を務めたグレタ・ガーウィグは、「みんなそれぞれバービーとの思い出があるから、自分をバービーやケンに重ねられる世界をつくる必要があった」と、映画化において重視したポイントについても言及。製作も務めたマーゴットも、世界中で愛されるバービーの映画化を「すばらしい機会」と称している。さらにマーゴットは、「観客は、良くも悪くもバービーに対する思いや印象という先入観をもっているだろうから、私たちは責任重大だということを分かっていた。とてつもなく大きな挑戦だったけれど、私たちは全力を挙げて制作に臨んだ」と、世界中の人々が持つそれぞれの“バービーとの思い出”こそが、映画化のキーポイントでありチャレンジだったことも明かしている。全米では週末3日間の興行収入1.55億ドル(約218億円)を記録し、2023年に公開された全ての映画でNo.1となるロケットスタートを切った本作。週末を越えた翌月曜日の興行成績は、『ダークナイト』を超えてワーナー・ブラザース映画史上No.1に。さらに、週末の興行成績は3週連続のNo.1を記録している。また、現地時間8月6日の時点で全世界累計興行収入は10億ドル(約1420億円)を達成。公開から17日での10億ドル到達は、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(19日で到達)を抜いて、ワーナー・ブラザース映画史上最速のペースとなった。これにより、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』を超えて今年公開作の全世界累計興行収入ランキングでも2位にランクインしている(※数字は全て BoxOfficeMojo 参考)。『バービー』は8月11日(金・祝)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2023年08月08日8月4日、40歳の誕生日を迎えた『バービー』のグレタ・ガーウィグ監督に、同作でケンを演じたライアン・ゴズリングがサプライズプレゼントを贈った。『バービー』のインスタアカウントは「ケンたちが知っているように…歌とダンスでしか気持ちを表現できない時もある!ケン・ライアンが、グレタの誕生日の始まりに気持ちを込めてバービーとケンを送りました」と動画を紹介している。ワークアウト中のガーウィグ監督のもとで突然ライアンが劇中で歌って踊った「I’m Just Ken」の音楽に合わせて踊り始める男性。それを見てガーウィグ監督は声を上げて大笑い。すると、ドアから続々とケンたちが入ってきて、映画さながらのパフォーマンスを行い、ガーウィグ監督の笑いは止まらない。ケンがひとしきり踊ると、『バービー』の予告編で使われ、サントラにも収録されているデュア・リパの「Dance the Night」が流れ出し、バービーたちも登場。最後はみんなで圧巻のダンスを見せ、「ハッピーバースデイ、グレタ!」とガーウィグ監督を祝福した。ガーウィグ監督は笑いを通り越して感動仕切りの様子だった。ライアンが送ったフラッシュモブ団体は、『バービー』のインスタアカウントのタグによると「#bookaflashmob」の模様。ファンからは「フラッシュモブが再び流行るかも?」「さらにライアンのことが好きになった」「グレタ、誕生日おめでとう!」などのコメントが寄せられている。(賀来比呂美)
2023年08月07日『バービー』でケン役を演じているライアン・ゴズリングが歌うバラード「I’m Just Ken(ぼくはただのケン)」が、「Billboard Hot 100」で87位にランクインした。ライアンが同チャートにランクインするのは初めて。「I'm Just Ken」は、自分のことを「ただのケン」「いつも二番手」と悲観するケンが、「日焼けに隠れた魅力に気付いて」「ぼくそのものを見てほしい」と訴える歌。この歌をフィーチャーした予告編では、ケンに扮したライアンがムキムキの肉体や個性的なファッションスタイルも見せている。同曲は、デュア・リパ、サム・スミス、ビリー・アイリッシュといった大物アーティストの楽曲と共に『バービー』のサウンドトラックに収録されており、このサントラアルバムも今週アルバムチャート「Billboard 200」で初登場2位という輝かしい成績を収めている。ライアンは劇中で「I'm Just Ken」のほか、「マッチボックス・トゥエンティ」の「Push」のカバー曲も披露。シム・リウ、キングスレイ・ベン=アディールらほかのケンと一緒に歌う、楽しいシーンだという。映画ファンは「ライアンが87位!」というニュースに、「ライアンにできないことはなにもないね」「ただのケンなのにすごい!」「おめでとう」「もっと上に行けるはず!」と祝福・激励メッセージを送っている。(賀来比呂美)
2023年08月04日笑顔のバービーの背後に立ち登るキノコ雲の画像――。「そのキノコ雲の下でどういうことが起こって、どういう悲劇が起こったかってことは、一切なしって言ったら言い過ぎかもわからないけど、想像が及んでいないのかもしれませんね」そう静かに語るのは、広島県原爆被害者団体協議会の事務局長・大越和郎さん(83)。大越さんは5歳の時に原爆を経験した被爆者だ。米ワーナー・ブラザーズの映画『バービー』の米SNS公式アカウントの行動が大きな波紋を広げている。原爆投下を連想させる『バービー』のファンアートに対して、米の公式Xアカウント(旧Twitter)が好意的な反応をして、主に日本国内から批判が殺到。冒頭の発言は、問題となっている画像の1つを見た大越さんの言葉だ。ことの発端は、アメリカで7月21日、原爆開発を主導した物理学者の半生を描いた映画『オッペンハイマー』と 、バービー人形の実写版映画『バービー』という対照的な2作品が同時公開され話題となったこと。両作品のタイトルを組み合わせた「バーベンハイマー」という造語が生まれるなど社会現象化。さらに、SNS上ではバービーと原爆を象徴するキノコ雲を絡めて合成・加工した”ネタ画像”までもが相次いで投稿されることとなった。「それだけなら一般人の無知と無神経からなる冗談で終わったかもしれませんが、米公式アカウントがそれに便乗する形で、バービーと原爆のキノコ雲を絡めた画像に対し、《忘れられない夏になりそう》とハートの絵文字を添えて返信したり、バービーの髪をキノコ雲のヘアスタイルにした画像に、《(バービーの恋人の)ケンはスタイリストだね》などと反応したため、SNS上で批判が殺到しました」(全国紙記者)《バービーの映画は公式がもう完全に原爆やキノコ雲のミーム化に乗っかってるから駄目だ。ファンが盛り上がってるだけで公式にはその意図がなかったなんて言葉じゃ救いようがない》《原爆は冗談やネタにしていいものでは決してない》《9・11やナチスをネタにすることは絶対にない。でも原爆のことはネタにできるんだな》こうした批判を受け、同社日本法人のワーナーブラザースジャパンは7月31日、《米本社の公式アカウントの配慮に欠けた反応は極めて遺憾。事態を重く受け止め、米本社にしかるべき対応を求めている》とSNSに投稿。米ワーナー・ブラザースも1日、各メディアに公式声明を発表。「ワーナー・ブラザースは先の配慮に欠けたソーシャルメディアへの投稿を遺憾に思っております。深くお詫び申し上げます」と正式に謝罪した。指摘の多かった該当ツイートはすでに削除されている。一連の騒動について大越さんに思いを聞いた。「まあ、こんなことが起こるとはわしらは予想だにしてなかったのでビックリしたんですけどね。加工・合成した画像を見ましたが、表現やその他色々な自由はあるんだろうから、原爆のことを茶化してもパロディ的に出しても構わないのだろうけれども、被曝の実相がなかなか知られてないのかな、というのが私の個人的見解です」あくまでも表現の自由だとして、問題となった画像に対しては指摘しない大越さんだが、被爆者としての複雑な胸中を明かす。「あの日の実際のことは、記録にはいっぱい残っているけど、私は5歳で爆心地からはずっと離れたところでの被害でした。肉親が亡くなったり、伯父さんが亡くなったり、姉が被曝をして大変な思いをしたってのは今でもあって。だんだん実際にあの日を経験した人たちが少なくなる中で、原爆の被害の実態が矮小化されてることについての危惧を私自身は持っています」原爆投下から今年で78年。原爆による死者数は推定だが、1945年8月6日の原爆投下で広島市では、当時の人口約35万人のうち約14万人が、8月9日の長崎市では、人口約24万人のうち約7万4000人が同年末までに亡くなったとされている。「実際、その原爆が人の大勢集まったところに落とされるってことが、どんな状況になったかっていうことが、情報はいっぱいあるんだけど、本当の真相のところが、今まで民間も公式なところも努力をして実相を知らせたり記録する活動を続けてきた。でも、やっぱり80年近く経つと、そこらの努力が無駄にはなっていないとは思うんだけど、若干歪められてくるというかね。当時から世界情勢や核兵器をめぐる情勢なんかも大きく変わっているし、現実に核兵器が使われる可能性もあったりして、世論とか考え方の多様性の中で色々な見解やら思いが出てくるのは仕方がないとは思うんだけども。しかし、私たちから言えば、あの日の実相を正確に残すことが必要なのかな、というのが私自身の思いなんですが、現実にはちょっと難しいのは難しいんですがね」原爆を実際に経験した人にしか、結局のところわからないのではないか。そんな歯痒さを抱えつつも、使命感で伝え続けてきたことが伺える。「ツイートした若い担当者も含めて、原爆に対する認識が足りていないことは、まあしょうがないよね。体験から見とるわけじゃないし。でも、いろんな資料から原爆被害の実態をそれなりに理解して、最大限に想像力を働かせることが大切だと思います。日本人以外だとよく知らない人がいることも当然だし、日本人でも被害の実態を見た人と見てない人で認識はかなり違う。我々の内部ですら、ちょっと話をすれば若干ニュアンスの差があったりして難しいなと思うので。しかし、忘れちゃいけないことだし、実際はきちっと記録をして、残し続ける努力を続けなければいけないということは、最近特に思います」最後に大越さんはこう言う。「忘れ去られていく。だから被害の実態は本当に正確に伝えられていったと思うんだけど、途中で色々なものが混ざって正確ではなくなったり、このようにパロディみたく変な格好で出されたりして、正確に伝えることが難しくなってきていることは間違いないと思います。でも、原爆の被害を茶化していいってことじゃないってことは言い続けなきゃいけないと思います。80年も経てば、こういうのが出てくるのはある意味では、風化って言ったら正確じゃないかもしれませんが、実態が忘れ去られたというか、不正確に伝えられて、それがどんどん拡散しておかしくなるのは、時間が経てばやむを得ないとは思うけど、やっぱり原点の、あの被害のところはきちっと受け止めて、我々が言うていかねばいけないのかなということを強く感じました」今回の騒動では、多くの人が「#NoBarbenheimer(ノーバーベンハイマー)」というハッシュタグをつけて、原爆の被害を写した白黒写真やアニメーションをSNSに投稿するなど、原爆の悲惨さを伝える動きをしている。大越さんたちの活動は決して無駄ではない。
2023年08月03日全世界No.1のオープニング興行収入3.56億ドルを記録した映画『バービー』のジャパンプレミアが8月2日(水)、都内で行われ、グレタ・ガーウィグ監督とプロデューサーのデイビッド・ヘイマン、バービー役の日本語吹き替え版声優を務める高畑充希が出席した。主演で、プロデューサーも兼任するマーゴット・ロビー、共演するアメリカ・フェレーラは、SAG-AFTRA(映画俳優組合、米国テレビ・ラジオ芸術家連盟)のストライキにより、来日はキャンセルとなったが、会場には思い思いの“ピンク”ファッションに身を包んだファンが集結。ガーウィグ監督は、初めての来日。以前から日本映画の大ファンだと言い「こうやって、日本の皆さんに、自分の作品を観ていただけるのは幸せだし、光栄」と感激しきり。高畑さんの日本語吹き替えについても、「すばらしい」とべた褒めし、「作品が持つユーモアをしっかりと捉えている」と絶賛した。一方の高畑さんは、「今日、取材をご一緒しファンだと言いすぎた(笑)」と明かすほど、ガーウィグ監督の作品のファン。「どの作品も毎回、映画館で観ている。こうしてご本人に会えて、感激しているし、女性としても人間的にも、よりファンになりました」と笑顔が弾けた。また、ガーウィグ監督が語った“ユーモア”については、「私は大阪出身なんですけど、先ほど、大阪はユーモアの土地なんですというお話をした。大阪出身で良かった(笑)」。マーゴットの演技は、「圧倒的なバービー感」だと語り、「感情や人間味が出てくる繊細な演技に、感情移入しながら没入した」と話していた。本作が巻き起こす社会現象を受けて、早くも続編製作が取り沙汰されているが、この件については「この先のことは、誰にも分からない」(ガーウィグ監督)、「私は今、この瞬間を生きているので」(ヘイマン)と慎重な姿勢。今はとにかく『バービー』を楽しんでほしいと言い、ガーウィグ監督は「まさに目の前に広がる光景。たくさんの人たちが一緒に笑ったり、踊りたくなったり、もしかすると泣きたくなったり。そんなスペシャルな体験を映画館で味わってほしい」とアピールした。『バービー』は8月11日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2023年08月02日