産業総合研究所(産総研)は11月2日、空間の利用者と複数の設計者が協調して空間をレイアウトできるシステム「Dollhouse VR」を開発したと発表した。同システムは、産総研 人間情報研究部門 デジタルヒューマン研究グループ 多田充徳研究グループ長、サービス観測・モデル化研究グループ 蔵田武志研究グループ長らと、東京大学大学院情報理工学系研究科 五十嵐健夫教授らの研究グループが、がんこフードサービスと共同で開発したもの。兵庫県神戸市で開催されるコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する国際会議「SIGGRAPH ASIA 2015」のEmerging Technologies(技術展示部門)で11月3~5日に発表される。同システムは、「空間レイアウトインターフェース」と「没入型インターフェース」で構成されている。空間レイアウトインターフェースでは、予め用意されている家具や壁などのバーチャルなオブジェクトを、設計者がタッチパネルを用いて設置・追加・消去したり、設置場所を変更したりできる。また、没入型インターフェースは、設計者がレイアウトした空間へ、体感者が一人称視点で没入できるインターフェースで、市販の頭部搭載型ディスプレイを装着してバーチャルな空間を見回しながら、ジョイスティックを操作して空間内を自由に移動できる。なお、タッチパネルには、体感者のキャラクターが表示されるので、設計者は体感者の位置や動きを確認することができる。さらに、操作を行う設計者と設計された空間の体感者をシームレスにつなぐためのコミュニケーションを支援する二つの機能も備えている。ひとつ目は、指さし動作を視覚化して設計者と体感者で共有する機能。設計者がタッチパネル上に指を置くと、体感者のディスプレイにもその指が表示される。二つ目は、設計者の表情や議論している様子がタッチパネルに備わっているWebカメラにより撮影され、リアルタイムにバーチャル空間の天井に表示させることができる機能。今回の開発では、全国に店舗を展開しているがんこフードサービスと連携し、システムの必要要件の摘出から、実装・実証実験までを共同で行った。実証実験では、同社が新規オープンを予定していた店舗を同システムで再現。店舗の空間レイアウトに携わる同社の従業員が、同システムを用いて、空間レイアウトの検討を行ったという。
2015年11月02日産業技術総合研究所(産総研)は11月1日、部素材のバリューチェーン強化を目指す「材料・化学領域」の3つ目の研究センターとなる「機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター(CD-FMat)」を設立したと発表した。同研究センターは、機能性部材・デバイスの相反する機能を解明する新たな計算手法の開拓だけでなく、計算手法に大規模化や粗視化の導入を行っていくことを目的に設立されたもの。ミクロからマクロにつながるマルチスケール計算材料設計手法を構築し、「材料の機能、物性パラメータ」、「材料の化学構造」および「材料の合成プロセス」の関係を決定するための技術開発を推進。企業などが研究課題を持ち込んで集中研究を行うためのコア機能として、材料設計手法を開発し産業界への普及を図るとともに、大学・研究機関とも協力しつつ、開発した設計手法をより広く応用するオープンイノベーションハブを構築するとしている。また、5月1日に設立された「人工知能研究センター」と連携し、材料開発研究のインフォマティクス化を強力に進めていくとしている。
2015年11月02日anan読者200人超で作る「anan総研」。今回のテーマは「ここだけの秘密」。anan総研メンバーの6割近くが「絶対に言えない秘密」があると回答。「本心も悩みも一切他人に言わないので、秘密なんて数え切れないほどあります(笑)」(30歳・事務職)と、なかには強者もチラホラ。一体どんな秘密なのでしょうか?Q:誰への秘密?1位パートナー2位家族3位友人4位同僚・上司5位すべての人Q:その秘密、バレたらどうなる?A:「どんびきして夜の生活がなくなるのでは…」(30歳・事務)、「破局」(22歳・学生)、「引かれるし怒られるし別れさせられると思う(笑)」(28歳・事務)、「最初は拒否反応があると思うが、時間が経てば、解決すると思う」(34歳・アパレル)、「20年前だからセーフ…なのかな?」(32歳・学生)。Q:こっそり聞きました。ここだけの秘密。A:「昔、有名人と付き合っていた」(29歳・営業)、「彼はただテレビで見るレベルのファンだと思っているけど、実は有名人のおっかけをしている」(30歳・事務)、「パトロンがいた!」(28歳・事務)、「彼と結婚する前に、前に好きだった人ともう一度会おうかなって思っていること」(26歳・事務)、「秘密の恋の話。あー、これはananの方にもお話しできません(笑)」(24歳・芸能)。Q:親しい人の「あり得ない…」秘密を知ったことは?A:「友人が、不倫相手がきっかけで就職先を見つけていたこと」(25歳・マーケティング)、「私と付き合う前に、彼氏が親友とセフレだった」( 22歳・学生)、「同級生が整形をしていた…」(29歳・主婦)、「両親が年齢を詐称していました(笑)」(34歳・アパレル)、「付き合う直前までいった人にDV歴があった」(28歳・設計)。※『anan』2015年11月4日号より。文・薮内加奈(C)nandaBGD
2015年11月02日「フリーキャリア総研」を運営するもしもは28日、インターネットで収益をあげる"フリーキャリア"を副業で行っている人を対象に実施した「マイナンバー制度」に関する調査結果を発表した。それによると、マイナンバー制度が始まったら、「会社に副業が発覚しやすくなると思う」と考えている人は3割以上に上った。○半数以上が「理解できていない」マイナンバー制度について理解できている自信はあるかと尋ねたところ、「あまり理解できていない」は45%、「全く理解できていない」は9%で、半数以上が「理解できていない」と回答。それに対して、「まあまあ理解できていると思う」は41%、「理解できている自信がある」は5%となった。マイナンバー制度が開始されたら、副業が会社に発覚しやすくなると思うかとの問いに対しては、32%が「YES」、41%が「わからない」と回答。一方、「NO」は27%にとどまり、不安を感じている人が多いことが浮き彫りになった。同社広報は「マイナンバー制度の内容を正確に理解できていないことが、不安につながっているのではないか」と分析している。調査対象はもしもドロップシッピング利用者。調査期間は2015年9月17日~25日、有効回答は23人。
2015年10月28日フリービットは22日、アクロニスのエンジンを使用するSaaS型バックアップサービス「フリービットクラウド Backup Orchestra」を発表した。同日より販売開始する。「フリービットクラウド Backup Orchestra」は、アクロニスのエンジンと連携し、社内IT資産(PC・サーバ)のバックアップ統合管理からBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)/DR(Disaster Recovery:災害復旧)対策までを包括するクラウド型バックアップサービス。高性能UTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)を標準採用したIaaS型「フリービットクラウド VDC」と、アクロニスのエンジンを連携させることで、高機能かつ利便性に優れたBCP/DR対策ソリューションのパッケージサービス化を実現した。データだけでなく、システム(OS)単位でのバックアップ機能を有し、PC、サーバ、クラウドなどIT環境全体の復旧を容易に実現可能。バックアップデータは、実容量の70%程度まで圧縮され、2回目以降は増分のバックアップとなるため、効率の良いバックアップが行える。すべてのバックアップ対象を一元管理ができるWeb管理コンソールを用意。クラウド環境だけでなく、LAN内のNASやサーバへのバックアップにも対応している。リストアする際も、ファイル単位で実行できるほか、ファイルがあった場所へ復元するだけでなく、LAN内の任意の場所へ復元できる。「ベアメタル復旧機能」では、バックアップされたシステム全体を、OSやアプリケーションデータを含めた状態で再構築、復元できる。元のハードディスクに限らず、物理や仮想を含めた、異なる環境への復元が可能となっている。また、DR対策オプションの利用で、「フリービットクラウド VDC」上でのシステム復元機能に対応し、有事の際はクラウド上でのシステム稼働が行える。リスト先のリージョンは東京リージョン、大阪リージョンより選択可能。提供価格は、基本バックアッププラン(100GB)が月額5000円、クラウド容量は1GB当たり50円で追加できる。DR対策オプション(500GB)は初期費用10万円、月額2万円。DR対策オプションのディスク容量は100GBごと月額2000円で追加可能(いずれも税別)。2015年12月31日までの購入申し込みで、基本プランで提供する全サービスが最大2カ月間、無料になるトライアルキャンペーンを実施している。
2015年10月23日シリコンスタジオは、ゲーム業界の2Dデザイナーを対象としたキャリアアップセミナー「シリコンスタジオ キャリアアップセミナー ~シリコンスタジオ×SpriteStudio~」を開催する。日時は11月7日 12:55~17:00(受付開始12:30)。会場は東京都・恵比寿の同社セミナールーム。定員30名(事前申込制)。参加費無料。同セミナーは、ゲーム業界での普及が進むアニメーション作成ツール「OPTPiX SpriteStudio」を導入している企業によるキャリアアップ講座と、同社人材事業部によるゲーム業界・2Dデザイナーのキャリアアップ講座の二部構成。セミナー終了後は同社エージェントによるキャリア相談会も予定されている。「SpriteStudio キャリアアップ講座」では、ゲームを中心としたアート制作からシナリオ、企画等を手がけるCricoの代表取締役・市川剛実氏、ソーシャルゲームやネイティブアプリの開発を行うGeNERACEのプロデューサー・村山薫史郎氏、フリーランス・宮城剛氏が登壇し、2Dデザイナーが同ソフトを習得するメリットや、かつてのFlash使いが同ソフトを習得することによる新たなキャリア展開や仕事などについて、実体験を交えながら講演する。さらに、同製品のメーカーであるウェブテクノロジの担当者・浅井維新氏が、製品の開発秘話や裏話、SpriteStudioを使う業務が増加している企業の特長や事例などを紹介するということだ。また、「シリコンスタジオ キャリアアップ講座」では、ゲーム業界向けの人材派遣や紹介サービスに長年携わってきた同社エージェント部 部長・武富弘幸氏が「2Dデザイナ ーのキャリアアップに求められるスキルや姿勢」について講演する予定となっている。なお、同セミナーの参加資格として「SpriteStudioの使用経験があること」と「ゲーム業界での就業経験があること」という、ふたつの条件が設けられている。これらを満たす参加希望者は、参加申込フォームより申し込む。定員は30名で、申込者多数の場合は抽選となる。
2015年10月21日産業技術総合研究所(産総研)は10月19日、従来より公開している化学物質リスク評価のための大気モデルADMERおよび河川モデルSHANELに、化学物質の漏洩事故を想定した新たな機能を追加し、ADMER Ver.3.0.およびSHANEL Ver.3.0として公開した。ADMERは気象、人口などの基礎データを内蔵し、排出量と簡単な物性を入力すれば化学物質の大気中温度、沈着量などを詳細な空間解像度で推定することができ、国、自治体、企業などで活用されている。今回の機能向上では、自然災害や産業事故で汚染物質が突発的に放出されるような場面でも利用できるように、時間解像度の向上による短期間評価への対応や、ワーストケース条件の抽出、各地点での全ての発生源からの影響の割合を知ることができるソースリセプターマトリックス解析機能などを追加し、短時間の汚染状況の推定に対応した。一方、SHANELは河川流域での化学物質のリスク評価に必要な河川水中濃度を推定するモデルで、全国の人口、土地利用、下水道などの3次メッシュ(約1km格子)単位の流域データを搭載し、気象データや化学物質の排出量と基本的な物性を入力するだけで河川水中の濃度をコンピュータ上で計算することができる。主に大手洗剤企業などで界面活性剤の生態リスク評価に活用されてきたが、今回の機能向上ではより短期間の評価を可能とするとともに、空間解像度の向上により従来よりも小規模な範囲での解析を行えるようなった。また、流量が少ないワーストケースでの濃度推定を短時間で行える機能も追加されている。産総研は今後、両モデルを日本国内だけでなく、日本企業が海外でも活用できるように、国際版の開発を進めるとしている。
2015年10月20日キャリアやお金を得たいと思ったとき、まず思いつくのは忙しく働くこと。しかし、忙殺されるほど働けば金銭は得られますが、使う時間が削られ本末転倒になることも。できるだけ仕事に費やす時間を抑えつつ、同時にキャリアアップしていきたいですよね。でも、忙しい一日のなかのたった30秒を費やすだけで、キャリアや金銭面にメリットをもたらす行動があるというのです。今回は『Fox Business』の記事を参考に、「30秒でできるキャリアのための習慣」をご紹介します。■1:重要な課題を3つに絞るシンプルに物事を捉えれば、本当に重要な課題は少ないはず。まずその日の課題を3つに絞りましょう。そうすれば実行するべき内容も減り、達成度がアップします。電子メールを眺めて1日をやり過ごすのは簡単ですが、課題をたった3つに絞れば、小さな課題を設定することはないはずです。時間を有効的に使いましょう。■2:会議をする前に要点を絞る会議でも電話のときでも、重要な点を書き留めてまとめる時間をつくりましょう。会議を円滑に進めるためには、最初の事前準備が肝心。優先順位も理解しておきましょう。ときにはアプリを使用して、価値ある30秒をはかってください。■3:自分の時間も金銭的な価値に置き換えて計算する仕事中の自分の時間を、金銭的な価値に置き換えて考えたことはありますか?1分を無駄にした場合、どのくらいの価値を失ったことになるのかを考えてみると、時間をより大切にできるかもしれません。時給を計算してみましょう。時給1,000円と仮定すれば、1日3時間の労働の原価は3,000円。場合によっては自分の貴重な1時間を確保するために、ハウスキーパーを雇うことも可能です。自分自身の労働価値を知り、時間の節約を試みましょう。自分の時間の価値を知ることは、よりよい意思決定にもつながります。必要な仕事量、充電に必要な時間も把握できるため、キャリアアップにつながります。■4:気分を落ち着かせる愛らしい動物写真を見ることは、集中力のアップにつながり、パフォーマンスを向上させます。かわいい生きものの姿は肯定的に「見たい」と思えるため、仕事中にはよい効果が期待できるのです。自分自身の休憩時間に眺めることができればよいですね。次に「30秒でできる、お金に好かれる習慣」をご紹介します。■1:購入する前に自問自答する欲しいものには、すぐ手に入るものもあれば、時間をかけてまとまったお金を貯蓄しなければ手に入らないものもあります。なにかを買う前に、そのアイテムが本当に必要かどうか自問自答してみてください。購入するにしろしないにしろ、自問自答はタダです。一呼吸置くことが大切です。■2:領収書やレシートの写真を撮ってお金の管理をする家計簿ほど「やろうと思っても続かない」ものはありません。レシートや領収書を貯めれば貯めるほど、記録する気も失せるというものです。無料アプリなど、便利サービスやアイテムを活用しましょう。レシートや領収書の写真を撮るだけで記録できるサービスもあります。毎日のお金の流れがわかれば無駄も省きやすいので、ぜひ試してみてください。■3:常に「目標」を財布に携帯するマーケティングリサーチ・ジャーナルの研究で、貯蓄をするときのコツがわかりました。日常的に、視覚情報として目標物を意識させることが重要なのです。たとえば財布に行きたい海外旅行先の写真や、欲しいものの写真を入れておくのがおすすめです。*貯蓄のコツは目標を常に意識すること。目標物を視覚化すれば記憶にも残りやすいですし、日常的に見られる環境をつくれば忘れることもありません。新たな習慣を身につけ、30秒で新たな価値を創造しましょう。(文/スケルトンワークス)【参考】※7 Simple, 30-Second Habits That Can Help Boost Your Career and Finances-Fox Business
2015年10月08日LiBはこのほど、「キャリア女性の結婚に対する意識調査」の結果を発表した。調査は9月10日~16日、キャリアを積んで来た女性を対象にインターネットで行われた。有効回答数は509名。○結婚後もキャリアを発展させたい女性、77%調査ではまず、「結婚、出産してもキャリアを維持、発展させたいと思われますか?」と尋ねたところ、77%の女性が「キャリアを発展させたい」と回答した。○キャリア女性7割が「専業主婦になりたくない」次に、仕事を辞めて専業主婦になりたいと思うか聞いた結果、「専業主婦になりたくない(69%)」という女性は7割にのぼり、理由として「自分の人生も豊かでありたいし、そのような姿を子供に見せたいとも思うから」(正社員)、「仕事は自分の好きな職業についているし、今後の目標もあるから」(パート)、「つまらなくなりそう。自分の成長がそのまま止まってしまいそうな気がする」(正社員)といった声が挙がった。また、既婚者を対象に、結婚後も仕事を続けている人の割合を調べた結果、「続けていない」という人はわずか8%にとどまり、9割近くが結婚後も仕事を「続けている(88%)」ことがわかった。○結婚願望はあるも、婚活には消極的次に、キャリアを積んで来た未婚女性の「婚活」についての調査を実施。まず、パートナーの有無を尋ねたところ、およそ半数が「いない(51%)」と回答。「婚活をしていますか?」という質問に対しては、8割超が「婚活していない(80.3%)」と回答した。また、「結婚したい」「子どもが欲しい」という回答が約80%もある一方で、「婚活」については消極的な人が多いということがわかった。○結婚相手に求める条件1位は「価値観が合うこと」結婚する男性に何を求めるか尋ねたところ、「価値観が合う」「一緒に居て心地よい、安心する」「誠実」が上位となった。最後に、結婚して良かった事・後悔した事について教えてもらったところ、「結婚して良かった事」として、「一緒にいてくれる人が居る安心感」(正社員)、「子どもを産めて育てることができたこと。宝です」(フリー/自営業)、「自分の稼ぎだけでなく、夫の稼ぎもあるので生活が多少楽になったこと」(働いていない)、「病気の時看病してくれる人がいる」(正社員)といったコメントが寄せられた。一方、「結婚して後悔した事」としては「自由時間がなくなる。 仕事も制限ができ、好きなようにできない」(正社員)、「親戚付き合い。 葬式にまつわる田舎ならではのしきたりに従う面倒くささ」(正社員)、「お金を貯めてからするべきだった」(契約社員)、「もう少しキャリアアップしてから結婚しても良かったかな、と思う」(正社員)といった声が並んだ。
2015年10月01日●SIMフリーのメリットは?前回まではキャリアから販売されているモバイルルーターを紹介してきたが、世の中にはどのキャリアでも利用できる、SIMフリーのモバイルルーターも販売されている。今回はSIMフリーモバイルルーターの特徴とおすすめ機種について紹介しよう。○SIMフリーのモバイルルーターとはもともと国内ではキャリアから販売されるモバイルルーターが中心だったが、海外では現地のSIMに入れ替えられないため、レンタルのモバイルルーターを借りて使う人が多かった。レンタルも便利だが、普段使っているルーターがそのまま持ち出せればもっと便利だし、現地のSIMを使ったほうが通信料も安い。日本でもMVNOキャリアが徐々に増え、キャリア以外の選択肢が増えてきたこともあり、モバイルルーターでもSIMを自由に入れ替えられるSIMフリーの端末が販売されるようになってきたという経緯がある。海外での利用を前提とした使い方が主のように見えるが、もちろん、国内でMVNOのSIMと組み合わせて使うのにも利用できる。この場合は型落ちの安くなったルーターと安価なデータ専用プランを組み合わせてコストパフォーマンスを追求するといった使い方もアリだ。現在販売されているSIMフリーのルーターは、主に3G(W-CDMA)とLTEが使えるものが中心で、WiMAXやAGXPなどの通信方式には対応していない。古い端末では75Mbpsにしか対応していない場合もあるので、サポートしている速度やWi-Fiの規格については注意したい。●最強ルーター「MR04LN」○“最強”一択!SIMフリーのモバイルルーターはキャリアのモバイルルーターと比べても、さほど数は多くない。基本的には多くのバンドと通信方式に対応したものが、長く使えるため、おすすめだ。現在販売されている機種のなかで「最強」と謳われているのが、NECの「Aterm MR04LN」だ。最強の理由は、WAN側がLTE-Advanced(Cat.6)対応で下り300Mbpsの通信が可能である点と、LAN(Wi-Fi側)がIEEE 802.11ac対応で、しかも2×2 MIMOの867Mbps通信が可能である点。WANもLANも現行のモバイルルーターでは最高の規格をサポートしているわけだ。LTE-Advancedの300Mbpsは先日NTTドコモが11月に開始すると発表したばかりだが、規格的にはそれと同じものなので、おそらくMR04LNでもファームウェア更新などで使えるようになるはず。9月25日からの、iPhone 6sのみを対象としているという262.5Mbps通信についてはどうなるか不明だが、技術的に対応可能だとしても1~2カ月のみの対応になるので、11月を待って300Mbpsまで飛ばしてしまうかもしれない。さらに対応するLTEバンド数が非常に多く、日本の3大キャリアが保有する帯域のほとんどをカバーしている(すべての帯域ではない)。実際、ドコモとソフトバンクのSIMはメーカーが公式にサポートしており、明言されていないauのSIMも、使ってみるとちゃんと通信できる(ただし、ユーザーの自己責任という形で)。唯一利用できないのはau回線も利用可能なUQコミュニケーションズのWiMAX 2+用のSIMで、これだけは認識しないが、それを除けばMVNOを含めてほぼ全てのSIMに対応している。●デュアルSIMスロットも搭載○至れり尽くせりの「MR04LN」前述したポイント以外にも「MR04LN」は強みを持っている。デュアルSIMスロットを装備しているのもそのひとつだ。SIMはソフト的に切り替えられるので、スロット1に国内向けのSIMを、スロット2に海外で購入した現地向けのSIMを挿して、切り替えつつ利用できるというわけ。普通にSIMを挿し替えるのでは、使わないほうのSIMを紛失してしまう恐れがあるが、挿したままにしておけばその心配はない。以前の記事でモバイルルーターに求められる要件をリストアップしたが、そのほぼ全てを網羅している点も“最強”の名にふさわしい。とにかく至れり尽くせりの「なんでもあり」モデルなので、ほとんどの需要はこの1台で完結してしまうはずだ。強いて弱点を挙げれば価格がやや高め(実売価格で2万円代半ば)なことだが、サポートする規格のことを考慮しても、かなり長く使えそうなことから、割高とはいえないだろう。SIMフリーのルーターには、このほかにも大容量バッテリーを内蔵しているモデルなどがあるが、迷ったらこの1台にしておけば間違いがない。これ以外の機種を選ぶ場合は、通信速度よりも導入コストなどを優先したい場合と考えておけばいいだろう。
2015年09月27日NECのSIMフリーモバイルルータ「Aterm MR04LN PA-MR04LN」(以下、MR04LN)の特徴は、SIMフリーかつ3キャリアのLTEの主要周波数帯をカバーしていること、そしてふたつのSIMカードを装着できるデュアルSIM仕様であることが挙げられます。欧州やアジアなどではデュアルSIM端末は珍しくないのですが、日本ではドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアから、デュアルSIMスマートフォン、デュアルSIMモバイルルータはこれまで発売されていないので、デュアルSIMで何ができるのか、どのように便利なのか、ピンと来ない方も多いでしょう。1回目の記事では利用可能な主要周波数帯について、2回目の記事では実際にどのくらいの通信速度で利用できるのかについて、解説・検証しました。最後の記事となる今回は、MR04LNのデュアルSIMスロットを具体的にどのように活用すれば、その機能を最大限に引き出せるのか解説します。○その1・国内と海外でSIMカードを使い分ける出張や旅行などで頻繁に海外に出かける方にとって、MR04LNのデュアルSIMスロットは非常に重宝するでしょう。スロット1には国内用のSIMカードを挿したまま、スロット2に現地で入手したデータ通信専用のSIMカードを装着できます。SIMカードを入れ替えればいいと考える方もいるでしょう。しかし、SIMカード交換時には元のSIMカードを仕舞っておく場所がなくて意外と困るんですよね。入国時、帰国時には手続きや両替などでバタバタするので、SIMカードの切り替えは最低限の手間で済ませたいところです。○その2・プライベート用と仕事用でSIMカードを使い分ける個人的にモバイルルータを持っていたとしても、仕事で個人契約のSIMカードの貴重なデータ通信量を消費したくないですよね。仕事でモバイルルータを使う機会が多い人は、会社にかけあい、業務用のSIMカードを手配してもらいましょう。そうすればモバイルルータを2つ持つことなく、プライベート用と、仕事用でSIMカードを使い分けられます。○その3・定額無制限なSIMカードと高速な3キャリア純正SIMカードを使い分けるモバイルルータの用途がプライベートオンリーでも、デュアルSIM仕様は役立ちます。たとえば、スロット1に定額無制限プランのSIMカード、スロット2にキャリアのデータ通信専用SIMカードを装着すれば、普段は定額無制限プランのSIMカードを使い、高速データ通信が必要なときだけキャリアのSIMカードを使うことで、後者のデータ通信量を温存できます。○その4・エリアごとにキャリアを使い分けるそれぞれ基地局を設置している以上、ドコモ、au、ソフトバンクの3キャリア、そしてその3キャリアから回線網を借りて通信事業を行なっているMVNO事業者は、得意なエリア、不得意なエリアが異なります。実際、筆者の実体験としては、栃木県・日光市にある日光霧降高原の大笹牧場でドコモはLTEの電波をつかむのに、auのVoLTE端末は電波をつかめなかったことがあります(2015年7月15日時点)。というわけで、たとえばスロット1にはドコモ系のSIMカード、スロット2にはau系のSIMカードを入れておけば、郊外などに出かけたときに電波状況が良好なSIMカードを選べることになります。データ容量が5~7GBのSIMカードをひとつ契約するよりも、1~3GBのSIMカードをドコモ系、au系に振り分けてふたつ契約したほうが、訪れた観光地や泊まった宿で通信できない……などといったリスクを減らせます。○まとめ - 意外とない「3キャリア対応」のデュアルSIMルータ今回、MR04LNを約1ヵ月使用しましたが、名刺ケースよりほんの少し大きいだけのコンパクトなサイズと、実使用で8時間を超える連続動作時間は非常にバランスよく感じました。デュアルSIMという仕様も非常に気に入りました。通信速度が遅いな……と感じたときに、実測約1分10秒かかるもののSIMカードを切り替えて、よりスループットの高い回線を選べるのは利便性が高いです。一方不満点としては、タッチパネルの感度がやや鈍いことと、ディスプレイ面が非常に傷つきやすいことが挙げられます。多少の傷は道具としての勲章として気にしない方ならいいですが、大事に使いたいならディスプレイ保護フィルムを貼ったほうがよいかもしれません。とは言え、3キャリアの主要周波数に対応したSIMフリーのモバイルルータ、しかもデュアルSIMスロットを搭載したMR04LNは、このジャンルの数少ない選択肢のひとつです。格安SIMカードの通信速度を測り一喜一憂するのが趣味の筆者としては、貸し出し機返却後にぜひ購入を検討したいと考えています。
2015年08月25日●ドコモのおすすめは?前回はモバイルルーターについて、キャリアから販売されているもののチェックすべきピントを紹介したが、今回はドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、3社のおすすめ機種を紹介していこう。○ドコモのおすすめ機種はこれだ!NTTドコモがホームページ上で紹介しているのは「Wi-Fi STATION HW-02G」と「Wi-Fi STATION L-01G」の2機種。どちらもLTE-Advanced 225Mbpsに対応し、Wi-FiもIEEE802.11ac(2.4GHz/5GHz)対応の最新スペックだ。HW-02Gがコンパクトタイプなのに対し、L-01Gは一回りサイズが大きい代わりにバッテリー容量が約2倍と大きく、駆動時間もほぼ2倍ある。どちらを選ぶかは迷ったのだが、最近はモバイルルーターを自宅回線としても使う人が多いということで、クレードルに接続するとWi-Fiの出力が強化され、部屋の中でのWi-Fiの接続性や速度がよくなる「HW-02G」をおすすめ機種としたい。アウトドア派の人には長時間駆動のLG-01Gがいいだろう。ちなみに、ドコモのオンラインショップでは、これら2機種のほか過去の機種も販売中。それらの機種を踏まえても「HW-02G」がおすすめであることは変わりない。●auのおすすめは?○auのおすすめ機種はこれ!auがデータ通信端末としてホームページ上で紹介しているのは3モデル。このうちルーターが2機種で、残り1機種は携帯電話に刺してWi-Fiテザリングするためのドングルなのでここでは割愛する(これはこれで大変面白い製品なのだが)。残る2機種はどちらもWiMAX 2+対応だが、ここは最新の「Speed Wi-Fi NEXT W01」をおすすめしたい。Speed Wi-Fi NEXT W01はWiMAX 2+でキャリアアグリゲーション(CA)を使うことで下り220Mbpsに対応したモデル。CAに対応したエリアはまだ狭いので、ほとんどのエリアでは110Mbpsで使うことになる。LTEは下り75Mbpsにしか対応していないのだが、WiMAX 2+が使えないところではプラチナバンドに対応し、エリアの広いこちらに頼ることも多いだろう。実はW01はWiMAX 2+には対応しているが、素のWiMAXには対応していない。ただしLTEのほうがエリアが広く、WiMAX自体が全国的にWiMAX 2+のCA用に帯域を明け渡し、速度が低下している最中なので、ここは大きな問題にならないと判断した。またWi-Fiについては最新規格のIEEE802.11acに対応しているのも大きい。●ソフトバンクのおすすめは?○ソフトバンクのおすすめ機種はこれ!ソフトバンクはデータ端末としてモバイルルーター、USBスティックタイプの両方を販売しており、ルーターだけに絞ってもホームページ上には2011年発売のかなり古いモデルまで残しているため、8機種も並んでいる。正直なところ古い機種を選ぶメリットは感じられないので、選ぶとすれば2014年以降に発売された機種からだ。ちなみに、同社の製品は基本的にワイモバイルとかなり重複するところがある。そんななかで、筆者のおすすめは「Pocket WiFi 303ZT」だ。LTEを使ったCAにより、下り方向で最大187.5Mbps。AXGPを使ったCA、では165Mbpsの通信が可能。Wi-FiもIEEE 802.11acに対応している。同時期に発売されたモデルとしてはもう1機種「Pokcet WiFi 304HW」があり、こちらは単独でフルセグ放送が楽しめるユニークなモデルだが、通信速度は下り110Mbps(AXGP)のみ、Wi-FiもIEEE 802.11nまでと、ルーターとしての機能が見劣りする。どうせなら、やはり高速なモデルを選びたい。次回はキャリア製ルーター選びの第2回として、ワイモバイルとUQコミュニケーションズについて紹介する。
2015年08月23日●キャリア間での差は?前回はモバイルルーターについて、キャリアから販売されているものと、SIMフリーの製品があることを紹介した。今回はキャリアから販売されているモバイルルーターの特徴について解説し、選ぶ際のチェックポイントを紹介していこう。○キャリア間の違いを理解する前回紹介したように、キャリアから販売されているモバイルルーターは、通信方式の違いやサポートするバンドの違いから、基本的にどれもそのキャリア専用だ。各キャリアのデータ通信回線には以下のような特徴がある。NTTドコモはデータ回線を3G+LTEで構成している。3Gのエリアは全キャリアで最大規模を誇り、よほどの僻地でもなければ通信が可能だ。LTEはそこまでエリアが広くないが、プラチナバンドに対応するようになり、以前よりかなりエリアは改善している。通信速度はLTE-Advanced対応により最大225Mbpsだが、まだ対応しているエリアは限られており、通常は150Mbpsまでと考えていいだろう。auは3G+LTEに加え、傘下のUQコミュニケーションズが提供するWiMAX 2+網を利用できる。LTEは3大キャリアで最もエリアが広く、速度もLTE-Advanced対応で最大225Mbps。WiMAX 2+も220Mbpsでのサービスを開始している。LTEの225Mbpsエリアはドコモ同様限られているが、WiMAX 2+の場合キャリアアグリゲーションに加えて4x4 MIMOによる220Mbpsも提供されており、こちらはほぼ全国で利用できる。高速通信のエリアに関しては最も広いと言えるだろう。ソフトバンクも3G+LTEだが、LTE-Advancedに対応しておらず、通信速度は最大150Mbpsだ。ただし、一部対応エリアではLTEのキャリアアグリゲーションにより下り187.5Mbps、または傘下のワイヤレスシティプランニングが提供するAXGP対応エリアではAXGPによる165Mbpsが実現している。エリアとしては3社中最も狭いが、都市部ではほとんど差は感じられないだろう。キャリア縛りがない場合、どれを選ぶかは悩ましいところだが、客観的に見て、エリアと速度ではauが最も有利だ。ただし、2台目以降として選ぶ場合はコストも関わってくるため、この限りではない。●選ぶときのポイントは?○モバイルルーターはまずここを見ようモバイルルーターといっても無線LANルーターなので、基本的なスペックの見方は無線LANルーターに準じる。重要なポイントをチェックしていこう。もっとも、キャリアはモバイルルーターを何機種も選べるような売り方はしていないので、実質は最新機種の間と、1つ前のモデルの中から選ぶような形になることが多い。最大通信速度(通信規格)/対応バンド数最大通信速度と通信規格については当然速い方がいいが、前述したように最高速度が出るエリアはまだ限られており、利用する場所によっては最新規格に対応していない型落ちの機種で安く済ませるという選択肢もありだ。対応バンド数についてはキャリアの場合はさほど気にしなくてもいいが、型落ち機種の場合、最近利用が解禁されたプラチナバンドなどに対応していないこともある。よくチェックしておこう。サイズと重さサイズと重さは、今は総じてコンパクトな機種が多いので、さほど気にするほどはない。とはいえ持ち歩いて使うものなので、店頭で実機をよく確認しよう。バッテリー駆動時間バッテリー駆動時間はモバイルの生命線だけにしっかり確認したい。待ち受けがないのでどれもカタログスペックに近い時間動作すると考えていいが、山登りやキャンプなど長時間電源のない場所で利用する場合はモバイルバッテリーの使用可否など、充電方法も一緒に確認しておきたい。無線通信規格と接続台数無線通信規格については、Wi-FiおよびBluetoothでの接続についてだ。無線規格はIEEE802.11acなど新しい規格の方が速度面でも快適性の面でも優れており、また5GHz帯が利用できれば、2.4GHz帯が混雑している場所でも確実に接続できる。Bluetoothについては速度こそWi-Fiにかなわないものの、バッテリー消費が少なく、長時間利用できる。接続台数については、5~10台前後のものがほとんど。古い機種では5台までの機種があるが、Wi-Fiに接続できる機器が増えた昨今、多少心もとないことが増えたので、10台以上接続できるものを選ぼう。操作しやすさ操作しやすさについては、設定のしやすさと置き換えてもいい。スマホに専用アプリがあるものは設定しやすいが、さらに本体に液晶パネルがついて、本体だけである程度の設定ができるものが望ましい。ルーターのセキュリティについても、簡単にクライアントを登録する手段があるかどうかを確認しておくといいだろう。
2015年08月22日●モバイルルーターについておさらいスマートフォンのテザリングが普及したとはいえ、今も根強い人気を誇っているモバイルルーター。これからモバイルルーターの購入を検討している人に向けて、モバイルルーターのメリット・デメリットや選び方、活用法について紹介していこう。第1回の今回は、モバイルルーターの選び方について紹介しよう。○モバイルルーターとは?そもそもモバイルルーターとは、インターネット接続に携帯電話網を利用する無線LANルーターのことだ。現在販売されているものはLTE網を利用し、無線LAN側もIEEE802.11n/acなど、最新規格に対応しているものが多い。ネットへの接続に固定網を利用する据え置き型のルーターと比べると本体が小さく、アンテナ数が限られるので無線LANの通信速度は遅いものが多いが、ルーターとしての能力に大きな違いはないと思っていい。最大の特徴は、なんといってもバッテリーを内蔵しており、屋外でも利用できることだ。旅行先のホテルでも列車の中でも、携帯網の電波の届く場所であればどこでも、高速通信を利用できる。またルーターなので、回線接続をいくつかの機器で共有できる。ルーターの機種によるが、同時に5~10台が接続できるので、旅行先でみんなでネットにつないでゲームの協力プレイといったことも可能だ。●キャリアからは三社三様のルーターが○キャリアのモバイルルーターモバイルルーターは携帯回線を利用するため、キャリアの通信方式と密接な関係を持つ。このため、キャリアの通信方式に特化したものがキャリアから販売されている、というのが主だ。この構図自体はスマートフォンでも同様だが、スマートフォンの場合は3G方式の違いから大別するとドコモ・ソフトバンクとauの2つに分かれるのに対し、ルーターの場合はLTEを使うドコモ、LTE+傘下のUQコミュニケーションズのWiMAX網を利用するau、そして旧ワイモバイルが持つ1.7GHz帯や、傘下のWireless City PlanningのAXGP網を利用するソフトバンクと、三「社」三様の様相を見せている。各社とも基本的にルーターはさほど種類が多くない。キャリアによってサービスエリアの広さや実効速度、通信費も異なるため、ルーターを選ぶというよりはどの通信方式を選ぶか、どのキャリアを選ぶかで製品が決まってくるといってもいいだろう。●SIMフリーでは“最強”機種も○SIMフリーのモバイルルーター前項のキャリアが販売する製品に加え、SIMフリーのモバイルルーターも販売されているが、多くの製品は実質ドコモ回線専用のような状態だった。もっとも、SIMフリールーターは主にMVNO回線を使うものだと仮定するなら、MVNOの大半が利用するドコモ回線さえ使えればほとんど問題はないと言っていい。MVNO回線を使うメリットは、何と言っても通信コストの安さだ。キャリアもモバイルルーター向けにはデータ通信専用の比較的安価なプランを用意していることがあるが、MVNOであれば通信速度を問わなければ、月額500円前後から利用できる。LTEの通信速度をフルに生かしたい場合でも、月額1,000円以内で選択肢がたくさんある。ドコモ回線のMVNOを使うならドコモ用のモバイルルーターを中古などで調達してもいいわけだが、SIMフリールーターのメリットとしては、LTEのバンドさえ合っていればauやソフトバンク系のSIMも利用できる点にある。実際、両社のプラチナバンドに対応したルーターも登場しており、いざというときにどこの回線でも使える安心感は高い。もう一つのメリットとしては、海外旅行中に現地の安いSIMを購入して利用できる点だ。海外で国内キャリアのSIMを使うと割高なローミング料金になってしまい、とてもではないが割に合わない。現地のSIMを運用するならSIMフリールーターが唯一の選択肢だ。デメリットとしては、販売店やサポート情報も少ないことなどが挙げられるだろうが、そもそもSIMフリーのモバイルルーターを活用したいという人は、知識や経験の豊富なユーザーが多い。自力でなんとかできる人向けと言っていいかもしれない。次回はキャリアから販売されているモバイルルーターの選び方について紹介する予定だ。
2015年08月19日産業技術総合研究所(産総研)は8月12日、単層カーボンナノチューブ(単層CNT)、ゴム、ゲルといった柔らかい炭素系材料だけで構成されるトランジスタを開発。ハイヒールで踏まれるという大きな圧力に対しても壊れずに特性を維持するなど、さまざまな負荷(伸縮、曲げ、ねじり、圧縮、衝撃)をかけても壊れないことを確認したとする。同成果は、産総研 ナノチューブ実用化研究センター CNT用途チームの関口貴子 主任研究員、田中文昭 元産総研特別研究員らによるもの。詳細は米国の学術誌「Nano letters」(オンライン版)に掲載された。今回の研究は、単層CNTを用いた技術開発の一環として、その電気的特性とネットワーク構造を利用して、伸縮性のある導電性単層CNTゴム複合材料をトランジスタの電極とし、同時にトランジスタのチャネルに半導体的性質を持つ単層CNTを用いて、柔らかい材料だけからなるトランジスタの開発に取り組んだというもの。具体的にはソース、ドレイン、ゲートに用いる電極に導電性単層CNTゴム複合材料、チャネルに半導体的性質の単層CNT、絶縁層にイオンゲル、基板にシリコンゴムを用いたサイドゲート型トランジスタを製造。特性としては、オン電流が-50μA、オンオフ比は104で、これまで報告されているフレキシブルトランジスタと同等の性能だとする。また、実際にハイヒールで踏まれた際の圧力(約2.5MPa)前後のトランジスタ特性を調べたところ、オン電流、オンオフ比などのトランジスタ特性にほとんど変化がないことが確認されたという。なお、産総研では今後、トランジスタだけではなく、柔らかいセンサやエネルギーデバイスと統合することで、医療用の人体圧力分布センシングシステムなど、ヒューマンモニタリングシステムの開発を行うとしている。
2015年08月13日産業技術総合研究所(産総研)は、光によって発熱できるカーボンナノチューブ(CNT)と特定の温度で内包分子を放出する温度感受性リポソームを組み合わせて、線虫Caenorhabditis elegans体内の細胞機能を制御できる分子複合体(ナノロボット)を開発したと発表した。同成果は、産総研 ナノ材料研究部門の都英次郎 主任研究員らと、バイオメディカル研究部門の戸井基道 研究グループ長、大阪府立大学 大学院工学研究科の河野健司 教授らによるもの。詳細はドイツの化学誌「Angewandte Chemie International Edition」に掲載された。カーボンナノチューブ(CNT)は、そのまま水中に分散させようとすると、強い分子間の相互作用により束状や粒状に凝集してしまうが、今回の研究では、CNTの光発熱特性を最大限に利用し、かつ、リポソームと組み合わせて分子複合体を作製することを目的に、アビジンやポリエチレングリコール(PEG)、リン脂質(PL)から構成される分子(アビジン-PEG-PL)を単層CNTの表面にコーティングし、水中へ分散させ、温度感受性を与えたリポソームの自己組織化を利用しCNTとリポソームからなる分子複合体を作製したという。この分子複合体はナノスケールのロボットに例えられる「ナノロボット」に相当し、近赤外領域の光エネルギーを与えると内包している分子(薬物など)を放出し、この薬物により細胞機能を制御できることから、およそ1000個の細胞からなる線虫を対象にナノロボットの運動抑制効果の検証を行った結果、近赤外レーザー光を照射すると、線虫の動きが鈍化していき、最終的には停止することを確認したという。また、細胞毒性と生体適合性を調べたところ、問題ないことが判明したほか、CNTの表面に結合したリポゾームが生体適合性を向上させることも明らかになったとする。なお研究グループでは今後、今回の技術の応用として、生体組織のごく限られた領域だけに存在する細胞機能を個々に調べることで、がんや免疫疾患などの分子・細胞レベルでの病態解明につながる研究用ツールの開発を目指したいとするほか、生体内におけるナノ物質の健康面への影響は不明瞭な点もあるため、CNTを用いて作製するさまざまな物質の細胞毒性評価や生体適合性評価を進め、生体内で安心・安全に利用できる材料やシステムの開発を目指すとしている。
2015年07月10日オージス総研は7月7日、これまで提供してきたアジャイル開発トレーニングコースに「Discover To Deliverに基づくアジャイル要求トレーニング」を追加し、7月23日から提供を開始すると発表した。「Discover To Deliver」は、米EBG Consultingが提唱している手法で、プロダクトに対するニーズとその実現スケジュールを3つの時間軸と7つの側面から分析し、利害関係者間ですばやく合意を得るための枠組み。同トレーニングは、米EBG Consultingの日本語版教材をもとに、同社認定講師からDiscover To Deliverを日本語で学び、納得感のある要求(ユーザーストーリー)を検討、合意する方法をグループワークで体験することができるもの。7月23日~24日の2日間にわたって、東京/品川インターシティ(オージス総研東京本社)にて開催される。受講料は10万円(税別)。
2015年07月07日ICT総研は6月22日、2014年度のスマートデバイスの市場動向調査の結果を発表した。調査結果によると、2014年度のスマートデバイス出荷台数は、前年の3679万台から微増の3683万台にとどまった。出荷台数規模としては過去最多だが、急激な勢いで拡大していた2013年度までと比べると、市場規模の拡大ペースは鈍化する結果となった。同社は、鈍化の原因について、格安SIMカード市場が伸びたことでスマートフォンの販売台数が減少したことと分析している。スマートフォンの販売台数は前年比で93%、7%の減少となった。ただ、今後もスマートデバイスの出荷台数の増加は確実視しており、2018年度には2014年度比21%増の4470万台となる見込みだという。スマートデバイス以外の端末であるフィーチャーフォンとノートPCは依然として減少傾向が続いている。その理由としては、スマートデバイスへの乗り換えが挙げられている。タブレット端末は堅調な伸びを示していいる。スマートデバイスに占めるタブレット端末の割合は、2013年度が19.4%であったの対し、2014年度は24.9%となった。2015年度のタブレット端末の年間出荷台数は1054万台となる見込みで、同年のノートPCの出荷台数見込み(793万台)を逆転すると推測している。タブレット端末は、マイクロソフトの「Surface 3」など法人市場へのラインアップも充実し、セキュリティや運用コストに対する不安も徐々に解消されつつあるなど、法人向け市場も拡大傾向が続いている。2014年度はスマートデバイス全体の10.4%(383万台)が法人向け出荷となった。法人市場は、新規需要、ノートPCの代替需要ともに今後さらに増加していく見込みで、個人市場よりも伸び率が高いと見られる。そのため、法人市場への浸透が、今後のスマートデバイス市場拡大のカギになるという。○腕時計型端末を欲しい人が多い今回、ユーザーが現在所有している端末および1年後にどんな端末を所有したいのかについても調査を実施。インターネットユーザー1102人対し、Webアンケートの形式で質問した。その結果、現在1人当たり平均1.6台のモバイル端末を所有していることがわかった。端末は、スマートフォンが59.9%で最多となり、フィーチャーフォンが44.7%、タブレット端末(Wi-Fiモデル)が21.9%で続いた。タブレット端末の合計(回線付きモデルとWi-Fiモデルの合計)は29.7%で、モバイルノートPC(15.8%)の2倍近い割合となった。。1年後に所有していたい端末では、フィーチャーフォンが27.6%と大きく割合を落としているが、一方で「腕時計型端末」が7.4%と、現在所有から4.6倍のポイントを記録した。Apple Watchが4月に発売されたことで、腕時計型端末の市場は今後大きく成長していくことが期待されており、このアンケートでもその傾向が現れる結果となった。
2015年06月23日産業技術総合研究所(産総研)は5月18日、肉用牛の僧帽筋の霜降り度合いを牛が生きたままの状態で計測できる装置のプロトタイプを開発したと発表した。同成果は産総研地圏資源環境研究部門の中島善人 上級主任研究員によるもので、3月18日付(現地時間)の学術誌「Applied Magnetic Resonacne」に掲載された。飼料の種類や量が牛肉の霜降り具合にどう影響しているかを調べるには、牧場で牛の霜降り度合いの経年変化を追う必要がある。また、競り市に出た肉用牛の適正な価格を正確に把握するには屠畜前に計測しなければならず、霜降り具合を牛を傷つけずに短時間で計測できる装置が必要とされている。現状では、超音波画像診断装置でスキャンする手法が主流だが、脂肪と筋肉の混合比率を定量的に計測することは難しく、新しい原理による計測法が望まれていた。今回開発された装置は産総研が資源開発・地盤工学への応用を目的に研究を進めていた片側開放型という特殊な形状の磁石を採用したプロトン核磁気共鳴スキャナーに着想を得たもの。この技術を使用することで、脂肪組織中の脂肪分子と筋肉組織中の水分子を定量的に識別することができる。霜降り具合は体表から10cm以上の深さにあるロース芯の霜降り状態で決まるが、片側開放型のプロトン核磁気共鳴スキャナーで計測するのは困難なため、今回は代替案としてより体表に近い筋肉である僧帽筋を対象に開発を行った。装置は片側開放型用の希土類永久磁石や高周波コイルなどで構成されており、高周波ノイズ対策を施されている。感度領域のサイズは、1.9×1.9×1.6cm3の直方体で、探査深度は3cmとなっている。研究では僧帽筋の試料を約10秒で計測することができた。短時間で計測が可能なため、牛を静止させるための鎮痛剤や麻酔剤が不要と考えられるという。今後、生きた肉用牛の計測を検討していく予定となっているほか、肉用牛の霜降り計測専用ではなく、牛の筋炎といった大型家畜の病気の非侵襲診断にも使える可能性もある。また、霜降り具合が重要視されているブランド豚やマグロなどへの適用、さらに、高級食材だけではなく、水と油を含む大きな物体をその場で非破壊計測できる特性を活用して、老朽化したインフラのメンテナンスや油汚染土壌試料の計測など土木方面への応用も目指すという。
2015年05月19日みずほ情報総研は5月7日、生体親和材料である「ハイドロキシアパタイト」と「微小タンパク質(人造ペプチド)」の相互作用の系統的な大規模計算解析に成功したと発表した。同成果は、東京大学の加藤千幸教授、立教大学の望月祐志教授、日本大学の福澤薫助教、みずほ情報総研の加藤幸一郎コンサルタントらの研究グループによるもので、文部科学省が推進するプロジェクトとして独自開発を進めてきたフラグメント分子軌道(FMO)計算プログラム「ABINIT-MP」とその可視化インタフェース「BioStationViewer」を用いて実現されたという。今回の成果について研究グループでは、ナノバイオテクノロジー分野におけるFMO4法の適用性・有効性の実証とABINIT-MP/BioStationViewerのシミュレーションシステムとしての価値を高めるものであり、シリコンとシリカ、あるいはハイドロキシアパタイトとクォーツの混在するような複合固体もモデリングすることが可能であることが示されたことから、インプラントやデバイスの分子設計で求められる相互作用情報を導出することが可能となるとする。そのため、今後の応用の1つとして、歯表面と歯科材料との結合を誘導するプライマーとしてのペプチドの機能デザインなどへの展開が考えられるとするほか、日本のスーパーコンピュータ「京」に代表される高性能計算機資源(HPCI)を活かし、アルブミンやコラーゲンなどの実タンパク質がハイドロキシアパタイト表面に吸着する様子をシミュレーションすることも考えられ、骨形成メカニズムの解明や高品質なインプラント、高感度のバイオセンサ、あるいは薬品輸送用のナノ粒子の表面設計への貢献が期待されるとしている。また、アミノ酸置換による「人工変異」を与えた一連のタンパク質を計算機の中で「生成」し、それらと表面との相互作用を系統的にシミュレーションし、吸着能の高い人造タンパク質を選択することも可能となるとしている。
2015年05月08日つくば市と産業技術総合研究所(産総研)は4月27日、産総研が開発したモビリティロボットシェアリングシステムを利用したセグウェイによる移動支援サービス試験のエリアを研究学園エリアにも拡大すると発表し、同日より共同実証試験を開始した。同市は2013年9月より、産総研の職員がつくばエリア(TXつくば駅-産総研間)を移動する際にモビリティロボットシェアリングシステムを用いることで、出張などの利便性を向上させる実証試験を行っている。今回、充電ステーションをこれまでの2地点から4地点(TX研究学園駅と市庁舎に増設)へ増やし、多点間の運用となることで、システムの動作検証や実用可能性の検討をさらに進めることができるようになる。また、規制の緩和により、一定の要件を満たしたモビリティロボットに関しては、搭乗したまま保安要員として業務を行えることができるようになった。つくば市と産総研は「セグウェイだけの移動が可能となることで、シェアリング活用時の利便性が向上し、実社会での利用に一歩近づいた形となった」とコメントしている。同じく27日、東京急行電鉄(東急電鉄)とセグウェイジャパンが公道走行に関する特例措置を受けたことを発表した。これは産業競争力強化法に基づく「企業実証特例制度」を活用したもの。民間が主体となって受ける規制緩和としては全国初の事例で、つくば市が行っている実験の規制緩和の条件に比べて新たに歩道幅員に関する追加の規制緩和を受けた内容だという。両社は今回の特例措置を受けたことで、2015年度上期にセグウェイを活用した二子玉川駅周辺エリアのシティガイドツアーを開始する予定。セグウェイジャパンは同ツアーの実現を通じて「歩行者と共存する空間での高い親和性」を示した実績を基に、今後全国規模の規制緩和を推進していく考えだ。
2015年04月28日「LiBz CAREER」を運営するLiBはこのほど、「長期休暇の自分時間の過ごし方」というテーマの調査結果を公表した。同調査は、キャリア積んで来たLiB会員の女性を対象に4月10日から15日にかけて、インターネットを通じて実施。217名の有効回答を得た。○旅の目的はストレス解消?「働いてから取得した長期休暇の最長期間」について質問したところ「1週~3週間」最も多い結果となった。次いで「4日~6日」、3位は「とったことがない」だった。「長期休暇を取得したことのある人にどんな過ごし方をしているか」を聞いた。その結果、87%が「旅行」と回答。他に「帰省」や「何もしない」「家事や掃除」という回答があった。「ゴールデンウィークに旅行するとしたら、どこへ行きたいか」と質問したところ、「自然を感じる国内」という回答が最も多かった。2番目に多い回答は「海外のビーチリゾート」、次いで「国内のグルメ」という結果となった。「旅行で一番得たいものは何か」と質問したところ、「癒し、リラックス」が最も多かった。以下、「気分転換」、「刺激」という回答が続いた。
2015年04月27日ユニットコムは17日、全国のパソコン工房、BUY MORE、グッドウィル、ツートップの店舗において、SIMフリーコーナーを拡大した。SIMフリーのスマートフォン、タブレットや安価なSIMなど、SIMに関連する商品を多数扱う。さらにパソコン工房のWebサイトでは「スプリングフェスタ」を開催中。BTO PCを最大20,000円引きで販売しているほか、PCパーツや周辺機器、デジタル雑貨を特別価格で提供している。期間は4月28日14時まで。
2015年04月21日ICT総研が16日に公開した「公衆無線LANサービス(Wi-Fiサービス)市場に関する調査結果」によると、スマートフォンユーザーのうち56%が公衆無線LANサービスを利用しているという。同社が2015年3月に4,412人を対象として実施したアンケート調査では、スマートフォンユーザー2,159人のうち、56.1%にあたる1,212人が公衆無線LANサービスを利用していると回答した。同社は、スマートフォンユーザーの多くが契約時にキャリアの公衆無線LANサービスに加入することもあり、契約者数は今後も増え続ける見通しだと分析している。しかし、屋外でのWi-Fi利用設定をオフにするユーザーも多いため、契約数と利用者数は乖離しているという。また、公衆無線LANサービスの2014年度末(2015年3月末)利用者数は2,278万人で、そのうち個人利用者は1,987万人、ビジネス利用者は291万人だった。同社は、今後も利用者数は増加し、2015年度末には22%増の2,779万人、2016年度には3,000万人、2018年度には4,000万人を超えると予想している。そのほか、公衆無線LANサービスのユーザー満足度も調査。キャリア系事業者の公衆無線LANサービスでは、「OCN ホットスポット」(NTTコミュニケーションズ)が59.5ポイントで1位、「フレッツスポット」(NTT東西)が57.3ポイントで2位、「ソフトバンクWi-Fiスポット」が57.1ポイントで3位となった。施設運営事業者では、「atSTARBUCKSWi2」(スターバックスコーヒージャパン)が65.8ポイントで1位だった。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年04月17日鉄道総合技術研究所(鉄道総研)は4月15日、クボテック、古河電気工業、ミラプロおよび山梨県企業局と開発を進めてきた次世代の大容量蓄電システムとして期待される「超電導フライホイール蓄電システム」の実証機を完成させ、試運転を開始したと発表した。フライホイール蓄電システムは、装置内部の円盤(フライホイール)を回転させることで電力を運動エネルギーとして蓄え、必要に応じて回転力を再び電力に変換するシステム。今回開発された実証機は鉄道総研が考案した高温超電導コイルと高温超電導バルク体で構成される「超電導磁気軸受」を用いることで、フライホイールを非接触で浮上させることで、大型のフライホイールを用いても損失が少なく、長期間の安定した運用を可能にしたものとなっている。実証機の性能としては、出力300kW、蓄電容量100kWhで、内蔵したCFRP製フライホイール(直径2m、重量4t)を最高6000回展/分で超電導磁気軸受により回転支持する仕組みを採用している。この超電導磁気軸受は、回転軸側、軸受け側の両方に超電導材を用いており、これによりコンパクトながら大荷重を支えることを可能としたという。なお鉄道総研では、今回の開発にかかる成果の詳細について、5月27日より開催される予定の「第91回 低温工学・超電導学会研究発表会」にて発表を行う予定だとしている。
2015年04月16日ネオキャリアとSHIFTは4月13日、ITエンジニアの人材スコアリングの事業において業務提携することに合意し、エンジニアのスキルを測定する「エンジニアスキル検定」をリリースすると発表した。ネオキャリアの子会社のアクサスは、顧客の経営課題や業務課題を解決するためのソリューションを提案・実行するなかで、エンジニアが適正単価で就業する環境を提供しづらいことや、関係者間での情報連携の難しさが成約率の低下に影響していることを課題視していた。一方、SHIFTは、同社が提供するサービスの一環である「ヒンシツプラットフォーム」で、人材マッチング事業を推進中。同社では以前から、判断基準を統一するために、数値による求職者のスキルの可視化について検討を進めていた。両社は、これらの課題の解決を目的とし、人材スコアリングの事業において業務提携。エンジニアのスキルを測定する同検定をリリースした。同検定は、SHIFTが自社雇用向けに開発し、これまでに約2万人が受験したテストエンジニアのスキル測定をする「CAT検定」の運営で培ってきた「スキル可視化」および「検定運営」の仕組みを応用。国内に約100万人いるといわれるエンジニアをターゲットに、エンジニアスキルのスコアリングを行い、スキルデータを蓄積・分析していくという。
2015年04月14日トレンドマイクロは6日、SIMフリー端末向けのサポート付きセキュリティアプリ「ウイルスバスター モバイル」を発表した。9日より、SIMフリー端末販売店を通じて提供を開始する。当初はエディオンが販売するSIMフリー端末「セレクトスマホ」ユーザー向けにポスタイプで販売し、エディオンでの想定販売価格は税別2,830円。「ウイルスバスター モバイル」は、同社のスマートフォン/タブレット端末向けセキュリティアプリ。不正アプリ対策、Web脅威対策、ペアレンタルコントロール、通信機能を利用した盗難/紛失対策、迷惑SMS/迷惑着信対策といったセキュリティ機能を持つ。今回提供する製品は、「ウイルスバスター モバイル」に、SIMフリー端末利用時の問い合わせに答えるサポートサービスを付帯した製品。製品に対する問い合わせだけでなく、SIMカードの挿入方法やネットを利用するための設定方法、スマートフォン/タブレット端末の使い方、FacebookやTwitter、LINEといったSNSの登録方法、プライバシー設定など、SIMフリー端末利用に必要な問い合わせ全般に対応する。同社は、SIMフリー端末使用者の増加や、総務省の「SIMロック解除に関するガイドライン」により2015年5月1日以降SIMフリー端末の増加が想定される一方で、煩雑な設定を自身で行なうことが困難な場合があるとして、製品の提供に至った。今後パートナーとの協業を拡大し提供店を広げる予定する。
2015年04月06日マイナビは、女性Webクリエイターのキャリアデザインを考える「女性のためのキャリアセミナー"自分のために はたらこう"」を実施する。開催日時は4月18日 13:00~15:00。会場は東京都・新宿エルタワー。参加費無料。同セミナーでは、フリーランスクリエイター・千貫りこ氏が講師を務め、「女性特有のライフステージの変化とキャリアの両立」をメインに、同氏の経験をベースとして講座を展開する。女性の働き方をテーマにしたセミナーだが、男性の参加も歓迎。パートナーがクリエイターである人や女性が多い職場の人などにも参考となる話題も多くあるとのことだ。また、同セミナーの定員は40名。事前申し込み制で、参加希望の際は専用フォームより必要事項を入力することで手続きが完了する。
2015年03月23日彼氏もいないし、出会いもない。キャリアも貯金も全然ない。この先、私、大丈夫かな……?働く女子が抱える悩みは、一度はまるとなかなか抜けられない迷宮。いや、イマドキは男子すらもが同じかもしれない。この本はゼロから再出発したおひとりさま女子の闘いの軌跡を通して、仕事と恋と幸せの関係を考えるリアルな自分探しがテーマ。現役FXトレーダーの実体験を元に描かれた物語である。○幸せになりたくて会社を辞めたら――30歳目前、女友達の結婚が次々と決まる現実に焦りを覚えたサラは、勤めていた貿易会社を退職。遠距離恋愛中の彼との仲を進展させるために、彼の住むミラノへと飛ぶ。そして、久しぶりの再会で、自分もミラノに移住することを提案する。帰国後、彼女に届いたのは別れのメール。彼氏も収入も失いゼロからの再出発となる……。そんなどん底で彼女が未来を賭けるのが、イタリア滞在中に彼から教わったばかりのFXトレード。素人知識とパソコン1台を武器に資金30万円からの闘いが始まる。○不安から脱出するために必要な勇気増える貯金で埋まることはない女心。いや、むしろ増えるにつれて遠くなっていくように感じる幸せへの道。稼ぐ女子、特に彼女のような女子トレーダーへの世間の風当たりは、思った以上に冷たいというのが切ない。それでも、襲い掛かる厄難に立ち向かい続け、幸せを探すこのおひとりさま女子の姿に「私にもまだできることがあるはず」と信じる勇気をもらう読者も多いはず。人生設計において、大切なのは「自分自身」。そして、一歩踏み出す行動力が、漠然とした不安から脱出する鍵を握ることをこの作品は教えてくれる。○変わり行く人生設計と新しいライフスタイル働く女子の中には、男子との競争や、ただ毎日繰り返されるラッシュアワーの通勤と葛藤しつつも、逃れられずに心が疲れてしまっている子も多いはず。FXと言えば「ギャンブル」「ハイリスク」とダークなイメージが強く、まだまだ誤解が多い。だが、場所を選ばず、自由な時間に稼ぐというトレードの特性は、会社という組織のしがらみから解き放たれ、マイペースに生きるという新しいライフスタイルのひとつの形でもある。就職という形にとらわれない収入源という意味で、主婦、リタイア後などあらゆる生活環境にもマッチする。彼女の地道な日々のトレードの様子を見れば、FXへのイメージはきっと変わる。これを読んでいるあなたは、本当にそのままで大丈夫?もし、少しでも迷いがあるなら、ぜひこの一冊に勇気をわけてもらうことをオススメします。不安から抜け出して一歩前進するヒントをくれる物語です。「わたし、すっぴんジャージで『億』を稼いでます」著者プロフィールSarah(サラ)外国為替取引で生計を立てるFXトレーダー。2005年アパレル貿易会社退社後、人生を模索中にFXに出会う。FXや暗号通貨(リップル)のトレーダー、九星気学のコラムニストとしてメディアで活躍。自著に「FX 7つの成功★レッスン」宝島社刊がある。
2015年03月17日●全国50カ所の速度計測、ワイモバイルがUQ WiMAXに勝利ICT総研は3月4日、全国50カ所で実施したモバイルWi-Fiルーター(モバイルルーター)の通信速度、およびモバイルルーターの購入検討者を対象とした意識調査の結果を公表した。同調査では、モバイルルーターの主要2キャリアであるワイモバイルとUQコミュニケーションズ(UQ WiMAX)の最新機種を用いて、全国50カ所で通信速度を計測。さらに、利用検討者に対し、料金プランを提示のうえ、利用したいプランを選んでもらうWebアンケートも並行して実施した。結果をまとめると、通信速度ではワイモバイルが下り平均25.22Mbps、上り平均7.93Mbpsを記録し、UQ WiMAXの下り平均22.37Mbps、上り平均4.48Mbpsを上回り、上り・下り速度ともに優勢だった。また、利用検討者の意識調査でも、ワイモバイルの料金プランが魅力的とする意見が多い結果となった。本稿では、当調査結果について詳しく紹介するとともに、ワイモバイルが通信速度・意識調査ともに優勢となった理由を考察していきたい。○全国50カ所の速度調査では、ワイモバイルがUQ WiMAXに勝利ICT総研が実施した今回の通信速度調査では、ワイモバイルとUQ WiMAXの最新機種のモバイルルーターを使用して、全国7都市50地点で通信速度を計測した。50カ所の測定地点は、4月からの新生活で重要となる、各エリア拠点都市の主要駅、ビジネス街、大学などを選定。計測方法は、モバイルルーターとAndroidタブレット「Nexus 7」をWi-Fi接続し、「RBB TODAY スピードテスト」アプリで下り速度、上り速度を各3回ずつ測定する方式を採用した。結果を見てみると、全国50カ所の平均速度では、ワイモバイルが下り25.22Mbps、上り7.93Mbpsとなり、UQ WiMAXは下り22.37Mbps、上り4.48Mbpsで、上り・下り速度ともにワイモバイルがUQ WiMAXを上回った。とりわけ、UQ WiMAXが上り速度で苦戦する結果となった。また、各計測地点の通信速度では、ワイモバイルはすべての地点で下り10Mbps以上となり、下り10Mbps台が8地点、20Mbps台が35地点、30Mbps台が7地点と、全体的に安定した速度を記録した。一方、UQ WiMAXは、下り20Mbps以上を記録した地点が34カ所あったものの、下り10Mbps未満となる地点が3カ所あり、全体の平均を押し下げている。なお、ワイモバイルは全国50地点すべてで高速通信「AXGP」または「LTE」の電波を受信でき、UQ WiMAXも全国50地点すべてで高速通信「WiMAX 2+」の電波を受信できたという。ここで、両社のモバイルルーターの通信方式をおさらいしておくと、ワイモバイルのモバイルルーターでは、ワイモバイル(旧イー・モバイル)の1.7GHz帯LTE、ソフトバンクの2.1GHz帯LTEに加えて、ソフトバンクグループのWireless City Planningが提供するAXGPを利用でき、通信速度は理論値で下り最大165Mbpsとなっている。一方、UQ WiMAXのモバイルルーターでは、WiMAX 2+およびWiMAXを利用でき、オプション料金を支払うことで、KDDIのau 4G LTEも利用可能。WiMAX 2+の通信速度は理論値で下り最大220Mbpsとなる。下り速度の理論値では、UQ WiMAXがワイモバイルを上回るが、今回の通信速度調査では、ワイモバイルが優勢という逆の結果になった。これは、ワイモバイルとソフトバンクのLTE、さらにAXGPという3つの高速通信ネットワークに対応するワイモバイルのモバイルルーターが、カバーエリアの面で優位であったことが要因と考えられる。対するUQ WiMAXのWiMAX 2+は、東名阪エリアからスタートし、全国主要都市へと拡大中だが、カバーエリアの面ではまだ十分とは言い難い。ワイモバイルのカバーエリアの広さが、UQ WiMAXの理論値のアドバンテージを打ち破り、実測の通信速度では上り・下り速度ともに上回る結果につながったと言えるだろう。●意識調査でも支持を集めるワイモバイル○利用検討者は、使い放題で割安のワイモバイル「Pocket WiFiプラン+」を支持Webアンケートで実施された意識調査では、まず、現在モバイルルーターを利用していない1,000人に対して、「月額料金が安かったら、モバイルルーターを利用する可能性はあるか?」を質問。その結果、40.7%が「利用を検討したい」と回答した。利用用途としては、「固定インターネットの代わり」とする回答が約3分の1となり、自宅の固定回線の代替としてモバイルルーターを検討する人が多いことがわかる。次に、モバイルルーターの利用を検討したいと回答した407人に対し、ワイモバイルとUQ WiMAXそれぞれの新料金プランを提示し、どちらが魅力的に見えるかを質問した。なお、対象の料金プランは、ワイモバイルが「Pocket WiFiプラン+」、UQ WiMAXが「UQ Flat ツープラス ギガ放題」。その結果、ワイモバイルを利用したいという回答が45.7%となり、UQ WiMAXの11.8%を大きく上回った。また、「どちらも利用したいと思わない」という回答は42.5%だった。前述の通り、両社のモバイルルーターの通信速度は、理論値でワイモバイルが下り最大165Mbps、UQ WiMAXが下り最大220Mbpsとなっているが、これらはいずれもキャリアアグリゲーション(CA)という技術により実現している。CAとは、周波数帯の異なる複数の電波を束ねることで、通信速度を高速化する最新技術。ワイモバイルのPocket WiFiプラン+は、CAに対応する端末の専用プランとなり、2年契約で「おトク割」を適用することで、2年間の月額料金が3,696円となるのが特長だ。一方、UQ WiMAXのUQ Flat ツープラス ギガ放題は、下り最大220MbpsのWiMAX 2+が使い放題で利用できることが特長のプランで、月額料金は4,380円。なお、キャンペーンにより、最大3カ月は月額3,696円で利用できる。当初の3カ月の料金はワイモバイルとUQ WiMAXともに月額3,696円で同様だが、4カ月目以降はワイモバイルのほうが約700円割安になるため、この料金の差が、ワイモバイルが支持を集めた一因だと考えられる。また、UQ WiMAXの場合、KDDIのau 4G LTEを利用するには、LTEオプション料金として、月額1,005円が追加で必要となる。対するワイモバイルは、最初からLTEとAXGPを利用可能であり、追加料金を支払うことなくLTEを利用できることもメリットとなっている。なお、ワイモバイルの場合、月間の通信量が7GBを超過した場合、通信速度制限が行われるが、速度制限が行われたときに通常の速度に戻す追加料金(500円/500MB)がキャンペーンにより最大2年間無料となるため、2年間は実質使い放題で利用可能となっている。そのため、使い放題が特長のUQ WiMAXのプランと比べても遜色ない内容と言える。ただし、月間の総量制限とは別に、ワイモバイルでは前日までの3日間の通信量が1GBを超えた場合に、当日6時から翌日6時まで速度制限が行われる場合がある。一方、UQ WiMAXでは3日間の通信量制限がないため、この点ではUQ WiMAXが優位と言える。一般的な使い方では3日間の通信量が1GBを超えることはないと思われるが、ヘビーユーザーであれば留意しておくとよいかもしれない。***ICT総研が実施した全国50カ所におけるモバイルルーターの通信速度調査では、ワイモバイルが上り・下り速度ともにUQ WiMAXを上回る結果となった。理論上の最高速度ではUQ WiMAXが優位であることを踏まえると、モバイルルーターを選ぶ際には、ネットワークや機種のスペックだけで判断するのではなく、通信速度調査などの実測値を参考にするのが賢明と言えそうだ。また、料金プランについても、利用できるネットワークの種類やカバーエリア、キャンペーンなどを考慮し、よく比較検討したうえで、もっともお得なモバイルルーターを選択するとよいだろう。
2015年03月06日