各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿・外苑前のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介。■『Cosmo-Eggs』5月11日から11月24日にかけてイタリア・ヴェネチアで開催されている「第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」の一環として、カステッロ公園内にある日本館で行われている「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」展の公式カタログ。ブックデザインは、作家との協働によって数多くの優れた作品集を制作してきた田中義久が手掛けている。展示風景と出品作家4名の制作ノートを軸に構成され、作家それぞれの制作過程と作品世界を再現。デザイナー・作家・作曲家・人類学者・建築家・キュレーター、そして出版社・印刷所・製本所が手を携え(本展のテーマの一つとも言える“共異体の協働”がここでも体現されている)完成した本書は、“本”というメディアで新たな表現を追求した一冊に仕上がっている。展覧会のタイトルでもある「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」という概念は、「宇宙卵(Cosmo-Eggs)」から世界は誕生したという神話学における卵生神話をもとに、人間・非人間の共生や、複数の神話・歴史の共存という主題を喚起させるイメージを孕むもの。また本展では、“協働”も重要な要素となっている。集団(コレクティブ)で取り組むことの今日的意味や課題、複数的な思考や共生のあり方を探求するとともに、アーティスト・イン・レジデンスなどの機会における作家同士の触発が生む未知の想像や実験の可能性などを考える。本展には、韓国の光州ビエンナーレ2012や台湾の「Asian Art Biennial 2013」などグループ展への参加経験が多数ある美術家の下道基行、映像に映ったものを言葉で描写していくパフォーマンス「音楽映画」シリーズや、西洋音楽でも民族音楽でもない音楽「ゾンビ音楽」を代表作とする作曲家の安野太郎、芸術人類学・神話学を専門とし、『野生めぐり 列島神話をめぐる12の旅』など書籍も執筆する石倉敏明、2016年に開催されたヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示にて特別表彰を受けた若手建築家の能作文徳が参加。キューレターは秋田公立美術大学大学院准教授の服部浩之が務める。【書籍情報】『Cosmo-Eggs』出版社:Case Publishing言語:英語、日本語ソフトカバー/158ページ/280×240mm発刊:2019年価格:3,500円■Shelfオフィシャルサイトで『Cosmo-Eggs』を購入する
2019年06月08日「第75回ヴェネチア国際映画祭」のコンペティション部門に出品され、銀獅子賞(審査員大賞)と女優賞(オリヴィア・コールマン)をW受賞した『THE FAVOURITE』(原題)。日本でも来年公開が決定している本作の邦題が、このほど『女王陛下のお気に入り』に決定したことが分かった。■ストーリー18世紀初頭、フランスとの戦争状態にあるイングランド。虚弱な女王、アン(オリヴィア・コールマン)が王位にあり、彼女の幼なじみ、レディ・サラ(レイチェル・ワイズ)が病身で気まぐれな女王を動かし、絶大な権力を振るっていた。そんな中、没落したサラの従妹アビゲイル(エマ・ストーン)が召使いとして参内し、その魅力がレディ・サラとアン女王を引きつける。レディ・サラはアビゲイルを支配下に置くが、一方でアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を伺っていた。戦争の継続をめぐる政治的駆け引きが続く中、急速に育まれるサラとの友情がアビゲイルにチャンスをもたらすが、その行く手には数々の試練が――。■オリヴィア・コールマンが女優賞受賞! エマ・ストーン&レイチェル・ワイズら実力派集結出演するのは、『ラ・ラ・ランド』『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』のエマ・ストーンや『ボーン・レガシー』『ロブスター』のレイチェル・ワイズ、『思秋期』のオリヴィア・コールマンなど実力派女優に加え、ニコラス・ホルト、ジョー・アルウィンといったフレッシュなキャストも出演。今回女優賞を受賞したオリヴィアは、18世紀初頭、最後のイングランド国王と呼ばれたアン女王を熱演。エマは、貴族への返り咲きを狙う女官アビゲイル役で、純真なだけでなく権力争いの中で欲望に目覚めていく役で新境地を開き、女王の幼なじみで女王を操るレディ・サラ役をレイチェルが演じている。なお、『ロブスター』でカンヌ国際映画祭審査員賞、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』でカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞したギリシャの鬼才、ヨルゴス・ランティモスが監督を務めている。『女王陛下のお気に入り』は2019年2月、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:女王陛下のお気に入り 2019年2月、全国にて公開予定(C)2018 Twentieth Century Fox
2018年09月12日8月29日から開催していた第75回ヴェネチア映画祭が8日に閉幕。最終日の授賞式で、アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA』(原題)が最高賞の金獅子賞を受賞した。同作は1970年代のメキシコシティを舞台に、ある中流家庭とそこで住み込みで働く家政婦に焦点を当てた物語。言語はスペイン語で、白黒の映像で綴られている。メキシコシティで育ったキュアロン監督の思い出を反映させた内容だという。「ニューヨーク・タイムズ」紙によると、金獅子賞を受賞したキュアロン監督は、この賞が同作のモデルとなった家政婦のリボさんへの「誕生日プレゼントだ」と喜びを語り、キャストたちには「私を育ててくれた女性たちを演じてくれてありがとう」と感謝を述べた。今年の審査員長のギレルモ・デル・トロ監督とキュアロン監督は、ともにメキシコ出身で大の仲良し。デル・トロ監督は金獅子賞の受賞者を読み上げるときに、「さぁどれどれ…僕は受賞者の名前をちゃんと発音できるかな?」というジョークが飛び出したそうだ。そのほかの受賞者・作品は以下の通り。銀獅子賞(審査員大賞)ヨルゴス・ランティモス監督 「The Favourite」(原題)銀獅子賞(監督賞)ジャック・オディアール監督「The Sisters Brothers」(原題)女優賞オリヴィア・コールマン「The Favourite」(原題)男優賞ウィレム・デフォー「At Eternity’s Gate」(原題)脚本賞ジョエル&イーサン・コーエン「The Ballad of Buster Scruggs」(原題)審査員特別賞ジェニファー・ケント監督「The Nightingale」(原題)(Hiromi Kaku)
2018年09月10日エマ・ストーン出演最新作『THE FAVOURITE(原題)』が、批評家から絶賛を受け、第75回ヴェネチア国際映画祭で早くも各賞の最有力として注目されていることが分かった。■ヴェネチア国際映画祭にて各賞の最有力にあがる現在開催中のヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門の1作として、現地時間8月30日(木)、注目のエマ・ストーン出演最新作『THE FAVOURITE(原題)』のワールドプレミア上映が行われ、当日から解禁になった映画評では、現時点で批評を掲載した16のメディアが全て絶賛するという異例の高評価。さらにRotten Tomatoes(ロッテントマト)では100%フレッシュをたたき出している(9月3日時点)。ほかにも星取りで軒並み5つ星(5点満点)、A評価を連発する中、早くも作品賞、監督賞、主演・助演女優賞はもちろん、脚本賞、撮影賞、コスチュームデザイン、美術での賞レースのトップランナーとして注目を集めている。監督を務めたのは『ロブスター』『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』の鬼才、ヨルゴス・ランティモス。出演には『ラ・ラ・ランド』や、最新作『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』で実在のテニス選手を演じたエマ・ストーン。オスカー女優で監督の過去作にも出演したレイチェル・ワイズ。ゴールデン・グローブ賞に輝く名女優オリヴィア・コールマンなど、ランティモス監督が信頼を寄せる実力派3女優に加え、ニコラス・ホルト、ジョー・アルウィンといった、フレッシュな美形英国俳優たちが脇を固めている。■ヨルゴス・ランティモス監督とは?ギリシャの監督であるヨルゴス・ランティモスは、両親によって完全に外界から遮断された家庭環境で育てられた少女2人を描いた『籠の中の乙女』や、パートナーのいない人間はホテルに連れていかれ、期間内にパートナーを見つけられないと動物に変えられてしまうという『ロブスター』など、シュールかつ怪しげな世界観を描いてきた。どの作品にも共通して不可解かつ独特のルールが存在し、そのルールに翻弄される主人公も魅力のひとつ。中でも『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』では、コリン・ファレル、ニコール・キッドマン、バリー・コーガンを迎え、1人の医師がある少年を自宅に招き入れたことをきっかけに、息子と娘が突如歩けなくなったり、目から血を流したりと、全く理解できない現象に襲われる物語を描いた。一見ホラーの側面を持ちながら、「これはコメディだ」と語る監督の本作は、カンヌ国際映画祭脚本賞を受賞。それだけに、本作『THE FAVOURITE(原題)』でも、歴史ものの側面をもちながら、どれだけランティモス・ワールドが展開されるのか、ファンならずとも目が離せない。3人の女性が巻き起こすパワー・ゲームがどのように描かれるのか、引き続き注目したい。『THE FAVOURITE(原題)』は2019年2月公開予定。(text:cinemacafe.net)
2018年09月05日8月29日から9月8日まで開催中のヴェネチア国際映画祭に、世界各国から映画人が集結。金獅子賞の行方も気になるところだが、今回は映画祭中盤の現時点でSNSやメディアで話題になった奇抜&不思議なファッションをご紹介!まずはリメイク版『サスペリア』で映画音楽家デビューを果たしたレディオヘッドのトム・ヨーク。正装でキメる俳優陣の中、ブルーのグラデーションが鮮やかなスーツに足元はサンダル、髪型はマンバンとカジュアルないで立ちで登場。「ワーストドレッサー」の称号を与えるメディアもあれば、「クレイジーだけどトムだからこその着こなしだ!」と褒めるメディアも。続いては同じくリメイク版『サスペリア』のクロエ・グレース・モレッツ。レッドカーペットで「Miu Miu」の衣装を選ぶことが多いクロエは、今回も「Miu Miu Resort 2019」のポロシャツとワイドパンツをチョイス。しかしポロシャツのサイズが合っておらず窮屈そうで、ワイドパンツの裾についているファーが「まるでイエティ(雪男)みたい」と不評だった。最後は審査員の1人、ナオミ・ワッツ。ピンクの「Armani Prive」のドレスは「Mirror」紙などのメディアが「ベストドレッサー」と称える一方、ツイッターでは「ナオミがふせん紙に埋もれてる」との声が上がっている。(Hiromi Kaku)
2018年09月04日レディー・ガガが活動休止を経て、スクリーンで完全復活を見せる『アリー/ スター誕生』。日本時間9月1日深夜(現地時間8月31日)、第75回ヴェネチア国際映画祭のアウトオブコンペティション部門にてワールドプレミアを迎え、主演のガガと初監督&主演のブラッドリー・クーパーが記者会見とレッドカーペットに登場した。■“女優”レディー・ガガに上映中から拍手喝采、スタンディングオベーションも会場前に敷かれたレッドカーペットは、“女優”ガガをカメラに収めようとするマスコミと、会場に駆け付けた2,000人ものファンで溢れかえり、近年稀に見る盛り上がりを見せた。さらに、レッドカーペットには本年度のカンヌ国際映画祭で審査員長を務めたケイト・ブランシェットをはじめ、スーパーモデルのイリーナ・シェイク、世界的デザイナーのドナテラ・ヴェルサーチなど世界的なセレブが本作のプレミアを祝って駆けつけた。そして、淡いピンクのファードレス姿のガガとブラッドリーが登場すると、会場は地鳴りのような歓声に沸き、一斉にフラッシュがたかれることに。2人は集まったファンに丁寧に王子ながら、スクリーニング会場へ。ワールドプレミア試写では、ガガ演じるアリーが初めてステージに上がりメイン楽曲「Shallow」を歌うシーンで上映中にも関わらず会場から拍手喝采が起きる異例の称賛、上映後にはガガとブラッドリーに割れんばかりのスタンディングオベーションが巻き起こった。■ガガ、主人公アリーに自身を重ねる…「私は戦った」また、同日行われた記者会見では、300席ほどある会見場はマスコミで超満員に。さらに立ち見でも入りきらず、外の会場では100名ほど待機するほどの事態となった。本作が映画初主演となったガガは、「この作品にはとても美しいストーリーがあり、世界中の人々の心を動かす物語だと思う。そこには愛、人間としてのプライドがある。多くの人に観てもらえる機会を楽しみにしているわ」と作品への自信のほどをコメント。自身が演じたアリーのキャラクターについては、「私はあまり容姿に恵まれていなかったから、レコード会社の上層部はわたしの歌を他の歌手に歌わせたがったけれど、私は戦った」と打ち明けながら、「私は自分のやり方でやりたかった。常に自分の歩む道は自分で決めたかったのよ。そこがアリーと同じところね」と語り、どんな逆境に置かれても“ありのままの自分”を信じ続けるアリーと自身を重ね合わせた。■「ブラッドリーは私をより自由にしてくれた」役作りについても「映画のスクリーンテストのとき、ブラッドリーはメイク落としを私の顔に置いて、メイクはいらないと言ったの」と明かし、「不安定な状態になるんだけど、でもブラッドリーは私の中からそういう“脆さ”を引き出してくれた。アリーを演じるにあたって、彼は私をより自由にしてくれた。ここに100人の人がいて、たとえ99人が(自分を)信じてくれなくても、ただ1人の人が信じてくれればいい。それがブラッドリーだったのよ」と、“監督”ブラッドリーに絶大な信頼を寄せていたことを告白。印象的なシーンについては、先述の初めてアリーがステージで歌うシーンを挙げ、「ブラッドリーが“感じるままに楽しんでやればいい”と言ってくれたからそうした。まるで人生で初めて歌うような気持ちがして、忘れられない経験だったわ。とてもスペシャルな体験だった」とふり返って語った。また初監督兼主演を務めたブラッドリーは、「ガガを主演にこの物語を撮ることができたことは、とても幸運だった」と断言。「僕が演じたジャクソンは、自らの名声については全く気にかけていない。彼は自分の意志を大事する。そうしてアリーと運命的な出会いをするんだ」と彼の役柄について語り、「僕にとっての名声は“一瞬にして訪れて去ってゆくノイズ”のようなもの。あとに残るのは孤独。そんなリズムをこの映画にも持たせたかった」と、監督として導きたかった作品の方向性について明かした。■「アカデミー賞候補は間違いない」の声も今回のヴェネチア国際映画祭でのワールドプレミアを皮切りに、トロント国際映画祭、サン・セバスチャン国際映画祭と名だたる映画祭への出品が続き、早くもアカデミー賞の最有力候補として名高い本作。世界的に注目を浴びる本作の初お披露目、そしてガガの昨年の活動休止宣言からの完全復活とあって、世界中から数多くのマスコミが集まった。現地では圧倒的な完成度に、早くも批評家から称賛の声が続々と集まっており、映画批評サイト「ROTTEN TOMATOES」では94%フレッシュの高評価。「衝撃」「傑作」との声が相次いでいる。現地の大手興行社からの「興行的大成功と、アカデミー賞候補は間違いない」とのコメントも報じられ、辛口批評で有名な「ガーディアン紙」のファーストレビューが「ガガはまるで、アカデミー賞女優ストライサンドの靴をまとったよう」と名女優を引き合いに出しながら星5つの最大評価を与えたほか、「レディー・ガガの圧倒的パフォーマンスにノックアウト!」(タイム誌)、「ブラッドリー・クーパーは、映画史に残る素晴らしい偉業を達成した」(Vulture)と絶賛の嵐が巻き起こっている。『アリー/ スター誕生』は12月21日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アリー/ スター誕生 2018年12月21日より全国にて公開© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2018年09月02日フルラ(FURLA)の2018年春夏コレクションは全国のストアにて順次販売。ウィメンズ2018年春夏コレクションのテーマはヴェネチアへの旅。シェイプは、ヴェネチアの建造物や装飾といった歴史的な要素をインスピレーションに。カラーパレットは、運河や街中に咲きじょこる花々などの鮮やかな色合いから着想を得た。遊び心たっぷりのプリントのバリエーションも豊富で、開放的で明るいイタリアンムードを纏わせている。プレイフルなアニマル柄を、春夏のスタイルに立体的なジャカードを採用した新作バッグは、今季の注目のスペシャルコレクションだ。人気の「メトロポリス」をはじめ、新モデルの「ドゥカーレ」などが展開される。テキスタイルは、フルラで独自に製作した52種の中から選ばれ、“ヴェネツィアの旅”を彷彿とさせる動物モチーフや、水の都ならではの貝殻模様がバッグを彩る。ディテールへも旅の風を吹き込み、フラップ部分は波模様で象った。なお、スペシャルコレクションの「メトロポリス ヌーヴォラ」「ドゥカーレ」のショルダーバッグのハンドル部分を彩る装飾は、ビジューやレザーモチーフなどで、バッグ本体の柄ごとに異なるものがデザインされる。ヴェネチアの華やかさを人気バッグにも毎シーズン進化を遂げているメトロポリスだが、今回はより一層エネルギッシュなデザインでラインナップ。色鮮やかな花々や鳥モチーフを描いた、ハッピーなプリントは春夏の軽やかなスタイルのアクセントとなってくれる。クロスボディタイプとして、またショルダーバッグとして使用できるので、デイリー使いはもちろん、アクティブな旅先でも大活躍してくれそう。メトロポリスにテキスタイルとビジューを施した新モデルが仲間入りテキスタイルを使用したミニクロスボディの「メトロポリス ヌーヴォラ」には、カラフルなペイズリー柄を採用。ハートやフラワーのゴールドモチーフをあしらって、まるでアクセサリーのようなミニショルダーに仕上げた。“まるごと”フルーツバッグが新登場夏らしいフルーツモチーフのバケツバッグ「ドルチェッツァ」は新作モデル。フルラだからこそできる精緻な職人技でパイナップルの模様も美しく表現。また、キャッチーな見た目だからといってフルラらしく機能性も妥協しない。持ち手とショルダーストラップの両方が付属しているので、ハンドバッグとしてもショルダーバッグとしても使用することができる。メンズメンズコレクションも同じく、ヴェネチアへの旅がテーマ。水の都ヴェネチアが持つ“海”の要素を取り入れながら、歴史や芸術的な深みも感じさせるコレクションとなっている。ヴェネツィア家具をインスピレーション源に「ゼウス」は、経年変化を楽しめるベジタブルタンニングを施したレザーを使用した、素材の味わいを感じられる新作シリーズ。寄木細工のようなデザインはヴェネツィア家具がインスピレーション源だという。使うほどに馴染むバッグは大人の男性におすすめしたい。ウェットスーツをイメージした高機能バッグもスキューバダイビングのウェットスーツをイメージしてデザインされた新作ライン「スキューバ」。ロープやヒトデといったマリンモチーフを配置したユニークな柄だ。名前にちなんで機能的な面でも“水”を想わせるような仕様となっており、素材はネオプレン、止水ジッパーのポケットとそのポケットの中には撥水ライニングが隠されている。また、ハンドバッグとバックパックの2通りの使い方が楽しめ、ハンドバッグで持つときはバックパックのストラップ部分を収納できるスペースまであるという機能性に満ちたバッグだ。持ち方は自分次第、進化した4WAYバッグシーズンごとに進化を遂げている「イカロ」は、見た目からは想像できないような機能性が魅力。今シーズンは、ショルダーやバックパックなど変幻自在の4WAYバッグが登場する。なお、ヨットメーカー「RIVA」をインスピレーションとしており、ボートを想わせるカラーコンビネーションが特徴だ。期間限定ストアが丸の内にオープンLe Dome EDIFICE et IENA 丸の内店では、2018年4月14日(土)から5月10日(木)まで、メンズ・ウィメンズコレクションの2018年春夏コレクションを取り揃える限定ストアをオープン。ウィメンズからはアイコン「メトロポリス」をはじめとする新作、メンズでは定番モデル「ジョヴェ」など今季イチオシアイテムをピックアップ。フルラが厳選した魅力的なラインナップを用意する。【詳細】フルラ2018年春夏コレクション新作発売日:2018年2月上旬より順次展開中 ※商品により異なる。【問い合わせ先】フルラ ジャパンTEL:0120-951-673
2017年12月17日是枝裕和監督の『三度目の殺人』がコンペティション部門に出品され、北野武監督の『アウトレイジ 最終章』がクロージング上映された第74回ヴェネチア国際映画祭。このほど、メキシコが生んだ映像の魔術師ギレルモ・デル・トロ監督が放つファンタジー・ロマンス『The Shape of Water』(原題)が、最高賞にあたる金獅子賞を獲得したことがわかった。舞台は1962年、アメリカと旧ソビエトの冷戦時代。清掃員として、政府の極秘研究所に勤めるイライザ(サリー・ホーキンス)は孤独な生活を送っていた。だが、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と一緒に“極秘の実験”を見てしまったことで、彼女の生活は一変する。人間ではない不思議な生き物との、言葉を超えた愛。それを支える優しい隣人らの助けを借りてイライザと“彼”の愛はどこへ向かうのか…。本作は、『パシフィック・リム』『パンズ・ラビリンス』などの世界的ヒット作で知られる、メキシコの巨匠デル・トロ監督によるファンタジー・ロマンス。ひとりの孤独な女性と、水の中で生きる不思議な生物との超越した“愛”を描き、公式上映の際には映画祭の会場は興奮のるつぼに!イタリア現地時間9月9日、日本時間10日未明に行われた授賞式で、見事、金獅子賞の栄冠に輝いた。メキシコ人監督の金獅子賞受賞は、史上初。孤独だが、慈愛に満ちた女性イライザを演じたのは、『ブルージャスミン』『パディントン2』のサリー・ホーキンス。彼女を支える優しい隣人には『扉をたたく人』のリチャード・ジェンキンス、イライザと恋に落ちる生き物に息吹を与えるのは『パンズ・ラビリンス』でもデル・トロ監督とタッグを組んだダグ・ジョーンズ。また、冷徹な政府の調査官に『ノクターナル・アニマルズ』のマイケル・シャノン、そして、イライザの頼もしい同僚に『ドリーム』のオクタヴィア・スペンサーと本年度アカデミー賞ノミネート俳優が扮し、観る者を未知の世界にタイムスリップさせる。類まれなる美しさをたたえた映像世界で描かれた、空想をも超える純愛と覚醒に、世界が喝采を贈った本作。ファンタジー映画の新たなる金字塔として、早くもアカデミー賞ノミネート確実との声も上がっている本作に、引き続き注目していて。『The Shape of Water』(原題)は2018年、日本公開。(text:cinemacafe.net)
2017年09月11日北野武の監督18作目となる最新作『アウトレイジ 最終章』が、9月9日(現地時間)、第74回ヴェネチア国際映画祭のクロージング作品として世界最速上映が実施され、圧巻のスタンディングオベーションに北野監督も笑顔を見せた。裏社会の男たちの抗争を描いた究極のバイオレンス・エンターテインメント『アウトレイジ』シリーズは、北野監督が初めて手掛けたシリーズプロジェクト。前作から5年の月日を経て最新作となる最終章が完成、ヴェネチア国際映画祭のクロージング上映がワールドプレミアとなった。実は北野監督と本映画祭の関わりは深く、これまで第54回にて『HANA-BI』が最高賞となる金獅子賞、第60回にて『座頭市』が監督賞にあたる銀獅子賞を受賞。また、『アウトレイジ』シリーズとしては、第1作目『アウトレイジ』が第63回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にて上映、第2作目『アウトレイジ ビヨンド』が第69回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門にて上映されている。上映前に行われた公式記者会見には、約150ものマスコミ媒体が駆けつけ、北野監督と森昌行プロデューサーが登壇。はじめに、本作で表現したようなちょっと時代遅れのヤクザを語る映画、そしてバイオレンス表現の変遷について質問が及ぶと、監督は「自分の描くつもりでいるヤクザ映画というのは実は、拳銃と一方的な暴力を除けば、現代社会の普通の企業の構造にかなり似ていて、私が演じた大友というヤクザも、古いタイプのサラリーマンであって、いまの世の中では犠牲になる、というような話に言い換えることも出来ます。エンターテインメントとしてのバイオレンス映画として考えると、古いヤクザの抗争を描くのは面白いなと思います」と説明。続けて、「『アウトレイジ ビヨンド』という2番目の映画の脚本を書いたときに、3本で絶対終わるというような脚本を同時に書いていったんです」と本作の制作秘話も披露した。また、今回で9作目の作品上映となり、関わりが深いヴェネチア国際映画祭について、「自分にとっては、ダメな監督と言われたり、体を壊したこともあり、日本のエンターテインメントでは“もう終わった人”というような記事を書かれたり、うわさもあったり、一番自分のキャリアの中で落ち込んでいた時代ですが、その後、ヴェネチア国際映画祭で立派な賞をいただいたことで、一気にエンターテイナーとしての地位に戻ることができた」とコメント。「自分のキャリアの中では、ヴェネチアは絶対に欠かせない自分の芸能生活の1つのエポック、事件で、いつも感謝しています」と感慨深げに記者たちに向けて語る姿が印象的だった。その後のレッドカーペットでは、映画祭最終日の上映にも関わらず、異例の数の観客が会場に詰めかけ、大熱狂で迎え入れられた監督は、自らファンの元へ駆けより、写真撮影やサインに快く応じ、ファンとの交流を楽しんでいた。そして、待望の世界最速上映となったクロージング上映後には、2階席に座る監督へ向けて大喝采のスタンディングオベーションが送られ、監督も立ち上がり、手を振りながら満面の笑顔。鳴り止まない拍手と歓声は、監督が去った後も数分間に渡って続き、大盛況でワールドプレミアを終えた。さらに、上映後に行われた記者会見では「やっぱり映画って初公開するっていうのはどこの映画祭でも緊張する」と、本作の初上映の感想を述べた監督。ヴェネチアは「(監督の)ファンクラブがあって、顔見知りがいたり、そういう安心もあって、ありがたいけどプレッシャーにもなっている。自分の中では賞をもらったのがここヴェネチアでもあるし、この映画祭はちょっと違った意味はある」と、自信でも思い入れは特別の様子。この前日には約60人の海外メディア記者を相手に受けたそうで、「かなりみんな好意的なのでほっとした」とふり返り、「映画祭に呼ばれるくらいの価値はあるんじゃないかなと自負している」と、さらに力強い言葉で締めくくっていた。『アウトレイジ 最終章』は10月7日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年09月11日第74回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されている是枝裕和監督の最新作『三度目の殺人』。現地時間の9月5日、本作の公式上映が行われ、主演の福山雅治をはじめ、役所広司、広瀬すずと是枝監督が現地入り、本作の音楽を手掛けるルドヴィコ・エイナウディも加わり、記者会見、フォトコール、レッドカーペットに参加。公式上映では6分ものスタンディングオベーションに包まれた。カンヌ、ベルリンと並ぶ世界三大国際映画祭の1つであり、国際映画祭の中でも最古の歴史を誇るヴェネチア国際映画祭。今年の審査員長は『20センチュリー・ウーマン』の女優アネット・ベニングが務めている。福山さんと広瀬さんは今回が初参加、役所さんは『十三人の刺客』以来、7年ぶり2度目、是枝監督は第52回(1995年)で「金のオゼッラ賞」を受賞したデビュー作『幻の光』以来、実に22年ぶり2度目となった。まず、涼しく爽やかな風が吹く、美しい水の都イタリア・ヴェネチアに、颯爽と登場した福山さん。イタリアの有名ブランド「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)」のスーツ姿。役所さんは「ジョルジオ・アルマーニ(GIORGIO ARMANI)のスーツで貫禄たっぷり。また、広瀬さんも同じく「アルマーニ」のドレスと「プラダ(PRADA)」の靴で大人っぽい装い。同じく「アルマーニ」のスーツに身を包んだ是枝監督も記者会見会場に登場。250人収容の会見場は報道陣で満員となった。フォトコールにも数多くのメディアが集まり、「是枝!」という歓声も。世界の「コレエダ」の最新作であり、カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した『そして父になる』の福山さんとの再タッグである本作への注目度の高さがうかがえた。会見では、特に近年の作品とは全く違った作風となったことについて質問を受けた是枝監督は、「新しいことをやった意識ではない」と話しつつ、「ただこの10年ぐらいホームドラマを続けて人間のデッサンを鉛筆で書いていたようなそういう意識なのです。今回はやや“家”から“社会”へ視野を広げて油絵で描くようなタッチを変えた作画をしている」とコメント。さらに「社会に目を向けたときに、人が人を裁くことについて考えてみたいと思ったことがスタートとしてありました」と語った。また、福山さんは監督について「原案、脚本、監督、編集をやられていて、全ての工程を俳優として参加しながらその現場を一番近くで見られるというのは僕にとってこの上ない贅沢な経験です。贅沢な経験であると同時にすごく刺激を受ける現場です」と真摯にコメント。役所さんは、「監督から『だれか嫌いな人を2~3人殺す練習をしたらどうですか…』、なんて言われたりはしませんでしたけど(笑)」と冗談めかしながらも「撮影の最終日まで脚本が変更になって、監督がどの方向に私たち俳優を導いてくれるのかというのが手に取るようにわかりましたので、それを1つの手掛かりになんとかやりきることができました」と語り、広瀬さんは、「少女だからこそ見える大人の方の言葉、行動、母への思いなど色んなものを客観的に見ていました。お母さん(斉藤由貴)が話す言葉を一字一句聞き逃さないように、ずっと話を聞いて、徐々にニュアンスが変わっていったり、どこか自分をかばうように話す姿を見て、また感情が生まれたりしていました」と撮影当時をふり返っていた。そして、快晴のレッドカーペット会場には、福山さんらキャストと監督をひと目見ようと、大勢の観客とマスコミ陣であふれた。「ドルチェ&ガッバーナ」のタキシードと「ジバンシィ(GIVENCHY)」のシャツ、「クリスチャン・ディオール(ChristianDior)」の靴に身を包んだ福山さん、「ジョルジオ・アルマーニ」のタキシードの役所さんとともに、広瀬さんは日本のブランド「WITH A WHITE」のエレガントな白いロングドレスにイタリアのブランド「ジュゼッペ・ザノッティ(GIUSEPPE ZANOTTI)」のハイヒールを合わせて登場。その姿にはイタリア人女性からも「カワイイー!」といった声もあがり、それぞれ、観客やメディアからの大歓声に応えて手を振ったり、ファンのサインに応じたりする様子が見られた。公式上映は、キャパシティ約1,030席が満席に。観客は是枝監督が描く緊迫感あふれるサスペンスに、息をのむように引きこまれた様子で、上映終了後には6分にも及ぶスタンディングオベーションが!福山さんらキャスト陣は手を振ってそれに応え、是枝監督はベネチア国際映画祭フェスティバルディレクターであるアルベルト・バルベーラと熱い握手を交わしていた。上映を終え、福山さんは「監督の作品を心待ちにしているファンの方、メディアの方のたくさんいらっしゃる」と感じたと言う。「上映が終わった瞬間、思っていたよりも早い段階から拍手が巻き起こって、すごく、良い届き方をしたな、と思いました。そのとき、監督がちょうど隣だったんですが、監督が僕の膝に手を置いてくださったんです」と明かす。「『監督が安堵されている!』と。でも、それが一番嬉しいことなんですよね。さっき移動の車で広瀬さんと話してたんですけど、『監督はやっぱり凄く可愛いよね』ということで、監督のあんな姿初めてみたと嬉しそうなんですよ、すずちゃんも」と語った。海外プレスからは、「すごい緊張感があって引き込まれた」「(俳優たちは)パーフェクトだった」「実際今回観た中で一番よかった」「俳優と監督のコラボとエンディングがよかった」といった声が聞かれた本作。本映画祭のコンペティション部門では、本作を含む計21本の中から最高賞「金獅子賞」を競い、結果は現地時間9日(日本時間10日午前1時から)の授賞式で発表される。『三度目の殺人』は9月9日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年09月06日現在開催中の「第73回ヴェネチア国際映画祭」コンペティション部門に出品され、称賛を浴びている「Arrival」(原題)の邦題を『メッセージ』とし、来年日本公開されることが決定した。突如地上に降り立った、巨大な球体型宇宙船。謎の知的生命体と意志の疎通をはかるために 軍に雇われた言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は、“彼ら”が人類に<何>を伝えようとしているのかを探っていくが――。本作は、『プリズナーズ』『ボーダーライン』などで独特の映像美と世界観が高く評価され、また『ブレードランナー』の続編も手掛ける、ヴィルヌーヴ監督のSF感動ドラマ。優れたSF作品に贈られるネビュラ賞を受賞し、映像化不可能と言われていたアメリカ人作家テッド・チャンによる短編小説「あなたの人生の物語」を原作に映画化している。キャストには、ルイーズ役に『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』のエイミー・アダムスのほか、『ミッション:インポッシブル』シリーズや『アベンジャーズ』のジェレミー・レナー、『ラストキング・オブ・スコットランド』のフォレスト・ウィテカーらが出演している。SFでありながら美しいほどのせつなさを秘めたその映画に、「美しく挑発的な寓話」(デイリー・テレグラフ紙)、「すばらしく巧妙な演出」 (デイリー・メール紙) とマスコミは大絶賛で、映画批評サイト「ロッテン・トマト」でも100%の高評価(9月7日現在)。また、9月10日に発表されるヴェネチア映画祭金獅子賞にも期待が高まっている。『メッセージ』は2017年、TOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年09月09日現在イタリアにて開催中の「第73回ヴェネチア国際映画祭」にて、9月9日(現地時間)、「PLANETARIUM」(原題)のワールドプレミアが上映され、本作で姉妹を演じたナタリー・ポートマン、リリー・ローズ・デップらが参加した。本作は、レア・セドゥ主演の『美しき棘』で監督デビューし、過去手掛けた長編2作品は、カンヌ国際映画祭の監督週間・ある視点部門とそれぞれ出品され、本作への期待も高い女性監督、レベッカ・ズロトヴスキが手掛けている。『スター・ウォーズ』シリーズ、『マイティ・ソー』などに出演するナタリーと、ジョニー・デップの愛娘で本年度のカンヌ映画祭の「ある視点部門」に出品された『ザ・ダンサー/The Dancer』で主人公を惑わすダンサー役で出演し、若干16歳の若さでカンヌデビューをしたリリーが、死者と交信ができる美しき姉妹を好演する。1930年代のフランス・パリを舞台に、ショービジネスに入り込んでいく世界をミステリアスに、そして美しい映像と共に描いた物語だ。この日、レッドカーペット&公式上映に、監督はエメラルドグリーン、ナタリーは純白、リリー・ローズは黒いドレスで登場。レッドカーペットでは、リリーとナタリーの息をのむ美しさで写真を撮る観客が周りに殺到し、時間がオーバーしてしまうという事態が発生。また、上映後は5分ほど拍手が鳴り止まず、写真を撮る人が再び殺到していた。記者会見でナタリーは「リリー・ローズとの競演はすばらしい体験だった、やさしく、プロ意識が高く、才能にあふれている女優さんです」とリリーを絶賛。さらにリリーも「この作品に呼んでもらえて本当にラッキーだった。ナタリーとはとても気が合って、姉妹のフリをする必要がなかった」と本当の姉妹のように演じられたと語った。そんなリリーは自身の役柄について「若い女優は大抵セクシーで魅惑的な役を演じることが求められる。私の役は子どもっぽいけど、特別なパワーを持っていて、大人が気づかないようなことも分かる。そうやって家族や姉を守っているの。これまでにない役柄よ」とコメントした。また、ナタリーは25年の女優人生で女性監督と働くことは初めてと告白。アメリカでは女性監督が活躍できる場がまだ少なく、今回のように多くの女性と仕事を出来たことを嬉しく思っているとも語っていた。『PLANETARIUM』(原題)は2017年、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年09月09日ペドロ・アルモドバルが製作し、2015年の第72回ヴェネチア国際映画祭で監督賞となる銀獅子賞に輝いた『エル・クラン』が、9月より日本で公開されることがこのほど、決定した。本作は、1983年にアルゼンチンで実際に起きた、裕福な普通の"家族"が世界を揺るがさせた事件を映画化したもの。周囲からも慕われる父と母、そして息子3人に娘2人の"プッチオ家"が幸せな暮らしをしていた折、金持ちの家を狙った高額の身代金事件が多発する。近所で不安が募る一方、変わらない生活を続けるプッチオ家。彼らの裏には隠された秘密が明らかになり、衝撃的なクライマックスが描かれる。ヴェネチアの銀獅子賞をはじめ、第10回アルゼンチンアカデミー賞では最多5部門(撮影、新人男優、美術、衣装、録音)を受賞する快挙を遂げ、本国アルゼンチンでは大ヒット映画『人生スイッチ』(15年)をオープニングで抜き、動員数300万人を記録。第30回ゴヤ賞のイベロアメリカ映画賞、第40回トロント国際映画祭でPlatform Prize特別賞、第32回マイアミ国際映画祭で観客賞を受けるなど世界の映画祭で評価されたほか、アメリカの映画批評家サイト「Rotten Tomatoes」でも90%の満足度を得ている。なお、銀獅子賞は、これまで北野武監督(『座頭市』)やキム・ギドク監督(『うつせみ』)、ポール・トーマス・アンダーソン監督(『ザ・マスター』)など各国を代表する監督たちが受賞。そして昨年、本作でメガホンを取ったアルゼンチンのパブロ・トラペロ監督が、その仲間入りを果たした。(C)2014 Capital Intelectual S.A. / MATANZA CINE / EL DESEO
2016年05月27日スペインの鬼才ペドロ・アルモドバルが製作を務め、2015年の第72回ヴェネチア国際映画祭にて監督賞にあたる銀獅子賞を受賞したアルゼンチン映画『エル・クラン』が、9月より全国公開されることになった。1983年、アルゼンチンの平和な街。裕福でご近所からも慕われるプッチオ家は父アルキメデスを筆頭に妻、息子3人、娘2人で幸せに暮らしていた。しかし、二男アレハンドロの学校の友達が誘拐され、姿を消してしまう。以降、彼らのまわりで、金持ちだけを狙った身代金事件が多発。犯人が捕まらず近所には不安な空気が流れる中、プッチオ家はいつもと変わらない生活をしていた。だが、ある夕飯の時間、アルキメデスは妻の作った料理を食卓ではなく、なぜか2階の奥にある鍵のかかった部屋へと運んでいく。この家族には、誰にも言えない秘密があった…。アルゼンチンで実際に起きた、ちょっと裕福な普通の“家族”が全世界を震撼させた事件を完全映画化した本作。製作を務めるのは、日本でも絶賛を受けたアルゼンチン映画『人生スイッチ』のプロデュースも記憶に新しいペドロ・アルモドバル。そして、本作で見事、ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(最優秀監督賞)に輝いたのは、パブロ・トラペロ。銀獅子賞といえば、過去に北野武監督(‘03/『座頭市』)やキム・ギドク監督(’04/『うつせみ』)、ポール・トーマス・アンダーソン監督(’12年/『ザ・マスター』)など、各国を代表する監督たちが受賞しており、44歳のアルゼンチンの俊英は名だたる監督の仲間入りを果たすことになった。さらに、本国で大ヒットした『人生スイッチ』をオープニング動員記録で抜き、300万人という驚異的な動員数で社会現象化。アルゼンチンアカデミー賞最多5部門受賞や、スペイン・ゴヤ賞イベロアメリカ映画賞受賞など、高い評価を受けている。一見、幸せそうな “プッチオ家”が抱える秘密と、誰もがぶっ飛ぶ(?)とんでもない結末を、ぜひ楽しみにしていて。『エル・クラン』は9月、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月27日シャネル(CHANEL)が「ヴェネチア保護のためのフランス委員会」を支援し、サンマルコ大聖堂の獅子像と、ゴールドの星が散りばめられたブルーのモザイクのペディメントを修復した。最愛の恋人であるボーイ カペルを不慮の事故で亡くしたマドモアゼル・シャネルが、知人に連れられて訪れた街、ヴェネチア。8月19日しし座の下に生まれたマドモアゼル・シャネルは、獅子をシンボルとするこの街に吸い寄せられていった。獅子は宮殿のペディメントや扉、石造など、ヴェネチアの至るところで見ることが出来るモチーフであり、クリエーションの中でも、スーツのボタンやハンドバッグのクラスプなどにエンブレムとして繰り返し取り入れられている。今回のサンマルコ大聖堂の獅子像とモザイクのペディメントの修復は、シャネルとヴェネチアを結ぶ深い絆によって実現された。何世紀もの間、大聖堂の正面の馬の像の上に君臨してきた獅子像は、金メッキされた銅のシートを金属のフレームに固定した、複数のパーツで構成されている。今回の修復では、それらを洗浄してやすりで磨き、金メッキコーティングを三層重ねて施し、最後にワックスの保護コーティングをした。また、獅子像の後ろにある星モチーフを全面にあしらったモザイクも修復した。この修復作業では、塩分で劣化したモザイクの各ピースをひとつひとつ取り外して徹底的に洗浄。ダメージを与える物質を取り除いた。ブルーのテッセラタイル600個と、ゴールドのテッセラタイル200個が取り替えられている。
2015年12月10日9月2日(現地時間)より開催中の第72回「ヴェネチア国際映画祭」。今年は残念ながら、コンペなど主要部門に日本映画の出品はないが、ジェイク・ギレンホール(Jake Gyllenhaal)主演のオープニング上映作『エベレスト3D』を始め、ハリウッドスターの出演作がラインナップされ、レッド・カーペットは今年も華やかなものとなった。夫のジョニー・デップ(Johnny Depp)と共に、それぞれの出演作上映に合わせてやって来たアンバー・ハード(Amber Heard)は、まずジョニー主演の『ブラック・スキャンダル』の公式上映でツーショットを披露。ここでは夫を立てて、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)のシンプルなドレスに身を包み、髪も自然なダウン・スタイルだったが、翌日に行われた自身の出演作『The Danish Girl』(原題)の公式上映ではアレクサンダー・マックィーン(Alexander McQueen)の花柄ストラップレスのドレスで登場し、髪もアップに結い上げ、ハリウッドスターのオーラ全開だった。同作主演のエディ・レッドメイン(Eddie Redmayne)の妻、ハンナ・バグショー(Hannah Bagshawe)もアレクサンダー・マックィーン(Alexander McQueen)のヌードカラーのロングドレスを着こなした。同じく出演者のアリシア・ヴィカンダー(Alicia Vikander)はルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)のロングドレス。丁寧な刺繍が施されたクラシックなスタイルで清楚なイメージを醸し出していた。また、昨夏に東京ロケも行われた『Equals』(原題)が上映されたクリステン・スチュワート(Kristen Stewart)は、シャネル(Chanel)のシルバーのドレス。ポイントはレースをあしらったアシンメトリーな裾。フォトコールでも、自身がミューズを務めるシャネルを着用していた。『A Bigger Splash』(原題)のダコタ・ジョンソン(Dakota Johnson)は公式上映にはマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)、フォトコールではロダルテ(Rodarte)のワンピース。黒にポピーの花柄、チャイナカラー、とオリエンタル・テイストのディテールが目を引いた。ダコタは『ブラック・スキャンダル』の公式上映ではプラダ(Prada)のパウダーピンクのドレスでフローレスなスタイルも披露した。映画祭は12日(現地時間)まで開催。これから参加予定の女優たちの装いにも注目が集まりそうだ。
2015年09月07日2日(現地時間)から始まった第72回ヴェネチア国際映画祭に、ジョニー・デップとアンバー・ハード夫妻がそろって参加。レッド・カーペットを歩いて久々に公の場に姿を見せた。2人は4日、ジョニーの主演作『ブラック・スキャンダル』の公式上映に登場、レッド・カーペットを歩くときも顔を寄せ合うなど、仲むつまじい様子を見せた。翌5日、映画祭のコンペティション部門に出品作でエディ・レッドメイン主演の『The Danish Girl』(原題)が上映され、今度は同作に出演しているアンバーをジョニーがエスコート。カーペット上でアンバーがジョニーの頬に手を添えて、熱烈なキスをする一幕も。2月に挙式して以来、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ最新作の撮影中のオーストラリアでジョニーの負傷や愛犬の入国手続き不備など、トラブルが続いていた夫妻だが、夫婦の仲は極めて円満なようだ。(text:Yuki Tominaga)
2015年09月07日映画監督・写真家の長谷井宏紀が、ヴェネチア映画祭「カレッジシネマ部門」にて日本人として初めて選出されたことが発表され、イタリア・フィリピン合作で製作される長編映画『BLANKA』(仮)で長編映画監督デビューを果たすことが決定した。ヴェネチア映画祭の「カレッジシネマ部門」は、世界中から新人映画監督を発掘し育成するプロジェクトで、今年は世界中から約400ほどの応募があり、12企画(イギリス、イタリア、フランス、ポルトガル、ブルガリア、スリランカ、ニュージーランド、アルゼンチン、ブラジル、ブルガリアなど)が選ばれ、最終選考では3つのプロジェクト(イタリア、ポーランド、アメリカの企画)に絞られた。この3作品は、ヴェネチア・ビエンナーレとヴェネチア国際映画祭より出資を受け製作されることが決定。2015年9月のベネチア映画祭にてプレミア上映が行われる予定となっている。これまで、世界各国の映画や映画祭で活動する一方、CHARAや「THE BACK HORN」などのミュージックビデオなども手掛けるなど、幅広いフィールドで活躍してきた長谷井さん。今回の『BLANKA』(仮)では、脚本・監督を務め、現在イタリア人プロデューサのフラミーニョ・ザドラ(ドルジェ・フィルム)と制作に入っているとのこと。作品自体は、フィリピン・マニラの路上で生きる子どもたちを主人公としたロードムービーとなるようで、すべてストリート・キャスティングで俳優を採用するとのことだ。(text:cinemacafe.net)
2014年11月28日27日(現地時間)に豪華な結婚式と披露宴を行なったジョージ・クルーニー&アマル・アラムディン夫妻が29日(現地時間)、イタリア・ヴェネチアの市役所に婚姻届を提出、人前結婚式を挙げた。混乱を避けるため、地元当局は当日12時から14時まで市役所周辺の交通を規制。厳重な警備体制の中、ジョージはグレイのスーツ、アマルさんはウエストに濃紺のアクセントのついたクリーム色のパンツルックにつばの広い帽子で水上タクシーに乗って市役所に到着。10分ほどで人前結婚式を済ませて、再び水上タクシーに乗って現場をあとにした。27日の結婚式に続いて、元ローマ市長のウォルター・ヴェルトローニ氏が式を執り行い、ジョージの長年の友人でヴェネチアのボート運転手のアレッサンドロ・グレコ氏が立会人を務めた。「People.com」によると、市役所前につめかけた大勢のファンたちから結婚した感想を聞かれたジョージは一言「ナイス!」と答えたそうだ。(text:Yuki Tominaga)
2014年09月30日ジョージ・クルーニーが27日(現地時間)、イタリアのヴェネチアで弁護士のアマル・アラムディンさんと挙式した。結婚式はヴェネチアに昨年オープンしたばかりのラグジュリー・ホテル「アマン・カナル・グランデ」。ジョージの親友であるマット・デイモン夫妻、シンディ・クロフォード&ランディ・ガーバー夫妻、エミリー・ブラント&ジョン・クラジンスキー夫妻、「U2」のボノやビル・マーレイ、アメリカ版「VOGUE」編集長のアナ・ウィンターらが出席した。53歳のジョージは21年前に女優のタリア・バルサムと離婚して以来、美女との恋愛が途切れたことはなかったが、結婚はおろか婚約することもなかったが、昨年イタリアでアマルさんと知り合い、10月頃からツーショットが目撃されるようになったが、当初は恋愛関係を否定。だが、今年2月にはホワイトハウスでジョージの監督・主演作『ミケランジェロ・プロジェクト』が特別上映された時もアマルさんと出席、メキシコやアフリカのタンザニアなどへ一緒に旅行に出かけるなど、オープンな交際を続け、4月に婚約した。結婚式は2人の友人で元ローマ市長のウォルター・ヴェルトローニ氏によって執り行われた。「US Weekly.com」によると、続いてディナーが始まり、ロブスターやレモンリゾットが饗された。その後はダンスタイム。ブロンディやジャクソン5からダフトパンクまで、主役2人それぞれの世代を網羅する選曲で宴は明け方まで続いた。めでたく夫婦となった2人は、29日にも披露パーティを予定していて、ヴェネチア市当局は当日正午から午後2時まで視聴者周辺の通行を規制すると発表している。(text:Yuki Tominaga)
2014年09月29日神奈川県箱根町の「箱根ガラスの森美術館」では、現在、「ヴェネチア仮面祭り~Il Mondo Nuovo ─ヴェネチアン・マスクが誘う新たな世界~」を開催している。期間は4月14日(日)までの予定。同イベントでは、冬のヴェネチアで行われてきたカーニバルを背景に、大きな発展を遂げた仮面とヴェネチアン・グラスについて、「祝祭都市ヴェネチアの職人たち」、「仮面から生まれた新たな演劇」、「描かれた仮面と人々」という三部構成で紹介する。「祝祭都市ヴェネチアの職人たち」では、仮面をつけて仮装するカーニバルが流行し始めた15世紀から、カーニバルの全盛期を迎える18世紀頃までのヴェネチアン・グラスの名品を中心に展示。「仮面から生まれた新たな演劇」では、16世紀イタリアで生まれたコメディア・デラルテと呼ばれる仮面を用いた喜劇を題材に作られたヴェネチアン・グラスの人形作品を展示する。さらに「描かれた仮面と人々」では、ヴェネチア派を代表する画家、ピエトロ・ロンギの複製画やヴェネチアの祝祭行事を描いた画家、ガブリエル・ベッラの複製画を展示し、当時のカーニバルの様子とともに、それにちなんだヴェネチアン・グラスの作品を紹介している。また、ヴェネチアで作られたフルフェイス、ハーフマスク、羽根つきタイプや、ピエロやピノキオ、猫などの仮面と色とりどりのマントのほか、子ども用の仮面とマントも多数用意されており、期間中は無料貸し出しも行っている。開館時間は9時00分から17時30分(入館は17時00分まで)で、年中無休。入館料金は、一般大人1,300円、大高生1,100円、小中生800円。同館のサイトでそれぞれ100円割引となる割引チケットを入手できる。駐車場は、隣接の有料駐車場が150台収容可能で、普通車1日300円、同館より徒歩5分の第二駐車場が100台収容で無料。なお、ペットの同伴は遠慮してほしいとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年01月17日『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』で世界を沸かせたポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作『The Master』(原題)。現在開幕中の第69回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門にて9月1日(現地時間)、本作のワールド・プレミアが行なわれ、アンダーソン監督を始め、主演のホアキン・フェニックスに共演のフィリップ・シーモア・ホフマンらが出席し盛大な拍手とスタンディング・オベーションで迎えられた。ネット上で囁かれているあのうわさにも言及するシーンもあり、会場をおおいに沸かせた。第二次世界大戦で心に深く傷を負った兵士(ホアキン・フェニックス)が帰国後、偶然新興宗教の“マスター”ランカスター・トッド(フィリップ・シーモア・ホフマン)に出会い、セッションを通して深く取り込まれていく様子を描く本作。カルト的な宗教団体の姿を通して、心の傷と信仰というテーマに挑んだ137分に及ぶ問題作である。主演のホアキンとフィリップの見ごたえのある演技合戦に早くも男優賞候補の声があがり、今年の賞レースを賑わせる一作として高い注目を集めている本作。さらに、トム・クルーズが熱心な信者であることで知られる実在の宗教団体・サイエントロジーをモデルとしているといううわさがネット上で連日騒がれており、この日の会場には入りきれないほどのマスコミ陣が詰めかけた。アンダーソン監督は、「現在のサイエントロジーについてはあまり知らないが、初期の頃のことは知っている」と前置きしつつ、トム・クルーズにも作品を見せたことを認めた。しかし、トムの感想については「あとのことは僕らだけの話。でも彼とはいまも友人だよ」と笑って答えていた。口下手なホアキンは役づくりに関する質問にも「よく分からない」と言葉を濁し、途中で一瞬姿を消すなど、挙動不審な一面も。一方、フィリップはレッドカーペットでの観客のサイン攻めに笑顔で応える紳士な一面を覗かせていた。『The Master』は2013年春、全国にて公開。第69回ヴェネチア国際映画祭は9月8日(現地時間)までイタリア・ヴェネチアにて開催。■関連作品:The Master (原題) 2013年春、全国にて公開
2012年09月04日8月29日(現地時間)より開幕中の第69回ヴェネチア国際映画祭で8月30日(現地時間)、日本人監督として公式上映第1号となる黒沢清のドラマ「贖罪」が特別招待部門にて上映された。この日の上映のためにドラマ全5話分を再編集した4時間半にも及ぶ力作を引っさげ黒沢監督も単身現地入りし、ヨーロッパ中から集まった映画人に向けて思いの丈を語った。ベストセラー小説「告白」の原作者として知られる湊かなえの同名小説を原作に、主演・小泉今日子、各エピソードに蒼井優を始め池脇千鶴、小池栄子、安藤サクラという豪華女優陣を迎え、今年1月にWOWOW連続ドラマ枠で放送された本作。とある田舎町で起きた美少女殺人事件の被害者の母親が、事件当時、娘と一緒に遊んでいた4人の少女たちに“償い”を課していく。『トウキョウソナタ』や『アカルイミライ』など、幾度となく監督作を引っさげ海外の映画祭の数々に参加してきた黒沢監督だが、インターナショナル版として再編集されたものとは言え、ドラマ作品を携えての参加はこれが初めて。「撮影をした当時は、テレビや映画を意識して撮ってはいなかったので正直、このように映画として世に出ることになったことはとても嬉しく思っています。本作を正式出品作として、この長尺にも関わらず選んでくれたヴェネチア国際映画祭は寛大で冒険的な映画祭だと、改めて懐の広さに感激しています」と感謝の思いが口を突いて出た。また、本作の製作に至った経緯を「湊かなえさんの作品はとても女性的で、主な読者も女性なんだと推測しますが、男性の私にとってはあまりなじみもない原作と思いながらも、とても楽しんで作ることができました」と語る黒沢監督。「特に前作の『トウキョウソナタ』でご一緒していた小泉さんと香川さんの再競演など、その2人が演じてくれているそのエピソードにも思い入れがあり、この映画は私自身の過去作品の“その先”を探り出すような思いで作ることができました」。最後に、外国人記者から「個人と社会を対立させるということが軸になっている小説を基に作られていると理解しているが、なぜ日本の社会ではこの映画のように個人の存在が社会と対立するような事件が起こるのか?」という映画祭ならではの質問が飛んだ。これに対して監督は「日本に住んでいる自分でも分からない。日本の社会構造には、新聞や報道で見えてくるものとは異なるものが隠れていると思う」と率直な言葉で見解を述べた。上映後、会場内にいた黒沢監督に向けて盛大なスタンディング・オベーションが贈られ、海外の映画祭経験が豊富な黒沢監督も今回の上映には大きく胸を揺さぶられていた様子だった。第69回ヴェネチア国際映画祭は9月8日(現地時間)までイタリア・ヴェネチアにて開催。■関連作品:リアル~完全なる首長竜の日~ 2013年初夏、全国東宝系にて公開
2012年08月31日第68回ヴェネチア国際映画祭で最優秀新人俳優賞にあたる「マルチェロ・マストロヤンニ賞」を受賞した『ヒミズ』の完成披露試写会が、12月22日(木)、東京・日比谷の東商ホールで開催され、同賞受賞の栄冠に輝いた染谷将太と二階堂ふみを始め、共演の渡辺哲、でんでん、メガホンを取った園子温監督が舞台挨拶を行った。実は染谷さんと二階堂さんは、同賞を受賞後、一度もトロフィーを目にしたことがなかったといい、この日が初めてのご対面。「感無量です。これからも頑張ります!」(染谷さん)、「感謝の気持ちでいっぱいです。撮影中に監督から『頑張れば、レッドカーペットだって歩けるんだぞ』と言われて、実際に(ヴェネチアで)歩いてみるとしみじみした」(二階堂さん)と喜びを再確認した。舞台挨拶には、なんと作品のモチーフでもあるヒミズ(トガリネズミ目モグラ科)も登場。体長わずか10センチということで、客席からその姿は確認できなかったが、染谷さんらは興味津々の様子だった。“普通の人生”を望む男子中学生の住田祐一(染谷さん)と、愛する人と守り守られ生きることを望む茶沢景子(二階堂さん)。そんな2人の願いは、ある事件をきっかけに奪われてしまい、“普通”とは程遠い青春を強いられることに…。現代を生きる若者の心の闇と、そこから抜け出そうとするパワーが、園監督ならではの力強いタッチで描かれる。原作は2002年まで「ヤングマガジン」(講談社刊)で連載された古谷実の同名人気コミックス。東日本大震災を受けて「2011年のリアルを描くため」(園監督)、ラストの変更と被災地でのロケが行われた。染谷さんは、あらゆる暴力にさらされた現場を「はたから見れば戦場に見えたはず」。それでも「確かに痛いなって思う瞬間はあったが、心に響く痛みだったから、演じるのは楽しかった」と満足そうにコメント。一方の二階堂さんも「現場はいい意味でピリピリしていた。原作が大好きだったし、出演が決まったときは怖さもあったが、現場の空気に触れることで怖さはなくなった」とふり返る。そんな2人に対して、園監督は「自分の限界を勝手に決めずに、もっと頑張れるはずというパワーを感じた。日ごとに大きくなり、自由を獲得する姿は本当に嬉しかった」と誇らしげな表情を浮かべていた。フレッシュな2人の対極にある、いぶし銀の演技を披露する渡辺さんと、でんでんさん。「二階堂さんがひどい目に遭っていて、本当にかわいそうだなって思いましたよ」(渡辺さん)、「2人ともピュアできれいな目をしている。大きく世界に羽ばたいて、そんときは、おじさんも一緒に連れてってよ」(でんでんさん)とベテランらしい温かな眼差しを送っていた。『ヒミズ』は2012年1月14日(土)より新宿バルト9、シネクイントほか全国にて順次公開。■関連作品:ヒミズ 2012年1月14日より新宿バルト9、シネクイントほか全国にて順次公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:衝撃の青春感動作『ヒミズ』夫婦&カップル限定試写会に35組70名様をご招待ヴェネチア国際映画祭で喝采!『ヒミズ』レビュアー限定試写会に15組30名様ご招待山田孝之はロールキャベツ男子!?司会者の珍発言に本人苦笑い園子温&神楽坂恵が婚約を改めて報告「私の“恋の罪”でお騒がせして」と照れ笑い海外での活躍に期待する俳優は?「acteur」最新号を5名様にプレゼント
2011年12月22日染谷将太と二階堂ふみが、第68回ヴェネチア国際映画祭 最優秀新人俳優賞W受賞した、2012年新春最大の話題作『ヒミズ』の試写会が、2011年12月26日に開催される。『ヒミズ』ブロガー限定試写会日程:12月26日(月)時間:18:00開場/18:30開映場所:日本教育会館一ツ橋ホールご招待数:15組30様※感想をブログに書き込んでいただける方限定とさせていただきます。応募〆切は12月11日。魂を揺さぶる衝撃の青春感動作を、先行鑑賞できるこのチャンスを、お見逃しなく。 『ヒミズ』ブロガー限定試写会に応募する
2011年11月22日第68回ヴェネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人俳優賞)に輝いた『ヒミズ』の染谷将太と二階堂ふみが9月11日(日)、都内で会見を行い、受賞の喜びを語った。「行け!稲中卓球部」で知られる古谷実の原作を『冷たい熱帯魚』の鬼才・園子温が映画化した本作。ヴェネチア国際映画祭ではコンペティション部門に出品され、公式上映では8分間ものスタンディングオベーションが起こった。イタリアが誇る名優の名を冠した新人俳優賞を受賞した2人だが、まだ実感が伴わない様子。「いまもまだフワフワしています」(染谷さん)、「染谷くんからの電話で知りましたが、いまでもウソとしか思えない」(二階堂さん)と心境を語った。現地の反応については「スタンディングオベーションが初体験でした。(劇中の)『ガンバレ、スミダ』という日本語のセリフで声を掛けてもらいました」と染谷さん。二階堂さんは「拍手がずっと止まらなくてウルウル来てました。『ガンバレ』という言葉と拍手が一番心にきました」とふり返った。オーディションを経ての園監督の現場について染谷さんは「監督は段取りの後、テストなしで、ぶっつけ本番で撮影するんですが、いままでで一番、自由にやらせてもらった」と明かす。一方の二階堂さんは、リハーサルで監督から「(100点満点で)4点」とこき下ろされたこともあったとか。「次のリハでは笑顔で『よかったよ。12点』と言われました(苦笑)。60点を目指していたのでそう言ったら『60点に限りなく近い12点だ』って(笑)。優しい、愛のある監督でした」と語った。東日本大震災の発生を受けて監督は脚本を変更。原作とは異なる結末が描かれることになった。このラストについて染谷さんは「感動しました」と語り、「監督が『希望に負けた。希望を持たざるを得なくなった』とおっしゃっていて…。人間はどこかで希望を見つけ、すがるもの。それが描かれていると思います。僕らはこのラストに対して前向きでした」と胸の内を明かしてくれた。さらに撮影最終日には被災地でも撮影が行われたが、被災地に足を踏み入れた染谷さんは「それまで、どういう心情になるか想像できなかったんですが言葉が出ず、頭の中が真っ白になりました」と衝撃を語る。さらに「ここである意味、記憶が塗り替えられた」という監督の言葉を紹介し、「監督が決意しなかったらありえなかった映像を、海外の映画祭に持って行けたことを誇りに思います」と語った。二階堂さんは「震災を受けて立ち上がっていく同世代の人々への『頑張れ』という思いがあるのではと感じています」と今回の受賞を受け止め「魂のこもった作品なので、そのままの自分で、素直に感じ取ってもらえたら」と同世代の若者たちへの思いを語った。『ヒミズ』は2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開。■関連作品:ヒミズ 2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:第68回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞はソクーロフ監督に。日本映画人も健闘園子温監督、震災後に『ヒミズ』シナリオ変更し被災地で撮影していたことを明かす窪塚洋介、鈴木杏が『ヒミズ』で園子温作品初出演!西島隆弘&吉高由里子も再びヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!『冷たい熱帯魚』の衝撃再び?『ヒミズ』に吹越満、でんでんら“園組”が勢揃い
2011年09月12日8月、9月は映画祭の連続!18日(現地時間)開幕のモントリオール世界映画祭に、世界で最古の映画祭であるヴェネチア国際映画祭、さらに9月の上旬から中旬にかけて開催のトロント国際映画祭と歴史と権威を持つ映画祭が目白押し。日本から出品された作品の受賞はもちろん、今後の賞レースの行方を占う上で話題の洋画もチェックしておきたいところ。もちろん、スターの来場も見逃せない!さてさて、今年の要チェック作品は――?まずは最も古い歴史を持ち、カンヌ、ベルリンと並んで世界三大映画祭のひとつに数えられるヴェネチア国際映画祭。今年はジョージ・クルーニーがメガホンを握り、ライアン・ゴズリングが主演を務める『The Ides Of March』(原題)がオープニングを飾る。三大映画祭の中でも日本をはじめアジア映画と相性が良いと言われるヴェネチア。日本からは今回、園子温監督の『ヒミズ』がコンペティション部門に出品されている。前作『冷たい熱帯魚』が同映画祭のオリゾンティ部門に出品された園監督。今回は金獅子賞に期待がかかる。そのほか日本からはコンペティション部門ではないものの清水崇監督の新感覚ホラー『ラビット・ホラー3D』、すでに日本で公開中のジブリ最新作『コクリコ坂から』も上映。オリゾンティ部門にも個性的な邦画が出品。世界的な名匠アミール・ナデリがメガホンをとり、西島秀俊、常盤貴子らが参加した『CUT』がオリゾンティ部門のオープニングを飾るほか、監督・塚本晋也×主演Coccoによる『KOTOKO』、平林勇監督によるアニメーション映画『663114』も同部門にて上映される。西島さんにとっては北野武監督作『Dolls』以来9年ぶりのヴェネチア。2003年には『地球で最後の2人』で浅野忠信が同部門の男優賞に輝いており、先鋭的、革新的な新しい才能を評価するオリゾンティ部門にも要注目。邦画以外では、ロマン・ポランスキーの最新作でケイト・ウィンスレット、ジョディ・フォスター、クリストフ・ヴァルツといった実力派が顔を揃えた『Carnage』(原題)、キーラ・ナイトレイが主演を務めるデヴィッド・クローネンバーグ監督作『A Dangerous Method』(原題)などがコンペティション部門に出品される。さらにコンペ外にも著名な監督の作品、実力派俳優が自らメガホンを握った作品が並ぶ。マドンナの監督第2作となる『W.E』(原題)にアル・パチーノ監督作『Wild Salome』(原題)、フランシス・フォード・コッポラ監督の『Twixt』(原題)など楽しみな作品ばかり。ブラッド・ピット主演で話題の『マネーボール』(原題)にジョセフ・ゴードン=レヴィット&セス・ローゲン共演作『50/50』などスター出演作も見逃せない。華やかなレッドカーペットの盛り上がりも楽しみだ。幕を開けたばかりの第35回モントリオール世界映画祭には、日本からはさだまさし原作の小説を岡田将生、榮倉奈々をキャストに迎えて映画化した『アントキノイノチ』、役所広司、樹木希林、宮崎あおいという実力派キャスト共演の『わが母の記』がワールド・コンペティション部門にノミネート。そのほか、山村浩二監督の短編アニメ『マイブリッジの糸』が短編映画のコンペティションに、板尾創路監督第2作『月光ノ仮面』がフォーカス・オン・ワールド・シネマ長編部門に出品されている。また第二次世界大戦直後のブラジルを舞台に、日系移民の闇を描き出すブラジル映画『DIRTY HEARTS』がコンペティション部門にノミネートされているが、本作で伊原剛志が海外映画初主演を務めており、常盤貴子、奥田瑛二、余貴美子らも出演している。また、同じくカナダで開催されるだ第36回トロント国際映画祭には先述の通りヴェネチアにも出品される『ヒミズ』に『CUT』(原題)、『KOTOKO』に加え、妻夫木聡主演の『スマグラーおまえの未来を運べ』も出品。ノンコンペティションで観客の投票による「観客賞」が実質的な最高賞となるが、2006年に奥田瑛二監督の『長い散歩』、2008年の『おくりびと』がグランプリを受賞したほか、2009年には『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』の根岸吉太郎監督が監督賞を受賞し、昨年は『悪人』で深津絵里が主演女優賞に輝いており、邦画勢の受賞なるか楽しみなところ。アカデミー賞の行方を占う上でも重要な意味を持っており邦画、洋画ともに注目が集まっている。モントリオール世界映画祭は8月18日〜28日、ヴェネチア国際映画祭は8月31日〜9月10日、トロント国際映画祭は9月8日〜9月18日の期間にて開催。■関連作品:アントキノイノチ 2011年11月19日より全国にて公開© 「アントキノイノチ」製作委員会スマグラーおまえの未来を運べ 2011年10月22日より全国にて公開© 真鍋昌平・講談社/2011「スマグラーおまえの未来を運べ」製作委員会月光ノ仮面 2012年1月14日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 「月光ノ仮面」製作委員会マネーボール (原題) 2011年11月11日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2011 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.コクリコ坂から 2011年7月16日より全国東宝系にて公開© 2011 高橋千鶴・佐山哲郎・GNDHDDTラビット・ホラー3D 2011年9月17日より全国にて公開© 「ラビット・ホラー」製作委員会2011 わが母の記 2012年、全国にて公開© 2012「わが母」製作委員会CUT 2011年公開ヒミズ 2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:ブランジェリーナ、『ハリポタ』に夢中の子供たちと列車チャーターの旅冒頭でいきなり全裸…?岡田将生の様々な表情に注目の『アントキノイノチ』予告編榮倉奈々、岡田将生は「小学生」!?「もう22歳なんですけど」と本人苦笑岡田将生×榮倉奈々を絶賛!『アントキノイノチ』がモントリオールへ『ハリポタ』V2でシリーズ1,000億超えか?全米ではあのアメコミ映画が1位に
2011年08月19日開催中のヴェネチア国際映画祭において、昨年に続いて2度目の試みとなる「3D映画部門」のグランプリ発表に、この部門の審査委員長を務める清水崇監督が登場!つい2日前にクランクアップしたばかりの新作3Dホラー『ラビット・ホラー3D』の一部が会場で上映され、喝采を浴びた。昨年の映画祭では、新設されたこの部門のプレゼンターを務めた清水監督だが、今年は審査委員長に就任。映画祭エグゼクティブ・ディレクターのマルコ・ミューラーの紹介を受けて威厳たっぷりに登場!…と思いきや、清水監督は新作に登場するウサギの被り物を着けたまま姿を現し、これには現地の観客は大喜び!フッテージ上映された『ラビット・ホラー3D』は、いまだスタッフさえも観ていないというもので、正真正銘に“世界初上映”。世界的な撮影監督クリストファー・ドイルをスタッフに迎え、満島ひかり、香川照之、大森南朋といった実力派キャストで描く3Dホラーで、夜な夜な現れる不気味なウサギの着ぐるみと退治する姉弟の姿を描いている。まだVFXなどが全く施されていないながらも、スリルに満ちあふれた映像に、客席からは拍手がわき起こった。そして、「3D映画部門」の発表。15本のノミネート作品の中から清水監督をはじめとする審査員たちが選んだのは『アバター』と『ヒックとドラゴン』の2本。異例の2作同時受賞について清水監督は「全く違う視点で作られているのが面白い」と説明。さらに3D映画の今後について「数年前までは自分も3Dにさほど興味があったわけではなかった。だが、実際に自分で作ってみて、考えを改めた。しかもそんな新しい分野をこの世界で最も歴史ある映画祭がいち早く取り上げたこと、それ自体が映画の可能性を示している。3Dというといまだにどうしても『こけおどしの子供向け』というイメージが強いが、それが変わってほしいと思う。今後もクリエイターとして、技術に操られるのではなく、技術を使って素晴らしい映画を作って行かなければという気にさせられた」と決意と共にその可能性の広がりを訴えた。ちなみに、会場にはホラー映画巨匠ダリオ・アルジェントも姿を見せ、清水監督と握手を交わした。『ラビット・ホラー3D』の日本公開は2011年を予定。■関連作品:ヒックとドラゴン 2010年8月7日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved. アバター 2009年12月23日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2009 Twentieth Century Fox. All rights reservedラビット・ホラー3D 2011年公開予定第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:『十三人の刺客』にスタンディングオベーション7分!金獅子に三池監督手応えアリ?三池崇史監督、SMAP稲垣の“悪役”起用を説明『ラビット・ホラー3D』撮影終了!「怖いのは苦手」な満島ひかり、リアル恐怖体現劇中では赤ジャージのカトリーヌ・ドヌーヴ、華麗なドレスでヴェネチア降臨清水崇が満島ひかり×香川照之×大森南朋で3Dホラー再挑戦!ヴェネチアで一部を上映
2010年09月11日開催中の第67回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品されている、カトリーヌ・ドヌーヴ主演の『しあわせの雨傘』の記者会見および公式上映が、9月5日(現地時間)夜、開催された。2002年のベルリン国際映画祭で、8人の女優たちに銀熊賞が贈られるという前代未聞の快挙を成し遂げた『8人の女たち』以来となる、フランソワ・オゾン監督とドヌーヴのタッグによる本作。ドヌーヴは、夫が心臓発作で倒れたことで、雨傘工場を切り盛りせねばならなくなったブルジョワ階級の人妻を演じており、朝のジョギングが日課ということで、劇中、赤いジャージ姿も披露している。オゾン監督は「この作品で描いているテーマは『ひとりの主婦が色々と問題を乗り越えて、自分の居場所を見つける』という、とても普遍的で現代に通じるもの。全体的にはコメディ・トーンで描いたが、リアリティもとても重要だと感じていたので、ドヌーヴが演じるキャラクターが観客にとって共感できるものになるように彼女と話し合ったよ。結果、メロドラマ的要素と笑いの要素とが上手く融合した作品に仕上がっていると思う」と自信をのぞかせる。つい先日、“飾りモノ”を意味する『POTICHE(ポティッシュ)』という原題から、『しあわせの雨傘』という邦題が決定したばかりだが、オゾン監督はこの邦題についても「(ドヌーヴが出演した名作)『シェルブールの雨傘』にかけて、『しあわせの雨傘』と決めたそうだけど、これを私はとても気に入っている。とてもポエティックで美しいタイトルだと思う」と機嫌よく答えた。ドヌーヴは「若いときに何をしたいか分からなかったり、自分が思っているのと違った形で人から受け取られたりもしたけど、これまで自分が“POTICHE=飾りモノ”という存在だったことはないと思う。でも、いまだに男女平等かと聞かれると、そうじゃない部分が多いから、女性の地位向上のために協力していきたいと思う。私は自分のことをコメディ女優だとは思っていないけど、コミカルな役を演じるのは大好き!気持ちがいいわ。劇中で歌うのも、演技とはまた違った面白さがあって楽しい。この作品で劇中で歌うのが最後の機会にならないことを願うわ(笑)」と笑顔で語った。先述のように劇中では微妙な赤ジャージ姿のドヌーヴだが、この日の会見では別人のような真っ白なワンピース、さらにレッドカーペットではゴージャスなドレープの黒いドレスをまとい、大女優の貫禄を見せつけた。『シェルブールの雨傘』を彷彿とさせる色とりどりの傘、そして涙あり笑いありの人生賛歌に観客の反応は上々のよう。日本から出品されている『ノルウェイの森』、『十三人の刺客』にとっては、現地で高評価の『SOMEWHWRE』(原題)に続き、また強力なライバルが増えたと言えそう。『しあわせの雨傘』は日本では正月第2弾でTOHOシネマズ シャンテ、新宿ピカデリーほか全国にて順次公開。■関連作品:しあわせの雨傘 2011年正月第2弾TOHOシネマズ シャンテ、新宿ピカデリーほか全国順次公開© Mandarin Cinema 2010第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:清水崇が満島ひかり×香川照之×大森南朋で3Dホラー再挑戦!ヴェネチアで一部を上映『ノルウェイの森』に強敵出現ソフィア・コッポラ新作に喝采!現地紙は最高点『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」ヴェネチア国際映画祭開幕!ナタリー・ポートマン、過激なシーンも「覚悟してたわ」
2010年09月06日清水崇監督が、満島ひかり、香川照之、大森南朋らを起用して最新作となる3D作品『ラビット・ホラー3D』を製作!その一部映像が開催中の第67回ヴェネチア国際映画祭にて上映されることが明らかになった。“3D元年”と言われる2009年、アジア圏初の長編デジタル3D作品となる『戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH』を世に送り出した清水監督。その功績もあって現在開催中のヴェネチア国際映画祭の「3D映画部門」の審査委員長を務めることが先日発表されたが、このタイミングで3Dによる最新作のニュースが飛びこんできた。主演を務めるのは昨年、各映画賞における新人女優賞を総なめにし、今年に入っても次々と話題作への出演が続く満島ひかりと、言わずと知れた日本映画界を代表する演技派・香川照之。さらに、大森南朋、緒川たまきらが癖のある役どころで登場するという。気になるストーリーだが、物語自体が“3D”をモチーフにしている。流行りの3D映画を鑑賞しているとなぜか突然スクリーンからウサギのぬいぐるみが飛び出してくる。それを受け取ってしまったことから始まる“恐怖”が描かれる。本作では、つい先日パナソニックが出荷を開始したばかりの一体型二眼式3Dカメラレコーダー「AG-3DA1」を使用。そして、作品の映像美を担うカメラマンとして、『恋する惑星』など一連のウォン・カーウァイ作品や『レディ・イン・ザ・ウォーター』に参加し、世界的な名声を集めるクリストファー・ドイルが参加している。本作の撮影は9月8日(水)まで続けられ、その後、清水監督はヴェネチアへと出発。映画祭の「3D映画部門」のセレモニーの場で、本作のフッテージ上映が行われる。なお、このイベントには映画祭の審査委員長を務めるクエンティン・タランティーノ監督も出席するとのこと。清水監督の『呪怨』のファンを公言するタランティーノはどのような感想を漏らすのか――?旬の俳優陣と最高の機材、一流のカメラマンを得て、ジャパニーズ・ホラーの旗手がどのような恐怖を3Dで描き出すのか?注目が集まる。『ラビット・ホラー3D』は2011年公開予定。■関連作品:戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH 2009年10月17日新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開© ショック・ラビリンス・フィルム・コミッティ2009第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:『ノルウェイの森』に強敵出現ソフィア・コッポラ新作に喝采!現地紙は最高点『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」ヴェネチア国際映画祭開幕!ナタリー・ポートマン、過激なシーンも「覚悟してたわ」ヴェネチア国際映画祭、「ヴェネチア3Dアワード」審査委員長に清水崇が就任
2010年09月05日